JP6987791B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6987791B2
JP6987791B2 JP2018561362A JP2018561362A JP6987791B2 JP 6987791 B2 JP6987791 B2 JP 6987791B2 JP 2018561362 A JP2018561362 A JP 2018561362A JP 2018561362 A JP2018561362 A JP 2018561362A JP 6987791 B2 JP6987791 B2 JP 6987791B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
epoxy resin
carbon atoms
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018561362A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018131564A1 (ja
Inventor
矩章 福田
良太 針▲崎▼
勝政 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Publication of JPWO2018131564A1 publication Critical patent/JPWO2018131564A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6987791B2 publication Critical patent/JP6987791B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G59/00Polycondensates containing more than one epoxy group per molecule; Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups
    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • C08G59/20Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing characterised by the epoxy compounds used
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G59/00Polycondensates containing more than one epoxy group per molecule; Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups
    • C08G59/18Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing
    • C08G59/68Macromolecules obtained by polymerising compounds containing more than one epoxy group per molecule using curing agents or catalysts which react with the epoxy groups ; e.g. general methods of curing characterised by the catalysts used
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/28Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection
    • H01L23/29Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection characterised by the material, e.g. carbon
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/28Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection
    • H01L23/31Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection characterised by the arrangement or shape

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、その製造方法、及び該組成物の用途等に関する。
エポキシ樹脂は接着剤、電子材料や複合材料など様々な用途で広く用いられている。しかしながら、エポキシ樹脂材料のさらなる高性能化は常に求められており、例えば、製造プロセスの省エネルギー化に伴い、速硬化のエポキシ樹脂材料が必要となっている。また、電子材料分野においては電気特性のさらなる改善が望まれている。
例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂とカチオン重合開始剤を組み合わせることで、速硬化性に優れたエポキシ樹脂組成物が記載されている。特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物において、スルホニウムボレート塩をカチオン重合開始剤として用いることで、硬化性を改善している。しかし、電気特性や耐水性などは未だ十分とはいえない。
国際公開番号2012/042796 英国特許第1123960号公報
そこで、本発明は、速硬化性のみならず、硬化後に優れた電気特性及び耐水性を有するエポキシ樹脂組成物、及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、ケイ素原子を含む特定のエポキシ樹脂と熱カチオン重合開始剤とを含有するエポキシ樹脂組成物が、優れた速硬化性を有し、硬化後に低誘電特性、及び耐水性を有するエポキシ樹脂組成物を得られることを見出した。この知見に基づいてさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
式(1):
Figure 0006987791
(式中、X環は
飽和炭化水素環又は不飽和炭化水素環、あるいは
飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合又は2個連結した構造を有する環であり、
Xa、RXb、RXc、及びRXdは、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、ハロゲン原子、又は式(3):
Figure 0006987791
(式中、Rは同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、これらの基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
は、炭素数1〜18のアルキレン基を示し、この基は、ケイ素原子に直接結合した炭素原子を除く一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
は同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、これらの基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
mは0〜6の整数を示し、
nは0〜3の整数を示す。)で表される基を示し、
但し、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち、少なくとも1つは式(3)で表される基であり、
X環を構成する炭化水素環を構成する炭素原子であって且つRXa、RXb、RXc、及びRXdが結合していない炭素原子に結合した水素原子が、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
で表されるエポキシ樹脂と熱カチオン重合開始剤とを含有するエポキシ樹脂組成物。
項2.
前記飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2個連結した構造を有する環が、
式(2):
Figure 0006987791
(式中、X環及びX環は、同一又は異なって、飽和炭化水素環又は不飽和炭化水素環を示し、Yは、結合手、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、又は−SO−を示す。)で表される環である、項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
項3.
前記飽和炭化水素環が炭素数4〜8の飽和炭化水素環であり、
前記不飽和炭化水素環が炭素数4〜8の不飽和炭化水素環である、
項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
項4.
式(1−iia):
Figure 0006987791
(式中、Xiiは、飽和炭化水素環若しくは不飽和炭化水素環、又は飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合した構造を有する環、から2個の水素原子を除いて得られる2価の基、あるいは式(2−iia):
Figure 0006987791
(式中、Yは、結合手、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、又は−SO−を示す。)で表される2価の基を示し、
は同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、これらの基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
は同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキレン基を示し、この基は、ケイ素原子に直接結合した炭素原子を除く一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
は同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、これらの基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
mは0〜6の整数を示し、
nは0〜3の整数を示す。)
で表されるエポキシ樹脂、並びに
式(1−iiia):
Figure 0006987791
(式中、Xiiiは、飽和炭化水素環若しくは不飽和炭化水素環、又は飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合した構造を有する環、から3個の水素原子を除いて得られる3価の基、又は式(2−iiia):
Figure 0006987791
(式中、Yは、前記に同じ。)で表される3価の基を示し、
、R、R、m、及びnは前記に同じ。)
で表されるエポキシ樹脂
からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂と熱カチオン重合開始剤とを含有する項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
項5.
