JP6987018B2 - 列車走行速度算出システム - Google Patents

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Description

本発明は、列車走行速度算出システムに関する。
従来から、線路に沿って地上子を設置し、車上側で地上子を検知して列車の停止制御や速度制御等を行う技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。車上側は、車上子が地上子と接近したときに当該地上子と電磁結合し、その結果車上子の共振周波数が変化することを利用して、地上側からの情報を受信する。
特開2013−21745号公報
ところで、上記した従来の地上子検知を利用した技術として、2つの地上子を検知した時間差から、列車の走行速度を検出するようにしたものがある。しかし、従来の地上子検知では、車上側で確実に共振周波数を検知するためには、速度検出用の2つの地上子を一定距離以上離して設置して、確実に1つずつ個別に地上子を検知できるようにする必要があった。そのため、走行速度を検出するのに一定距離の走行が必須となること、2つの地上子を通過する間に速度が増減したとしても平均速度として検出されてしまうこと、が問題として顕在化する場合があった。例えば、1つ目の地上子を通過した後に2つ目の地上子を通過する前に停止した場合には速度が検出できない場合や、ブレーキ作動によって2つ目の地上子を通過する時点では十分に減速している場合であっても、2つの地上子間の平均速度と判定されることで減速不足と判断されて急ブレーキの作動が必要と判定される場合、が起こり得る。
本発明は、上記課題に鑑み、車上子と地上子との電磁結合を検知することで行う地上子検知を利用して、1つの地上子の検知時点での列車の走行速度を算出する新たな技術を実現することを目的として考案されたものである。
上記課題を解決するための第1の発明は、
列車に設置され、地上子に接近したときの車上子との間の電磁結合を検知することで、前記地上子を検知する車上装置であって、
前記地上子は、前記車上子からの送信信号に対して第1の共振周波数で共振する第1の共振回路と、前記送信信号に対して第2の共振周波数で共振する第2の共振回路と、を備え、前記第1の共振回路を構成する第1のインダクタと、前記第2の共振回路を構成する第2のインダクタとが、線路方向に所定の重なり幅で部分的に重なるように所定の配置間隔で配置されて構成され、
前記車上子は、前記地上子の共振回路との電磁結合によって入力信号が誘起される入力用コイルを備えており、
前記入力信号に含まれる前記第1の共振周波数に対応する第1の信号レベル及び前記第2の共振周波数に対応する第2の信号レベルと、前記配置間隔とに基づいて、前記列車の走行速度を算出する速度算出部、
を備えた車上装置である。
第1の発明によれば、車上装置は、地上子に接近したときの車上子との間の電磁結合を検知することで地上子を検知するように構成される。一方、地上子は、車上子からの送信信号に対して第1の共振周波数で共振する第1の共振回路と、当該送信信号に対して第2の共振周波数で共振する第2の共振回路とを備え、その第1のインダクタと第2のインダクタとが、線路方向に所定の重なり幅で部分的に重なるように所定の配置間隔で配置される。そして、車上装置は、当該地上子との電磁結合により車上子の入力用コイルに誘起された入力信号を用い、第1の共振周波数に対応する第1の信号レベル及び第2の共振周波数に対応する第2の信号レベルと、第1のインダクタ及び第2のインダクタの配置間隔とから列車の走行速度を算出することができる。したがって、列車の走行中における地上子検知を利用して、地上子を検知するたびに当該1つの地上子を検知した時点での列車の走行速度を算出することが可能となる。
また、第2の発明は、
前記速度算出部は、前記第1の信号レベル及び前記第2の信号レベルのピーク到来タイミングの時間差と、前記配置間隔とから前記走行速度を算出する、
第1の発明の車上装置である。
第2の発明によれば、第1の信号レベル及び第2の信号レベルのピーク到来タイミングの時間差を求め、当該時間差と、第1のインダクタ及び第2のインダクタの配置間隔とから走行速度を算出できる。
また、第3の発明は、
前記速度算出部は、前記第1の信号レベル及び前記第2の信号レベルそれぞれが所定の基準信号レベルに到達したタイミングの時間差と、前記配置間隔とから前記走行速度を算出する、
第1の発明の車上装置である。
第3の発明によれば、第1の信号レベル及び第2の信号レベルのそれぞれが所定の基準信号レベルに到達したタイミングの時間差を求め、当該時間差と、第1のインダクタ及び第2のインダクタの配置間隔とから走行速度を算出できる。
また、第4の発明は、
前記基準信号レベルは、段階的に複数定められ、
前記速度算出部は、前記複数段階の基準信号レベル毎に算出した前記時間差から代表時間差を求めて前記走行速度を算出する、或いは、前記基準信号レベル毎に算出した前記時間差それぞれに対応する前記走行速度を算出した上で最終的な前記走行速度を決定する、
