以下、図面を参照して本発明の実施形態によるポンプ装置について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態によるポンプ装置の設置例を示す概念図である。図1に示す設置例において、ポンプ装置1は、地表面100に形成された窪み101に埋設されている。窪み101の側面は、例えば、土管等で形成されており、窪み101の開口には、板体101aが載置されている。この窪み101の深さは、ポンプ装置1の全高よりも少し大きい程度(例えば、50cm程度)であり、ポンプ装置1の側面と窪み101の側面との間の隙間は、作業者の手が入る程度である。このように設置されたポンプ装置1は、水道本管、貯水槽、又は井戸等の水源102と吸込管110を介して接続され、給水先である建物内(例えば、家屋103内の蛇口104等)に吐出し管111を介して給水を行う。ポンプ装置1は屋外に設置され、農業用水、洗車、庭木の散水等として用いられる中水を給水したり、建物の2階床又は3階床で水道本管圧では圧力が不足してしまう場合の水道加圧給水にも用いられる。
図2は、本発明の第1実施形態によるポンプ装置のユニットカバーの内部を示す正面図である。図3は、本発明の第1実施形態によるポンプ装置を示す背面斜視図である。これら図2及び図3に示す通り、本実施形態のポンプ装置1は、水を汲み上げるポンプ11、ポンプ11の背面側に設けられてポンプ11を駆動する電動機12、及び電動機12を制御する制御装置13を備える。電動機12は、ポンプ11に固定されており、ポンプ11及び制御装置13は、ユニットベース14上に固定されている。ユニットカバー15は、ユニットベース14上のポンプ11、電動機12、制御装置13を覆っている。以下、ユニットカバー15において、その内部の空間における天井面を形成する部分を上面15Uと定義する。ユニットベース14及びユニットカバー15は、合成樹脂製である。
ポンプ11は、摩擦ポンプとも称されるカスケードポンプであって、羽根車11aと、羽根車11aを収納する不図示のポンプ室を形成し、揚水の流路を形成するケーシング11bとを備える。羽根車11aは、周縁部に多数の溝が切られた円板状に形成されており、その周縁部によってポンプ室に存在する水を、ほぼ1回転させながら昇圧させるものである。このポンプ11は小型であるが、1個の羽根車11aで数段の渦巻ポンプに匹敵する揚程を得られ、小容量高揚程の目的に適している。また、カスケードポンプは、自吸性を有するので、ポンプ11よりも低い位置に設置された受水槽に蓄えた水や井戸水を揚水するのに適している。
電動機12は、羽根車11aを回転させることによりポンプ11を駆動させる。本実施形態では、電動機12の駆動は、制御装置13によって制御されており、ポンプ11の回転速度の可変速運転が可能とされている。ここで、制御装置13にて可変速運転する必要がない場合は、制御装置13は可変速手段を有さなくてもよい。ポンプ装置1の正面には、図2に示す通り、ユニットカバー15から露出する吸込口16と吐出し口17とが設けられている。吸込口16は、ケーシング11bの内部に形成された内部流路の一端部と連通し、吸込管110と接続される。また、吐出し口17は、この内部流路の他端部と連通し、吐出し管111と接続される。
制御装置13は、不図示のインバータ装置を備えており、ケーシング11bの内部に形成された内部流路に設けられた圧力センサ(図示省略)による吐出し圧力の検出結果に応じて、電動機12を制御することによってポンプ11の回転速度を制御する。例えば、制御装置13は、公知の吐出圧一定制御や推定末端圧一定制御等の目標圧力と当該検出結果に基づいてポンプ11の吐出し圧力を制御する。尚、ポンプ装置1によって加圧された水が吐出される吐出流路には、吐出し量や吐出し圧力の瞬時的変動を緩和する圧力タンク18が設けられている。尚、圧力タンク18は、ポンプ11の下にユニットベース14と一体的に形成されてもよい。
図4は、本発明の第1実施形態によるポンプ装置の制御装置を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は左側面図であり、(c)は平面図である。図4に示す通り、制御装置13は、上下方向に長い箱体であり、その上部にポンプ装置1の状態(運転状態を含む)を示す情報を表示する表示器19を備える。一実施例として、表示器19は、制御装置13の左側面側に配置されたLED等の表示ランプLQ1〜LQ4(図5参照)を備えている。表示器19は、これら表示ランプLQ1〜LQ4を、制御装置13の矢印AR(図2、図4(c)参照)側からのみならず、平面側(上方)から視認可能となるように構成されている。
図5は、本発明の第1実施形態によるポンプ装置の制御装置に設けられる表示器の詳細を示す図であって、(a)は表示器19の斜視図であり、(b)は表示器19を図2の矢印AR側から見た図である。図5に示す通り、表示器19は、LED等の表示ランプLQ1〜LQ4を備える。表示ランプLQ1は、電源のON・OFFを示す表示ランプであり、表示ランプLQ2は、異常の発生を示す表示ランプである。表示ランプLQ3は、ポンプの運転状況を示す表示ランプであり、表示ランプLQ4は、設定圧の選択を表示する表示ランプである。