熱カチオン重合開始剤が、スルホニウム塩、ホウ素化合物、並びにホウ素化合物とルイス塩基との混合物からなる群から選択される少なくとも1種である項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
項6.
エポキシ樹脂100質量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜50質量部を含有する、項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
項7.
項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
項8.
項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物又は項7に記載の硬化物が用いられている半導体封止体、液状封止材、ポッティング材、シール材、層間絶縁膜、接着層、カバーレイフィルム、電磁波シールドフィルム、プリント基板材料又は複合材料。
項9.
半導体封止体、液状封止材、ポッティング材、シール材、層間絶縁膜、接着層、カバーレイフィルム、電磁波シールドフィルム、プリント基板材料又は複合材料の用途に用いられる、項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物、あるいは項7に記載の硬化物。
項10.
半導体封止体、液状封止材、ポッティング材、シール材、層間絶縁膜、接着層、カバーレイフィルム、電磁波シールドフィルム、プリント基板材料又は複合材料を製造するための、項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物、あるいは項7に記載の硬化物の使用。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、特定のエポキシ樹脂及び熱カチオン重合開始剤を含有するため、優れた速硬化性を有し、その硬化物は電気特性(低誘電特性)、及び耐熱性を有している。また、耐水性にも優れる。そのため、本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、半導体封止体、液状封止材、ポッティング材、シール材、層間絶縁膜、接着層、カバーレイフィルム、電磁波シールドフィルム、プリント基板材料、複合材料等の広範な用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の各実施形態について、さらに詳細に説明する。
本発明に包含されるエポキシ樹脂組成物は、式(1):
Figure 0006987791
で表されるエポキシ樹脂、及び熱カチオン重合開始剤を含有する。
式(1)において、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、ハロゲン原子、又は式(3):
Figure 0006987791
で表される基(以下「式(3)の基」ということがある)を示す。なお、以下、低級アルキル基、低級アルコキシ基、及び低級アルケニル基をまとめて、「低級炭素置換基」ということがある。本発明においては、低級炭素置換基の中でも、低級アルキル基又は低級アルコキシ基がより好ましい。
但し、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち、少なくとも1つは式(3)の基である。言い換えれば、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、3つが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基で1つが式(3)の基であるか、2つが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基で2つが式(3)の基であるか、1つが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基で3つが式(3)の基であるか、あるいは全てが式(3)の基である。より具体的には、例えば、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち、(i)RXa、RXb及びRXcが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基でRXdが式(3)の基であるか、(ii)RXa及びRXbが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基でRXc及びRXdが式(3)の基であるか、(iii)RXaが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基でRXb、RXc、及びRXdが式(3)の基であるか、あるいは(iv)RXa、RXb、RXc、及びRXdの全てが式(3)の基であり得る。なお、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち、式(3)の基でないものは、水素原子又は低級炭素置換基であることが、より好ましい。
式(1)において、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、同一又は異なってよく、従って、(i)RXa、RXb及びRXcが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基でRXdが式(3)の基である場合は、RXa、RXb及びRXcが同一又は異なってよく、(ii)RXa及びRXbが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基でRXc及びRXdが式(3)の基である場合は、RXa及びRXbが同一又は異なってよく、RXc及びRXdも同一又は異なってよく、(iii)RXaが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基でRXb、RXc、及びRXdが式(3)の基である場合は、RXb、RXc、及びRXdが同一又は異なってよく、(iv)RXa、RXb、RXc、及びRXdの全てが式(3)の基である場合は、RXa、RXb、RXc、及びRXdが同一又は異なってよい。なお、これらいずれの場合においても、式(3)の基が同一であることが好ましい。
また、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち、2又は3個がハロゲン原子又は低級炭素置換基である場合には、これらのハロゲン原子又は低級炭素置換基も同一又は異なってよい。この場合は、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち、2又は3個が、同一の低級炭素置換基であることがさらに好ましい。
本明細書において、低級炭素置換基とは、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は低級アルケニル基をいう。ここでの低級とは、炭素数1〜6(1、2、3、4、5、又は6)を意味する。低級炭素置換基のうち、好ましくは低級アルキル基又は低級アルコキシ基である。低級アルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が好ましく例示できる。低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等が好ましく例示できる。
また、本明細書において、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であり、好ましくはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子であり、より好ましくはフッ素原子又は臭素原子である。
式(1)において、X環は飽和炭化水素環又は不飽和炭化水素環、あるいは飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合又は2個連結した構造を有する環を表す。本明細書において、飽和炭化水素環としては、例えば炭素数4〜8(4、5、6、7、又は8)の飽和炭化水素環が好ましく、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等が特に好ましい。また、本明細書において、不飽和炭化水素環としては、例えば炭素数4〜8(4、5、6、7、又は8)の不飽和炭化水素環が好ましく、ベンゼン環等が特に好ましい。また、本明細書において、飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合した構造を有する環としては、飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2、3、又は4個縮合した環が好ましく、2又は3個縮合した環がより好ましい。より具体的には、例えば、デカヒドロナフタレン環、アダマンタン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ピレン環、トリフェニレン環、テトラリン環、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロナフタレン環、ノルボルネン環等が挙げられる。
なお、本明細書では、飽和炭化水素環又は不飽和炭化水素環、あるいは飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合した構造を有する環を、まとめて「炭化水素環」と呼ぶことがある。
飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2個連結した構造を有する環としては、式(2):
Figure 0006987791
で表される環が好ましい。
式(2)において、X環及びX環は、同一又は異なって、飽和炭化水素環又は不飽和炭化水素環を示す。すなわち、X環及びX環は、両方とも飽和炭化水素環であるか、両方とも不飽和炭化水素環であるか、一方が飽和炭化水素環でもう一方が不飽和炭化水素環である。X環及びX環が、両方とも飽和炭化水素環であるか、両方とも不飽和炭化水素環であることが好ましい。例えば、X環及びX環は、両方がベンゼン環、両方がシクロヘキサン環、又は一方がベンゼン環でもう一方がシクロヘキサン環、であることが好ましく、両方がベンゼン環であることがより好ましい。
また、Yは、結合手、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、又は−SO−を示す。ここでの炭素数1〜6のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が例示できる。また、置換基である炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が例示できる。好ましい炭素数1〜4のアルキル基で置換された炭素数1〜6のアルキレン基としては、−CH(CH)−、−C(CH−、−CHCH(CH)CH−、−CHC(CHCH−等が例示できる。Yは好ましくは、結合手、酸素原子、メチレン基、ジメチルメチレン基、−S−、−SO−であり、より好ましくは、結合手、ジメチルメチレン基、酸素原子、−SO−である。
