JP6990079B2 - ステアリングシステム - Google Patents

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Description

この発明は、車両に設けられるステアリングシステムに関するものであり、特に、運転者や操舵支援装置等の操作により車輪を転舵させるステアリング装置の他に、補助転舵用のステアリング装置を備えるステアリングシステムに関する。
自動車に代表される車両においては、ハンドルとステアリング装置とが機械的に接続され、ハンドルに対する回転操作により、ステアリング装置が車輪の転舵を行う。
特開2009-226972号公報 独国特許出願公開第102012206337号明細書 特開2014-061744号公報 特開2016-147513号公報
しかしながら、ハンドルとステアリング装置とが機械的に接続されている車両においては、路面の凹凸などによる車輪からの逆入力により、ハンドルがとられ、車両がふらついてしまうという問題がある。
またコーナリング時においては、運転者の習熟度や、路面等の環境条件のバラつきで、走行安定性やハンドル操作に対する追従性が低下するという問題がある。
ハンドル操作によらずに、道路の方向や障害物等の車両周辺状況等をセンサ類により認識して操舵指令を自動生成する操舵指令装置を備えた自動または半自動運転の車両があるが、前記車輪からの逆入力があった場合に、前記の車両のふらつきを生じる恐れがあり、車両進行方向を大きく変更することを可能としたステアリング装置の制御だけでは、車両の走行安定性を維持することが難しい。
この発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、操舵量指令により操舵される車両の向きに対して車両の状態に応じてその補正を可能とし、車両の走行安定性を維持することが可能であり、さらに前記補正を行うにつき、制御出力の異常監視機能を備え、装置の異常により却って走行安定性を低下させることが未然に防止できるステアリングシステムを提供することである。
この発明のステアリングシステム100は、車両101が備えるステアリングシステムであって、
操舵指令装置200,200Aが出力する操舵量の指令に従い前記車両101を転舵させる第1のステアリング装置140と、
前記車両101の左右のタイヤハウジング105内にそれぞれ設けられ電動モータ27の駆動により補助転舵として車輪2を転舵させる左右の機構部150a,150a、およびこれら左右の機構部150a,150aを制御する一つの補助転舵制御部150bを有する第2のステアリング装置150と、
前記車両101の状態を表す車両情報を検出する車両情報検出部110とを備え、
前記第2のステアリング装置150の前記補助転舵制御部150bは、
前記車両情報および前記左右の機構部150a,150aの転舵角の情報に基づき前記左右の機構部150a,150aに行わせる補助転舵の指令を生成する旋回制御部151と、前記補助転舵の指令に従い前記左右の機構部150a,150aの前記電動モータ27,27をそれぞれ制御する左輪用および右輪用のモータ制御装置175,170とを有し、
前記左輪用および右輪用のモータ制御装置175,170は、それぞれ異常検出部176,171を有し、これら異常検出部176,171は、相互に状態を監視する。
この構成によれば、モータ駆動される第2のステアリング装置150を備え、第2のステアリング制御装置150の制御部150bは車両情報に基づいて前記電動モータ27を制御する。そのため、滑りなどによって車両101が意図しない方向に移動する場合に、前記車両情報により得られる車両101の状態に応じて、例えば前記操舵指令装置200,200Aが出力する操舵量や車速に合わせて、車両101の向きを補正することが可能となる。このため、第1のステアリング装置140だけでは対処が困難な車両101のふらつきを補正することが可能となる。これにより、車両101の安定性が向上する。
また、前記第2のステアリング装置150の制御部である補助転舵制御部150bは、左右の機構部150a,150aの前記電動モータ27,27を制御する左輪用および右輪用のモータ制御装置175,170とを有しているが、これらモータ制御装置175,170は、それぞれ異常検出部176,171を有し、両異常検出部176,171は、相互監視を行うことにより両モータ制御装置175,170の少なくとも一方が異常であると判定する。例えば、いずれか片方のモータ制御装置175,170の電源が失陥してしまった場合、もう片方のモータ制御装置175,170の制御を停止することで、運転者は安全にハンドルを使って、路肩など安全な場所に車両を移動させることができる。これと同様に、片方のモータ制御装置175,170が目標角度とは異なる異常な動作をした場合は、両方のモータ制御装置175,170の制御を停止することで、運転者のハンドル操作によって車両を確実に停止できる状態まで移動させることができ、安全を確保することができる。
この発明において、前記操舵指令装置200,200Aが、運転者により操舵の操作がなされる手動の装置、例えばハンドル200であってもよい。
