JP6989981B1 - 電子撥弦楽器用プラグ及びそれを備えたケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラグ本体とプラグカバーとの間に十分なねじ締結力を手締めにより生じさせることができ、かつ、ケーブルに外力が繰り返し作用してもプラグカバーのねじ締結状態が緩みにくい電子撥弦楽器用プラグを提供する。【解決手段】 プラグ本体には、ケーブル取付部の外周面に形成される弾性リング装着部と、軸線方向にて弾性リング装着部の前方側に隣接する形で該弾性リング装着部よりも径大に形成され、弾性リング装着部の弾性リングの前方側への移動を規制する本体側リング支持部とを形成する。プラグカバーの内面には、主端子部の軸線に関して半径方向内向きに延出して、弾性リング装着部に装着された弾性リングの後方側外面と接触するカバー側リング支持部を形成する。本体側リング支持部とカバー側リング支持部との間で軸線方向に弾性リングを圧縮しつつ、プラグカバーの前端面がフランジの後端面に直接的に当て止めされる。【選択図】 図2

Description

この発明はエレキギター等の電子撥弦楽器に使用されるプラグ及びそれを備えたケーブルに関する。
エレキギターやエレキベースなどの電子撥弦楽器は、弦が振動して生ずる演奏音の波形信号を楽器本体に埋設されたピックアップにより検出するとともに、楽器本体から引き出されるケーブルにより該波形信号をアンプに送って増幅し、該アンプに接続されたスピーカーから増幅された演奏音を出力する。楽器とアンプの接続は、一般的な電子撥弦楽器の場合、ケーブル末端に設けられたプラグを楽器本体及びアンプに設けられたジャックに差し込む形で成される。
電子撥弦楽器用のプラグは、楽器側及びアンプ側ジャックに係合する形状をなす主端子部(例えば、「フォンプラグ」の名称により形状や寸法が規格に定められている)を有するとともに、その後方側にフランジ及びケーブル取付部が順次一体化された構造の金属製のプラグ本体と、ケーブル取付部の外側を覆うプラグカバーとを備えたものが一般的である。プラグカバーは内面に雌ねじ部が形成され、ケーブル取付部の雄ねじ部に螺合させることでプラグ本体に取り付けられる。
ところで、上記のような電子撥弦楽器は鍵盤楽器等と異なり、演奏者が手で抱きかかえて弾奏されることが多く、特にハードロックやヘヴィーメタル等の演奏に際しては、演奏者が楽器を激しく振り回すこともある。その結果、ケーブルを楽器及びアンプに接続するプラグには回転方向及び様々な方向への衝撃力などの負荷が恒常的にかかりやすく、ケーブル取付部へのプラグカバーのねじ締結が緩み、ケーブル側に外れてしまう不具合が生じやすい。プラグカバーをケーブル取付部に対し工具を用いて強力に締め上げれば、プラグカバーが再び緩むことは起こりにくくなる。しかし、演奏中のケーブルへの激しい負荷によりケーブル取付部とケーブルとの結合が外れることもあり、その復旧を容易にする観点から、プラグカバーとケーブル取付部とを過度に強力に締結することは、演奏者に嫌われる傾向がある。
プラグカバーのねじ止めは緩むことが多く、また外れることもあり、演奏者はケーブル取付部にこれを戻し、着衣の裾などを巻き付けて手締めにより締結しなおすことが習慣的に行われている。しかし、手締めであるから工具のような深い締結状態は当然得られないから、ケーブルへの負荷が継続されるに伴い、緩んだプラグカバーを締め直す作業が縷々繰り返されることとなる。演奏者にしてみれば、プラグカバーが緩むたびに都度演奏の中断が生じるわけであり、工具を用いずとも緩みにくいプラグカバーの締結構造が切望されている。
例えば、特許文献1の図9には、プラグ本体の基部に隣接してケーブル取付部側に弾性リングをはめ込み、プラグカバーの前端面と基部との間で弾性リングを圧縮した状態で、プラグカバーの雌ねじを上記雄ねじに螺合締結するプラグ構造が開示されている。類似の構造のプラグは、特許文献2の図1にも開示されている。また、特許文献1の図16には、プラグ本体の基部に隣接した溝にはめ込まれた弾性リングを、プラグカバーの雌ねじで圧縮しつつ、基部の外周面がプラグカバーの先端部により覆われるようにしたプラグ構造が開示されている。
特許第6590357号公報 米国特許第6203370号明細書
上記特許文献1及び2が開示するプラグ構造においては、プラグカバーの雌ねじとケーブル取付部の雄ねじとの締結に寄与する軸力は、フランジとプラグカバー前端面の間で又は雌ねじにより圧縮変形する弾性リングの軸線方向への復帰力が主体的となる。しかし、ゴム製の弾性リングの弾性定数は金属と比較すれば極めて小さく、プラグカバーの緩み防止に十分貢献できるような、強力なねじ締結力は期待できない。また、上記特許文献1の図16の構造においては、ねじの締め込みストロークを制限するための配慮がなされていないことから、ねじの締めすぎにより過剰変形した弾性リングが周囲の隙間に噛み込み、かじられる問題を生じやすい欠点がある。
本発明の課題は、プラグ本体とプラグカバーとの間に十分なねじ締結力を手締めにより生じさせることができ、かつ、ケーブルに外力が繰り返し作用してもプラグカバーのねじ締結状態が緩みにくい電子撥弦楽器用プラグを提供することにある。
本発明は、電子撥弦楽器又はアンプのジャックにケーブルを接続するためにケーブルの末端に取り付けて使用される電子撥弦楽器用プラグに関するものであり、上記課題を解決するために、楽器又はアンプ側ジャックに係合する形状をなす主端子部と、該主端子部の軸線方向にて主端子部の楽器又はアンプ側ジャックへの差し込み側を前方端側と定義したときに主端子部の後方側に一体化されるフランジと、フランジよりも径小であって該フランジの後方側に一体化されかつ外周面に雄ねじ部が形成された、ケーブルの末端が取り付けられるためのケーブル取付部とを備えた金属製のプラグ本体と、軸線方向両端が開口する筒状形態をなし、ケーブル取付部の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が内周面に形成され、ケーブル取付部を覆う金属製のプラグカバーと、高分子弾性材料からなり、外周縁側にてプラグカバーの内面に、内周縁側にてケーブル取付部の外面にそれぞれ接して配置される弾性リングとを備え、プラグ本体には、ケーブル取付部の外周面に形成される弾性リング装着部と、軸線方向にて弾性リング装着部の前方側に隣接する形で該弾性リング装着部よりも径大に形成され、弾性リング装着部の弾性リングの前方側への移動を規制する本体側リング支持部とが形成され、プラグカバーの内面には、主端子部の軸線に関して半径方向内向きに延出して、弾性リング装着部に装着された弾性リングの後方側外面と接触するカバー側リング支持部が形成され、弾性リングが本体側リング支持部とカバー側リング支持部との間で軸線方向に圧縮され、プラグカバーの前端面がフランジの後端面に直接的に当て止めされていることを特徴とする。
上記本発明の電子撥弦楽器用プラグにおいては、プラグカバーの雌ねじ部をプラグ本体のケーブル取付部の雄ねじ部に螺合させ、プラグカバーの前端面をフランジの後端面に当て止めする形でねじ込む。これにより、プラグカバーのケーブル取付部に対する螺進力が、プラグカバーとフランジとの金属間接触により受け止められる結果、接触するねじ山間には、金属の弾性定数(ヤング率)に支配された締結軸力が発生する。金属のヤング率は弾性高分子材料の弾性定数よりもはるかに大きいため、手締めであっても、プラグカバーとケーブル取付部との間に強力なねじ締結状態を形成することができる。しかしながら、増し締めが十分利かない手締めを前提とした場合、プラグカバーがケーブル取付部に対し衝撃力等により逆方向に回転すると、わずかな回転量であっても上記ねじ締結力は急激に失われ、プラグカバーが緩んでしまうことにつながる。