式(2)で表わされる環はRXa、RXb、RXc、及びRXdで置換されている。式(1)中のX環が式(2)で表される環であって、RXa〜RXdの3つが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基で1つが式(3)の基である場合、X環及びX環のいずれが式(3)の基で置換されていてもよい。また、この場合、式(2)で表わされる環は0、1、2、又は3つのハロゲン原子又は低級炭素置換基で置換されるところ、ハロゲン原子又は低級炭素置換基の(X環の置換数:X環の置換数)は(1:0)、(0:1)、(2:0)、(1:1)、(0:2)、(3:0)、(2:1)、(1:2)、又は(0:3)であり得る。RXa〜RXdの2つが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基で2つが式(3)の基である場合、X環及びX環のいずれかが2つの式(3)の基で置換されていてもよく、X環及びX環が1つずつ式(3)の基で置換されていてもよく、X環及びX環が1つずつ式(3)の基で置換されていることが好ましい。この場合、式(2)で表わされる環は0、1、又は2つのハロゲン原子又は低級炭素置換基で置換されるところ、ハロゲン原子又は低級炭素置換基の(X環の置換数:X環の置換数)は(1:0)、(0:1)、(2:0)、(1:1)、又は(0:2)であり得る。RXa〜RXdの1つが水素原子若しくはハロゲン原子又は低級炭素置換基で3つが式(3)の基である場合、X環及びX環のいずれかが3つの式(3)の基で置換されていてもよく、X環が2つX環が1つの式(3)の基で置換されていてもよく、X環が1つX環が2つの式(3)の基で置換されていてもよく、X環が2つX環が1つの式(3)の基で置換されている又はX環が1つX環が2つの式(3)の基で置換されていることが好ましい。この場合、式(2)で表わされる環は0又は1つのハロゲン原子又は低級炭素置換基で置換されるところ、ハロゲン原子又は低級炭素置換基の(X環の置換数:X環の置換数)は(1:0)、又は(0:1)であり得る。RXa〜RXdの全てが式(3)の基である場合、X環及びX環のいずれかが4つの式(3)の基で置換されていてもよく、X環が3つX環が1つの式(3)の基で置換されていてもよく、X環が1つX環が3つの式(3)の基で置換されていてもよく、X環が2つX環が2つの式(3)の基で置換されていてもよく、X環が2つX環が2つの式(3)の基で置換されていることが好ましい。
式(1)の一部である基である、式(1’):
Figure 0006987791
(式(1’)中、X環は前記に同じ。)
で示される4価の基として、特に好ましくは以下の式で表される基が挙げられる。すなわち、
Figure 0006987791
又は
Figure 0006987791
又は
Figure 0006987791
(式(2)中、Yは前記に同じ。)
で表される基である。
式(3)において、Rは同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、これらの基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子(好ましくは酸素原子)で置換されていてもよい。当該一部の炭素原子は、ケイ素原子に直接結合していない炭素原子であることが好ましい。また、当該置換されていてもよい一部の炭素原子は、1又は複数(例えば2、3、4、5、又は6)個の炭素原子であり、好ましくは1個の炭素原子である。なお、合成の簡便さの観点等から同一ケイ素原子に結合したRは同一であることが好ましい。また、式(1)において存在する全てのRが同一であることがより好ましい。
で示される炭素数1〜18のアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
で示される炭素数2〜9のアルケニル基としては、直鎖又は分岐鎖状のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のアルケニル基である。
で示されるシクロアルキル基としては、3〜8員環のシクロアルキル基が挙げられ、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
で示されるアリール基としては、単環又は二環のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基である。
で示されるアラルキル基としては、アリール基(特にフェニル基)で置換された炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、例えば、ベンジル基、α−フェネチル基、β−フェネチル基、β−メチルフェネチル基等が挙げられる。
は、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
式(3)において、Rは、炭素数1〜18のアルキレン基を示す。当該アルキレン基は、直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基であり、好ましくは直鎖状のアルキレン基である。例えば、メチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジメチレン基(−CHCH−)、トリメチレン基(−CHCHCH−)、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基等が挙げられる。例えば、炭素数2〜18のアルキレン基、好ましくは炭素数2〜10のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数2〜8のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数2〜5のアルキレン基である。
前記炭素数1〜18のアルキレン基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子(好ましくは酸素原子)で置換されていてもよい。当該一部の炭素原子は、ケイ素原子及び3〜8員環又はエポキシ環のいずれにも直接結合していない炭素原子であることが好ましい。また、当該置換されていてもよい一部の炭素原子は、1又は複数(例えば2、3、4、5、又は6)個の炭素原子であり、好ましくは1個の炭素原子である。
当該基としては、Rのケイ素原子に結合する側を(*)とした場合に、例えば、(*)−炭素数2〜9のアルキレン−O−炭素数1〜8のアルキレン−、好ましくは(*)−炭素数2〜4のアルキレン−O−炭素数1〜3のアルキレン−、より好ましくは(*)−炭素数2〜4のアルキレン−O−炭素数1〜2のアルキレン−、特に好ましくは(*)−炭素数3のアルキレン−O−メチレン−が挙げられる。
具体的には、例えば、(*)−(CH−O−CH−、(*)−(CH−O−CH−、(*)−(CH−O−(CH−、(*)−(CH−O−(CH−などが挙げられ、これらの中でも(*)−(CH−O−CH−が好ましい。
式(3)において、mは0〜6の整数(すなわち0、1、2、3、4、5、又は6)を示す。また、nは0〜3の整数(すなわち、0、1、2、又は3)を示す。ここで、式(3)のRが結合している基(ケイ素原子に結合していない側)を式(4)で示す(以下、「式(4)の基」ということがある)と、以下のようになる。
Figure 0006987791
式(4)の基について、mが1〜6の整数である場合を具体的に構造式で記載すると、
m=1の場合は
Figure 0006987791
m=2の場合は
Figure 0006987791
m=3の場合は
Figure 0006987791
m=4の場合は
Figure 0006987791
m=5の場合は
Figure 0006987791
m=6の場合は
Figure 0006987791
と示される。
式(4)の基は、mが0の場合には、エポキシ環のみが残り、nが0〜3の整数であるため、以下のいずれかの基を示す。
Figure 0006987791
式(3)において、R及びRは、3〜8員環又はエポキシ環に結合する。なお、nは3〜8員環又はエポキシ環に結合するRの数を示している。
式(3)において、Rは同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、これらの基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよい。当該一部の炭素原子は、3〜8員環又はエポキシ環に直接結合していない炭素原子であることが好ましい。また、当該置換されていてもよい一部の炭素原子は、1又は複数(例えば2、3、4、5、又は6)個の炭素原子であり得、好ましくは1個の炭素原子である。
で示される炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基はそれぞれ、上記Rで示される対応する置換基と同様のものが挙げられる。
として、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
中でも好ましい式(3)の基の例として、R、R、R、m、及びnは前記に同じであって、且つ、Rが全て同一であり、Rが(複数存在 する場合には)全て同一である基が挙げられる。当該基は、式(1)で表されるエポキシ樹脂には1、2、3又は4存在し、それぞれの基が同一又は異なってよく、同一であることが好ましい。
また式(4)の基として、特に好ましい具体例としては、Rは前記に同じであり、mが0、1、2、3又は4を示し、nが0、1又は2を示す基が挙げられ、なかでもより好ましくは、以下の基(いずれもRは前記に同じ)が挙げられる。
Figure 0006987791
式(4)の基は、式(1)で表されるエポキシ樹脂には1,2、3又は4存在するが、それぞれの基が同一又は異なってよく、同一であることが好ましい。
また、X環を構成する炭化水素環を構成する炭素原子であって且つRXa、RXb、RXc、及びRXdが結合していない炭素原子に結合した水素原子は、低級炭素置換基又はハロゲン原子(好ましくは低級炭素置換基)で置換されていてもよい。つまり、X環が飽和炭化水素環又は不飽和炭化水素環、あるいは飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合した構造を有する環である場合は、これらの環を構成する炭素原子であって且つRXa、RXb、RXc、及びRXdが結合していない炭素原子に結合した水素原子は、低級炭素置換基又はハロゲン原子(好ましくは低級炭素置換基)で置換されていてもよく、またX環が飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2個連結した構造を有する環である場合は、これら連結された飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環を構成する炭素原子であって且つRXa、RXb、RXc、及びRXdが結合していない炭素原子に結合した水素原子は、低級炭素置換基又はハロゲン原子(好ましくは低級炭素置換基)で置換されていてもよい。なお、X環が式(2)で表される環である場合をより具体的に説明すると、X環及びX環を構成する炭素原子であって且つRXa、RXb、RXc、及びRXdが結合していない炭素原子に結合した水素原子は、低級炭素置換基又はハロゲン原子(好ましくは低級炭素置換基)で置換されていてもよい、といえる。
本明細書においては、X環を構成する炭化水素環を構成する炭素原子であって且つRXa、RXb、RXc、及びRXdが結合していない炭素原子を「RXa−d非結合炭素原子」ということがある。
Xa−d非結合炭素原子に結合した水素原子が置換されていてもよい低級炭素置換基又はハロゲン原子は、1つのRXa−d非結合炭素原子に1つだけ結合することが好ましい。つまり、RXa−d非結合炭素原子に結合した水素原子が置換される場合においては、RXa−d非結合炭素原子に結合した水素原子のうち1つの水素原子だけが低級炭素置換基又はハロゲン原子で置換されることが好ましい。また、当該置換の数(すなわち低級炭素置換基及びハロゲン原子の合計)は、RXa−d非結合炭素原子の数より少ないことが好ましい。当該置換の数は、より具体的には1〜6(1、2、3、4、5、又は6)が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。また、特にX環が式(2)で表される環である場合には、置換される水素原子はYが結合していない炭素原子に結合した水素原子であることが好ましい。