第3の発明の車上装置である。
第4の発明によれば、段階的な複数の基準信号レベル毎に第1の信号レベル及び第2の信号レベルが当該基準信号レベルに到達したタイミングの時間差を算出し、当該基準信号レベル毎の時間差から求めた代表時間差を用いて走行速度を算出できる。或いは、基準信号レベル毎の時間差をそれぞれ用いて走行速度を算出し、当該基準信号レベル毎の走行速度から最終的な走行速度を決定できる。
地上子の構成例を示す模式図。 第1のインダクタと第2のインダクタとの配置を説明する図。 地上子の共振周波数特性と送信信号の概略を示す図。 車上装置の構成例を示すブロック図。 第1の信号レベル及び第2の信号レベルの時間変化の一例を示す図。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
本実施形態の車上装置30(図4を参照)は、線路に沿って配置された地上子を検知して列車の停止制御や速度制御、位置検知等を行うATS(Automatic Train Stop)車上装置であり、列車に設けられた車上子3が地上子に接近したときにそれらが電磁結合することを利用して、列車が地上子の設置位置を通過したこと等を検知する。そのために、車上装置30は、所定の周波数成分を含む送信信号を車上子3から連続的に出力するとともに、車上子3からの入力信号に生じる変化を常時解析して、地上子との電磁結合を検知する。
先ず、車上装置30が検知する地上子の構成について説明する。図1は、地上子1の構成例を、その設置場所付近の線路の概略とともに示した模式図である。図1に示すように、地上子1は、一対のレール101,101を支持するまくらぎ103の上部やまくらぎ103の間等において、レール101,101の内側に設置される。
地上子1は、変周式又は共振式の地上子であり、上方を通過する列車の車上子3からの送信信号に対し、第1の共振周波数f1で共振する第1の共振回路11と、第2の共振周波数f2で共振する第2の共振回路13とを備える。また、地上子1は、受動素子で回路が構成されており、電源を必要とせず、演算回路等のいわゆる電子回路やリレー等を搭載していない、他装置とのケーブル接続の必要もない、単体装置のみで設置完了となる装置である。
第1の共振回路11は、第1のインダクタL1とコンデンサC1とを有し、第2の共振回路13は、第2のインダクタL2とコンデンサC2とを有する。そして、地上子1は、これら第1の共振回路11の第1のインダクタL1と第2の共振回路13の第2のインダクタL2とが、部分的に重ねて配置されて構成される。
図2は、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との配置を説明する図であり、地上子1を透視した概略を示す俯瞰図である。図2に示すように、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2とは、それぞれ渦巻き状のコイルパターンとして、両面基板の基板15の表面に第1のインダクタL1が、裏面に第2のインダクタL2が印刷されて実装され、上面視において各々の内側領域が所定の重なり幅W1の分だけ部分的に重なるように配置される。換言すると、各インダクタL1,L2は、その中心間の距離である所定の配置間隔Dで配置される。コイルパターンの巻き数は適宜設定することができ、基板15にコイルパターンを実装した内層を追加して、その追加した内層のコイルパターンとスルーホールで接続することで巻き数を増やすこともできる。そして、重なり幅W1は、車上子3からの送信信号に対する共振時において、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との間の電磁結合状態が所定の低減状態となる幅とされる。低減状態とは、当該共振時における第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との間の電磁結合状態が、無視できる程度に十分に小さい状態をいう。
ここで、上記共振時における第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との電磁結合の度合いは、重なり幅W1によって増減する。これは、当該共振時に第1のインダクタL1に生じる磁束に着目すると、この第1のインダクタL1に生じる磁束の第2のインダクタL2を貫く向きが、第2のインダクタL2の内側領域のうちの第1のインダクタL1と重なった部分(一点鎖線で囲った部分)131と、第1のインダクタL1と重なっていない部分(二点鎖線で囲った部分)133とで逆になり、各部分131,133の磁束が打ち消し合ってその総和が変動するためである。第2のインダクタL2に生じた磁束の第1のインダクタL1を貫く向きについても同様のことがいえる。したがって、各部分131,133の磁束の総和が0(ゼロ)になる(或いはゼロ相当になる)ように、換言すると、部分131と部分133とで磁束が等しくなるように重なり幅W1を設定すれば、当該共振時における第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との電磁結合を、ほぼゼロの状態(ゼロ相当状態)とすることができる。
