JP6991548B2 - クラッド材の鋳造方法及びその鋳造装置、並びにクラッド材 - Google Patents

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Description

本発明は、2以上の異種金属材料により構成されるクラッド材の鋳造方法及びその鋳造装置、並びにクラッド材に関する。
従来、2以上の異種金属材料により構成されるクラッド材を鋳造する方法としては、例えば、特許文献1乃至3に記載の方法が公知である。
特許文献1には、2つの1050合金の層の間に2024合金の層が挟まれた構造の3層インゴットを鋳造する方法が記載されている(同文献の段落0078、0079参照)。この方法では、具体的には、1050合金の鋳物の上面に、当該上面(2024合金と接合される部分)の温度が上昇するように、2024合金の溶湯を注ぐ。そして、2024合金が凝固して鋳物になった後、当該鋳物の上面に、当該上面(1050合金と接合される部分)の温度が上昇するように、1050合金の溶湯を注ぐ。
特許文献2には、第1合金の層と第2合金の層とが結合された構造のインゴットを、DC鋳造(direct chill casting)によって鋳造する方法が記載されている(同文献の段落0077~0079、図2参照)。この方法では、第1合金の半凝固状態にある自立面に、第2合金の溶湯を接触させる。
特許文献3には、2種の金属層が接合された構造の2層クラッド鋼塊を鋳造する方法が記載されている。この方法では、無酸化雰囲気下で、一方の金属の半溶融鋳片上に他方の金属の溶湯を注湯することにより、2種の金属層の界面において金属成分の濃度勾配が連続するクラッド鋳塊を鋳造する(同文献の図7、図8(イ)参照)。
特表2009-501633号公報 特開2010-221301号公報 特開昭58-32543号公報
しかしながら、特許文献1乃至3に記載の方法では、以下の問題の発生が懸念される。
すなわち、特許文献1に記載の方法では、鋳物の上に溶湯を注ぐことにより、鋳物の上面の温度を上昇させているが、この方法では、異種合金層間の接合強度を十分に確保できない虞がある。この方法で鋳造を行うと、十分な接合強度を確保できない場合があることが、本発明者によって確かめられている。
特許文献2に記載の方法は、DC鋳造法であるため、大型の鋳造装置が必要とされる上に、鋳造されるインゴットは大型のものとなる。薄型のクラッド材を得たい場合には、インゴットを何回も圧延する製造工程が必要となり、製造工程および製造設備が複雑になるという問題がある。さらに、DC鋳造法には、半凝固状態にある第1合金の層が、第2合金の溶湯の熱によって溶け過ぎないように、各合金の温度を制御することが難しいという問題もある。
特許文献3に記載の方法で鋳造されたクラッド鋼塊は、金属層の界面において金属成分の濃度勾配が連続しているため、界面での物性が安定せず、各金属層に求められる性能を十分に発揮できない虞がある。また、特許文献3に記載の方法は、無酸化雰囲気下で実施されることが前提となっているため、酸化雰囲気下で実施されると、金属層の接合強度を十分に確保できない等の問題が生じる虞がある。
ところで、近年、Al-SiCpで構成されたヒートシンクが開発されている。Al-SiCpは、アルミニウム合金の母材に、SiCの微粉末が混合されたものである。Al-SiCpは、熱伝導性が良好で、熱膨張係数が小さいため、電子部品の放熱用のヒートシンク等に用いられる。
しかしながら、Al-SiCpは、はんだとの接着性が悪いため、Al-SiCpに電子部品の基板部、放熱部等を直接はんだ付けすることが難しい。
また、脆性が高く、硬度も高いため、加工性も良くなかった。このため、はんだとの接着性、熱伝導性、および加工性に優れた純アルミニウムの層と、Al-SiCpの層とが接合されたクラッド材が検討されている
しかし、純アルミニウムのメッキ法、蒸着等による方法では、製造設備、効果で製造コストも高価で、また純アルミニウムの層も通常は数十μm~せいぜい1mm未満の薄いものしかできないという問題があった。
ここで、Al-SiCpは、脆性が高くて圧延が難しい上に、極めて硬度が高く、切断、穴あけ、研磨等の加工が難しいため、たとえ純アルミニウムの層とAl-SiCpの層とが接合された厚板のクラッド材を作製したとしても、更に圧延時にひび割れる等の問題があるためAl-SiCpの層は、圧延や切断等の加工を経ずに製品として用いられる厚さ(1~6mm厚)に薄く形成されることが望ましい。このため、製品として用いられる厚みの純アルミニウムの層とAl-SiCpの層とが接合されたクラッド材を鋳造する簡易な方法および装置の登場が望まれる。
また、純アルミニウムの層とAl-SiCpの層とが接合されたクラッド材に限らず、異種合金の層同士が接合されたクラッド材を鋳造する際に、層同士の界面で各層の金属が混合したり、或いは、各層の成分が他の層に拡散すると、各層の特性(機能)を十分に発揮することができなくなる虞がある。例えば、純アルミニウムの層とAl-SiCpの層とが接合されたクラッド材において、Al-SiCpの母材であるアルミニウム合金に含有されるSiの成分が純アルミニウムの層に拡散すると、純アルミニウムの層の熱伝導率が大きく低下し、ヒートシンクとしての放熱性を十分に発揮できなくなる虞がある。
そこで、本願発明では、金属層同士の界面で金属が混合しにくく、金属層に他の金属層の添加元素が拡散しにくく、金属層毎に求められるそれぞれの特性(性能)を確保しつつ金属層同士が強固に接合されたクラッド材を鋳造することができる簡易なクラッド材の鋳造方法及びその鋳造装置、並びにクラッド材を提供することを目的とする。
(1)鋳型に第1のアルミニウム系金属を注湯した後さらに第2のアルミニウム系金属を注湯し、前記第1のアルミニウム系金属の層と前記第2のアルミニウム系金属の層とが接合された構造のクラッド材を鋳造する方法であって、前記第1のアルミニウム系金属の液相線温度よりも高温で溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記鋳型に注湯する第1注湯工程と、前記第1注湯工程において注湯された溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属の液面上に、前記第1のアルミニウム系金属の固相線温度よりも低温で且つ前記第2のアルミニウム系金属の固相線温度よりも高温の前記第2のアルミニウム系金属を、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態で注湯する第2注湯工程と、前記第2注湯工程において注湯された前記第2のアルミニウム系金属により、溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属を冷却固化させつつ、前記第2のアルミニウム系金属と前記第1のアルミニウム系金属とを接合させる接合工程と、を備えることを特徴とするクラッド材の鋳造方法。
(1)において、第1のアルミニウム系金属としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミニウム合金複合材を挙げることができる。第2のアルミニウム系金属としては、例えば、アルミニウム合金、アルミニウム合金複合材を挙げることができる。また、「流動性を有する半凝固状態」とは、所定の固相率以下の状態、具体的には、例えば固相率が20%以下であり、好ましくは10%以下の状態を言う。「液面」とは、溶湯状態に限らず、流動性を有する半凝固状態の金属表面も液面と呼ぶ。第1のアルミニウム系金属と第2のアルミニウム系金属は両者が表面で接した状態で冷却固化することにより接合される。
(1)の構成によれば、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の第1のアルミニウム系金属を、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属によって、上部側から冷却する。このような冷却を行うことにより、第1のアルミニウム系金属の層と、第2のアルミニウム系金属の層との界面が明確になる(第1のアルミニウム系金属と第2のアルミニウム系金属とが混合しにくい)とともに、第2のアルミニウム系金属の添加元素成分が第1のアルミニウム系金属の層に拡散すること、及び、第1のアルミニウム系金属の添加元素成分が第2のアルミニウム系金属の層に拡散することを抑制しつつ、第1のアルミニウム系金属の層と第2のアルミニウム系金属の層とを強固に接合することができる。そして、第1のアルミニウム系金属の添加元素成分および第2のアルミニウム系金属の添加元素成分の拡散を抑制することで、金属層毎に求められるそれぞれの特性(性能)を確保することができる。また、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属を第1のアルミニウム系金属の液面上に注湯することで、第2のアルミニウム系金属が、第1のアルミニウム系金属の上を滞りなく薄く広がる。したがって、第2のアルミニウム系金属の層を薄く形成することができる。これにより、クラッド材の厚みを薄く形成することが可能となる。さらに、注湯の際に第1のアルミニウム系金属および第2のアルミニウム系金属の表面に例え酸化被膜が形成されたとしても、上記の方法で注湯を行うことで、酸化被膜は破れやすいので、酸化被膜の形成による接合強度の低下を抑えることができる。これにより、酸化雰囲気中で鋳造を行った場合でも、金属層同士の強固な接合が可能となる。また、DC鋳造法で用いられるような大型の鋳造装置や、圧延装置を用いることなく、薄型のクラッド材を製造することができるので、製造設備および製造工程の簡略化が可能となる。
