JP6899796B2 - 適否判定方法、適否判定装置及び車上装置 - Google Patents

適否判定方法、適否判定装置及び車上装置 Download PDF

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Description

本発明は、地上子の配置状態や列車への車上子の配置状態の適否を判定する適否判定方法等に関する。
従来から、線路に沿って地上子を設置し、車上側で地上子を検知して列車の停止制御や速度制御等を行う技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。車上側は、車上子が地上子と接近したときに当該地上子と電磁結合し、その結果車上子の共振周波数が変化することを利用して、地上側からの情報を受信する。
特開2013−21745号公報
ところで、車上子と地上子との電磁結合によって地上側からの情報を受信して地上子を検知する手法においては、車上子が地上子に接近したときの両者の位置関係がその伝送特性に影響する。例えば、何らかの原因で当初の配置位置からずれてしまい、適切な位置関係にない状態になると、場合によっては伝送特性を低下させて地上子の検知漏れを引き起こすおそれがあり、最悪のケースでは列車同士の衝突事故を招く危険性が考えられた。
本発明は、上記課題に鑑み、車上子と地上子との電磁結合を検知することで行う地上子検知を利用して、地上子の配置状態や列車への車上子の配置状態の適否を判定する新たな技術を実現することを目的として考案されたものである。
上記課題を解決するための第1の発明は、
線路に沿って配置された各地上子のうち、接近した地上子との間で車上子が電磁結合することで当該地上子を検知可能な車上装置の検知結果に基づいて、前記地上子の配置状態、及び/又は、前記線路を走行する列車への前記車上子の配置状態が適切か否かを判定する適否判定方法であって、
前記地上子は、前記車上子からの送信信号に対して第1の共振周波数で共振する第1の共振回路と、前記送信信号に対して第2の共振周波数で共振する第2の共振回路と、を備え、前記第1の共振回路を構成する第1のインダクタと、前記第2の共振回路を構成する第2のインダクタとが線路方向に対して交差する方向に配置され、
前記車上子は、前記地上子の共振回路との電磁結合によって入力信号が誘起される入力用コイルを備え、
前記車上装置は、前記入力信号に含まれる前記第1の共振周波数に対応する第1の信号レベルと前記第2の共振周波数に対応する第2の信号レベルとに基づいて前記地上子を検知するように構成されており、
前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとが、大きさ及びピーク到来タイミングの点で同程度であることを示す所定の同様条件を満たすか否かを判定する同様判定を行うこと、
を含み、前記同様判定の判定結果に基づいて前記配置状態の適否を判定する適否判定方法である。
第1の発明によれば、車上装置は、地上子に接近したときの車上子との間の電磁結合を検知することで地上子を検知するように構成される。一方、地上子は、車上子からの送信信号に対して第1の共振周波数で共振する第1の共振回路と、当該送信信号に対して第2の共振周波数で共振する第2の共振回路とを備え、その第1のインダクタと第2のインダクタとが、線路方向に所定の重なり幅で部分的に重なるように所定の配置間隔で配置される。そして、車上装置は、当該地上子との電磁結合により車上子の入力用コイルに誘起された入力信号において、第1の共振周波数に対応する第1の信号レベルと第2の共振周波数に対応する第2の信号レベルとが大きさ及びピーク到来タイミングの点で同程度であるか否かに応じて、地上子の配置状態及び/又は列車への車上子の配置状態の適否を判定することができる。したがって、列車の走行中における地上子検知を利用して、地上子や車上子が適切に配置されているかどうか判定することが可能となる。
また、第2の発明は、
複数の前記地上子について、前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの前記同様判定を行い、前記同様条件を満たさない地上子の数が所定の少数条件を満たす場合に、前記同様条件を満たさない地上子の配置状態を不適切と判定すること、
を含む第1の発明の適否判定方法。
配置位置や配置向きがずれる等して配置状態が変化してしまう地上子は全体のうちの限られた少数であると考えられる。そのため、第2の発明によれば、複数の地上子のうちの多くが同様条件を満たし、当該同様条件を満たさない地上子が少ないときに、当該満たさない地上子の配置状態を不適切と判定することができる。
また、第3の発明は、
複数の前記地上子について、前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの前記同様判定を行い、前記同様条件を満たさない地上子の数が所定の多数条件を満たす場合に、前記車上子の配置状態を不適切と判定すること、
を含む第1又は第2の発明の適否判定方法である。
配置位置や配置向きがずれる等して配置状態が変化してしまう地上子は全体のうちの限られた少数であると考えられる。そのため、第3の発明によれば、複数の地上子のうちの多くが同様条件を満たさないときには、列車への車上子の配置状態を不適切と判定することができる。
また、第4の発明は、
同一の前記地上子に対する、前記線路を走行する複数の前記列車の前記入力信号に基づく前記同様判定の結果、前記同様条件を満たさない列車の数が所定の少数条件を満たす場合に、前記同様条件を満たさない列車の前記車上子の配置状態を不適切と判定すること、
を含む第1〜第3の何れかの発明の適否判定方法である。
第4の発明によれば、同一の地上子について異なる列車の入力信号に基づき判定した同様判定結果の多くが同様条件を満たすとの判定結果であり、当該同様条件を満たさない列車が少ないときに、当該満たさない列車への車上子の配置状態を不適切と判定することができる。
