JP6989408B2 - 携帯型ケーブル測長・切断器 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、例えば、電気工事におけるケーブルの延線作業に利用するための携帯型ケーブル測長・切断器に関する。
従来、電気工事において、電源ケーブル等のケーブルの延線作業は、例えば、以下のように行われている。
ケーブルは、ある一定の長さで、ケーブルドラムに巻回されて工事現場(以下「現場」と称呼する。)に納入され、当該現場において、ケーブルドラムからケーブルを必要な長さで引き出して切断し、切断したケーブルを延線する。
すなわち、現場に延線するケーブルの長さ(以下「ケーブル長」と称呼する。)や数量は、予め電気工事の設計段階で計画しているが、現場にて計画変更が生じたり、仮設対応のためケーブル接続分のケーブル長がさらに必要になったりするなど、変更になる場面が多々ある。このため、実際には、現場にてあらためて延線対象区間の長さの測定(以下「測長」と称呼する。)や、測長した延線対象区間の長さに対応したケーブルの測長、測長したケーブルの切断といった作業を行うことが多い。
従来、現場における延線対象区間の測長は、巻尺やレーザ測長器などを利用して行なわれる。また、延線対象区間の長さに対応したケーブルの測長は、巻尺あるいは大まかではあるが作業員がケーブルを手繰る平均的な長さを利用して行われる。さらに、測長したケーブルの切断は、ケーブル切断器などの工具を用いて行われる。
特開2011−050154号公報 特開2000−069639号公報 実開平04−028992号公報
従来の現場では、(1)延線対象区間の測長、(2)ケーブルの測長、(3)ケーブルの切断、という複数の独立した作業を別々の道具を用いて行なう必要があるため、複数の道具の携行や当該道具の持ち替えなど、作業員にとって負担が多く、作業効率が低下する要因となっている。
本発明が解決しようとする課題は、複数の独立した作業を別々の道具を用いて行なう必要なく、作業員の負担を軽減し、その作業効率を向上させることが可能になる携帯型ケーブル測長・切断器を提供することにある。
実施形態の携帯型ケーブル測長・切断器は、
ユーザ操作に応じて指定の地点までの距離を非接触で測定する非接触距離測定手段と、
前記非接触距離測定手段により測定された前記指定の地点までの距離に基づいて、目標とするケーブルの長さを設定するケーブル長さ設定手段と、
外部から引き込まれたケーブルを長さ方向に移動可能に保持するためのケーブル保持部と、
前記ケーブル保持部に保持されたケーブルを長さ方向に移動した際に、当該ケーブルの移動に応じた長さを測定するケーブル長さ測定手段と、
前記ケーブル長さ測定手段により測定されたケーブルの長さが、前記ケーブル長さ設定手段により設定された目標とするケーブルの長さに到達したことを報知する報知手段と、
前記ケーブル保持部に保持されたケーブルをユーザ操作に応じて切断するケーブル切断手段とを備え、
前記非接触距離測定手段、前記ケーブル長さ設定手段、前記ケーブル保持部、前記ケーブル長さ測定手段、前記報知手段、および前記ケーブル切断手段を、携帯型の本体に一体にして設けたことを特徴とする。
実施形態の携帯型ケーブル測長・切断器10の外観構成を示す正面図および右側面図。 前記携帯型ケーブル測長・切断器10に内蔵されるケーブルカッタ18の動作を示す図。 前記携帯型ケーブル測長・切断器10の電子回路の構成を示すブロック図。 前記携帯型ケーブル測長・切断器10によるケーブル測長・切断処理を示すフローチャート。
以下、実施形態の携帯型ケーブル測長・切断器について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の携帯型ケーブル測長・切断器10の外観構成を示す図であり、同図(A)は正面図、同図(B)は右側面図である。
この携帯型ケーブル測長・切断器10は、作業員等のユーザが一方の手で把持可能であって、もう一方の手で操作可能な大きさ、重量からなり、本体ケース11の下端にハンドグリップ12を一体にした形状で構成する。
本体ケース13は、その上部を左右方向に連通しているケーブル通し孔13(ケーブル保持部)を有し、当該ケーブル通し孔13の右端部には、ケーブル測長部14(ケーブル長さ測定手段)を設ける。
ケーブル測長部14には、ケーブル通し孔13に通したケーブルCAをその上下両側から挟持し、当該ケーブルCAの長さ方向の移動に応じて回転する一対のケーブル挟持ローラ15a,15bを設ける。本実施形態では、例えば、前記ケーブル通し孔13に通すケーブルCAの入口を本体ケース11の左側、同出口を本体ケース11の右側とする。