この場合、モータ駆動される第2のステアリング装置150を備え、第2のステアリング装置150の制御部150bは車両情報に基づいて前記電動モータ27を制御するため、滑りなどによって車両101が意図しない方向に移動する場合に、前記車両情報により得られる車両101の状態に応じて、例えばハンドル200の操作量に合わせて、車両101の向きを補正することが可能となる。このため、運転者がハンドル200の操作を行わなくても、車両101のふらつきを補正することが可能となる。これにより、車両101の安定性が向上する。
この発明において、前記第1のステアリング装置140は、左右の車輪2を連動して転舵させる装置であり、前記第2のステアリング装置150は、左右の車輪2を独立して転舵可能な装置であってもよい。
第1のステアリング装置140が左右の車輪2を連動して転舵させる構成であることで、運転者のハンドル200の操作による車両101の向きの調整や、自動の操舵指令装置200Aによる車両101の向きの調整が、従来の車両101と同様に行える。第2のステアリング装置150は、左右の車輪2を独立して転舵可能であるため、トー角を調整することが可能であって、これによりハンドル操作の機敏性や自動の操舵指令装置200Aによる制御の機敏性等を車両101の状態に応じて調整できる。
この発明において、前記第1のステアリング装置140と、前記第2のステアリング装置150とは、同一の車輪2の転舵を行う装置であってもよい。例えば、第1のステアリング装置140で前輪の転舵を行う場合に、第1のステアリング装置140の転舵による転舵角に対して、第2のステアリング装置150により、その転舵角の微調整を行うようにしてもよい。
この発明において、前記第1のステアリング装置140と、前記第2のステアリング装置150とは、互いに異なる車輪2を転舵させる装置であってもよい。
例えば第1のステアリング装置140が前輪転舵を行う装置である場合に、第2のステアリング装置150が後輪転舵を行う装置であってもよい。
この構成の場合、第1のステアリング装置140と第2のステアリング装置150とが同じ車輪2を転舵させる構成とする場合に比べて、機構部150aの構成が簡素にできる。
この発明において、前記車両情報は、車速の情報、操舵角の情報、車高の情報、実ヨーレートの情報、実横加速度の情報、アクセル指令値、およびブレーキ指令値を含む情報であってもよい。
車両101の状態の情報として、車速の情報、操舵角の情報、車高の情報、実ヨーレートの情報、実横加速度の情報、アクセル指令値、およびブレーキ指令値を用いると、車両101の状態に応じた第2のステアリング装置150の制御がより一層適切に行え、さらなる車両101の安定性の向上等が得られる。
なお、本明細書において、車速の情報を「車速情報」、操舵角の情報を「操舵角情報」、車高の情報を「車高情報」、実ヨーレートの情報を「実ヨーレート情報」、実横加速度の情報を「実横加速度情報」と称する場合がある。
この発明において、前記第2のステアリング装置150を2つ備え、
一方の前記第2のステアリング装置150と、前記第1のステアリング装置140とは同一の車輪2の転舵を行い、他方の前記第2のステアリング装置150と、前記第1のステアリングシステム140とは互いに異なる車輪2の転舵を行うものであってもよい。
このように、ステアリングシステム100が複数の第2のステアリング装置150,150を備えていることにより、より高度に4輪を独立して転舵することが可能となり、車両101の走行安定性をより一層向上させることが可能となる。
この発明において、前記両モータ制御装置175,170の前記異常検出部176,171は、左右各々の前記モータ制御装置175,170において右輪転舵量情報および左輪転舵量情報に基づいて演算されたモータ目標位置を比較し、演算結果が不一致の場合、少なくとも一方が異常であると判定するようにしてもよい。
両演算結果のモータ目標位置は一致しているべきであり、不一致の場合は異常である。この一致か不一致かにより判定することで、容易に異常の判定が行える。
この発明において、前記第2のステアリング装置150の前記補助転舵制御部150bは、前記異常検出部176,171による異常判定の結果、異常と判定されたときには、即時に制御を中止するようにしてもよい。
制御を停止することで、補助転舵が行われず、第1のステアリング装置だけで転舵が行われる。補助転舵の機能を失った状態となるだけであり、操舵指令装置200,200Aが出力する操舵量の指令による転舵は行われるので、前記制御が停止されても、走行上の支障はない。
この発明のステアリングシステムは、車両が備えるステアリングシステムであって、操舵指令装置が出力する操舵量の指令に従い前記車両を転舵させる第1のステアリング装置と、前記車両の左右のタイヤハウジング内にそれぞれ設けられ電動モータの駆動により補助転舵として車輪を転舵させる左右の機構部、およびこれら左右の機構部を制御する一つの補助転舵制御部を有する第2のステアリング装置と、前記車両の状態を表す車両情報を検出する車両情報検出部とを備え、前記第2のステアリング装置の前記補助転舵制御部は、前記車両情報および前記左右の機構部の転舵角の情報に基づき前記左右の機構部に行わせる補助転舵の指令を生成する旋回制御部と、前記補助転舵の指令に従い前記左右の機構部の前記電動モータをそれぞれ制御する左輪用および右輪用のモータ制御装置とを有し、前記左輪用および右輪用のモータ制御装置は、それぞれ異常検出部を有し、これら異常検出部は、相互に状態を監視するため、操舵量指令により操舵される車両の向きに対して車両の状態に応じてその補正を可能とし、車両の走行安定性を維持することが可能であり、さらに前記補正を行うにつき、制御出力の異常監視機能を備え、第2のステアリング装置の異常により却って走行安定性を低下させることが未然に防止できる。
