JP6988796B2 - X線検出装置 - Google Patents

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Description

本開示は、X線検出装置に関し、特に、例えば、医療分野に活用されるX線を用いたCT(Computer Tomography)装置やFPD(Flat Panel Detector)装置等に用いて好適なX線検出装置に関する。
例えば、医療分野では、X線の投影データを使用して断層撮影を行うCT装置や、X線の投影画像を動画としてモニタするX線FPD装置が活用されており、これらの装置に対しては、多画素化(データボリュームの拡大)と、各種の演算処理の高速化が進められている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、CT装置におけるX線検出部には、X線の入射に応じて蛍光(シンチレーション光)を発生するシンチレータと、光(いまの場合、シンチレーション光)に応じて光電変換を行うPD(フォトダイオード)を一体化した画素のアレイが使用される。
各画素においては、X線照射に応じて生じたシンチレーション光がPDによって電荷に変換され、この電荷がアンプや積分回路等を介して電圧値に変換され、マルチプレクサを介して外付けDAS(Data Acquiring System)のADコンバータによりデジタル値に変換されてX線照射量として検出される。
なお、上述したCT装置における1画素のサイズは一辺が0.3乃至1mm程度の矩形であり、通常は各画素に単一のPDが形成されている。PDの寄生容量に対して、光電変換によって生じる電流は非常に微弱なので、それを検出するには1ミリ秒程度の電流積分過程を必要とする。
また、CT装置を用いた検査の高速化が望まれており、被検体の周囲を1周しながら撮影するのに要する時間は0.5秒以下とされている。このような速度で適切な空間分解能を維持するには、X線検出部のサンプルレートを上げる必要があり、その為には検出時間の短縮が必要となる。例えば、0.5秒の回転期間に各画素が1000回のサンプリングを行う場合、検出時間は0.5ミリ秒にまで短縮する必要がある。
特開2003−202303号公報
検出時間を短縮してサンプルレートをあげる場合、PDの感度には限界があるので、検体に照射するX線の線量を上げる方法が考えられるが、この方法では被検体としての被検者が受けるX線(X線)の被ばく量が増加してしまうことになる。
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、被検体の被ばく量を増加させることなく、サンプルレートと空間分解能の向上を実現できるようにするものである。
本開示の一側面であるX線検出装置は、被検体を挟んでX線照射装置と対向して配置され、前記被検体のX線2次元投影データを生成するX線検出装置において、入射されたX線に対応してシンチレーション光を発生するシンチレータと、入射された前記シンチレーション光に対応して画素信号を生成する複数の画素を有する検出部と、前記画素の前記画素信号を用いて前記X線2次元投影データを生成する出力部とを備え、前記検出部の前記画素は、前記シンチレーション光に対応して光電変換を行う複数のサブピクセルが1画素中にアレイ状に配置され、前記サブピクセルの出力をAD変換するAD変換部と、前記AD変換後の前記1画素を構成する複数のサブピクセルの出力を合算することにより、前記画素に対応する前記画素信号を生成する合算部とを有し、前記画素を含む第1のシリコン層と、前記AD変換部と前記合算部を含む第2のシリコン層は、積層されている
前記AD変換部は、前記サブピクセルの出力を少なくとも3ビット以上の階調を有する値にAD変換することができる。
前記AD変換部は、2以上の前記サブピクセルによって共有することができる。
前記サブピクセルは、前記シンチレーション光に対応して光電変換を行って蓄積する光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を保持する保持部と、前記光電変換部および前記保持部をリセットさせる第1のリセット部とを有することができる。
前記サブピクセルは、さらに、前記保持部を介することなく前記光電変換部をリセットさせる第2のリセット部を有することができる。
前記サブピクセルの前記光電変換部は、前記第1または前記第2のリセット部により完全空乏化されるようにすることができる。
前記サブピクセルは、前記光電変換部をリセットさせるタイミングを調整することによって異なる複数の露光期間が設定されるようにすることができる。
前記出力部は、露光期間が異なる前記サブピクセルの出力に基づく前記画素信号を合成して前記X線2次元投影データを生成することができる。
前記出力部は、前記画素の前記画素信号を用いて、エネルギを弁別したX線計数を行うことができる。
前記出力部は、さらに、前記画素毎に複数回のX線照射に対応する出力の積分を行うことができる。
前記出力部は、前記画素の前記画素信号を用いて、エネルギを弁別したX線計数を行った結果と、前記画素毎に複数回のX線照射にそれぞれ対応する画素信号の積分を行った結果との一方、または両方の合成を採用して前記X線2次元投影データを生成することができる。
本開示の一側面においては、入射されたX線に対応してシンチレーション光を発生するシンチレータと、入射されたシンチレーション光に対応して画素信号を生成する複数の画素を有する検出部と、画素の画素信号を用いてX線2次元投影データを生成する出力部とが備えられる。検出部の画素は、シンチレーション光に対応して光電変換を行う複数のサブピクセルが1画素中にアレイ状に配置され、サブピクセルの出力をAD変換するAD変換部と、AD変換後の1画素を構成する複数のサブピクセルの出力を合算することにより、1画素に対応する画素信号を生成する合算部とを有し、画素を含む第1のシリコン層と、AD変換部と合算部を含む第2のシリコン層は、積層されている
本開示の第1および第2の側面によれば、被検体の被ばく量を増加させることなく、サンプルレートと空間分解能を上げることができる。
本開示を適用したX線CT装置の構成例を示す俯瞰図である。 図1の検出パネルの構成例を示す断面図である。 第1のシリコン層の構成例を示すブロック図である。 第2のシリコン層の構成例を示すブロック図である。 半導体光検出部を成すシリコンチップの全体の構成例を示す図である。 サブピクセルの構成例を示す等価回路図である。 第1の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。 第2の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。 サブピクセルの出力例を示す図である。 2次元のX線投影データを示す図である。 サブピクセルの変形例を示す等価回路図である。 第3の動作シーケンスを示すタイミングチャートである。 パイルアップ防止策の概念図を示している。 ダイナミックレンジを向上させる第1の方法に対応するシーケンスを示す図である。 ダイナミックレンジを向上させる第2の方法に対応するシーケンスを示す図である。 本開示を適用したX線FPD装置の構成例を示す断面図である。 X線光子が入射した位置を導出する過程を説明するための図である。 2次元のX線投影データに基づいてX線投影動画像を生成するシーケンスを示す図である。
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1の実施の形態であるX線CT装置の構成例>
図1は、本開示の検出装置を適用した、第1の実施の形態であるX線CT装置の俯瞰図を示している。
