以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法および縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
A.実施形態
以下、本実施形態に係る情報処理装置1を説明する。
A.1.情報処理装置1の概要
図1に、情報処理装置1の斜視図を示す。情報処理装置1は、ユーザーの身体に装着する機器である。図1に示す情報処理装置1は、バンド部2と、ボタン4-1~3と、表示面6と、ケース部8とを備える。例えば、情報処理装置1は、携帯情報装置の一つであり、ユーザーの手首に装着するリスタブル機器である。また、図1で示すように、情報処理装置1は、腕時計と同様な外観を有する。図1において、表示部の表示面6の側を表面とした場合、裏面から表面へと向かう方向をZ軸正方向とする。そして、Z軸に直交する2軸をXY軸とし、表示面6の中心からボタン4-2への方向をX軸正方向とする。あるいは、表示部の表示面6の法線方向をZ軸とし、表示面の中心からバンド部2への方向をY軸、Z軸およびY軸と直交する軸をX軸とすることもできる。
図2に、情報処理装置1のデバイス構成図を示す。図2に示すように、情報処理装置1は、Main_MCU(Micro Control Unit)10と、Sub_MCU12と、GPS(Global Positioning System)_IC(Integrated Circuit)14とを含む。
Main_MCU10は、情報処理装置1全体の動作を司る集積回路である。Sub_MCU12は、例えば、RAM(Random Access Memory)等を内蔵する集積回路である。例えば、Sub_MCU12は、Main_MCU10の指示により、ユーザーが実行を指示した処理の一部の処理を実行する。Sub_MCU12は、Main_MCU10より処理能力が高いものが用いられる。また、所定の動作周波数(~数MHz)において、Main_MCU10の消費電力はSub_MCU12より低いものが用いられる。
GPS_IC14は、例えば、RAM、レジスター等を内蔵する集積回路である。GPS_IC14は、情報処理装置1の位置を特定する位置特定処理を実行する。GPS_IC14は、例えば、衛星信号をRAMに記憶する。また、レジスターには、例えば、GPS_IC14の状態を示す情報が記憶される。GPS_IC14は、Main_MCU10より処理能力が高いものが用いられる。また、所定の動作周波数(~数MHz)において、Main_MCU10の消費電力はGPS_IC14より低いものが用いられる。
さらに、情報処理装置1は、ディスプレイ30と、地磁気センサー32と、脈拍センサー34と、加速度センサー36と、気圧センサー38と、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)インターフェース40と、フラッシュROM(Read Only Memory)42と、モーションセンサー44とを有する。ディスプレイ30、地磁気センサー32、脈拍センサー34、加速度センサー36、および気圧センサー38は、Main_MCU10と電気的に接続される。また、BLEインターフェース40およびフラッシュROM42は、Sub_MCU12と電気的に接続される。モーションセンサー44は、GPS_IC14と電気的に接続される。
ディスプレイ30は、画像データに基づく画像を表示する。ディスプレイ30には、例えば、EPD(Electrophoretic Display)または液晶ディスプレイ等を採用することが可能である。地磁気センサー32は、情報処理装置1の周辺の磁気を計測する。地磁気センサー32から得られる信号には、地磁気センサー32が計測した磁気が含まれる。
脈拍センサー34は、脈拍信号を出力する。例えば、脈拍センサー34は、発光部74(図7参照)、受光部、およびAFE(Analog Front End)部72(図7参照)を備える。AFE部72は、増幅器、バンドパスフィルターおよびAD変換器を備える。発光部74から照射された光は、血管等の人体の組織で反射して受光部に入射される。受光部は、光電変換した信号、つまり脈拍信号を生成する。AD変換器は、受光部が出力する脈拍信号をAD変換して脈信号を生成し、生成した脈信号を、シリアルインターフェースsp_mm3を介して、Main_MCU10に出力する。生体の血管を流れる血液に含まれるヘモグロビン等による発光部74からの光の吸光量が、心臓の拍動と連動して変化するため、受光部に入射する光量は、心臓の拍動の伝搬、つまり脈拍に応じたものになる。Main_MCU10から脈信号を受信したSub_MCU12は、受信した脈信号に基づいてユーザーUの脈拍数、脈拍間隔(R-R間隔)、脈拍変動(HRV)などを算出する。
加速度センサー36は、慣性センサーの一つであり、情報処理装置1の3軸方向の加速度を計測する。加速度センサー36から得られる信号には、加速度センサー36が計測した加速度が含まれる。気圧センサー38は、情報処理装置1の周辺の気圧を計測する。気圧センサー38から得られる信号には、気圧センサー38が計測した気圧が含まれる。
BLEインターフェース40は、BLE規格に従ったインターフェースである。フラッシュROM42は、Sub_MCU12が実行するプログラムを記憶する不揮発メモリーである。
モーションセンサー44は、情報処理装置1の3軸方向の加速度および角速度を計測する。モーションセンサー44から得られる信号には、モーションセンサー44が計測した加速度および角速度が含まれる。ここで、モーションセンサー44によって計測される加速度は、加速度センサー36によって計測される加速度より分解能が高い。一方で、加速度センサー36は、モーションセンサー44より小さい電力で動作することが可能である。
情報処理装置1は、SPI(Serial Peripheral Interface)方式による6つの通信経路と、I2C(Inter Integrated Circuit)方式による1つの通信経路とを含む。以下、通信経路を、「チャネル」と称する。ここで、SPIおよびI2Cは、マスター・スレーブ間の通信方式の一つである。以下、x番目のチャネルを、単に「xch」と記載する。xは、1以上の整数である。SPIのch1は、ディスプレイ30用のチャネルである。SPIのch2は、地磁気センサー32用のチャネルである。SPIのch3は、脈拍センサー34用のチャネルである。SPIのch4は、加速度センサー36用のチャネルである。SPIのch5は、Main_MCU10とSub_MCU12との通信用のチャネルである。SPIのch6は、Sub_MCU12とGPS_IC14との通信用のチャネルである。
Main_MCU10は、8つのシリアルインターフェースを有する。この8つのシリアルインターフェースの内訳は、7つのSPI方式のシリアルインターフェースと、1つのI2C方式のシリアルインターフェースである。7つのSPI方式のシリアルインターフェースには、マスターとなる4つのシリアルインターフェースと、スレーブとなる3つのシリアルインターフェースとがある。
以下、Main_MCU10に含まれるシリアルインターフェースであって、SPI方式であり、マスターとなるシリアルインターフェースを、「シリアルインターフェースsp_mmx」と記載する。xは、チャネル番号を示す。同様に、以下、Main_MCU10に含まれるシリアルインターフェースであって、SPI方式であり、スレーブとなるシリアルインターフェースを、「シリアルインターフェースsp_msx」と記載する。また、Main_MCU10に含まれるI2Cインターフェースを、「シリアルインターフェースi2c」と称する。Main_MCU10は、5チャネルのSPI方式のシリアルインターフェースを有する。