上記、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の第1のアルミニウム系金属と、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属の組み合わせにおいて、溶湯状態の第1のアルミニウム系金属(固相線温度T1、液相線温度T1)と、溶湯状態の第2のアルミニウム系金属(固相線温度T2、液相線温度T2)との組み合わせにおいては、T1>T2である。溶湯で溶湯を冷却接合するという概念自体が新規である。第1のアルミニウム系金属が溶湯であるのでその表面上に第2の金属の溶湯が一瞬に広がりやすく、第1のアルミニウム系金属の溶湯表面の酸化被膜が形成されていても破れやすいために接合力が高い。
流動性を有する半凝固状態の第1のアルミニウム系金属と、溶湯状態の第2のアルミニウム系金属の組み合わせにおいては、第1のアルミニウム系金属が流動性を有する半凝固状体であるため、溶湯状態の第2のアルミニウム系金属の溶湯を注湯する際により混合しにくい。第2のアルミニウム系金属は溶湯状態の為、下の金属が半凝固層であっても広がりやすい。尚、第1のアルミニウム系金属の表面の半凝固層の固相率が高く流動性を有しない場合であっても接合が可能な場合もある。この場合、表面の半凝固層は、自立性がない程度の強度の固相率を有する。ただし、この場合、半凝固層の表面に形成される酸化被膜が破れにくく安定した接合強度が得られにくい。
溶湯状態の第1のアルミニウム系金属と、流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属の組み合わせにおいては、流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属を注湯する際により混合しにくい。流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属は、溶湯状態より温度が低い為、第1のアルミニウム金属はより冷却されやすいので組織が緻密になる。また、第2のアルミニウム系金属の結晶組織も細かくなる。
流動性を有する半凝固状態の第1のアルミニウム系金属と、流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属の組み合わせにおいては、流動性を有する半凝固状態の第2の金属を注湯する際により混合しにくい。両金属とも流動性を有する半凝固状態であることから、より界面が明確で、第1のアルミニウム系金属の添加元素成分および第2のアルミニウム系金属の添加元素成分の拡散も、よりしにくい。
(2)前記鋳型は、低冷却能の第1の上型と、第2の上型とを選択的に取替え可能に備えており、前記第1注湯工程において、前記第1の上型を備える前記鋳型に、溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記第1の上型に接する高さまで注湯し、前記第2注湯工程において、前記第2の上型を備える前記鋳型に、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の前記第2のアルミニウム系金属を、前記第2の上型に接する高さまで注湯する、ことを特徴とする(1)に記載のクラッド材の鋳造方法。
前記第1の上型を備える前記鋳型に、溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記第1の上型に接する高さまで注湯し、第1の上型を除去して代りに、溶湯又は流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属を更に注湯するための第2の上型に取り替え設置して、第2注湯を行う。
ここで、低冷却能とは、型に接する金属を冷却する能力が低いことをいい、金属の冷却速度が10℃/秒以下が好ましく、1℃/秒以下がより好ましい。金属の冷却速度を下げるには、型の材料として低熱伝導性の材料を用いるのが好ましいが、型の予熱温度を上げることにより冷却速度が低くなるようにコントロールしてもよい。型の予熱温度をコントロールすることで、銅や鋼のような高熱伝導性を有する材料からなる型も、低冷却能の型として利用することができる。
また、低熱伝導性の材料とは、500℃において20W/mK以下の材料が好ましく、10W/mK以下がより好ましく、更に好ましくは1W/mKである。このような材料としてはケイ酸カルシウム等の無機材料が好ましい。また、材料を発泡する等により空隙を設けさらに熱伝導度を下げたものでもよい。
(2)の構成によれば、第1の注湯工程において、第1のアルミニウム系金属の液面を、低冷却能の第1の上型に接触させることにより、上記液面が凝固することおよび上記液面に酸化被膜が形成されることを抑制することができる。これにより、第2の注湯工程において、第2のアルミニウム系金属を第1のアルミニウム系金属の液面上に注湯することができる。さらに、酸化被膜の形成を抑制することにより、第1のアルミニウム系金属と第2のアルミニウム系金属との接合が酸化被膜によって阻害されることを防止することができる。また、第2の注湯工程において、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の第2のアルミニウム系金属を、第2の上型に接触させることにより、第1のアルミニウム系金属および第2のアルミニウム系金属の熱を第2の上型を通じて効率よく放熱することができる。これにより、第1のアルミニウム系金属および第2のアルミニウム系金属を速やかに凝固させて、第1のアルミニウム系金属の添加元素成分および第2のアルミニウム系金属の添加元素成分の拡散をより一層確実に抑制することができる。
第1の上型及び、第2の上型は、第1のアルミニウム系金属および第2のアルミニウム系金属の冷却速度を適切にコントロールできれば良く、型の材料、型の形状(厚み等)、および、型の予熱温度を変えることにより冷却速度をコントロールしても良い。このため、第1の上型の材料として鉄を用い、第1のアルミニウム系金属の表面が溶湯または流動性を有する半凝固状態を保つような冷却速度になる温度まで第1の上型を予熱することも可能である。
(3)型枠に第1のアルミニウム系金属を注湯した後さらに第2のアルミニウム系金属を注湯し、前記第1のアルミニウム系金属材料の層と前記第2のアルミニウム系金属材料の層とが接合された構造のクラッド材を鋳造する方法であって、前記型枠は、冷却能を有して前後方向に延びる底板、当該底板の両側縁に沿って配置された一対の側壁、および当該一対の側壁の間に設けられた後堰を含み、前記型枠の前記後堰と、当該後堰よりも前方で前記一対の側壁の間に設けられた仕切り材との間に、前記第1のアルミニウム系金属の液相線温度より高温で溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記底板および前記一対の側壁を前方へ移動させつつ前記型枠に注湯する第1注湯工程と、溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記仕切り材の下端と前記底板との間において前方へ通過させる通過工程と、前記仕切り材よりも前方へ通過した溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属の液面上に、前記第1のアルミニウム系金属の固相線温度よりも低温で且つ前記第2のアルミニウム系金属の固相線温度よりも高温であり、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の前記第2のアルミニウム系金属を、前記底板および前記一対の側壁を前方へ移動させつつ注湯する第2注湯工程と、前記第2注湯工程において注湯された前記第2のアルミニウム系金属により、溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属を冷却固化させつつ、前記第2のアルミニウム系金属を前記第1のアルミニウム系金属と接合させる接合工程と、を備えることを特徴とするクラッド材の鋳造方法。
ここで仕切り材とは、第1のアルミニウム系金属の溶湯又は流動性を有する(固相率が所定の固相率以下である半凝固状態の表面に、更に溶湯又は流動性を有する(固相率が所定の固相率以下である)半凝固状態の第2のアルミニウム系金属を注湯する場合において、第1のアルミニウム系金属の溶湯又は流動性を有する(固相率が所定の固相率以下である)半凝固層の一定の厚みの層上に第2のアルミニウム系金属を注湯するためのものであって、第2のアルミニウム系金属が仕切り材より後方の第1の金属層上に漏れ流れるのを防ぐためのものである。仕切り材は、当該仕切り材の下端と底板との間において、第1のアルミニウム系金属の溶湯又は所定の固相率以下の流動性を有する半凝固の層が前方へ通過できるように設置される。後述のように仕切り材の下端の位置は、位置制御もあるが時々刻々形成される第1のアルミニウム系金属の凝固層及び又は半凝固層の厚みに応じ自動的又は半自動的にコントロールされることが好ましい。