また、第5の発明は、
前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの差が異常な差であることを示す所定の異常差条件を満たすか否かを判定することで、地上子の故障を検出すること、
を含む第1〜第4の何れかの発明の適否判定方法である。
第5の発明によれば、第1の信号レベルと第2の信号レベルとの差から、地上子の故障を検出することができる。
また、第6の発明は、
第1〜第5の何れかの発明の適否判定方法を実行する適否判定装置であって、
前記車上装置は、検知した前記地上子毎に、当該検知した際の前記第1の信号レベル及び前記第2の信号レベルのデータを記録又は前記適否判定装置に送信し、
前記データに基づいて前記適否判定方法を実行する適否判定装置である。
第6の発明によれば、第1〜第5の何れかの発明と同様の効果を奏する適否判定装置を実現できる。
また、第7の発明は、
第1〜第3の何れかの発明の適否判定方法を実行する車上装置である。
第7の発明によれば、第1〜第3の何れかの発明と同様の効果を奏する車上装置を実現できる。
全体システムの構成例を示す図。 地上子の構成例を示す模式図。 第1のインダクタと第2のインダクタとの配置を説明する図。 地上子の共振周波数特性と送信信号の概略を示す図。 車上装置の構成例を示すブロック図。 地上子検知結果データのデータ構成例を示す図。 適否判定装置の構成例を示すブロック図。 同様判定処理の原理を説明する図。 適否判定装置における処理の流れを説明するためのフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
1.全体システム
図1は、本実施形態における車上装置30と適否判定装置50とを含む全体システムの構成例を示す図である。本実施形態の全体システムにおいて、車上装置30は、線路に沿って配置された地上子1を検知して列車100の停止制御や速度制御、位置検知等を行うATS(Automatic Train Stop)車上装置であり、列車100に設けられた車上子3が地上子1に接近したときにそれらが電磁結合することを利用して、列車100が地上子1の設置位置を通過したこと等を検知する。そのために、車上装置30は、所定の周波数成分を含む送信信号を車上子3から連続的に出力するとともに、車上子3からの入力信号に生じる変化を常時解析して、地上子1との電磁結合を検知する。
一方、適否判定装置50は、指令所や保守区、駅の機器室等に地上装置の1つとして設置される。そして、車上装置30と適否判定装置50とは、所定の通信回線を介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。車上装置30と適否判定装置50との間の通信は、例えば無線通信で実現される。
2.地上子の構成
先ず、車上装置30が検知する地上子1の構成について説明する。図2は、地上子1の構成例を、その設置場所付近の線路の概略とともに示した模式図である。図2に示すように、地上子1は、一対のレール101,101を支持するまくらぎ103の上部やまくらぎ103の間等において、レール101,101の内側に設置される。
地上子1は、変周式又は共振式の地上子であり、上方を通過する列車100の車上子3からの送信信号に対し、第1の共振周波数f1で共振する第1の共振回路11と、第2の共振周波数f2で共振する第2の共振回路13とを備える。また、地上子1は、受動素子で回路が構成されており、電源を必要とせず、演算回路等のいわゆる電子回路やリレー等を搭載していない、他装置とのケーブル接続の必要もない、単体装置のみで設置完了となる装置である。
第1の共振回路11は、第1のインダクタL1とコンデンサC1とを有し、第2の共振回路13は、第2のインダクタL2とコンデンサC2とを有する。そして、地上子1は、これら第1の共振回路11の第1のインダクタL1と第2の共振回路13の第2のインダクタL2とが、部分的に重ねて配置されて構成される。
図3は、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との配置を説明する図であり、地上子1を透視した概略を示す俯瞰図である。図3に示すように、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2とは、それぞれ渦巻き状のコイルパターンを、両面基板の基板15の表面に第1のインダクタL1を、裏面に第2のインダクタL2を印刷して実装され、上面視において各々の内側領域が所定の重なり幅W1の分だけ部分的に重なるように配置される。コイルパターンの巻き数は適宜設定することができ、基板15にコイルパターンを実装した内層を追加して、その追加した内層のコイルパターンとスルーホールで接続することで巻き数を増やすこともできる。そして、重なり幅W1は、車上子3からの送信信号に対する共振時において、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との間の電磁結合状態が所定の低減状態となる幅とされる。低減状態とは、当該共振時における第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との間の電磁結合状態が、無視できる程度に十分に小さい状態をいう。