さらに、Main_MCU10は、MCUコア部18と、センサーモード切替部20と、ディスプレイモード切替部22と、フラッシュROM24と、RAM(Random Access Memory)26とを有する。さらに、Main_MCU10は、GPIO(General Purpose Input Output)端子28を有する。GPIO端子28は、Sub_MCU12が有するGPIO端子29と電気的に接続される。Main_MCU10は、Sub_MCU12に処理を実行させる際にSub_MCU12が停止中であれば、GPIO端子28およびGPIO端子29を介して、Sub_MCU12を起動させる信号を伝送する。また、図2では不図示だが、Main_MCU10またはSub_MCU12のいずれか一方は、さらに、GPIO端子を有し、このGPIO端子は、GPS_IC14が有するGPIO端子と電気的に接続される。これにより、Main_MCU10は、直接、またはGPS_IC14を介して間接的に、Sub_MCU12を起動させる信号を伝送する。
Sub_MCU12は、3つのシリアルインターフェースを有する。この3つのシリアルインターフェースは、SPI方式であって、マスターとなるシリアルインターフェースである。以下、Sub_MCU12に含まれるシリアルインターフェースを「シリアルインターフェースsp_smx」と称する。xは、チャネル番号を示す。さらに、Sub_MCU12は、前述したGPIO端子29を有する。
GPS_IC14は、2つのシリアルインターフェースを有する。この2つのシリアルインターフェースの内訳は、SPI方式であってマスターとなる1つのシリアルインターフェースと、SPI方式であってスレーブとなる1つのシリアルインターフェースとである。以下、GPS_IC14に含まれており、スレーブとなるch6のシリアルインターフェースを、「シリアルインターフェースsp_gs6」と称し、マスターとなるch2のシリアルインターフェースを、「シリアルインターフェースsp_gm2」と称する。
ここで、各シリアルインターフェースの接続先について説明する。シリアルインターフェースsp_mm1は、ディスプレイ30と電気的に接続される。また、シリアルインターフェースsp_mm1は、ディスプレイモード切替部22を介して、シリアルインターフェースsp_ms1と電気的に接続される。
シリアルインターフェースsp_mm2は、地磁気センサー32と電気的に接続される。また、シリアルインターフェースsp_mm2は、センサーモード切替部20を介して、シリアルインターフェースsp_ms2と電気的に接続される。
シリアルインターフェースsp_mm3は、脈拍センサー34と電気的に接続される。シリアルインターフェースsp_mm4は、加速度センサー36と電気的に接続される。シリアルインターフェースsp_i2cは、気圧センサー38と電気的に接続される。シリアルインターフェースsp_ms1は、シリアルインターフェースsp_sm1と電気的に接続される。シリアルインターフェースsp_ms5は、シリアルインターフェースsp_sm5と電気的に接続される。シリアルインターフェースsp_ms2は、シリアルインターフェースsp_gm2と電気的に接続される。シリアルインターフェースsp_sm6は、シリアルインターフェースsp_gs6と電気的に接続される。
GPS_IC14は、前述したように、位置特定処理を実行する。位置特定処理は、例えば、2つの態様がある。第1の態様における位置特定処理は、位置情報衛星の一つであるGPS衛星からの衛星信号だけを用いて、情報処理装置1の位置を特定する。第2の態様の位置情報処理は、モーションセンサー44から得られる加速度ならびに角速度、および地磁気センサー32から得られる地磁気のうち少なくとも一つと、GPS衛星からの衛星信号とに基づいて、情報処理装置1の位置を特定する。第2の態様の位置情報処理は、衛星信号による計測結果と、モーションセンサー44等による計測結果とを組み合わせる。以下、この複数の計測結果の組み合わせを、「カップリング」と称する。そして、カップリングには、例えば、ルーズカップリングとタイトカップリングとがある。以下、2つのカップリングを、モーションセンサー44から得られる加速度および角速度と組み合わせる場合を例として説明する。
ルーズカップリングでは、衛星信号から得られた位置を、モーションセンサー44から得られた加速度および角速度を積分することにより得られる距離および方角によって補正する。例えば、衛星信号に基づき特定された、ある位置から、情報処理装置1が少し移動したとする。この際に、GPS_IC14は、慣性航法システム(INS(Inertial Navigation System))と呼ばれる方法により、モーションセンサー44から得られた加速度および角速度を積分することにより、前述のある位置から現在位置までの距離および方角を特定し、前述のある位置を、特定した距離および方角によって補正する。
タイトカップリングでは、衛星信号から得られたコード位相、ドップラー周波数、擬似距離、ならびに擬似距離変化率等、およびモーションセンサー44から得られた加速度ならびに角速度等に対してカップリング処理を実行し、情報処理装置1の位置を特定する。ルーズカップリングでは、例えば、1分に1回または1秒に1回モーションセンサー44から加速度および角速度を得る必要がある。これに対し、タイトカップリングでは、ルーズカップリングより頻繁にモーションセンサー44から加速度および角速度を得る必要があり、例えば、数ミリ秒に1回である。
地磁気センサー32から得られる地磁気を用いる場合、具体的には、建物などを支えるための鉄骨や鉄筋に含まれる磁力を、地磁気センサー32が予め計測しておき、GPS_IC14が、計測した磁力の値と、計測位置とを対応付けたデータベースを、GPS_IC14のRAM等に記憶しておく。次に、GPS_IC14は、前述したデータベースを参照して、衛星信号に基づき特定された位置の付近において、地磁気センサー32が計測した磁力の値に対応する位置を、情報処理装置1の位置として特定する。
センサーモード切替部20は、第1のセンサーモードと第2のセンサーモードとを切り替える機能を有する。第1のセンサーモードは、Main_MCU10が地磁気センサー32から得られた信号を取得するモードである。第2のセンサーモードは、地磁気センサー32から得られた信号をGPS_IC14にそのまま出力するモードである。ここで、「そのまま出力する」とは、得られた信号になんら処理を施すことなく、得られた信号と同一の信号を出力することである。得られた信号になんら処理を施さないことは、得られた信号を変換しないこと、得られた信号になんらかのデータを加えないこと、および、得られた信号の一部を削除しないことである。
ここで、図3および図4を用いて、第1のセンサーモード時と第2のセンサーモード時とのそれぞれの場合における情報処理装置1を説明する。図3に、第1のセンサーモード時における情報処理装置1を示す。第1のセンサーモードでは、Main_MCU10が、地磁気センサー32から得られた信号を取得する。本実施形態では、1つのマスターに対して1つのスレーブが接続するため、Main_MCU10とGPS_IC14との間で排他制御を行う必要がない。2つのマスターに対して1つのスレーブが接続されるマルチマスターでは、2つのマスター間で排他制御を行う必要がある。さらに、マルチマスターでは、2つのマスターのいずれか一方の電力の供給を停止させると、配線経由で余分な電流が流れる。即ち、スレーブから信号をマスターに伝送する場合、動作しているマスターに信号を伝送できれば良く、動作を停止しているマスターに信号を伝送する必要はない。しかしながら、スレーブと動作しているマスターとの間は配線を介して接続され、当該配線が分岐して動作していないマスターとも接続されている。このような状態でスレーブが配線に信号を出力すると、電流は配線を介して動作していないマスターにも流れ込む。よって、マルチマスターでは配線経由で余分な電流が流れる。これに対して本実施形態では、GPS_IC14の電力の供給を停止させる際には、Main_MCU10と接続されている配線のみに電流が流れる。本実施形態では、地磁気センサー32とMain_MCU10とに電力が供給されるため、地磁気センサー32とMain_MCU10との間の配線に電流が流れる。この配線は、電力が供給されないデバイスに接続されていないので、配線経由で余分な電流が流れることがない。このように、本実施形態では、マルチマスターに比べて、より低消費電力なシステムを構築することが可能である。
