JP6991445B2 - アルギニンを豊富に含有する多糖 - Google Patents

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本発明は、苦みと生臭さを呈しないアルギニンを含有する物質、及び飲料中のアルギニンの苦みと生臭さを除去する方法に関するものである。
アルギニンは、タンパク質を構成するアミノ酸の一つであり、肉類や魚介類、大豆などに多く含まれている。アルギニンは非必須アミノ酸であるが、生体において成長ホルモンやインスリンなどのホルモン分泌を促したり、また、ホルモン分泌を介して免疫系の賦活や創傷治癒の促進効果などに関与している。さらには、昔から疲労回復や精力増強作用が言われており、近年では、血管の弛緩作用に関与する酸化窒素の放出の役割も報告されている。アルギニンは不足すると、成長不良の原因にもなる。このような作用を有することもあり、アルギニンを健康補助食品として摂取する人は多い。
健康補助食品としては、摂取しやすい飲料の形態を取るものが多いが、アルギニンは苦みと独特の異臭である生臭さを有しているため、嗜好性に課題があった。そのため、L-アスコルビン酸、アルコールと、リジン、プロリン、フェニルアラニン、ヒスチジン、メチオニン以外の1種または2種以上のアミノ酸を含ませる方法(特許文献1)があるが、非アルコール性飲料には適用できないことや含有させるアミノ酸に制限がある欠点がある。また、柑橘系オイルを加える方法(特許文献2)もあるが、風味が柑橘系に限定される欠点がある。さらにビタミンB1と炭酸を用いる方法(特許文献3)もあるが、炭酸飲料に限定されること、ビタミンB1は、アルカリにより分解しやすいこと、pHが5を越えると熱に不安定であるとともに、金属イオンにより分解が促進されやすいなどの欠点がある。
特開2007-43941号 公報 特開2007-116939号 公報 特開2016-10339号 公報
上記課題を鑑み、本発明は、アルギニン特有の苦みと生臭さを呈しない新規アルギニン供給剤及び、飲料中のアルギニンの苦みや生臭さを除去する方法の提供を目的とする。
上記課題を達成するために、以下のコンドロイチン硫酸アルギニンが優れた物質であることを見出した。それは、水溶液中でコンドロイチン硫酸とアルギニンを接触させることにより得られるコンドロイチン硫酸アルギニンにおいて、乾燥重量当たりでアルギニンを27重量%以上含み、かつ、KBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルにおいて、波数1643±10cm-1、1412±10cm-1、1244±10cm-1、1058±10cm-1すべてに吸収ピークを有し、かつ1244±10cm-1の吸光度に対する1643±10cm-1の吸光度の比が2.5以上、1058±10cm-1の吸光度に対する1643±10cm-1の吸光度の比が1.8以上、1412±10-1の吸光度に対する1244±10cm-1の吸光度の比が1.2以上、1412±10-1の吸光度に対する1058±10cm-1の吸光度の比が0.9以上であることを特徴とするコンドロイチン硫酸アルギニンである。また、アルギニンを含有する飲料において、プロトン型コンドロイチン硫酸の重量1に対して、アルギニンを重量比で0.6倍以上接触することによる、アルギニン由来の苦みと生臭さを除去もしくは低減する方法及びその飲料である。さらに、コンドロイチン硫酸を有効成分とする、アルギニン由来の苦みと生臭さを呈しない飲料である。
本発明により、アルギニン特有の苦みと生臭さを呈しないアルギニン及び、アルギニン由来の苦みと生臭さを呈しない飲料が提供することができる。
本発明の、実施例2のコンドロイチン硫酸アルギニンの分析に係り、実施例1で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンのKBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルを表す図である。 実施例2の比較コンドロイチン硫酸アルギニンの分析に係り、比較例の原料であるコンドロイチン硫酸AナトリウムのKBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルを表す図である。 本発明の、実施例4のコンドロイチン硫酸アルギニンの分析に係り、実施例3で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンのKBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルを表す図である。 実施例4の比較コンドロイチン硫酸アルギニンの分析に係り、比較例の原料であるコンドロイチン硫酸CナトリウムのKBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルを表す図である。