Xa、RXb、RXc、及びRXdのうち少なくとも1つが低級炭素置換基であって、且つRXa−d非結合炭素原子に低級炭素置換基が少なくとも1つ結合する場合、全ての低級炭素置換基が同一であることが好ましい。つまり、RXa、RXb、RXc、及びRXd中に低級炭素置換基が存在し、且つRXa−d非結合炭素原子に結合する低級炭素置換基が存在する場合、全ての低級炭素置換基が同一であることが好ましい。また、特に制限はされないが、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち少なくとも1つがハロゲン原子であって、且つRXa−d非結合炭素原子にハロゲン原子が少なくとも1つ結合する場合、全てのハロゲン原子が同一であることが好ましい。つまり、RXa、RXb、RXc、及びRXd中にハロゲン原子が存在し、且つRXa−d非結合炭素原子に結合するハロゲン原子が存在する場合、全てのハロゲン原子が同一であることが好ましい。
さらに具体的に説明すると、例えば、上記式(1’)で表される4価の基が
Figure 0006987791
である場合、式(1)で表されるエポキシ樹脂として、式(1−X1)
Figure 0006987791
(式(1−X1)中、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、前記に同じであり、RXg1及びRXg2は、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は低級アルケニル基を示す。)で表されるエポキシ樹脂を好ましく例示できる。式(1−X1)において、RXa、RXb、RXc、RXd、RXg1及びRXg2が、それぞれ、ベンゼン環上の異なる炭素原子に結合していることがより好ましい。式(1−X1)で表されるエポキシ樹脂の中でも、RXg1及びRXg2が水素原子であるものが好ましい。
式(1−X1)で表されるエポキシ樹脂の中でも、さらに好ましいものとして式(1−X1a):
Figure 0006987791
(式(1−X1a)中、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、前記に同じであり、RXg1及びRXg2は、前記に同じ。)で表されるエポキシ樹脂や、式(1−X1b):
Figure 0006987791
(式(1−X1b)中、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、前記に同じであり、RXg1及びRXg2は、前記に同じ。)で表されるエポキシ樹脂が、例示できる。
式(1−X1a)で表されるエポキシ樹脂の中でも、例えば、RXa及びRXbが水素原子でRXc及びRXdが式(3)の基であり、RXg1及びRXg2が水素原子である場合や、RXa及びRXcが水素原子でRXb及びRXdが式(3)の基であり、RXg1及びRXg2が水素原子である場合がより好ましい。
また、式(1−X1b)で表されるエポキシ樹脂の中でも、例えば、RXaが水素原子でRXb、RXc及びRXdが式(3)の基であり、RXg1及びRXg2が水素原子である場合がより好ましい。
また、上記式(1’)で表される4価の基が
Figure 0006987791
(式(2)中、Yは前記に同じ。)
で表される基である場合、式(1)で表されるエポキシ樹脂として、式(1−X2)
Figure 0006987791
(式(1−X2)中、Yは前記に同じであり、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、前記に同じであり、RX11、RX12、及びRX13並びにRX21、RX22、及びRX23は、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は低級アルケニル基を示す。)で表されるエポキシ樹脂も好ましく例示できる。式(1−X2)において、RXa、RXc、RX11、RX12、及びRX13が、それぞれ異なる炭素原子に結合していることがより好ましく、また、RXb、RXd、RX21、RX22、及びRX23が、それぞれ異なる炭素原子に結合していることがより好ましい。また、RXa、RXb、RXc、RXd、RX11、RX12、RX13、RX21、RX22、及びRX23は、いずれもYが結合した炭素原子には結合しない。
式(1−X2)で表されるエポキシ樹脂の中でも、さらに好ましいものとして式(1−X2a):
Figure 0006987791
(式(1−X2a)中、Yは前記に同じであり、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、前記に同じであり、RX11、RX12、及びRX13並びにRX21、RX22、及びRX23は、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は低級アルケニル基を示す。)で表されるエポキシ樹脂や、式(1−X2b):
Figure 0006987791
(式(1−X2b)中、Yは前記に同じであり、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、前記に同じであり、RX11、RX12、及びRX13並びにRX21、RX22、及びRX23は、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は低級アルケニル基を示す。)で表されるエポキシ樹脂や、式(1−X2c):
Figure 0006987791
(式(1−X2c)中、Yは前記に同じであり、RXa、RXb、RXc、及びRXdは、前記に同じであり、RX11、RX12、及びRX13並びにRX21、RX22、及びRX23は、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は低級アルケニル基を示す。)で表されるエポキシ樹脂が、例示出来る。
式(1−X2a)で表されるエポキシ樹脂の中でも、例えば、RXa、RXb、RXc、及びRXdが式(3)の基であり、RX11及びRX21が低級炭素置換基であり、RX12、RX13、RX22、及びRX23が水素原子である場合が好ましい。中でも、Yが炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基(特に−C(CH−)であり、RXa、RXb、RXc、及びRXdが式(3)の基であり、RX11及びRX21が低級アルコキシ基であり、RX12、RX13、RX22、及びRX23が水素原子である場合が特に好ましい。これらの場合において、RXa、RXb、RXc、及びRXdの式(3)の基が全て同一であり、RX11及びRX21の低級炭素置換基が同一である場合が、より好ましい。
また、式(1−X2b)で表されるエポキシ樹脂の中でも、例えば、RXa及びRXbが水素原子でRXc及びRXdが式(3)の基であり、RX11、RX12、RX13、RX21、RX22、及びRX23は水素原子の場合が好ましい。この場合において、RXc及びRXdの式(3)の基が同一である場合が、より好ましい。
また、式(1−X2c)で表されるエポキシ樹脂の中でも、例えば、RXaが水素原子でRXb、RXc及びRXdが式(3)の基であり、RX11、RX12、RX13、RX21、RX22、及びRX23は水素原子の場合が好ましい。この場合において、RXb、RXc及びRXdの式(3)の基が同一である場合が、より好ましい。
本明細書において、式(1)におけるX環、RXa、RXb、RXc、及びRXd、並びに式(3)の基におけるR、R、R、m、及びnに関する説明は、式(4)の基についての説明も含め、いずれも任意に組み合わせることができ、その組み合わせにより示されるいずれのエポキシ樹脂も本発明に用いることができる。
式(1)において、(iia)RXa−d非結合炭素原子に結合した水素原子が置換されておらず、且つ、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち、RXa及びRXbが水素原子でRXc及びRXdが式(3)の基であるか、(iiia)RXa−d非結合炭素原子に結合した水素原子が置換されておらず、且つ、RXa、RXb、RXc、及びRXdのうち、RXaが水素原子でRXb、RXc、及びRXdが式(3)の基であるか、あるいは(iva)RXa−d非結合炭素原子に結合した水素原子が置換されておらず、且つ、RXa、RXb、RXc、及びRXdの全てが式(3)の基であり得る。
(iia)の場合、式(1)で示されるエポキシ樹脂は、次の式(1−iia):
Figure 0006987791
〔式中、Xiiは、炭化水素環から2個の水素原子を除いて得られる2価の基、又は式(2−iia):
Figure 0006987791
(式中、Yは、前記に同じ。)で表される2価の基を示し、
、R、R、m、及びnは前記に同じ。〕
で表されるエポキシ樹脂を好ましく包含する。なお、R、R、R、m、及びnは、いずれも、それぞれ同一又は異なっていてよく、同一であることが好ましい。
iiで示される2価の基として、好ましくはシクロヘキサン−1,4−ジイル基、1,4−フェニレン基が挙げられ、より好ましくは1,4−フェニレン基である。
式(2−iia)で表される2価の基のうち好ましくは、式(2−iia’):
Figure 0006987791
(式中、Yは前記に同じ。)
で表される基である。
式(2−iia’)において、Yが結合手、ジメチルメチレン基、酸素原子、又は−SO−である基が特に好ましい。
iiとして、中でも好ましくはシクロヘキサン−1,4−ジイル基、1,4−フェニレン基、式(2−iia’)が挙げられ、より好ましくは1,4−フェニレン基である。
例えば、式(1−iia)において、mは同一で0、1、2、3、又は4(特に好ましくは、mは同一で0又は4)、nは同一で0(すなわち、Rにより環は置換されていない)を、Xiiは炭化水素環(特に好ましくはベンゼン環)から2個の水素原子を除いて得られる2価の基を、Rは同一で炭素数1〜3のアルキル基を、Rは同一でケイ素原子及び3〜6員環又はエポキシ環のいずれにも直接結合していない1個の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい炭素数2〜6のアルキレン基を、それぞれ示すことで表されるエポキシ樹脂を、より好ましく本発明に用いることができる。
(iiia)の場合、式(1)で示されるエポキシ樹脂は、次の式(1−iiia):
Figure 0006987791
〔式中、Xiiiは、炭化水素環から3個の水素原子を除いて得られる3価の基、又は式(2−iiia):
Figure 0006987791
(式中、Yは、前記に同じ。)で表される3価の基を示し、R、R、R、m、及びnは前記に同じ。〕
で表されるエポキシ樹脂を好ましく包含する。なお、R、R、R、m、及びnは、いずれも、それぞれ同一又は異なっていてよく、同一であることが好ましい。
iiiで示される3価の基として、好ましくは以下の基:
Figure 0006987791
が挙げられる。
式(2−iiia)で表される3価の基のうち好ましくは、式(2−iiia’)
Figure 0006987791
(式中、Yは前記に同じ。)
で表される基である。
式(2−iiia’)において、Yが結合手、ジメチルメチレン基、酸素原子、又は−SO−である基が特に好ましい。