そこで、事前に電磁界解析を行い、電磁結合状態をゼロ相当状態とする重なり幅を設計幅として規定しておく。そして、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2とを、設計幅に対して5mm以下の誤差範囲に収まる重なり幅W1で重ねて配置して製造することにより、電磁結合状態の低減状態を実現する。これによれば、車上子3からの送信信号に対する共振時においてインダクタL1,L2間が電磁結合し、各共振回路11,13の共振周波数特性(図3を参照)に影響し合う事態を抑制できる。よって、共振周波数f1,f2の組み合わせの情報を車上側へと正確に伝送することが可能となる。
また、各インダクタL1,L2の製造は、従来のような電線を手巻きする方式ではなく、基板15への銅箔等のパターン実装によって行う。これによれば、重なり幅W1に関する地上子1の製造バラツキを、設計幅に対して5mm以下の誤差範囲に抑えることができる。よって、特定の2つの共振周波数f1,f2で確実に共振する高品質な地上子1の量産を、容易かつ現実的に実現可能とすることができる。
図1に戻り、コンデンサC1,C2は、対応する共振周波数f1,f2に応じた必要な容量値を有する。例えば、予め用意される共振周波数の異なる複数種類(例えば9種類)のコンデンサ素子の中から異なる共振周波数に対応する2つを選択して地上子1に搭載することとして各インダクタL1,L2に接続して用いることができる。或いは、複数種類のコンデンサ素子を地上子1に搭載しておき、それらのうちの2つを選択又は組み合わせるスイッチを介して選択的に各インダクタL1,L2と接続する構成でもよい。
これによれば、地上子1は、異なる共振周波数f1,f2の組み合わせが示す情報を車上装置30へと伝送することができる。また、インダクタL1,L2は変えずにコンデンサC1,C2を変更することで、所望の2つの共振周波数f1,f2で共振する地上子1を簡単に構成できる。インダクタL1,L2が実装された基板15は共通して利用することができるため、基板15を製造するコスト面でも有利である。組み合わせの総数は、共振周波数の種類をM種類、共振回路の数をNとすると、通りとなる。例えば、共振回路の数が2つ(N=2)で、用意されるコンデンサ素子が9種類(M=9)の場合、36通りの情報が伝送可能となる。以下では、車上装置30が検知対象とする各地上子1の共振周波数f1,f2は、予め定められる9種類の選択候補周波数fa〜fiの中から選択されるものとする。
そして、以上のように構成される地上子1は、所定の重なり幅W1で重ねて配置された第1のインダクタL1及び第2のインダクタL2の配置方向が列車走行方向である線路方向(レール101,101の方向)に沿う向きで、レール101,101間に配置されて設置される。これにより、各インダクタL1,L2は、線路方向に沿って配置間隔Dを隔てて配置されることとなる。そして、地上子1は、上方を車上子3が通過した際、当該車上子3からの送信信号に対して2種類の共振周波数f1,f2で共振する。
図3に、地上子1の共振周波数特性と、その共振周波数f1,f2を検知するために車上子3が出力する送信信号の概略を示す。本実施形態では、車上装置30は、検知対象の地上子1において共振周波数f1,f2として選択され得る9種類の選択候補周波数fa〜fiの周波数成分を全て含んだ合成信号を生成し、送信信号として車上子3から出力する。送信信号(合成信号)の周波数帯域F〜Fは、50kHz〜300kHzの範囲内で適宜設定される。よって、送信信号に対する地上子1の共振時に車上子3において入力用コイル33(図4を参照)に誘起される入力信号は、当該地上子1の共振周波数f1,f2又はその付近で信号レベルが高くなる。したがって、車上装置30では、入力信号を常時解析することで、地上子1の共振周波数特性から振幅の大きい2種類の共振周波数f1,f2を検知することができる。なお、図3では、共振周波数f1,f2に係る信号レベルが同程度であるときの例を示しているが、実際に地上子1の上方を車上子3が通過する際には、共振回路11,13の上方を順番に通過することになるため、例えば、先に共振周波数f1に係る信号レベルが高くなり、次いで共振周波数f2に係る信号レベルが高くなる、といった信号レベルの増減タイミングには僅かながら時間差が生じることになる。
次に、本実施形態における車上装置30の構成について説明する。図4は、車上装置30の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、車上装置30は、車上子3と、送信回路部310と、受信回路部320と、車上制御部330と、操作入力部340と、表示部350と、通信部360と、車上記憶部370とを備える。