(3)の構成によれば、(1)と同様の効果を奏することができる。また、(3)の構成によれば、底板と側壁を前方へ移動させながら、型枠内に第1のアルミニウム系金属を注湯し、さらに、仕切り材よりも前方において第1のアルミニウム系金属の液面上に第2のアルミニウム系金属を注湯することにより、長尺のクラッド材を鋳造することができる。
(4)型枠に第1のアルミニウム系金属を注湯した後さらに第2のアルミニウム系金属を注湯し、前記第1のアルミニウム系金属材料と前記第2のアルミニウム系金属材料とが接合された構造のクラッド材を鋳造する装置であって、冷却能を有して前後方向に延びる底板、当該底板の両側縁に沿って配置された一対の側壁、および当該一対の側壁の間に設けられた後堰を含む前記型枠と、前記底板および前記一対の側壁を前方に移動させる駆動部と、前記底板の上方に配置され、前記型枠内を前後に分ける方向に仕切る仕切り材と、前記仕切り材よりも後方における前記型枠内に前記第1のアルミニウム系金属の液相線温度より高温で溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を注湯する第1の溶湯供給部とを備え、前記仕切り材は、前記型枠内に注湯された前記第1のアルミニウム系金属の表面が溶湯状態又は流動性を有する固相率20%以下の半凝固の状態で、溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属及び固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属の少なくとも一方が、前記仕切り材の下端と前記底板との間を前方へ通過するように配置されており、前記装置は、前記仕切り材よりも前方へ通過した溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属の液面上に、前記第1のアルミニウム系金属の固相線温度よりも低温で且つ前記第2のアルミニウム系金属の固相線温度よりも高温であり、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の前記第2のアルミニウム系金属を注湯する第2の溶湯供給部をさらに備え、前記第2の溶湯供給部により注湯された前記第2のアルミニウム系金属により、溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属を冷却固化させつつ、前記第2のアルミニウム系金属と前記第1のアルミニウム系金属とを接合させる、ことを特徴とするクラッド材の鋳造装置。
(4)の構成によれば、(3)と同様の効果を奏することができる。
(5)前記第2の溶湯供給部よりも前方に、前記第2のアルミニウム系金属の溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の表面を凝固させる凝固ロールをさらに備え、前記仕切り材は、低冷却能のロールであることを特徴とする(4)に記載のクラッド材の鋳造装置。
(5)の構成によれば、凝固ロールによって第2のアルミニウム系金属の溶湯状態又は半凝固状態の表面を凝固させ、クラッド材の鋳造時間を短縮することができる。また、仕切り材を低冷却能のロールで構成することにより、仕切り材との接触による第1のアルミニウム系金属の凝固を抑制することができる。また、第2のアルミニウム系金属を第1のアルミニウム系金属の液面上に注湯することができる。また、仕切り材をロールとすることにより、仕切り材をスクレイパーとした場合のように、掻いた金属が仕切り材に付着して溜まることを防止することができる。
ここで、低冷却能のロールの材料としては、500℃において20W/mK以下の低熱伝導性を有する材料が好ましく、10W/mK以下がより好ましく、更に好ましくは1W/mKである。このような材料としてはケイ酸カルシウム等の無機材料が好ましい。仕切り材の材質を低冷却能を有さない(熱伝導性が低くない)材質のものを用いてもよいが、この場合には、凝固を防ぐために加温が必要となり設備が複雑になることがある。
本願発明によれば、金属層同士の界面で金属が混合しにくく、金属層に他の金属層の添加元素が拡散しにくくなり、金属層毎に求められるそれぞれの特性(性能)を確保しつつ、金属層同士が強固に接合されたクラッド材を簡易に鋳造することができる。
本願発明に係るクラッド材の鋳造方法(バッチ処理の場合)を工程順に示す断面図である。 図1に示される鋳造方法によって鋳造されたクラッド材を示す断面図である。 純アルミニウム(A1050)の液相線温度および固相線温度と、ADC12の液相線温度および固相線温度との大小関係を示す図である。 A1050の上にADC12を注湯してクラッド材を鋳造した場合の、クラッド材の断面の状態を観察した結果を示す図である。 A1050の上にADC12を注湯してクラッド材を鋳造した場合の、クラッド材の断面写真と、SEM-EDSによるSi含有量の分析結果とを示す図である。 A1050の上にADC12を注湯してクラッド材を鋳造した場合の、破断試験の結果を示す写真である。 図1に示される鋳造方法と同様の方法によって鋳造されたクラッド材(純アルミニウムの層とAl-30%SiCpの層とが接合されたもの)を示す断面図である。 純アルミニウム(A1050)の液相線温度および固相線温度と、Al-30%SiCpの液相線温度および固相線温度との大小関係を示す図である。 A1050の上にAl-SiCpを注湯してクラッド材を鋳造した場合の、クラッド材の断面写真と、SEM-EDSによるSi含有量の分析結果とを示す図である。 ADC12の上にA1050を注湯してクラッド材を鋳造した場合の、曲げ試験の結果を示す図である(比較例)。 ADC12の上にA1050を注湯してクラッド材を鋳造した場合の、断面を示す図である(比較例)。 A1050の上にADC12を注湯してクラッド材を鋳造した場合の、曲げ試験の結果を示す図である(比較例)。 本願発明に係るクラッド材の鋳造方法(連続的に鋳造した場合)を模式的に示す斜視図である。 図13に示す装置を前後方向に沿って切断した状態を示す断面図である。 純アルミニウム(A1050)の液相線温度および固相線温度と、Al-40%Snの液相線温度および固相線温度との大小関係を示す図である。 A1050の上にAl-40%Snを注湯してクラッド材を鋳造した場合の、クラッド材の断面写真と、SEM-EDSによるSn含有量の分析結果とを示す図である。
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係るクラッド材の鋳造方法および鋳造装置について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るクラッド材の鋳造方法は、図2に示されるように、第1のアルミニウム系金属の層11と、第2のアルミニウム系金属の層12とが接合された構造のクラッド材10をバッチ処理により鋳造する方法である。第1のアルミニウム系金属の層11は、例えば、2~50mmの厚みを有し、好ましくは、3~6mmの厚みを有する。第2のアルミニウム系金属の層12は、例えば、2~10mmの厚みを有し、好ましくは、3~6mmの厚みを有する。
第1のアルミニウム系金属としては、例えば、純アルミニウム、アルミニウム合金、アルミニウム合金複合材を挙げることができる。本発明において純アルミニウムとは、工業用純アルミニウム(1000系)をいい、例えば、A1050である。アルミニウム合金は、特に限定されるものではないが、例えば、ADC6、A3004、A6061、A6063である。アルミニウム合金複合材は、例えば、Al-SiCpである。
第2のアルミニウム系金属としては、例えば、アルミニウム合金、アルミニウム合金複合材を挙げることができる。アルミニウム合金は、特に限定されるものではないが、例えば、ADC6、ADC12、A4045、Al-Snである。アルミニウム合金複合材は、例えば、Al-SiCpである。
第1のアルミニウム系金属と第2のアルミニウム系金属との組み合わせとしては、種々の組み合わせを挙げることができる。例えば、T1>T2の条件を満たす組み合わせでは、A1050(固相線温度646℃、液相線温度657℃)とADC12(固相線温度515℃、液相線温度580℃)との組み合わせ、A1050(固相線温度646℃、液相線温度657℃)とAl-SiCp(母材Al-Si中のSi質量%が11%の場合:固相線温度580℃、液相線温度590℃)との組み合わせ、A3004(固相線温度629℃、液相線温度654℃)とA4045(固相線温度577℃、液相線温度590℃)との組み合わせ、A6061(固相線温度582℃、液相線温度652℃)とADC12(固相線温度515℃、液相線温度580℃)との組み合わせ、A6063(固相線温度615℃、液相線温度655℃)とADC12(固相線温度515℃、液相線温度580℃)との組み合わせ、A1050(固相線温度646℃、液相線温度657℃)とAl-Sn(Al-40mss%Snの場合:固相線温度228℃、液相線温度610℃)との組み合わせ等を挙げることができ、T1>T2>T1>T2の条件を満たす組み合わせでは、A6063(固相線温度615℃、液相線温度655℃)とAC7A(固相線温度599℃、液相線温度640℃)との組み合わせ等を挙げることができる。