例えば、式(1−iiia)において、mは同一で0、1、2、3、又は4(特に好ましくは、mは同一で0又は4)、nは同一で0(すなわち、Rにより環は置換されていない)を、Xiiiは炭化水素環(特に好ましくはベンゼン環)から3個の水素原子を除いて得られる3価の基を、Rは同一で炭素数1〜3のアルキル基を、Rは同一でケイ素原子及び3〜6員環又はエポキシ環のいずれにも直接結合していない1個の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい炭素数2〜6のアルキレン基を、それぞれ示すことで表されるエポキシ樹脂を、より好ましく本発明に用いることができる。
(iva)の場合、式(1)で示されるエポキシ樹脂は、次の式(1−iva):
Figure 0006987791
〔式中、Xivは、前記(1’)で示される4価の基であって、且つX環においてRXa−d非結合炭素原子に結合した水素原子が置換されていない基を示し、R、R、R、m、及びnは前記に同じ。〕
で表されるエポキシ樹脂を包含する。なお、R、R、R、m、及びnは、いずれも、それぞれ同一又は異なっていてよく、同一であることが好ましい。
ivで示される4価の基として、好ましくは以下の基:
Figure 0006987791
が挙げられる。
ivで示される4価の基として、式(2)で表される4価の基であってRXa−d非結合炭素原子に結合した水素原子が置換されていない基のうち、好ましくは、式(2−iva’):
Figure 0006987791
(式中、Yは前記に同じ。)
で表される基が挙げられる。
式(2−iva’)において、Yが結合手、ジメチルメチレン基、酸素原子、又は−SO−である基が特に好ましい。
例えば、式(1−iva)において、mは同一で0、1、2、3、又は4(特に好ましくは、mは同一で0又は4)、nは同一で0(すなわち、Rにより環は置換されていない)を、Xivは炭化水素環(特に好ましくはベンゼン環)から4個の水素原子を除いて得られる4価の基を、Rは同一で炭素数1〜3のアルキル基を、Rは同一でケイ素原子及び3〜6員環又はエポキシ環のいずれにも直接結合していない1個の炭素原子が酸素原子で置換されていてもよい炭素数2〜6のアルキレン基を、それぞれ示すことで表されるエポキシ樹脂を、より好ましく本発明に用いることができる。
式(1)で表されるエポキシ樹脂のうち、さらに好ましいものとして、具体的には、例えば、式(1−IIa):
Figure 0006987791
(式中、R、R、及びXiiは前記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。
式(1−IIa)で表される化合物の中でも、Xiiが、1,4−フェニレン基又は式(2−iia’)で表される基(好ましくは1,4−フェニレン基)であり、Rが同一又は異なって(好ましくは同一で)炭素数1〜3のアルキル基(特にメチル基)であり、Rが同一又は異なって(好ましくは同一で)炭素数2〜6のアルキレン基、(*)−(CH−O−CH−、(*)−(CH−O−CH−、(*)−(CH−O−(CH−、又は(*)−(CH−O−(CH−である化合物が好ましい。なお、上記同様、(*)はRのケイ素原子に結合する側を示す。
上記式(1−IIa)で表されるエポキシ樹脂のうち、さらに好ましいものとして、式(1−IIa1):
Figure 0006987791
(式中、R及びXiiは前記に同じ。)
又は式(1−IIa2):
Figure 0006987791
(式中、R及びXiiは前記に同じ。)
で表されるエポキシ樹脂が例示できる。なお、Rは同一又は異なっていてよく、同一であることが好ましい。
式(1−IIa1)又は(1−IIa2)において、Rは、同一又は異なって(好ましくは同一で)炭素数1〜3のアルキル基(特にメチル基)であり、Xiiは、1,4−フェニレン基又は式(2−iia’)で表される基であるものがより好ましい。
また、式(1)で表されるエポキシ樹脂のうち、より好ましいものとして、例えば、式(1−IIb):
Figure 0006987791
(式中、R、R、R、Xii、及びnは前記に同じ。)
で表されるエポキシ樹脂を挙げることもできる。なお、R、R、R、及びnは、いずれも、それぞれ同一又は異なっていてよく、同一であることが好ましい。
式(1−IIb)において、Xiiが1,4−フェニレン基又は式(2−iia’)で表される基(好ましくは1,4−フェニレン基)であり、Rが同一又は異なって(好ましくは同一で)炭素数1〜3のアルキル基(特にメチル基)であり、nが共に0(すなわち環はRで置換されていない)であり、Rが同一又は異なって(好ましくは同一で)炭素数2〜6のアルキレン基(好ましくはジメチレン基:−(CH−)であるものがより好ましい。
また、式(1)で表されるエポキシ樹脂のうち、より好ましいものとして、さらに例えば、式(1−IIIa):
Figure 0006987791
(式中、R、R、R、Xiii、及びnは前記に同じ。)
で表されるエポキシ樹脂を挙げることもできる。なお、R、R、R、及びnは、いずれも、それぞれ同一又は異なっていてよく、同一であることが好ましい。
式(1−IIIa)において、Xiii
Figure 0006987791
若しくは
Figure 0006987791
又は式(2−iiia’)で表される基であり、Rが同一又は異なって(好ましくは同一で)炭素数1〜3のアルキル基(特にメチル基)であり、nが共に0(すなわち環はRで置換されていない)であり、Rが同一又は異なって(好ましくは同一で)炭素数2〜6のアルキレン基(好ましくはジメチレン基:−(CH−)であるものがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、式(1)で表されるエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
式(1)で表されるエポキシ樹脂は、公知の方法に基づいて又は準じて、例えば特許文献2(英国特許第1123960号公報)等の記載に基づいて又は準じて、製造することができる。また例えば、次の反応式で表される反応により式(1−iia)で示されるエポキシ樹脂を製造することができる。
Figure 0006987791
(式中、R2Aは、炭素数2〜18のアルケニル基であり、この基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよい。R、R、R、及びXiiは前記に同じ。)
2Aで示される炭素数2〜18のアルケニル基としては、直鎖又は分岐鎖状のアルケニル基であり、直鎖状が好ましい。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノルボルネニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、より好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、さらに好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、特に好ましくはビニル基、アリル基又はブテニル基である。なお、当該アルケニル基は、α−アルケニル基であることが好ましい。
これらの炭素数2〜18のアルケニル基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子(好ましくは酸素原子)で置換されていてもよい。当該一部の炭素原子は、エポキシ環に直接結合していない炭素原子であることが好ましい。また、当該置換されてもよい一部の炭素原子は、1又は複数(例えば2、3、4、5、又は6)個の炭素原子であり、好ましくは1個の炭素原子である。当該基としては、例えば、炭素数2〜9アルケニル−O−炭素数1〜8アルキレン−、好ましくは炭素数2〜4アルケニル−O−炭素数1〜3アルキレン−、より好ましくは炭素数2〜4アルケニル−O−炭素数1〜2アルキレン−、特に好ましくは炭素数3アルケニル−O−CH−が挙げられる。具体的には、例えば、CH=CH−O−CH−、CH=CH−CH−O−CH−、CH=CH−CH−O−(CH−、CH=CH−(CH−O−(CH−などが挙げられ、これらの中でもCH=CH−CH−O−CH−(アリルオキシメチル基)が好ましい。
式(1−iia)で表されるエポキシ樹脂は、式(5−iia)で表される化合物と式(6)で表される化合物をヒドロシリル化反応させて製造することができる。ヒドロシリル化反応は、通常、触媒の存在下、溶媒の存在下又は非存在下で実施することができる。また、式(5−iia)で表される化合物にかえて、式(5−iiia):
Figure 0006987791
(式中、R及びXiiiは前記に同じ。)
又は式(5−iva):
Figure 0006987791
(式中、R及びXiiiは前記に同じ。)
又は式(5−ia):
Figure 0006987791
(式中、Xは炭化水素環から1個の水素原子を除いて得られる1価の基を示し、Rは前記に同じ。)
で表される化合物を用いることにより、上記式(1−iiia)又は(1−iva)で表されるエポキシ樹脂や1個の式(3)の基が炭化水素環に結合した構造を有するエポキシ樹脂を製造することもできる。また、これらの化合物の構造において、X〜Xivが、それぞれ、X環から1個の水素原子を除いて得られる1価の基、X環から2個の水素原子を除いて得られる2価の基、X環から3個の水素原子を除いて得られる3価の基、又はX環から4個の水素原子を除いて得られる4価の基、に置換された構造の化合物を用いることで、式(1)で示される種々の化合物を製造することができる。
ヒドロシリル化反応に用いられる触媒は、公知の触媒でよく、例えば、白金カーボン、塩化白金酸、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体等の白金系触媒;トリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒;ビス(シクロオクタジエニル)ジクロロイリジウム等のイリジウム系触媒が挙げられる。上記の触媒は溶媒和物(例えば、水和物、アルコール和物等)の形態であってもよく、また使用にあたり触媒をアルコール(例えば、エタノール等)に溶解して溶液の形態で用いることもできる。なお触媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
触媒の使用量は、触媒としての有効量でよく、例えば、上記式(5−ia)、(5−iia)、(5−iiia)、又は(5−iva)で表される化合物と式(6)で表される化合物との合計量100質量部に対して 0.00001〜20質量部、好ましくは0.0005〜5質量部である。
前記ヒドロシリル化反応は溶媒を用いなくても進行するが、溶媒を用いることにより穏和な条件で反応を行うことができる。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
式(6)で表される化合物の使用量は、例えば、式(5−ia)、(5−iia)、(5−iiia)、又は(5−iva)で表される化合物中のSi−H基1モルに対して、通常、0.5〜2モル、好ましくは0.6〜1.5モル、より好ましくは0.8〜1.2モルである。
反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは10℃〜120℃であり、反応時間は、通常1時間〜24時間程度である。
反応終了後、反応液から溶媒を留去するなど、公知の単離手法を用いることにより、式(1)で表されるエポキシ樹脂を得ることができる。