ケーブル挟持ローラ15a,15bは、当該ローラ15a,15bの相互方向に挟持力を加えるためのサスペンション機構を有し、このサスペンション機構には、その挟持力に抗して当該ローラ15a,15bにケーブルCAを通した際に、ケーブルCAの挟み込みを検出するケーブルセンサ(図示せず)を設ける。
また、前記ケーブル挟持ローラ15a,15bの回転部に対しては、その回転を検出して電気信号を出力するローラカウンタ16を設けると共に、当該ローラ15a,15bの回転を強制的に停止(ロック)させて前記ケーブルCAの移動を阻止するためのローラロック機構17(移動阻止機構)を設ける。
また、前記本体ケース11内の右端下部には、当該本体ケース11の右側面、すなわち、前記ケーブル測長部14のケーブル挟持ローラ15a,15bにて挟持されたケーブルCAの右側の出口側面に沿った位置を切断位置とするケーブルカッタ18(ケーブル切断手段)を内蔵させて設ける。
図2は、前記携帯型ケーブル測長・切断器10に内蔵されるケーブルカッタ18の動作を示す図(右側面図)である。
本実施形態のケーブルカッタ18は、例えば、相対する一対の円弧状の切断歯18a,18bを有し、図2(A)〜図2(E)に示すように、当該切断歯18a,18bを、カッタモータ19の駆動により、それぞれその円弧方向に展開させて一回りさせることで前記ケーブル測長部14の出口側面において交差させケーブルCAを切断する。
図1及び図2において、前記ケーブルカッタ18には、その切断歯18a,18bの展開動作を強制的に阻止(ロック)するためのカッタロック機構19a(切断阻止機構)を設ける。
なお、前記ケーブルカッタ18は、本体ケース11に内蔵されているので、その切断歯18a,18bは、当該切断歯18a,18bの展開により前記ケーブル通し孔13に対応する空間を通過するときにのみ外部に露出する。
また、前記ハンドグリップ12の背面には、例えば、当該ハンドグリップ12を握るユーザの手の人差し指が当たる位置に対応して指掛け凹部Fを設け、この指掛け凹部Fには、前記ローラロック機構17をロック動作させると共に、前記カッタロック機構19aのロック動作を解除するためのセーフティトリガ20(第1の操作子)を設ける。
さらに、前記本体ケース11の上端部には、レーザ光を送受光することで、当該ケース上端部からレーザ光照射地点までの距離を測定(以下「レーザ測長」と称呼する。)するためのレーザ送受光部21(レーザ測長手段)を設ける。
また、前記本体ケース11の正面には、例えば、スピーカを備えた報知部22(音声出力部)、複数のキーやボタン23a〜23cを備えた操作入力部23(ユーザ入力手段)、液晶表示パネルからなる表示部24を設ける。
操作入力部23において、例えば、キー23aは、表示部24に表示される項目の選択、数値の増減、決定などに使用し、また、ボタン23bは、本携帯型ケーブル測長・切断器10の動作モード(レーザ測長モード、ケーブル測長モードなど)の指定などに使用し、また、ボタン23cは、前記ケーブルカッタ18によるケーブルCAの切断開始を指示するカットボタン(第2の操作子)などとして使用する。
なお、前記ケーブルカッタ18は、通常時、前記カッタロック機構19aにより、その展開が阻止(ロック)される。また、前記ハンドグリップ12の指掛け凹部Fに設けたセーフティトリガ20と、前記操作入力部23に設けたカットボタン23cとは、ユーザが片方の手で同時に操作することができない場所(距離や位置)に設計される。
そして、本携帯型ケーブル測長・切断器10では、ユーザがハンドグリップ12を握った一方の手で指掛け凹部Fのセーフティトリガ20を押下(ON)することで、前記カッタロック機構19aによる阻止(ロック)が解除され、加えて、もう一方の手で、前記操作入力部23のカットボタン23cを押下(ON)することで、前記カッタモータ19が駆動されてケーブルカッタ18が展開される。
これにより、ケーブルCAを切断する際に、ユーザの指などが前記ケーブルカッタ18の切断経路に入ってしまうのを確実に防止する。
本携帯型ケーブル測長・切断器10は、例えば、前記ハンドグリップ12に内蔵されるか外付けされる充電式バッテリなどの電源部25により駆動される。
図3は、前記携帯型ケーブル測長・切断器10の電子回路の構成を示すブロック図である。
この携帯型ケーブル測長・切断器10の電子回路は、コンピュータとしての制御部(CPU)30を備える。
制御部30は、記憶部31(記憶手段)に予め記憶されたケーブル測長・切断処理プログラム31aに従い当該電子回路の各部の動作を制御し、ケーブル延線対象区間の測長処理、必要なケーブル長(目標とするケーブル長)の設定処理、ケーブル測長処理、ケーブル切断処理、からなる一連の処理を実行する。