車上子3は、列車の車体底部において所定の配置位置に設置される。この車上子3は、送信回路部310から入力される送信信号に応じた送信波を出力する出力用コイル(1次コイル)31と、出力用コイル31からの出力に応じて入力信号が誘起される入力用コイル(2次コイル)33とを有する。上記したように、車上装置30は、車上子3からの入力信号を用いて2種類の共振周波数f1,f2を検知するが、そのための入力信号の車上装置30への入力は、単一の入力用コイル33を用いて行う。
送信回路部310は、図3に示した送信信号を生成する送信信号生成部や、生成した送信信号をアナログ信号に変換するDA変換部、変換後の送信信号を増幅するアンプ部等で構成され、増幅された送信信号を出力用コイル31に出力する。送信信号生成部は、所定のクロック信号生成器やFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いて実現できる。
受信回路部320は、入力用コイル33に誘起された入力信号を入力してデジタル信号に変換するAD変換部や、変換後の入力信号をフィルタ処理するフィルタ部等で構成され、フィルタ処理後の入力信号を車上制御部330に出力する。フィルタ部は、所定の周波数帯域の周波数成分を通過させ、帯域外の周波数成分を遮断するバンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)を用いて実現できる。通過させる周波数帯域は、選択候補周波数fa〜fiを含む周波数帯として設定される。
車上制御部330は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の演算装置や演算回路を有して構成され、車上記憶部370に記憶されたプログラムやデータ、受信回路部320から入力された入力信号等をもとに車上装置30を構成する各部への指示やデータの転送を行って、車上装置30の動作を統括的に制御する。この車上制御部330は、周波数解析部331と、地上子検知部333と、時間差算出部335と、走行速度算出部337とを含む。なお、これら車上制御部330が有する機能部は、プログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される処理ブロックであってもよいし、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって実現される回路ブロックであってもよい。本実施形態では、車上制御部330が速度算出プログラム371を実行することによりソフトウェアとして実現される処理ブロックとして説明する。
周波数解析部331は、受信回路部320からの入力信号について高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)による周波数解析を行い、周波数スペクトルを算出する。
地上子検知部333は、周波数解析部331による周波数解析結果に基づいて、車上子3が地上子1に接近したことを検知する。図3に示したように、車上子3が地上子1に接近して当該地上子1と電磁結合すると、車上子3の入力用コイル33に誘起される入力信号において、当該地上子1の第1の共振周波数f1に係る信号レベル(第1の信号レベル)と、第2の共振周波数f2に係る信号レベル(第2の信号レベル)とが高く(大きく)なる。そこで、地上子検知部333は、入力信号の周波数解析結果から、他と比べて相対的に高い信号レベルとなっている周波数信号の有無を判定する。そして、2つの高い信号レベルの周波数信号が入力信号に含まれている場合は、当該高い信号の周波数に対応する選択候補周波数fa〜fiをそれぞれ特定して、それらが共振周波数f1,f2として選択されている地上子1に接近したことを検知する。
また、地上子検知部333は、上記の要領で地上子1に接近したことを検知した場合には、車上記憶部370に記憶された地上子リスト373を参照し、当該地上子1を識別する。地上子リスト373には、地上子番号と対応付けて、該当する地上子1の共振周波数f1,f2の種類(fa〜fi)や、当該地上子1の設置位置(キロ程)等が設定される。
ここで、車上装置30は、公知の手法を用いて現在の走行位置(現在位置)を算出している。例えば、車軸に取り付けられた速度発電機の回転数を計数し、その計数値から現在位置(走行距離)を算出したり、車上装置30がGPS(Global Positioning System)受信機を有している場合には、受信したGPS衛星信号をもとに現在位置を取得することもできる。地上子検知部333は、例えば、この現在位置と、特定した地上子1の共振周波数f1,f2との組み合わせに合致する地上子番号を地上子リスト373から検索することで、検知した地上子1を識別する。地上子1を識別できたら、算出している現在位置を地上子リスト373の設置位置で補正することができる。なお、走行中に車上装置30が検知対象とする地上子1の数(列車が走行する線路上に存在する地上子1の数)が共振周波数f1,f2の組み合わせの数以下であれば、現在位置を照合しなくても、特定した共振周波数f1,f2の種類だけでその地上子1を識別することもできる。