この発明の第1の実施形態に係るステアリングシステムの概念構成の概略を示す説明図である。 同ステアリングシステムの概念構成を示すブロック図である。 同ステアリングシステムの第2のステアリング装置における旋回制御部の概念構成を示すブロック図である。 同ステアリングシステムにおける第2のステアリング装置の機構部の一例を示す垂直断面図である。 横軸加速度/規範横加速度およびタイヤ角度と摩擦係数の関係例を示すグラフである。 第2の実施形態に係るステアリングシステムの概念構成の概略を示す説明図である。 同ステアリングシステムの概念構成を示すブロック図である。 同ステアリングシステムの第2のステアリング装置における旋回制御部の概念構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係るステアリングシステムの概念構成の概略を示す説明図である。 同ステアリングシステムの概念構成を示すブロック図である。 さらに他の実施形態に係るステアリングシステムの概念構成の概略を示す説明図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図5と共に説明する。
図1は、この実施形態に係るステアリングシステム100を搭載した自動車等の車両101の概念構成を示す説明図である。車両101は、前輪となる左右の車輪2,2と、後輪となる左右の車輪2,2とを有する4輪車両であり、駆動方式は、前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動のいずれであってもよい。
このステアリングシステム100は、車両101の転舵を行うためのシステムであり、第1のステアリング装置140と、第2のステアリング装置150と、車両情報検出部110とを備える。
第1のステアリング装置140は、ハンドル200等の操舵指令装置に対する運転者の操作により車両101の転舵輪となる車輪2,2を転舵させる装置であり、この実施形態では前輪操舵形式とされている。
第2のステアリング装置150は、車両状態に応じた制御によって補助的な転舵を行う装置であり、機構部150aと補助転舵制御部150bとでなる。機構部150aは、補助転舵の対象となる車輪2,2毎に設けられる機構であり、車両101のタイヤハウジング105内に設けられて電動モータ27の駆動により車輪2を転舵させる。補助転舵制御部150bは、電動モータ27を、車両情報検出部110により検出された車両の状態を表す車両情報に基づいて制御する。
車両情報検出部110は、車両の状態を検出する手段であり、各種のセンサ類の群を称している。車両情報検出部110の検出した車両情報は、メインのECU130を介して第2のステアリング装置150の制御部150bに転送される。
<ECU130の構成>
ECU130は、車両101の全体の協調制御や統括制御を行う制御装置であり、VCUとも称される。ECU130は、車両情報検出部110から入力される車速情報、操舵角情報、車高情報、実ヨーレート情報、実横加速度情報、アクセル指令値、およびブレーキ指令値に基づいて、第2のステアリング装置150を制御する。
<第1のステアリング装置140の構成>
第1のステアリング装置140は、上記のように運転者によるハンドル200に対する入力に応じて、車両101の前輪となる左右の車輪2,2を連動して転舵させるシステムであり、ステアリングシャフト32、ラックアンドピニオン(図示せず)、タイロッド33等、周知の機械的な構成を備える。運転者がハンドル200に対して回転入力を行うと、ステアリングシャフト32も連動して回転する。ステアリングシャフト32が回転すると、ラックアンドピニオンによってステアリングシャフト32と連結されているタイロッド33が車幅方向に移動することで、車輪2の向きが変わり、左右の車輪2,2を連動して転舵することが可能である。
<第2のステアリング装置150の構成概略>
第2のステアリング装置150は、左右の車輪2,2を独立して転舵可能な装置であり、その機構部150aとして右輪ハブユニット180(図2)および左輪ハブユニット185を備える。これら右輪ハブユニット180および左輪ハブユニット185は、タイヤハウジング105内に設けられた補助転舵用アクチュエータ6(図4)の電動モータ27により車輪の転舵を行う。
なお、この実施形態では、第1のステアリング装置140と、第2のステアリング装置150とは、同一の車輪を転舵する場合、すなわち前輪2,2を転舵する場合について説明する。
<第2のステアリング装置150の機構部150aの具体的構成例>
