JP6987560B2 - 架橋パイプ用ポリエチレン組成物、前記組成物の製造方法、及び架橋パイプ - Google Patents
架橋パイプ用ポリエチレン組成物、前記組成物の製造方法、及び架橋パイプ Download PDFInfo
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Description
また、架橋ポリエチレンパイプを製造する代表的な方法の他の一つとして、ポリエチレンにビニルトリエトキシシラン等のシラン化合物、有機過酸化物及びシラノール縮合触媒とを配合し、得られた組成物を加熱しながらパイプ状に押し出し成形した後、水分を含む環境に晒して架橋を進めるという方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
このような架橋パイプ用ポリエチレン樹脂組成物の高機能化及び成形加工性向上の課題に対して、種々の検討がなれさている。
また、特許文献4では、高密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンとをブレンドすることによって、押出加工性に優れ、柔軟性、高温での機械的特性、架橋特性、機械的強度及び生産性に優れた柔軟性シラン架橋ポリオレフィンになることが開示されている。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
密度が、935kg/m3以上955kg/m3以下であり、
分子量分布Mw/Mnが、4以上15以下であり、
含有Al量が、1質量ppm以上10質量ppm以下であり、
クロス分別クロマトグラフィーにより測定した、90℃未満の積分溶出量が、全溶出量の10質量%以上30質量%以下であり、100℃以上の積分溶出量が、全溶出量の2質量%以上20質量%以下である、
架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[2]
メルトフローレートが、1.0以上10.0g/10分以下のポリエチレン(A)60質量%以上95質量%以下と、
粘度平均分子量Mvが、20×104以上200×104未満のポリエチレン(B)5質量%以上40質量%以下と、
からなる、[1]に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[3]
α−オレフィン含有量が、0.05mol%以上1.0mol%未満である、[1]又は[2]に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[4]
換算分子量103以下の成分の占有率が、全体の0.3質量%未満である、[1]〜[3]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[5]
換算分子量106以上の成分の占有率が、全体の0.1質量%以上10.0質量%未満である、[1]〜[4]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[6]
塩素含有量が、前記架橋パイプ用ポリエチレン組成物に対して、5.0質量ppm以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[7]
架橋パイプ用ポリエチレン組成物からなる成形体の−25℃でのシャルピー衝撃強さが10kJ/m2以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[8]
ポリエチレン(A)が、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、分子量分布Mw/Mnが、3.0以上6.0以下である、[2]〜[7]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[9]
ポリエチレン(B)が、エチレン単独重合体、及び/又は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、分子量分布Mw/Mnが、5以上15以下である、[2]〜[8]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[10]
ポリエチレン(B)のパウダー嵩密度が、0.40g/cm3以上0.55g/cm3以下である、[2]〜[9]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[11]
ポリエチレン(A)が、少なくとも担体物質、有機アルミニウム化合物、活性水素を有するボレート化合物、シクロペンタジエン化合物、及び、周期律表第IV族の遷移金属化合物から調製された幾何拘束型メタロセン触媒[A]と、液体助触媒成分[B]とを用いて重合した重合物である、[2]〜[10]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
[12]
メルトフローレートが、1.0以上10.0g/10分以下のポリエチレン(A)のペレットと、粘度平均分子量Mvが、20×104以上200×104未満のポリエチレン(B)のパウダーと、を溶融混練して造粒することを含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物の製造方法。
[13]
[1]〜[11]のいずれかに記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物100質量部、有機過酸化物0.005〜5質量部、有機不飽和シラン化合物0.1〜10質量部、を含む組成物を、シラノール縮合触媒により架橋させ、作製された架橋パイプ。
[14]