このX線CT装置10は、被検体1を中心として対向して配置されるX線照射装置11と検出装置12から成る。X線照射装置11と検出装置12は、被検体1を中心として回転駆動しながら撮像を行う。
すなわち、X線照射装置11は、被検体1の周囲を回転する毎の図面奥行方向の位置を移動するか、または、被検体1の周囲を回転しながら図面奥行方向の位置を移動するかして、被検体1に対してX線の光子2を照射する。検出装置12は、被検体1を透過したX線光子2を検出することによってX線の2次元の投影データを取得する。さらに、2次元の投影データの逆投影処理によって三次元の断層撮影データを取得する。
検出装置12は、弧状に配置された検出パネル13を含む。検出パネル13は、複数の画素が例えば400μmピッチで32行×64列に配置されており、列方向が弧に沿って形成され、行方向は図面の奥行方向に形成される。この場合、X線CT装置10は、被検体1の64スライス分の断層撮像を行うことができる。
図2は、検出パネル13の構成例を示す断面図である。検出パネル13は、半導体光検出部21、隔壁25、コリメータ26、およびシンチレータ27を有する。
半導体光検出部21は、シリコンチップであり、検出装置12の1個の画素22に対応して複数のサブピクセル31(図3)が形成された第1のシリコン層23と、サブピクセル31の出力をAD変換するAD変換回路を含む信号検出部41(図4)などが形成された第2のシリコン層24が積層されて1チップ化されている。したがって、外半導体光検出部21から外部への出力はデジタル化されたものとなるので、AD変換部が外付けされていた従来システムのように外部ノイズの影響を受けてしまうことを抑止できる。
ここで、サブピクセル31とは、極めて高感度な受光素子であって、デジタルカメラ等に使用されるCMOSイメージセンサの画素に似た回路構成とデバイス構造を有している。
図3は、1個の画素22に対応する第1のシリコン層23の構成例を示している。第1のシリコン層23には、複数のサブピクセル31と、第1のシリコン層23と第2のシリコン層24とを接続する接続部32および33が配置される。
各サブピクセル31は、PDを内蔵しており、8行×8列のサブピクセル31によって1個の画素22に対応するアレイを成している。サブピクセル31のサイズは、例えば40μm四方であり、この場合、1個の画素22としての受光面30のサイズは、320μm四方となる。なお、1個の画素22は400μmピッチで配置されているので、物理的な開口率は(40×8)2/4002=0.64となる。
ただし、各画素22の間に形成された隔壁27の厚さを80μmとした場合、シンチレータ27の径は320μmとなるので、各画素22のシンチレータ27を受光面30にアライメントして形成すれば、各画素22のシンチレータ27で発生されたシンチレーション光の殆どを受光面30に入射させることができる。
接続部32は、各サブピクセル31と、第2のシリコン層24に形成されている信号検出部41とを接続部42を介して接続する。なお、接続部32と接続部42とは、貫通配線(Trough Silicon Via)やCuなどのメタルパッド等を介して接続される。
接続部33は、各サブピクセル31と、第2のシリコン層24に形成されている駆動部44とを接続部43を介して接続する。なお、接続部33と接続部43とは、貫通配線やメタルパッド等を介して接続される。
第1のシリコン層23における他の余白には、主として電源配線、グランド配線、信号配線などが設けられる。
なお、サブピクセル31のアレイには、その駆動と出力のために多くの配線が設けられるが、それらの配線がサブピクセル31に対するシンチレーション光の入射の妨げとならないように、サブピクセル31は、受光面がシンチレータ27側に形成され、配線層が第1のシリコン層23に形成される裏面照射型であることが望ましい。
図4は、1個の画素22に対応する第2のシリコン層24の構成例を示している。第2のシリコン層24には、AD変換回路を含む信号検出部41、サブピクセル31の駆動を制御する駆動部44、AD変換された各サブピクセル31の出力信号を合算処理し、1個の画素22の出力値を生成する出力処理部45、および各部の動作タイミングを制御する論理制御部46が配置される。
信号検出部41は、サブピクセル31の出力を少なくとも3ビット以上の階調を有する値にAD変換する。信号検出部41は10μmピッチで32本が配置されており、32個のサブピクセルからの出力を同時並列に検出してサンプリングする。すなわち、信号検出部41は、それぞれ2個のサブピクセル31によって共有される。なお、信号検出部41を3個以上のサブピクセル31によって共有するようにしてもよい。また、1個のサブピクセル31で専有するようにしてもよい。
なお、仮に、動作不良となったサブピクセル31が発生した場合、それは出力処理部45により検出されるので、動作不良のサブピクセル31をマスキングして合算値から除外してもよい。画素22の出力は、64個のサブピクセル31の出力値から成るので、例えばそのうち2個がX線入射で破壊された場合、それらをマスクしても影響は5%以下である。その際必要があれば出力に欠陥数分の補正を施してもよい。すなわち、画素22内のサブピクセル31の数をN、欠陥数をDとすると、欠陥画素を除いた(N−D)個のサブピクセル31の出力合算値に、N/(N−D)の補正値を掛けて合算出力としてもよい。
図2に戻る。隔壁25は、各画素22の間に光を反射する材質によって形成されており、各画素22のシンチレータ27発生したシンチレーション光の漏れを防止する。各隔壁25に対して追加されているコリメータ26は、鉛などから成り、X線光子2の斜め方向からの入射を抑止する。なお、コリメータ26は必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。
各隔壁25の間に形成されたシンチレータ25は、X線光子2の入射に応じてシンチレーション光を発生する。
検出装置12の各画素22で発生したシンチレーション光は、各画素22における複数のサブピクセル31により光電変換されて、各サブピクセル31に電荷として蓄積される。その蓄積量に比例した各サブピクセル31の出力信号は信号検出部41でAD変換され、1個の画素22に対応する複数のサブピクセル31の出力合計値が画素22に入射したシンチレーション光の強度として導出される。
次に、図5は、半導体光検出部21を成すシリコンチップの全体の構成例を示している。半導体光検出部21には、画素22が400μmのピッチで32行×64列に配置されてアレイを成している。複数の画素22が配置されているアレイの出力部51や接続パット等が配置される。出力部51は、複数の画素22の出力に基づいてX線2次元投影データを生成して後段に出力する。
<サブピクセル31の構成例>
図6は、サブピクセル31の構成例を示す等価回路図である。
サブピクセル31の構成例は、PD61、PD61のカソードを成す蓄積ノード62、転送Tr(トランジスタ)63、検出ノード(FD:フローティングデュフージョン)64、増幅Tr65、選択Tr66、およびリセットTr67を備える。転送Tr63乃至リセットTr67としては、例えば、n型のMOS(Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタが用いられる。
PD61は、入射した光子を電荷に変換し、そのカソードである蓄積ノード62に蓄積する。より具体的には、シンチレータ27によって発生されたシンチレーション光の光子の入射に応じて電子と正孔のペアを発生させ、そのうちの電子を蓄積ノード62に蓄積する。また、PD61は、リセットによる電荷排出時には蓄積ノード62が完全空乏化される、埋め込み型となっている。すなわち、蓄積ノード62がリセットされると、キャリアは全て排出されて、ドナーまたはアクセプタによる固定電荷のみでそのポテンシャルが固定される。この時、それより深いポテンシャルを持つノードをそこに接続しても、蓄積ノード62のポテンシャルは変化しない。