ここで、上記共振時における第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との電磁結合の度合いは、重なり幅W1によって増減する。これは、当該共振時に第1のインダクタL1に生じる磁束に着目すると、この第1のインダクタL1に生じる磁束の第2のインダクタL2を貫く向きが、第2のインダクタL2の内側領域のうちの第1のインダクタL1と重なった部分(一点鎖線で囲った部分)131と、第1のインダクタL1と重なっていない部分(二点鎖線で囲った部分)133とで逆になり、各部分131,133の磁束が打ち消し合ってその総和が変動するためである。第2のインダクタL2に生じた磁束の第1のインダクタL1を貫く向きについても同様のことがいえる。したがって、各部分131,133の磁束の総和が0(ゼロ)になる(或いはゼロ相当になる)ように、換言すると、部分131と部分133とで磁束が等しくなるように重なり幅W1を設定すれば、当該共振時における第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との電磁結合を、ほぼゼロの状態(ゼロ相当状態)とすることができる。
そこで、事前に電磁界解析を行い、電磁結合状態をゼロ相当状態とする重なり幅を設計幅として規定しておく。そして、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2とを、設計幅に対して5mm以下の誤差範囲に収まる重なり幅W1で重ねて配置して製造することにより、電磁結合状態の低減状態を実現する。これによれば、車上子3からの送信信号に対する共振時においてインダクタL1,L2間が電磁結合し、各共振回路11,13の共振周波数特性(図4を参照)に影響し合う事態を抑制できる。よって、共振周波数f1,f2の組み合わせの情報を車上側へと正確に伝送することが可能となる。
また、各インダクタL1,L2の製造は、従来のような電線を手巻きする方式ではなく、基板15への銅箔等のパターン実装によって行う。これによれば、重なり幅W1に関する地上子1の製造バラツキを、設計幅に対して5mm以下の誤差範囲に抑えることができる。よって、特定の2つの共振周波数f1,f2で確実に共振する高品質な地上子1の量産を、容易かつ現実的に実現可能とすることができる。
図2に戻り、コンデンサC1,C2は、対応する共振周波数f1,f2に応じた必要な容量値を有する。例えば、予め用意される共振周波数の異なる複数種類(例えば9種類)のコンデンサ素子の中から異なる共振周波数に対応する2つを選択して地上子1に搭載することとして各インダクタL1,L2に接続して用いることができる。或いは、複数種類のコンデンサ素子を地上子1に搭載しておき、それらのうちの2つを選択又は組み合わせるスイッチを介して選択的に各インダクタL1,L2と接続する構成でもよい。
これによれば、地上子1は、異なる共振周波数f1,f2の組み合わせが示す情報を車上装置30へと伝送することができる。また、インダクタL1,L2は変えずにコンデンサC1,C2を変更することで、所望の2つの共振周波数f1,f2で共振する地上子1を簡単に構成できる。インダクタL1,L2が実装された基板15は共通して利用することができるため、基板15を製造するコスト面でも有利である。組み合わせの総数は、共振周波数の種類をM種類、共振回路の数をNとすると、通りとなる。例えば、共振回路の数が2つ(N=2)で、用意されるコンデンサ素子が9種類(M=9)の場合、36通りの情報が伝送可能となる。以下では、車上装置30の検知対象となる地上子1の共振周波数f1,f2は、予め定められる9種類の選択候補周波数fa〜fiの中から選択されるものとする。
そして、以上のように構成される地上子1は、重なり幅W1で重ねて配置されたインダクタL1,L2の配置方向が列車走行方向である線路方向(レール101,101に沿う方向)と交差する向き(本実施形態では線路方向に直交する向き)で、レール101,101間に配置されて設置される。したがって、地上子1は、上方を車上子3が通過した際、当該車上子3からの送信信号に対して2種類の共振周波数f1,f2で同時に共振する。
図4に、地上子1の共振周波数特性と、その共振周波数f1,f2を検知するために車上子3が出力する送信信号の概略を示す。本実施形態では、車上装置30は、検知対象の地上子1において共振周波数f1,f2として選択され得る9種類の選択候補周波数fa〜fiの周波数成分を全て含んだ合成信号を生成し、送信信号として車上子3から出力する。送信信号(合成信号)の周波数帯域F〜Fは、50kHz〜300kHzの範囲内で適宜設定される。よって、送信信号に対する地上子1の共振時に車上子3の入力用コイル33(図5を参照)に誘起される入力信号は、当該地上子1の共振周波数f1,f2又はその付近で信号レベルが高くなる。したがって、車上装置30では、入力信号を常時解析することで、地上子1の共振周波数特性から振幅の大きい2種類の共振周波数f1,f2をほぼ同時に一度に検知することができる。
3.車上装置の構成
次に、車上装置30の構成について説明する。図5は、車上装置30の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、車上装置30は、車上子3と、送信回路部310と、受信回路部320と、車上制御部330と、操作入力部340と、表示部350と、通信部360と、車上記憶部370とを備える。
車上子3は、列車100の車体底部において所定の配置位置に設置される。この車上子3は、送信回路部310から入力される送信信号に応じた送信波を出力する出力用コイル(1次コイル)31と、出力用コイル31からの出力に応じて入力信号が誘起される入力用コイル(2次コイル)33とを有する。上記したように、車上装置30は、車上子3からの入力信号を用いて2種類の共振周波数f1,f2を検知するが、そのための入力信号の車上装置30への入力は、単一の入力用コイル33を用いて行う。出力用コイル31および入力用コイル33の配置構成は任意に定めることができる。例えば、出力用コイル31および入力用コイル33それぞれの中心位置を、列車100の車体左右方向に所定間隔をおいて配置した規定の配置状態の構成とすることができる。或いは、例えば、出力用コイル31および入力用コイル33のそれぞれの中心位置を列車100の車体左右方向の所定位置(例えば中心位置)に揃え、且つ、車体前後方向に所定間隔をおいて配置した規定の配置状態の構成としてもよい。規定の配置状態に配置されていることで、適切な配置状態に配置された地上子1を検知する際には、図4に示すような、当該地上子1に係る2つの共振周波数を、同様の信号レベルで且つ同じタイミングで検知できる。