給水用架橋パイプ、給湯用架橋パイプ、床暖房用架橋パイプ、ロードヒーティング用架橋パイプから選ばれる、[13]に記載の架橋パイプ。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物の密度が935kg/m3以上であることにより、剛性が高く、クリープ特性に優れる架橋パイプが得られる。また、架橋パイプ用ポリエチレン組成物の密度が955kg/m3以下であることにより、柔軟性に優れ、機械強度が高く、施工が容易な架橋パイプが得られる。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物の密度は、特に限定されないが、例えば、主にポリエチレン中のコモノマー種及びコモノマー含有量によって調整することができる。
尚、密度は、JIS K7112に準拠して測定されるものであり、具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定される。
分子量分布Mw/Mnが4以上であることにより、成形加工性が向上し、表面が平滑なパイプが得られる。また、分子量分布Mw/Mnが15以下であることにより、低分子量成分の発生を抑制することが可能で臭気を抑制することができる。また、成形時の目やにの発生が抑制され平滑性の高いパイプが得られる傾向にある。
分子量分布Mw/Mnは、特に限定されないが、例えば、後述するポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の各々の分子量分布Mw/Mnと、組成比を調整すること等の方法により制御することができる。
分子量分布Mw/Mnは、GPCで求めることができる。より具体的には、実施例に記載の方法により求めることができる。
Al含有量が1質量ppm以上であることにより、塩素耐性が向上する傾向にある。また、Al含有量が10質量ppm以下であることにより、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の混練時のポリエチレンの熱劣化が抑制され、低温時の衝撃強度、及びクリープ耐性が向上する傾向にある。さらに、有機過酸化物や有機不飽和シラン化合物(架橋剤)との副反応も抑制されて、架橋反応が均一に起こるため、機械強度が高くなる傾向にある。
Al含有量を制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する高活性であってAlの少ない助触媒を使用する方法、塩素含有量が少ない触媒を使用する方法、及び単位触媒あたりのポリエチレンの生産性を高くする方法、及び、触媒の失活を、遠心分離法によって溶媒を可能な限り分離した後に実施する方法等が挙げられる。
Alの含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
また、本実施形態の架橋パイプ用ポリエチレン組成物のCFCで測定した100℃以上の積分溶出量は、全溶出量の2質量%以上20質量%以下であり、好ましくは4質量%以上18質量%以下であり、より好ましくは6質量%以上16質量%以下である。
クロス分別クロマトグラフィーによる積分溶出量の測定は、より具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物の換算分子量103以下の成分の占有率が0.3質量%未満であることにより、成形時の目やに等の発生が抑制される。さらに、低温時の耐衝撃性が向上する傾向にある。また、高温時のクリープ特性が向上し、通水時の臭気も低減させることができる。
換算分子量103以下の成分の占有率を制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述するポリエチレン(A)を副反応や低分子量成分の生成を抑制できる触媒、例えば、メタロセン触媒等を使用して合成すること、単位触媒あたりのポリエチレンの生産性を高くすること、触媒の失活を、遠心分離法によって溶媒を可能な限り分離した後に実施すること、及び、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)を上述した方法で混練すること等の方法が挙げられる。
換算分子量103以下の成分の占有率は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
ポリエチレン組成物の換算分子量106以上の成分の占有率が0.1質量%以上であることにより、機械強度、及びクリープ耐性が向上する傾向にある。また、架橋パイプ用ポリエチレン組成物の換算分子量106以上の成分の占有率が10.0質量%未満であることにより、溶融粘度が小さくなり成形加工性が向上する傾向にあり、外観に優れたパイプとなる。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物の換算分子量106以上の成分の占有率を全体の0.1質量%以上10.0質量%未満に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(B)の分子量や分子量分布を所定の範囲に制御すること、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の混合量比を所定の範囲に制御すること、及び、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)を上述した方法で混練すること等の方法が挙げられる。
換算分子量106以上の成分の占有率は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物の塩素含有量が5.0質量ppm以下であることにより、成形機等の腐食を抑制でき、ポリマーに含有される金属成分量を低減することができ、塩素及び塩酸に影響を受けやすい金属パイプ等の被覆材として使用した場合であっても、被保護材の錆等を抑制することができる傾向にある。さらに、塩素及び塩酸と有機過酸化物や有機不飽和シラン化合物(架橋剤)との反応が抑制される傾向にあるので、使用する架橋剤量を低減することができ、架橋反応が安定することによって機械強度やクリープ耐性が向上する傾向にある。