転送Tr63は、駆動部44に含まれる行駆動部70からの制御に従い、蓄積ノード62に蓄積されている電荷を検出ノード64に転送する。検出ノード64は、転送Tr63を介して転送された電荷を蓄積し、その蓄積した電荷量に応じたアナログ値の電圧を生成する。この電圧は、増幅Tr65のゲートに印加される。
増幅Tr65は、ゲートが検出ノード64に、ドレインが電源配線68に、ソースが選択Tr66に接続されており、ゲートに印可された電圧に応じ、選択Tr66を介して負荷の大きな垂直信号線73を駆動する。なお、増幅Tr65は、信号検出部41に含まれる定電流部71とともにソースフォロワを形成しており、検出ノード64の電圧変動は、1弱のゲインで垂直信号線73に伝達され、この電圧の電気信号は信号検出部41に含まれる検出部72に出力される。
選択Tr66は、ゲートが行駆動部70に、ドレインが増幅Tr65に、ソースが垂直信号線73に接続されており、行駆動部70からの制御に従って、増幅Tr65からの電気信号を垂直信号線73に出力する。なお、サブピクセル31と検出部72が1対1で設置されている場合には、選択Tr66を省略して、増幅Tr65のソースを垂直信号線73に直結してもよい。
リセットTr67は、ゲートが行駆動部70に、ドレインが電源配線68に、ソースが検出ノード64に接続されており、検出ノード64または蓄積ノード62に蓄積されている電荷を電源配線68に排出させることによってそれぞれを初期化する。
行駆動部70は、例えば、リセットTr67と転送Tr63とを同時にオン状態に制御することにより蓄積ノード62に蓄積された電子を電源配線68に排出させ、サブピクセル31を蓄積前の暗状態、すなわち、シンチレーション光の光子が未入射の状態に初期化する。また、行駆動部70は、リセットTr67のみをオン状態に制御することにより、検出ノード64に蓄積された電荷を電源配線68に排出させて、その電荷量を初期化する。
サブピクセル31は、PD62がリセットされてから、読み出しが行われるまでの期間、光電変換した電荷を蓄積し、読み出し時に蓄積した電荷に応じた電圧の電気信号を出力する。このような単位期間の蓄積と読み出しを繰り返すことにより、蓄積中にシンチレーション光の光子が入射すると、読み出し時にその光量に対応した出力結果を得ることができる。
ところで、サブピクセル31に採用されている埋め込み型のPD61の特徴は、そのカソードである蓄積ノード62と検出ノード64が、読み出し時に容量結合しないことである。この結果、検出ノード64の寄生容量を低減させるほど変換効率が向上し、1光子の入射に対する感度を向上させることができる。またPD61を大型化しても変換効率が悪化することは無いので、PD61を大型化すればするほど、同じ光束密度に対するサブピクセル31あたりの感度を向上させることができる。
また、サブピクセル31は、電子増倍を伴わないので、サブピクセル31の出力は増幅Tr65や後段の信号検出部41に含まれるAD変換部に起因する読み出しノイズの影響を受けることになるが、上述したように、サブピクセル31の感度を最大化すれば、読み出しノイズの影響を相対的に最小化することができる。すなわち、検出ノード64の寄生容量を出来る限り低減するとともに、PD61を、その内部を1電子がドリフトで移動できる範囲内で出来る限り大型化することによって出力のSNは最大化されるので、超高感度検出器としてのサブピクセル31を実現することができる。
このような完全空乏型の蓄積ノード62を有するPD61を採用したサブピクセル31の構造は、既存のX線透過撮像に用いられてきたPDの従来構造とは大きく異なるものである。サブピクセル31は僅かな光子の入射にも精度よく反応し、後述するシーケンスに従って動作することにより、検出部72に対して速やかに電圧の電気信号を出力することができる。
なお、サブピクセル31の構造は、既存のデジタルカメラ等に使用されるCMOSイメージセンサの画素の構造に類似しているが、設計思想は全く異なっている。画素22の中に複数のサブピクセル31を配置してアレイ化している理由は、その中で空間解像度を得るためではなく、大きさが限られたサブピクセル31を用いながら、画素22が十分な大きさの受光面と物理開口を得るためである。
サブピクセル31の面積が大きい程、PD61を大面積化して開口率を上げやすく、検出部72を共有するサブピクセル31の数が減って高速化も容易となる。また、画素22における開口面積あたりのフロアノイズも減少する。従って、サブピクセル31の面積は、少なくとも100μm2以上として、さらには400μm2以上とすることが望ましい。
サブピクセル31を大型化する際にその面積の上限を規定するのは、埋め込み型PD61内のドリフトによる電子の移動であり、大型化されたPD61内の遠端で発生した1電子が高速で検出ノード64に転送されるように、PD61内のポテンシャルを設計する必要がある。
なお、PD61は、そのカソードであるN型拡散層が蓄積ノード62となって電子が蓄積されるとしたが、極性を全て逆にして、アノードであるP型拡散層を蓄積ノード62として正孔を蓄積するようにしてもよい。
<サブピクセル31の第1の動作シーケンス>
次に、図7は、サブピクセル31の動作の一例(第1の動作シーケンス)を示している。
なお、同図の上側には、信号検出部41を共有するサブピクセル31aと31bのうち、サブピクセル31aの動作シーケンスを示し、下側にはサブピクセル31bの動作シーケンスを示している。例えば、同図上側の63aは、サブピクセル31aにおける転送Tr63のオン、オフ状態を表すものとする。また、同図下側の67bは、サブピクセル31bにおけるリセットTr67のオン、オフ状態を表すものとする。
図6に示された検出部72は垂直信号線73を介して2個のサブピクセル31aと31bに接続されており、交互にその選択と、出力のサンプリングを実施する。サンプリングについては、シンチレーション光の光子が未入射な暗状態に相当するリセット信号のサンプリングと、露光期間後の蓄積信号のサンプリングが行われ、その差分を取ることによって各種ノイズを相殺する相関二重サンプリング(CDS:Correlaed Double Sampling)が実施される。
始めに、蓄積期間直前のタイミングt1において、行駆動部70は、転送Tr63a,63bとリセットTr67a,67bを同時にオン状態に制御する。この制御により、PD61a,61bの蓄積ノード62a,62bに蓄積されていた電荷が、検出ノード64a,64bを介して全て電源配線68に排出される。以下、この制御を「PDリセット」と称する。
この後、行駆動部70は、転送Tr63a,63bをオフ状態に制御する。この制御により、蓄積ノード62a,62bは浮遊状態となって、新たな電荷蓄積が開始される。さらに行駆動部70は、PDリセット後において、リセットTr67a,76bをオフ状態に制御する。この制御により、検出ノード64a,64bの電位は、リセットTr67a,67bのゲートとのカップリングを受けて基準電位から幾分低下して浮遊状態となる。さらに、この際に検出ノード64a,64bには有意なkTCノイズが発生する。検出ノード64a,64bには、一般に浮遊拡散層(FD:Floating Diffusion)が用いられるので、以下、この制御を「FDリセット」と称する。すなわち、第1の動作シーケンスでは、PDリセットとFDリセットが連続して実施される。