A1050とAl-SiCpとの組み合わせは、例えば、A1050およびAl-SiCpの高い熱伝導性を活かしたヒートシンクとして用いることができる。A3004とA4045との組み合わせは、例えば、ラジエータのフィン材として用いることができる。A6061とADC12との組み合わせ、A6063とADC12との組み合わせ、A6063とAC7Aとの組み合わせは、新材とリサイクル材、リサイクル材とリサイクル材との組み合わせとして用いれば、例えば、自動車の部品のコストダウンを図ることができる。
なお、第1のアルミニウム系金属としてADC6が用いられる場合には、第2のアルミニウム系金属としては、ADC6の固相線温度よりも低い固相線温度を有するADC12等が用いられる。また、第1のアルミニウム系金属としてAl-SiCpが用いられる場合には、第2のアルミニウム系金属としては、Al-SiCpの固相線温度よりも低い固相線温度を有するアルミニウム合金又はアルミニウム合金複合材が用いられる。
本実施形態に係るクラッド材の鋳造方法の概略について説明する。本実施形態に係るクラッド材の鋳造方法は、図1に例示されるように、鋳型13に第1のアルミニウム系金属の液相線温度T1よりも高温で溶湯状態の第1アルミニウム系金属14を注湯する第1注湯工程(図1(b)参照)と、第1注湯工程で注湯された第1のアルミニウム系金属14の液面の温度が第1のアルミニウム系金属14の固相線温度T1(図3参照)よりも高温の状態で、第1のアルミニウム系金属14の液面上に、第1のアルミニウム系金属14の固相線温度T1(図3参照)よりも低温で且つ第2アルミニウム系金属15の固相線温度T2(図3参照)よりも高温の第2のアルミニウム系金属15を、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態で注湯する第2注湯工程(図1(d)参照)と、第2注湯工程で注湯された第2のアルミニウム系金属15により、溶湯状態又は半凝固状態の第1のアルミニウム系金属14を冷却固化させつつ、第2のアルミニウム系金属15と第1のアルミニウム系金属14とを接合させる接合工程とを備える。
本実施形態に係るクラッド材の鋳造方法は、最大の特徴として、第2注湯工程で注湯された第2のアルミニウム系金属15(第1のアルミニウム系金属14の固相線温度よりも低い固相線温度を有する)により、溶湯状態又は半凝固状態の第1のアルミニウム系金属14を冷却固化させる点を有する。以下、本実施形態の実施例について詳細に説明する。
図1は、クラッド材10をバッチ処理により鋳造する方法を工程順に示す断面図である。図2は、図1に示される方法によって鋳造されたクラッド材10を示す断面図である。
ここでは、第1のアルミニウム系金属の一例として純アルミニウム(A1050)の層11と、第2のアルミニウム系金属の一例としてAl-Si-Cu系のADC12の層12とが接合された構造のクラッド材10を鋳造する場合について説明する。
図3は、純アルミニウムの液相線温度T1および固相線温度T1と、ADC12の液相線温度T2および固相線温度T2との大小関係を示す図である。図3においては、上側にある程、温度が高い。図3に示されるように、純アルミニウムの固相線温度T1は、ADC12の液相線温度T2よりも高い。
また、純アルミニウムは、液相線温度T1と固相線温度T1との間の温度範囲では、液相と固相が共存した状態にある。また、ADC12は、液相線温度T2と固相線温度T2との間の温度範囲では、液相と固相とが共存した状態にある。
クラッド材10を鋳造する際には、まず、図1(a)に示されるように、鋳型13を準備する。鋳型13は、純アルミニウム14の溶湯が注湯されるキャビティ132を有する下型131と、この下型131の上に取り外し可能に配置され、下型131のキャビティ132を塞ぐ上型133とを備えている。キャビティ132は、上側が開放されている。
下型131は、低熱伝導性および耐熱性を有し、且つ、溶湯とは反応しない材料により構成され、純アルミニウム14を下部側から次第に冷却できればよい。そのような材料としては、熱伝導性が500℃において20W/mK以下が好ましく、10W/mK以下がより好ましく更に好ましくは1W/mKである。このような材料としては硅ケイ酸カルシウム、セラミックス等の無機材料を挙げることができる。下型131は、例えば、電気炉で所定温度まで予熱しておき鋳造時には室温雰囲気下で使用することができる。
上型133には、第1の上型134(図1(a),(b)参照)と、第2の上型135(図1(c),(d)参照)とがある。上型134と上型135とは、選択的に取替え可能であり、場面に応じて選択的に使用される。具体的には、鋳型13内に純アルミニウム14が注湯される際に、第1の上型134が使用され(図1(b)参照)、鋳型13内にADC12が注湯される際に、第2の上型135が使用される(図1(d)参照)。
第1の上型134は、低冷却能および耐熱性を有し、且つ、溶湯とは反応しない材料により構成される。そのような材料としては、熱伝導性が500℃において20W/mK以下が好ましく、10W/mK以下がより好ましく更に好ましくは1W/mKである。このような材料としては硅ケイ酸カルシウム、セラミックス等の無機材料を挙げることができ、例えば、ケイ酸カルシウム、或いはセラミックスにより構成することができる。上型134は、例えば、電気炉で所定温度まで予熱されたものであり、室温雰囲気下で使用される。上型134の予熱の温度は、下型131の予熱の温度よりも高い温度(純アルミニウム14の硬化を防止可能な温度)に設定される。
第1の上型134は、板状に形成されている。第1の上型134は、水平且つ平坦な下面134aと、純アルミニウム14の溶湯が注湯される際に溶湯が通過する開口部134bとを備えている。
第2の上型135は、耐熱性を有し、且つ、溶湯とは反応しない材料により構成される。第2の上型135は、第2のアルミニウム系金属層の厚さに応じて、型の材料を変更するのが好ましい。第2のアルミニウム系金属層が薄い場合は低冷却能の上型を用いるのが好ましい。金属層が薄い場合は、冷えやすく、流動性が低下しやすいため、冷却能の高い上型を用いると、第1のアルミニウム系金属(純アルミニウム)の表面に滞りなく薄く広がることができなくなる。金属層が厚い場合は冷却能の高い上型を用いても良い。低冷却能の材料としては、具体的には、低熱伝導性を有する材料、例えば、ケイ酸カルシウム、セラミックスなどを挙げることができる。高冷却能の材料としては、具体的には、高熱伝導性を有する材料、例えば、銅などの金属を挙げることができる。このように、第2の上型135の材料は、金属の種類、厚さに応じて適時選択することが好ましい。
上型135は、例えば、電気炉で所定温度まで予熱されたものであり、室温雰囲気下で使用される。上型135の予熱の温度は、例えば下型131の予熱の温度と同程度の温度に設定される。また、型の予熱温度、型の形状(厚み等)等を変えることにより冷却速度をコントロールすれば、銅や鋼のような高熱伝導性を有する材料を使用しても良い。
第2の上型135は、天板部135cと、天板部135cの周縁から垂下する周壁部135bとを備えている。そして、天板部135cと周壁部135部とで囲まれる領域に、ADC12の溶湯が注湯されるキャビティ136が形成されている。キャビティ136は、下側が開放されている。図1(c)に示される例では、キャビティ136は、下型131のキャビティ132に対応する開口形状を有している。天板部135cは、ADC12の溶湯が注湯される際に溶湯が通過する開口部135dを有している。
図1(a)に示される鋳型13を準備した後、キャビティ132に溶湯状態の純アルミニウム14を注湯する(図1(b)参照)。溶湯状態の純アルミニウム14は、純アルミニウム14の液相線温度T1(657℃、図3参照)よりも高温である。なお、溶湯状態の純アルミニウム14は、第1の上型134の下面134aに接する高さまで注湯される。図1(b)に示される例では、溶湯状態の純アルミニウム14は、第1の上型134の下面134aよりも若干高い位置まで注湯されている。純アルミニウム14の液面は、下面134aに接している。純アルミニウム14の注湯後、時間が経過するにつれて、純アルミニウム14は下部側から次第に凝固していく。
次に、第1の上型134を第2の上型135に取り替える(図1(c)参照)。なお、第1の上型134を取り外した際に、第1の上型134の開口部134b内の純アルミニウム14は、溶湯状態にあるため広がるが、自らの表面張力により、下型131の上端から零れ落ちることが防止される。
次に、注湯された純アルミニウム14の液面の温度が純アルミニウム14の固相線温度(646℃、図3参照)よりも高温の状態で(例えば約650℃)、注湯された純アルミニウム14の液面上(純アルミニウム14の上部表面の液相部)に、純アルミニウム14の固相線温度(646℃、図3参照)よりも低温で且つADC12の固相線温度(515℃、図3参照)よりも高温のADC12(例えば約570℃)を、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態で注湯する(図1(d)参照)。つまり、図3における温度範囲TR1内のADC12を注湯する。なお、「流動性を有する半凝固状態」とは、具体的には、例えば固相率が20%以下であり、好ましくは10%以下の状態を言う。このため、図3に示される例では、温度範囲TR1の下限は、ADC12の固相線温度(515℃、図3参照)とADC12の液相線温度(580℃、図3参照)との間の温度となっている。ADC12が注湯されるときの純アルミニウム14の上部表面の液相部の厚みは、3mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1mm以下である。