しかしながら、本発明の電子撥弦楽器用プラグにおいては、プラグカバーとケーブル取付部との間に弾性リングが設けられ、本体側リング支持部とカバー側リング支持部との間で該弾性リングが軸線方向に圧縮されつつ、プラグカバーの前端面がフランジの後端面に当て止めされている。よって、金属同士の当て止めに伴う強力なねじ締結状態が形成されつつも、外部からの衝撃力等によりこれが緩むことが、以下の理由により効果的に防止される。
・上記当て止めによりプラグカバーの螺進が規制されることに由来する締結軸力に対し、圧縮変形した弾性リングの復帰力に由来する軸力が重畳され、より強固なねじ締結状態が形成される。
・弾性リング装着部、本体側リング支持部及びカバー側リング支持部と弾性リングとの接触面に、プラグカバーの緩み方向への回転を阻止する摩擦力が、弾性リングの復帰力に由来する軸力に随伴して生ずる。
・プラグカバーに付加される衝撃力が弾性リングにより吸収・緩和される。
よって、プラグ本体とプラグカバーとの間に十分なねじ締結力を手締めにより生じさせることができ、かつ、ケーブルに外力が繰り返し作用してもプラグカバーのねじ締結状態が緩みにくい電子撥弦楽器用プラグが実現する。
本発明の電子撥弦楽器用プラグにおいてカバー側リング支持部は、軸線方向における前端縁側が後端縁側よりも径大となるカバー側段付面として形成できる。該カバー側段付面は、軸線方向にて後方側に向かうほど漸次縮径する傾斜面とすることができる。弾性リングの軸線方向の圧縮力を受け止めるカバー側段付面が軸線方向と直交している場合、弾性リングを弾性リング装着部の側に押し付ける分力は、弾性リングが軸線方向につぶれ、該軸線と直交する向きに生ずる変形がプラグカバーの内面ないしはケーブル取付部の外面により拘束されるまでは生じない。しかし、カバー側段付面が上記のように傾斜していれば、上記のような拘束がなくとも弾性リングを弾性リング装着部の側に押し付ける分力が必然的に増大する。よって、弾性リング装着部との接触面に生ずる摩擦力も増加し、プラグカバーの緩み方向への回転が阻止されることがより顕著となる。また、カバー側段付面が傾斜していることで、軸線方向にて弾性リングの前後に生じているプラグカバーとケーブル取付部との狭小な隙間に弾性リングが噛み込む不具合も生じにくくなる。
弾性リングの線径をdとし、プラグカバーの前端面がフランジの後端面に当て止めされた状態にて、カバー側リング支持部のカバー側段付面の法線方向に生じている弾性リングの変形代をΔdとしたとき、Δd/dの値は0.1以上0.3以下に調整されていることが望ましい。Δd/dの値が0.1(10%)未満では弾性リングが十分変形せず、プラグカバーの緩み防止効果が不十分となる場合がある。他方、Δd/dの値が0.3(30%)を超えると、弾性リングの変形代が大きくなりすぎ、弾性リングを構成する弾性高分子材料に圧縮永久歪が過度に生じる結果、変形量に見合った弾性力が得られなくなる場合がある。また、前記したプラグカバーとケーブル取付部との隙間に弾性リングが噛み込む不具合も招来しやすくなる。
電子撥弦楽器用プラグにおいては、ケーブル取付部の雄ねじ部よりも後方側に位置する部分は、プラグカバーの雌ねじ部との螺合締結部を基端として、プラグカバーの内面との間に半径方向の隙間が周方向に連続的に形成された片持ち構造部を形成していることが多い。このような片持ち構造部はプラグカバーの内側にて半径方向に後端側が隙間を介していわば浮いた状態になっているから、取り付けられたケーブルに引張や捩り負荷が加わったとき、基端の螺合締結部には片持ちモードの曲げ負荷が繰り返し作用する。この曲げ負荷は螺合締結部にガタつきを生じさせ、プラグキャップの緩みの大きな要因となる。そこで、本発明においては、弾性リング装着部及び弾性リングは、軸線方向において片持ち構造部の後端側に設けることが望ましい。片持ち構造部の後端側に弾性リング装着部を形成し、上記の隙間を埋める形で弾性リングを設けておくことで、取り付けられたケーブルに引張や捩り負荷が加わっても、片持ち構造部の後端側の曲げ変位が弾性リングの変形抵抗により抑制されるとともに、衝撃的な負荷が加わった場合も弾性リングにより緩和され、螺合締結部のガタつき、ひいてはプラグキャップの緩みが抑制される効果が格段に高められる。
ケーブル取付部は、フランジの後方側に隣接して一体形成されるステム部と、該ステム部の後方に連結導体を介して結合されるとともに軸線方向にて両端が開口する筒状に形成され、ケーブルが後端側開口から軸線方向に挿入されるための取付スリーブとを備えた構成とすることができる。この場合、雄ねじ部はステム部の外周面に形成される一方、雌ねじ部がプラグカバーの内面前端部に形成される。上記の構成は、プラグカバーの前端面がフランジに直接当て止めされる点を除けば、一般的な電子撥弦楽器用プラグの構造を踏襲したものであるといえる。そして、弾性リング装着部及び弾性リングは、ステム部と取付スリーブとの少なくともいずれかに設けることができる。これにより、一般的な電子撥弦楽器用プラグの構造を大幅に変更することなく、本発明特有の構成を合理的に組み込むことができる。
この場合、連結導体は取付スリーブとともに前述の片持ち構造部を形成し得るので、プラグキャップの緩み抑制効果の向上を図る観点からは、弾性リング装着部及び弾性リングは、少なくとも取付スリーブ側に設けられていることがより望ましいといえる。特に、連結導体が取付スリーブよりも小さい軸断面積を有している場合は、片持ち構造部の曲げ剛さが連結導体の位置で小さくなる関係上、ケーブルへの負荷が比較的小さい場合でも片持ち構造部の曲げ変位は大きくなり、プラグキャップの緩みはより生じやすくなる。よって、このような構成の場合、弾性リング装着部及び弾性リングを取付スリーブ側に設けることの波及効果はより一層顕著なものとなる。
ここで、弾性リング装着部がステム部に形成される場合、雄ねじ部が形成されるステム部はプラグカバー側の雌ねじ部と螺合させる必要がある関係上、弾性リング装着部の外径寸法が雄ねじ部の呼び径により制約を受けやすい。そのため、弾性リングの外周縁側に形成される弾性リングの変形吸収空間の十分な確保がやや難しい問題がある。これに対し、雄ねじ部が形成されない取付スリーブについてはそのような制約を生じする背景がないため、弾性リングの変形吸収空間を確保しやすい利点がある。この場合、弾性リング装着部及び弾性リングは、ステム部と取付スリーブとの双方に設けることももちろん可能ではあるが、取付スリーブ側での弾性リングの変形代を十分に大きく確保することで、ステム部側の弾性リングを省略することができる。すなわち、弾性リング装着部及び弾性リングを取付スリーブにのみ設ける形でもプラグカバーの緩み防止効果は問題なく達成することができる。これにより、弾性リング装着部及び弾性リングの配設箇所は1か所のみとなり、本発明の電子撥弦楽器用プラグの構造の簡略化に貢献する。
本発明の作用及び効果の詳細については、「課題を解決するための手段」の欄にすでに記載したので、ここでは繰り返さない。