図4に、第2のセンサーモード時における情報処理装置1を示す。第2のセンサーモードでは、Main_MCU10は、地磁気センサー32から得られた信号をGPS_IC14にそのまま出力する。これにより、GPS_IC14は、地磁気センサー32の信号を直接得ることができるため、よりリアルタイムに位置を補正することが可能になる。
ここで、第2のセンサーモードにおいて、位置特定処理をGPS_IC14に実行させる場合、Main_MCU10は、GPS_IC14が停止中であればGPS_IC14を起動させる。そして、Main_MCU10は、センサーモード切替部20のモードが第2のセンサーモードであり、かつ、GPS_IC14が起動した場合、GPS_IC14に位置特定処理を実行させる。このように、位置特定処理を実行する場合にGPS_IC14を起動させて、必要のない場合にはGPS_IC14を停止させることによって、情報処理装置1は、GPS_IC14への電力の供給量を低減させる分、消費電力を削減することが可能になる。
ここで、GPS_IC14を停止させる方法は、例えば、2つの方法がある。第1の方法は、GPS_IC14内の全てのデバイスに対して電力の供給を停止する方法である。第1の方法では、GPS_IC14内の全てのデバイスに対して電力の供給を停止する前に、GPS_IC14内のRAM、レジスター等の揮発メモリーに記憶されている情報を、不揮発メモリーに書き出すことになる。前述の情報は、例えば、RAMに記憶されている衛星信号、またはレジスターに記憶されているGPS_IC14の状態を示す情報である。第2の方法は、GPS_IC14内のRAM以外のデバイスに対して電力の供給を停止する方法である。
第2のセンサーモードによって、GPS_IC14は、Main_MCU10が地磁気センサー32からの信号に処理を施す場合と比較して、より早く信号を得ることができるため、よりリアルタイムに位置を補正することが可能になる。また、第2のセンサーモードによって地磁気センサー32の信号をより早く得ることができるため、GPS_IC14は、数ミリ秒に1回地磁気センサー32の信号を得る必要があるタイトカップリングによる位置特定処理を実行することが可能になる。また、位置特定処理は負荷の重い処理であるため、GPS_IC14に前述の処理を実行させることにより、Main_MCU10の負荷集中を抑制することができる。
説明を図2に戻す。
ディスプレイモード切替部22は、第1のディスプレイモードと第2のディスプレイモードとを切り替え可能な機能を有する。第1のディスプレイモードは、Main_MCU10が第1の画像処理を実行して得た第1の画像データをディスプレイ30に出力するモードである。第2のディスプレイモードは、Sub_MCU12が第2の画像処理を実行して得た第2の画像データをディスプレイ30にそのまま出力するモードである。
ここで、図5および図6を用いて、第1のディスプレイモード時と第2のディスプレイモード時とのそれぞれの場合における情報処理装置1を説明する。図5に、第1のディスプレイモード時における情報処理装置1を示す。第1のディスプレイモードでは、Main_MCU10は、第1の画像処理によって出力された第1の画像データをディスプレイ30に出力する。このように、本実施形態では、地磁気センサー32の接続方法と同様に、排他制御を行う必要がない。また、本実施形態では、Sub_MCU12の電力の供給を停止させる際には、Sub_MCU12の電力の供給を停止させる際には、Main_MCU10と接続されている配線のみに電流が流れる。本実施形態では、ディスプレイ30とMain_MCU10に電力が供給されるため、ディスプレイ30とMain_MCU10との間の配線に電流が流れる。この配線は、電力が供給されないデバイスに接続されていないので、配線経由で余分な電流が流れることがない。このように、本実施形態では、マルチマスターに比べて、より低消費電力なシステムを構築することが可能である。
図6に、第2のディスプレイモード時における情報処理装置1を示す。第2のディスプレイモードでは、Main_MCU10は、Sub_MCU12が第2の画像処理を実行して得た第2の画像データをディスプレイ30にそのまま出力する。ここで、Main_MCU10は、第2の画像データになんら処理を施すことなくディスプレイ30に出力するため、Main_MCU10において第2の画像データに処理を施す場合と比較して、第2の画像データに基づく画像をディスプレイ30により早く表示させることが可能になる。
ここで、第2の画像処理をSub_MCU12に実行させる場合、Main_MCU10は、Sub_MCU12が停止中であればSub_MCU12を起動させる。そして、Main_MCU10は、ディスプレイモード切替部22のモードが第2のディスプレイモードであり、かつ、Sub_MCU12が起動した場合、Sub_MCU12に第2の画像処理を実行させる。このように、第2の画像処理を実行する場合にSub_MCU12を起動させて、必要のない場合には、Sub_MCU12を停止させることによって、情報処理装置1は、Sub_MCU12への電力の供給量を低減して、消費電力を抑制ことが可能になる。また、第2の画像処理は第1の画像処理より負荷の重い処理であり、Sub_MCU12に前述の処理を実行させることにより、Main_MCU10の負荷集中を抑制することができる。
ここで、Sub_MCU12を停止させる方法は、例えば、GPS_IC14を停止させる方法と同様に、2つの方法がある。第1の方法は、Sub_MCU12内の全てのデバイスに対して電力の供給を停止する方法である。第1の方法では、Sub_MCU12内の全てのデバイスに対して電力の供給を停止する前に、Sub_MCU12内の揮発メモリーに記憶されている情報を、フラッシュROM42等の不揮発メモリーに書き出すことになる。第2の方法は、Sub_MCU12内の揮発メモリー以外のデバイスに対して電力の供給を停止する方法である。
第1の画像処理は、例えば、2つの態様がある。第1の態様における第1の画像処理は、現在時刻を示す画像データを、第1の画像データとして生成する処理である。現在時刻を示す画像データは、例えば、デジタル表示であれば、現在時刻を示す文字列を含む画像を示す。また、アナログ表示であれば、現在時刻を示す画像データは、文字盤を示す画像に、現在時刻を示す位置にある長針および短針を示す画像を重ねた画像を示す。
第2の態様における第1の画像処理は、ユーザーの歩数を示す第1の画像データを生成する処理である。
第2の画像処理は、例えば、2つの態様がある。第1の態様における第2の画像処理は、第2の画像データとして、位置特定処理によって特定された情報処理装置1の位置に基づく画像データを生成する。第2の画像データは、例えば、ユーザーが走行した距離を示す。この場合、ある地図を示す画像に、前述のある地図上における走行を開始した位置に第1のアイコンと、位置特定処理によって特定された位置に第2のアイコンとを重ねた画像を示す画像データである。Main_MCU10は、第2のディスプレイモードにおいて、Sub_MCU12で生成された第2の画像データをディスプレイ30にそのまま出力する。これにより、Main_MCU10がSub_MCU12から取得した位置特定処理によって特定された位置に基づいて地図上にアイコンを重ねて画像データを生成する処理を実行する場合と比較して、より早く画像データを得ることができるため、よりリアルタイムな位置を示すことが可能になる。
第2の態様における第2の画像処理は、第2の画像データとして、脈拍センサー34から取得された信号を用いて算出された、ユーザーの脈拍に基づく画像データを生成する。Main_MCU10は、第2のディスプレイモードにおいて、Sub_MCU12で生成された第2の画像データをディスプレイ30にそのまま出力することにより、Main_MCU10がSub_MCU12から取得したユーザーの脈拍に基づいて画像データを生成する処理を実行する場合と比較して、より早く得ることができるため、よりリアルタイムな脈拍を示すことが可能になる。