なお、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態のADC12(図1(d)に符号15で示す)は、第2の上型135の天板部135cの下面135aに接する高さまで注湯される。図1(d)に示される例では、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態のADC12(符号15)は、天板部135cの下面135aよりも若干高い位置まで注湯されている。ADC12の液面は、天板部135cの下面135aに接している。
ADC12が注湯されるときの第2の上型135の温度は、ADC12の固相線温度(515℃)以下に設定されることが好ましい。
純アルミニウムおよびADC12の全体が凝固して鋳物(クラッド材10)になった後、この鋳物を鋳型13から取り出す。
本実施形態によれば、溶湯状態又は半凝固状態の純アルミニウムを、溶湯状態又は半凝固状態のADC12(符号15)によって冷却する。つまり、図3における温度範囲TR1内のADC12によって、ADC12より高温の純アルミニウムを冷却する。このような冷却を行うことにより、クラッド材10において、純アルミニウムの層11と、ADC12の層12との界面が明確になる(つまり、界面付近で純アルミニウムとADC12とが混合しない)とともに、ADC12の添加元素成分(Si)が純アルミニウムの層11に拡散することを抑制しつつ、純アルミニウムの層11とADC12の層12とを強固に接合することができる。そして、純アルミニウムとADC12との混合が防止され、ADC12の添加元素成分Siの拡散が抑制されることで、金属層11、12毎に求められるそれぞれの特性(性能)を確保することができる。例えば、純アルミニウムの層11の熱伝導性、加工性、導電性を良好な状態に維持することができ、例えば純アルミニウムの層11に回路基板の回路を形成した際に、回路としての機能を十分に発揮させることが可能となる。
また、溶湯状態又は流動性のある半凝固状態(図3における温度範囲TR1内)のADC12を溶湯状態の純アルミニウム14の液面上に注湯することで、溶湯状態又は流動性のある半凝固状態のADC12が、溶湯状態の純アルミニウム14の上を滞りなく薄く広がる。したがって、ADC12の層を薄く形成することができる。これにより、クラッド材10の厚みを薄く形成することが可能となる。
さらに、純アルミニウム14およびADC12を注湯した際に、純アルミニウム14の表面に例え酸化被膜が形成されたとしても、上記の方法で注湯を行うことで、酸化被膜は破れやすいので、酸化被膜の形成による接合強度の低下を抑えることができる。これにより、酸化雰囲気中で鋳造を行った場合でも、金属層11、12同士の強固な接合が可能となる。また、DC鋳造法で用いられるような大型の鋳造装置や、圧延装置を用いることなく、薄型のクラッド材を製造することができるので、製造設備および製造工程の簡略化が可能となる。
また、溶湯状態の純アルミニウム14の液面を、冷却能が低い第1の上型134に接触させることにより、純アルミニウム14の液面が凝固することおよび当該液面に酸化被膜が形成されることを抑制することができる。これにより、ADC12の注湯工程において、ADC12を溶湯状態の純アルミニウム14の液面上に注湯することができる。さらに、酸化被膜の形成を抑制することにより、純アルミニウムの層11とADC12の層12との接合が酸化被膜によって阻害されることを防止することができる。
また、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態のADC12を、適度な冷却能を有する第2の上型135に接触させることにより、純アルミニウムおよびADC12の熱を第2の上型135を通じて効率よく放熱することができる。これにより、純アルミニウムおよびADC12を速やかに凝固させて、ADC12の添加元素成分(Si成分)の拡散をより一層確実に抑制することができる。
また、ADC12が注湯される純アルミニウム14の上部表面の液相部の厚みを、3mm以下の薄い厚みとすることにより、純アルミニウムとADC12とが混ざり合うことを抑制することができる。ここで、ADC12を純アルミニウム14を撹拌しないように静かに注湯することにより、純アルミニウムとADC12とが混ざり合うことをより一層抑制することができる。
また、ADC12を注湯する際における第2の上型135の温度を、ADC12の固相線温度(515℃)以下に設定することにより、ADC12を速やかに冷却することができる。
なお、注湯された純アルミニウム14の液面温度が純アルミニウムの固相線温度(646℃)よりも高温の状態で、純アルミニウム14の液面上にADC12を注湯するのであれば、以下の温度設定をしてもよい。例えば、注湯された純アルミニウム14の液面温度が純アルミニウムの液相線温度(657℃)よりも高温の状態(例えば約700℃)で、純アルミニウム14の液面上に溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態のADC12を注湯してもよい。このような温度設定にすることで、純アルミニウム14の表面の流動性を高めることができる。これにより、ADC12の層の厚みをより一層薄く(例えば2mm程度)することが可能となる。
また、注湯された純アルミニウム14の液面上に、純アルミニウムの固相線温度(646℃)よりも低温で且つADC12の固相線温度(515℃)よりも高温のADC12を、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態で注湯するのであれば、以下の温度設定をしてもよい。例えば、注湯された純アルミニウム14の液面上に、純アルミニウムの固相線温度(646℃)よりも低温で且つADC12の液相線温度(580℃)よりも高温のADC12(例えば約630℃)を、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態で注湯してもよい。このような温度設定にすることで、ADC12の流動性を高めることができる。これにより、ADC12の層の厚みをより一層薄く(例えば2mm程度)することが可能となる。
次に、純アルミニウム(A1050)の層11とADC12の層12とが接合された構造のクラッド材10を鋳造する場合の実施例について説明することにより、本願発明の効果をより明確にする。
(実施例1、比較例1)
図1(a)~(d)に示される工程を経て、クラッド材10を鋳造した。具体的には、溶湯状態の純アルミニウム14(図1(b)参照)(約700℃)を注湯し(図4参照)、当該上面に互いに温度が異なる溶湯状態のADC12(約570℃、約580℃、約600℃、約640℃、約650℃、約660℃、約670℃、約680℃、約690℃、約700℃)をそれぞれ注湯して、10個のクラッド材10の試験片を得た。そして、各試験片について、ADC12と純アルミニウム(A1050)との界面の有無について調べた。その試験結果(品質の良し悪しの判断)を図4(a)に示し、試験片の断面写真を図4(b)に示す。
なお、実施例1及び比較例1で使用した鋳型13のサイズ(内寸)は、以下の通りであった。
下型:80mm(縦)×120mm(横)×5mm(深さ)
第1の上型:80mm(縦)×120mm(横)
第2の上型:80mm(縦)×120mm(横)×8mm(深さ)
第1の上型、第2の上型、下型の型材料:ケイ酸カルシウム
図4(a)においては、純アルミニウムとADC12とが混じり合っていない場合を「○」で示し、純アルミニウムとADC12とが混じり合っている場合を「×」で示している。なお、図4(b)には、「○」の場合の例示的な写真として、ADC12の温度が650℃の場合を示し、「×」の場合の例示的な写真として、660℃の場合について示している。図4(b)の右側の写真における符号K1は、純アルミニウムとADC12との界面を指し示している。図4(b)の左側の写真における符号K2は、ADC12が注湯される前の純アルミニウムの液面の位置(破線)を指し示している。
図4(a)に示されるように、ADC12の注湯温度が約570℃、約580℃、約600℃、約640℃、約650℃の場合(図3における温度範囲TR1内)には、いずれも、純アルミニウムとADC12との間にはっきりとした界面K1が存在し、純アルミニウムとADC12とは混じり合っていない。
一方、図4(b)に示されるように、ADC12の温度が約660℃、約670℃、約680℃、約690℃、約700℃の場合には、いずれも、純アルミニウムとADC12との間にはっきりとした界面が存在せず、純アルミニウムとADC12とが混じり合っている。
つまり、ADC12の注湯温度が純アルミニウムの固相線温度(646℃)以下である場合には、純アルミニウムとADC12とが混じり合うことを防止できることがわかる。
(実施例2)
