JP6989897B2 - タンタル酸リチウム結晶における転位評価方法 - Google Patents
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Description
これにより転位のないLT結晶を育成しやすくなり、フィルタ性能に重要な挿入損失や波形の不良が起こらない弾性表面波フィルタ用のSAWデバイス用材料を安定的に製造できる。
タンタル酸リチウム(LT)単結晶は、前記したように、一般的にチョクラルスキー法(CZ法)を用いて、炉内が酸化雰囲気とされたイリジウム材料の坩堝内で、原料を1650℃の融点以上に加熱し、原料が溶融した後、融液に種結晶を接触させ、種結晶を回転させながらゆっくりと上昇させることで種結晶と同一方位の単結晶として得られる。
本発明は、エッチピット法を適用して、LT結晶の転位を容易かつ迅速に検出しようとするものである。
本発明のLT結晶の転位評価方法では、LT結晶のウエハをフッ酸:硝酸が1:2(容積比)で混合したエッチング液に浸漬し、加熱昇温し、78~82℃で13~20分保持することで、生じたエッチピットを顕微鏡で観察し結晶の転位を評価する。
引き続き、エッチング液を加熱昇温し、78~82℃の温度で13~20分間加熱保持することで、転位に起因するエッチピットを形成させる工程、
その後、エッチピットが形成されたウエハを顕微鏡観察して、タンタル酸リチウム結晶の育成中に結晶内部に生じた転位を評価する工程を含んでいる。
本発明では、育成された単結晶の(0001)面が主面方位となるように切り出したLT結晶を評価用基板として用意する。本発明は、育成された単結晶の品質評価を目的とすることから、円筒加工を行うことなく、ワイヤーソーで所定の厚さに切断すればよい。
その後、エッチングされたウエハを光学顕微鏡により観察する。
ウエハに集光すれば、特有な線状パターンを有するエッチピットの存在を容易に確認できる。
転位により結晶の滑りを起こした領域と、すべらない部分の境界線は転位線と呼ばれている。転位線は、結晶内で閉じているか、又は結晶表面に達しているが、図3の写真の場合、10μmの範囲の中に、長さ0.3~1μmの転位線が7点観察されている。転位線は、短いほど、また少ないほど良好に育成された結晶であるといえる。
高周波誘導加熱方式の結晶育成炉を用い、坩堝にタンタル酸リチウム(LT)原料を仕込み、加熱溶融させた後、種結晶を調和組成のLT原料融液に接触させ回転しながら徐冷と引上げを行ない、直径約100mmのLT結晶を得た。
得られたLT結晶から、(0001)面が主面方位となるように厚さ0.5mmのウエハ1を切り出し、鏡面研磨した。
次に、図1に示すような耐熱容器4の内側に耐薬品容器3が組み込まれた二槽構造のエッチング装置を用意し、耐薬品容器3内にエッチング液2を入れ、ウエハ1を浸漬した。エッチング液は、フッ酸と硝酸の混合液(容積比=1:2)とした。LT結晶のウエハは、フッ素樹脂(PFA)メッシュの上に載せ、容器と直接接触しないようにした。フッ素樹脂メッシュとしては、フッ素樹脂の糸を目開き300μmで編んだものを幅広の帯状に切断して、両端を耐薬品容器の壁に固定した。
その後、加熱装置6上に載置した石英製耐熱容器4内のオイル5を介して耐薬品容器3内のエッチング液2を加熱した。加熱装置6の出力を調整し、エッチング液の温度を15分かけて80℃とした。その後も加熱を続け、15分間エッチング液の温度を80℃で保持してから、LT結晶のウエハ1を取り出した。
これを倍率500倍の光学顕微鏡により観察したところ、写真中央を横断する幅3μmほどの明瞭なエッチピットが観察できた(図2参照)。このエッチピットを除去した後、透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製、商品名:JEM-2000EX)で観察した結果、エッチピットが存在していた10μmの範囲の中に、長さ0.3~1μmの転位線が7点観察され、育成時に生じた転位であることが確認された(図3参照)。
こうして本発明によりLT結晶を特定の条件でエッチングすることにより、転位による欠陥を顕在化させることができた。得られた情報を基に育成条件を最適化すれば転位のない結晶が製造でき、製品歩留りを高めることが可能となる。
実施例1において、同じ育成結晶から切り出した別のウエハを用い、エッチング条件を変え、エッチング液を加熱温度78℃で20分間保持して、その他の条件は実施例1と同様に実験した。
こうして本発明によりLT結晶を特定の条件でエッチングすることにより、図2と同様なエッチピットが観察され、図3と同様な転位による欠陥を顕在化させることができた。得られた情報を基に育成条件を最適化すれば転位のない結晶が製造でき、製品歩留りを高めることが可能となる。
実施例1において、同じ育成結晶から切り出した別のウエハを用い、エッチング条件を変え、エッチング液の加熱温度を70℃として、その他の条件は実施例1と同様に実験した。
エッチング温度が低かった結果、15分間保持しても明瞭なエッチピットは観測されなかった。転位による欠陥を顕在化できなかったので、転位のない結晶を育成する条件の手がかりは掴めなかった。
実施例1において、同じ育成結晶から切り出した別のウエハを用い、エッチング条件を変え、エッチング時間を6時間として、その他の条件は実施例1と同様に実験した。
エッチング時間が長かった結果、エッチングが過度に進行して、転位に起因するエッチピットを観測することができなかった。転位による欠陥を顕在化できなかったので、転位のない結晶を育成する条件の手がかりは掴めなかった。
以上の結果から、本発明により、フッ酸:硝酸=1:2(容積比)の混合液からなるエッチング液に前記タンタル酸リチウムを浸漬して78~82℃に加熱し、13~20分間保持すれば、転位に起因するエッチピットを形成させることができ、このエッチピットを顕微鏡により観察することで育成されたタンタル酸リチウムの転位の状況を容易に評価できることが分かる。
2 エッチング液
3 耐薬品容器
4 耐熱容器
5 液体(熱媒体)
6 加熱装置
Claims (3)
- タンタル酸リチウム結晶の育成中に結晶内部に生じた転位をエッチピットの顕微鏡観察により評価する方法において、
タンタル酸リチウム結晶から切り出したウエハを鏡面研磨した後、フッ酸:硝酸=1:2の容積比で混合したエッチング液に前記鏡面研磨されたウエハを浸漬し、引き続き、エッチング液を加熱昇温し、78~82℃の温度で13~20分間加熱保持することで、転位に起因するエッチピットを形成させることを特徴とするタンタル酸リチウム結晶の転位評価方法。 - 前記エッチング液を収容する耐薬品容器と、熱媒体が収容される耐熱容器とを具備した加熱装置を用いること特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム結晶の転位評価方法。
- 前記鏡面研磨されたウエハが、予め耐薬品性樹脂製の繊維で形成された布、あるいは網により保護され、ウエハ同士あるいは耐薬品容器と接触しないようにエッチング液に浸漬されることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム結晶の転位評価方法。
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