第2のステアリング装置150の機構部150aは、前記のように右輪ハブユニット180および左輪ハブユニット185からなるが、これら右輪ハブユニット180および左輪ハブユニット185は、いずれも、図4に示す補助転舵機能付きのハブユニット1として構成されている。このハブユニット1は、車輪2の支持用のハブベアリング3を有するハブベアリング部組立部品4と、補助転舵用アクチュエータ6とを備える。ハブベアリング部組立部品4は、上下方向に延びる補助転舵軸心A回りに回転自在に、上下2箇所で回転許容支持部品7,7を介してナックル22に支持されている。補助転舵軸心Aは、車輪2の回転軸心Oとは異なる軸心であり、主な転舵を行うキングピン軸Kとも異なっている。車輪2は、ホイール8とタイヤ9とでなる。補助転舵用アクチュエータ6は、ナックル22に固定されている。
この補助転舵機能付ハブユニットは、前輪となる車輪2,2の第1のステアリング装置140(図1参照)による転舵に付加して左右輪個別に微小角転舵させる機構としてナックル22に設置される。
懸架装置21は、この例ではダブルウイッシュボーン式であり、ショックアブソーバ(図示せず)を介して接続されたアッパーアームとロアアームとを有し、これらアッパーアームとロアアームの先端間で傾斜したキングピン軸K回りに回動自在に前記ナックル22が設置されている。懸架装置21は、この他に独立懸架式など、他の種々の形式が採用できる。ナックル22は、第1のステアリング装置140(図1参照)のタイロッド33に回転可能に連結されている。
ハブベアリング3は、内輪12と外輪11とこれら内外輪間に介在したボール等の転動体13とで構成されている。ハブベアリング3は、図示の例では、外輪11が固定輪、内輪12が回転輪となり、転動体13が複列とされたアンギュラ玉軸受とされている。内輪12のハブフランジに、車輪2のホイール8がブレーキロータ14と重なり状態でボルト固定されている。内輪12は、回転軸心O回りに回転する。ブレーキロータ14は、ブレーキキャリパ(図示せず)とでブレーキを構成する。
なお、補助転舵機能付ハブユニット1を非転舵輪に用いる場合は、ナックル22に取付ける代わりに、懸架装置における転舵機能を持たない車輪用軸受取付け部材(図示せず)に設置される。
ハブベアリング部組立部品4は、この補助転舵機能付きのハブユニットにおける補助転舵軸心A周りに回転する部分であり、ハブベアリング3と、前記回転許容支持部品7の回転側部品と、補助転舵力受け部(図示せず)とを備える。回転許容支持部品7は、この例では複列アンギュラ玉軸受とされているが、球面滑り軸受等であってもよい。
ハブベアリング部組立部品4の補助転舵軸心Aは、上下方向に延びるが、キングピン軸Kとは異なる方向であり、例えば鉛直方向である。この実施形態では、補助転舵軸心Aは、キングピン軸Kの延長線と路面Sとの交点位置PKと、補助転舵軸心Aの延長線と路面Sとの交点位置PAが、共にタイヤ接地面9a内に位置するように設計されている。これらの交点位置PK,PAは、互いに一致していることが、タイヤのすべりを最小とするために最適である。
補助転舵用アクチュエータ6は、その直動出力部が進退することで、ハブベアリング部組立部品4を前記補助軸心A回りに回転、つまり補助転舵させる。補助転舵用アクチュエータ6は、電動モータ27と、この電動モータ27の回転を減速する減速機28と、この減速機の正逆の回転出力を往復直線動作に変換する直動機構(図示せず)とで構成される。電動モータ27は、例えば永久磁石型同期モータとされるが、直流モータであっても、誘導モータであってもよい。前記直動機構は、滑りねじまたはボールねじ等の送りねじ機構、またはラック・ピニオン機構等とされる。
ハブベアリング部組立部品4のナックル22に対する補助転舵の範囲は、ストッパ(図示せず)により規制される。ハブベアリング部組立部品4の補助転舵可能角度の許容範囲は、僅かな角度でよく、例えば±5度以下とされる。
<車両情報検出部110の構成概略>
図2に示すように、車両情報検出部110は、車速検出部111、操舵角検出部112、車高検出部113、実ヨーレート検出部114、実横加速度検出部115、アクセルペダルセンサ116、およびブレーキペダルセンサ117を備える。
車速検出部111は、例えば車両が備えるトランスミッションの内部に取り付けられたスピードセンサ等のセンサの出力に基づいて、車速を検出し、ECU130へ車速情報を出力する。
操舵角検出部112は、例えば後述する第1のステアリング装置140が備えるモータ部に取り付けられたレゾルバ等のセンサの出力に基づいて操舵角を検出し、ECU130へ操舵角情報を出力する。
車高検出部113は、車両101のシャーシと地面との距離をレーザ変位計により測定する方法、あるいは前記アッパーアームまたはロアアームの角度を角度センサにより検出する方法等により、後述する第2のステアリング装置150により転舵される各車輪2の車高を検出する。そして車高検出部113は、検出した車高を車高情報としてECU130へ出力する。
実ヨーレート検出部114は、例えば車両に取り付けられたジャイロセンサ等のセンサの出力に基づいて、実ヨーレートを検出し、ECU130へ実ヨーレート情報を出力する。
実横加速度検出部115は、例えば車両101に取り付けられたジャイロセンサ等のセンサの出力に基づいて、実横加速度を検出し、ECU130へ実横加速度情報を出力する。
アクセルペダルセンサ116は、運転者によるアクセルペダルへの入力を検出し、検出した値をアクセル指令値としてECU130へ出力する。
ブレーキペダルセンサ117は、運転者によるブレーキペダルへの入力を検出し、検出した値をブレーキ指令値としてECU130へ出力する。