以下、実施の形態をより具体的に説明する。
本発明でいうアルギニンは、C14の化学式で表される分子量174.2のアミノ酸である。L-アルギニンのCAS登録番号は74-79-3であり、異性体であるD-アルギニン(CAS登録番号は157-06-2)も対象とする。また、本発明でいうコンドロイチン硫酸は、動物、魚類の軟骨、骨、角膜、腱などの結合組織一般に広く含まれており、コンドロイチン硫酸A、B、C、D、Eの種類があるが、その種類を問わないものである。コンドロイチン硫酸AとCは、N-アセチル-D-ガラクトサミンとD-グルクロン酸からなる二糖をユニットとする重合体であり、分子量数万の多糖である。コンドロイチン硫酸Aは、N-アセチル-D-ガラクトサミンの4位が硫酸エステル化されており、コンドロイチン硫酸Cは、N-アセチル-D-ガラクトサミンの6位が硫酸エステル化されている。コンドロイチン硫酸Bは、D-グルクロン酸のかわりに一部L-イズロン酸を含み、別名デルマタン硫酸またはβ-ヘパリンともいう。コンドロイチン硫酸Dはコンドロイチン硫酸CのD-グルクロン酸の2位が硫酸化されたものである。コンドロイチン硫酸Eは、N-アセチル-D-ガラクトサミンの4位と6位の両方が硫酸化されたものである。また、本発明でいうコンドロイチン硫酸は、起源となる原料や抽出・製造条件を問わないものであり、コンドロイチン硫酸を含む軟骨抽出物も本発明の対象とする。
本発明品のコンドロイチン硫酸アルギニンとは、コンドロイチン硫酸のカルボキシ基と硫酸基にアルギニンが結合しているものであり、コンドロイチン硫酸アルギニンの乾燥重量当たりで、アルギニンの含量が27重量%以上のものをいい、かつ、KBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルにおいて、波数1643±10cm-1、1412±10cm-1、1244±10cm-1、1058±10cm-1すべてに吸収ピークを有し、かつ1244±10cm-1の吸光度に対する1643±10cm-1の吸光度の比が2.5以上、1058±10cm-1の吸光度に対する1643±10cm-1の吸光度の比が1.8以上、1412±10-1の吸光度に対する1244±10cm-1の吸光度の比が1.2以上、1412±10-1の吸光度に対する1058±10cm-1の吸光度の比が0.9以上であることを特徴とするコンドロイチン硫酸アルギニンである。アルギニンの測定方法は、ニンヒドリン法、坂口法、アミノ酸分析機器法、高速液体クロマトグラフィーによる屈折計、紫外可視分光法などいろいろあるが、他のアミノ酸が存在していない場合は、ニンヒドリン法による測定法でもよい。
本発明品であるコンドロイチン硫酸アルギニンは、最初に、原料のコンドロイチン硫酸をプロトン型の強酸性陽イオン交換樹脂に接触させる。強酸性陽イオン交換樹脂は、担体にスルホン酸基のイオン交換基が導入された水不溶性の高分子樹脂である。担体としてはスチレン系やフェノール系、ビニル系、アクリルアミド系などの合成樹脂やセルロース系、アガロース系、デキストラン系などがある。樹脂を使用する前には、常法により酸やアルカリなどで予備洗浄し、塩酸などでプロトン型に活性化する必要がある。処理するコンドロイチン硫酸の量に対する強酸性陽イオン交換樹脂の樹脂量については、強酸性陽イオン交換樹脂のイオン交換容量に安全率を乗じた以上の樹脂量が望ましく、強酸性陽イオン交換樹脂との接触時間は、数分以上は必要である。次に、強酸性陽イオン交換樹脂と接触させたコンドロイチン硫酸をろ過などの方法により、樹脂から分離する。ろ過した強酸性陽イオン交換樹脂を水で洗浄すると回収効率が良い。別の製造法として、原料のコンドロイチン硫酸を15℃以下の低温下で、無機酸やクエン酸、トリフルオロ酢酸などで処理し、加えた酸や遊離した低分子を除去してもよい。無機酸として1M以下の塩酸や硫酸などが用いられる。
次に、このコンドロイチン硫酸を含む溶液に、アルギニンを添加、接触させるが、、プロトン型コンドロイチン硫酸の重量1に対して、アルギニンを重量比で0.6倍以上必要である。溶液を撹拌したり、振とうすると製造効率が良い。接触温度は1℃~60℃の範囲で、数時間以上必要である。この後、通常化学で用いられる透析や膜処理などでコンドロイチン硫酸に結合していない過剰のアルギニンを除去してから、固形化、粉末化してもよいし、透析や膜処理以外に、アルコールやアセトンなどの有機溶剤によりコンドロイチン硫酸アルギニンを沈殿、風乾して、粉末化してもよい。得られたコンドロイチン硫酸アルギニンは、苦みと生臭さを呈しないアルギニンを高含量で有する物質である。