熱カチオン重合開始剤とは、熱によりカチオン重合性化合物をカチオン重合させることができる酸種を発生させるものである。本発明に用いる熱カチオン重合開始剤としては、エポキシ樹脂の熱カチオン重合開始剤として使用されている公知のものを適宜選択して使用することができる。例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ホウ素化合物、フェロセン類、ルイス酸、ホウ素化合物とルイス塩基との混合物、等を用いることができる。熱カチオン重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、ホウ素化合物としては、WO2012/060449に開示されるルイス酸を好ましく用いることができる。また例えば、ホウ素化合物とルイス塩基との混合物として、WO2012/060449に開示される、ルイス酸(ホウ素化合物)及びルイス塩基とからなるカチオン硬化触媒を用いることができる。ルイス塩基としては例えばアミン化合物、ホスフィン化合物、スルフィド化合物等を用いることができ、なかでもアミン化合物を好ましく用いることができる。また例えば、ホウ素化合物とアミン化合物との混合物として、WO2012/060449に開示されるルイス酸と、下述するアミン化合物とからなる混合物も用いることができる。WO2012/060449の明細書および/または図面に記載される内容は参照により本明細書に組み込まれる。
熱カチオン重合開始剤は市販品を購入して用いることもできる。熱カチオン重合開始剤の市販品としては、ADEKA社製CP−66、CP−77、日本曹達社製CI−2855、CI−2639、三新化学工業社製サンエイドSI−60、SI−60L、SI−80、SI−80L、SI−100、SI−100L、日本触媒社製の芳香族フッ素系酸発生剤TPB、TEPBDおよびFX−TP−BC−PCシリーズ等が好ましく例示できる。
これらの中でも、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化物の耐水性や低誘電特性の観点から、特に、スルホニウム塩、ホウ素化合物、又はホウ素化合物とルイス塩基との混合物を用いることが好ましく、スルホニウム塩、又はホウ素化合物とアミン化合物との混合物を用いることがより好ましい。
スルホニウム塩としては、下記式:
Figure 0006987791
(式中、Rは水素原子、ハロゲン、又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、R5a及びR5bは、同一又は異なって、炭素数1〜12のアルキル基、ベンジル基、ハロゲノベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、メトキシベンジル基、クロロベンジル基、ジクロロベンジル基、トリクロロベンジル基、ニトロベンジル基、ジニトロベンジル基、トリニトロベンジル基、ナフチルメチル基(α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基)、ビニルベンジル基、又はシンナミル基を示し、
は、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、又は−O−Rを示し、Rはメチル基、アセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンゾイル基、フェノキシカルボニル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、又はトリフルオロアセチル基を示し、
Zは、PF、SbF、ハロゲン原子(例えばF、Cl、Br)、(CB、(CP、(CP、又は(CPを示す。なお、Zが(CBを示す場合のZはテトラキスペンタフルオロフェニルボレートを示す。)
で表されるスルホニウム塩が好ましい。当該式における炭素数1〜12(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12)のアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。また、直鎖又は分岐鎖状アルキル基であってよい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
また、例えば、Rが水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5aが炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基、ハロゲノベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、メトキシベンジル基、クロロベンジル基、ジクロロベンジル基、トリクロロベンジル基、ニトロベンジル基、ジニトロベンジル基、トリニトロベンジル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、ビニルベンジル基、又はシンナミル基を示し、R5bが炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又はナフチルメチル基を示し、Rが水素原子、ヒドロキシル基、又は−O−Rを示し、Rはメチル基、又はアセチル基を示すことがより好ましい。
当該式で表されるスルホニウム塩で、市販されているものとしては、三新化学工業社製サンエイドSI−60、SI−60L、SI−80、SI−80L、SI−100、SI−100Lなどが例示される。
またさらに、スルホニウム塩として、例えば下記式:
Figure 0006987791
(式中、Zは前記に同じ。)
又は
Figure 0006987791
(式中、Zは前記に同じ。)
で表される化合物も好ましく用いることができる。
また、ホウ素化合物(ホウ素化合物とルイス塩基との混合物のホウ素化合物も含む)としては、下記式:
Figure 0006987791
(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有してもよい炭化水素基を表す。hは1〜5の整数であり、同一又は異なって、芳香環に結合しているフッ素原子の数を表す。jは1以上の整数であり、kは0以上の整数であり、j+k=3を満たす。)で表される化合物が好ましく例示される。
ここでの炭化水素基は、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基は、全体として炭素原子が1〜20でありれば限定されないが、アルキル基、アリール基、アルケニル基であることが好ましい。当該アルキル基、アリール基、アルケニル基は、無置換の基であっても、水素原子の1または2以上が他の有機基又はハロゲン原子によって置換された基であっても良い。この場合の他の有機基としては、アルキル基(Rで表される炭化水素基がアルキル基である場合には、置換後の炭化水素基は全体として無置換のアルキル基に該当する。)、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
上記式におけるhは1、2、3、4、又は5であり、同一又は異なって、芳香環に結合しているフッ素原子の数を表す。芳香環におけるフッ素原子の結合位置は特に限定されない。hとして好ましくは2〜5であり、より好ましくは3〜5であり、最も好ましくは5である。
また、jは1以上の整数であり、kは0以上の整数であり、j+k=3を満たす。すなわち、上記ルイス酸は、フッ素原子が結合した芳香環が少なくとも1つ、ホウ素原子に結合したものである。jはより好ましくは2以上であり、さらに好ましくは3、すなわち、フッ素原子が結合した芳香環がホウ素原子に3つ結合している形態である。
当該ホウ素化合物のうち、具体的なホウ素化合物としては、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPB)、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルボラン、ペンタフルオロフェニル−ジフェニルボラン、トリス(4−フルオロフェニル)ボラン等が挙げられ、中でもTPBが好ましい。
ホウ素化合物とルイス塩基との混合物としては、ホウ素化合物とアミン化合物との混合物が好ましく、当該混合物としては、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとピペリジン等のアミン化合物との混合物が好ましい。また、例えば、WO2012/036164に記載のホウ素化合物及びアミン化合物混合物を好ましく用いることができる。WO2012/036164の明細書および/または図面に記載される内容は参照により本明細書に組み込まれる。
当該混合物に含まれるホウ素化合物としては、例えば上述したホウ素化合物を好ましく用いることができ、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが特に好ましい。また、当該混合物に含まれるアミン化合物としては、ピペリジン等の他、WO2012/036164に記載される、次の各項に記載される化合物が好ましく例示される。なお、炭素数1〜6は炭素数1、2、3、4、5又は6を示し、炭素数1〜20は炭素数1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20を示し、炭素数3〜10は炭素数3、4、5、6、7、8、9又は10を示し、炭素数6〜14は炭素数6、7、8、9、10、11、12、13又は14を示す。
項1n.
下記式で表されるピペリジン構造を有するアミン化合物。
Figure 0006987791
[式中、R1N〜R5Nは、同一又は異なって水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す]
項2n.
上記アミン化合物が下記式で表されるピペリジン構造を有する項1nに記載のアミン化合物。
Figure 0006987791
[式中、R1N〜R5Nは上記と同義を示し;Xは、−O−基、−(C=O)−基、−NR7N−基(R7Nは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す)、−O(C=O)−基、−(C=O)O−基、−NH(C=O)−基または−(C=O)NH−基を示す]項3n.
上記アミン化合物が、下記式で表されるものである項1nに記載のアミン化合物。
Figure 0006987791
[式中、
1N〜R5Nは上記と同義を示し;
とZは、同一又は異なって、−O−基、−(C=O)−基、−NR7N−基(R7Nは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す)、−O(C=O)−基、−(C=O)O−基、−NH(C=O)−基または−(C=O)NH−基を示し;
は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示し;
6Nは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または上記ピペリジン構造を示し;
炭素数1〜20のアルキレン基が有していてもよい置換基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基および置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基からなる群より選択される1以上を示し;
炭素数6〜14のアリール基が有していてもよい置換基は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基および炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群より選択される1以上を示す]
項4n.
上記アミン化合物が、下記式で表されるものである項1nに記載のアミン化合物。
Figure 0006987791
[式中、R8N〜R11Nのうち少なくとも1(すなわち1、2、3又は4)は上記ピペリジン構造を示し、残りは炭素数1〜20のアルキル基を示す]
項5n.
上記アミン化合物がポリマーである項1nに記載のアミン化合物。
項6n.