次にサブピクセル31a,31bに対して、順次、リセット信号のサンプリングが実施される。リセット信号のサンプリングは、相関二重サンプリングにおいて1回目の読出しとして扱われる。
すなわち、行駆動部70は、タイミングt2aから所定の期間だけ選択Tr66aをオン状態に制御する。この制御により、サブピクセル31aと垂直信号線73が接続され、検出ノード64aの電圧が増幅Tr65aにより増幅されて垂直信号線73に出力される。検出部72は、1回以上(例えば、4回)のサンプリングを行う。これらのサンプリングにおいて、垂直信号線73の電位の信号が、サブピクセル31aのリセット信号として検出部72によりデジタル信号Ds1aに変換され、検出部72内のレジスタに保存される。
次に、行駆動部70は、タイミングt2bから所定の期間だけ選択Tr66bをオン状態に制御する。この制御により、サブピクセル31bと垂直信号線73が選択Tr66bで接続され、検出ノード64bの電圧が増幅Tr65bにより増幅されて垂直信号線73へ出力される。検出部72は、1回以上(例えば、4回)のサンプリングを行う。これらのサンプリングにおいて、垂直信号線73の電位の信号が、サブピクセル31bのリセット信号として検出部72によりデジタル信号Ds1Bに変換され、検出部72内のレジスタに保存される。
そして、蓄積期間が終了する直前のタイミングt3において、行駆動部70は、転送Tr63a,63bをオン状態に制御する。この制御により、蓄積ノード62a,62bに蓄積されていた電荷が検出ノード64a,64bに転送される。この際、検出ノード64a,64bのポテンシャルが十分に深ければ、蓄積ノード62a,62bに蓄積されていた電子が全て検出ノード64a,64bに転送され、蓄積ノード62a,62bは完全空乏状態になる。タイミングt33からパルス期間が経過した後、行駆動部70は、転送Tr63a,63bをオフ状態に制御する。この制御により、検出ノード64a,64bの電位は、転送Tr63a,63bの駆動前に比較して、蓄積されていた電荷量の分だけ下降する(すなわち、ポテンシャルが浅くなる)ことになる。
次にサブピクセル31a,31bに対して、順次、蓄積信号のサンプリングが実施される。蓄積信号のサンプリングは、相関二重サンプリングにおいて2回目の読出しとして扱われる。
すなわち、行駆動部70は、タイミングt4aから所定の期間だけ選択Tr66aをオン状態に制御する。この制御により、サブピクセル31aと垂直信号線73が接続され、上述した下降分の電圧が増幅Tr65aにより増幅されて垂直信号線73に出力される。
検出部72は、1回以上(例えば、4回)のサンプリングを行う。これらのサンプリングにおいて、垂直信号線73の電位の信号が、サブピクセル31aの蓄積信号として検出部72によりデジタル信号Ds2aに変換される。さらに、検出部72は、サンプリングした蓄積信号(すなわち、デジタル信号Ds2a)とレジスタに保存していたリセット信号(すなわち、デジタル信号Ds1a)を比較して、その比較結果に基づいて入射光子量を判定する。
具体的には、複数回のサンプリングにより得られた複数のデジタル信号Ds1aを全て加算するか、またはそれらの平均値が算出される。同様に、デジタル信号Ds2aも全て加算するか、またはそれらの平均値が算出される。検出部72は、デジタル信号Ds1aの加算値(または平均値)と、デジタル信号Ds2aの加算値(または平均値)との差分を正味の蓄積信号として算出する。この算出結果がサブピクセル31aにおける1回の露光期間に対応する出力データとなる。なお、FDリセットの際に生じるkTCノイズは、デジタル信号Ds1aとデジタル信号Ds2aの差分を正味の蓄積信号とすることにより相殺される。
同様に、行駆動部70は、タイミングt4bから所定の期間だけ選択Tr66bをオン状態に制御する。この制御により、サブピクセル31bと垂直信号線73が接続され、上述した下降分の電圧が増幅Tr65bにより増幅されて垂直信号線73に出力される。
検出部72は、1回以上(例えば、4回)のサンプリングを行う。これらのサンプリングにおいて、垂直信号線73の電位の信号が、サブピクセル31bの蓄積信号として検出部72によりデジタル信号Ds2bに変換される。さらに、検出部72は、サンプリングした蓄積信号(すなわち、デジタル信号Ds2b)とレジスタに保存していたリセット信号(すなわち、デジタル信号Ds1b)を比較して、その比較結果に基づいて入射光子量を判定する。
具体的には、複数回のサンプリングにより得られた複数のデジタル信号Ds1bを全て加算するか、またはそれらの平均値が算出される。同様に、デジタル信号Ds2bも全て加算するか、またはそれらの平均値が算出される。検出部72は、デジタル信号Ds1bの加算値(または平均値)と、デジタル信号Ds2bの加算値(または平均値)との差分を正味の蓄積信号として算出する。この算出結果がサブピクセル31bにおける1回の露光期間に対応する出力データとなる。なお、FDリセットの際に生じるkTCノイズは、デジタル信号Ds1bとデジタル信号Ds2bの差分を正味の蓄積信号とすることにより相殺される。
なお、各サブピクセル31の露光蓄積期間は、上述したPDリセット動作から、蓄積ノード62に蓄積されていた電荷が検出ノード64に転送される蓄積電荷の読み出し動作まで期間であり、正確には転送Tr63がリセット後にオフしてから、読み出しでオフするまでの期間である。この蓄積期間にPD61に光子が入射して電荷が発生すると、それがリセット信号と蓄積信号の間の差分となり、上述のシーケンスに従って検出部72により導出される。
すなわち、検出部72は相関二重サンプリング機能を有しており、kTCノイズを含む画素の低周波ノイズを相関二重サンプリング機能によって相殺することができる。また、AD変換誤のデジタル値同士で相関二重サンプリングを実施することにより、AD変換過程で混入したノイズも相殺することができる。
ただし、上述した第1の動作シーケンスの場合、1回の露光期間が終了して、次の露光期間が開始されるまで間、特に蓄積信号のサンプリング期間において、蓄積が実施されない不感期間が発生しており、高速なサンプリングに対応することができない。
そこで次に、蓄積が実施されない不感期間を除去した動作シーケンス(第2の動作シーケンス)について説明する。
<サブピクセル31の第2の動作シーケンス>
次に、図8は、サブピクセル31の動作の他の一例(第2の動作シーケンス)を示している。
なお、同図の上側には、信号検出部41を共有するサブピクセル31aと31bのうち、サブピクセル31aの動作シーケンスを示し、下側にはサブピクセル31bの動作シーケンスを示している。例えば、同図上側の63aは、サブピクセル31aにおける転送Tr63のオン、オフ状態を表すものとする。また、同図下側の67bは、サブピクセル31bにおけるリセットTr67のオン、オフ状態を表すものとする。
図8に示す第2の動作シーケンスは、第1の動作シーケンスのタイミングt1におけるPDリセットを省略するようにし、蓄積ノード62からの検出ノード64に電荷が転送される際にPDリセットも兼ねるようにしたものである。
すなわち、第2の動作シーケンスのタイミングt11においては、FDリセットのみが実施され、タイミングt12a,t12bでリセットレベルのサンプリングが実施される。つまり、タイミングt11において転送Tr63a,63bに対するパルス印加は実施されずに、蓄積ノード62の蓄積電荷はそのまま保持される。この後、タイミングt13において、転送Tr63a,63bに対してパルスが印加されて、蓄積ノード62から蓄積検出ノード64に対する電荷の転送が実施されるが、この電荷転送にPDリセットを兼ねさせる。この時、PD31の次の蓄積期間は、PDリセットを兼ねる電荷転送の直後から開始することになる。これによって画素に入射した光子が検知されない不感期間をほぼ除去することができ、高速なサンプリングを実現することができる。