送信回路部310は、図4に示した送信信号を生成する送信信号生成部や、生成した送信信号をアナログ信号に変換するDA変換部、変換後の送信信号を増幅するアンプ部等で構成され、増幅された送信信号を出力用コイル31に出力する。送信信号生成部は、所定のクロック信号生成器やFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いて実現できる。
受信回路部320は、入力用コイル33に誘起された入力信号を入力してデジタル信号に変換するAD変換部や、変換後の入力信号をフィルタ処理するフィルタ部等で構成され、フィルタ処理後の入力信号を車上制御部330に出力する。フィルタ部は、所定の周波数帯域の周波数成分を通過させ、帯域外の周波数成分を遮断するバンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)を用いて実現できる。通過させる周波数帯域は、選択候補周波数fa〜fiを含む周波数帯として設定される。
車上制御部330は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の演算装置や演算回路を有して構成され、車上記憶部370に記憶されたプログラムやデータ、受信回路部320から入力された入力信号等をもとに車上装置30を構成する各部への指示やデータの転送を行って、車上装置30の動作を統括的に制御する。この車上制御部330は、周波数解析部331と、地上子検知部333と、検知結果記録処理部335と、検知結果送信処理部337とを含む。なお、これら車上制御部330が有する機能部は、プログラムを実行することによりソフトウェアとして実現される処理ブロックであってもよいし、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって実現される回路ブロックであってもよい。
周波数解析部331は、受信回路部320からの入力信号について高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)による周波数解析を行い、周波数スペクトルを算出する。
地上子検知部333は、周波数解析部331による周波数解析結果に基づいて、車上子3が地上子1に接近したことを検知する。図4に示したように、車上子3が地上子1に接近して当該地上子1と電磁結合すると、車上子3の入力用コイル33に誘起される入力信号において、当該地上子1の第1の共振周波数f1に係る信号レベル(第1の信号レベル)と、第2の共振周波数f2に係る信号レベル(第2の信号レベル)とが高く(大きく)なる。そこで、地上子検知部333は、入力信号の周波数解析結果から、他と比べて相対的に高い信号レベルとなっている周波数信号の有無を判定する。そして、2つの高い信号レベルの周波数信号が入力信号に含まれている場合は、当該高い信号の周波数に対応する選択候補周波数fa〜fiをそれぞれ特定して、それらが共振周波数f1,f2として選択されている地上子1に接近したことを検知する。
また、地上子検知部333は、上記の要領で地上子1に接近したことを検知した場合には、車上記憶部370に記憶された地上子リスト371を参照し、当該地上子1を識別する。地上子リスト371には、地上子番号と対応付けて、該当する地上子1の共振周波数f1,f2の種類(fa〜fi)や、当該地上子1の設置位置(キロ程)等が設定される。
ここで、車上装置30は、公知の手法を用いて現在の走行位置(現在位置)を算出している。例えば、車軸に取り付けられた速度発電機の回転数を計数し、その計数値から現在位置(走行距離)を算出したり、車上装置30がGPS(Global Positioning System)受信機を有している場合には、受信したGPS衛星信号をもとに現在位置を取得することもできる。地上子検知部333は、例えば、この現在位置と、特定した地上子1の共振周波数f1,f2との組み合わせに合致する地上子番号を地上子リスト371から検索することで、検知した地上子1を識別する。地上子1を識別できたら、算出している現在位置を地上子リスト371の設置位置で補正することができる。なお、走行中に車上装置30が検知対象とする地上子1の数(列車100が走行する線路上に存在する地上子1の数)が共振周波数f1,f2の組み合わせの数以下であれば、現在位置を照合しなくても、特定した共振周波数f1,f2の種類だけでその地上子1を識別することもできる。
検知結果記録処理部335は、地上子検知部333が地上子1を検知するたびに、当該検知結果に係る地上子検知結果データ700を生成して車上記憶部370に格納する。
検知結果送信処理部337は、地上子検知結果データ700を適宜のタイミングで適否判定装置50へと送信するための処理を行う。本実施形態では、列車100の運行終了後において、走行中に記憶・蓄積された地上子検知結果データ700をまとめて無線通信又は有線通信により適否判定装置50へと送信する。なお、運行終了後に送信する構成に限らず、走行中に無線通信により送信するとしてもよい。或いは、地上子検知結果データ700をUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶装置に蓄積するようにし、運行終了後に、管理者がこの外部記憶装置を取り外して適否判定装置50に接続することで入力するとしてもよい。
操作入力部340は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等を有する入力装置であり、操作入力に応じた操作信号を車上制御部330に出力する。表示部350は、例えば液晶表示装置等で実現され、車上制御部330からの表示信号に応じた表示を行う。