制御部30には、その制御およびデータバスを介して、前記記憶部31を接続するほか、ケーブル切断部32を介して前記カッタモータ19を接続し、レーザ測長部33を介して前記レーザ送受光部21を接続する。
制御部30には、また、前記ローラロック機構17、カッタロック機構19a、セーフティトリガ20、報知部22、操作入力部23、および表示部24を接続する。
前記レーザ測長部33は、制御部30からの指示に応じて、前記レーザ送受光部21を駆動してレーザ光照射地点までの距離を測定し、レーザ測長値31bを取得する。
前記ケーブル測長部14は、前記ローラカウンタ16から出力されるケーブル挟持ローラ15a,15bの回転検出信号に応じて、当該ケーブル挟持ローラ15a,15bに挟持されて移動するケーブルCAのケーブル長を測定し、ケーブル測長値31eを取得する。
前記ケーブル切断部32は、制御部30からの指示に応じて、前記カッタモータ19を駆動してケーブルカッタ18を展開し、ケーブルCAを切断する。
前記記憶部31は、ケーブル測長・切断処理プログラム31aを予め記憶するほか、前記レーザ測長部33により取得されるレーザ測長値31b、前記操作入力部23のユーザ操作に応じて入力されたケーブル長入力値31c、前記レーザ測長値31bまたは前記ケーブル長入力値31cまたはその組み合わせに基づき設定されるケーブル長設定値31d、前記ケーブル測長部14により取得されるケーブル測長値31eなどを記憶する。
このように構成された携帯型ケーブル測長・切断器10は、前記制御部30が前記ケーブル測長・切断処理プログラム31aに記述された命令に従い各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べるような、各種の機能を含むケーブル測長・切断処理を実現する。
次に、前記構成の携帯型ケーブル測長・切断器10の動作について説明する。
図4は、前記携帯型ケーブル測長・切断器10によるケーブル測長・切断処理を示すフローチャートである。
前記携帯型ケーブル測長・切断器10の電源ONに応じて、制御部30によりケーブル測長・切断処理プログラム31aが起動されると、制御部30により表示部24に表示された、必要なケーブル長を予め設定するか否かの項目について、操作入力部23をユーザが操作して選択する。
ここで、例えば、ケーブル長を予め設定する場合とは、前記ケーブル通し孔13に通して引き出したケーブルCAを、レーザ測長部33で測長したレーザ測長値31bや操作入力部23から入力したケーブル長入力値31cに応じたケーブル長で切断する場合を想定しており、ケーブル長を予め設定しない場合とは、同ケーブル通し孔13に通して引き出したケーブルCAを、適宜のケーブル長で切断する場合を想定している。
必要なケーブル長を予め設定する項目が選択されると(ステップS1(Yes))、制御部30は、当該必要なケーブル長をレーザ光により測長して得るか否か(操作入力部23により数値入力するか)を選択する項目を表示部24に表示させる(ステップS2)。
ここで、操作入力部23のユーザ操作に応じて、必要なケーブル長をレーザ光により測長して得る項目が選択されると(ステップS2(Yes))、制御部30は、レーザ測長部33を介してレーザ送受光部21を駆動し、当該レーザ送受光部21からレーザ光を照射した地点までの距離であるレーザ測長値31bを取得して記憶部31に記憶させ、このレーザ測長値31bをケーブル長設定値31dとして記憶させると共に、表示部24に表示させる(ステップS3)(ケーブル長さ設定手段)(表示制御手段)。
一方、操作入力部23のユーザ操作に応じて、必要なケーブル長を数値入力する項目が選択されると(ステップS2(No))、制御部30は、ユーザ操作に応じて操作入力部23から入力されたケーブル長入力値31bを記憶部31に記憶させ、このケーブル長入力値31bをケーブル長設定値31dとして記憶させる(ステップS4)(ケーブル長さ設定手段)。
なお、前記ステップS1において、必要なケーブル長を予め設定する項目が選択されない場合(ステップS1(No))、前記ステップS2〜S4によるケーブル長設定値31dの記憶処理(ケーブル長さ設定手段)は行われない。
この後、ユーザが、例えば、図示しないケーブルドラムから引き出したケーブルCAの先端を、本携帯型ケーブル測長・切断器10の左側面からケーブル通し孔13に通した際に、当該ケーブルCAがケーブル測長部14における一対のケーブル挟持ローラ15a,15bに挟み込まれると、当該ケーブル挟持ローラ15a,15bのサスペンション機構に設けたケーブルセンサにより、ケーブルCAの挟み込みが検出される(ステップS5(Yes))。