<第2のステアリング装置150の補助転舵制御部150b>
第2のステアリング装置150の補助転舵制御部150bは、ECU130から車速情報、操舵角情報、車高情報、実ヨーレート情報、実横加速度情報、アクセル指令値、およびブレーキ指令値を含む車両情報取得し、取得した車両情報に基づいて、旋回制御部151が右輪モータ制御装置170、左輪モータ制御装置175を制御することで、右輪ハブユニット180、および左輪ハブユニット185が備える電動モータ27を駆動し、左右の車輪を独立して転舵可能な装置である。
なお、前記電動モータ27は、台形ネジやウォームギヤ等の逆入力を遮断できる伝達要素を介して、車輪2を転舵してもよい。また、第2のステアリング装置150は、車輪2の向きの補正を目的とするため、転舵の範囲は±数度に制限されている。
<旋回制御部151の制御>
次に、旋回制御部151が行う制御について説明する。
図3は、旋回速度制御部151の構成を示すブロック図である。同図に示すように、旋回制御部151は、規範横加速度計算部152、右輪タイヤ角度計算部153、左輪タイヤ角度計算部154、右輪路面摩擦係数計算部155、目標ヨーレート計算部156、左輪路面摩擦係数計算部157、目標ヨーレート補正部158、目標左右輪タイヤ角度計算部159、右輪指令値計算部160、および左輪指令値計算部161を備える。
右輪タイヤ角度計算部153および左輪タイヤ角度計算部154は、所定の周期で、ECU130から操舵角情報および車高情報を取得する。右輪タイヤ角度計算部153および左輪タイヤ角度計算部154は、操舵角情報および車高情報を取得すると、取得した操舵角情報および車高情報に基づいて、第2のステアリング装置150が転舵を行うタイヤ(車輪2)の現在の角度を算出する。そして、右輪タイヤ角度計算部153および左輪タイヤ角度計算部154は、算出したタイヤ角度情報を規範横加速計算部152に出力する。
規範横加速度計算部152は、ECU130から取得した車速情報、ならびに右輪タイヤ角度計算部153および左輪タイヤ角度計算部154から入力されるタイヤ角度情報に基づいて、規範横加速度の計算を行う。すなわち、規範横加速度計算部152は、右輪タイヤ角度計算部153および左輪タイヤ角度計算部154からタイヤ角度情報で表されるタイヤ角度、車速情報で表される車速とに基づいて、規範横加速度の計算を行う。そして、規範横加速度計算部152は、算出した規範横加速度を規範横加速度情報として右輪路面摩擦係数算出部155および左輪路面摩擦係数計算部157に出力する。
図5は、右輪路面摩擦係数計算部155および左輪路面摩擦係数計算部157に記憶されている路面摩擦係数を算出するためのマップを表す図であり、実横加速度/規範横加速度と、タイヤ角度と、摩擦係数との関係を表す図である。
図3の右輪路面摩擦係数計算部155および左輪路面摩擦係数計算部157は、ECU130から取得する実横加速度情報および規範横加速度計算部152から入力される規範横加速度情報に基づいて、路面摩擦係数の計算を行う。具体的には、右輪路面摩擦係数計算部155および左輪路面摩擦係数計算部157は、規範横加速度計算部152から規範横加速度情報と、右輪タイヤ角度計算部153および左輪タイヤ角度計算部154からタイヤ角度情報を取得し、図5に示されるようなマップに基づいて、実横加速度/規範横加速度とタイヤ角度とから、路面摩擦係数を算出する。そして、右輪路面摩擦係数計算部155および左輪路面摩擦係数計算部157は、算出した右輪の路面摩擦係数である右輪路面摩擦係数情報と、左輪の路面摩擦係数である左輪路面摩擦係数情報を目標ヨーレート補正部158に出力する。
目標ヨーレート計算部156は、所定の周期でECU130から車速情報および操舵角情報を取得し、取得する車速情報および操舵角情報に基づいて、目標ヨーレートを計算する。そして、目標ヨーレート計算部156は、算出した目標ヨーレートを目標ヨーレート情報として目標ヨーレート補正部158に出力する。
目標ヨーレート補正部158は、右輪路面摩擦係数計算部155および左輪路面摩擦係数計算部157から、右輪路面摩擦係数情報および左輪路面摩擦係数情報と、目標ヨーレート計算部156から目標ヨーレート情報を取得し、右輪路面摩擦係数情報および左輪路面摩擦係数情報で表される路面摩擦係数に応じて目標ヨーレートの補正を行う。そして、目標ヨーレート補正部158は、補正後の目標ヨーレートを補正後ヨーレート情報として目標左右輪タイヤ角度計算部159へ出力する。
目標左右輪タイヤ角度計算部159は、目標ヨーレート補正部158から補正後ヨーレート情報と、ECU130から実ヨーレート情報、アクセル指令値およびブレーキ指令値と、右輪路面摩擦係数計算部155から右輪路面摩擦係数情報、左輪路面摩擦係数計算部157から左輪路面摩擦係数情報を取得し、左右輪のタイヤ角度の目標値である目標左右輪タイヤ角度を計算する。具体的には、目標左右輪タイヤ角度計算部159は、下記式(1)に基づいて、左右それぞれのタイヤの目標の角度を算出する。
Figure 0006990079000001
ここで、θは実ヨーレート情報で表される実際の車両のヨーレート量、Xはアクセル指令値、Xはブレーキ指令値、μR は右輪路面摩擦係数、μL は左輪路面摩擦係数、θtR1 は、右輪の目標タイヤ角度、θtL1 は、左輪の目標タイヤ角度である。