本発明の一実施形態にかかる電子撥弦楽器用プラグにより、エレキギターをアンプに接続した状態を示す図。 本発明の一実施形態にかかる電子撥弦楽器用プラグを示す正面図及び正面断面図。 図3の電子撥弦楽器用プラグのプラグ本体を取出して示す正面図、側面図及び底面図。 図3のプラグ本体の側面断面図。 図3のケーブル取付部を、ケーブルを取り付けた状態で示す拡大正面図。 図5のE-E断面図。 図2の弾性リングの周辺を、弾性リングの非圧縮状態(左)及び圧縮状態(右)の2通りにて示す拡大正面断面図。 プラグカバーに形成するローレット部の拡大図。 電子撥弦楽器用プラグ付きケーブルにプラグカバーを取り付ける様子を示す図。 プラグ本体にプラグカバーを取り付ける際の、弾性リングに生ずる変形過程を示す説明図。 弾性リングの軸線方向のつぶし代と発生する弾性応力の関係を示すグラフ。 ねじ回転角とねじ軸力の関係を示すグラフ。 図2の電子撥弦楽器用プラグにおける、プラグカバーのねじ回転角と弾性リングに生ずる軸力、ねじ軸力及び全軸力の関係を示すグラフ。 弾性リング装着部をステム部に設ける変形例を示す拡大正面断面図。 凸条部及び切欠凹部の作用を示す拡大正面断面図。 凸条部及び切欠凹部の作用を示す拡大側面断面図。 図6のD-D断面における作用説明図。
図1は、本発明の一実施形態にかかる電子撥弦楽器用プラグ1により、電子撥弦楽器であるエレキギター100をアンプに接続した状態を示すものである。電子撥弦楽器用プラグ1は、ケーブル50の先端に接続されている。エレキギター100の胴部おもて面下部(側面下部のこともある)には楽音出力端子を形成する楽器側ジャック101が形成され、プラグ1を楽器側ジャック101に挿入することによりケーブル50が接続される。アンプ110にはアンプ側ジャック111が形成され、他端のプラグ1をアンプ側ジャック111に挿入することによりケーブル50が接続される。プラグ1は、ケーブル50の両端に設けられることができる。以下では楽器側ジャック101に挿入されるプラグ1を例に説明するが、アンプ側ジャック111に挿入されるプラグ1についても同様である。なお、適用対象となる電子撥弦楽器はエレキギターに限らず、エレキベースやエレキ三味線など、他種の撥弦楽器であってもよい。
図2はプラグ1を拡大して示すものである。プラグ1は、各々金属製のプラグ本体8とプラグカバー30とを備え、プラグ本体8は主端子部9を備える。主端子部9は、例えばJIS:C6560(1994)に規定された形状の周知のフォンプラグとして形成され、楽器側ジャック101に係合する形状を有する。以下において、主端子部9の軸線方向(O)にて、該主端子部9の楽器側ジャックへの差し込み側を前方端側と定義する。
プラグ本体8は、主端子部9の後方側に一体化されるフランジ12と、ケーブル取付部7とを備える。ケーブル取付部7は、フランジ12よりも径小となるように該フランジ12の後方側に一体化され、外周面に雄ねじ部13が形成されるとともにケーブル50の末端が取り付けられる。また、プラグカバー30は、軸線方向両端が開口する筒状形態をなし、ケーブル取付部7の雄ねじ部13と螺合する雌ねじ部31が内周面に形成され、後端側開口からケーブル50を延出させつつケーブル取付部7を覆うようになっている。プラグ1の各部の寸法は特に限定されるものではないが、例えば全長が60mmであり、主端子部9は、外径が6.3mm、軸線方向長さが30.5mmである。
ケーブル取付部7とプラグカバー30との間には弾性リング40が設けられている。弾性リング40はゴムやエラストマー等の高分子弾性材料(本実施形態では、天然ゴム)からなり、外周縁側にてプラグカバー30の内面に、内周縁側にてケーブル取付部7の外面にそれぞれ接して配置される。
プラグ本体8には、ケーブル取付部7の外周面に弾性リング装着部16gが形成されている。また、軸線方向にて弾性リング装着部16gの前方側に隣接する形で本体側リング支持部16jが形成されている。本体側リング支持部16jは、軸線Oの方向にて弾性リング装着部16gの前方側に隣接する形で該弾性リング装着部16gよりも径大に形成されており、弾性リング装着部16gの弾性リング40の前方側への移動を規制する。他方、プラグカバー30の内面には、カバー側リング支持部が形成されている。カバー側リング支持部は、弾性リング装着部16gに装着された弾性リング40の後方側外面と接する位置において、主端子部9の軸線Oに関して半径方向内向きに延出しており、弾性リング40と接触するように形成されている。
図3に示すように、ケーブル取付部7は、ステム部4s、連結導体14及び取付スリーブ16を備える。ステム部4sは、フランジ12の後方側に隣接してこれに一体形成される。また、取付スリーブ16は、ステム部4sの後方に連結導体14を介して結合されるとともに軸線Oの方向にて両端が開口する筒状に形成されている。
図4に示すように、主端子部9は、棒状の主金具3と、主金具3の外側にプラグ側絶縁層5を介して配置される接地金具4の前方部分とからなる(接地金具4の後方部分は、フランジ12及びケーブル取付部7を形成する)。主金具3の先端部3tは、その側面に楽器側ジャックとの係合凹部3cを有するとともに、軸線Oの方向にて該係合凹部3cの後方に端子フランジ部3fが一体形成されている。他方、接地金具4は筒状に形成され、その前端側開口から軸線O方向に主金具3が、筒状のプラグ側絶縁層5を挟み込む形で後端から挿入されている。主金具3の端子フランジ部3fの後端面と、接地金具4の前端面との間には、筒状のプラグ側絶縁層5の先端部に形成された絶縁フランジ5fが挟み込まれている。プラグ側絶縁層5は、例えばポリアセタール樹脂等の自己潤滑性を有する樹脂の射出成型体として形成されている。
主金具3及び接地金具4の材質は、具体的には真鍮、リン青銅あるいはベリリウム銅などの銅合金にて構成され、表面には腐食防止あるいは導電性向上のためのメッキが施されている。メッキ層は、具体的には、ニッケルメッキ層、クロムメッキ層などであり、電気導電性のさらなる向上のため最表層部に金メッキを施すこともできる。接地金具4は、ステム部4s、連結導体14及び取付スリーブ16が、金属棒材の切削加工により一体的に形成される。セットスクリュー17の緩みを防止するためには取付スリーブ16の剛性は高い方がよく、この観点にて接地金具4は、引張強度の高いリン青銅あるいはベリリウム銅にて構成することが望ましい。ベリリウム銅は特に高強度であり、セットスクリュー17の緩み防止の観点においてより有利であるが、析出硬化型合金であるため、溶体化処理材の状態で切削加工を行なったのち析出強化熱処理を行なうことにより、必要な剛性を確保することができる。
接地金具4には、前述のステム部4sが主端子部9よりも径大に形成されている。ステム部4sの前端側に前述のフランジ12が一体化されている。また、ステム部4sの後端面には座ぐり部4cが形成され、内側に挿入された主金具3の後端部がプラグ側絶縁層5とともに該座ぐり部4c内に突出するとともに、該座ぐり部4cにはめ込まれた絶縁リング6(例えばベークライト等の耐熱樹脂製である)により固定されている。また、主金具3の後端部は絶縁リング6から後方側に突出し、その外側にリング状の端子金具10が導通形態にはめ込まれている。端子金具10の後端面には半筒状の半田受け部10aが突出形態にて一体化されている。また、主金具3の後端面には芯線挿入孔3bが開口形成されている。連結導体14はプラグ1の軸線Oに関して片側が開放した半筒状の形状をなし、後端側(取付スリーブ16が結合される側)にて外側面両側が平坦に切り欠かれることにより、1対の半田付け面15,15が形成されている。