実施例1と同じ寸法の鋳型13を用い、図1(a)~(d)に示される工程を経て、クラッド材10を鋳造した。具体的には、溶湯状態の純アルミニウム(A1050)14(約700℃)を注湯し、当該上面に互いに温度が異なる溶湯状態のADC12(約570℃、約580℃、約650℃)をそれぞれ注湯して、3個のクラッド材10の試験片を得た。そして、各試験片について、電子線マイクロアナライザ(英国製のElectron Probe Micro Analyzer)を用いて、ADC12の添加元素成分Siが純アルミニウムに拡散する程度について調べた。その試験結果(線分析)を図5に示す。図5の左側は、ADC12と純アルミニウムとの界面付近の断面を示す写真であり、右側は、Siの分布を示している。図5において、符号K3は、純アルミニウム(A1050)とADC12との界面の位置を指し示している。なお、Siは各種アルミ合金用の添加元素の中でも最も拡散速度が速いため、Siの拡散を調べることで他の添加元素の拡散はそれ以下と判断される。
図5に示されるように、ADC12と純アルミニウムとの界面K3から、純アルミニウム側へは殆どSiが拡散していなかった。
(実施例3)
実施例1と同じ寸法の鋳型13を用い、図1(a)~(d)に示される工程を経て、クラッド材10を鋳造した。具体的には、溶湯状態の純アルミニウム(A1050)(約700℃)を注湯し、当該上面に溶湯状態のADC12(約640℃)を注湯して、クラッド材10を得た。さらに、クラッド材10を切り出して試験片を得た。試験片の大きさは、幅約6.7mm、ADC12の厚み約8mm、純アルミニウムの厚み約5mmであった(図6参照)。そして、試験片の両面から幅約4mmで、界面まで到達する深さまで切り欠き加工を施し、試験片を白抜きの矢印で示す方向に引っ張る引張りせん断試験を行った。引っ張り速度は、1mm/分であった。
その結果、図6に示されるように、試験片は、ADC12と純アルミニウム(A1050)との界面では破断せずに、純アルミニウムの部分(図中BR)において破断した。このことから、ADC12と純アルミニウムとが、強固に接合されていることがわかる。
(実施例4)
次に、純アルミニウム(A1050)の層41とAl-30%SiCpの層42とが接合された構造のクラッド材40(図7参照)を鋳造する場合の実施例について説明する。Al-SiCpは、アルミニウム基をマトリックスとする複合材料であり、アルミニウム合金(Al-11mass%Si)にSiCのセラミック粉末を30体積%含有させた材料である。Al-SiCpは、固体の状態において、極めて高い硬度を有し、高い脆性を示して圧延時に割れるため、純アルミニウムと共に熱間圧延して、クラッド材を製造することができない。
図1(a)~(d)に示される工程と同様の工程を経て、クラッド材40を鋳造した。具体的には、溶湯状態の純アルミニウム(A1050)(約700℃)を注湯し、当該上面に溶湯状態のAl-30%SiCp(約630℃)を注湯して、クラッド材40の試験片を得た。Al-30%SiCpの層の厚みおよび純アルミニウムの層の厚みは、共に約3mmであった。図8に示されるように、Al-30%SiCpの固相線温度は580℃、液相線温度は590℃である。つまり、図8における温度範囲TR2内のAl-30%SiCpを注湯する。そして、試験片について、電子線マイクロアナライザを用いて、Al-30%SiCpのSi成分が純アルミニウムに拡散する程度について調べた。その試験結果(線分析)を図9に示す。図9の左側は、Al-30%SiCpと純アルミニウムとの界面付近の断面を示す写真であり、右側は、Siの分布を示している。図9の左側における符号K4は、Al-30%SiCpと純アルミニウムとの界面を指し示している。
なお、実施例4で使用した鋳型13のサイズ(内寸)は、以下の通りであった。
下型:80mm(縦)×120mm(横)×3mm(深さ)
第1の上型:80mm(縦)×120mm(横)
第2の上型:80mm(縦)×120mm(横)×3mm(深さ)
第1の上型、第2の上型、下型の型材料:ケイ酸カルシウム
図9に示されるように、Al-30%SiCpと純アルミニウムとの界面が明瞭であり(界面でAl-30%SiCpと純アルミニウムとが混合しておらず)、Al-30%SiCpと純アルミニウムとの界面から、純アルミニウム側へは極僅かの厚み範囲(20μm以下)にしかSi(母材(Al-11mass%Si)中のSi成分であって、SiCはSiとCが強固に結合しているためSiCp中のSiではない)が拡散していなかった(純アルミニウムの層の熱伝導性、加工性、はんだとの接着性等が良好)。しかも、Al-30%SiCpと純アルミニウムとが強固に接合され、全体して薄型(Al-30%SiCpの層厚3mm、純アルミニウムの層厚3mm)で、ヒートシンク用のクラッド材として好適なものを、圧延、切断、研磨等の加工を経ることなく、簡易な装置で簡易な鋳造方法によって、容易かつ速やかに得ることができた。なお、上型および下型の深さを変更した場合(上型5mm、下型8mmの場合、上型2mm、下型6mmの場合)についても検証したが、いずれの場合においても、上型3mm、下型3mmの場合と同様の結果が得られた。純アルミニウム層は、当然ながら鋳造されたままであるので、鋳造組織を有していた。そもそもAl-Si合金母材に分散されるSiCpの体積%は熱伝導性と熱膨張性から適宜選ばれるが、特にSiCpの体積%が多くなると脆性が増し機械強度が減じる。通常は20~40%が使用され、本例ではAl-30%SiCpを用いた。
(比較例2)
次に、純アルミニウム(A1050)の層とADC12の層とが接合された構造のクラッド材を鋳造する場合の比較例について説明する。この比較例においても、図1に示される鋳型13(実施例1と同じ寸法)を用いて鋳造した。具体的には、まず、図1(b)に示される鋳型13内に溶湯状態のADC12を注湯した。注湯したADC12の表面が凝固した状態(表面の温度が約500℃)で、その凝固したADC12(鋳物)の上に(図1(d)に示される鋳型13内)に、溶湯状態の純アルミニウム(約680℃)を注湯して、クラッド材を得た。
この比較例2で鋳造されたクラッド材においては、純アルミニウムの層とADC12の層との間にはっきりとした界面が形成されていた。しかしながら、このクラッド材に対して曲げ応力を負荷する破断試験を行ったところ、図10に示されるように、純アルミニウムの層とADC12の層との界面においてクラッド材が破断した。このことから、凝固した状態のADC12の上に純アルミニウムを注湯した場合には、クラッド材の2つの層の間に十分な接合強度が得られないことがわかる。
(比較例3)
次に、純アルミニウム(A1050)の層とADC12の層とが接合された構造のクラッド材を鋳造する場合の他の比較例について説明する。この比較例3においても、比較例2と同様に、鋳型13内に溶湯状態のADC12を注湯した後に純アルミニウムを注湯したが、比較例2とは、純アルミニウムを注湯するときのADC12の表面の温度が異なる。すなわち、比較例3では、注湯したADC12の表面が半凝固状態になった時点(表面の温度が約530℃)で、その半凝固状態のADC12の上に溶湯状態の純アルミニウム(約680℃)を注湯して、クラッド材を得た。
図11は、比較例3において鋳造したクラッド材の断面を示す図である。図11において符号K5で示される破線は、ADC12の元の表面位置を示している。この比較例3で鋳造されたクラッド材は、図11に示されるように、純アルミニウムとADC12との間にはっきりとした界面が存在せず、純アルミニウムとADC12とが混じり合っていた。このことから、表面が半凝固状態のADC12の上に純アルミニウムを注湯した場合には、純アルミニウムとADC12とが混じり合ってしまうことがわかる。
ADC12の上に純アルミニウムを注湯した場合には、純アルミニウムを注湯するときのADC12の表面の温度を様々に変化させても、ADC12の層と純アルミニウムの層との間に混合および破断(剥離)の双方が見られない条件は見つからなかった。
(比較例4)
次に、純アルミニウム(A1050)の層とADC12の層とが接合された構造のクラッド材を鋳造する場合の他の比較例について説明する。この比較例4においては、鋳型13内に溶湯状態の純アルミニウムを注湯した後にADC12を注湯した。比較例4では、注湯した純アルミニウムの表面が凝固状態になった時点(表面の温度が約640℃)で、その凝固状態の純アルミニウムの上に溶湯状態のADC12(約640℃)を注湯して、クラッド材を得た。
この比較例4で鋳造されたクラッド材においては、純アルミニウムの層とADC12の層との間にはっきりとした界面が形成されていた。しかしながら、このクラッド材に対して曲げ応力を負荷する破断試験を行ったところ、図12に示されるように、純アルミニウムの層とADC12の層との界面においてクラッド材が破断した。このことから、凝固した状態の純アルミニウムの上にADC12を注湯した場合には、クラッド材の2つの層の間に十分な接合強度が得られないことがわかる。
<実施形態2>
次に、図13、14を参照しつつ、クラッド材を連続的に鋳造する方法および装置について説明する。以下の説明では、純アルミニウム(A1050)の層に、Al-40mass%Snの層が積層された構造のクラッド材を鋳造する場合について説明する。
図13,14に示されるように、クラッド材29を連続的に鋳造する装置(連続鋳造装置)20は、型枠21と、駆動部30と、第1の溶湯供給部22と、仕切り材23と、第2の溶湯供給部24と、凝固ロール25とを備えている。以下、各構成要素について詳述する。