そして、目標左右輪タイヤ角度計算部159は、計算した左右輪それぞれの目標タイヤ角度を目標タイヤ角度情報として、右輪指令値計算部160および左輪指令値計算部161へ出力する。
右輪指令値計算部160および左輪指令値計算部161は、目標左右輪タイヤ角度計算部159から目標タイヤ角度情報を、右輪タイヤ角度計算部153および左輪タイヤ角度計算部154から、現在のタイヤ角度を表すタイヤ角度情報を取得する。取得後、目標タイヤ角度情報で表される目標タイヤ角度と、現在のタイヤ角度とを比較し、偏差量に応じて右輪ハブユニット180および左輪ハブユニット185のそれぞれを転舵させる量を表す右輪転舵量情報および左輪転舵量情報を生成する。そして、右輪指令値計算部160は、生成した右輪転舵量情報を右輪用モータ制御装置170へ出力し、左輪指令値計算部161は、生成した左輪転舵量情報を左輪用モータ制御装置175へと出力する。
右輪モータ制御装置170および左輪モータ制御装置175は、インバータを備える。右輪モータ制御装置170および左輪モータ制御装置175は、旋回制御部151の右輪指令値計算部160および左輪指令値計算部161からの出力に基づいて、右輪ハブユニット180、および左輪ハブユニット185が備える右輪ハブユニット180のモータ、および左輪ハブユニット185のモータへの電流を制御する。具体的には、右輪モータ制御装置170および左輪モータ制御装置175は、右輪指令値計算部160および左輪指令値計算部161から右輪転舵量情報および左輪転舵量情報が入力されると、現在の右輪ハブユニット180、および左輪ハブユニット185の転舵角を表す右輪ハブユニット180の電動モータ27、および左輪ハブユニット185の電動モータ27の位置情報を取得し、右輪転舵量情報および左輪転舵量情報に基づいて当該電動モータの目標位置を決定し、右輪ハブユニット180の電動モータ27、および左輪ハブユニット185の電動モータ27へ流す電流を出力し、右輪舵角センサ190および左輪舵角センサ195より、旋回制御部151に、右輪ハブユニット180および左輪ハブユニット185の舵角情報を出力する。
また、右輪モータ制御装置170および左輪モータ制御装置175は、それぞれ右輪異常検出部171および左輪異常検出部176を有し、異常が検出された場合は、第2のステアリング装置150は即時に制御を停止する。
具体的には、右輪異常検出部171および左輪異常検出部176は、右輪モータ制御装置170および左輪モータ制御装置175でそれぞれ計算した左右のモータ目標位置を比較し、モータ目標位置が一致していた場合は正常に動作していると判断する。モータ目標位置が不一致であった場合は、少なくとも一方が異常であると判断して、旋回制御部151および他方のモータ制御装置170,175へ異常信号を出力する。この異常信号に応答して、第2のステアリング装置150は即時に制御を停止する。例えば、旋回制御部151および他方のモータ制御装置170,175のいずれもが制御を中止する。また、いずれか片方のモータ制御装置175,170の電源が失陥してしまった場合も、もう片方のモータ制御装置175,170の制御を停止する
右輪異常検出部171および左輪異常検出部176は、左右のモータ目標位置の比較の他に、自己を含むモータ制御装置170,175の前記モータ目標位置についても、定められた正常範囲であるかを監視し、前記正常範囲を逸脱する場合(例えば、取り得ない値になっている場合)は、旋回制御部151および他方のモータ制御装置170,175へ異常信号を出力する。この異常信号に応答して、第2のステアリング装置150は即時に制御を停止する。
<作用効果>
このように、第1の実施形態に係るステアリングシステム100は、ハンドル200の操作により車輪2を転舵させる第1のステアリング装置140と、車両101の状態を表す車両情報を検出する車両情報検出部110と、車両のタイヤハウジング105内に設けられた電動モータ27を駆動することで、車輪2を転舵させる第2のステアリング装置150とを備える。そして、第2のステアリング装置150は、車両情報検出部110が検出した車両情報に基づいて、電動モータ27の駆動を行う。
この場合に、第2のステアリング装置150は、車両情報検出部110が検出した車両情報に基づいて、車両101の状況に応じた左右の車輪2と地面の接触面の状態を各々算出し、車両101を理想的なラインでコーナリングするための左右各々のタイヤ角度を算出し、左右各々の電動モータの駆動を個別に行う。
上記の構成によれば、第2のステアリング装置150を設けたことにより、コーナリング時など滑りなどによって車両101が意図しない方向に移動する場合、ハンドル200の操作量に合わせて、車両101の向きを補正することが可能となる。また、第2のステアリング装置150は左右独立したステアリング装置である為、左右各々のトー角を個別に調整することが可能であり、通常走行時の直進安定性の向上や、コーナリングでの操縦安定性を向上することが出来る。
また、コーナリング時においては、車両情報に応じて運転者のハンドル操作を、より効率的に車両101が曲がれる様、左右各々の転舵量を補正することで理想のラインでコーナリングが可能となり、運転者のハンドル操作負荷を軽減できるため、車両101の操縦安定性が向上するという効果を奏する。