図5は、図3のケーブル取付部7を、ケーブル50を取り付けた状態で示す拡大正面図であり、図6は図5のE-E断面図である。取付スリーブ16の内側には、後端側開口からケーブル50の先端部が軸線方向に挿入され、図6に示すように、セットスクリュー17により固定されている。セットスクリュー17は、取付スリーブ16の周壁部に対し該周壁部を半径方向に貫通しつつ先端面がケーブル50の絶縁外皮51に当接する形でねじ込まれ、該ねじ込みの螺進圧縮力によりケーブル50を周壁部との間で挟持する形で保持する。
ケーブル50は、絶縁外皮51の内側にシールド導体層52,53を有し、該シールド導体層52,53の内側に中間絶縁層54を介して芯線55が配置された同軸シールドケーブルとして構成されている。本実施形態において、シールド導体層52,53は第一層52と第二層53とからなり、いずれも中間絶縁層54の外側に導線を密接形態で巻きまわした巻線部として形成されている。第一層52と第二層53とは、導線の巻きまわし方向が互いに逆とされ、楽音信号電流が流れる芯線55への静電遮蔽効果が高められている。
ケーブル50の先端側は、シールド導体層52,53が露出するように絶縁外皮51がストリッピングされ、さらに中間絶縁層54の先端部も同様にストリッピングされて芯線55が露出している。主金具3の後端面の芯線挿入孔3b(図5)に芯線55が挿入され、中間絶縁層54の先端面と端子金具10の後端面との間の隙間に溶融半田を流し込むことにより、芯線55と端子金具10とを導通結合する半田付け部56が形成されている。該半田付けは、連結導体14の開口側が上となるようにプラグ1を水平に置いた状態で実施され、半田受け部10aは溶融半田の落下を防ぐとともに、半田付け面積を増大させる役割も担う。一方、露出したシールド導体層52,53は第一層52と第二層53の各巻き線の先端部が左右に振り分ける形で引き出され、それぞれ対応する側の半田付け面15,15に対し半田付け部57,58により結合されている。
図2に戻り、雄ねじ部13はステム部4sの外周面に形成される。また、雌ねじ部31はプラグカバー30の内面前端部に形成されており、弾性リング装着部16g及び弾性リング40は取付スリーブ16に設けられている。取付スリーブ16の軸線Oの方向における後端部は、スリーブ側段付面により縮径された縮径部16eとされており、該スリーブ側段付面が本体側リング支持部16jを形成する(以下、スリーブ側段付面16jとも記載する)。また、縮径部16eの外周面に弾性リング装着部16gが形成されている。プラグカバー30は、自身の前端部内周面に形成された雌ねじ部31をプラグ1側の雄ねじ部13に螺合させることにより、前端縁がフランジ12に当て止めされる形でプラグ1に固定される。
図7は、図2の弾性リング40の周辺を、弾性リング40の非圧縮状態(左)及び圧縮状態(右:プラグカバー30をフランジ12に当て止めした状態)の2通りにて示す拡大正面断面図である。弾性リング40は本体側リング支持部16jとカバー側リング支持部との間で軸線方向に圧縮され、かつ、その状態でプラグカバー30の前端面30tがフランジ12の後端面12sに直接的に当て止めされている。カバー側リング支持部は、軸線方向における前端縁側が後端縁側よりも径大となるカバー側段付面として形成されている(以下、カバー側段付面とも記載する)。カバー側段付面は、軸線Oの方向にて後方側に向かうほど漸次縮径する傾斜面とされている。カバー側段付面はテーパ面状に形成されているが、湾曲面状に形成することも可能である。
プラグカバー30の、カバー側段付面の前端縁に連なる前方側内周面32aと、カバー側段付面の後端縁に連なる後方側内周面32bとはいずれも円筒面状である。取付スリーブ16の本体部16mとプラグカバー30の前方側内周面32aとの間には隙間g1が、縮径部16eとプラグカバー30の後方側内周面32bとの間には隙間g2がそれぞれ形成されている。隙間g1と隙間g2の寸法は、例えば0.1mm以上0.5mm以下である。また、図7右のプラグカバー30をフランジ12に当て止めした状態にて、スリーブ側段付面16jからカバー側段付面の前端縁までの距離hは、例えば0.3mm以上0.8mm以下(図7においては、0.5mm)である。
弾性リング装着部16gは、弾性リング40の内周縁側を収容することにより、弾性リング40の外周縁をプラグカバー30の内面から半径方向内側にオフセットさせる溝状に形成されている。弾性リング40はいわゆるオーリングとして形成されており、図2の軸線Oを含む断面に表れる弾性リング装着部16gの内縁形状は、図7に示すように、弾性リング40の断面に対応する円弧状をなす。
弾性リング40の外径は、図7左の非圧縮状態においてプラグカバー30のカバー側段付面の前方縁に連なる内周面との間に隙間g0が生じるように定められている。隙間g0は、例えば0.05mm以上0.3mm(図7では、0.1mm)である。また、弾性リング40の内径は、例えば7mm以上10mm以下(本実施形態では8mm)である。
弾性リング40の線径は、図7右に示す如く、プラグカバー30のカバー側段付面の前方縁に連なる内周面により半径方向内向きの圧縮状態が形成されるように定められている。弾性リング40の線径は、例えば1.0mm以上2.0mm以下(本実施形態では1.5mm)である。
また、弾性リング40の線径をdとし、プラグカバー30の前端面がフランジ12の後端面に当て止めされた状態にて、カバー側リング支持部のカバー側段付面の法線方向に生じている弾性リング40の変形代をΔdとしたとき、Δd/dの値(以下、弾性リング40の「つぶし代」と称する)が0.1以上0.3以下に調整されている。図7右の状態では、上記つぶし代の値は約0.2である。
弾性リング40の外周縁外側にて軸線方向前方側には、プラグカバー30の前方側内周面32a、スリーブ側段付面16j、カバー側段付面32j及び弾性リング40の外面とにより囲まれる形で変形吸収空間Aが生じている。また、弾性リング40の外周縁外側にて軸線方向後方側(傾斜したカバー側段付面32jの縮径側)にも、プラグカバー30の後方側内周面32b、縮径部16eの外周面及び弾性リング40の外面とにより囲まれる形で変形吸収空間A’が生じている。変形吸収空間Aは変形吸収空間A’よりも体積が大きくなるように形成されている。これら変形吸収空間A及びA’は、弾性リング40の変形吸収空間として機能する。
図2に戻り、プラグ1のフランジ12の外周面とプラグカバー30の外周面には、ローレット部4r,30r1~30r3がそれぞれ刻設されている。図8はプラグカバー30のローレット部30r1~30r3を拡大して示すものである。プラグカバー30の外周面において軸線方向の中間位置には、周方向の谷状部30cが形成されるとともに、その谷状部30cの軸線方向両側に隣接する形で1対の周方向の第一リブ30b1,30b3が形成されている。一方、谷状部30cの底位置には、頂面が第一リブ30b1,30b3の頂面よりも谷底方向(プラグカバー30の半径内側方向)にオフセットして位置する第二リブ30b2が形成されている。
第二リブ30b2が第一リブ30b1,30b3の頂面よりもオフセットしていることから、第一リブ30b1,30b3のローレット部30r1,30r3は図示しない第一の転造ダイスにより、第二リブ30b2のローレット部30r2は図示しない第二の転造ダイスにより、各々個別に刻設される。
以下、本発明の電子撥弦楽器用プラグ1の使用方法と作用・効果にについて詳しく説明する。図9に示す如く、プラグカバー30の内側にケーブル50を通し、プラグ本体8のケーブル取付部7に、すでに説明済みの構造となるようにケーブル50を接続する。その状態でプラグカバー30の雌ねじ部31を、プラグ本体8のケーブル取付部7の雄ねじ部13に螺合させ、プラグカバー30の前端面をフランジ12の後端面に当て止めする形でねじ込む。