型枠21は、冷却能を有して前後方向Bに延びる底板26と、底板26の両側縁に沿って配置された一対の側壁27,27と、一対の側壁27,27の間に設けられた後堰28とを備えている。
底板26は、熱伝導性が相対的に高く、耐熱性を有し、且つ、溶湯とは反応しない材料により構成される。そのような材料としては、例えば、銅などの金属を挙げることができる。なお、底板26は、図外の冷却装置によって積極的に冷却されるようにしてもよい。底板26に接触した純アルミニウムは、次第に凝固する。そして、凝固した純アルミニウム33の厚みは、前方側に行くほど大きくなる。
側壁27は、熱伝導性が相対的に低く、凝固ロール25による押圧によって圧縮されることが可能な高温用耐火繊維ブランケット等の材料により構成される。そのような材料としては、例えば、イソウール(登録商標)を挙げることができる。イソウール(登録商標)は、製造工程で繊維を層状に積層しながらニードルパンチングを行い、繊維を複雑に絡ませブランケット状に形状保持した、軽量で柔軟な耐火断熱材である。
後堰28は、溶湯状態の純アルミニウム31の流れを堰き止める部材である。後堰28は、熱伝導性が相対的に低く、耐熱性を有し、且つ、溶湯とは反応しない材料により構成される。そのような材料としては、例えば、ケイ酸カルシウム、セラミックスを挙げることができる。
駆動部30は、底板26および一対の側壁27,27を前方Cに移動させるものである。駆動部30は、例えば、電動モータと、冷却板26の下面に接した状態で配置され、電動モータの回転力を受けて底板26および一対の側壁27,27を前方Cに移動させるロールとを備えた構成とすることができるので、好ましい。
第1の溶湯供給部22は、純アルミニウムの液相線温度(657℃、図15参照)より高温で溶湯状態の純アルミニウム31を型枠21内に注湯する装置である。第1の溶湯供給部22は、図13,14に示される例では、溶湯状態の純アルミニウム31を貯留するタンク221と、タンク221から流出した溶湯状態の純アルミニウム31を型枠21内の仕切り材23より後方に案内するガイド部222とを備えている。
仕切り材23は、底板26の上方に配置された部材であって、型枠21内において純アルミニウム31の表面が溶湯状態又は流動性を有する(所定の固相率以下の)半凝固状態で、溶湯状態の純アルミニウム31及び流動性を有する半凝固状態の純アルミニウム31の少なくとも一方が、仕切り材23の下端と底板26との間を所定の層厚で通過するように配置されたものである。ここで言う「所定の層厚」とは、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の純アルミニウム31と、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態のAl-40%Snとが強固に接合されるとともに、純アルミニウム31の層とAl-40%Snの層との界面で金属が混合しにくく、純アルミニウム31の層にAl-40%Snの層の添加元素Snが拡散しにくいような厚みであり、具体的には、例えば1mm~数十mmであり、好ましくは1~5mmである。
仕切り材23は、低冷却能および耐熱性を有し、且つ、溶湯とは反応しない材料により構成される。そのような材料としては、低熱伝導性を有する材料、例えば、ケイ酸カルシウム、セラミックスを挙げることができる。
仕切り材23と底板26との間を、溶湯状態の純アルミニウム31及び一定の固相率以下の半凝固状態の純アルミニウム31の少なくとも一方が通過するように仕切り材23を配置するために、仕切り材23は付勢されている。仕切り材23は、図13,14に示される例では、軸周りに回転可能(実施例では、仕切り材を純アルミニウム31に付勢することで純アルミニウム31の移動に伴い連れ回り回転する、つまり、純アルミニウム31の移動に伴い、純アルミニウム31に引きずられるように回転する)で、且つ周面の下端部が接する純アルミニウム31の上面の溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の金属層の厚み(図中t)が、好ましくは、数ミリになるように配置されたロール形状とされている。ロール形状とすることで、仕切り材に凝固した金属が溜り、纏わり付くことを防止することができる。仕切り材23を純アルミニウム31に付勢する方法は特に限定されないが、例えば、仕切り材23等の重量によって付勢してもよいし、ばね、錘50(図14参照)等によって付勢してもよい。この付勢力は、純アルミニウム31の比重や、純アルミニウム31の移動速度等に応じて適宜設定される。なお、図14に示される例では、仕切り材23は、錘50が設けられた揺動アーム51の一端部に回転自在に取り付けられている。揺動アーム51の他端部は、支点52を介して図外の支持部材に回動自在に取り付けられている。
なお、仕切り材23の形状は、図13,14に示される例では、ロール状(円柱)とされているが、これに限定されない。例えば、円柱の両端部にそれぞれリング状のフランジ部が形成されていてもよい。そして、このフランジ部を、純アルミニウム31の凝固した部分に接触させ、一方のフランジと他方のフランジとの間の空間を、溶湯状態又は一定の固相率以下の半凝固状態の純アルミニウム31の流通領域としてもよい。
第2の溶湯供給部24は、仕切り材23よりも前方における純アルミニウム31の液面上に、純アルミニウムの固相線温度(646℃)よりも低温で且つAl-40%Snの固相線温度(228℃、図15参照)よりも高温であり、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態(図12における温度範囲TR3内)のAl-40%Sn32を注湯する装置である。第2の溶湯供給部24は、図13,14に示される例では、溶湯状態のAl-40%Sn32を貯留するタンク241と、タンク241から流出した溶湯状態のAl-40%Sn32を型枠21内に案内するガイド部242とを備えている。
凝固ロール25は、仕切り材23よりも前方に、Al-40%Snの溶湯表面を凝固させる部材である。凝固ロール25は、熱伝導性が相対的に高く、耐熱性を有し、且つ、溶湯とは反応しない材料により構成される。そのような材料としては、例えば銅を挙げることができる。凝固ロール25に接触したAl-40%Sn32は、次第に凝固する(凝固した状態のAl-40%Snを符号34で示す)。なお、凝固ロール25は、Al-40%Snの溶湯表面に接触するために、側壁27,27を押し潰しながら回転する(図13,14参照)。
次に、この装置20を用いてクラッド材29を連続的に鋳造する方法について説明する。
まず、駆動部30を作動させて、底板26および一対の側壁27,27を前方Cに移動させる。この状態で、第1の溶湯供給部22から、純アルミニウムの液相線温度より高温で溶湯状態の純アルミニウム31を、型枠21内に注湯する。
次に、型枠21内において純アルミニウム31の液面温度が純アルミニウムの固相線温度よりも高温の状態で、仕切り材23により型枠21内を前後に仕切る。
次に、第2の溶湯供給部24から、仕切り材23よりも前方における純アルミニウム31の液面上に、純アルミニウム31の固相線温度よりも低温で且つAl-40%Sn32の固相線温度よりも高温であり、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態のAl-40%Sn32を注湯する。つまり、第2の溶湯供給部24から、図15における温度範囲TR3内のAl-40%Sn32を注湯する。
そして、溶湯状態又は半凝固状態のAl-40%Sn32により、溶湯状態又は半凝固状態の純アルミニウム31を冷却固化させつつ、Al-40%Snを純アルミニウムと接合させる。
この装置20を用いて鋳造を行うことにより、前後方向に延びる長尺のクラッド材29を容易に得ることができる。
次に、この装置20を用いて鋳造したクラッド材29についての実施例について説明する。
(実施例5)
第1の溶湯供給部22から約670℃の溶湯状態の純アルミニウム31を型枠21内に注湯し、純アルミニウム31の上面に溶湯状態のAl-40%Sn(Al-40mass%Sn)(溶湯温度が約630℃)を注湯して、クラッド材29の試験片を得た。そして、この試験片について、電子線マイクロアナライザを用いて、Al-40%SnのSn成分が純アルミニウムに拡散する程度について調べた。その試験結果(線分析)を図16に示す。図16の左側は、Al-40%Snと純アルミニウムとの界面付近の断面を示す写真であり、右側は、Snの分布を示している。
その結果、図16に示されるように、Al-40%Snと純アルミニウムとの界面から、純アルミニウム側へはSnは殆ど拡散していなかった。
なお、上記実施形態では、純アルミニウム(A1050)の層11と、ADC12の層12とが接合された構造のクラッド材10や、純アルミニウム(A1050)の層41とAl-30%SiCpの層42とが接合された構造のクラッド材40を、バッチ処理により鋳造する例を示したが、これらのクラッド材を、例えば、図13、14に示されるような装置を用いて連続的に鋳造してもよい。
また、上記実施形態では、純アルミニウムの層とAl-40%Snの層とが接合された構造のクラッド材を、図13,14に示される装置を用いて鋳造する例を示したが、このクラッド材を、図1に示されるようにバッチ処理によって鋳造してもよい。