直進安定性について、従来の車両では、車両がわずかにふらついた場合に、運転者がふらつきを補正するために修正転舵を行う必要があったが、この実施形態に係る第2のステアリング装置150を備える車両101では、運転者が、ハンドル200の操作を行わなくても、車両101のふらつきを補正することが可能となる。そのため、車両101の直進安定性が向上するという効果を奏する。
また、これら左右独立して制御される第2のステアリング装置150は、左右それぞれのモータ制御装置175,170の異常状態を相互監視しており、いずれかのモータ制御装置175,170に異常が発生した場合、瞬時にモータ制御装置175,170の制御を停止する。制御を停止しても、第2のステアリング装置150の転舵範囲を±数度程度に制限し、台形ネジ等により路面からの逆入力を防止すれば、制御を停止した状態でハブユニット180,185のふらつきは防止可能であり、運転者のハンドル操作によって車両101を確実に停止できる状態まで移動させて、安全を確保することができる。
〔実施形態2〕
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下では、第1の実施形態と同じ部位については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6は、この実施形態に係るステアリングシステム100の概要を示す説明図、図7はその構成を示すブロック図である。
この実施形態に係るステアリングシステム100は、第1のステアリングシステム140と第2のステアリングシステム150が異なる車輪2を転舵する点で、第1の実施形態とは異なる。すなわち、この実施形態に係るステアリングシステム100は、第1のステアリングシステム140が車両101の前輪となる車輪2の転舵を行い、第2のステアリングシステム150が車両の後輪となる車輪2の転舵を行う。
図8は、この実施形態に係る旋回速度制御部151の構成を示すブロック図である。
旋回制御部151は、ECU130から車両情報として、車速情報、操舵角情報、実ヨーレート情報、実横加速度情報、アクセル指令値、およびブレーキ指令値を取得し、右輪モータ制御装置170および左輪モータ制御装置175の制御を行う。
この実施形態に係る旋回制御部151の目標左右輪タイヤ角度計算部159は、下記式(2)に基づいて、左右それぞれのタイヤの目標の角度を算出する。
Figure 0006990079000002
このように、第2のステアリングシステム150が第1のステアリングシステム140とは異なる車輪2の転舵を行う場合であっても、第2のステアリングシステム150は、第1のステアリングシステム140の操舵角度や車速に応じて転舵させることができ、車両の走行安定性を向上させることが可能となる。
〔実施形態3〕
図9は、この実施形態に係るステアリングシステム100を装備した車両の概念構成を示す説明図、図10は、同ステアリングシステム100の構成を示すブロック図である。この実施形態において、特に説明する事項の他は、第1の実施形態と同様である。
この実施形態に係るステアリングシステム100は、2つの第2のステアリング装置150、150を備えている点で、第1の実施形態に係るステアリングシステム100と異なる。
ここで、一方の第2のステアリング装置150は、第1のステアリング装置140と同じ車輪2の転舵を行い、他方の第2のステアリング装置150は、第1のステアリング装置140とは異なる車輪2の転舵を行う。
すなわち、一方の第2のステアリング装置150は、第1の実施形態に係る第2のステアリング装置150と同様の動作を行い、他方の第2のステアリング装置150は、第2の実施形態に係る第2のステアリング装置150と同様の動作を行う。
このように、この実施形態のステアリングシステム100は、複数の第2のステアリング装置150、150を備えていることにより、より高度に4輪を独立して転舵することが可能となり、車両101の走行安定性を向上させることが可能となる。
なお、前記各実施形態は、操舵指令装置がハンドル200である場合につき説明したが、ハンドル200以外の手動の操舵指令装置、例えばジョイスティックであってもよく、また例えば図11に示すような自動の操舵指令装置200Aであってもよい。
図11の操舵指令装置200Aは、車両周辺状況検出手段230から車両周辺状況等を認識し、操舵指令を自動生成する装置である。車両周辺状況検出手段230は、例えばカメラやミリ波のレーダ等のセンサ類である。操舵指令装置200Aは、例えば道路上の白線や障害物を認識し、操舵指令を成形して出力する。操舵指令装置200Aは、車両101の自動運転を行う装置の一部であっても、また手動運転による操舵の支援を行う装置であってもよい。このような自動で操舵指令を生成する操舵指令装置200Aを備えた車両においても、第2のステアリング装置150を備えることで、トー角制御等の第1のステアリング装置140では行えない動作が行え、また車両の走行方向の主な操舵第1のステアリング装置140で行い、その補正を第2のステアリング装置150で行うようにすることもでき、操舵量指令に対して車両の向きの補正を可能とし、車両の走行安定性を維持することが可能となる。図11の実施形態におけるその他の構成、効果は、第1の実施形成と同様である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…補助転舵機能付きのハブユニット、