図10は、プラグ本体8にプラグカバー30を取り付ける際の、弾性リング40に生ずる変形過程を示すものである。s1は、カバー側段付面32jが弾性リング40との接触を開始した時の螺進状態を示すものであり、弾性リング40に変形は生じていない。s2はs1の状態からプラグカバー30が距離td1だけ螺進した状態を示し、弾性リング40は傾斜したカバー側段付面32jにより、軸線方向にて上記の螺進距離td1に対応する圧縮変形を生じている。図中、破線は変形前の弾性リング40の外径を示す。前方側内周面32aと弾性リング40との間に隙間g0が形成されていることから、弾性リング40には軸線と直交する向き(前方側内周面32aに接近する向き)に膨出する変位が生じている。
s3は、プラグカバー30の螺進距離がtd2に増加した状態を示す(この時点で、プラグカバー30の前端面30tはフランジ12の後端面12sに当たっていない)。弾性リング40は、軸線と直交する向きの膨出変形が前方側内周面32aにより規制され、弾性変形代は変形吸収空間A内へと進展する。弾性リング40の変形代は変形吸収空間A’内にも進展するが、変形吸収空間A’の後方側に連なる隙間g2は狭小であり、弾性リング40の変形代がここへ進入するための抵抗は大きいので、変形吸収空間A’の体積は小さく、初期段階で早々に充填が終了する。したがって、以降の弾性リング40の変形代は、主として変形吸収空間Aにより吸収されてゆく。また、変形吸収空間A,A’への変形による充填が進むにつれ、弾性リング40とプラグカバー30ないし取付スリーブ16との接触面積、ひいては接触摩擦により変形が拘束される弾性リング40の体積領域が増加し、弾性リング40の変形抵抗が増す結果、弾性リング40の変形代増加に伴う、ねじ締結の軸力の増分も大きくなってゆく。
s4は、プラグカバー30の前端面30tがフランジ12の後端面12sに対し接触を開始した状態を示すものである。弾性リング40の線径は、この段階での弾性リング40の変形代が変形吸収空間A,A’、特に変形吸収空間Aを過不足なく充填するものとなるように定めるのが望ましい(例えば50%以上100%以下)。s5は、プラグカバー30の前端面30tがフランジ12の後端面12sに当たってから、プラグカバー30をさらに回転させて増し締めした状態を示す。s4までの段階では、雌ねじ31と雄ねじ13との間に生じる軸力は、弾性リング40の弾性復帰力によりバックアップされ、ねじ回転角に応じた軸力増加率も、弾性リング40を構成する弾性高分子材料の弾性定数に支配される。しかし、s4からs5に至るねじ回転区間では、上記の軸力は、プラグカバー30とフランジ12(及び雌ねじ31と雄ねじ13)の金属間締結に由来した弾性復帰力によりバックアップされるので、ねじ回転角に応じた軸力増加率は、金属のヤング率に支配される形で急激に大きくなる。
図11は、弾性リング40の軸線方向のつぶし代と発生する弾性応力の関係を示すグラフである。本実施形態で採用しているつぶし代の値(0.2=20%)までは、おおむね弾性応力はおおむねリニアに増加し、そのレベルは1~数MPaの値にとどまる。一方、図12は、金属間締結が前提となる場合の、ねじ回転角とねじ軸力の関係を示すグラフである。図7に示すように、雌ねじ31と雄ねじ13の間には通常バックラッシが存在し、プラグカバー30がフランジ12に当たっても、このバックラッシが埋まるまでの間は、ねじ回転角が増大してもねじ軸力はほとんど増加しない。そして、バックラッシが埋まったあとは金属間締結状態が進展し始め、ねじ軸力が増加し始める。プラグカバー30とフランジ12、及び雌ねじ31と雄ねじ13の各接触面の仕上げが旋盤等による切削面である場合、ねじ回転角増加の初期段階では、加工凹凸の圧接つぶれなど金属表層部の変形挙動に支配された遷移区間を生ずる。この遷移区間でのねじ軸力の増加は比較的緩やかである。そして、金属間締結の密着が十分なレベルに達すれば遷移区間が終わり、金属バルクの弾性変形区間となる。この区間は、ヤング率に従う勾配により、回転角が少し増加しただけで、ねじ軸力は直線的かつ急激に増加する。この弾性変形区間の開始点はスナグ点と称される。遷移区間であっても、10°前後のわずかな回転角の増加により得られるねじ軸力は、図11に示す、つぶし代20%にて弾性リング40が生ずる応力の5~10倍に達することがわかる。
図11及び図12のデータをもとに、図2の本発明の電子撥弦楽器用プラグ1について、図13にプラグカバー30のねじ回転角と弾性リング40に生ずる軸力(ひし形のマーカー及び破線)、ねじ軸力(三角のマーカー及び一点鎖線)及び全軸力(丸印のマーカー及び実線)の関係をシミュレートしたグラフを示す。図10のs2~s4の過程では弾性リング40に生ずる軸力が支配的であり、s4に到達した時点では2MPa弱の軸力を生じている。この値は、単独でねじの緩みを防止するには小さすぎるが、弾性リング40の補助がない場合、すなわち、ねじのみで締結する場合(図13の一点鎖線)では決して生じないバイアス軸力をねじ締結に与えている点が重要である。そして、金属間締結に由来した弾性復帰力によりバックアップされるs4→s5では遷移区間に入り、ねじ締結の軸力は上記バイアス軸力の数倍以上に増加して、強固な締結状態が形成される。
ここで、プラグカバー30のプラグ本体8へのねじ込みは手締めであり、図12のスナグ点に相当する軸力(50MPa程度)にまで締結を高めることは困難であるし、逆に工具を用いてスナグ点を超える締め付けを行なうと、緩みは生じにくいが、工具なしでは締結をほどくことが逆に難しくなる。よって、本実施形態では、手締めにより遷移区間内にねじ締結状態が収まるように各部の寸法調整がなされているといえる。
上記の構造によりもたらされる利点は、以下の通りである。すなわち、プラグカバー30のケーブル取付部7に対する螺進力が、プラグカバー30とフランジ12との金属間接触により受け止められる。よって、接触するねじ山間には、金属の弾性定数(ヤング率)に支配された締結軸力が発生する。金属のヤング率は弾性高分子材料の弾性定数よりもはるかに大きいため、手締めであっても、プラグカバー30とケーブル取付部7との間に強力なねじ締結状態を形成することができる。しかしながら、増し締めが十分利かない手締めを前提とした場合、プラグカバー30がケーブル取付部7に対し衝撃力等により逆方向に回転すると、図13のねじ軸力曲線(一点鎖線)のs5→s4の区間を見ても明らかなとおり、わずかな回転量であってもねじ締結力は急激に失われ、プラグカバー30が緩んでしまうことにつながる。
しかし、電子撥弦楽器用プラグ1においては、プラグカバー30とケーブル取付部7との間に弾性リング40が設けられ、本体側リング支持部16jとカバー側リング支持部との間で該弾性リング40が軸線方向に圧縮されつつ、プラグカバー30の前端面がフランジ12の後端面に当て止めされている。よって、金属同士の当て止めに伴う強力なねじ締結状態が形成されつつも、外部からの衝撃力等によりこれが緩むことが、以下の理由により効果的に防止される。
・図13のねじ軸力曲線(一点鎖線)と全軸力曲線(実線)を比較すれば明らかなとおり、当て止めによりプラグカバー30の螺進が規制されることに由来する金属間締結の軸力に対し、圧縮変形した弾性リング40の復帰力に由来する軸力が重畳され、より強固なねじ締結状態が形成される。
・弾性リング装着部16g、本体側リング支持部16j及びカバー側リング支持部と弾性リング40との接触面に、プラグカバー30の緩み方向への回転を阻止する摩擦力が、弾性リング40の復帰力に由来する軸力に随伴して生じ、プラグカバー30の緩み方向への戻りが阻止される。