時間差算出部335は、入力信号の周波数解析結果をもとに、第1の共振周波数f1の第1の信号レベルと、第2の共振周波数f2の第2の信号レベルとが所定の信号レベルとなったタイミングの時間差を求める。
ここで、上記したように、地上子検知部333は、図3の共振周波数特性をもとに第1の信号レベルと第2の信号レベルとから共振周波数f1,f2を検知するが、本実施形態では、地上子1において、2つのインダクタL1,L2が線路方向に配置間隔Dを隔てて配置されることから、第1の信号レベルのピーク到来タイミングと第2の信号レベルのピーク到来タイミングとには僅かながら時間差が生じる。例えば、図1において列車が矢印A1の方向に進行する場合、入力信号において先ず第1の信号レベルが高くなり、その後第2の信号レベルが高くなる。
図5は、横軸を時間、縦軸を信号レベルの大きさとして、第1の信号レベル及び第2の信号レベルの時間変化をプロットした図であり、実線で第1の信号レベルの時間変化を示し、一点鎖線で第2の信号レベルの時間変化を示している。図5に示すように、入力信号に含まれる第1の信号レベルは第2の信号レベルよりも先に高くなり、ピーク到来タイミングT21で最大となる。そして、時間差T2の分遅れて第2の信号レベルが高くなり、ピーク到来タイミングT23で最大となる。
ただし、図5では、第1の信号レベル及び第2の信号レベルの理想的な時間変化を図示しており、実際の時間変化からは1点のピーク到来タイミングを判別し難い場合も考えられ、その時間差もばらつく可能性がある。そこで、本実施形態では、予め基準信号レベルを1つ或いは複数段階定めておく。例えば、図5中に示した6段階の基準信号レベルLv1〜Lv6を定めておくことができる。そして、例えば、第1の信号レベル及び第2の信号レベルの各々が各基準信号レベルに到達したタイミングに係る時間差と、各基準信号レベルを下回ったタイミングに係る時間差をそれぞれ算出し、算出した12個の時間差の平均値を代表時間差として求める。
走行速度算出部337は、時間差算出部335が算出した代表時間差を用い、次式(1)に従って列車の走行速度を算出する。次式(1)において、Vは列車の走行速度[m/s]、Dは配置間隔[m]、Tは代表時間差(s)をそれぞれ示す。
V=D/T ・・・(1)
なお、代表時間差を算出するのではなく、各基準信号レベルについて算出した複数(例えば12個)の時間差のそれぞれから、式(1)を用いて走行速度を算出するとしてもよい。そして、例えば、それら走行速度の平均値を求め、最終的な列車の走行速度として決定するとしてもよい。
操作入力部340は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等を有する入力装置であり、操作入力に応じた操作信号を車上制御部330に出力する。表示部350は、例えば液晶表示装置等で実現され、車上制御部330からの表示信号に応じた表示を行う。
通信部360は、外部装置との間でデータ通信を行う。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
車上記憶部370は、IC(Integrated Circuit)メモリやハードディスク、光学ディスク等の記憶媒体により実現されるものである。この車上記憶部370には、車上装置30を動作させ、車上装置30が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。本実施形態では、車上記憶部370には、速度算出プログラム371と、地上子リスト373と、地上子検知結果データ700と、走行速度データ375とが記憶される。
車上制御部330は、車上記憶部370から速度算出プログラム371を読み出して実行することにより、周波数解析部331や地上子検知部333、時間差算出部335、走行速度算出部337等の機能を実現する。
地上子検知結果データ700は、地上子検知部333が地上子1を検知するたびに生成され、その検知結果を格納する。1つの地上子検知結果データ700は、列車番号701と、運行日703と、検知時刻705と、地上子番号707と、共振周波数データ709とを含む。
地上子番号707には、当該検知時に識別された地上子1の識別情報である地上子番号が設定される。
共振周波数データ709は、当該検知時に特定された共振周波数f1,f2の種類(fa〜fi)を格納する。
走行速度データ375には、走行速度算出部337によって地上子検知のたびに算出される走行速度をその地上子番号と対応付けて時系列で格納する。