ユーザーの脈拍に基づく画像データは、例えば、2つの態様がある。第1の態様におけるユーザーの脈拍に基づく画像データは、ユーザーの脈拍を示す文字列を含む画像を示す。第2の態様におけるユーザーの脈拍に基づく画像データは、予め入力されたユーザーの年齢に対応する最大脈拍に対する、ユーザーの脈拍の割合を示す文字列を含む画像を示す。例えば、ユーザーの年齢に対応する最大脈拍が200回/分であり、ユーザーの脈拍が100回/分であれば、最大脈拍に対するユーザーの脈拍の割合は、100/200=50%となる。
説明を図2に戻す。
MCUコア部18は、RAM26に展開されたプログラムを実行する。MCUコア部18には、ALU(Arithmetic Logic Unit)およびレジスターが含まれる。フラッシュROM24は、MCUコア部18が実行するプログラムを記憶する不揮発メモリーである。例えば、フラッシュROM24は、センサーモード切替部20のモードおよびディスプレイ切替部22のモードを切り替えるプログラムを有する。MCUコア部18が前述のプログラムを実行し、制御信号Ctr1(図13参照)をセンサーモード切替部20に出力することにより、センサーモード切替部20のモードが切り替わる。同様に、MCUコア部18が前述のプログラムを実行し、制御信号Ctr2(図14、図15参照)をディスプレイモード切替部22に出力することにより、ディスプレイモード切替部22のモードが切り替わる。このように、プログラムの実行によって、センサーモード切替部20およびディスプレイモード切替部22が実現される。
RAM26は、Main_MCU10のワークメモリーとなる揮発メモリーである。例えば、RAM26には、フラッシュROM24が記憶するプログラムが展開される。また、RAM26は、地磁気センサー32、脈拍センサー34、加速度センサー36、および気圧センサー38が計測した信号を記憶する。
A.2.情報処理装置1の電源系統
図7および図8を用いて、情報処理装置1の電源系統について説明する。図7および図8で示す実線は、信号線を示し、点線は、電力を供給する供給線を示す。また、情報処理装置1は、図2に示したデバイスに加えて、振動モーター50、フロントライト52、ブザー54、USB(Universal Serial Bus)インターフェース56、ソーラーパネル58、電池保護IC60、電池充電IC62、電池充電IC64、2次電池66、およびDCDCコンバーター80を有する。また、情報処理装置1に含まれるMain_MCU10は、LDO(Low Drop Out)レギュレーター82、LDOレギュレーター84、およびLDOレギュレーター86を有する。さらに、情報処理装置1は、DCDCコンバーター88、DCDCコンバーター90、およびDCDCコンバーター92を有する。さらに、情報処理装置1は、FET(Field Effect Transistor)94-1~7を有する。また、情報処理装置1に含まれるMain_MCU10は、FET制御部96-1~6を有する。また、脈拍センサー34は、AFE部72と発光部74とを含む。
振動モーター50は、振動モーターが振動することにより、ユーザーに何らかの情報を通知する。フロントライト52は、光をディスプレイ30に照射する。フロントライト52から照射された光によってディスプレイ30を照らすため、ユーザーは、暗い環境であってもディスプレイ30の表示内容を視認し易くすることが可能になる。ブザー54は、電磁石を利用して振動板を振動させて、音を出す装置である。
USBインターフェース56は、USB規格に従ったインターフェースである。ソーラーパネル58は、太陽等の光のエネルギーを用いて電気を発生させる。電池保護IC60は、過充電および過放電等から2次電池を保護する。電池充電IC62は、USBインターフェース56からの電力を2次電池66に充電する。電池充電IC64は、ソーラーパネル58からの電力を2次電池66に充電する。2次電池66は、Main_MCU10等に駆動電力を供給する、繰り返し充電可能な電池である。Main_MCU10は、2次電池66等から電源VDD_INが供給される。
DCDCコンバーター80は、2次電池66等から供給される電源から、第1の電圧を生成し、生成した電圧を電源電圧としてSub_MCU12、ディスプレイ30、BLEインターフェース40、およびフラッシュROM42に供給する。ここで、DCDCコンバーター80は、Sub_MCU12にはFET94-1がONの場合に限り電源電圧を供給し、ディスプレイ30にはFET94-2がONの場合に限り電源電圧を供給し、フラッシュROM42にはFET94-3がONの場合に限り電源電圧を供給する。
LDOレギュレーター82は、第2の電圧を生成し、生成した電圧を電源電圧として加速度センサー36、気圧センサー38、地磁気センサー32、およびAFE部72に供給する。ここで、LDOレギュレーター82は、気圧センサー38にはFET94-4がONの場合に限り電源電圧を供給し、地磁気センサー32にはFET94-5がONの場合に限り電源電圧を供給し、AFE部72にはFET94-6がONの場合に限り電源電圧を供給する。
LDOレギュレーター84は、第3の電圧を生成し、生成した電圧を電源電圧として発光部74に供給する。LDOレギュレーター86は、第4の電圧を生成し、生成した電圧を電源電圧として振動モーター50、フロントライト52、およびブザー54に供給する。図8に示すように、DCDCコンバーター88は、第5の電圧を生成し、生成した電圧を電源電圧VDD_RFとしてGPS_IC14に供給する。同様に、DCDCコンバーター90は、第6の電圧を生成し、生成した電圧を電源電圧VDD_FLASHとしてGPS_IC14に供給する。同様に、DCDCコンバーター92は、第7の電圧を生成し、生成した電圧を電源電圧VDD_FLASHおよびVDD_IOとしてGPS_IC14に供給する。ここで、DCDCコンバーター92は、FET94-7がONの場合に限り電源電圧VDD_IOを供給する。
図7に示すFET制御部96-1~6は、それぞれ、FET94-1~6のON、OFFを制御する。ONに設定すれば導通することにより、FET94の接続先となるデバイスに電源電圧が供給され、OFFに設定すれば非導通することにより、FET94の接続先となるデバイスに電源電圧が供給されない。また、FET94-7のON、OFFを制御するFET制御部96は図示していないが、Main_MCU10またはSub_MCU12が有する。
A.3.情報処理装置1が実行する処理一覧
次に、図9~図12を用いて、情報処理装置1が実行する各処理と、各処理を実行する実行主体について説明する。図9に、情報処理装置1が実行する各処理と、各処理を実行する実行主体との対応関係を示す。図9に示す表100が示すように、情報処理装置1は、時計表示処理、歩数表示処理、歩数および脈拍表示処理、およびワークアウト表示処理を実行する。
時計表示処理は、現在時刻をディスプレイ30に表示する処理である。時計表示処理は、Main_MCU10が実行する処理である。歩数表示処理は、ユーザーの歩数をディスプレイ30に表示する処理である。歩数表示処理は、Main_MCU10が実行する処理である。歩数および脈拍表示処理は、ユーザーの歩数および脈拍をディスプレイ30に表示する処理である。歩数および脈拍表示処理は、Main_MCU10およびSub_MCU12が協同して実行する。ワークアウト表示処理は、ワークアウトとして、ユーザーの脈拍と、ユーザーが走行した距離とをディスプレイ30に表示する処理である。ワークアウト表示処理は、Main_MCU10、Sub_MCU12、およびGPS_IC14が協同して実行する。
次に、図10~図12を用いて、歩数表示処理、歩数および脈拍表示処理、およびワークアウト表示処理のそれぞれを実行する際における、情報処理装置1内のデバイス群の動作状態を示す。ここで、図10~図12において、網掛けを付与したデバイスは、電力が供給されておらず、停止している状態であることを示す。
図10に、歩数表示処理実行中の情報処理装置1内のデバイス群の動作状態を示す。歩数表示処理を実行する際には、ディスプレイモード切替部22のモードは、第1のディスプレイモードとなる。なお、歩数表示処理では、地磁気センサー32の信号は使用しないため、センサーモード切替部20のモードは、第1のセンサーモードでもよいし第2のセンサーモードでもよい。