すると、制御部30は、前記ケーブル測長部14を介して、本携帯型ケーブル測長・切断器10の右側面から引き出されて行くケーブルCAの測長値を取得し、表示部24に表示させる(表示制御手段)と共に、前記記憶部31にケーブル測長値31eとして記憶させる(ステップS6)。
なお、本携帯型ケーブル測長・切断器10は、当該携帯型ケーブル測長・切断器10をユーザのベルト等に取り付けるためのアタッチメントを有し、ユーザは、前記ケーブル通し孔13に通したケーブルCAを、両手を使用して送り込み及び引き出すことができる。
ここで、制御部30は、前記記憶部31にケーブル長設定値31dが記憶されているか否かを判断し、当該ケーブル長設定値31dが記憶されていると判断されると(ステップS7(Yes))、前記ステップS6にて記憶部31に記憶されているケーブル測長値31eが、同記憶部31に記憶されているケーブル長設定値31dと同じ値に到達したか否かを判断する(ステップS8)。
前記ケーブル測長値31eが、前記ケーブル長設定値31dと同じ値に到達したと判断されると(ステップS8(Yes))、制御部30は、報知部22によりアラーム音を出力させ、ユーザに対して、必要な長さのケーブルCAが前記ケーブル測長部14を通し引き出されたことを報知する(ステップS9)(報知手段)。
ここで、前記ケーブル測長部14を通し引き出されたケーブルCAを切断するため、ユーザにより、第一に、一方の手で握ったハンドグリップ12のセーフティトリガ20が押下(ON)されると(ステップS10)Yes))、制御部30は、ローラロック機構17によりケーブル挟持ローラ15a,15bをロック動作させ、ケーブルCAの移動を強制的に阻止し(ステップS11)、また、カッタロック機構19aによるケーブルカッタ18のロック動作を解除し、切断歯18a,18bを展開可能な状態に設定する(ステップS12)(阻止解除制御手段)。
また、ユーザにより、第二に、もう片方の手で、操作入力部23のカットボタン23cが押下(ON)されると(ステップS13(Yes))、制御部30は、ケーブル切断部32を介してカッタモータ19を駆動し、前記ケーブルカッタ18の切断歯18a,18bを展開させ、当該切断歯18a,18bにより前記ケーブルCAを前記ケーブル長設定値31dに対応した必要な長さで切断させる(ステップS14)。
この際、前記ケーブルCAを、前記ケーブル測長部14を介して順次引き出しているときには、その引き出した距離に応じたケーブル測長値31eが、前記ケーブル長設定値31dと共に、前記表示部23に常に表示されるので、ユーザは、引き出し中のケーブルCAの引き出された長さ(ケーブル測長値31e)と必要な長さ(ケーブル長設定値31d)とを数値で見て確認しながら、容易に当該ケーブルCAの引き出し作業を行なうことができる。
一方、前記ステップS1において、ケーブル長を予め設定していない場合に(ステップS1(No))、前記ステップS7において、前記記憶部31にケーブル長設定値31dが記憶されてないと判断されると(ステップS7(No))、制御部30は、ケーブルCAの引き出し距離に応じた測長処理およびそのケーブル測長値31eの表示処理を繰り返し実行し、前記セーフティトリガ20の押下(ON)を判断する待機状態になる(ステップS10(No)→S6,S7(No)→S10)。
そして、ユーザにより、前記セーフティトリガ20が押下(ON)され、カットボタン23cが押下(ON)されると、前記同様に、ケーブル挟持ローラ15a,15bのローラロック機構17がロック動作してケーブルCAの移動が阻止される共に、ケーブルカッタ18のカッタロック機構19aによるロック動作が解除され、カッタモータ19が駆動されることで、前記表示部24にて確認したユーザ適宜のケーブル測長値でケーブルCAを切断できる(ステップ10(Yes)〜S14)。
したがって、前記構成の携帯型ケーブル測長・切断器10によれば、ユーザ操作に応じて、レーザ測長部33およびレーザ送受光部21により指定の地点までの距離を非接触で測定すると、測定されたレーザ測長値31bがケーブル長設定値31dとして記憶部31に記憶される。そして、ケーブル通し孔13およびケーブル測長部14に通したケーブルCAを引き出して移動させると、当該ケーブル測長部14を介して測長されたケーブル測長値31eが、前記記憶部31に記憶されたケーブル長設定値31dに到達したか否か判断される。
ここで、ユーザは、前記ケーブル測長値31eが前記ケーブル長設定値31dに到達したか否かを、当該ケーブル測長値31eおよびケーブル長設定値31dの表示部23による数値表示を見て知ることができる。また、ローラロック機構17によるケーブル挟持ローラ15a,15bのロック(停止)により体感的に知ることもできる。さらに、報音部22からのアラーム音の出力によっても知ることできる。