なお、第1および第2の動作シーケンスのいずれにおいても、単位蓄積の最短期間はリセットレベルのサンプリングと蓄積レベルのサンプリングの合計所要時間によって規定される。ただし、第1の動作シーケンスにおける蓄積時間は、第2の動作シーケンスにおける蓄積時間の約半分である。
第1の動作シーケンスでは、タイミングt1において電荷が中途に排出されることにより、実効的な露光時間、即ち蓄積時間が減少している。例えば、サブピクセル31あたりのサンプリングの上記合計所要時間を15μ秒とすると、2個のサブピクセル31が検出部72を共有する場合、検出部72が1回の露光期間分の出力を得るために合計30μ秒を要する。このようなサンプリングは複数の検出部72で同時に並列実行され、その出力は画素22ごとに瞬時に合算されて各画素22のサンプルデータとして出力とされる。この場合、画素22のサンプルレートは約33,000Hzの高速を実現できる。
なお、AD変換回路を含む信号検出部41とサブピクセル31のアレイは、図2に示したように1チップ化されているので、スライス数やチャンネル数が増えても、すなわち、画素22の数が増加されても、サブピクセル31と信号検出部41の対応関係は変わらない。それらは一斉に並列動作し、画素22ごとにデジタルのサンプルデータが出力される。従って、チャンネル数やスライス数を増やすための画素22の数を増加しても、検出装置12のサンプルレートまたはView数は容易に維持することができる。
<サブピクセル31の出力例>
次に、図9は、1個の画素22を構成する8行×8列のサブピクセル31のうちの一部の出力例を示している。
ここで、サブピクセル31は、例えば、1光子信号(光電変換後の信号としては1電子信号に相当)が10LSBに対応しており、光子信号(サブピクセル31あたり平均1電子)と読み出しノイズ(サブピクセあたり0.5電子rms)の合成が出力されている。
なお、ノイズが合成されていることによりマイナス出力も発生し得る。図9では、そのままマイナス値を記載したが、全体にオフセットをかけて全てをプラス出力とするようにしたり、マイナス値を0に切り上げたりしてもよい。
すなわち、半導体光検出部21の各画素22は、それぞれが階調出力を持つ高感度光検出セル(サブピクセル31)の集合体として構成されている。一般に、サブピクセル31は、APD(アンバランシェフォトダイオード)や光電子増倍管などのような強電界による電子増倍を行わず、出力信号は微小である。このため、有意な読み出しノイズを持つので、個々のサブピクセル31における光子入射数は曖昧である。しかしながら、画素22を成すサブピクセル31の出力を総合して合算することで、微弱なパルス光量が高い精度で導出される。
以下、具体的な数値を挙げて説明する。サブピクセル31に対して入射される光子を発生するシンチレータ27は、入射したX線の強度に比例したシンチレーション光を発生する。例えば、出力120keVの1個のX線光子2がシンチレータ27に入射し、それに応じて発生したシンチレーション光のうち、1000個の光子が1個の画素22に入射した場合を想定する。
また、サブピクセル31あたりの読み出しノイズを0.5電子rmsとすれば、1個の画素22の受光面30のフロアノイズは√(0.52×8×8)=4電子rmsと見積もることができる。サブピクセル31の量子効率を90%とすれば、1000個の光子の入射に対応して900(=1000×90%)個の電子の信号電荷が発生する。その際の光ショットノイズ=√(信号電荷数)は30電子rmsである。
フロアノイズとショットノイズを合わせたノイズは√(42+302)≒30電子rmsであり、半値幅として7.8%(=2.35×30/900)[FWHM]という高いエネルギ分解能を得ることができる。すなわち、エネルギ弁別を用いたX線計数が可能となる。
なお、上述したフロアノイズは、光電子増倍管のような増倍型の光検出器では無視できるが、本実施の形態における半導体光検出部21のサブピクセル31に採用されているPD61では、フロアノイズを無視できない。ただし、PD61は可視光領域に対して高い量子効率を持つので、その分多くの光電変換信号を取得でき、光ショットノイズの影響を少なくすることができる。総合的に見ると、X線透過撮像のような比較的高線量な領域では、本実施の形態における半導体光検出部21は、光電子増倍管等と同等か、またはそれ以上のエネルギ分解能を得ることができる。
なお、本実施の形態における半導体光検出部21の各サブピクセル31は、数百個、または、それ以上の電子を蓄積することが可能であり、広いダイナミックレンジを有している。例えば、各サブピクセル31の出力が12ビットの解像度でAD変換される場合、1個の画素22を成す8行×8列のサブピクセル31の出力の合計は、サンプルあたり12+log2(8×8)≒18ビット程度の解像度となる。なお、上記したLSB値の設定は、例えばAD変換回路におけるサブピクセル信号入力部の前段でのゲイン印加等を用いて容易に変更することができ、入射光量に応じた調整が可能である。
以上に説明したように、本実施の形態における半導体光検出部21は、X線を超高感度、かつ、高速に検出できる。従って、半導体光検出部21を用いたX線CT装置10は、従来と同様の撮影を実施しても、X線量を低減することでき、かつ、サンプル数を増加させることで、高解像度、高精度なデータを得ることができる。さらに、半導体光検出部21を、被検体1の周囲の回転駆動を必要としない電子ビームCTのような超高速スキャンが可能なX線照射装置と組み合わせることにより、極めて高速、かつ、低被ばくで、従来と同精度のデータを得ることが可能である。
さらに、本実施の形態における半導体光検出部21は、1個のX線光子2のエネルギを弁別できる感度を有しており、エネルギ弁別を用いたX線計数による、X線投影データの取得が可能である。
ところで、1個のX線光子の入射に応じて各サブピクセル31が検出するシンチレーション光の光子は、平均14個(≒900/64)程度である。入射光子のばらつきとしては√14rmsが見込まれ、±4σをみると29電子の信号検出が必要である。
さらに、量子化ノイズを1電子rms以下に抑えるとすれば、1LSBとして3.5電子以下が要求される(3.5/√12≒1)。従って、AD変換もそれに対応して3ビット以上(≒log2(29/3.5))の解像度が必要とされる。
さらに、積分モードを用いたX線検出を考慮すると、各サブピクセル31は複数X線がパイルアップした状態でのエネルギ強度を検知する必要があり、100電子以上の検出レンジが望まれる。従って、AD変換もそれに対応して5ビット以上(≒log2(100/3.5))の解像度で行われることが望ましい。
また、1個の画素22を成すサブピクセル31の数は、欠陥補正が可能となるように4(=2×2)個以上であることが望ましい。さらには、画素22の大型化とあいまって積算されるフロアノイズが十分小さくなるように、多くとも10000(=100×100)個、可能であれば1600(=40×40)個以下とすることが望ましい。
例えば、100μm2以上の面積を有するサブピクセル31を10000(=100×100)個配置して1個の画素22を形成した場合、1個の画素22の面積は1mm2以上になってしまうので、半導体光検出部21における空間解像度の点からも、1個の画素22を成すサブピクセル31の数は10000(=100×100)個以下であることが望ましい。
次に、図9は、各画素22によりサンプリングされた2次元のX線投影データを示している。
すなわち、各画素22によりサンプリングされた入射X線の強度データは、同図に示されるように、被検体1の体軸方向をX軸、X線照射装置11および検出装置12の回転方向をY軸とした2次元のX線投影データに展開される。