歩数表示処理において、Main_MCU10は、加速度センサー36から得られた加速度を、RAM26に保持する。ここで、加速度のデータ量が2Byteであり、1秒間に16回の計測を行うとして、加速度センサー36が3軸の加速度を計測するため、1秒分の加速度のデータ量は、2×3×16=96Byteとなる。次に、Main_MCU10は、加速度センサー36から得られた加速度に基づいて、ユーザーの歩数を算出する。そして、Main_MCU10は、前述した第2の態様における第1の画像処理を実行し、ユーザーの歩数を示す画像データを、第1の画像データとして生成し、ディスプレイ30に第1の画像データを出力する。ディスプレイ30は、第1の画像データが示す歩数を表示する。
図10に示すように、歩数表示処理を実行する際には、地磁気センサー32、脈拍センサー34、気圧センサー38、Sub_MCU12、GPS_IC14、BLEインターフェース40、フラッシュROM42、およびモーションセンサー44は、停止している状態である。
図11に、歩数および脈拍表示処理実行中の情報処理装置1内のデバイス群の動作状態を示す。歩数および脈拍表示処理では、10分に1回、脈拍を算出する脈拍算出処理を実行するものとする。また、ディスプレイモード切替部22のモードは、第2のディスプレイモードとなる。なお、歩数および脈拍表示処理では、地磁気センサー32から得られる地磁気は使用しないため、センサーモード切替部20は、第1のセンサーモードでもよいし第2のセンサーモードでもよい。
歩数および脈拍表示処理において、Main_MCU10は、脈拍センサー34から得られた脈信号データ、加速度センサー36から得られた加速度、および気圧センサー38から得られた気圧を、RAM26に保持する。脈拍を算出するタイミングを含む、ある30秒分の脈信号データ、加速度、および気圧のデータ量は、約6.5KByteとなる。約6.5KByteの具体的な内訳として、加速度センサー36から得られる1秒分の加速度のデータ量は、図10に示したように、96Byteとなる。また、脈拍センサー34から得られる1秒分の脈信号データのデータ量は、1秒間に16回の計測を行うとして、4Byte×16=64Byteとなる。また、気圧センサー38から得られる1秒分の気圧のデータ量は、1秒間に16回の計測を行うとして、4Byte×16=64Byteとなる。以上により、1秒間の脈信号データ、加速度、および気圧のデータ量は、96Byte+64Byte+64Byte=224Byteとなる。従って、30秒間の脈信号データ、加速度、および気圧のデータ量は、224Byte×30秒=6720Byteとなり、約6.5KByteとなる。
次に、Main_MCU10は、Sub_MCU12を起動させる。Sub_MCU12は、起動した後、SPIのch5を介してRAM26に保持された脈信号データを取得する。Sub_MCU12は、取得した脈信号データに基づいて、ユーザーの脈拍を算出する。具体的には、Sub_MCU12は、取得した脈信号データに対して、FFT(Fast Fourier Transform)を実行し、FFTにより得られた周波数特性に基づいて、ユーザーの脈拍を算出する。そして、Sub_MCU12は、前述した第2の態様における第2の画像処理を実行し、第2の画像データをMain_MCU10に出力する。ディスプレイモード切替部22のモードが第2のディスプレイモードであるため、Main_MCU10は、第2の画像データをそのままディスプレイ30に出力する。ディスプレイ30は、第2の画像データが示す脈拍を表示する。
図11に示すように、歩数および脈拍表示処理を実行する際には、地磁気センサー32、GPS_IC14、BLEインターフェース40、フラッシュROM42、およびモーションセンサー44は、停止している状態である。
図12に、ワークアウト表示処理実行中の情報処理装置1内のデバイス群の動作状態を示す。ワークアウト表示処理を実行する際には、センサーモード切替部20のモードは、第2のセンサーモードとなり、ディスプレイモード切替部22のモードは、第2のディスプレイモードとなる。
ワークアウト表示処理において、ユーザーの脈拍をディスプレイ30に表示させるために、Main_MCU10は、脈拍センサー34から得られた脈信号、加速度センサー36から得られた加速度、および気圧センサー38が計測した気圧を、RAM26に保持する。また、Main_MCU10は、Sub_MCU12を起動させる。Sub_MCU12は、起動した後、SPIのch5を介してRAM26に保持された、脈信号、加速度、および気圧を取得する。また、ユーザーが走行した距離を表示させるために、Main_MCU10は、GPS_IC14を起動させる。そして、Main_MCU10は、センサーモード切替部20のモードが第2のセンサーモードであるため、地磁気センサー32から得られた地磁気を、GPS_IC14にそのまま出力する。GPS_IC14は、衛星信号と、地磁気センサー32が計測した地磁気とに基づいて、位置特定処理を実行する。GPS_IC14は、特定した位置を示すデータを、Sub_MCU12に送信する。
ここで、ユーザーが走行した距離を特定する処理を実行する方法は、例えば、2つの方法がある。第1の方法は、GPS_IC14が、走行開始時点における情報処理装置1の位置を特定し、さらに、現時点の情報処理装置1の位置を特定し、Sub_MCU12が、2つの位置の距離を、ユーザーが走行した距離として特定する方法である。第2の方法は、GPS_IC14が走行開始時点の位置と、現時点の位置とを特定し、そのまま、GPS_IC14が、2つの位置の距離を、ユーザーが走行した距離として特定する方法である。本実施形態では、第1の方法が実行されるとする。
Sub_MCU12は、第1の態様における第2の画像処理を実行し、第2の画像データをMain_MCU10に出力する。ディスプレイモード切替部22のモードが第2のディスプレイモードであるため、Main_MCU10は、第2の画像データをそのままディスプレイ30に出力する。ディスプレイ30は、第2の画像データが示す距離を表示する。
図12に示すように、ワークアウト表示処理を実行する際には、BLEインターフェース40、およびフラッシュROM42は、停止している状態である。
A.4.本実施形態の効果
以上示したように、地磁気センサー32は、Main_MCU10と電気的に接続している。GPS_IC14は、Main_MCU10と電気的に接続しており、地磁気センサー32とは電気的に直接は接続されていない。Main_MCU10は、地磁気センサー32から得られた信号を、GPS_IC14にそのまま出力する。これにより、地磁気センサー32が信号を出力してからGPS_IC14が前述の信号を得るまでにかかる時間が、Main_MCU10が前述のセンサーデータに処理を施す場合と比較して短縮することが可能である。また、本実施形態は、Main_MCU10およびGPS_IC14が地磁気センサー32を直接制御することが可能である。また、本実施形態は、マルチマスターに比べて、より低消費電力なシステムを構築することが可能である。また、本実施形態は、Main_MCU10およびGPS_IC14間の排他制御を必要としない。また、本実施形態は、地磁気センサー32に関する配線を簡素にすることが可能である。また、本実施形態は、負荷の重い処理が必要な場合にGPS_IC14で処理することができるので、処理能力が高いGPS_IC14で常に処理を行う場合と比較して、より低消費電力なシステムを構築できる。
また、ディスプレイ30は、Main_MCU10と電気的に接続している。Sub_MCU12は、Main_MCU10と電気的に接続しており、ディスプレイ30とは電気的に直接は接続されていない。Main_MCU10は、Sub_MCU12から得られた信号を、ディスプレイ30にそのまま出力する。これにより、Sub_MCU12が画像データを出力してからディスプレイ30が前述の画像データを得るまでにかかる時間が、Main_MCU10が前述の画像データに処理を施す場合と比較して短縮することが可能になる。また、本実施形態において、マルチマスターに比べて、より低消費電力なシステムを構築することが可能である。また、本実施形態は、Main_MCU10およびSub_MCU12間の排他制御を必要としない。また、本実施形態は、ディスプレイ30に関する配線を簡素にすることが可能である。また、本実施形態は、負荷の重い処理が必要な場合にSub_MCU12で処理することができるので、処理能力が高いSub_MCU12で常に処理を行う場合と比較して、より低消費電力なシステムを構築できる。