そして、片方の手でセーフティトリガ20を押下(ON)すると共に、もう片方の手でカットボタン23cを押下(ON)すると、ケーブルカッタ18が展開されてケーブルCAが切断され、前記ケーブル長設定値31dに対応した長さのケーブルCAを簡単に得ることができる。
これにより、複数の独立した作業を別々の道具を用いて行なう必要なく、作業員の負担を軽減し、その作業効率を大幅に向上させることが可能になる。
なお、前記図4を参照して説明したケーブル測長・切断処理の実施形態では、レーザ測長部33を介して取得されるレーザ測長値31b、または操作入力部23からユーザ操作に応じて入力されたケーブル長入力値31cの何れかを、必要な長さのケーブルCAを得るためのケーブル長設定値31dとする構成について説明した。
この実施形態に限らず、例えば、レーザ測長部33により測長されたレーザ測長値31bに、ケーブル接続分の余裕を見るために操作入力部23から入力したケーブル長入力値31cを加算し、その加算結果(レーザ測長値31b+ケーブル長入力値31c)をケーブル長設定値31dとすることで、現場の必要に応じて更に寸法精度の高い適切なケーブル長のケーブルCAを得る構成としてもよい。
また、前記実施形態では、セーフティトリガ20が押下(ON)された際に、ローラロック機構17をロック動作させ、ケーブル挟持ローラ15a,15bの回転を強制的に阻止し、ケーブルCAの更なる移動を阻止する構成としたが、ケーブル測長値31eがケーブル長設定値31dに到達した際に、前記ローラロック機構17をロック動作させることで、必要な長さのケーブルCAがケーブル測長部14から引き出された時点で、自動的に当該ケーブルCAの更なる移動を阻止する構成としてもよい。この場合、ケーブルCAの移動が阻止されることで、当該ケーブルCAを引き出しているユーザに対して、必要な長さのケーブルCAがケーブル測長部14から引き出されたことを体感として報知できるので、前記報知部22からアラーム音を出力しなくてもよい。
また、前記実施形態において、レーザ測長部33およびレーザ送受光部21からなる非接触距離測定手段は、超音波や超高周波などを利用した非接触距離測定手段であってもよい。
また、前記実施形態において、前記ケーブル通し孔13であるケーブル保持部は、本体ケース11にケーブルCAを係止させて、その長さ方向に移動可能に保持する構造のものであればよい。
さらに、前記ケーブル測長部14において、引き出したケーブルCAのケーブル測長値31eが、ケーブル長設定値31dに到達した場合、ケーブル挟持ローラ15a,15bの回転を停止させることで当該ケーブルCAの更なる移動を阻止する構成としたが、例えば、ケーブル通し孔13の空間内において、ケーブルCAを挟み込むと共に、当該ケーブルCAが引き出される方向と逆方向にくさび型を形成する逆戻り阻止機構を設けることで、前記同様、ケーブルCAのケーブル測長値31eがケーブル長設定値31dに到達した場合に、当該ケーブルCAの更なる移動を阻止する構成としてもよい。
本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
10…携帯型ケーブル測長・切断器、11…本体ケース、12…ハンドグリップ、
CA…ケーブル、13…ケーブル通し孔、14…ケーブル測長部、
15a,15b…ケーブル挟持ローラ、16…ローラカウンタ、
17…ローラロック機構、18…ケーブルカッタ、18a,18b…切断歯、
19…カッタモータ、19a…カッタロック機構、F…指掛け凹部、
20…セーフティトリガ、21…レーザ送受光部、22…報知部、23…操作入力部、
24…表示部、25…電源部、30…制御部(CPU)、31…記憶部、
31a…ケーブル測長・切断処理プログラム、31b…レーザ測長値、
31c…ケーブル長入力値、31d…ケーブル長設定値、31e…ケーブル測長値、
32…ケーブル切断部、33…レーザ測長部。

Claims (10)

  1. ユーザ操作に応じて指定の地点までの距離を非接触で測定する非接触距離測定手段と、
    前記非接触距離測定手段により測定された前記指定の地点までの距離に基づいて、目標とするケーブルの長さを設定するケーブル長さ設定手段と、
    外部から引き込まれたケーブルを長さ方向に移動可能に保持するためのケーブル保持部と、
    前記ケーブル保持部に保持されたケーブルを長さ方向に移動した際に、当該ケーブルの移動に応じた長さを測定するケーブル長さ測定手段と、