また、架橋パイプ用ポリエチレン組成物の塩素含有量は、単位触媒あたりのポリエチレンの生産性により制御することも可能である。ポリエチレンの生産性は、製造する際の反応器の重合温度や重合圧力やスラリー濃度により制御することが可能である。つまり、本実施形態で用いるポリエチレンの生産性を高くするには、重合温度を高くすること、重合圧力を高くすること、及びスラリー濃度を高くすることが挙げられる。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物の塩素含有量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物は、一般的に溶融粘度が小さくなるように低分子量のポリエチレンが使用されるため、衝撃強度、特に低温での衝撃強度には限界があった。そのため、例えば、埋設されるロードヒーティング用架橋パイプ等では、埋設時の石材等の衝撃でパイプが破損したり、キズや変形した箇所から特に冬場の凍結により漏水したりする等の問題があった。
−25℃でのシャルピー衝撃強さが10kJ/m2以上であることにより、架橋パイプ表面にキズや凹みのある状態であっても高い機械強度と、クリープ耐性を保持することが可能で、そのため薄肉にすることもできるため経済的にも有益である。
尚、シャルピー衝撃強度は、JIS K6922−2(1997)に準拠して試験片を作製し、JIS K7111(1996)に準じて測定することができる。シャルピー衝撃強度は、具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリエチレン(A)の分子量分布Mw/Mnが3.0以上であれば、ポリエチレン(B)との相溶性が向上し、均一な架橋パイプ用ポリエチレン組成物を得ることができる。また、ポリエチレン(A)の分子量分布Mw/Mnが6.0以下であれば、架橋パイプ用ポリエチレン組成物の換算分子量103以下の成分の占有率が0.3質量%未満になる傾向にあり、成形時の目やに等の発生が抑制されて、機械強度が向上する。
ポリエチレン(A)の分子量分布Mw/Mnを3.0以上6.0以下に制御する方法としては、副反応や低分子量成分の生成を抑制できる触媒、例えば、メタロセン触媒等を使用して合成すること等が挙げられる。
ポリエチレン(B)の分子量分布Mw/Mnが5以上であることにより、ポリエチレン(A)との相溶性が向上し、均一な架橋パイプ用ポリエチレン組成物を得ることができる。また、分子量分布Mw/Mnが15以下であることにより、換算分子量106以上の成分の占有率を10質量%未満にすることが可能で、溶融粘度が小さくなり成形加工性が向上し、外観に優れたパイプとなる。
ポリエチレン(A)が60質量%以上であることにより、加工性に優れ、架橋パイプの弾性率が向上して、特に低温時の耐衝撃性を向上させることができる。また、ポリエチレン(B)が5質量%以上であることにより、高温時の耐クリープ性が極めて高い架橋パイプになる傾向がある。
α−オレフィン含有量が0.05mol%以上であることにより、加工性に優れ、低温時の耐衝撃性が向上する傾向にある。また、α−オレフィン含有量が1.0mol%未満であることにより、高温時の耐クリープ性が向上する傾向にある。
α−オレフィン含有量を0.05mol%以上1.0mol%未満に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の混合量比を所定の範囲に制御すること等の方法が挙げられる。
α−オレフィン含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
本実施形態におけるポリエチレン(A)の製造方法は、少なくとも担体物質、有機アルミニウム化合物、活性水素を有するボレート化合物(以下、単に「ボレート化合物」ともいう。)、シクロペンタジエン化合物、及び周期律表第IV族の遷移金属化合物から調製された幾何拘束型メタロセン触媒[A]と、液体助触媒[B]との存在下で重合し、ポリエチレン(A)を得る重合工程を有することが好ましい。
すなわち、本実施形態におけるポリエチレン(A)は、少なくとも担体物質、有機アルミニウム化合物、活性水素を有するボレート化合物、シクロペンタジエン化合物、及び、周期律表第IV族の遷移金属化合物から調製された幾何拘束型メタロセン触媒[A]と、液体助触媒成分[B]とを用いて重合した重合物であることが好ましい。
重合工程における重合圧力は、常圧以上2.0MPa以下が好ましく、より好ましくは0.05MPa以上1.5MPa以下、さらに好ましくは0.1MPa以上1.0MPa以下である。
本実施形態のポリエチレンの製造方法では、上記のような各成分以外にもポリエチレンの製造に有用な他の公知の成分及び方法を用いることができる。
本実施形態の架橋パイプ用ポリエチレン組成物は、メルトフローレートが、1.0以上10.0g/10分以下のポリエチレン(A)のペレットと、粘度平均分子量Mvが、20×104以上200×104未満のポリエチレン(B)のパウダーと、を溶融混練して造粒することを含む製造方法によって製造することが好ましい。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物は、具体的には、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)とを、ヘンシェルミキサーを使用して混合し、押出機の有効長L/Dが50以上の二軸押出成形機を使用して、窒素下、最高温度210℃以下の樹脂温度で溶融混錬して造粒する方法により製造することができる。