この2次元のX線投影データ画素ピッチに対応した解像度で処理した場合、X線照射装置11および検出装置12の1回転でX線投影データ上の1画素区間に反映されるサンプリングデータ数NSは次式のように見積もることができる。
NS=RS・τ・γ/360
ここで、τは1回転の所要時間[秒]、γは半導体光検出部21のファン角度[度]、RSは半導体光検出部21のサンプルレート[Hz]である。
例えば、1回転の所要時間τ=0.5秒、ファン角度γ=45度、サンプルレートRS=33000Hzとした場合、サンプリングデータ数NS≒2062となる。
積分処理でX線強度を評価する場合、サンプリング1回のビット解像度を18ビットとすると、合計で29ビット(≒18+log22062)に相当する解像度が得られる。
一方、これをX線計数の結果として処理した場合、サンプリング1回がX線入射の有無を表すバイナリ値として評価されるので、計数の最大値はサンプル回数に等しく、11ビット(≒log22062)の解像度にしかならない。従って、この場合にはデータ取得のダイナミックレンジが不足したものとなる。
さらに、X線計数の結果として処理する場合、入射線量が高いときに同一の画素22の同一蓄積期間内に複数個のX線光子2が入射してしまう、いわゆる、パイルアップが発生し得る。すなわち、パイルアップが発生した場合、複数のX線光子2が入射しても、単に入射が有ったことだけが計数されるだけであり、エネルギ弁別も不可能となる。
そこで、X線投影データをX線計数の結果として処理する場合において、ダイナミックレンジを向上させる2種類の方法について説明する。
第1の方法は、X線受光確率が高い画素と低い画素を設け、双方の出力を合成してX線の投影データを構成すればよい。X線受光確率の高い画素と低い画素は、同一の画素22のX線受光確率を時分割で変化させてもよいし、X線受光確率が異なる画素を面状に並べてもよい。
本実施の形態における半導体光検出部21は、X線受光確率を動的、かつ、柔軟に設定することができる。
例えば、図7に示された第1の動作シーケンスは、図8に示された第2の動作シーケンスに比較してトータルの露光期間(蓄積期間)が約半分となっており、第1の動作シーケンスにおいて露光期間以外に入射したX線に基づくシンチレーション光の光子は破棄される。従って、第1の動作シーケンスを実行している場合は、第2の動作シーケンスを実行している場合に比較して、X線受光確率が約半分となる。
さらに、図6に示されたサブピクセル31の構成例に対して1個のリセットTrを追加することによって、より柔軟な露光期間設定が可能となる。
<サブピクセル31の変形例>
図11は、図6に示されたサブピクセル31の構成例に対して、リセットTr80を追加した変形例に対応する等価回路を示している。
このリセットTr80は、ゲートが行駆動部70に、ドレインが電源配線68に、ソースがPD61の蓄積ノード62に接続されている。すなわち、行駆動部70がリセットTr80をオン状態に制御することにより、転送Tr63がオフ状態であっても、任意のタイミングでPD61の蓄積ノード62をリセットし、蓄積前の暗状態、すなわち光が未入射の状態に初期化することができる。
<サブピクセル31の変形例による第3の動作シーケンス>
次に、図12は、サブピクセル31の変形例による動作の一例(第3の動作シーケンス)を示している。
第3の動作シーケンスは、図7に示された第1の動作シーケンスに対して、PD61の蓄積ノード62を、検出ノード64を介することなく直接的にPDリセットを実施する工程が追加されている。
具体的には、例えばタイミングt23において、リセットTr80a,80bをオン状態とすることにより、直接的なPDリセットが実施される。なお、リセットTr80を用いたPDリセットは、リセット信号や蓄積信号のサンプリングとは独立し、任意のタイミングで実行できる。この時の露光期間は、リセットTr80a,80bに対する制御パルスがオフ状態にされてから、転送Tr63a,63bに対する制御パルスがオフ状態にされるまでの期間となる。
第3の動作シーケンスによれば、露光期間は100n秒以下に設定することができるので、より広い範囲で柔軟に露光期間を調整することが可能となる。
次に、図13は、露光期間を短縮することによるパイルアップ防止策の概念を示している。
同図Aに示すフルタイム露光期間は、図8に示された第2の動作シーケンスに相当する。同図Bに示す短縮露光期間は、図7に示された第1の動作シーケンス、または図12に示された第3の動作シーケンスに相当する。同図Cに示す露光期間混合は、フルタイム露光期間と短縮露光期間とを時分割で混合した場合を示している。なお、フルタイム露光期間と短縮露光期間は、空間的に混合してもよい。例えば隣接する一対の画素について、一方をフルタイム露光期間、他方を短縮露光期間に設定してもよい。
<フルタイム露光期間の画素と、短縮露光期間の画素の出力の合成について>
次に、図14は、フルタイム露光期間の画素(X線受光確率が高い画素)と、短縮露光期間の画素(X線受光確率が低い画素)の出力を合成する場合のシーケンスを示している。なお、フルタイム露光期間は、短縮露光期間に対して相対的に露光期間が長ければよく、設定可能な最長の露光期間を意味するものではない。反対に、短縮露光期間は、フルタイム露光期間に対して相対的に露光期間が短ければよい。
X線CT装置10のようなスキャン型の装置では、図10に示されたように2次元に展開されたX線投影データにおける同一の位置に、短縮露光期間の画素の出力データとフルタイム露光期間の画素の出力データが混合してマッピングされることになる。
そこで、照射されるX線量が低い低線量の領域には、より高感度なフルタイム露光期間の画素の出力データを採用する。反対に、照射されるX線量が高い領域には、飽和しにくい短縮露光期間の画素の出力データを採用する。
例えば、X線計数の場合、ポワソン分布から、X線量とパイルアップの確率は計数確率に対応している。複数回のサンプリングにおいてX線が計数された確率が高いと、線量が高くパイルアップが発生した確率も高いとみなし得る。従って、X線投影データの領域毎に、まずフルタイム露光期間の画素の出力データを評価し、計数確率が所定の閾値以下である場合、該領域にはそのままフルタイム露光期間の画素の出力データを採用する。反対に、計数確率が所定の閾値を超えている場合、該領域には短縮露光期間の画素の出力データを採用するようにすればよい。
なお、X線投影データを合成する際には、露出期間に対応した補正係数を乗算してから合成することが望ましい。また、露出期間の設定はフルタイム露光期間と短縮露光期間の2種類に限るものではく、異なる3種類以上の露出期間にそれぞれ対応する画素の出力を合成するようにしてもよい。
次に、X線投影データをX線計数の結果として処理する場合において、ダイナミックレンジを向上させる第2の方法について説明する。
第2の方法は、X線計数データと積分データの両方を用いて診断を行い、X線計数データにおいてパイルアップが生じたために精度を失っている領域については積分データを用いて補完するものである。
次に、図15は、第2の方法に対応するシーケンスの例を示している。初めに、各画素から取得されるサンプルデータ群に対して、計数処理と積分処理を個別に施すことによって、計数データと積分データを取得する。ここで、各画素から取得されるサンプルデータは、サブピクセル31からの階調出力値を合計したデジタルの階調データである。
一方の線計数処理では、上の閾値と下の閾値を設けて、サンプルデータが上下の閾値の範囲内にあるか否かを判定し、上下の閾値の範囲内にあると判定した場合にはそれを1として計数し、上下の閾値の範囲内に無いと判定した場合にはそれを計数しない(0として計数する)。このようにして、サンプリングした多数のバイナリデータを、2次元のX線投影データに展開する。