なお、本実施形態において、Main_MCU10が「第1の処理装置」の例であり、Sub_MCU12およびGPS_IC14が「第2の処理装置」の例である。また、地磁気センサー32が「センサー」の例である。また、ディスプレイ30が「表示部」の例である。また、第1のセンサーモードが、「第1の処理装置がセンサーから得られた信号を取得する第1のモード」の例であり、第2のセンサーモードが、「センサーから得られた信号を第2の処理装置にそのまま出力する第2のモード」の例である。また、第1のディスプレイモードが、「第1の処理装置が第1の画像処理を実行して出力された第1の画像データを表示部に出力する第1のモード」の例であり、第2のディスプレイモードが、「第2の処理装置が第2の画像処理を実行して出力された第2の画像データを表示部にそのまま出力する第2のモード」の例である。また、位置特定処理が、「所定の処理」の例である。
以上説明した情報処理装置1により、次に示す情報処理装置の第1の制御方法が把握できる。第1の制御方法は、Main_MCU10が地磁気センサー32から得られた信号を用いた第1の処理を実行する工程と、GPS_IC14が地磁気センサー32から得られた信号を用いた第2の処理を実行する工程とを有する。第2の処理は、前述した所定の処理に相当する。GPS_IC14が第2の処理を実行する工程には、位置特定処理を実行する処理を含む。
第2の処理をGPS_IC14が実行する場合、Main_MCU10は、GPS_IC14が停止中であればGPS_IC14を起動させ、地磁気センサー32から得られた信号をGPS_IC14にそのまま出力する。
また、以上説明した情報処理装置1により、次に示す情報処理装置の第2の制御方法が把握できる。第2の制御方法は、Main_MCU10が第1の画像処理を実行する工程と、Sub_MCU12が第2の画像処理を実行する工程とを有する。Sub_MCU12が第2の画像処理を実行する工程には、位置特定処理によって特定された位置に基づく画像データを第2の画像データとして出力する処理を含む。本実施形態では、GPS_IC14が位置特定処理を実行するが、Sub_MCU12が位置特定処理を実行してもよい。
第2の画像処理をSub_MCU12が実行する場合、Main_MCU10は、Sub_MCU12が停止中であればSub_MCU12を起動させる。Sub_MCU12は、第2の画像処理を実行して出力された第2の画像データをMain_MCU10に出力する。Main_MCU10は、第2の画像データをディスプレイ30にそのまま出力する。
A.5.実施例
以下、実施例を示すが、本発明は以下の例により限定されるものではない。
図13および図14に、実施例における情報処理装置1を示す。本実施例は、ディスプレイ30が、EPD200である例である。図13では、センサーモード切替部20に関する詳細な説明を行い、図14では、ディスプレイモード切替部22に関する詳細な説明を行う。図13では、図面の煩雑化を避けるために、地磁気センサー32に関係ないデバイスの表示を省略してある。同様に、図14では、図面の煩雑化を避けるために、EPD200に関係ないデバイスの表示を省略してある。
図13および図14に示すSPI方式は、4線のSPI方式が採用されている。4線式のSPIでは、SS(Slave Select)信号、SCK(Serial clock)信号、SDI(Serial Data In)信号、およびSDO(Serial Data Out)信号という4信号を使用する。従って、SPI方式のシリアルインターフェースは、この4信号のそれぞれに対応する4つの端子として、SS端子、SCK端子、SDI端子、およびSDO端子を有する。以下、シリアルインターフェースsp_mm1に含まれるSS端子、SCK端子、SDI端子、およびSDO端子を、それぞれ、「SS端子mm1_ss」、「SCK端子mm1_sck」、「SDI端子mm1_sdi」、「SDO端子mm1_sdo」と記載する。このように、SS端子、SCK端子、SDI端子、およびSDO端子に、シリアルインターフェースに付与した符号のうち、「_」以降の符号を付与することにより、各端子がどのシリアルインターフェースに属する端子かを表すこととする。
図13に示すように、本実施例におけるMain_MCU10は、マスターとなるシリアルインターフェースsp_mm2’を有する。センサーモード切替部20は、セレクター110を有する。また、地磁気センサー32は、スレーブとなるシリアルインターフェースsp_ts2を有する。シリアルインターフェースsp_ts2は、シリアルインターフェースsp_mm2と電気的に接続される。
図13では、図面の煩雑化を避けるために、シリアルインターフェースsp_mm2’の4つの端子を省略してある。図13に示すシリアルインターフェースsp_mm2’からセレクター110への3つの信号線は、シリアルインターフェースsp_mm2’内のSS端子、SCK端子、SDO端子のそれぞれからセレクター110へ向かう信号線である。また、図13に示すセレクター110からシリアルインターフェースsp_mm2’への信号線は、セレクター110からシリアルインターフェースsp_mm2’内のSDI端子へ向かう信号線である。
セレクター110は、地磁気センサー32の信号の出力先として、シリアルインターフェースsp_mm2’およびシリアルインターフェースsp_ms2と電気的に接続され、地磁気センサー32の信号の取得元として、シリアルインターフェースsp_mm2に接続される。セレクター110は、MCUコア部18が出力する制御信号Ctr1に基づいて、複数の信号のいずれかを選択する回路である。より具体的には、制御信号Ctr1が第1のセンサーモードを示す信号であれば、センサーモード切替部20のモードが第1のセンサーモードとなり、セレクター110は、シリアルインターフェースsp_mm2’に含まれる地磁気センサー32の読み出し要求を、シリアルインターフェースsp_mm2に出力する。そして、セレクター110は、読み出し要求に対応する地磁気センサー32の信号を、読み出し要求元となるシリアルインターフェースsp_mm2’に出力する。
一方、制御信号Ctr1が第2のセンサーモードを示す信号であれば、センサーモード切替部20のモードが第2のセンサーモードとなり、セレクター110は、シリアルインターフェースsp_ms2に含まれる地磁気センサー32の読み出し要求を、シリアルインターフェースsp_mm2に出力する。そして、セレクター110は、読み出し要求に対応する地磁気センサー32から得られた信号を、読み出し要求元となるシリアルインターフェースsp_ms2にそのまま出力する。
従って、センサーモード切替部20のモードが第1のセンサーモードである場合には、地磁気センサー32の信号は、Main_MCU10が取得することになる。一方、センサーモード切替部20のモードが第2のセンサーモードである場合には、セレクター110によって信号の出力先が切り替えられて、地磁気センサー32の信号は、GPS_IC14にそのまま出力される。このように、Main_MCU10およびSub_MCU12は、地磁気センサー32に接続することが可能である。
さらに、地磁気センサー32は、Busy端子120を有する。Busy端子120は、地磁気センサー32がビジーか否かを示すビジー信号を出力する端子である。Main_MCU10は、GPIO端子130、GPIO端子132、およびGPIO端子140を有する。GPS_IC14は、GPIO端子140を有する。Busy端子120とGPIO端子130とは電気的に接続される。また、GPIO端子130とGPIO端子132とは電気的に接続される。また、GPIO端子132とGPIO端子140とは電気的に接続される。ビジー信号について、GPS_IC14に対してもビジー信号を通知する必要があるため、Main_MCU10は、GPIO端子130、GPIO端子132、およびGPIO端子140を介して、ビジー信号を出力する。また、Main_MCU10は、GPIO端子130のレジスターを参照することにより、ビジー信号を読み出すことが可能である。