有機過酸化物の含有量は、架橋パイプ用ポリエチレン組成物100質量部に対して、0.005質量部以上5.0質量部以下であり、好ましくは0.007質量部以上1.0質量部以下であり、より好ましくは0.01質量部以上0.5質量部以下である。含有量が0.005質量部以上であることで、有機不飽和シラン化合物のグラフト反応が効率的に進行する。また、含有量が5.0質量部以下とであることで、有機過酸化物によりポリエチレン中に生成したラジカルの再結合による不均一架橋を抑制し、パイプの押し出し加工性が低下することを抑制することができる。また、架橋パイプの通水中における有機過酸化物の臭気を低減することができる。
シラノール縮合触媒としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルスズジラウリレート、酢酸第一スズ、カプリル酸第一スズ、ナフテン酸スズ、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸鉄、ナフテン酸コバルト、チタン酸テトラブチルエステル、エチルアミン、ジブチルアミン、ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジアセテート、及びジブチルオクテートが挙げられる。
また、有機過酸化物、有機不飽和シラン化合物、及びシラノール縮合触媒は、それぞれ単独で含有させてもよいし、ポリエチレンとのマスターバッチとして含有させてもよい。
本実施形態の架橋パイプは、本実施形態の架橋パイプ用ポリエチレン組成物の架橋物からなる。具体的には、架橋パイプ用ポリエチレン組成物をパイプ状に成形し、架橋反応を進行させることにより架橋パイプを得ることができる。
架橋パイプの製造方法としては、組成物の架橋物から製造されれば特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)架橋パイプ用ポリエチレン組成物、有機過酸化物、有機不飽和シラン化合物、及びシラノール縮合触媒を押出機で溶融混合し、その後パイプを成形し、得られたパイプを温水又は水蒸気の存在下でシリル基を架橋させる方法;
(2)架橋パイプ用ポリエチレン組成物、有機過酸化物、及び有機不飽和シラン化合物を一度押出機で溶融混合し、得られた組成物にシラノール縮合触媒を添加してパイプを成形し、該パイプを温水又は水蒸気の存在下でシリル基を架橋させる方法;
(3)架橋パイプ用ポリエチレン組成物、有機過酸化物、及び有機不飽和シラン化合物を含む組成物を用いてパイプを成形し、シラノール縮合触媒を含む温水又は水蒸気の存在下にパイプを晒してシリル基を架橋させる方法;
本実施形態の好ましい態様の一つは、架橋パイプ用ポリエチレン組成物100質量部、有機過酸化物0.005〜5質量部、有機不飽和シラン化合物0.1〜10質量部、を含む組成物を、シラノール縮合触媒により架橋させ、作製された架橋パイプである。
ゲル分率(%)=(抽出残量(g)/10(g))×100
本実施形態の架橋パイプ用ポリエチレン組成物は、成形性に優れ、低温時の衝撃強度、及び高温時のクリープ耐性に優れる。そのため、給水用架橋パイプ、給湯用架橋パイプ、床暖房用架橋パイプ、ロードヒーティング用架橋パイプとして好適に使用することができる。
JIS K7112:1999に従い、密度勾配管法(23℃)により、密度を測定した。
実施例及び比較例で得られた各ポリエチレンについて、JIS K7210 コードD:1999(温度=190℃、荷重=2.16kg)に従い、メルトフローレートを測定した。
ポリエチレン中のα−オレフィンに由来する重合単位の含有率(mol%)の測定は、G.J.RayらのMacromolecules,10,773(1977)に開示された方法に準じて行い、13C−NMRスペクトルにより観測されるメチレン炭素のシグナルを用いて、その面積強度より算出した。
測定装置 :日本電子製ECS−400
観測核 :13C
観測周波数 :100.53MHz
パルス幅 :45°(7.5μsec)
パルスプログラム:single pulse dec
PD :5sec
測定温度 :130℃
積算回数 :30,000回以上
基準 :PE(−eee−)シグナルであり29.9ppm
溶媒 :オルトジクロロベンゼン−d4
試料濃度 :5〜10wt%
溶解温度 :130〜140℃
20mLのデカリン(デカヒドロナフタレン)中にポリエチレン20mgを加え、150℃で2時間攪拌してポリマーを溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、ウベローデタイプの粘度計を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。同様に、ポリエチレンの重量を変えて3点の溶液を作製し、落下時間を測定した。ブランクとしてポリエチレンを入れていない、デカリンのみの落下時間(tb)を測定した。以下の式に従って求めたポリマーの還元粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして、濃度(C)(単位:g/dL)とポリマーの還元粘度(ηsp/C)の直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度([η])を求めた。
ηsp/C=(ts/tb−1)/C (単位:dL/g)
次に下記式Aを用いて、上記極限粘度([η])の値を用い、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・数式A
架橋パイプ用ポリエチレン組成物20mgにo−ジクロロベンゼン15mLを導入して、150℃で1時間撹拌することで調製したサンプル溶液について、下記の条件によりゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定を行った。測定結果から、市販の単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線に基づいて、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)、換算分子量103以下の成分の占有率、及び換算分子量106以上の成分の占有率を求めた。