・プラグカバー30に付加される衝撃力が弾性リング40により吸収・緩和される。
よって、プラグ本体8とプラグカバー30との間に十分なねじ締結力を手締めにより生じさせることができ、かつ、ケーブル50に外力が繰り返し作用してもプラグカバー30のねじ締結状態が緩みにくい電子撥弦楽器用プラグ1が実現しているといえる。
ここで、弾性リング40の線径が過剰となった場合は、プラグカバー30をフランジ12に対し当て止めすることが難しくなる。図13に曲線LRで示す如く、弾性リング40の圧縮変形が進行すると、プラグカバー30がフランジ12に当たる前に、図7の変形吸収空間A,A’が全て充填される。弾性リング40はこの時点で変形吸収空間A,A’により密閉に近い状態となり、ねじ回転量が浅い段階で軸力増加率が大きく増加するので、フランジ12に当たるまで手締めによりプラグカバー30を締め込むことができなくなる。プラグカバー30がフランジ12に当て止めされなければ、ねじ締結状態は特許文献1,2について言及したごとく不十分なものとなり、プラグカバー30の緩み防止には貢献できない。また、強引にプラグカバー30をフランジ12に当て止めすると、図7において隙間g1,g2への弾性リング40の噛み込みが避けがたくなる。
また、図2において、カバー側段付面32jが軸線方向と直交する構成を採用することも可能であるが、弾性リング40を弾性リング装着部16gの側に押し付ける分力は、弾性リング40が軸線方向につぶれ、該軸線と直交する向きに生ずる変形がプラグカバー30の内面ないしはケーブル取付部7の外面により拘束されるまでは生じない。しかし、図7に示す如くカバー側段付面32jが傾斜していれば、上記のような拘束がなくとも弾性リング40を弾性リング装着部16gの側に押し付ける分力PFが必然的に増大する。よって、弾性リング装着部16gとの接触面に生ずる摩擦力も増加し、プラグカバー30の緩み方向への回転が阻止されることがより顕著となる。また、カバー側段付面32jの傾斜により、軸線方向にて弾性リング40の前後に生じているプラグカバー30とケーブル取付部7との狭小な隙間g1,g2に弾性リング40が噛み込む不具合も生じにくくなる。弾性リングは、プラグカバー30の内面ないしはケーブル取付部7の外面に対し一定以上の応力で圧縮変形しつつ押し付けられた状態になると、摩擦力により接触面に対する滑り変位が拘束される結果、接触面から一定深さまでの部分が剛性の高いデッドマテリアル部分となる。カバー側段付面32jが傾斜していると、弾性リング装着部16gの側に押し付ける分力PFが増大し、弾性リング装着部16gとの接触面側に形成されるデッドマテリアル部分が拡大する。このようにデッドマテリアル部分が増加する結果、隙間g1,g2に流動しようとする弾性変形領域が減少することが、弾性リング40の噛み込みを生じにくくする要因であると推定される。なお、デッドマテリアル部分の増加は、弾性リング40全体の見かけの弾性定数を上昇させるので、プラグキャップ30がフランジ12に当て止めさる前の段階での螺合締結力を増加させることにも貢献する。
図7に示すように、弾性リング装着部16gが溝状に形成されていることで、プラグカバー30の内径が大きくなることを抑制しつつ、より線径の大きい弾性リング40の採用が可能となっている。これにより、プラグカバー30をフランジ12に当て止めした状態での弾性リング40の変形代を増すことができる。また、溝状の弾性リング装着部16gの採用により、弾性リング40の弾性リング装着部16gとの接触面積も増大する。よって、プラグカバー30の緩み方向への回転阻止効果、ひいてはプラグカバー30の緩み防止効果がさらに顕著なものとなる。なお、弾性リング装着部16gの断面形状は、簡易的には矩形とすることも可能である。
また、隙間g0の形成により変形吸収区間Aを弾性リング40の外周縁側に拡張でき、プラグカバー30の緩み止めに貢献する弾性リング40の軸線方向への圧縮変形をよりスムーズに進展させることができる。さらに、プラグカバー30の前端面がフランジ12の後端面に当て止めする前に、プラグカバー30のカバー側段付面の前方縁に連なる内周面により半径方向内向きの圧縮状態が形成されるように、弾性リング40の線径が定められているので、次のような効果も生じている。すなわち、軸線と直交する向きに生ずる弾性リング40の膨出変形は、上記隙間g0を埋めるまで進行した後、以降はプラグカバー30の内周面により拘束される。よって、周囲の変形吸収空間A,A’に弾性リング40の変形が進展するための抵抗が増加し、プラグカバー30がフランジ12に当て止めされるまでの螺進に伴う軸力の増加がより著しくなる。これもまた、プラグカバー30の緩み防止効果をより顕著にする上で貢献する。
また、ケーブル取付部7の雄ねじ部13よりも後方側に位置する部分は、プラグカバー30の雌ねじ部31との螺合締結部を基端として、プラグカバー30の内面との間に半径方向の隙間が周方向に連続的に形成された片持ち構造部となる。具体的には、連結導体14と取付スリーブ16とが片持ち構造部を形成する。このような片持ち構造部はプラグカバー30の内側にて半径方向に後端側が隙間を介していわば浮いた状態になっているから、図9のごとく、取り付けられたケーブル50に引張や捩り負荷が加わったとき、基端の螺合締結部には片持ちモードの曲げ負荷が繰り返し作用する。この曲げ負荷は螺合締結部にガタつきを生じさせ、プラグキャップ30の緩みの大きな要因となる。
図2の構成において、弾性リング装着部16g及び弾性リング40は、取付スリーブ16、すなわち軸線Oの方向において片持ち構造部の後端側に設けられている。このように構成することで、図9のケーブルに引張や捩り負荷が加わっても、片持ち構造部の後端側の曲げ変位が弾性リング40の変形抵抗により抑制されるとともに、衝撃的な負荷が加わった場合も弾性リング40により緩和され、螺合締結部のガタつき、ひいてはプラグキャップ30の緩みが抑制される効果が格段に高められる。本実施形態では、連結導体14はプラグ1の軸線Oに関して片側が開放した半筒状の形状をなし、取付スリーブよりも小さい軸断面積を有するので、片持ち構造部の曲げ剛さは連結導体14の位置で小さくなる。すなわち、ケーブル50への負荷が比較的小さい場合でも片持ち構造部の曲げ変位は大きくなる。上記のごとく、弾性リング装着部16g及び弾性リング40が取付スリーブ16に設けられていることで、プラグカバー30の緩み防止効果はより一層顕著なものとなっている。
弾性リング装着部16gがステム部4sに形成される場合、雄ねじ部13が形成されるステム部4sはプラグカバー30側の雌ねじ部31と螺合させる必要がある関係上、弾性リング装着部16gの外径寸法が雄ねじ部13の呼び径により制約を受けやすい。そのため、弾性リング40の外周縁側に形成される弾性リング40の変形吸収空間の十分な確保がやや難しい問題がある。これに対し、雄ねじ部13が形成されない取付スリーブ16についてはそのような制約を生じする背景がないため、弾性リング40の変形吸収空間A,A’を確保しやすい利点がある。
図7において、取付スリーブ16の後端部は縮径部16eとされており、弾性リング装着部16gとプラグカバー30との間の隙間g0を拡張できる結果、より線径の大きい弾性リング40を、十分な変形吸収空間A,A’を確保した上で組み込むことが可能となっている。これにより、プラグカバー30の緩み防止効果はより顕著なものとなる。また、弾性リング40の変形吸収空間A,A’が十分確保されることで、プラグカバー30とケーブル取付部7との隙間g1,g2に弾性リング40が噛み込む不具合を抑制できる利点ももたらす。