他方の積分処理では、階調を持った画素のサンプル出力を、そのまま2次元のX線投影データにマッピングする。または、X線計数値をもってマッピングされたX線投影データ上の高線量の領域を、積分処理によるマッピングデータを用いて修正、補完する。
例えば多くのパイルアップが発生している領域では、下限の閾値だけを用いて計数を行い、その計数率からポワソン分布を用いて計数値を補正する。そして、積分データと補正した計数値から平均エネルギを算出し、本来計数すべきエネルギ範囲と、算出した平均エネルギとの比較から再度計数値を補正する。このようなX線2次元投影データに逆投影処理を施すことで、3次元の断層画像を取得することができる。
<第2の実施の形態であるX線FPD装置の構成例>
次に、図16は、本開示の第2に実施の形態であるX線FPD(Flat Panel Detector)装置の構成例を示している。
このX線FPD装置100は、被検体を挟んでX線照射装置(いずれも不図示)に対向する位置に配置されるものである。X線FPD装置100は、シリコン半導体で形成された光検出部101、柱状結晶のシンチレータ102、および、鉛板等によりX線の入射方向を制限するグリッド103を有する。なお、グリッド103は、必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。
X線FPD装置100には、被検体を透過したX線光子2がシンチレータ102に入射する。なお、第2の実施の形態であるX線FPD装置100のシンチレータ102は、第1の実施の形態のように画素毎には区分けられていない。
従って、X線光子2の入射に応じて発生するシンチレーション光の光子は複数の画素に到達、入射する。なお、シンチレータ102の厚さは、例えば0.6mmとする。照射されるX線の強度は、例えば100keVとする。
光検出部101における1個の画素121のサイズは400μm四方である。1個の画素121には、8行×8列のサブピクセル131によってアレイが形成されている。サブピクセル131のサイズは、例えば40μm四方である。サブピクセル131のアレイが形成されている上層には、AD変換回路を含む検出部141が形成されている下層が積層されている。すなわち、光検出部101の画素121は、第1の実施の形態における画素22と同様に構成される。そして、画素121の出力は、アレイを成す8行×8列のサブピクセル131の出力合計から導出される。
光検出部101は、33000Hzでサンプリングが可能であり、光検出部101に含まれる全ての画素121が同時並列でサンプリングを実行する。
X線FPD装置100においては、エネルギ弁別によるX線計数を用いて、リアルタイムでX線投影画像が動画として生成される。光検出部101にX線光子2が入射した位置は、X線光子2が入射する毎に導出され、下記のような工程を経て、例えば50μmピッチで仮想的に区分けされた仮想画素毎の計数値として、2次元のX線投影データにマッピングされる。
図17は、光検出部101にX線光子2が入射した位置を導出する過程を説明するための図である。
同図は、光検出部101の受光面であり画素121のアレイに対応してXYの2次元座標が記載されている。光検出部101に対して1個のX線光子2が入射し、それに応じてシンチレータ102がシンチレーション光を発生すると、柱状結晶構造によって抑制されながらも、シンチレーション光は面方向に拡散し、入射位置を中心とした直径1.2mm程度の領域151に全体に拡散して、領域151付近の複数の画素121に入射する。
ここで、各画素121に対するシンチレーション光の入射光量は、入射位置に近いほど大きくなり、遠いほど小さくなると考えられる。従って、各画素121の出力もシンチレーション光の入射光量と同様に変化する。図中の各121の濃淡は入射光量を示すものとする。
そこで、入射位置近辺にある画素121の座標をその出力で加重平均し、その重心座標を導出することでX線光子2の入射座標を導出する。例えば、座標(X,Y)の画素出力をW(X,Y)とすると、入射位置の座標(XC,YC)は次式(1)により導出される。
Figure 0006988796
このようにして導出される位置精度は、画素ピッチである400μmよりも高いものとなるので、例えば、各画素121をさらに8×8に分割した50μmピッチの仮想画素を設定し、導出された入射座標を仮想画素に対応させて仮想画素毎の計数値とし、その結果から2次元のX線投影画像を生成する。
なお、各X線光子2の入射位置導出に必要な画素121は、シンチレーション光の拡がりを考慮すると、入射位置直下の画素121を中心に5×5画素程度の範囲でよい。
図18は、X線FPD装置100においてX線計数を行い、2次元のX線投影データに基づいてリアルタイムのX線投影動画像を生成するシーケンスの一例を示している。
ステップS1においては、サブフレームが取得される。ここで、サブフレームとは、光検出部101にアレイ化されている複数の画素121がサンプル毎に出力する画素値を2次元に展開した画像を指す。例えば、サブフレームのサンプルレートが33000Hzである場合、2200枚のサブフレームを用いた計数結果から15fpsのX線投影動画像の1フレームが生成される。
ステップS2においては、サブフレームがスキャンすることにより画素121の出力分布が取得され、複数のピーク(図17における最も濃度が高い座標)の位置が検出される。ステップS3においては、検出されたピークのうちの一つが選択され、選択されたピークを中心とする5×5画素が抽出される。
ステップS4においては、抽出された5×5画素の画素値の合計が規定範囲内であるか否かが判定され、規定範囲内であると判定された場合、エネルギ弁別を行うために、処理はステップS5に進められる。ステップS5において、5×5画素の座標と画素値に基づいて、X線光子2の入射座標が導出され、さらに、導出された入射座標を仮想画素に対応させて仮想画素毎に+1の計数を行う。なお、ステップS4において、5×5画素の画素値の合計が規定範囲内ではないと判定された場合、エラーとしてエネルギ弁別は行われない、すなわち、ステップS5はスキップされる。
ステップS6においては、選択中のピークが現サブフレームにおける最後のピークであるか否か(選択していないピークが残っているか否か)が判定され、最後のピークである(選択していないピークが残っていない)と判定された場合、次のサブフレームを取得するために、処理はステップS1に戻される。反対に、最後のピークではない(選択していないピークが残っている)と判定された場合、次のピークを選択するために、処理はステップS3に戻される。
以上のようにして、各サブフレーム上で検出した各ピークについてエネルギ弁別を用いた計数を実施することにより、1ビットの仮想画素によるサブフレーム画像が構築される。そして、2200回のサンプリング毎に構築された2200枚のサブフレーム画像の対応する仮想画素を全加算することにより、15fpsのX線投影動画像の1フレームが生成される。
いまの場合、X線投影動画像の各フレームの仮想画素の階調は11ビット(≒log22200)となるが、そのダイナミックレンジは、図14を参照して説明した第1の方法、または、図15を参照して説明した第2の方法を適用すれば、大幅に拡大することが可能である。
なお、X線FPD装置100の場合、各画素1とX線投影画像の位置対応が固定されているので、例えば前フレームの結果を用いて露光期間を調整してもよいし、そのような露光期間の調整を画素毎に、または領域ご毎に実施するようにしてもよい。あるいは、放射線量が高い領域はデータを積分処理し、それを用いて計数画像を修正するようにしてもよい。
