以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示す。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップおよびステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明する。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密な寸法を表すものではない。
(実施の形態1)
[1.1 照明システムの構成例]
まず、実施の形態1に係る照明システムの構成例について説明する。
図1は、実施の形態1に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。同図の照明システムは、照明器具101〜113、有線変換器20a、無線変換器20b、20c、ライトコントローラ40および端末装置50を備える。
照明器具101〜113のそれぞれは、LED(Light Emitting Diode)、白熱灯または蛍光灯等を光源とする照明装置であり、照明光の明るさを調節する調光機能を有する。また、照明器具101〜113は、照明光の色または色温度を調整する調色機能を有する照明器具と、有しない照明器具とが混在可能である。以下では、調色機能を持たず調光機能を持つ照明器具を第1タイプの照明器具と呼び、調色機能および調光機能を持つ照明器具を第2タイプの照明器具と呼ぶ。個々の照明器具を第1タイプにするか第2タイプでするかは、照明システムの配置設計において決定される。
照明器具101〜113のそれぞれは、ライトコントローラ40との通信に用いられるアドレスを有し、ライトコントローラ40から個別の制御を受ける。また、照明器具101〜113は、図1では、複数の照明器具グループG1〜G3に分割されているものとする。同じ照明器具グループ内の照明器具は、同じ居室また区画に配置され、同じ明るさ制御を受けるものとする。
有線変換器20aは、ライトコントローラ40と有線で接続され、かつ、照明器具101〜107と有線で接続され、ライトコントローラ40と照明器具101〜107との間でコマンドおよび応答を変換および中継する。ここで、コマンドは、例えば、ライトコントローラ40から照明器具への点灯、消灯、調光および調色などの各種指示、照明器具への情報の問い合わせ等である。応答は、照明器具からライトコントローラ40への応答であり、例えば、ACK(ACKnowledgement)、NACK(Negative ACKnowledgement)、問合せへの回答等である。また、ライトコントローラ40と有線変換器20aとの間の通信プロトコルと、ライトコントローラ40と照明器具との間の通信プロトコルとが異なる場合は、プロトコル変換を行う。
無線変換器20bは、明るさセンサ30bを有し、ライトコントローラ40と有線で接続され、かつ、照明器具101〜107と無線で接続される。無線変換器20bは、明るさセンサ30bを有する点と、照明器具と無線変換器20bとの間の接続が有線ではなく無線である点とを除きは、有線変換器20aと同様の機能を有する。
無線変換器20cも、無線変換器20bと同様である。
明るさセンサ30bは、対応する照明器具グループを構成する照明器具の照明光および外光による居室の明るさを検出し、例えば、明るさに比例して増加する電圧値を出力する。図1では、明るさセンサ30bは、照明器具グループG2に対応する。
明るさセンサ30cは、照明器具グループG3に対応する点以外は、明るさセンサ30bと同様である。
ライトコントローラ40は、明るさセンサを用いて外光および照明光による居室の明るさを一定の明るさに保つ明るさ制御を行う。図1では、明るさセンサ30b、30cを利用可能な照明器具グループG2、G3は、明るさ制御の対象になるが、明るさセンサを利用できない照明器具グループG1は、明るさ制御の対象にならない。この明るさ制御の準備段階として、ライトコントローラ40は、一定の明るさに対応する明るさセンサの出力電圧値を基準値として設定する基準値設定処理を行う。明るさセンサの出力電圧値は、明るさに応じた値を示し、例えば比例した値をもつ。基準値設定処理では、ライトコントローラ40は、照明器具グループG2、G3を構成する照明器具のそれぞれが、第1タイプであるか第2タイプであるかを判別する。さらに、ライトコントローラ40は、照明器具グループG2、G3それぞれが、第2タイプを含むか否かを判別する。判別の結果、ライトコントローラ40は、第1タイプの照明器具を含み第2タイプの照明器具を含まない照明器具グループを対象に、照明器具を所定の調光率で点灯させた状態における、明るさセンサの出力電圧値を第1の基準値として設定し、第2タイプの照明器具を含む照明器具グループを対象に、複数の色温度で所定の調光率で点灯させた複数の状態に対応する明るさセンサの複数の出力電圧値を、複数の第2の基準値として設定する。
ここで、基準値について説明する。第2タイプの照明器具を含まない照明器具グループの明るさセンサを対象とする基準値を第1の基準値と呼ぶ。第2タイプの照明器具を含まない照明器具グループの明るさセンサに対して、1つの第1の基準値が設定される。また、第2タイプの照明器具を含まない照明器具グループの明るさセンサを対象とする基準値を第2の基準値と呼ぶ。第2タイプの照明器具を含む照明器具グループの明るさセンサに対して、複数の第2の基準値が設定される。本明細書では第1の基準値と第2の基準値とを特に区別する必要がない場合には単に基準値と呼ぶ。