表示ランプLQ1は、ポンプ装置1の電源がONの場合には点灯し、電源がOFFの場合には消灯する。表示ランプLQ2は、ポンプ装置1に異常が発生した場合には点灯又は点滅し、ポンプ装置1に異常が発生していない場合には消灯する。表示ランプLQ3は、ポンプ装置1が運転状態である場合には点灯し、停止状態である場合には消灯する。表示ランプLQ4は、設定圧に応じて点灯又は消灯する。例えば、ポンプ装置1に標準モードと強モードとの2つの設定圧が用意されている場合には、表示ランプLQ4は、強モードの場合には点灯し、標準モードの場合には消灯する。
表示器19の上面には、平面側から表示ランプLQ1〜LQ4を視認可能とするための切欠部NTがそれぞれ設けられている。表示ランプLQ1〜LQ4は、切欠部NTの各々の奥側に形成された孔H内にそれぞれ配設されており、孔Hと切欠部NTが形成する影によって表示ランプLQ1〜LQ4の状態が視認しやすくなる。表示ランプLQ1〜LQ4の点灯、点滅、消灯等を、制御装置13の図2の矢印AR側からのみならず、平面側(上方)からも視認できるようになっている。
また、表示器19は、表示ランプLQ1〜LQ4に加えて操作ボタンB1,B2を備える。操作ボタンB1は、ポンプ装置1の運転停止を選択する操作ボタンであり、操作ボタンB2は、設定圧の選択を行う操作ボタンである。操作ボタンB1を押下するとポンプ装置1の運転又は停止を選択することができ、操作ボタンB2を押下すると設定圧を選択することができる。
例えば、ポンプ装置1に標準モードと強モードとの2つの設定圧が用意されている場合には、操作ボタンB2を押下することで、標準モードの設定圧にて吐出し圧力を制御するか、又は強モードの設定圧にて吐出し圧力を制御するかを選択することができる。操作ボタンB2が押下される度に、設定圧が標準モードから強モード、強モードから標準モードへと変更される。
例えば、散水等の標準モード時よりも高いポンプ11の吐出し圧力が必要な場合は、標準モードの設定圧から強モード用の設定圧へと変更すれば良い。制御装置13は、選択された設定圧に基づいて公知の吐出圧一定制御や推定末端圧一定制御等による目標圧力を演算し、ポンプ11の吐出し圧力を制御する。尚、表示ランプLQ1〜LQ4及び操作ボタンB1,B2の数、表示内容、表示方法、並びに操作方法等は上述に限らない。
また、図2及び図3に示す通り、ユニットカバー15の上面15Uの一部には、窓部15a(視認可能部)が形成されている。この窓部15aは、ユニットベース14上のポンプ11、電動機12、制御装置13がユニットカバー15によって覆われている状態で、ユニットカバー15の外部(例えば、上部)から表示器19の表示内容(ポンプ装置1の状態を示す情報)を視認可能とするものである。つまり、ユニットカバー15を外すことなく、ユニットカバー15の外部から表示器19の表示内容(ポンプ装置1の状態を示す情報)を、切欠部NTを介して視認可能とするものである。
具体的に、窓部15aは、ユニットカバー15が、ユニットベース14上のポンプ11、電動機12、制御装置13を覆っている状態で、制御装置13の切欠部NTを通して視認可能な表示ランプLQ1〜LQ4の上部に対向する部位に形成されている。つまり、ユニットカバー15の窓部15aは、上部が表示器19とされた制御装置13の上方の位置に形成されている。このような位置に窓部15aを形成するのは、例えば図1に示す通り、地中に埋設されるポンプ装置1の状態を示す表示ランプLQ1〜LQ4を、ユニットカバー15を外すことなく、ユニットカバー15の上方(平面側)から視認可能とするためである。
図6は、本発明の第1実施形態においてユニットカバーに形成される窓部の構成例を示す図である。図6(a)に示す窓部15aは、ユニットカバー15の上面15Uに矩形形状の切り欠きを形成し、その切り欠きに透明窓TWを取り付けたものである。透明窓TWは、変形しにくい透明樹脂(例えば、透明な強化プラスチック)によって形成されている。このような窓部15aでは、透明窓TWを介してユニットカバー15の内部を覗き込むことで、表示器19の表示内容を視認することができる。
図6(b)に示す窓部15aは、ユニットカバー15の上面15Uに矩形形状の切り欠きを形成し、その切り欠きに開き扉OD(扉部)を取り付けたものである。図中符号D11が付された方向に開き扉ODが引き上げられると、ユニットカバー15の上面15Uに形成された切り欠きが開放され、図中符号D12が付された方向に開き扉ODが引き下ろされると、ユニットカバー15の上面15Uに形成された切り欠きが閉鎖される。開き扉ODによってユニットカバー15の切り欠きが開放された場合には、その切り欠きを介してユニットカバー15の内部を覗き込むことで、表示器19の表示内容を視認することができる。他方、開き扉ODによってユニットカバー15の切り欠きが閉鎖された場合には、ユニットカバー15の内部を視認することはできない。尚、開き扉ODは、例えば不透明な樹脂によって形成されてもよい。ポンプ11は水を取り扱うため、ユニットカバー15の内部に結露が発生し、透明窓TWが曇ってしまって表示ランプLQ1〜LQ4の状態が視認できなくなる虞がある。そのため、切り欠きを開放し、その切り欠きを介してユニットカバー15の表示ランプLQ1〜LQ4の状態を確認できるとよい。
図6(c)に示す窓部15aは、ユニットカバー15の上面15Uに矩形形状の切り欠きを形成し、その切り欠きに引き戸SD(扉部)を取り付けたものである。図中符号D21が付された方向に引き戸SDがスライドされると、ユニットカバー15の上面15Uに形成された切り欠きが開放され、図中符号D22が付された方向に引き戸SDがスライドされると、ユニットカバー15の上面に形成された切り欠きが閉鎖される。引き戸SDによってユニットカバー15の切り欠きが開放された場合には、その切り欠きを介してユニットカバー15の内部を覗き込むことで、表示器19の表示内容を視認することができる。他方、引き戸SDによってユニットカバー15の切り欠きが閉鎖された場合には、ユニットカバー15の内部を視認することはできない。尚、引き戸SDは、開き扉ODと同様に、例えば不透明な樹脂によって形成されてもよい。