本発明品は、単独、または他の健康補助成分と併用して、粉末の状態で摂食してもよいし、錠剤、カプセルの形態にしてもよい。また、溶液の状態で飲料やドリンク剤の形態として、単独、または、他の健康補助成分などと併用してもよい。
アルギニンを含む飲料に、プロトン型コンドロイチン硫酸を添加、混合することによる、アルギニン由来の苦みと生臭さを除去、低減する方法であるが、プロトン型コンドロイチン硫酸とは、強酸性陽イオン交換樹脂などの手法により、コンドロイチン硫酸に結合しているナトリウム塩やカリウム塩、カルシウム塩などを除去し、プロトン型にしたものであり、塩酸などの強酸やクエン酸処理などでも調製できる。このプロトン型コンドロイチン硫酸を、アルギニンを含む飲料にアルギニンの重量1に対して、重量で約2.5倍以上添加されるものである。プロトン型コンドロイチン硫酸を添加、混合するときは、溶液状態で扱うほうが固形化、粉末化して扱うより好ましい。
また、アルギニンを含有する飲料において、コンドロイチン硫酸を有効成分とする、アルギニン由来の苦みと生臭さを呈しない飲料である。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これは単に例示の目的で述べるものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(コンドロイチン硫酸Aアルギニンの製造)
強酸性陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンSK1B(三菱化学(株)))をガラス製カラムに充填し(内径2.7cm、高さ5cm)、1M塩酸70mLを流下し、樹脂をプロトン型に活性化した。脱イオン水350mLを流下し樹脂を洗浄した後、原料のコンドロイチン硫酸Aナトリウム(生化学工業(株))0.10gを脱イオン水10mLに溶解した溶液を、室温でカラム上方から添加・流下した。その後、樹脂に脱イオン水を90mL流下し、プロトン型コンドロイチン硫酸Aを含む溶出液約100mLを得た。この溶出液にL-アルギニン(和光純薬工業(株))を0.06g加え、4℃で一晩撹拌した。溶解液のpHを卓上pHメータ(F-55、(株)堀場製作所製)により測定したところ、6.5であった。次に溶液全量を透析用セルロースチューブ(エーディア(株))に入れ、チューブの両端をクリップ留めし、脱イオン水を外液にして透析し、過剰なアルギニンを除去した。外液は1日に3回交換した。3日後、透析用セルロースチューブ内液を回収し、ロータリーエバポレーター(東京理科器械(株))にて濃縮した後、凍結乾燥(東京理科器械(株))し、0.14gの白色綿状固体のコンドロイチン硫酸アルギニンを得た。
(コンドロイチン硫酸Aアルギニンの分析)
実施例1で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンの水分含量は、熱天秤装置(Thermo Plus TG8210、(株)リガク製)にて、125℃で試料重量が恒量となるまで加熱し、重量減少分を試料に含まれていた水分とした。その結果、実施例1で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンの水分含量は8.4重量%であった。
実施例1で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンのアルギニンの含量は、比色法であるニンヒドリン法にて、L-アルギニン(和光純薬工業(株))を標準物質とした検量線から求めたところ、乾燥重量当たり27.3重量%であった。
