JP6989887B2 - 加圧検査治具および加圧検査方法 - Google Patents
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Description
遮水シートの接合部の検査方法として、例えば、接合部(筒状部分)に空気を圧入して、内部の加圧状態を測定する加圧検査方法が採用される場合がある。加圧検査方法では、接合部(筒状部分)の両端部をバイスで遮蔽した状態で、接合部に突き刺した送気用の針から空気を圧入し、一定時間(例えば30秒間)の間、内部の圧力が一定の圧力(例えば、初期値の80%以上)を保持することを確認する。
また、特許文献1には、接合部に突き刺した針から煙を送り込んだ後、当該煙が接合部から外部に流出する箇所を確認する検査方法が開示されている。
このような観点から、本発明は、簡易かつ安全に遮水シート接合部の加圧検査を実施することを可能とした加圧検査治具および加圧検査方法を提案することを課題とする。
本実施形態では、2枚の遮水シート1,1の端部同士を重ね合わせた状態で一方の遮水シート1の縁を他方の遮水シート1の表面に固着することにより遮水シート1同士を接合する、いわゆるダブルシーム構造を採用している。加圧検査は、ダブルシーム構造により筒状に形成されたシート重合部3の接合状態を確認するものである。
加圧検査治具2は、送気部4とチャック部5とを備えている。
送気部4は、圧縮空気を圧送可能な中空部材である。送気部4は、図2に示すように、先端側の挿入部41と、基端部に形成された接続部42と、挿入部41と接続部42との間に形成された嵌合部43とを備えている。
接続部42は、圧縮空気の送気管7を接続するためのコネクタであって、送気部4の基端部に形成されている。なお、接続部42の構成は限定されるものではなく、例えば、ネジ式コネクタであってもよいし、ワンタッチ式コネクタであってもよい。
嵌合部43は、送気部4の軸方向中央部に形成された断面視多角形状(本実施形態では断面ひし形状)部分である。本実施形態の嵌合部43は、チャック部5の厚さ(図3(a)において紙面と直交する方向の長さ)以上の長さを有している。なお、嵌合部43の断面形状は限定されるものではなく、例えば、五角形や六角形であってもよい。また、嵌合部43の形成箇所は、必ずしも軸方向中央部である必要なく、例えば、接続部42の先端側に隣接して形成されていてもよい。また、嵌合部43の長さは限定されない。
挟持部材51は、シート重合部3の幅(一方の遮水シート1の縁と他方の遮水シート1の縁との間隔)よりも大きな幅を有した金属部材により構成されている。挟持部材51の中央部には、他の挟持部材51側に突出する把持部53が形成されていて、挟持部材51の両端には、固定部54が形成されている。
図3(b)に示すように、固定部54には、締付ボルト52を挿通するための貫通孔56が形成されている。
締付ボルト52は、一対の挟持部材51,51の貫通孔56に挿通される。図3(a)に示すように、締付ボルト52の先端側にナット57を螺合することで、一対の挟持部材51,51に締付力を付与する。
送気部4は、遮水シート1同士の間に挿入する。このとき、嵌合部43が2枚の遮水シート1,1に挟まれた状態になるまで送気部4を差し込む。また、シート重合部3の上下にそれぞれ挟持部材51を配設した状態で、両挟持部材51,51に挿通した締付ボルト52にナット57を螺合することによりシート重合部3の端部を挟持する。このとき、嵌合部43と凹部55とを嵌合させることで、遮水シート1,1とともに送気部4も挟持する。把持部53,53の間に介在させた遮水シート1,1の端部を把持部53,53で押圧することにより、嵌合部43の外面に遮水シート1,1を密着させる。
本実施形態では、シート重合部3内の30秒間の圧力が80%(0.08MPa)維持されていれば、シート重合部3が良好に接合されていると認定する。シート重合部3の接合を確認したら、加圧検査を終了し、加圧検査治具2およびバイス6を撤去する。
前記実施形態では、送気部4の一部に断面視多角形状の嵌合部43が形成されている場合について説明したが、嵌合部43は必要に応じて形成すればよい。また、嵌合部43は、必ずしも多角形状である必要はなく、例えば、断面楕円形状であってもよいし、複数の凹凸が形成された形状であってもよい。
チャック部5の挟持部材51には、遮水シート1との当接面にゴムシート等の緩衝材が設けられていてもよい。挟持部材51を構成する材料は、シート重合部3の端部を遮蔽することが可能な強度を有していれば、金属部材に限定されるものではない。
圧縮空気の供給手段はエアーポンプに限定されるものではなく、例えば、コンプレッサーであってもよい。また、前記実施形態では、シート重合部3内に圧縮空気を圧入するものとしたが、加圧試験に使用する流体は圧縮空気に限定されるものではない。例えば、水等の液体であってもよいし、煙等であってもよい。
加圧検査において管理基準となるシート重合部3内の圧力は限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
遮水シート1の用途は、遮水層に限定されるものではない。
2 加圧検査治具
3 シート重合部
4 送気部
41 挿入部
42 接続部
43 嵌合部
5 チャック部
51 挟持部材
52 締付ボルト
53 把持部
54 固定部
55 凹部
56 貫通孔
57 ナット
6 バイス
7 送気管
Claims (3)
- 2枚の遮水シートの端部同士を重ね合わせた状態で一方の遮水シートの縁を他方の遮水シートの表面に固着することにより筒状に形成されたシート重合部の接合状態を検査する際に使用される加圧検査治具であって、
前記シート重合部の一端に挿入される送気部と、
前記シート重合部の一端において、前記2枚の遮水シートを挟持することにより前記シート重合部を遮蔽するチャック部と、からなり、
前記チャック部は、一対の挟持部材と、一対の前記挟持部材の両端を貫通する締付ボルトと、を備えており、
前記挟持部材の中央部には、他の前記挟持部材側に突出する把持部が形成されていて、
前記把持部は、前記シート重合部の幅よりも大きな幅を有し、
前記把持部の中央には、前記送気部と嵌合可能な凹部が形成されていることを特徴とする、加圧検査治具。 - 前記送気部が断面視多角形状の嵌合部を有しており、
前記凹部が、前記嵌合部の上半分または下半分の外形と同形状を呈していることを特徴とする、請求項1に記載の加圧検査治具。 - 2枚の遮水シートの端部同士を重ね合わせた状態で一方の遮水シートの縁を他方の遮水シートの表面に固着することにより筒状に形成されたシート重合部の接合状態を請求項1または請求項2に記載の加圧検査治具を利用して確認する加圧検査方法であって、
前記シート重合部の端部に送気部を挿入するとともに、前記シート重合部の端部において前記2枚の遮水シートおよび前記送気部をチャック部により挟持することによって当該シート重合部の端部を密閉した後、
前記送気部から前記シート重合部に所定の圧力の流体を圧入して当該シート重合部内の圧力を計測することを特徴とする、加圧検査方法。
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