尚、図6(a)に示す構成例と図6(b)又は図6(c)に示す構成例とを組み合わせても良い。具体的には、ユニットカバー15の上面15Uに形成された切り欠きに対し、図6(a)に示す透明窓TWが取り付けられ、且つ、図6(b)に示す開き扉OD又は図6(c)に示す引き戸SDが取り付けられた窓部15aとしても良い。また、図6(a)に示す例では、透明窓TWによってユニットカバー15の一部が透明とされているが、ユニットカバー15の全体を透明としても良い。つまり、透明樹脂を用いてユニットカバー15を設けても良い。
図7は、本発明の第1実施形態においてユニットカバーに形成される窓部の他の構成例を示す図である。図7(a)に示す窓部15aは、図6(a)に示す透明窓TWの内側(ユニットカバー15の内側)に、図7(b)に示すシール部材SLを貼付したものである。シール部材SLは遮光性を有する部材であり、表示ランプLQ1〜LQ4の各々に対向する部分がくり抜かれたものである。本構成例の窓部15aは、シール部材SLを、ユニットカバー15の内側から透明窓TWに貼付することで、表示ランプLQ1〜LQ4の周辺に外部の光が届かないため、表示ランプLQ1〜LQ4の状態が視認しやすくなる。また、図7(b)に示す通り、シール部材SLに表示器19の表示内容を記載することで更に視認性が向上する。
図8は、本発明の第1実施形態における表示器の第1変形例を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は制御装置を図2の矢印AR側から見た図である。図8に示す通り、本変形例に係る表示器19は、その上面に表示ランプLQ1〜LQ4を備えており、制御装置13の上面に設けられる。この表示器19は、図5に示す表示器19よりも窓部15aと表示ランプLQ1〜LQ4との距離が近くなり、表示器19の表示内容を視認しやすくなる。
図9は、本発明の第1実施形態における表示器の第2変形例を示す図であって、(a)は平面図であり、(b)は制御装置を図2の矢印AR側から見た透視図である。図9に示す通り、本変形例に係る表示器19は、その上面に凹型の切欠部NT1が複数形成されており、各々の孔H1内に表示ランプLQ1〜LQ4がそれぞれ設けられたものである。尚、この表示器19は、図8に示す表示器19と同様に、制御装置13の上面に設けられる。この表示器19は、窓部15aから表示器19の表示内容を視認した場合に、切欠部NT1の影が形成されるため、表示ランプLQ1〜LQ4の点灯状態が視認しやすくなる。このような表示器19は、例えば、図1に示す板体101aを開けると、直射日光が当たるような明るい場所にポンプ装置1が設置される場合に有効である。
以上の通り、本実施形態では、ユニットベース14上のポンプ11、電動機12、制御装置13を覆っているユニットカバー15の上面15Uの少なくとも一部に窓部15aを設け、窓部15aを介してユニットカバー15の内部を覗き込むことで、表示器19の表示内容を視認できるようにしている。これにより、ポンプ装置1が図1のように作業性の悪い環境に設置されていたとしても、ユニットカバー15を外すことなく、運転状態や警報等を容易に確認することができる。
〔第2実施形態〕
図10は、本発明の第2実施形態によるポンプ装置を模式的に示す図である。図10(a)は、図10(b)中のA−A線に沿う模式的な断面矢視図であり、図10(b)は、平面図である。尚、本実施形態のポンプ装置2は、図1に示すポンプ装置1と同様に、ポンプ11、電動機12、制御装置13、ユニットベース14、ユニットカバー15、吸込口16、吐出し口17、及び圧力タンク18等を備えているが、図10においては図示を簡略化するために、ポンプ11、電動機12、吸込口16、吐出し口17、及び圧力タンク18の図示を省略している。尚、本実施形態のポンプ装置2も、図1に示すポンプ装置1と同様に、地表面100に形成された窪み101に埋設されて設置されることがある。
図10(a)に示す通り、本実施形態のポンプ装置2は、制御装置13の上部に設けられた制御部20と、ユニットカバー15の上面15Uの内壁に取り付けられた表示器30とを備えており、制御部20と表示器30との間で無線通信(或いは、有線通信)を行って、ポンプ装置2の状態を示す情報をユニットカバー15に取り付けられた表示器30に表示するものである。以下、制御部20と表示器30との間の通信を第1近距離通信C1と記す。第1近距離通信C1は、例えばWi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信、或いはNFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信を行う。また、RS232CやRS485等にてシリアル通信を行ってもよいし、USBにてパケット通信を行ってもよい。尚、以下では、NFCにて第1近距離通信C1を行う場合を例に挙げて説明する。