実施例1で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンの赤外吸収スペクトルは、KBrディスク透過法で測定した。赤外吸収スペクトルは、フーリエ変換赤外分光光度計(FT/IR-420、日本分光(株)製)を用いて、測定範囲4000~400cm-1、分解能4cm-1、積算回数54の条件で測定した。図1は実施例1で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンの赤外吸収スペクトルである。図1のグラフの横軸は波数(cm-1)を表し、縦軸は吸光度を表す。図1において、山となっている部分が吸収ピークであり、吸収ピークに記載された数字1~4は、コンドロイチン硫酸アルギニンの特徴的なピークを示す。ピーク1は波数1643cm-1で吸光度0.654、ピーク2は波数1412cm-1で吸光度0.318、ピーク3は波数1244cm-1で吸光度0.230、ピーク4は波数1058cm-1で吸光度0.349であった。波数1244cm-1の吸光度に対する1643cm-1の吸光度の比は2.8、1059cm-1の吸光度に対する1643cm-1の吸光度の比は1.9、1412cm-1の吸光度に対する1244cm-1の吸光度の比は1.4、1412cm-1の吸光度に対する1058cm-1の吸光度の比は0.9であった。なお、比較例として、原料のコンドロイチン硫酸Aナトリウムの赤外吸収スペクトルをKBrディスク透過法で同様に測定した。図2はその結果であり、横軸は波数(cm-1)を表し、縦軸は吸光度を表す。山となっている部分が吸収ピークであり、吸収ピークに記載された数字1~4は、コンドロイチン硫酸Aナトリウムの特徴的なピークを示す。ピーク1は波数1643cm-1で吸光度0.245、ピーク2は波数1420cm-1で吸光度0.120、ピーク3は波数1254cm-1で吸光度0.133、ピーク4は波数1068cm-1で吸光度0.218であった。波数1420cm-1の吸光度に対する1643cm-1の吸光度の比は1.9、1254cm-1の吸光度に対する1643cm-1の吸光度の比は1.1、1420cm-1の吸光度に対する1254cm-1の吸光度の比は0.9、1420cm-1の吸光度に対する1068cm-1の吸光度の比は0.6であった。
(コンドロイチン硫酸Cアルギニンの製造)
強酸性陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンSK1B(三菱化学(株)))をガラス製カラムに充填し(内径2.7cm、高さ5cm)、1M塩酸70mLを流下し、樹脂をプロトン型に活性化した。脱イオン水350mLを流下し樹脂を洗浄した後、 原料のコンドロイチン硫酸Cナトリウム(生化学工業(株))0.10gを脱イオン水10mLに溶解した溶液を、室温でカラム上方から添加・流下した。その後、樹脂に脱イオン水を90mL流下し、プロトン型コンドロイチン硫酸Cを含む溶出液約100mLを得た。この溶出液にL-アルギニン(和光純薬工業(株))を0.06g加え、4℃で一晩撹拌した。溶解液のpHを卓上pHメータ(F-55、(株)堀場製作所製)により測定したところ、6.5であった。次にこの溶液について脱イオン水を外液にして透析し、過剰なアルギニンを除去し、ロータリーエバポレーター(東京理科器械(株))にて濃縮した後、凍結乾燥(東京理科器械(株))し、0.14gの白色綿状固体のコンドロイチン硫酸アルギニンを得た。
(コンドロイチン硫酸Cアルギニンの分析)
実施例3で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンの水分含量は、熱天秤装置(Thermo Plus TG8210、(株)リガク製)にて、125℃で試料重量が恒量となるまで加熱し、重量減少分を試料に含まれていた水分とした。その結果、実施例3で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンの水分含量は8.2重量%であった。
実施例3で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンのアルギニンの含量は、比色法であるニンヒドリン法にて、L-アルギニン(和光純薬工業(株))を標準物質とした検量線から求めたところ、乾燥重量当たり27.3重量%であった。
実施例3で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンの赤外吸収スペクトルは、KBrディスク透過法で実施例2と同様に測定した。図3は実施例3で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンの赤外吸収スペクトルである。図3のグラフの横軸は波数(cm-1)を表し、縦軸は吸光度を表す。図3において、山となっている部分が吸収ピークであり、吸収ピークに記載された数字1~4は、コンドロイチン硫酸アルギニンの特徴的なピークを示す。ピーク1は波数1643cm-1で吸光度0.648、ピーク2は波数1412cm-1で吸光度0.307、ピーク3は波数1244cm-1で吸光度0.250、ピーク4は波数1059cm-1で吸光度0.331であった。