    前記ケーブル長さ測定手段により測定されたケーブルの長さが、前記ケーブル長さ設定手段により設定された目標とするケーブルの長さに到達したことを報知する報知手段と、
    前記ケーブル保持部に保持されたケーブルをユーザ操作に応じて切断するケーブル切断手段とを備え、
    前記非接触距離測定手段、前記ケーブル長さ設定手段、前記ケーブル保持部、前記ケーブル長さ測定手段、前記報知手段、および前記ケーブル切断手段を、携帯型の本体に一体にして設けたことを特徴とする携帯型ケーブル測長・切断器。
  2. ユーザ操作に応じて任意の長さを入力するユーザ入力手段を備え、
    前記ケーブル長さ設定手段は、前記非接触距離測定手段により測定された前記指定の地点までの距離と前記ユーザ入力手段により入力された任意の長さとに基づいて、目標とするケーブルの長さを設定する、
    請求項1に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
  3. 前記報知手段は、
    表示部と、
    前記ケーブル長さ設定手段により設定された目標とするケーブルの長さと前記ケーブル長さ測定手段により測定されたケーブルの長さとを前記表示部に表示させる表示制御手段とを有し、
    前記測定されたケーブルの長さが前記設定された目標とするケーブルの長さに到達したことを表示して報知する、
    請求項1または請求項2に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
  4. 前記報知手段は、
    音声出力部を有し、
    前記ケーブル長さ測定手段により測定されたケーブルの長さが、前記ケーブル長さ設定手段により設定された目標とするケーブルの長さに到達したことを、前記音声出力部からのアラーム音により報知する、
    請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
  5. 前記ケーブル切断手段は、
    第1の操作子と、
    ユーザが片手で、前記第1の操作子の操作と同時に操作不可能な場所に設けられた第2の操作子とを有し、
    前記第1の操作子と前記第2の操作子との同時操作に応じて、前記ケーブル保持部に保持されたケーブルを切断する、
    請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
  6. 前記ケーブル切断手段によるケーブルの切断を阻止する状態にする切断阻止機構と、
    前記切断阻止機構によりケーブルの切断を阻止している状態を、前記第1の操作子の操作に応じて解除する阻止解除制御手段とを備えた、
    請求項5に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
  7. 前記ケーブル長さ測定手段により測定されたケーブルの長さが、前記ケーブル長さ設定手段により設定された目標とするケーブルの長さに到達したことに応じて、前記ケーブル保持部に保持されたケーブルの移動を阻止する状態にする移動阻止機構を備えた、
    請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
  8. 前記ケーブル保持部は、
    外部から引き込まれたケーブルを長さ方向に移動可能に挟持して保持する一対のケーブル挟持ローラと、
    前記ケーブル挟持ローラの回転を検出するローラカウンタとを有し、
    前記ケーブル長さ測定手段は、前記ローラカウンタにより検出されるケーブル挟持ローラの回転に基づいて、当該ケーブル挟持ローラに挟持されたケーブルを長さ方向に移動した際に、当該ケーブルの移動に応じた長さを測定する、
    請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
  9. 前記非接触距離測定手段は、ユーザ操作に応じて、レーザ光を指定の地点に照射して当該指定の地点までの距離を測定するレーザ測長手段である、
    請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
  10. 前記ケーブル長さ設定手段は、目標とするケーブルの長さを記憶する記憶手段を有し、
    前記報知手段は、前記ケーブル長さ測定手段により測定されたケーブルの長さが、前記記憶手段により記憶された目標とするケーブルの長さに到達したことを報知する、
    請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の携帯型ケーブル測長・切断器。
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