以上説明したように、本実施形態によれば、地上子1の検知時における車上子3からの入力信号に含まれる第1の信号レベル及び第2の信号レベルと、当該地上子1における第1のインダクタL1及び第2のインダクタL2の配置間隔Dとから、列車の走行速度を算出することができる。配置間隔Dはごく短い距離であることから、算出される走行速度は、該当する地上子1の上方を車上子3が通過したタイミングでの瞬間的な速度ということができる。これによれば、地上子1を検知するたびに、当該1つの地上子1を検知した時点での列車の走行速度を算出することができる。
また、図5を参照して説明したように、段階的な複数の基準信号レベルを予め定めておくことができる。そして、複数段階の基準信号レベル毎に時間差を算出して用い、列車の走行速度を算出することができる。これによれば、走行速度の算出精度の向上が図れる。ただし、基準信号レベルは複数段階定める構成に限らず、1つの基準信号レベルについて時間差を算出し、走行速度を算出するとしてもよい。また、第1の信号レベルのピーク到来タイミングと第2の信号レベルのピーク到来タイミングとを判別し、その時間差から列車の走行速度を算出するとしてもよい。
また、算出した走行速度から、速度発電機による速度計測に用いる車輪径を補正するといったことも可能となる。車輪径は、定期検査等において車輪径を実測する等して補正されるが、列車走行に伴う摩耗や滑走、空転等によっても変化するため、補正された値と実際の値とが異なる事態が生じ得る。本実施形態によれば、地上子1を検知するたびに、速度発電機から得られる速度と算出した走行速度とを比較することで、車輪径の補正を行うことが可能となる。これによれば、上記した速度発電機の回転数を用いた現在位置の算出精度の向上が図れる。
1 地上子、11 第1の共振回路、L1 第1のインダクタ、C1 コンデンサ、13 第2の共振回路、L2 第2のインダクタ、C2 コンデンサ、f1 第1の共振周波数、f2 第2の共振周波数、W1 重なり幅、30 車上装置、3 車上子、31 出力用コイル、33 入力用コイル、310 送信回路部、320 受信回路部、330 車上制御部、331 周波数解析部、333 地上子検知部、335 時間差算出部、337 走行速度算出部、360 通信部、370 車上記憶部、371 速度算出プログラム、373 地上子リスト、700 地上子検知結果データ、701 列車番号、707 地上子番号、709 共振周波数データ、375 走行速度データ、3 レール、5 まくらぎ

Claims (4)

  1. 列車に設置され、当該列車の走行に伴って車上子が地上子に接近したときに生じる前記車上子と前記地上子との間の電磁結合を検知すること前記地上子を検知する車上装置
    記車上子からの送信信号に対して第1の共振周波数で共振する第1の共振回路と、前記送信信号に対して第2の共振周波数で共振する第2の共振回路と、を備え、前記第1の共振回路を構成する第1のインダクタと、前記第2の共振回路を構成する第2のインダクタとが、線路方向に所定の重なり幅で部分的に重なるように所定の配置間隔で配置されて構成された前記地上子と
    を具備する列車走行速度算出システムであって、
    前記車上子は、前記地上子の共振回路との電磁結合によって入力信号が誘起される入力用コイルを備えており、
    前記車上装置は、
    前記車上子が前記地上子に接近する際に、前記入力信号に含まれる前記第1の共振周波数に対応する第1の信号レベルが高くなり始めてピーク到来タイミングに至る前に前記第2の共振周波数に対応する第2の信号レベルが高くなり始めることによる前記第1の信号レベルの時間変化と前記第2の信号レベルの時間変化との時間差と、前記配置間隔とに基づいて、前記列車の走行速度を算出する速度算出部、
    を備え
    前記速度算出部は、前記第1の信号レベル及び前記第2の信号レベルが所定の基準信号レベルに到達したタイミングの前記時間差を算出し、算出した前記時間差と、前記配置間隔とに基づいて、前記走行速度を算出する、
    列車走行速度算出システム
  2. 前記重なり幅は、前記送信信号に対する共振時において、前記第1のインダクタと前記第2のインダクタとの間の電磁結合状態が所定の低減状態となる幅である、
    請求項1に記載の列車走行速度算出システム
  3. 前記速度算出部は、複数段階の前記基準信号レベル毎に、前記第1の信号レベル及び前記第2の信号レベルが当該基準信号レベルに到達したタイミングの前記時間差を算出し、算出した前記基準信号レベル毎の時間差と、前記配置間隔とに基づいて、前記走行速度を算出する、
    請求項1又は2に記載の列車走行速度算出システム
  4. 前記速度算出部は、前記複数段階の基準信号レベル毎に算出した前記時間差から代表時間差を求めて前記走行速度を算出する、或いは、前記基準信号レベル毎に算出した前記時間差それぞれに対応する前記走行速度を算出した上で最終的な前記走行速度を決定する、
    請求項3に記載の列車走行速度算出システム
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