図11は、本発明の第2実施形態によるポンプ装置に設けられる制御部及び表示器の要部構成を示すブロック図である。図11に示す通り、制御部20は、I/O部21、演算部22、記憶部23、設定部24、DC電源25、データライタ26、及び制御部側アンテナ部27を備える。I/O部21は、制御装置13に設けられた不図示のインバータ及びケーシング11bに設けられた不図示の圧力センサ等の各種センサと接続されており、各種センサの検出結果を演算部22に出力するとともに演算部22からの指令信号(例えば、ポンプ11の回転速度)を電動機12に出力する。また、I/O部21は、ポンプ装置2の状態を接点信号で出力する不図示の外部出力端子を備えてもよい。
演算部22は、例えばCPU(中央処理装置)によって実現され、I/O部21を介して入力される各種センサ等の検出結果に基づいて、電動機12に出力する指令信号を演算し、その指令信号をI/O部21に出力する。また、演算部22は、ポンプ装置2の状態を示す情報(吐出し圧力、回転数、積算運転時間、積算運転回数等)を求めて記憶部23に記憶させる。記憶部23は、演算部22で用いられる各種情報、及び演算部22で求められた各種情報を記憶する各種メモリを備える。
設定部24は、ポンプ装置2の運転制御に関する各種設定値の設定を行う部位である。具体的に、設定部24には、第1実施形態のポンプ装置1と同様に、例えば操作ボタンB1,B2等の各種操作ボタンが設けられており、更にはリセットボタン等が設けられているとよい。設定部24は、これらのボタンの操作状況に応じて、ポンプ装置2の運転制御に関する各種設定値の設定を行う。尚、設定部24で設定された各種設定値は、記憶部23に記憶される。
DC電源25は、制御部側アンテナ部27等に対する電力の供給を行う電源であり、ポンプ装置2の主電源より不図示のAC/DCコンバータを介して供給される。データライタ26は、記憶部23に記憶された各種情報を読み出して、制御部側アンテナ部27を介して表示器30に送信する。制御部側アンテナ部27は、DC電源25から供給される電力を用いて、表示器30を動作させるための電力を非接触で表示器30に給電する。また、制御部側アンテナ部27は、データライタ26から出力される各種情報を無線信号にして外部に送信する。
図11に示す通り、表示器30は、表示器側アンテナ部31、集積回路32、及び表示部33を備える。これら表示器側アンテナ部31、集積回路32、及び表示部33は、制御部20から非接触で給電される電力によって動作する。表示器側アンテナ部31は、制御部20に設けられた制御部側アンテナ部27から非接触で給電される電力を受電するとともに、制御部側アンテナ部27との間でNFCを行って制御部20から送信されてくる各種情報を受信する。尚、表示器30は、更にバッテリを備え、制御部20から非接触で給電される電力を蓄電してもよい。その場合、表示器30は、バッテリに蓄電した電力により動作してもよい。また、表示器30が何かしら電源の供給源を備えており、その電源にて動作できる場合は、制御部20は、表示器30を動作させるための電力を表示器30に給電しなくてもよい。
集積回路32は、制御部20から送信されてきて、表示器側アンテナ部31で受信された各種情報を記憶するとともに、これら各種情報に基づいて表示部33の表示制御を行う。表示部33は、7セグメントLED、LED等の表示ランプ、或いは液晶表示素子の表示素子を備えており、集積回路32の制御の下で、ポンプ装置2の状態を示す情報を表示する。
このような表示器30は、図10(a),(b)に示す通り、ユニットカバー15に形成された窓部15aを介して外部から視認可能な状態で、ユニットカバー15に取り付けられている。具体的に、表示器30は、表示部33を窓部15aの透明窓TW側に密接させて、図12に示す通り、ユニットカバー15の上面15Uの内壁に取り付けられている。これにより、表示器30の表示部33は、透明窓TWを介して外部から視認可能になっている。図12は、本発明の第2実施形態におけるユニットカバーに対する表示器の取り付け状態を示す斜視図である。尚、図12に示す通り、表示器30は、ユニットカバー15の上面15Uの内壁に取り付けられていることから、ユニットカバー15を取り外すと、ユニットカバー15の底部の開口部OPから視認することが可能である。
図13は、本発明の第2実施形態における表示部の一例を示す図である。図13に示す通り、表示器30の表示部33には複数の表示ランプLP1〜LP5が設けられている。表示ランプLP1は、ポンプ装置2が運転状態であるか否かを表示するための表示ランプである。表示ランプLP2は、ポンプ装置2が故障状態であるか否かを表示するための表示ランプである。表示ランプLP3〜LP5は、ポンプ装置2の設定圧を表示するための表示ランプである。具体的に、表示ランプLP3,LP4,LP5はそれぞれ、ポンプ装置2の設定圧が「高」,「中」,「低」に設定された旨を表示するものであり、何れか1つのみが排他的に点灯する。
次に、上記構成におけるポンプ装置2の動作について説明する。尚、ここでは、ユニットカバー15が、ポンプ装置2に取り付けられる際の動作について説明する。ユニットカバー15が、ユニットベース14上の制御装置13等を覆うように装着されると、ユニットカバー15の上面15Uの内壁に取り付けられた表示器30が、制御装置13の上部に設けられた制御部20の近傍に配置される。
制御部20は、通電中は常に表示器30の電力供給用の電波を発する。表示器30が、制御部20の近傍に位置する表示器30の表示器側アンテナ部31で、その電波を受信すると、表示器側アンテナ部31において起電力が生ずる。この起電力は、表示器30の集積回路32及び表示部33に供給され、これにより表示器30の表示器側アンテナ部31、集積回路32、及び表示部33が通電状態になる。