上記アミン化合物が、下記式で表されるものである項1nに記載のアミン化合物。
Figure 0006987791
[式中、R1N〜R5Nは上記と同義を示す]
中でも好ましい具体的なアミン化合物の例を構造式で次に示す。例えば、上記項3nに記載のアミン化合物の好ましい例として、次の化合物が挙げられる。
Figure 0006987791
また、上記項4nに記載のアミン化合物の好ましい例として、次の化合物が挙げられる。
Figure 0006987791
また、上記項5nに記載のアミン化合物の好ましい例として、次の化合物が挙げられる。
Figure 0006987791
また、上記項6nに記載のアミン化合物の好ましい例として、次の化合物が挙げられる。
Figure 0006987791
これらの中でも特に好ましいアミン化合物として、次の表1に記載のアミン化合物が挙げられる。
Figure 0006987791
ホウ素化合物とアミン化合物との混合物としては、市販品を用いることもできる。例えば、日本触媒社製のFX−TP−BC−PCシリーズを用いることができる。
より具体的な好ましい熱カチオン重合開始剤の例としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(TPB)、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルボラン、ペンタフルオロフェニル−ジフェニルボラン、トリス(4−フルオロフェニル)ボラン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩、上述のスルホニウム塩、上述のホウ素化合物と上記アミン化合物との混合物、等が挙げられる。
本発明で用いられる熱カチオン重合開始剤の配合割合は本発明の効果を発揮できる範囲であれば特に制限はされない。例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、下限は0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がさらに好ましく、0.5質量部以上がよりさらに好ましく、1質量部以上が特に好ましい。また、上限は、30質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく、5質量部以下がよりさらに好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の硬化を損なわない範囲において、前記式(1)で表されるエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含有していてもよい。該エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(1)で表されるエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を配合する場合、式(1)で表されるエポキシ樹脂と、式(1)で表されるエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂との配合比率は、質量比で、例えば100:0〜20:80であり、好ましくは100:0〜30:70であり、より好ましくは100:0〜40:60である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の目的や効果を損なわない範囲で、必要に応じてフィラー、硬化剤、硬化触媒、熱可塑性樹脂、添加剤などを含有してもよい。
前記フィラーとしては、例えば、シリカ(より具体的には結晶性シリカ、溶融シリカ、球状溶融シリカ等)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミニウム、酸化インジウム、アルミナ、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、スズドープ酸化インジウム(ITO)などの無機化合物が挙げられる。また、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、亜鉛、ステンレスなどの金属が挙げられる。また、モンモリロナイト、タルク、マイカ、ベーマイト、カオリン、スメクタイト、ゾノライト、バーキュライト、セリサイトなどの鉱物が挙げられる。その他のフィラーとしては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどの炭素化合物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物;ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスバルーンなどの各種ガラスなどを挙げることができる。また、フィラーは粉体をそのまま使用してもよく、樹脂中に分散させたものを用いてもよい。前記フィラーとしては、組成物及び硬化物において必要とされる流動性、耐熱性、低熱膨張性、機械特性、硬度、耐擦傷性及び接着性などを考慮し、単独で、又は複数種を混合して用いることができる。
前記硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、アミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、メルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、活性エステル系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤などが挙げられる。硬化剤は、単独で用いてもよく、また、求める特性に応じて使い分けることが可能であり、2種以上を併用してもよい。
アミン系硬化剤として、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの鎖状脂肪族アミン;イソフォロンジアミン、ベンゼンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタンなどの脂環式アミン;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン、ジアミノジエチルジフェニルメタンなどの芳香族アミン;ベンジルジメチルアミン、トリエチレンジアミン、ピペリジン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5)、などの第二級及び三級アミン等が挙げられる。
アミド系硬化剤として、例えば、ジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂(ポリアミノアミド等)等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤として、例えば、無水マレイン酸、ドデセニル無水コハク酸などの脂肪族酸無水物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物;無水メチルナジック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環式酸無水物等が挙げられる。
フェノール系硬化剤として、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビフェニル型ノボラック樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、ナフトールノボラック樹脂、フェノールビフェニレン樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ベンゾオキサジン環を有する化合物等が挙げられる。
メルカプタン系硬化剤として、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ポリサルファイドポリマー等が挙げられる。
イソシアネート系硬化剤として、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤としては、例えば、1分子中にエポキシ樹脂と反応するエステル基を1個以上有する化合物であり、フェノールエステル、チオフェノールエステル、N−ヒドロキシアミンエステル及び複素環ヒドロキシ化合物エステル等が挙げられる。
前記硬化触媒として、例えば、イミダゾール化合物、ジシアンジアミド、第三級アミン、リン系化合物、ルイス酸化合物等が挙げられる。硬化触媒は、単独で用いてもよく、また、求める特性に応じて使い分けることが可能であり、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、およびこれらが酸変性されたもの等が挙げられる。本発明にかかるエポキシ樹脂組成物との相溶性および耐熱性の観点から、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、およびこれらが酸変性されたものが好ましく、これらの中でもポリオレフィン樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂がさらに好ましい。熱可塑性樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、無機蛍光体、滑剤、紫外線吸収剤、熱光安定剤、帯電防止剤、重合禁止剤、消泡剤、溶剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、接着性改良剤、難燃剤、界面活性剤、保存安定性改良剤、オゾン老化防止剤、増粘剤、可塑剤、放射線遮断剤、核剤、カップリング剤、導電性付与剤、リン系過酸化物分解剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、式(1)で表されるエポキシ樹脂と熱カチオン重合開始剤、さらに必要に応じて他の成分を混合することにより製造することができる。混合方法は、均一に混合できる方法であれば特に限定はされない。本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で溶剤(例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン等)を添加してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化することにより硬化物(すなわち、当該エポキシ樹脂組成物の硬化物)を得ることができる。硬化の方法は、特に限定されず、例えば、該組成物を加熱硬化することで実施できる。硬化温度は、通常室温〜250℃であり、硬化時間は、組成によって異なり、通常30分〜1週間まで幅広く設定することができる。
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term "comprising" includes "consisting essentially of” and "consisting of.")。
以下、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
製造例1(エポキシ樹脂Aの製造)
攪拌機、温度計及び冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、アリルグリシジルエーテル5.9g、ヘキサクロロ白金酸六水和物の2wt%エタノール溶液0.05g、トルエン100gを仕込み、液温を70℃まで昇温させた。その後、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン5.0gを15分間で滴下し、引続き、90℃で4時間攪拌した。トルエンを濃縮により除去後、無色透明液体の1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピルオキシプロピル)ジメチルシリル]ベンゼン(エポキシ樹脂A)10.3g(エポキシ当量211g/eq)を取得した。
製造例2(エポキシ樹脂Bの製造)
攪拌機、温度計及び冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、1,2−エポキシ−5−ヘキセン5.0g、ヘキサクロロ白金酸六水和物の2wt%エタノール溶液0.05g、トルエン100gを仕込み、液温を70℃まで昇温させた。その後、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン5.0gを15分間で滴下し、引続き、90℃で5時間攪拌した。トルエンを濃縮により除去後、無色透明液体の1,4−ビス[(2,3−エポキシブチル)ジメチルシリル]ベンゼン(エポキシ樹脂B)9.5g(エポキシ当量195g/eq)を取得した。
製造例3(エポキシ樹脂Cの製造)
攪拌機、温度計及び冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン6.4g、ヘキサクロロ白金酸六水和物の2wt%エタノール溶液0.05g、トルエン100gを仕込み、液温を70℃まで昇温させた。その後、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン5.0gを15分間で滴下し、引続き、90℃で4時間攪拌した。トルエンを濃縮により除去後、無色透明液体の1,4−ビス{[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]ジメチルシリル}ベンゼン(エポキシ樹脂C)10.8g(エポキシ当量221g/eq)を取得した。
製造例4(エポキシ樹脂Dの製造)
攪拌機、温度計及び冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン4.3g、ヘキサクロロ白金酸六水和物の2wt%エタノール溶液0.05g、トルエン250gを仕込み、液温を70℃まで昇温させた。その後、ビス[(p−ジメチルシリル)フェニル]エーテル5.0gを15分間で滴下し、引続き、90℃で6時間攪拌した。トルエンを濃縮により除去後、無色透明液体の4,4’−ビス{[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]ジメチルシリル}ジフェニルエーテル(エポキシ樹脂D)8.9g(エポキシ当量267g/eq)を取得した。
製造例5(エポキシ樹脂Eの製造)
攪拌機、温度計及び冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン7.4g、ヘキサクロロ白金酸六水和物の2wt%エタノール溶液0.05g、トルエン250gを仕込み、液温を70℃まで昇温させた。その後、1,3,5−トリス(ジメチルシリル)ベンゼン5.0gを15分間で滴下し、引続き、90℃で6時間攪拌した。トルエンを濃縮により除去後、無色透明液体の1,3,5−トリス{[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]ジメチルシリル}ベンゼン(エポキシ樹脂E)11.8g(エポキシ当量208g/eq)を取得した。