2…車輪、
3…ハブベアリング、
4…ハブユニット本体、
5…ユニット支持部材、
6…補助転舵用アクチュエータ、
22…ナックル、
21…懸架装置、
23…アッパーアーム、
24…ロアアーム、
27…モータ、
100…ステアリングシステム、
101…車両、
105…タイヤハウジング、
110…車両情報検出部、
111…車速検出部、
112…操舵角検出部、
113…車高検出部、
114…実ヨーレート検出部、
115…実横加速度検出部、
116…アクセルペダルセンサ、
117…ブレーキペダルセンサ、
130…ECU、
140…第1のステアリング装置、
150…第2のステアリング装置、
150a…機構部、
150b…制御部、
151…旋回制御部、
159…目標左右輪タイヤ角度計算部、
150…第2のステアリング装置、
150…第2のステアリング装置、
160…右輪指令値計算部、
161…左輪指令値計算部、
170…右輪モータ制御装置、
171…右輪モータ制御装置 異常検出部、
175…左輪モータ制御装置、
176…左輪モータ制御装置 異常検出部、
180…右輪ハブユニット、
185…左輪ハブユニット、
200…ハンドル(操舵指令装置)、
200A…操舵指令装置、
K…キングピン軸、
A…補助転舵軸心

Claims (9)

  1. 車両が備えるステアリングシステムであって、
    操舵指令装置が出力する操舵量の指令に従い前記車両を転舵させる第1のステアリング装置と、
    前記車両の左右のタイヤハウジング内にそれぞれ設けられ電動モータの駆動により補助転舵として車輪を転舵させる左右の機構部、およびこれら左右の機構部を制御する補助転舵制御部を有し、前記機構部が、ハブベアリング部組立部品における上下方向に延びる補助転舵軸心回りに回転自在に上下2箇所で回転許容支持部品を介してナックルに支持されてい第2のステアリング装置と、
    前記車両の状態を表す車両情報を検出する車両情報検出部とを備え、
    前記第2のステアリング装置の前記補助転舵制御部は、
    前記車両情報および前記左右の機構部の転舵角の情報に基づき前記左右の機構部に行わせる補助転舵の指令を生成する旋回制御部と、前記補助転舵の指令に従い前記左右の機構部の前記電動モータをそれぞれ制御する左輪用および右輪用のモータ制御装置とを有し、
    前記左輪用および右輪用のモータ制御装置は、それぞれ異常検出部を有し、これら異常検出部は、相互に状態を監視するステアリングシステム。
  2. 請求項1に記載のステアリングシステムにおいて、前記操舵指令装置が、運転者により操舵の操作がなされる手動の装置であるステアリングシステム。
  3. 請求項1または請求項2に記載のステアリングシステムにおいて、前記第1のステアリング装置は、左右の車輪を連動して転舵させる装置であり、前記第2のステアリング装置は、左右の車輪を独立して転舵可能な装置であるステアリングシステム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のステアリングシステムにおいて、前記第1のステアリング装置と、前記第2のステアリング装置とは、同一の車輪の転舵を行う装置であるステアリングシステム。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のステアリングシステムにおいて、前記第1のステアリング装置と、前記第2のステアリング装置とは、互いに異なる車輪を転舵させる装置であるステアリングシステム。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のステアリングシステムにおいて、前記車両情報は、車速の情報、操舵角の情報、車高の情報、実ヨーレートの情報、実横加速度の情報、アクセル指令値、およびブレーキ指令値を含むステアリングシステム。
  7. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のステアリングシステムにおいて、前記第2のステアリング装置を2つ備え、一方の前記第2のステアリング装置と前記第1のステアリング装置とは同一の車輪の転舵を行い、他方の前記第2のステアリング装置と前記第1のステアリングシステムとは互いに異なる車輪の転舵を行うステアリングシステム。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のステアリングシステムにおいて、前記両モータ制御装置の前記異常検出部は、左右各々の前記モータ制御装置において右輪転舵量情報および左輪転舵量情報に基づいて演算されたモータ目標位置を比較し、演算結果が不一致の場合、少なくとも一方が異常であると判定するステアリングシステム。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のステアリングシステムにおいて、前記第2のステアリング装置の前記補助転舵制御部は、前記異常検出部による異常判定の結果、異常と判定されたときには、即時に制御を中止するステアリングシステム。
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