通信部360は、外部装置(例えば適否判定装置50)との間でデータ通信を行う。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
車上記憶部370は、IC(Integrated Circuit)メモリやハードディスク、光学ディスク等の記憶媒体により実現されるものである。この車上記憶部370には、車上装置30を動作させ、車上装置30が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。本実施形態では、車上記憶部370には、地上子リスト371と、地上子検知結果データ700とが記憶される。
地上子検知結果データ700は、地上子検知部333が地上子1を検知するたびに生成され、その検知結果を格納する。図6は、1つの地上子検知結果データ700のデータ構成例を示す図である。図6に示すように、地上子検知結果データ700は、列車番号701と、運行日703と、検知時刻705と、地上子番号707と、共振周波数データ709とを含む。
地上子番号707には、当該検知時に識別された地上子1の識別情報である地上子番号が設定される。
共振周波数データ709は、当該検知時に特定された共振周波数f1,f2の種類(fa〜fi)と、第1のピーク到来タイミング及び第2のピーク到来タイミングと、第1のピーク時信号レベル及び第2のピーク時信号レベルと、Q値とを格納する。
第1のピーク到来タイミングは、当該検知時に特定された第1の共振周波数f1に係る周波数信号の信号レベルが最も高くなったタイミング(当該周波数信号の信号レベルについてピークが到来したタイミング)であり、例えばミリ秒オーダーの時刻情報である。同様に、第2のピーク到来タイミングは、当該検知時に特定された第2の共振周波数f2に係る周波数信号の信号レベルが最も高くなったタイミング(当該周波数信号の信号レベルについてピークが到来したタイミング)であり、例えばミリ秒オーダーの時刻情報である。また、第1のピーク時信号レベルは、第1の共振周波数f1に係る周波数信号のピーク到来タイミングでの信号レベル(ピーク到来タイミングにおける第1の信号レベル)である。同様に、第2のピーク時信号レベルは、第2の共振周波数f2に係る周波数信号のピーク到来タイミングでの信号レベル(ピーク到来タイミングにおける第2の信号レベル)である。そして、Q値については、当該検知時に入力信号に基づき算出されて記録される。
4.適否判定装置の構成
次に、適否判定装置50の構成について説明する。図7は、適否判定装置50の構成例を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態の適否判定装置50は、制御部510と、操作入力部520と、表示部530と、通信部540と、記憶部550とを備える。本実施形態では、この適否判定装置50が適否判定方法を実施する。
制御部510は、例えばCPUやFPGA等の演算装置や演算回路を有して構成され、記憶部550に記憶されたプログラムやデータ、車上装置30から受信したデータ(検知結果データ)等をもとに適否判定装置50を構成する各部への指示やデータの転送を行って、適否判定装置50の動作を統括的に制御する。車上子3から検知結果データを受信した際には、これを地上子検知結果データ700sとして記憶部550に蓄積する。この制御部510は、同様判定処理部511と、配置状態適否判定部513とを含む。
同様判定処理部511は、地上子検知結果データ700sを用いて同様判定処理を行う。本実施形態では、例えば、運行終了後に同様判定処理を行うこととし、当該同様判定処理を前回行ってから新たに記憶部550に蓄積された未処理の地上子検知結果データ700sを処理対象とする。
ここで、車上子3が地上子1の上方においてその線路方向に沿った中心線A1(図8(a)を参照)上を通過した場合、車上子3からの入力信号には、当該地上子1の共振周波数f1,f2に係る信号レベル(第1の信号レベル及び第2の信号レベル)がほぼ同時に同程度の高さで現れる。これは、共振時において車上子3と各インダクタL1,L2との間の距離が略等しくなるためである。したがって、入力信号において第1の信号レベルのピークと第2の信号レベルのピークとがほぼ同じタイミングで到来し、ピーク時の両者の大きさも同程度となる(図4を参照)。以下、車上子3が地上子1の中心線A1上を通過する両者の配置状態(位置及び向きを含む)を、適宜「基準配置状態」ともいう。
これに対し、車上子3の通過位置が中心線A1上からずれていると、第1の信号レベルと第2の信号レベルとでその大きさやピーク到来タイミングは一致しなくなる。図8(a)は、車上子3の通過位置がずれた態様例を説明する図であり、図8(b)は、(a)の態様での共振時におけるピーク到来タイミングの入力信号を示す模式図である。例えば、図8(a)において一点鎖線で示すように、車上子3の通過位置が中心線A1から第1のインダクタL1側へと平行にずれていたとする。この場合、図8(b)に示すように、第1のピーク時信号レベルが第2のピーク時信号レベルと比べて高くなる。地上子1及び/又は車上子3の配置状態が基準配置状態からずれたことで、共振時における車上子3と各インダクタL1,L2との距離に差が生じたためである。
より詳細には、図8の例では、共振時において車上子3は第1のインダクタL1と近く、第2のインダクタL2と遠くなるため、第1のピーク時信号レベルが第2のピーク時信号レベルより高くなる。そしてその差は、車上子3と各インダクタL1,L2との距離の差が大きいほど(中心線A1に対する車上子3の通過位置のずれ量が大きいほど)大きくなる。
また、車上子3の通過位置がずれる態様としては、図8を参照して説明した態様の他にも、例えば、地上子1の向きがずれてその中心線A1が線路方向に対して傾いた態様が考えられる。逆に、車上子3の向きがずれて線路方向に対して傾いた態様も考えられる。その場合、各信号レベルのピーク到来タイミングにも差が生じ得る。