制御部20では、記憶部23に記憶された各種情報がデータライタ26によって読み出される。例えば、ポンプ装置2の運転状態を示す情報、故障を示す情報、及び吐出し圧力を示す情報等が読み出される。データライタ26によって読み出された情報は、制御部側アンテナ部27にて出力され、NFCによって表示器30に送信される。
制御部20から表示器30に送信された情報は、表示器30の表示器側アンテナ部31で受信された後に集積回路32に出力されて記憶される。そして、表示器30では、集積回路32によって、制御部20から表示器30に送信された情報に基づく表示部33の表示制御が行われる。例えば、ポンプ装置2の運転状態を示す情報が「運転中」である旨を示す場合には、図13に示す表示ランプLP1を点灯させる表示制御が行われる。また、ポンプ装置2の故障を示す情報に応じて、図13に示す表示ランプLP2を点灯または点滅させる表示制御が行われる。更に、ポンプ装置2の設定圧を示す情報に応じて、図13に示す表示ランプLP3〜LP5の何れかを点灯させる表示制御が行われる。
以上説明した表示器30が通電状態となった以降の一連の制御部20と表示器30との通信に関わる動作は、予め規定された周期で繰り返し行われる。これにより、表示器30の表示部33には、上記の周期に応じてポンプ装置2の状態を示す情報が連続的、或いは間欠的に更新される。具体的に、上記の周期が短い場合(例えば、1秒以下の場合)には、ポンプ装置2の状態を示す情報が連続的に更新され、上記の周期が長い場合(例えば、数十秒程度以上の場合)には、ポンプ装置2の状態を示す情報が間欠的に更新される。表示部33には、更新のタイミングにて最新の情報が表示されるとよい。上記の周期は、集積回路32や演算部22が実行する処理量にて規定されることもある。
以上の通り、本実施形態では、ユニットカバー15に形成された窓部15aを介して外部から視認可能なように、第1近距離通信C1が可能な表示器30をユニットカバー15に取り付け、ユニットカバー15が装着されたときに、ユニットカバー15の表示器30の表示器側アンテナ部31が、制御装置13の上部に設けられた制御部20の制御部側アンテナ部27の近傍に配置されるようにしている。そして、ポンプ装置2の状態を示す情報を、第1近距離通信C1(NFC)によって送信して表示器30の表示部33に表示するようにしている。これにより、ポンプ装置1が作業性の悪い環境に設置されていたとしても、ユニットカバー15を外すことなく、運転状態や警報等を容易に確認することができる。
また、本実施形態では、表示器30の表示部33をユニットカバー15に形成された窓部15aの透明窓TW側に密接させた状態にしているため、第1実施形態よりも視認性を向上させることができ、視野角を広げることができる。また、表示器30の表示部33が透明窓TW側に密接しているため、視認性を低下させない程度に表示ランプLP1〜LP5の輝度を低下させることができ、これにより低消費電力化を図ることができる。また、ユニットベース14に固定された制御部20と、ユニットカバー15に取り付けられた表示器30との間では無線(NFC)によって情報の送受信が行われ、制御部20と表示器30との間に通信線を配線する必要が無い。更に、制御部20から表示器30へ非接触で電力が供給されれば、表示器30には電力線を配線する必要も無い。このように、表示器30には配線がないことから、ユニットベース14からユニットカバー15を取り外したり、ユニットベース14にユニットカバー15を取り付けたりするときに、配線を気にする必要が無い。
〔第3実施形態〕
図14は、本発明の第3実施形態によるポンプ装置を模式的に示す図である。図14は、図10(a)と同様の模式的な断面矢視図である。尚、図14においては、図10と同様に、ポンプ11、電動機12、吸込口16、吐出し口17、及び圧力タンク18の図示を省略している。尚、本実施形態のポンプ装置3も、図1に示すポンプ装置1と同様に、地表面100に形成された窪み101に埋設されて設置されることがある。
図14に示す通り、本実施形態のポンプ装置3は、制御装置13の上部に設けられた制御部40と、ユニットカバー15に取り付けられた表示器50とを備えており、制御部40と表示器50との間で無線通信(或いは、有線通信)を行って、ポンプ装置3の状態を示す情報をユニットカバー15に取り付けられた表示器50に表示するものである。また、本実施形態のポンプ装置3は、ユニットカバー15の外部の機器である外部表示器60と無線通信を行って、ポンプ装置3の状態を示す情報を外部表示器60の表示画面DPに表示可能とするものである。尚、以下では、制御部40と表示器50との間の通信を第1近距離通信C1とし、表示器50と外部表示器60との間の通信を第2近距離通信C2と定義する。本実施形態の第1近距離通信C1並びに第2近距離通信C2は、NFCにて通信を行う場合を例に挙げて説明する。
表示器50は、図10に示す表示器30と同様に、ユニットカバー15に形成された窓部15aを介して外部から視認可能な状態で、ユニットカバー15に取り付けられている。つまり、表示器50の表示部54(詳細は後述する)は、窓部15aの透明窓TWを介して、外部から視認可能である。また、表示器50は、図15に示す通り、ユニットカバー15の上面15Uの内壁に着脱可能に取り付けられている。
図15は、本発明の第3実施形態におけるユニットカバーに対する表示器の取り付け状態を示す斜視図である。図15に示す通り、ユニットカバー15の上面15Uの内壁において表示器50が取り付けられるべき位置(以下、「取り付け位置」という)には、先端部が鉤部Qとされた略L字形状の支持柱15bが4本形成されている。支持柱15bは、鉤部Qが向かい合うように配置された2本が対とされており、図中符号D30が付された方向に2対配列されている。