波数1412cm-1の吸光度に対する1643cm-1の吸光度の比は2.6、1244cm-1の吸光度に対する1643cm-1の吸光度の比は1.9、1412cm-1の吸光度に対する1244cm-1の吸光度の比は1.2、1412cm-1の吸光度に対する1059cm-1の吸光度の比は0.9であった。なお、比較例として、原料のコンドロイチン硫酸Cナトリウムの赤外吸収スペクトルを同様に測定した。図4はその結果であり、横軸は波数(cm-1)を表し、縦軸は吸光度を表す。山となっている部分が吸収ピークであり、吸収ピークに記載された数字1~4は、コンドロイチン硫酸Cナトリウムの特徴的なピークを示す。ピーク1は波数1643cm-1で吸光度0.249、ピーク2は波数1412cm-1で吸光度0.107、ピーク3は波数1254cm-1で吸光度0.133、ピーク4は波数1068cm-1で吸光度0.218であった。波数1412cm-1の吸光度に対する1643cm-1の吸光度の比は1.9、1254cm-1の吸光度に対する1643cm-1の吸光度の比は1.1、1412cm-1の吸光度に対する1254cm-1の吸光度の比は0.8、1412cm-1の吸光度に対する1068cm-1の吸光度の比は0.5であった。
(コンドロイチン硫酸アルギニンの官能試験)
次に、実施例3と同様の処理を行い、コンドロイチン硫酸アルギニンを調製した。すなわち、原料のコンドロイチン硫酸Cナトリウム(生化学工業(株))0.3gをプロトン型の強酸性陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンSK1B(三菱化学(株)))で処理し、溶出液にL-アルギニン(和光純薬工業(株))を0.18g加え、4℃で一晩撹拌した。次にこの溶液について脱イオン水を外液にして透析し、過剰なアルギニンを除去し、ロータリーエバポレーター(東京理科器械(株))にて濃縮した後、凍結乾燥(東京理科器械(株))し、0.42gの白色綿状固体のコンドロイチン硫酸アルギニンを得た。
被験者として20代以上の男女5名に、脱イオン水に0.3w/v%で溶解したL-アルギニン(和光純薬工業(株))水溶液5mLを口に含んでもらったところ、5名全員苦みと生臭みを感じたと申告した。次に、同一人物5名に実施例1で得られたコンドロイチン硫酸アルギニンを1.1w/v%で脱イオン水に溶解し(アルギニンとしての濃度:0.3w/v%)、5mLを口に含んでもらったところ、5名全員苦みと生臭みは感じなかったと申告した。
次に、実施例1と同様の処理を行い、コンドロイチン硫酸アルギニンを調製した。すなわち、原料のコンドロイチン硫酸Aナトリウム(生化学工業(株))1gをプロトン型の強酸性陽イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンSK1B(三菱化学(株)))で処理した。得られたプロトン型コンドロイチン硫酸Aを含む溶液100mLについて、pHを卓上pHメータ(F-55、(株)堀場製作所製)により測定したところ、2.3であった。この溶液にL-アルギニン(和光純薬工業(株))を0.4g加え、4℃で一晩撹拌し、溶解した。pHを測定したところ、3.5であった。水酸化ナトリウム溶液で中性に調整し、アルギニンを含量する飲料を製造した。
脱イオン水100mLにL-アルギニン(和光純薬工業(株))を0.4g溶解した飲料を製造し、30代以上の男女2名に口に含んでもらったところ、全員苦みと生臭みを感じたと申告した。次に、L-アルギニン(和光純薬工業(株))を0.4gと上記で調製したプロトン型コンドロイチン硫酸A約1gを含む100mLの飲料について、30代以上の男女2名に口に含んでもらったところ、全員苦みと生臭みは感じなかったと申告した。
本発明により苦みと生臭さを呈しないアルギニン及びその方法が提供されることにより、食品、特に健康食品産業に広く利用されることが可能となる。

Claims (2)

  1. 水に溶解したコンドロイチン硫酸ナトリウムをプロトン型イオン交換樹脂に接触させ、次にこの溶液のpHをアルギニン、又はアルギニンと水酸化ナトリウムで中性に調整する工程を特徴とする、アルギニンの苦味と生臭みの低減方法。
  2. 水に溶解したコンドロイチン硫酸ナトリウムをプロトン型イオン交換樹脂に接触させ、次にこの溶液のpHをアルギニン、又はアルギニンと水酸化ナトリウムで中性に調整して得られるコンドロイチン硫酸アルギニンを含む飲料。
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