なお、測定に用いた材料ないし条件は、より詳細には以下のとおりとした。
・装置:Waters社製150−C ALC/GPC
・検出器:RI検出器
・移動相:o−ジクロロベンゼン(高速液体クロマトグラフ用)
・流量:1.0mL/分
・カラム:Shodex製AT−807Sを1本と東ソー製TSK−gelGMH−H6を2本連結したものを用いた。
・カラム温度:140℃
架橋パイプ用ポリエチレン組成物をマイクロウェーブ分解装置(型式ETHOS TC、マイルストーンゼネラル社製)を用い加圧分解し、内部標準法にて、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析装置、型式Xシリーズ X7、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)にて、架橋パイプ用ポリエチレン組成物中のアルミニウムの元素濃度を測定した。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物を自動試料燃焼装置(三菱化学アナリテック社製 AQF−100)で燃焼後、吸収液(Na2CO3とNaHCO3との混合溶液)に吸収させ、その吸収液をイオンクロマトグラフ装置(ダイオネクス社製、ICS1500、カラム(分離カラム:AS12A、ガードカラム:AG12A)サプレッサー ASRS300)に注入させ塩素含有量を測定した。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物について、昇温溶離分別(TREF)による溶出温度−溶出量曲線を以下のように測定し、各温度での溶出量、及び溶出積分量を求めた。
まず、充填剤を含有したカラムを140℃に昇温し、架橋パイプ用ポリエチレン組成物をオルトジクロロベンゼンに溶かした試料溶液(例えば、濃度:16mg/8mL)を導入して120分間保持した。
次に、降温速度0.5℃/分で40℃まで降温した後、20分間保持し、試料を充填剤表面に析出させた。その後、カラムの温度を、昇温速度20℃/分で順次昇温した。40℃から80℃までは10℃間隔で昇温し、80℃から85℃までは5℃間隔で昇温し、85℃から90℃までは3℃間隔で昇温し、90℃から100℃までは1℃間隔で昇温し、100℃から120℃までは10℃間隔で昇温した。なお、各温度で20分間保持した後に昇温を行い、各温度で溶出した試料(ポリエチレン)の濃度を検出した。そして、試料の溶出量(質量%)とその時のカラム内温度(℃)との値より、溶出温度−溶出量曲線を測定し、各温度での溶出量、及び溶出積分量を得た。
なお、測定の条件は、より詳細には以下のとおりとした。
・装置:Polymer ChAR社製Automated 3D analyzer CFC−2
・カラム:ステンレススチールマイクロボールカラム(3/8"o.d x 150mm)
・溶離液:o−ジクロロベンゼン(高速液体クロマトグラフ用)
・試料溶液濃度:試料(ポリエチレン)20mg/o−ジクロロベンゼン20mL
・注入量:0.5mL
・ポンプ流量:1.0mL/分
・検出器:Polymer ChAR社製赤外分光光度計IR4
・検出波数:3.42μm
・試料溶解条件:140℃×120分溶解
ポリエチレン(B)の嵩密度は、JIS K−6721:1997に従い測定した。
JIS K6922−2(1997)「プラスチック−ポリエチレン成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方」に準拠して試験片を作製し、JIS K7111(1996)「プラスチック−シャルピー衝撃強さの試験方法」に準じて測定した。
(1)低温時の衝撃強度評価
架橋パイプ製造工程において、押出し機にTダイを組み合わせて、ポリエチレン樹脂組成物をシート状に押し出した。冷却を経て、肉厚1.5mmのシートを得た。その後、95℃の温水に24時間浸漬して架橋シートを得た。
得られた架橋シートから、JIS K6922−2(1997)「プラスチック−ポリエチレン成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び諸性質の求め方」に準拠して試験片を作製し、JIS K6936−2(2007)付属書B「超高分子量ポリエチレン成形材料のダブルノッチ付きシャルピー衝撃強さの試験方法」に準じて、−25℃でのシャルピー衝撃強度を測定して、下記基準により低温時の耐衝撃性を評価した。
○:100KJ/m2以上
△:80KJ/m2以上100KJ/m2未満
×:80KJ/m2未満
実施例及び比較例で得られた各架橋パイプに95℃の温水中で5.5MPaの円周応力を印加し、割れ又は漏れが生じるまでの時間を測定し、95℃熱間内圧クリープ破壊時間を測定して、下記基準により高温時の耐クリープ性を評価した。
○:800時間以上
△:600時間以上800時間未満
×:600時間未満
架橋パイプ製造工程において、加工時の油煙量を目視で観察して、押出し吐出圧の変動幅を測定して、下記基準により評価した。油煙が少なく、押出し吐出圧が安定することは、加工安定性が優れることを意味する。
○:油煙が少なく、押出し吐出圧が安定していた。
△:油煙が少なく、押出し吐出圧が変動した、若しくは、油煙が多く、押出し吐出圧が安定していた。
×:油煙が多く、押出し吐出圧が変動した。
[幾何拘束型メタロセン触媒[I−a]の調製]