図15に示す通り、表示器50の外径形状は略直方体形状である。対をなす2本の支持柱15bの間隔は表示器50の幅WH1と同程度に設定されており、図中符号D30が付された方向における支持柱15bの間隔は図中符号D30が付された方向における表示器50の長さLH1よりも短く設定されている。このため、表示器50は、取り付け位置において、4本の支持柱15bの柱部(鉤部Qを除く部分)によって幅WH1方向の移動が規制され、且つ4本の支持柱15bの鉤部Qによって底面(透明窓TW側を向く面とは反対側の面)が支持される。
取り付け位置に取り付けられた表示器50を長さ方向(図中符号D30が付された方向)にスライドさせれば、表示器50を取り外すことができる。また、表示器50の長さ方向を符号D30が付された方向に沿うようにし、且つ対をなす2本の支持柱15bの間に表示器50を配置した状態で、表示器50を長さ方向(図中符号D30が付された方向)にスライドさせれば、表示器50を取り付け位置に移動させることができる。このように、表示器50がユニットカバー15の上面内壁に着脱可能に取り付けられていることで、例えば表示器50が故障した際の交換作業を容易に行うことができる。また、表示器50は鉤部Qが嵌合する窪みや位置の目安となる印を設けてもよい。
図16は、本発明の第3実施形態によるポンプ装置に設けられる制御部及び表示器並びに外部表示器の要部構成を示すブロック図である。図16に示す通り、制御部40は、I/O部41、演算部42、記憶部43、メンテナンスポート44、DC電源45、リーダライタ46、及び制御部側アンテナ部47を備える。I/O部41、演算部42、記憶部43、DC電源45、及び制御部側アンテナ部47はそれぞれ、図11に示すI/O部21、演算部22、記憶部23、DC電源25、及び制御部側アンテナ部27と同様のものである。
メンテナンスポート44は、ポンプ装置3のメンテナンス時に、作業者によって使用されるポートである。このポートは、通常は、カバー等によって覆われて外部から隠された状態にされている。このポートは、通信(無線・有線)にてメンテナンスで用いられる保守機器(パソコン、スマートフォン、タブレット等の汎用の情報機器や専用の情報機器等)が接続可能であり、例えば記憶部43に記憶された各種情報を保守機器に読み出すために用いられる。リーダライタ46は、図11に示すデータライタ26と同様に、記憶部43に記憶された各種情報を読み出して、制御部側アンテナ部47を介して表示器50に送信し、或いは、制御部側アンテナ部47で受信された各種情報を読み出して記憶部43に記憶させる。
図16に示す通り、表示器50は、表示器側アンテナ部51、制御部用集積回路52、リーダライタ53、表示部54、外部表示器用集積回路55、及び表示器側アンテナ部56を備える。表示器側アンテナ部51、制御部用集積回路52、リーダライタ53、及び表示部54は、制御部40から非接触で給電される電力によって動作し、外部表示器用集積回路55及び表示器側アンテナ部56は、外部表示器60から非接触で給電される電力によって動作する。尚、外部表示器用集積回路55は、制御部用集積回路52にて代用してもよい。その場合、制御部用集積回路52と表示器側アンテナ部56とが接続される。また、表示器50が独自の電源で動作できれば、制御部40又は外部表示器60は、表示器50に給電しなくてもよい。
表示器側アンテナ部51、制御部用集積回路52、及び表示部54はそれぞれ、図11に示す表示器側アンテナ部31、集積回路32、及び表示部33と同様のものである。リーダライタ53は、表示器側アンテナ部51と外部表示器用集積回路55との間で各種情報の授受を行う。外部表示器用集積回路55は、外部表示器60から送信されてきて、表示器側アンテナ部56で受信された各種情報を記憶する。表示器側アンテナ部56は、外部表示器60に設けられた外部表示器側アンテナ部61から非接触で給電される電力を受電するとともに、外部表示器側アンテナ部61との間で第2近距離通信C2を行って外部表示器60から送信されてくる各種情報を受信する。
図16に示す通り、外部表示器60は、外部表示器側アンテナ部61、バッテリ62、リーダライタ63、及び表示部64を備えており、表示器50と第2近距離通信C2を行って、ポンプ装置3の状態を示す情報を表示部64である外部表示器60の表示画面DPに表示する。この外部表示器60は、例えばスマートフォン、タブレット、パソコン等の汎用情報機器によって実現される。外部表示器側アンテナ部61は、バッテリ62から供給される電力を用いて、表示器50を動作させるための電力を非接触で表示器50に給電する。また、外部表示器側アンテナ部61は、表示器側アンテナ部56から出力される各種情報を受信する。
バッテリ62は、外部表示器側アンテナ部61等に対する電力の供給を行う電源である。リーダライタ63は、外部表示器側アンテナ部61で受信された各種情報を読み出して表示部64に出力する。或いは、リーダライタ63は、不図示の入力部から入力された設定値やポンプ装置3の運転や停止指令等を外部表示器側アンテナ部61に送ることによって、第2近距離通信C2から第1近距離通信C1を経て記憶部43に記憶させることもできる。表示部64は、例えば液晶表示器等の表示器を備えており、表示器50から得られたポンプ装置3の状態を示す情報を表示する表示画面DPである。尚、外部表示器60がスマートフォンやタブレット等によって実現される場合には、表示画面DPがタッチパネルを備えていることから、表示画面DPが上記の入力部になる。