実施例、比較例
表2及び表3に記載した配合量の各成分をカップに秤量し、マグネチックスターラーにて、室温(25℃)で5分間攪拌して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
表2及び表3中の各成分は以下の通りである。なお、表2及び表3の各成分の数値は、質量部を示す。
・エポキシ樹脂F:三菱化学社製Bis−A型エポキシ樹脂(グレード828)(エポキシ当量189g/eq)
・エポキシ樹脂G:ダイセル社製脂環式エポキシ樹脂(セロキサイド2021P;一般名は3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
)(エポキシ当量137g/eq)
・カチオン重合開始剤A:三新化学工業社製サンエイドSI−60L
・カチオン重合開始剤B:日本触媒社製FX−TP−BC−PC−AD−57103
試験例1
(1)速硬化性
実施例および比較例で得られたエポキシ樹脂組成物を、140℃オーブン中で加熱し、30秒以内に硬化したものを◎、2分以内に硬化したものを○、2分以内で硬化しなかったものを×とした。結果を表2及び表3に示す。
(2)銅箔に対する90度ピール強度
実施例及び比較例で得られたエポキシ樹脂組成物をアルミ板に塗布し、その上から厚さ35μmの電解銅箔(古河電気工業社製)を重ね合わせた。100℃で1時間、120℃で2時間、150℃で2時間加熱して硬化させた。硬化後、幅1cmになるようにカッターで切れ目を入れ、90度ピール強度試験片とした。得られた試験片について、AGS−X(島津製作所社製)を用いて、試験速度50mm/minの条件で90度ピール強度試験を実施した。結果を表2及び表3に示す。
(3)電気特性(比誘電率、誘電正接)
実施例及び比較例で得られた各エポキシ樹脂組成物を樹脂製モールド(厚さ2mm)に流し込み、100℃で1時間、120℃で2時間、150℃で2時間加熱して硬化させた。次いで、硬化物を幅20mm×長さ30mm×厚さ2mmのサイズに切り出し、誘電率測定用試験片とした。
得られた試験片は、誘電率測定装置(インピーダンスアナライザー、アジレント社製)を用いて、25℃にて、比誘電率(1GHz)及び誘電正接(1GHz)を測定した。また、誘電率測定装置の校正は、PTFEを用いて行った。結果を表2及び表3に示す。
(4)耐水性(吸水試験前後の弾性率変化率)
実施例及び比較例で得られた各エポキシ樹脂組成物を樹脂製モールド(厚さ2mm)に流し込み、100℃で1時間、120℃で2時間、150℃で2時間加熱して硬化させた。次いで、硬化物を幅20mm×長さ30mm×厚さ2mmのサイズに切り出し、耐水性評価用試験片とした。得られた試験片を、純水に室温で一週間浸漬させ、吸水処理を施した。試験片を動的粘弾性測定装置(RSG−G2、TAインスツルメント社製)を用いて、引張りモード、昇温速度10℃/minで、貯蔵弾性率を測定した。
吸水前後の弾性率の変化率を下記式より算出し、95%以上を◎、90%以上95%未満を○、90%未満を×とし、耐水性評価とした。
(吸水試験後の30℃での貯蔵弾性率/吸水前の30℃での貯蔵弾性率)×100
結果を表2及び表3に示す。
Figure 0006987791
Figure 0006987791

Claims (6)

  1. 式(1−iia):
    Figure 0006987791
    (式中、X ii は、飽和炭化水素環若しくは不飽和炭化水素環、又は飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合した構造を有する環、から2個の水素原子を除いて得られる2価の基、あるいは式(2 −iia):
    Figure 0006987791
    (式中、Yは、結合手、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、−SO−、又は−SO −を示す。)で表される2価の基を示し、
    は同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、これらの基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
    は同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキレン基を示し、この基は、ケイ素原子に直接結合した炭素原子を除く一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
    は同一又は異なって、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜9のアルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、これらの基は、一部の炭素原子が、酸素原子及び窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子で置換されていてもよく、
    mは0〜6の整数を示し、
    nは0〜3の整数を示す。)
    で表されるエポキシ樹脂、並びに
    式(1−iiia):
    Figure 0006987791
    (式中、X iii は、飽和炭化水素環若しくは不飽和炭化水素環、又は飽和炭化水素環及び/又は不飽和炭化水素環が2〜6個縮合した構造を有する環、から3個の水素原子を除いて得られる3価の基、又は式(2 −iiia):
    Figure 0006987791
    (式中、Yは、前記に同じ。)で表される3価の基を示し、
    、R 、R 、m、及びnは前記に同じ。)
    で表されるエポキシ樹脂
    からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂と熱カチオン重合開始剤とを含有する電子材料用エポキシ樹脂組成物。
  2. 式(1−IIa):
    Figure 0006987791
    (式中、R 、R 、及びX ii は前記に同じ。)
    で表されるエポキシ樹脂、
    式(1−IIb):
    Figure 0006987791
    (式中、R 、R 、R 、X ii 、及びnは前記に同じ。)
    で表されるエポキシ樹脂、並びに
    式(1−IIIa):
    Figure 0006987791
    (式中、R 、R 、R 、X iii 、及びnは前記に同じ。)
    で表されるエポキシ樹脂
    からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂と熱カチオン重合開始剤とを含有する請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 熱カチオン重合開始剤が、スルホニウム塩、ホウ素化合物、並びにホウ素化合物とルイス塩基の混合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. エポキシ樹脂100質量部に対して、熱カチオン重合開始剤0.01〜50質量部を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物又は請求項5に記載の硬化物が用いられている半導体封止体、液状封止材、ポッティング材、シール材、層間絶縁膜、接着層、カバーレイフィルム、電磁波シールドフィルム、プリント基板材料又は複合材料。
JP2018561362A 2017-01-10 2018-01-09 エポキシ樹脂組成物 Active JP6987791B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017002212 2017-01-10
JP2017002212 2017-01-10
PCT/JP2018/000193 WO2018131564A1 (ja) 2017-01-10 2018-01-09 エポキシ樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018131564A1 JPWO2018131564A1 (ja) 2019-11-07
JP6987791B2 true JP6987791B2 (ja) 2022-01-05

Family

ID=62840049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018561362A Active JP6987791B2 (ja) 2017-01-10 2018-01-09 エポキシ樹脂組成物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6987791B2 (ja)
TW (1) TW201833214A (ja)
WO (1) WO2018131564A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20190119434A1 (en) 2015-07-10 2019-04-25 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Epoxy resin composition, process for producing same, and uses of said composition
KR102461514B1 (ko) 2017-01-10 2022-11-08 스미토모 세이카 가부시키가이샤 에폭시 수지 조성물
WO2018131563A1 (ja) 2017-01-10 2018-07-19 住友精化株式会社 エポキシ樹脂組成物
WO2018131571A1 (ja) 2017-01-10 2018-07-19 住友精化株式会社 エポキシ樹脂組成物
US11603466B2 (en) 2017-01-10 2023-03-14 Sumitomo Seika Chemicals Co.. Ltd. Epoxy resin composition
JP7146766B2 (ja) * 2017-07-31 2022-10-04 住友精化株式会社 エポキシ樹脂組成物

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL130557C (ja) * 1966-03-02
DE10001228B4 (de) * 2000-01-13 2007-01-04 3M Espe Ag Polymerisierbare Zubereitungen auf der Basis von siliziumhaltigen Epoxiden
DE10107985C1 (de) * 2001-02-19 2002-04-18 3M Espe Ag Polymerisierbare Zubereitungen auf der Basis von Siliziumverbindungen mit aliphatischen und cycloaliphatischen Epoxidgruppen und deren Verwendung
WO2006005369A1 (en) * 2004-07-14 2006-01-19 3M Espe Ag Dental composition containing an epoxy functional carbosilane compound
JP5310656B2 (ja) * 2010-06-18 2013-10-09 信越化学工業株式会社 シルフェニレン含有光硬化性組成物、それを用いたパターン形成方法およびその方法により得られる光半導体素子
CN103906783B (zh) * 2012-03-23 2016-09-14 株式会社艾迪科 含硅固化性树脂组合物
US20190119434A1 (en) * 2015-07-10 2019-04-25 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. Epoxy resin composition, process for producing same, and uses of said composition
CN108291075A (zh) * 2015-11-18 2018-07-17 住友精化株式会社 环氧树脂组合物、其制造方法及该组合物的用途

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2018131564A1 (ja) 2019-11-07
WO2018131564A1 (ja) 2018-07-19
TW201833214A (zh) 2018-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6987791B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP6556965B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP6553310B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP7146766B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP6530574B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
US20190322858A1 (en) Epoxy resin composition
WO2018181719A1 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、並びに、その硬化物、用途及び製造方法
JP6268753B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子回路用積層板
WO2020262061A1 (ja) エポキシ樹脂組成物
US20230203237A1 (en) Epoxy amine adduct, curing catalyst, resin composition, sealing material, adhesive and cured article
JP7316009B2 (ja) 硬化触媒、樹脂組成物、封止材、接着剤、及び硬化物
JP2024062263A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2007077408A (ja) エポキシ樹脂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6987791

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150