以上のような態様で車上子3の配置状態が基準配置状態からずれる要因としては、設置時の誤差、経時的な振動の蓄積による位置ずれ、列車走行時の車体の揺れ等が挙げられる。地上子1の配置状態が基準配置状態からずれる要因としては、設置時の誤差、保線作業時の地上子1への接触、保線作業や地震発生等によるバラスト堆積状態の変化、等が挙げられる。そして、このように基準配置状態からずれた不適切な地上子及び/又は車上子の配置状態は両者の間の伝送特性を低下させ、共振周波数f1,f2の組み合わせの情報が地上子1から車上子3へと正しく伝送することができずに車上装置30における地上子1の検出漏れを引き起こすおそれがある。
そこで、同様判定処理部511は、同様判定処理として、処理対象の地上子検知結果データ(処理データ)700s毎に、所定の同様条件を満たすか否かを判定する同様判定を行う。同様条件は、第1の信号レベルと第2の信号レベルとが大きさ及びピーク到来タイミングの点で同様であることを示す条件であり、本実施形態では「各々のピーク時レベルの比率の差が所定の比率差閾値Ta以下であって、且つ、各々のピーク到来タイミングの時間差が所定の時間差閾値Tb以下であること」等として定められる。そして、同様判定処理部511は、処理データ700sを順次参照し、第1のピーク時レベル及び第2のピーク時レベルのそれぞれの比率を算出して当該比率の差を求め、第1のピーク到来タイミングと第2のピーク到来タイミングとの時間差を求めた上で、同様条件を満たすか否かを判定する。その後、処理データ700sに同様判定結果711を追加し、同様判定の判定結果(同様条件を満たす/満たさない)を格納する。
配置状態適否判定部513は、同様判定処理部511による同様判定結果に基づいて、地上子1の配置状態及び/又は列車100への車上子3の配置状態が「適切」か「不適切」かの適否判定を行う。本実施形態では、配置状態適否判定部513は先ず、同様判定処理部511が今回の同様判定処理で処理対象とした地上子検知結果データ700sを、列車番号701毎にグループ分けする。そして、列車番号701が同じ一群の地上子検知結果データ700sを用いて、同一の列車100においてその車上装置30が検知した地上子1のうち、その同様判定結果711が「同様条件を満たさない」となっている地上子1の数を計数する。そして、計数した地上子1の数が所定の少数条件を満たすときには、当該同様条件を満たさない地上子1の配置状態を不適切と判定する。同一の列車100について地上子1の大半が同様条件を満たし、その一部が同様条件を満たさないときには、車上子3の配置状態は適切と考えられるためである。少数条件は、例えば、「計数した数が1以上、且つ所定数Nc以下であること」「計数した数が全体のうちの0を含まない、所定の低割合以下であること」等として設定される。
一方、計数した地上子1の数が所定の多数条件を満たすときには、その列車番号701の列車100への車上子3の配置状態を不適切と判定する。同一の列車100について地上子の大半が同様条件を満たさないときには、少数条件を満たす場合とは逆に、地上子1の配置状態が適切と考えられるためである。多数条件は、例えば、「計数した数が所定数Nd以上であること」「計数した数が全体のうちの所定の高割合以上であること」等として設定される。
その後、処理対象の各地上子検知結果データ700sに適否判定結果713を追加し、適否判定の結果(適切/不適切)を格納する。
操作入力部520は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等を有する入力装置であり、操作入力に応じた操作信号を車上制御部330に出力する。表示部530は、例えば液晶表示装置等で実現され、車上制御部330からの表示信号に応じた表示を行う。
通信部540は、外部装置(例えば車上装置30)との間でデータ通信を行う。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
記憶部550は、ICメモリやハードディスク、光学ディスク等の記憶媒体により実現されるものである。この記憶部550には、適否判定装置50を動作させ、適否判定装置50が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、当該プログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。本実施形態では、記憶部550には、適否判定プログラム551と、地上子検知結果データ700sとが記憶される。
制御部510は、記憶部550から適否判定プログラム551を読み出して実行することにより、同様判定処理部511や配置状態適否判定部513等の機能を実現する。
[処理の流れ]
図9は、適否判定装置50における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理は、制御部510が適否判定プログラム551を読み出して実行することによって実現される。
先ず、同様判定処理部511が、処理対象の地上子検知結果データ700sを順次処理データ700sとし、ループAの処理を行う(ステップS1〜ステップS11)。すなわち、ループAでは先ず、処理データ700sに基づき第1のピーク時信号レベル及び第2のピーク時信号レベルのそれぞれの比率を算出して当該比率の差を求め(ステップS3)、第1のピーク到来タイミングと第2のピーク到来タイミングとの時間差を求める(ステップS5)。
そして、同様判定処理部511は、ステップS3で求めた比率とステップS5で求めた時間差とを用いて同様条件を満たすか否かを判定する同様判定を行う(ステップS7)。そして、ステップS7での同様判定結果711を処理データ700sに格納し(ステップS9)、処理データ700sについてのループAの処理を終える。