次に、上記構成におけるポンプ装置3の状態を示す情報を表示する動作について説明する。ポンプ装置3の状態を示す情報を表示する動作は、制御部40から表示器50へポンプ装置3の状態を示す情報を送信する動作と、外部表示器60がポンプ装置3の状態を示す情報を表示器50から取得して、表示画面DPに表示する動作とに大別される。前者の動作は、第2実施形態で説明した動作とほぼ同様であるため説明を省略し、以下では、後者の動作(ポンプ装置3の状態を示す情報を外部表示器60が取得して表示画面DPに表示する動作)について説明する。尚、説明を簡単にするために、表示器50に設けられた制御部用集積回路52及び外部表示器用集積回路55には同じ情報が記憶されているとする。
ポンプ装置3に装着されたユニットカバー15の上面15Uに形成された窓部15aに対し、外部表示器60が近接配置された状態にされたとする。この状態のときに、外部表示器60から電力供給用の電波が発せられると、その電波は、表示器50の表示器側アンテナ部56で受信される。すると、表示器側アンテナ部56において起電力が生ずる。この起電力は、表示器50の外部表示器用集積回路55に供給され、これにより外部表示器用集積回路55が通電状態になる。
すると、外部表示器用集積回路55は記憶しているデータ(例えば、ポンプ装置3の運転状態を示す情報、故障を示す情報、及び吐出し圧力を示す情報等)を、表示器側アンテナ部56に出力し、第2近距離通信C2によって外部表示器60に送信される。
表示器50から外部表示器60に送信されたポンプ装置3の状態を示す情報は、外部表示器60の外部表示器側アンテナ部61で受信された後にリーダライタ63を介して表示部64に出力される。そして、表示部64では、表示器50から外部表示器60に送信されたポンプ装置3の状態を示す情報に基づいた表示が行われる。前述の通り、外部表示器60の表示部64には、例えば液晶表示器等の表示器が設けられていることから、多様な表示が可能である。
図17〜図20は、本発明の第3実施形態において外部表示器の表示画面に表示される情報の一例を示す図である。図17において、外部表示器60の表示画面DPに表示されている情報W1は、ポンプ装置3の現在状態を示す情報である。図17に示す例では、ポンプ装置3の現在状態を示す情報W1として、ポンプ装置3の運転状態、ポンプ11の吐出し圧力、ポンプ11の回転速度、電動機12の電流値、ポンプ装置3の電源の入力電圧、ポンプ11の積算運転時間、ポンプ11の積算運転回数が表示されている。尚、これらの情報W1は、例えばアイコン等を用いてアニメーションにて表示しても良い。
図18において、外部表示器60の表示画面DPに表示されている情報W2は、ポンプ装置3の故障履歴を示す情報である。図18に示す例では、ポンプ装置3の故障履歴を示す情報W2として、4つの故障履歴(ポンプ加熱、インバータトリップ、吐出し圧力異常低下、及びポンプ加熱)が表示されている。また、故障履歴の各々に対して、故障の発生日時及び復帰日時が対応付けて表示されている。これら各種履歴は、演算部42で演算されて記憶部43に記憶された情報である。
図19において、外部表示器60の表示画面DPに表示されている情報W3は、ポンプ装置3の吐出し圧力の経時変化を示す情報である。図19に示す例では、ポンプ装置3の吐出し圧力の経時変化を示す情報W3が、時間を横軸にとり、吐出し圧力を縦軸に取ったグラフにて表示されている。また、図19に示す例では、ポンプ装置3の運転状態(ポンプ11の運転のON/OFF)の切り替わりを示すグラフが重ねて表示されている。尚、フロースイッチ(小水量状態を検出する流量検出器)の検出結果の経時変化を示すグラフ、電動機12に流れる電流値の経時変化を示すグラフ、並びに故障の発生日時及び復帰日時を重ねて表示してもよいし、状態毎に単独のグラフにて表示してもよい。これら各種履歴は、第1近距離通信C1及び第2近距離通信C2を用いて外部表示器60にて取得した各値の瞬時値を、外部表示器60のリーダライタ63にて記憶し、更に外部表示器60の表示画面DPに表示してもよい。
図20において、外部表示器60の表示画面DPに表示されている情報W4は、ポンプ装置3の設定値を示す情報である。図20に示す例では、ポンプ装置3の設定値を示す情報W4として、始動圧、停止圧、加速時間、減速時間等が表示されている。尚、この情報W4が表示されている画面において、表示されている設定値の変更を可能とし、その変更された設定値を、外部表示器60と表示器50との間のNFC(第2近距離通信)、及び表示器50と制御部40とのNFC(第1近距離通信)によって、ポンプ装置3に設定可能としても良い。外部表示器60より変更された設定値は、記憶部43の不揮発性メモリに記憶するとよい。
以上の通り、本実施形態では、ユニットカバー15に形成された窓部15aを介して外部から視認可能なように、第1近距離通信C1及び第2近距離通信C2が可能な表示器50をユニットカバー15に取り付け、ポンプ装置3の状態を示す情報を、表示器50から外部表示器60に第2近距離通信C2によって送信して外部表示器60の表示部64に表示するようにしている。これにより、ポンプ装置3が作業性の悪い環境に設置されていたとしても、ユニットカバー15を外すことなく、運転状態や警報等の多様な情報を容易に確認することができる。