平均粒子径が15μm、表面積が700m2/g、粒子内細孔容積が1.8mL/gの球状シリカを、窒素雰囲気下、500℃で5時間焼成し、脱水した。脱水シリカの表面水酸基の量は、SiO2 1gあたり1.85mmol/gであった。窒素雰囲気下、容量1.8Lのオートクレーブ内で、この脱水シリカ40gをヘキサン800mL中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーを攪拌下50℃に保ちながらトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1mol/L)を80mL加え、その後2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカの表面水酸基とを反応させ、トリエチルアルミニウム処理されたシリカと上澄み液とを含み、該トリエチルアルミニウム処理されたシリカの表面水酸基がトリエチルアルミニウムによりキャッピングされている成分[IV]を得た。その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニウムを除去した。その後、ヘキサンを適量加え、トリエチルアルミニウム処理されたシリカのヘキサンスラリー880mLを得た。
その後、得られた反応混合物中の上澄み液をデカンテーションによって除去することにより、上澄み液中の未反応のトリエチルアルミニウムを除去した。
200mLのフラスコにヘキサン40mLと有機マグネシウム化合物であるAlMg6(C2H5)3(n−C4H9)12を、MgとAlの総量として37.8mmolを攪拌しながら添加し、25℃でメチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度20センチストークス)2.27g(37.8mmol)を含有するヘキサン40mLを攪拌しながら添加し、その後80℃に温度を上げて3時間、攪拌下に反応させることにより、液体助触媒成分[II]を調製した。
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブにヘキサン1,600mLを添加した。10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液800mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液800mLとを4時間かけて同時に添加した。添加後、ゆっくりと昇温し、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1,600mL除去し、ヘキサン1,600mLで5回洗浄することにより、固体触媒成分[III]を調製した。この固体触媒成分[III]1g中に含まれるチタン量は、3.05mmolであった。
[ポリエチレン(A−1)の製造方法]
攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器を用い、重合温度76℃、重合圧力0.85MPa、平均滞留時間1.4時間の条件で連続重合を行った。溶媒として脱水ノルマルヘキサン40L/時間、触媒として上記の幾何拘束型メタロセン触媒[I−a]をTi原子換算で1.4mmol/時間、液体助触媒成分[II]をAl原子換算で20mmol/時間で供給した。分子量調整のための水素は、エチレンと1−ブテンとの気相濃度に対して0.12mol%、1−ブテンはエチレンの気相濃度に対して0.27mol%になるように供給することで、エチレン及び1−ブテンを重合させた。尚、脱水ノルマルヘキサンは重合器の底部より供給し、水素は予め触媒と接触させるために触媒導入ラインから触媒と共に、重合器の液面と底部の中間から供給し、エチレンは重合器の底部から供給した。重合反応器内の重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように圧力0.08MPa、温度75℃のフラッシュタンクに導き、未反応のエチレン、1−ブテン、水素を分離した。
次に、重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に遠心分離機に送り、ポリマーとそれ以外の溶媒等を分離した。その時のポリマーに対する溶媒等の含有量は45%であった。
分離された高密度ポリエチレンパウダーは、85℃で窒素ブローしながら乾燥した。なお、この乾燥工程で、重合後のパウダーに対し、スチームを噴霧して、触媒及び助触媒の失活を実施した。
重合工程において、水素をエチレンと1−ブテンとの気相濃度に対して0.21mol%、1−ブテンは、エチレンの気相濃度に対して0.17mol%になるように供給した以外は、ポリエチレン(A−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(A−2)を得た。得られたポリエチレン(A−2)の評価結果を表1に示す。
重合工程において、水素をエチレンと1−ブテンとの気相濃度に対して0.35mol%、1−ブテンは、エチレンの気相濃度に対して0.26mol%になるように供給した以外は、ポリエチレン(A−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(A−3)を得た。得られたポリエチレン(A−3)の評価結果を表1に示す。
重合工程において、固体触媒成分[III]0.2g/時間と、助触媒としてトリイソブチルアルミニウム10mmol/時間を使用し、水素をエチレンと1−ブテンとの気相濃度に対して25.0mol%、1−ブテンはエチレンの気相濃度に対して0.48mol%になるように供給した以外は、ポリエチレン(A−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(A−4)を得た。得られたポリエチレン(A−4)の評価結果を表1に示す。
重合工程において、重合圧力は0.5MPa、重合温度83℃、固体触媒成分[III]0.2g/時間と、助触媒としてトリイソブチルアルミニウム10mmol/時間を使用し、水素をエチレンの気相濃度に対して14.0mol%、1−ブテンは添加しない以外は、ポリエチレン(A−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(B−1)を得た。得られたポリエチレン(B−1)の評価結果を表2に示す。