図14に示すように、本実施例におけるMain_MCU10は、マスターとなるシリアルインターフェースsp_mm1’を有する。本実施例におけるディスプレイモード切替部22は、セレクター210を有する。また、EPD200は、スレーブとなるシリアルインターフェースsp_ds1を有する。シリアルインターフェースsp_ds1は、シリアルインターフェースsp_mm1と電気的に接続される。
図14では、図面の煩雑化を避けるために、シリアルインターフェースsp_mm1’の4つの端子を省略してある。図14に示すシリアルインターフェースsp_mm1’からセレクター210への3つの信号線は、シリアルインターフェースsp_mm1’内のSS端子、SCK端子、SDO端子のそれぞれからセレクター210へ向かう信号線である。図14に示すシリアルインターフェースsp_mm1’からセレクター210への3つの信号線は、シリアルインターフェースsp_mm1’内のSS端子、SCK端子、SDO端子のそれぞれからセレクター210へ向かう信号線である。また、図14に示すセレクター210からシリアルインターフェースsp_mm1’への信号線は、セレクター210からシリアルインターフェースsp_mm1’内のSDI端子へ向かう信号線である。
セレクター210は、画像データの入力元として、シリアルインターフェースsp_mm1’およびシリアルインターフェースsp_ms1と電気的に接続され、画像データの出力先として、シリアルインターフェースsp_mm1に接続される。そして、セレクター210は、MCUコア部18が出力する制御信号Ctr2に基づいて、複数の信号のいずれかを選択する回路である。より具体的には、制御信号Ctr2が第1のディスプレイモードを示す信号であれば、ディスプレイモード切替部22のモードが第1のディスプレイモードとなり、セレクター210は、シリアルインターフェースsp_mm1’から入力された画像データを、シリアルインターフェースsp_mm1に出力する。制御信号Ctr2が第2のディスプレイモードを示す信号であれば、ディスプレイモード切替部22のモードが第2のディスプレイモードとなり、セレクター110は、シリアルインターフェースsp_ms1から入力された画像データを、シリアルインターフェースsp_mm1に出力する。
従って、ディスプレイモード切替部22のモードが第1のディスプレイモードである場合には、第1の画像データが、シリアルインターフェースsp_mm1’から入力され、シリアルインターフェースsp_mm1を介して、EPD200に出力される。一方、ディスプレイモード切替部22のモードが第2のディスプレイモードである場合には、セレクター210によって画像データの入力元が切り替えられて、シリアルインターフェースsp_ms1から出力された第2の画像データが、シリアルインターフェースsp_mm1を介してEPD200に出力される。このように、Main_MCU10およびSub_MCU12は、EPD200に接続することが可能である。
さらに、EPD200は、Busy端子220と、Reset端子222とを有する。Busy端子220は、EPD200がビジーか否かを示すビジー信号を出力する端子である。Reset端子222は、リセット信号を受け付ける端子である。
また、Main_MCU10は、GPIO端子230、GPIO端子232、およびGPIO端子234を有する。Sub_MCU12は、GPIO端子240を有する。Busy端子220とGPIO端子230とは電気的に接続される。また、GPIO端子230とGPIO端子234とは電気的に接続される。また、GPIO端子234とGPIO端子240とは電気的に接続される。EPD200に対するReset信号は、Main_MCU10が出力し、Sub_MCU12は出力しない。このように、EPD200に対するReset信号等の制御信号に関しては、Main_MCU10が行う。ただし、ビジー信号について、Sub_MCU12に対してもビジー信号を通知する必要があるため、Main_MCU10は、GPIO端子230、GPIO端子234、およびGPIO端子240を介して、ビジー信号を出力する。また、Main_MCU10は、GPIO端子230のレジスターを参照することにより、ビジー信号を読み出すことが可能である。
B.変形例
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
B.1.第1の変形例
図15に、第1の変形例における情報処理装置1を示す。本実施形態では、Main_MCU10とディスプレイ30とは、SPI方式によるシリアルインターフェースによって通信を行う。一方、第1の変形例では、Main_MCU10とディスプレイ30とが、パラレル通信を行う。より具体的には、第1の変形例は、ディスプレイ30が、パラレル信号を受け付ける、6ビットの液晶ディスプレイ300である。また、図15では、図面の煩雑化を避けるために、液晶ディスプレイ300に関係ないデバイスの表示を省略してある。
図15に示すように、第1の変形例におけるMain_MCU10は、マスターとなるシリアルインターフェースsp_mm1’と、スレーブとなるシリアルインターフェースsp_ms1’と、メモリディスプレイコントローラーmdcとを有する。第1の変形例におけるディスプレイモード切替部22は、セレクター210を有する。
図15では、図面の煩雑化を避けるために、シリアルインターフェースsp_mm1’の4つの端子およびシリアルインターフェースsp_ms1’の4つの端子を省略してある。図15に示すシリアルインターフェースsp_mm1’からセレクター210への3つの信号線は、シリアルインターフェースsp_mm1’内のSS端子、SCK端子、SDO端子のそれぞれからセレクター210へ向かう信号線である。また、図15に示すセレクター210からシリアルインターフェースsp_mm1’への信号線は、セレクター210からシリアルインターフェースsp_mm1’内のSDI端子へ向かう信号線である。
また、図15に示すセレクター210からシリアルインターフェースsp_ms1’への3つの信号線は、セレクター210からシリアルインターフェースsp_ms1’内のSS端子、SCK端子、SDO端子のそれぞれへ向かう信号線である。図15に示すシリアルインターフェースsp_ms1’からセレクター210への信号線は、シリアルインターフェースsp_ms1’内のSDI端子からセレクター210へ向かう信号線である。
液晶ディスプレイ300は、画像の表示に必要な端子d_p1、端子d_p2、…、端子d_pkを有する。kは、パラレル信号として並列に送信される信号の数である。kは、2以上の整数となる。また、第1の変形例におけるMain_MCU10は、端子d_p1、端子d_p2、…、端子d_pkのそれぞれと電気的に接続される端子m_p1、端子m_p2、…、端子m_pkを有する。端子m_p1、端子m_p2、…、端子m_pkは、メモリディスプレイコントローラーmdcと電気的に接続される。
ディスプレイモード切替部22が第1のディスプレイモードである場合には、第1の画像データは、シリアル信号としてシリアルインターフェースsp_mm1’から入力され、シリアルインターフェースsp_ms1’を経由し、メモリディスプレイコントローラーmdcに入力される。メモリディスプレイコントローラーmdcは、シリアル信号をパラレル信号に変換し、変換した各信号を端子m_p1、端子m_p2、…、端子m_pkに出力する。端子m_p1、端子m_p2、…、端子m_pkは、入力された各信号を、端子d_p1、端子d_p2、…、端子d_pkに出力することにより、第1の画像データがディスプレイ30に出力されることとなる。一方、ディスプレイモード切替部22が第2のディスプレイモードである場合には、セレクター210によって画像データの入力元が切り替えられて、シリアルインターフェースsp_ms1から出力された第2の画像データは、シリアル信号としてシリアルインターフェースsp_ms1’を経由し、メモリディスプレイコントローラーmdcに入力される。以降の処理の流れは、第1のディスプレイモードと同様である。