ループAの処理を終えたならば、続いて、配置状態適否判定部513が、処理対象の地上子検知結果データ700sを列車番号701毎にグループ分けし(ステップS13)、列車番号701が同じ一群の地上子検知結果データ700sを順次処理対象としてループBの処理を行う(ステップS15〜ステップS29)。
すなわち、ループBでは先ず、処理対象の一群の地上子検知結果データ700sのうち、同様判定結果711が「同様条件を満たさない」である地上子検知結果データ700sの同様条件を満たさない地上子1の数として計数する(ステップS17)。そして、ステップS17で計数した地上子1の数が少数条件を満たすときには(ステップS19:YES)、当該同様条件を満たさない地上子1の配置状態を不適切と判定する(ステップS21)。一方、配置状態適否判定部513は、ステップS17で計数した地上子1の数が多数条件を満たすときには(ステップS23:YES)、処理対象の一群の地上子検知結果データ700sに係る列車番号701の列車100への車上子3の配置状態を不適切と判定する(ステップS25)。そして、ステップS21及びステップS25での適否判定結果713を処理対象の一群の地上子検知結果データ700sのそれぞれに格納し(ステップS27)、処理対象の一群の地上子検知結果データ700sについてのループBの処理を終える。
そして、ループBの処理を終えた後で、処理対象の地上子検知結果データ700sに格納された適否判定結果713を表示部530に表示制御し、ユーザに提示する(ステップS31)。
以上説明したように、本実施形態によれば、地上子1の共振時における車上子3からの入力信号に含まれる第1の信号レベルと第2の信号レベルとが、その大きさ及びピーク到来タイミングの点で同程度か否かの同様判定を行うことができる。そして、同様判定結果に基づいて、地上子1の配置状態及び/又は列車100への車上子3の配置状態が適切か否かの適否判定を行うことができる。したがって、列車100の走行中における地上子検知を利用して、地上子1や車上子3が適切に配置されているかどうか判定することができる。これによれば、配置状態が不適切と判定された地上子1や車上子3についてその設置位置を修正する保守作業を早期に実施することができ、車上装置30による地上子1の検知漏れを抑制して列車運行の安全性を確保することができる。
[変形例]
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
例えば、上記実施形態では、適否判定装置50が適否判定装置を実施するとしたが、車上装置30において実施する構成としてもよい。この場合は、車上子3において車上制御部330が同様判定処理部511や配置状態適否判定部513を備え、車上装置30において図9に示した処理を行う。また、適否判定装置50を車上に設置することとしてもよい。
また、上記実施形態では、同一の列車100において車上装置30が検知した地上子1について同様条件を満たさない地上子1の数が多数条件を満たすときに、当該列車100への車上子3の配置状態を不適切と判定することとした。しかし、この場合は、同様条件を満たすと判定された地上子1の配置状態もまた不適切であると推定できる。例えば、車上子3及び地上子1の両方の配置状態が不適切である結果、基準配置状態となっている場合が考えらえる。そこで、多数条件を満たすときには、同様条件を満たすと判定された地上子の配置状態を不適切と判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、処理対象の地上子検知結果データ700sを列車番号701毎にグループ分けし、列車番号701が同じ一群の地上子検知結果データ毎に少数条件及び多数条件を判定するとした。これに対し、地上子検知結果データ700sを地上子番号707毎にグループ分けし、地上子番号707が同じで列車番号701が異なる(検知した車上装置30が異なる)一群の地上子検知結果データ700s毎に、その同様判定結果711が「同様条件を満たさない」である地上子検知結果データ700sの数を計数するとしてもよい。その数は、換言すると、該当する地上子1について同様条件を満たさない判定を行った列車100の数に相当する。そして、計数した列車100の数が所定の少数条件を満たすときには、当該同様条件を満たさない列車100への車上子3の配置状態を不適切と判定するとしてもよい。同一の地上子1について異なる複数の列車100の大半が同様条件を満たすと判定した場合、当該地上子1について同様条件を満たさないと判定した列車100において車上子3が適切に配置されていないと考えられるためである。少数条件は、例えば、「計数した数が1以上、且つ所定数Ne以下であること」「計数した数が全体のうちの0を含まない、所定の低割合以下であること」等として設定される。
また、第1の信号レベル及び第2の信号レベルの大きさやピーク到来タイミングに著しく差があるときには、地上子1の故障の可能性も疑われる。よって、第1の信号レベルと第2の信号レベルとの差から地上子1の故障を検出するとしてもよい。その場合は、第1の信号レベルと第2の信号レベルとの差が異常な差であることを示す所定の異常差条件を満たすか否かを判定する。例えば、「各々のピーク時レベルの比率の差が所定の比率差閾値Tf以上であること」とか「各々のピーク到来タイミングの時間差が所定の時間差閾値Tg以上であること」等とすることができる。或いは、Q値を所定の閾値と比較する条件や、それらを組み合わせた条件でもよい。そして、異常差条件を満たす地上子1があれば、該当する地上子1を故障有りと判定する。