次に、プラグカバー30をプラグ本体8(ケーブル取付部7)に手締めによりねじ込む際には、逆向きのトルクをプラグ本体8とプラグカバー30に瞬発的に強く付与することが、より緩みにくい締結構造を作る上で重要である。上記の構成においては、プラグカバー30がフランジ12に当て止めされるから、フランジ12の外周面はプラグカバー30の外に露出するので、プラグカバー30の外周面に加えフランジ12の外周面にもローレット部4rが刻設できる。これにより、フランジ12に当て止めされるまでプラグカバー30が手締めにより螺進させる際の滑り止め効果が顕著となり、手締めによる瞬発的なトルク付与も簡単に実施できる。特に、フランジ12の外周面及びプラグカバー30の外周面に布(着衣の裾でもよい)を被せて締め込めば、ローレット部4r,30r1~30r3が形成されていることによる滑り止め効果はさらに顕著となり、手締めであるにもかかわらず、プラグカバー30がフランジ12に当接した後の増し締め量を大きくでき、強固なねじ締結状態を得ることができる。
また、プラグカバー30側については、図8に示す如く、周方向の谷状部30cは、プラグカバー30をプラグ本体8にねじ込む際の指当て部となる。そして、谷状部30c両側の第一リブ30b1,30b3と、谷底の第二リブ30b2の各頂面にローレット部30r1~30r3を刻設し、かつ第二リブ30b2の頂面を第一リブ30b1,30b3の頂面よりもオフセットさせることで、指の腹を谷状部30cの内面に習わせる形でねじ込み操作の使う指を3つのリブ及びローレット部30r1~30r3により強力にグリップでき、プラグカバー30の増し締めをより効果的に実施できる。
なお、本実施形態のプラグ1においては、ケーブル50の抜け止めを図るため、さらに次のような構造が採用されている。図4~6に示すように、接地金具4において、連結導体14の後端側に結合された円筒状の取付スリーブ16には、その周壁部を半径方向に貫通する雌ねじ孔20が形成され、該雌ねじ孔20にはセットスクリュー17がねじ込まれている。セットスクリュー17は、脚部先端側が取付スリーブ16の内側に突出するとともに、そのねじ込みの螺進圧縮力によりケーブル50を取付スリーブ16の周壁部との間で挟持しつつ保持する。セットスクリュー17はイモねじとして構成され、ケーブル50と当接している側の端面には凹部17aが、同じく反対側の端面には六角レンチ等の工具を係合させるための工具係合孔17bが形成されている。
図6に示す如く、ケーブル50は、セットスクリュー17との当接位置に凹部51cを生じる形で、略ハート形をなす断面形態に圧縮変形しつつ取付スリーブ16内に保持されている。具体的には、セットスクリュー17の先端は絶縁外皮51を貫通し、シールド導体層52と電気的に導通接触している。この接触は半田付けを介するものではなく、機械的に形成されるものである。他方、セットスクリュー17の先端の食い込みは中間絶縁層54には及んでおらず、芯線55とシールド導体層52,53との絶縁は確保されている。また、ケーブル50の絶縁外皮51は、セットスクリュー17の凹部17a内にも一部が食い込んでいる。
また、セットスクリュー17が当接しているのと反対側にて、取付スリーブ16の内周面のケーブル50が接触している領域には、該内周面の周方向に沿う食込凸部18が一体不可分に形成されている。該食込凸部18は、ケーブル50を介してセットスクリュー17の螺進圧縮力を受け止めるとともに、その一部を絶縁外皮51に食い込ませている。これにより、ケーブル50に対し、より強い引張り力が加わった場合も、ケーブル50の取付スリーブ16の内面に対する滑り変位が食込凸部18により阻止され、セットスクリュー17の緩みを効果的に抑制することができる。
取付スリーブ16の内周面に形成される食込凸部18は、図15~図17に示す如く、周方向に沿って形成される凸条部18aとされている。これにより、ケーブル50の絶縁外皮51に対する食込凸部18の周方向の食込み長がより大きくなり、取付スリーブ16に対するケーブル50の滑り変位を抑制する効果をさらに高めることができる。また、食込凸部18の絶縁外皮51に対する食込み力が分散するので、食込凸部18が絶縁外皮51を貫通してしまう不具合も生じにくい。凸条部は、取付スリーブ16の軸線方向に沿って内周面に複数列形成されており、上記の効果はより高められている。
ここで、ケーブル50に強い捩りモーメントが作用する場合、ケーブル50の絶縁外皮51が取付スリーブ16の周方向に沿って滑り変位して、セットスクリュー17の緩みが生じやすくなることがある。特に、取付スリーブ16の内周面の全周にわたって凸条部(食込凸部18)を形成した場合、ケーブル50に強い捩りモーメントが作用すると、ケーブル50の絶縁外皮51がスリーブ周方向、すなわち凸条部の長手方向に沿って滑り変位しやすくなる場合があり得る。この場合、凸条部(食込凸部18)が絶縁外皮51に食い込んだ状態にて周方向に相対的に滑り変位することを阻止するための滑り変位阻止部を設けておくことが有効である。
図15に示すように、滑り変位阻止部は、凸条部(食込凸部18)を周方向の中間位置にて一部切欠いて形成される切欠凹部19として形成できる。図3の右に示すように、切欠凹部19は例えば長穴状の貫通孔として形成できる。図15及び図16に示すように、切欠凹部19には、ケーブル50の絶縁外皮51が半径方向外向きに圧入されて絶縁外皮圧入部51aが形成される。特に、図15に示すように、絶縁外皮圧入部51aに対し凸条部18aの切欠き端18sが当接することにより、取付スリーブ16に対するケーブル50の周方向の相対滑り変位が効果的に阻止される。なお、図17に示すように、取付スリーブ16の内周面にて切欠凹部19が形成されていない区間では、複数列の凸条部18aの全てが絶縁外皮51に対し食込みを生じる。
以上、本発明の電子撥弦楽器用プラグの実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されない。図14は、ステム部4sに形成された雄ねじ部13の基端位置(フランジ12に隣接した位置)に弾性リング装着部116gを形成し、フランジ12の後端面12sを本体側リング支持部に兼用させた例を示す。プラグカバー30の内周面には、その前方側開口縁と雌ねじ部31の前端縁との間に周方向の座ぐり132kが形成され、該座ぐり132kの底面がキャップ側段付面132jとされている。弾性リング装着部116gに装着された弾性リング40は、フランジ12の後端面12sとキャップ側段付面132jとの間で圧縮されるようになっている。なお、弾性リング装着部及び弾性リングの配設形態は、図14のステム部4sに設ける構成と、図2の取付スリーブ16に設ける構成とを組み合わせるようにしてもよいし、どちらか一方のみに設けるようにしてもよい。
1 電子撥弦楽器用プラグ
3 主金具
3b 芯線挿入孔
3c 係合凹部
3f 端子フランジ部
3t 先端部
4 接地金具
4c 座ぐり部
4r ローレット部
4s ステム部
5 プラグ側絶縁層
5f 絶縁フランジ
6 絶縁リング
7 ケーブル取付部
8 プラグ本体
9 主端子部
10 端子金具
10a 半田受け部
12 フランジ
12e 縮径部
12s 後端面
13 雄ねじ部
14 連結導体
15 半田付け面
16 取付スリーブ
16e 縮径部
16g 弾性リング装着部
16j 本体側リング支持部
16m 本体部