重合工程において、水素をエチレンと1−ブテンとの気相濃度に対して9.0mol%、1−ブテンはエチレンの気相濃度に対して1.87mol%になるように供給した以外は、ポリエチレン(B−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(B−2)を得た。得られたポリエチレン(B−2)の評価結果を表2に示す。
重合工程において、重合温度85℃、水素をエチレンの気相濃度に対して12.5mol%、1−ブテンは添加しない以外は、ポリエチレン(B−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(B−3)を得た。得られたポリエチレン(B−3)の評価結果を表2に示す。
重合工程において、水素をエチレンと1−ブテンとの気相濃度に対して11.0mol%、1−ブテンはエチレンの気相濃度に対して0.93mol%になるように供給した以外は、ポリエチレン(B−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(B−4)を得た。得られたポリエチレン(B−4)の評価結果を表2に示す。
重合工程において、重合温度82℃、水素をエチレンの気相濃度に対して0.09mol%になるように供給した以外は、ポリエチレン(A−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(B−5)を得た。得られたポリエチレン(B−5)の評価結果を表2に示す。
重合工程において、重合圧力は0.6MPa、重合温度85℃、水素をエチレンの気相濃度に対して17.0mol%、1−ブテンは添加しなかったこと以外は、ポリエチレン(B−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(B−6)を得た。得られたポリエチレン(B−6)の評価結果を表2に示す。
重合工程において、重合温度79℃、水素を供給せず、1−ブテンはエチレンの気相濃度に対して2.45mol%になるように供給した以外は、ポリエチレン(B−1)の製造方法と同様の操作により、ポリエチレン(B−7)を得た。得られたポリエチレン(B−7)の評価結果を表2に示す。
〔架橋パイプ用ポリエチレン組成物の製造方法〕
得られたポリエチレン(A−1)のペレットとポリエチレン(B−1)のパウダーとを、70/30質量%の組成比でヘンシェルミキサーを使用して混合し、株式会社プラスチック工学研究所SBTN−32(L/D=60)の二軸押出成形機を使用して、窒素下、最高温度210℃以下の樹脂温度で溶融混錬して造粒することで、架橋パイプ用ポリエチレン組成物を得た。得られた架橋パイプ用ポリエチレン組成物の評価結果を表1に示す。
架橋パイプ用ポリエチレン組成物100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0質量部、有機過酸化物としてパーヘキサ25B(日本油脂(株)製)0.1質量部、ジオクチルスズジラウリレート0.05質量部、フェノール系酸化防止剤としてテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト〕メタンを0.2質量部、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンを0.25質量部、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.25質量部、リン系熱安定剤としてテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイトを0.05質量部、ステアリン酸カルシウム0.15質量部をそれぞれ配合、ヘンシエルで混合した。その後、Reifenhauser社製単軸押出し機RH501(スクリュー径50mm、L/D=30)とパイプ状ダイとを組み合わせて、ポリエチレン樹脂組成物をパイプ状に押し出した。冷却を経て、外径約18mm、肉厚約2.5mmのパイプを得た。その後、95℃の温水に24時間浸漬してシラノール縮合反応を進行させ、架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表1に示す。
ポリエチレン(A−1)のペレットとポリエチレン(B−2)のパウダーとを、90/10質量%の組成比で混合した以外は、実施例1と同様の操作により、実施例2の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
ポリエチレン(A−2)のペレットとポリエチレン(B−3)のパウダーとを、70/30質量%の組成比で混合した以外は、実施例1と同様の操作により、実施例3の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
ポリエチレン(A−2)のペレットとポリエチレン(B−4)のパウダーとを、70/30質量%の組成比で混合した以外は、実施例1と同様の操作により、実施例4の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
ポリエチレン(A−1)のペレットのみを使用した以外は、実施例1と同様の操作により、比較例1の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
ポリエチレン(A−3)のペレットとポリエチレン(B−1)のパウダーとを、70/30質量%の組成比で混合した以外は、実施例1と同様の操作により、比較例2の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
ポリエチレン(A−4)のペレットとポリエチレン(B−1)のパウダーとを、70/30質量%の組成比で混合した以外は、実施例1と同様の操作により、比較例3の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