また、上記実施形態では、図1に例示されるバッチ処理において、上型134(図1(a)参照)を用いる例を示したが、必ずしも上型を用いなくてもよい。酸化被膜が破れ、接合が容易になるように、型に振動を加えてもよく、また、第1のアルミニウム系金属の上面をバーナー等で温めても良い。
また、上記実施形態では、純アルミニウムの層とアルミニウム合金(ADC12、Al-40%Sn)の層とを接合した構造のクラッド材、純アルミニウムの層とアルミニウム合金複合材(Al-30%SiCp)の層とを接合した構造のクラッド材を鋳造した場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、異種のアルミニウム合金の層同士を接合した構造のクラッド材、アルミニウム合金とアルミニウム合金複合材とを接合した構造のクラッド材を、図1に例示した鋳型、或いは、図13、14に例示した装置を用いて鋳造してもよい。
また、上記実施形態では、2種のアルミニウム系金属の一方(例えば純アルミニウム)の固相線温度が、他方のアルミニウム系金属(例えばADC12)の液相線温度よりも高くなっているが、これに限られるものではない。例えば、第1のアルミニウム系金属の固相線温度が、第2のアルミニウム系金属の液相線温度と同じ温度であってもよい。
また、上記実施形態では、2種のアルミニウム系金属の層を接合した構造のクラッド材について説明したが、3種以上のアルミニウム系金属の層を接合してクラッド材を鋳造してもよい。この場合は、酸化被膜の発生を抑制するような雰囲気調整をすることが好ましい。
また、上記実施形態では、アルミニウム系金属の層を接合した構造のクラッド材の鋳造について説明したが、マグネシウム系金属とマグネシウム系金属の層を接合した構造のクラッド材や、異種元素間の金属層の接合に本発明を適用してもよい。また、アルミニウム系金属とマグネシウム系金属とが接合されたクラッド材では界面に金属間化合物が生じるが、このような合金間の鋳造にも本発明を適用することができる。
本願発明の方法によれば、金属層毎に求められるそれぞれの特性(性能)を確保しつつ、金属層同士が強固に接合されたクラッド材を簡易に鋳造することができ、これにより、クラッド材の品質および生産性の向上に貢献することが期待される。
10,29,40 クラッド材
11 純アルミニウムの層
12 ADC12の層
13 鋳型
14 純アルミニウムの溶湯
15 ADC12の溶湯
20 連続鋳造装置
21 型枠
22 第1の溶湯供給部
23 仕切り材
24 第2の溶湯供給部
25 凝固ロール
26 底板
27 側壁
28 後堰
30 駆動部

Claims (5)

  1. 鋳型に第1のアルミニウム系金属を注湯した後さらに第2のアルミニウム系金属を注湯し、前記第1のアルミニウム系金属の層と前記第2のアルミニウム系金属の層とが接合された構造のクラッド材を鋳造する方法であって、
    前記第1のアルミニウム系金属の液相線温度よりも高温で溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記鋳型に注湯する第1注湯工程と、
    前記第1注湯工程において注湯された溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属の液面上に、前記第1のアルミニウム系金属の固相線温度よりも低温で且つ前記第2のアルミニウム系金属の固相線温度よりも高温の前記第2のアルミニウム系金属を、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態で注湯する第2注湯工程と、
    前記第2注湯工程において注湯された前記第2のアルミニウム系金属により、溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属を冷却固化させつつ、前記第2のアルミニウム系金属と前記第1のアルミニウム系金属とを接合させる接合工程と、
    を備えることを特徴とするクラッド材の鋳造方法。
  2. 前記鋳型は、低冷却能の第1の上型と、第2の上型とを選択的に取替え可能に備えており、
    前記第1注湯工程において、前記第1の上型を備える前記鋳型に、溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記第1の上型に接する高さまで注湯し、
    前記第2注湯工程において、前記第2の上型を備える前記鋳型に、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の前記第2のアルミニウム系金属を、前記第2の上型に接する高さまで注湯する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のクラッド材の鋳造方法。
  3. 型枠に第1のアルミニウム系金属を注湯した後さらに第2のアルミニウム系金属を注湯し、前記第1のアルミニウム系金属材料の層と前記第2のアルミニウム系金属材料の層とが接合された構造のクラッド材を鋳造する方法であって、
    前記型枠は、冷却能を有して前後方向に延びる底板、当該底板の両側縁に沿って配置された一対の側壁、および当該一対の側壁の間に設けられた後堰を含み、
    前記型枠の前記後堰と、当該後堰よりも前方で前記一対の側壁の間に設けられた仕切り材との間に、前記第1のアルミニウム系金属の液相線温度より高温で溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記底板および前記一対の側壁を前方へ移動させつつ前記型枠に注湯する第1注湯工程と、
    溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属を、前記仕切り材の下端と前記底板との間において前方へ通過させる通過工程と、
    前記仕切り材よりも前方へ通過した溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属の液面上に、前記第1のアルミニウム系金属の固相線温度よりも低温で且つ前記第2のアルミニウム系金属の固相線温度よりも高温であり、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の前記第2のアルミニウム系金属を、前記底板および前記一対の側壁を前方へ移動させつつ注湯する第2注湯工程と、
    前記第2注湯工程において注湯された前記第2のアルミニウム系金属により、溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属を冷却固化させつつ、前記第2のアルミニウム系金属を前記第1のアルミニウム系金属と接合させる接合工程と、
    を備えることを特徴とするクラッド材の鋳造方法。
  4. 型枠に第1のアルミニウム系金属を注湯した後さらに第2のアルミニウム系金属を注湯し、前記第1のアルミニウム系金属材料と前記第2のアルミニウム系金属材料とが接合された構造のクラッド材を鋳造する装置であって、
    冷却能を有して前後方向に延びる底板、当該底板の両側縁に沿って配置された一対の側壁、および当該一対の側壁の間に設けられた後堰を含む前記型枠と、
    前記底板および前記一対の側壁を前方に移動させる駆動部と、
    前記底板の上方に配置され、前記型枠内を前後に分ける方向に仕切る仕切り材と、
    前記仕切り材よりも後方における前記型枠内に前記第1のアルミニウム系金属の液相線温度より高温で溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属を注湯する第1の溶湯供給部とを備え、
    前記仕切り材は、前記型枠内に注湯された前記第1のアルミニウム系金属の表面が溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固の状態で、溶湯状態の前記第1のアルミニウム系金属及び固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属の少なくとも一方が、前記仕切り材の下端と前記底板との間を前方へ通過するように配置されており、
    前記装置は、前記仕切り材よりも前方へ通過した溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属の液面上に、前記第1のアルミニウム系金属の固相線温度よりも低温で且つ前記第2のアルミニウム系金属の固相線温度よりも高温であり、溶湯状態又は流動性を有する半凝固状態の前記第2のアルミニウム系金属を注湯する第2の溶湯供給部をさらに備え、
    前記第2の溶湯供給部により注湯された前記第2のアルミニウム系金属により、溶湯状態又は固相率20%以下の流動性を有する半凝固状態の前記第1のアルミニウム系金属を冷却固化させつつ、前記第2のアルミニウム系金属と前記第1のアルミニウム系金属とを接合させる、
    ことを特徴とするクラッド材の鋳造装置。
  5. 前記第2の溶湯供給部よりも前方に、前記第2のアルミニウム系金属の溶湯状態又は半凝固状態の表面を凝固させる凝固ロールをさらに備え、
    前記仕切り材は、低冷却能のロールであることを特徴とする請求項4に記載のクラッド材の鋳造装置。
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