また、本実施形態では、第2実施形態と同様に、表示器50の表示部54をユニットカバー15に形成された窓部15aの透明窓TW側に密接させた状態にしているため、視認性を向上させることができ、視野角を広げることができる、更には低消費電力化を図ることができる。また、ユニットベース14に固定された制御部40と、ユニットカバー15に取り付けられた表示器50との間ではNFCによって情報の送受信及び非接触給電が行われることから、第2実施形態と同様に、ユニットカバー15を取り外すときに配線を気にする必要が無い。
尚、上述した第3実施形態の変形例として、表示器50に代えて、表示器50から表示部54が省略されたもの(通信器)を用いることができる。この通信器は、制御部40との間の第1近距離通信C1及び外部表示器60との間の第2近距離通信C2がNFCによって可能であり、制御部40との外部表示器60との間の通信を中継する中継器ということもできる。
このような通信器を用いる場合には、ユニットカバー15の内部を視認するための窓部15aを省略することが可能である。但し、NFCは通信距離が数センチメートルと短いため、外部表示器60が通信器に近接配置されなければ、外部表示器60と通信器との間の第2近距離通信が行われず、ポンプ装置3の状態を示す情報が外部表示器60に表示されない。また、外部表示器60と通信器との間に電波を妨害するような障害(例えば金属製の板)があると通信できない。このため、ユニットカバー15の上面には、通信器との間のNFCが可能な部位(視認可能部)である旨を示すマークを付すのが望ましい。
〔第4実施形態〕
図21は、本発明の第4実施形態によるポンプ装置の構成及び設置例を模式的に示す図である。図21に示す通り、本実施形態のポンプ装置4は、地上ユニット70と水中ポンプ80とを備えており、これら地上ユニット70と水中ポンプ80とが揚水管TBによって接続された構成である。このようなポンプ装置4は、いわば第3実施形態のポンプ装置3が備えるポンプ11及び電動機12を水中ポンプ80としてユニットカバー15の外部に設けたものであり、例えば深井戸DWから水を汲み上げるのに適したものである。
地上ユニット70は、概して第3実施形態のポンプ装置3からポンプ11及び電動機12を省略した構成である。具体的に、地上ユニット70は、ユニットベース14上に固定された制御装置13及び圧力タンク18、これらを覆うユニットカバー15、制御装置13の上部に設けられた制御部40、及びユニットカバー15に取り付けられた表示器50を備える。尚、図21では、ユニットカバー15内にて、用水の流路を形成するケーシングや配管及び圧力タンク18の図示を省略している。このような地上ユニット70は、水中ポンプ80から揚水される水を、揚水管TBを介し、更には、吐出し管111を介して給水先に給水する。地上ユニット70は、例えば第1〜第3実施形態のポンプ装置1〜3と同様に、地表面100に形成された窪み101に埋設されて設置されることがある。
地上ユニット70は、第3実施形態のポンプ装置3と同様に、制御部40と表示器50との間で第1近距離通信C1を行って、ポンプ装置4の状態を示す情報をユニットカバー15に取り付けられた表示器50に表示することが可能である。また、地上ユニット70は、外部表示器60と第2近距離通信C2を行って、ポンプ装置4の状態を示す情報を外部表示器60の表示画面DPに表示することが可能である。
水中ポンプ80は、ポンプ81及び水中電動機82を備える外径形状が略円柱形状のものであり、水中に没した状態で使用される。ポンプ81は、例えばステンレス製のポンプであり、水中電動機82によって駆動される。水中電動機82は、制御装置13の制御の下で、ポンプ81を駆動する。水中ポンプ80は、例えば図21に示す通り、窪み101から下方に掘られた深井戸DWにおいて、水面WLよりも下方に位置する(水中に没する)ように配置され、揚水管TBを介して地上ユニット70に水を揚水する。尚、水中電動機82は、揚水管TBと略平行に配線される水中ケーブル(図示省略)を介して地上ユニット70に接続される。制御装置13にて演算された制御信号及び水中電動機82の電力は、この水中ケーブルを介して水中電動機82に入力されるようになっている。
以上の通り、本実施形態では、第3実施形態のポンプ装置3と同様に、第1近距離通信C1及び第2近距離通信C2が可能な表示器50をユニットカバー15の上面15Uに取り付け、ポンプ装置4の状態を示す情報を、表示器50から外部表示器60に第2近距離通信C2によって送信して外部表示器60の表示部64に表示するようにしている。これにより、ポンプ装置4が作業性の悪い環境に設置されていたとしても、ユニットカバー15を外すことなく、運転状態や警報等の多様な情報を容易に確認することができる。尚、本実施形態でも、上述した第3実施形態の変形例(表示器50に代えて、表示器50から表示部54が省略されたもの(通信器))を適用することができ、更には、ユニットカバー15の窓部15aを省略し、通信器との間のNFCが可能な部位(視認可能部)である旨を示すマークをユニットカバー15の上面に付すのが望ましい。
以上、本発明の実施形態によるポンプ装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した第2実施形態においても、第3実施形態と同様に、表示器30をユニットカバー15の上面内壁に着脱可能に取り付けても良い。また、上記実施形態で説明したポンプ装置1〜3は、1つのポンプを備えるものであったが、ポンプの数は2つ以上であっても良い。