このように、ディスプレイ30が、シリアル信号を受け付けずパラレル信号のみを受け付ける場合であっても、ディスプレイモード切替部22とディスプレイ30との間で、シリアル信号をパラレル信号に変換することにより、本発明を適用することが可能である。同様に、地磁気センサー32がパラレル信号のみを受け付ける場合であっても、センサーモード切替部20と地磁気センサー32との間で、シリアル信号をパラレル信号に変換することにより、本発明を適用することが可能である。
B.2.第2の変形例
また、本実施形態では、脈拍センサー34から得られる信号は、Main_MCU10内のRAM26に保持されている。一方、第2の変形例では、地磁気センサー32と同様に、Main_MCU10は、脈拍センサー34用のセンサーモード切替部20を有する。そして、Sub_MCU12は、所定の処理として、脈拍センサー34から得られた信号に基づいて、脈拍を算出する脈拍算出処理を実行する。これにより、Sub_MCU12は、脈拍センサー34から得られた信号をMain_MCU10が処理を施すことと比較してより早く得ることができるため、よりリアルタイムな脈拍を得ることが可能になる。
なお、第2の変形例において、Sub_MCU12が「第2の処理装置」の例である。また、脈拍センサー34が「センサー」の例である。また、脈拍算出処理が、「所定の処理」の例である。
B.3.その他の変形例
また、本実施形態では、第2の態様の位置情報処理は、モーションセンサー44から得られる加速度および角速度、地磁気センサー32から得られる地磁気のうち少なくとも一つと、GPS衛星からの衛星信号とに基づいて、情報処理装置1の位置を特定したが、これに限らない。例えば、第2の態様の位置情報処理は、モーションセンサー44から得られる加速度ならびに角速度、地磁気センサー32から得られる地磁気、および気圧センサー38から得られる気圧のうち少なくとも一つと、GPS衛星からの衛星信号とに基づいて、情報処理装置1の位置を特定してもよい。例えば、GPS_IC14は、気圧センサー38から得られる気圧から、高度を算出し、算出した高度を用いて、GPS衛星からの衛星信号から特定された位置を補正する。第2の態様の位置情報処理において気圧センサー38の信号を用いる場合、気圧センサー38の信号をGPS_IC14に直接送信するために、Main_MCU10は、気圧センサー38用のセンサーモード切替部20を有する。
また、Main_MCU10およびSub_MCU12は、それぞれVRAM(Video RAM)を有してもよい。第1のディスプレイモードにおいて、Main_MCU10は、自身のVRAMに第1の画像データを書き込み、第1の画像データが書き込まれたVRAMから、第1のディスプレイモードによってディスプレイ30に第1の画像データを出力する。また、第2のディスプレイモードにおいて、Sub_MCU12は、自身のVRAMに第2の画像データを書き込み、Main_MCU10に出力する。Main_MCU10は、第2の画像データを、第2のディスプレイモードによってディスプレイ30にそのまま出力する。
また、本実施形態では、地磁気センサー32に、Main_MCU10およびGPS_IC14がアクセスするという、地磁気センサー32に2つの実行主体がアクセスするが、これに限らない。例えば、地磁気センサー32に3つ以上の実行主体がアクセスしてもよい。この場合、センサーモード切替部20は、実行主体の数分のセンサーモードを有すればよい。ディスプレイ30も同様に、3つ以上の実行主体がアクセスしてもよい。この場合、ディスプレイモード切替部22は、実行主体の数分のディスプレイモードを有すればよい。
また、センサーモード切替部20のモードが第2のセンサーモードである場合、地磁気センサー32から得られた信号をGPS_IC14にそのまま出力することを説明したが、得られた信号を、一旦バッファーに蓄えてもよい。同様に、ディスプレイモード切替部22が第2のディスプレイモードである場合、第2の画像データをディスプレイ30にそのまま出力することを説明したが、第2の画像データを、一旦バッファーに蓄えてもよい。
また、本実施形態では、地磁気センサー32から得られる地磁気を用いて位置特定処理を実行する場合に、地磁気センサー32が鉄骨または鉄筋に含まれる磁力を計測したが、これに限らない。例えば、地磁気を計測可能なセンサーを含み、情報処理装置1とは異なる他の装置が、鉄骨または鉄筋に含まれる磁力を計測する。そして、他の装置が、計測した磁力の値と、計測位置とを対応付けたデータベースを生成し、生成したデータベースを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、受信したデータベースを、GPS_IC14のRAM等に記憶する。
また、本実施形態では、GPS_IC14は、GPS衛星からの衛星信号を用いて各種の処理を行っているが、GPS衛星以外の位置情報衛星として、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の測位用衛星やGNSS以外の測位用衛星からの衛星信号を用いてもよい。例えば、情報処理装置1は、WAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、またはBeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)等の衛星測位システムのうち1つ、あるいは2つ以上のシステムの衛星からの衛星信号を利用してもよい。
また、本実施形態では、情報処理装置1は、センサーモード切替部20およびディスプレイ切替部22を有したが、情報処理装置1は、センサーモード切替部20およびディスプレイ切替部22のいずれか一方だけを有してもよい。例えば、情報処理装置1がセンサーモード切替部20だけを有する場合、Main_MCU10、Sub_MCU12、およびディスプレイ30の接続形態は、マルチマスターでもよいし、Main_MCU10とSub_MCU12とのうちの一方がディスプレイ30と直接電気的に接続されてもよい。Main_MCU10とSub_MCU12とのうちの一方が直接電気的に接続される場合、他方からの信号に、一方が処理を施してディスプレイ30に出力する。
同様に、情報処理装置1がディスプレイ切替部22だけを有する場合、Main_MCU10、GPS_IC14、および地磁気センサー32の接続形態は、マルチマスターでもよいし、Main_MCU10とGPS_IC14とのうちの一方が直接電気的に接続されてもよい。Main_MCU10とGPS_IC14とのうちの一方が直接電気的に接続される場合、地磁気センサー32からの信号に、一方が処理を施して他方に出力する。
また、図2に示したデバイスの接続例は、一例に過ぎない。例えば、脈拍センサー34は、Sub_MCU12と電気的に接続されてもよいし、Main_MCU10およびSub_MCU12と電気的に接続されてもよい。
また、図2、図7、および図8に示すデバイスは、一例に過ぎず、情報処理装置1は、図2、図7、および図8に示すデバイスの全てを有する必要はない。例えば、情報処理装置1は、加速度を計測するセンサーとして、加速度センサー36とモーションセンサー44とを有することを説明した。しかしながら、位置特定処理によって特定される位置を補正するために必要な分解能の加速度が得られ、かつ低消費電力なセンサーがあれば、情報処理装置1は、2つの加速度センサーを有する必要はなく、前述の1つのセンサーを有すればよい。
また、情報処理装置1は、携帯情報装置の一つであるリスタブル機器であると説明したが、これに限らない。リスタブル機器以外の携帯情報装置は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、またはビデオカメラ等がある。これにより、消費電力を抑制しつつ、センサーと電気的に直接接続されていない処理装置がセンサーからの信号を得ることにかかる時間を短縮することができる携帯情報装置を提供することが可能になる。また、情報処理装置1は、携帯情報装置に限らない。情報処理装置1は、PC(Personal Computer)またはサーバーでもよい。