17 セットスクリュー
17a 凹部
17b 工具係合孔
18 食込凸部
18a 凸条部
18s 切欠き端
19 切欠凹部
20 雌ねじ孔
30 プラグカバー
30b1,30b3 第一リブ
30b2 第二リブ
30c 谷状部
30r1~r3 ローレット部
30t 前端面
31 雌ねじ部
32a 前方側内周面
32b 後方側内周面
32j カバー側段付面
40 弾性リング
50 ケーブル
51 絶縁外皮
51a 絶縁外皮圧入部
51c 凹部
52,53 シールド導体層
54 中間絶縁層
55 芯線
56~58 半田付け部
100 エレキギター
101 楽器側ジャック
110 アンプ
111 アンプ側ジャック
116g 弾性リング装着部
132j キャップ側段付面
132k 座ぐり
A,A’ 変形吸収空間
g0,g1,g2 隙間

Claims (13)

  1. 電子撥弦楽器又はアンプのジャックにケーブルを接続するために、前記ケーブルの末端に取り付けて使用される電子撥弦楽器用プラグであって、
    前記ジャックに係合する形状をなす主端子部と、前記主端子部の軸線方向にて該主端子部の前記ジャックへの差し込み側を前方端側と定義したときに前記主端子部の後方側に一体化されるフランジと、前記フランジよりも径小であって該フランジの後方側に一体化されかつ外周面に雄ねじ部が形成された、前記ケーブルの前記末端が取り付けられるためのケーブル取付部とを備えた金属製のプラグ本体と、
    軸線方向両端が開口する筒状形態をなし、前記ケーブル取付部の前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が内周面に形成され、前記ケーブル取付部を覆う金属製のプラグカバーと、
    高分子弾性材料からなり、外周縁側にて前記プラグカバーの内面に、内周縁側にて前記ケーブル取付部の外面にそれぞれ接して配置される弾性リングと
    を備え、前記プラグ本体には、前記ケーブル取付部の外周面に形成される弾性リング装着部と、前記軸線方向にて前記弾性リング装着部の前方側に隣接する形で該弾性リング装着部よりも径大に形成され、前記弾性リング装着部の前記弾性リングの前方側への移動を規制する本体側リング支持部とが形成され、
    前記プラグカバーの内面には、前記主端子部の軸線に関して半径方向内向きに延出して、前記弾性リング装着部に装着された前記弾性リングの後方側外面と接触するカバー側リング支持部が形成され、前記弾性リングが前記本体側リング支持部と前記カバー側リング支持部との間で前記軸線方向に圧縮され、前記プラグカバーの前端面が前記フランジの後端面に直接的に当て止めされていることを特徴とする電子撥弦楽器用プラグ。
  2. 前記カバー側リング支持部は、前記軸線方向における前端縁側が後端縁側よりも径大となるカバー側段付面とされ、該カバー側段付面が前記軸線方向にて後方側に向かうほど漸次縮径する傾斜面とされている請求項1記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  3. 前記弾性リング装着部は、前記弾性リングの内周縁側を収容することにより、前記弾性リングの外周縁を前記プラグカバーの内面から半径方向内側にオフセットさせる溝状に形成されている請求項1又は請求項2に記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  4. 前記弾性リングの外径は、非圧縮状態において前記プラグカバーの前記カバー側リング支持部の前記前方端側における内周面との間に隙間が生じるように定められている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  5. 前記弾性リングの線径は、前記プラグカバーの前端面が前記フランジの後端面に当て止めされる前に、前記プラグカバーの前記カバー側段付面の前記前方端側における内周面により半径方向内向きの圧縮状態が形成されるように定められている請求項4記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  6. 前記弾性リングの線径をdとし、前記プラグカバーの前端面が前記フランジの後端面に当て止めされた状態にて、前記カバー側リング支持部の前記カバー側段付面の法線方向に生じている前記弾性リングの変形代をΔdとしたとき、Δd/dの値が0.1以上0.3以下に調整されている請求項5記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  7. 前記ケーブル取付部の前記雄ねじ部よりも後方側に位置する部分は、前記プラグカバーの雌ねじ部との螺合締結部を基端として、前記プラグカバーの内面との間に半径方向の隙間が周方向に連続的に形成された片持ち構造部となっており、前記弾性リング装着部及び前記弾性リングは、前記軸線方向において前記片持ち構造部の後端側に設けられている請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  8. 前記ケーブル取付部は、前記フランジの後方側に隣接して一体形成されるステム部と、該ステム部の後方に連結導体を介して結合されるとともに前記軸線方向にて両端が開口する筒状に形成され、前記ケーブルが後端側開口から軸線方向に挿入されるための取付スリーブとを備え、
    前記雄ねじ部が前記ステム部の外周面に形成される一方、前記雌ねじ部が前記プラグカバーの内面前端部に形成され、
    前記前記弾性リング装着部及び前記弾性リングは、前記ステム部と前記取付スリーブとの少なくともいずれかに設けられている請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  9. 請求項7に記載の要件を具備し、前記連結導体が前記取付スリーブよりも小さい軸断面積を有するとともに前記取付スリーブとともに前記片持ち構造部を形成し、前記弾性リング装着部及び前記弾性リングが、少なくとも前記取付スリーブに設けられている請求項8記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  10. 前記取付スリーブは、前記軸線方向における後端部がスリーブ側段付面により縮径された縮径部とされ、前記スリーブ側段付面が前記本体側リング支持部を形成し、前記縮径部の外周面が前記弾性リング装着部を形成している請求項9に記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  11. 前記フランジの外周面と前記プラグカバーの外周面との双方にローレット部が刻設されている請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  12. 前記プラグカバーの外周面には軸線方向中間位置に周方向の谷状部が形成されるとともに、前記外周面には前記谷状部の軸線方向両側に隣接する形で1対の周方向の第一リブが形成される一方、前記谷状部の底位置には、頂面が前記第一リブの頂面よりも谷底方向にオフセットして位置する第二リブが形成され、前記ローレット部が一対の前記第一リブの頂面と、前記第二リブの頂面とに個別に刻設されている請求項11記載の電子撥弦楽器用プラグ。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の電子撥弦楽器用プラグが取り付けられたケーブル。
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