ポリエチレン(A−1)のペレットとポリエチレン(B−5)のパウダーとを、70/30質量%の組成比で混合した以外は、実施例1と同様の操作により、比較例4の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
ポリエチレン(A−1)のペレットとポリエチレン(B−6)のパウダーとを、50/50質量%の組成比で混合した以外は、実施例1と同様の操作により、比較例5の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
ポリエチレン(A−2)のペレットとポリエチレン(B−7)のパウダーとを、90/10質量%の組成比で混合した以外は、実施例1と同様の操作により、比較例6の架橋パイプを得た。得られた架橋パイプの評価結果を表3に示す。
Claims (12)
- メルトフローレートが1.0以上10.0g/10分以下であり、分子量分布Mw/Mnが3.0以上6.0以下である、ポリエチレン(A)60質量%以上95質量%以下と、
粘度平均分子量Mvが20×10 4 以上200×10 4 未満であり、分子量分布Mw/Mnが5以上15以下であり、パウダー嵩密度が0.40g/cm 3 以上0.55g/cm 3 以下である、ポリエチレン(B)5質量%以上40質量%以下と、
からなり、
密度が、935kg/m3以上955kg/m3以下であり、
分子量分布Mw/Mnが、4以上15以下であり、
含有Al量が、1質量ppm以上10質量ppm以下であり、
クロス分別クロマトグラフィーにより、下記の条件で測定した、90℃未満の積分溶出量が、全溶出量の10質量%以上30質量%以下であり、100℃以上の積分溶出量が、全溶出量の2質量%以上20質量%以下である、
架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
(条件)
充填剤を含有したカラムを140℃に昇温し、試料をオルトジクロロベンゼンに溶かした試料溶液(濃度:16mg/8mL)を導入して120分間保持する。
次に、降温速度0.5℃/分で40℃まで降温した後、20分間保持し、試料を充填剤表面に析出させる。その後、カラムの温度を、昇温速度20℃/分で順次昇温する。40℃から80℃までは10℃間隔で昇温し、80℃から85℃までは5℃間隔で昇温し、85℃から90℃までは3℃間隔で昇温し、90℃から100℃までは1℃間隔で昇温し、100℃から120℃までは10℃間隔で昇温する。なお、各温度で20分間保持した後に昇温を行い、各温度で溶出した試料(ポリエチレン)の濃度を検出する。そして、試料の溶出量(質量%)とその時のカラム内温度(℃)との値より、溶出温度−溶出量曲線を測定し、各温度での溶出量、及び溶出積分量を得る。 - α−オレフィン含有量が、0.05mol%以上1.0mol%未満である、請求項1に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
- 換算分子量103以下の成分の占有率が、全体の0.3質量%未満である、請求項1又は2に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
- 換算分子量106以上の成分の占有率が、全体の0.1質量%以上10.0質量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
- 塩素含有量が、前記架橋パイプ用ポリエチレン組成物に対して、5.0質量ppm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
- 架橋パイプ用ポリエチレン組成物からなる成形体の−25℃でのシャルピー衝撃強さが10kJ/m2以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
- ポリエチレン(A)が、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、分子量分布Mw/Mnが、3.0以上6.0以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
- ポリエチレン(B)が、エチレン単独重合体、及び/又は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であって、分子量分布Mw/Mnが、5以上15以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
- ポリエチレン(A)が、少なくとも担体物質、有機アルミニウム化合物、活性水素を有するボレート化合物、シクロペンタジエン化合物、及び、周期律表第IV族の遷移金属化合物から調製された幾何拘束型メタロセン触媒[A]と、液体助触媒成分[B]とを用いて重合した重合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物。
- メルトフローレートが、1.0以上10.0g/10分以下のポリエチレン(A)のペレットと、粘度平均分子量Mvが、20×104以上200×104未満のポリエチレン(B)のパウダーと、を溶融混練して造粒することを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の架橋パイプ用ポリエチレン組成物100質量部、有機過酸化物0.005〜5質量部、有機不飽和シラン化合物0.1〜10質量部、を含む組成物を、シラノール縮合触媒により架橋させ、作製された架橋パイプ。
- 給水用架橋パイプ、給湯用架橋パイプ、床暖房用架橋パイプ、ロードヒーティング用架橋パイプから選ばれる、請求項11に記載の架橋パイプ。
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