<まとめ>
以上に説明した第1の実施の形態であるX線CT装置10、および第2の実施の形態であるX線FPD装置100によれば、被検体の被ばく量を増加させることなく、サンプルレートと空間分解能の向上できる。
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
被検体を挟んでX線照射装置と対向して配置され、前記被検体のX線2次元投影データを生成するX線検出装置において、
入射されたX線に対応してシンチレーション光を発生するシンチレータと、
入射された前記シンチレーション光に対応して画素信号を生成する複数の画素を有する検出部と、
前記画素の前記画素信号を用いて前記X線2次元投影データを生成する出力部と
を備え、
前記検出部の前記画素は、
前記シンチレーション光に対応して光電変換を行う複数のサブピクセルと、
前記サブピクセルの出力をAD変換するAD変換部と、
前記AD変換後の前記複数のサブピクセルの出力を合算することにより、前記画素に対応する前記画素信号を生成する合算部とを有する
X線検出装置。
(2)
前記AD変換部は、前記サブピクセルの出力を少なくとも3ビット以上の階調を有する値にAD変換する
前記(1)に記載のX線検出装置。
(3)
前記AD変換部は、2以上の前記サブピクセルによって共有される
前記(1)または(2)に記載のX線検出装置。
(4)
前記サブピクセルは、
前記シンチレーション光に対応して光電変換を行って蓄積する光電変換部と、
前記光電変換部から転送された電荷を保持する保持部と、
前記光電変換部および前記保持部をリセットさせる第1のリセット部とを有する
前記(1)から(3)のいずれかに記載のX線検出装置。
(5)
前記サブピクセルは、さらに、
前記保持部を介することなく前記光電変換部をリセットさせる第2のリセット部を有する
前記(4)のいずれかに記載のX線検出装置。
(6)
前記サブピクセルの前記光電変換部は、前記第1または前記第2のリセット部により完全空乏化される
前記(4)または(5)に記載のX線検出装置。
(7)
前記サブピクセルは、前記光電変換部をリセットさせるタイミングを調整することによって異なる複数の露光期間が設定される
前記(4)から(6)のいずれかに記載のX線検出装置。
(8)
前記出力部は、露光期間が異なる前記サブピクセルの出力に基づく前記画素信号を合成して前記X線2次元投影データを生成する
前記(7)に記載のX線検出装置。
(9)
前記出力部は、前記画素の前記画素信号を用いて、エネルギを弁別したX線計数を行う
前記(1)から(8)のいずれかに記載のX線検出装置。
(10)
前記出力部は、さらに、前記画素毎に複数回のX線照射に対応する出力の積分を行う
前記(1)から(9)のいずれかに記載のX線検出装置。
(11)
前記出力部は、前記画素の前記画素信号を用いて、エネルギを弁別したX線計数を行った結果と、前記画素毎に複数回のX線照射にそれぞれ対応する画素信号の積分を行った結果との一方、または両方の合成を採用して前記X線2次元投影データを生成する
前記(10)に記載のX線検出装置。
(12)
被検体を挟んでX線照射装置と対向して配置され、前記被検体のX線2次元投影データを生成するX線検出装置の検出方法において、
前記X線検出装置は、
入射されたX線に対応してシンチレーション光を発生するシンチレータと、
入射された前記シンチレーション光に対応して画素信号を生成する複数の画素を有する検出部と、
前記画素の前記画素信号を用いて前記X線2次元投影データを生成する出力部と
を備え、
前記画素は、複数のサブピクセルから成り、
前記画素による、
前記複数のサブピクセルが前記シンチレーション光に対応して光電変換を行う光電変換ステップと、
前記サブピクセルの出力をAD変換するAD変換ステップと、
前記AD変換後の前記複数のサブピクセルの出力を合算することにより、前記画素に対応する前記画素信号を生成する合算ステップとを含む
検出方法。
1 被検体, 2 X線光子, 10 X線CT装置, 11 X線照射装置, 12 検出装置, 13 検出パネル, 21 半導体検出部, 22 画素, 27 シンチレータ, 31 サブピクセル, 61 PD, 62 蓄積ノード, 63 転送Tr, 64 検出ノード, 65 増幅Tr, 66 選択Tr, 67 リセットTr, 68 電源配線, 80 リセットTr, 100 X線FPD装置, 101 光検出部, 102 シンチレータ, 121 画素, 131 サブピクセル

Claims (11)

  1. 被検体を挟んでX線照射装置と対向して配置され、前記被検体のX線2次元投影データを生成するX線検出装置において、
    入射されたX線に対応してシンチレーション光を発生するシンチレータと、
    入射された前記シンチレーション光に対応して画素信号を生成する複数の画素を有する検出部と、
    前記画素の前記画素信号を用いて前記X線2次元投影データを生成する出力部と
    を備え、
    前記検出部の前記画素は、
    前記シンチレーション光に対応して光電変換を行う複数のサブピクセルが1画素中にアレイ状に配置され
    前記サブピクセルの出力をAD変換するAD変換部と、
    前記AD変換後の前記1画素を構成する複数のサブピクセルの出力を合算することにより、前記画素に対応する前記画素信号を生成する合算部とを有し、
    前記画素を含む第1のシリコン層と、前記AD変換部と前記合算部を含む第2のシリコン層は、積層されている
    X線検出装置。
  2. 前記AD変換部は、前記サブピクセルの出力を少なくとも3ビット以上の階調を有する値にAD変換する
    請求項1に記載のX線検出装置。
  3. 前記AD変換部は、2以上の前記サブピクセルによって共有される
    請求項2に記載のX線検出装置。
  4. 前記サブピクセルは、
    前記シンチレーション光に対応して光電変換を行って蓄積する光電変換部と、
    前記光電変換部から転送された電荷を保持する保持部と、
    前記光電変換部および前記保持部をリセットさせる第1のリセット部とを有する
    請求項2に記載のX線検出装置。
  5. 前記サブピクセルは、さらに、
    前記保持部を介することなく前記光電変換部をリセットさせる第2のリセット部を有する
    請求項4に記載のX線検出装置。
  6. 前記サブピクセルの前記光電変換部は、前記第1または前記第2のリセット部により完全空乏化される
    請求項5に記載のX線検出装置。
  7. 前記サブピクセルは、前記光電変換部をリセットさせるタイミングを調整することによって異なる複数の露光期間が設定される
    請求項5に記載のX線検出装置。
  8. 前記出力部は、露光期間が異なる前記サブピクセルの出力に基づく前記画素信号を合成して前記X線2次元投影データを生成する
    請求項7に記載のX線検出装置。
  9. 前記出力部は、前記画素の前記画素信号を用いて、エネルギを弁別したX線計数を行う
    請求項2に記載のX線検出装置。
  10. 前記出力部は、さらに、前記画素毎に複数回のX線照射に対応する出力の積分を行う
    請求項2に記載のX線検出装置。
  11. 前記出力部は、前記画素の前記画素信号を用いて、エネルギを弁別したX線計数を行った結果と、前記画素毎に複数回のX線照射にそれぞれ対応する画素信号の積分を行った結果との一方、または両方の合成を採用して前記X線2次元投影データを生成する
    請求項10に記載のX線検出装置。
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