また、上記実施形態では、第1のピーク時信号レベルと第2のピーク時信号レベルとの比率の差及び第1のピーク到来タイミングと第2のピーク到来タイミングとの時間差から同様条件を判定することで、地上子1や車上子3の配置状態の適否を判定することとしたが、第1のピーク時信号レベルと第2のピーク時信号レベルとの大小関係からは、図8を参照して説明した中心線A1からの車上子3の通過位置のずれ量について、列車100の進行方向に向かって左右どちらの方向へどの程度ずれているのかを推測することもできる。図8のように、第1の信号レベルが第2の信号レベルよりも大きいときには、車上子3の通過位置は第1のインダクタL1側へとずれており、その差が大きいほどずれ量も大きくなる。
その他にも、地上子検知結果データ700sを1ヶ月前、1年前、又は設置時等、過去に記録した同じ列車番号701の地上子検知結果データ700sを使って、同じ地上子番号707の第1の信号レベル同士及び第2の信号レベル同士の大きさやピーク到来タイミングを比較し、そのレベルやタイミングが一致すること、又は、所定数以下の差であること、を条件に同様判定して、満たさないものを抽出することで、その中から少数条件及び多数条件により車上子3及び地上子1の配置状態を判定することができる。またこの場合、第1の信号レベル及び第2の信号レベルのレベル差はないが、第1の信号レベル及び第2の信号レベルの大きさが、過去の地上子検知結果データ700sの第1の信号レベル及び第2の信号レベルの大きさより共に大きくなった場合には、摩耗等によって当該列車100の車輪の車輪径が小さくなったと推測することができる。
よって、適否判定結果をユーザに提示するに際し、推測内容を併せて提示することとしてもよい。これによれば、当該推測内容を手掛かりに保守作業が行える。
1 地上子、11 第1の共振回路、L1 第1のインダクタ、C1 コンデンサ、13 第2の共振回路、L2 第2のインダクタ、C2 コンデンサ、f1 第1の共振周波数、f2 第2の共振周波数、W1 重なり幅、30 車上装置、3 車上子、31 出力用コイル、33 入力用コイル、310 送信回路部、320 受信回路部、330 車上制御部、331 周波数解析部、333 地上子検知部、335 検知結果記録処理部、337 検知結果送信処理部、360 通信部、370 車上記憶部、371 地上子リスト、700 地上子検知結果データ、701 列車番号、707 地上子番号、709 共振周波数データ、50 適否判定装置、510 制御部、511 同様判定処理部、513 配置状態適否判定部、540 通信部、550 記憶部、551 適否判定プログラム、700s 地上子検知結果データ、711 同様判定結果、713 適否判定結果、100 列車、3 レール、5 まくらぎ

Claims (7)

  1. 線路に沿って配置された各地上子のうち、接近した地上子との間で車上子が電磁結合することで当該地上子を検知可能な車上装置の検知結果に基づいて、前記地上子の配置状態、及び/又は、前記線路を走行する列車への前記車上子の配置状態が適切か否かを判定する適否判定方法であって、
    前記地上子は、前記車上子からの送信信号に対して第1の共振周波数で共振する第1の共振回路と、前記送信信号に対して第2の共振周波数で共振する第2の共振回路と、を備え、前記第1の共振回路を構成する第1のインダクタと、前記第2の共振回路を構成する第2のインダクタとが線路方向に対して交差する方向に配置され、
    前記車上子は、前記地上子の共振回路との電磁結合によって入力信号が誘起される入力用コイルを備え、
    前記車上装置は、前記入力信号に含まれる前記第1の共振周波数に対応する第1の信号レベルと前記第2の共振周波数に対応する第2の信号レベルとに基づいて前記地上子を検知するように構成されており、
    前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとが、大きさ及びピーク到来タイミングの点で同程度であることを示す所定の同様条件を満たすか否かを判定する同様判定を行うこと、
    を含み、前記同様判定の判定結果に基づいて前記配置状態の適否を判定する適否判定方法。
  2. 複数の前記地上子について、前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの前記同様判定を行い、前記同様条件を満たさない地上子の数が所定の少数条件を満たす場合に、前記同様条件を満たさない地上子の配置状態を不適切と判定すること、
    を含む請求項1に記載の適否判定方法。
  3. 複数の前記地上子について、前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの前記同様判定を行い、前記同様条件を満たさない地上子の数が所定の多数条件を満たす場合に、前記車上子の配置状態を不適切と判定すること、
    を含む請求項1又は2に記載の適否判定方法。
  4. 同一の前記地上子に対する、前記線路を走行する複数の前記列車の前記入力信号に基づく前記同様判定の結果、前記同様条件を満たさない列車の数が所定の少数条件を満たす場合に、前記同様条件を満たさない列車の前記車上子の配置状態を不適切と判定すること、
    を含む請求項1〜3の何れか一項に記載の適否判定方法。
  5. 前記第1の信号レベルと前記第2の信号レベルとの差が異常な差であることを示す所定の異常差条件を満たすか否かを判定することで、地上子の故障を検出すること、
    を含む請求項1〜4の何れか一項に記載の適否判定方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の適否判定方法を実行する適否判定装置であって、
    前記車上装置は、検知した前記地上子毎に、当該検知した際の前記第1の信号レベル及び前記第2の信号レベルのデータを記録又は前記適否判定装置に送信し、
    前記データに基づいて前記適否判定方法を実行する適否判定装置。
  7. 請求項1〜3の何れか一項に記載の適否判定方法を実行する車上装置。
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