また、ライトコントローラ40は、照明器具101〜113と通信することにより、スケジュールデータ等に基づいて照明器具101〜113に対する点灯、消灯、調光および調色を制御する。図1では、ライトコントローラ40は、変換器(有線変換器20a、無線変換器20b、20c)を介して間接的に照明器具101等に通信する構成例を示している。より具体的に説明すると、ライトコントローラ40は、照明器具101〜113の配置を示す配置データ、照明器具101〜113のアドレスを示すアドレスデータ、照明器具グループG1〜G3毎のメンバーを示すグループデータ、照明器具グループG1〜G3毎に時系列的な照明スケジュールを示すスケジュールデータ、照明器具グループG1〜G3毎に明るさおよび色を定義するシーンデータ、明るさ制御用の基準値等を記憶し、これらのデータに基づいて、照明器具グループG1〜G3それぞれを制御する。これらのデータは、主に端末装置50によって、照明システムの設置工事の一部としてライトコントローラ40に設定される。例えば、スケジュールデータには、9時〜12時の時間帯に上記の明るさ制御を行い、12時〜13時の時間帯に調光率70%で照明し、13時〜17時の時間帯に上記の明るさ制御を行う等のスケジュールを示す。
[1.2 有線変換器の構成例]
次に、有線変換器20aの構成例について説明する。
図2は、実施の形態1に係る有線変換器20aの構成例を示すブロック図である。同図の有線変換器20aは、第1通信部21a、第2通信部22、メモリ24、およびCPU25を備える。
第1通信部21aは、有線接続された照明器具と通信する。
第2通信部22は、ライトコントローラ40と通信する。
メモリ24は、プログラムおよびデータを記憶する。プログラムは、例えば、有線変換器20aに接続された照明器具とライトコントローラ40との間でコマンドおよび応答を変換および中継するための、通信プロトコル変換プログラムおよび中継プログラムを含む。データは、例えば、ライトコントローラ40のアドレス、有線変換器20aに接続された照明器具のアドレス、自身のアドレス等を含む。
CPU25は、メモリ24にプログラムを実行することにより、照明器具とライトコントローラ40との間でコマンドおよび応答を変換および中継する。
なお、メモリ24のデータは、照明システムの設置工事において初期設定され、照明システムの変更時に更新される。
[1.3 無線変換器の構成例]
次に、無線変換器20bの構成例について説明する。
図4は、実施の形態1に係る無線変換器20bの構成例を示すブロック図である。同図の無線変換器20bは、無線通信部21b、第2通信部22、メモリ24、CPU25および明るさセンサ30bを備える。同図の無線変換器20bは、図3と比べて、第1通信部21aの代わりに無線通信部21bを備える点と、明るさセンサ30bを備える点とが異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
無線通信部21bは、ペアリングされた照明器具と通信する。ペアリングされた照明器具というのは、無線変換器20bの無線通信相手として対応付けされた照明器具をいう。照明器具と無線変換器とは、無線通信相手としてのアドレスを互いに記憶するによりペアリングされる。照明器具と無線変換器とのペアリングは、例えば端末装置50により実行される。図1では、無線変換器20bは、照明器具108、109とそれぞれペアリングされているものとする。また、照明器具と有線変換器とのペアリングは、有線により物理的に対応付けされている。図1では、有線変換器20aは、照明器具101〜107のそれぞれと、有線接続により通信相手が一意に対応付けられる。有線変換器20aおよび照明器具101〜107は、有線接続により対応付けられた通信相手としてのアドレスを互いに記憶している。
明るさセンサ30bは、照明器具グループG2を構成する照明器具106〜109がカバーする照明範囲の明るさを検出可能な位置に配置され、照明光および外光による居室の明るさを検出する。明るさセンサ30bは、検出結果として明るさに比例する電圧値を出力するものとする。
なお、明るさセンサ30bは、無線変換器20bに内蔵されていなくてもよく、無線変換器20bとは独立してライトコントローラ40に接続され、通信可能な構成でもよい。明るさセンサ30cもどうようである。
また、無線変換器20cも、図4の無線変換器20bと同じ構成でよい。ただし、図1では、無線変換器20cは、照明器具110〜113とそれぞれペアリングされているものとする。
[1.4 ライトコントローラの構成例]
次に、ライトコントローラ40の構成例について説明する。
図4は、実施の形態1に係るライトコントローラ40の構成例を示すブロック図である。同図のライトコントローラ40は、無線部41、第2通信部42、メモリ43および制御回路44を備える。
無線部41は、端末装置50と無線通信する。
第2通信部42は、有線変換器20a、無線変換器20bおよび無線変換器20cと有線接続され、有線変換器20a、無線変換器20bおよび無線変換器20cを介して照明器具101〜113と通信する。
メモリ43は、各種データおよび各種プログラムを記憶する。各種データは、照明器具101〜113の配置を示す配置データ、照明器具101〜113のアドレスを示すアドレスデータ、照明器具グループG1〜G3毎のメンバーを示すグループデータ、照明器具グループG1〜G3毎に時系列的な照明スケジュールを示すスケジュールデータ、照明器具グループG1〜G3毎に明るさおよび色を定義するシーンデータ、明るさ制御用の基準値データ等を含む。各種プログラムは、基準値設定処理プログラム、明るさ制御プログラム、スケジュール動作プログラム等を含む。基準値設定処理プログラムは、既に説明した基準値設定処理を実行するためのプログラムである。明るさ制御プログラムは、既に説明した明るさ制御を実行するためのプログラムである。スケジュール動作プログラムは、既に説明した時系列的なスケジュールデータに従って照明器具101〜113を動作させるプログラムである。
制御回路44は、メモリ43に記憶されたプログラムを実行するCPUである。制御回路44は、各種プログラムの実行時に各種データを参照することによって、上記の基準値設定処理および明るさ制御等を行う。
[1.5 照明システムの動作例]
以上のように構成された実施の形態における照明システムについて、その動作例説明する。
図5は、実施の形態1に係る照明システムの動作シーケンス例を示す図である。同図では、照明システムの準備段階および運用段階における、ライトコントローラ40と複数の変換器と複数の照明器具との間の通信シーケンスの一例を示している。図5の照明システムは、複数の変換器として、有線変換器20aおよび無線変換器20b、20cを含むn台の変換器を備えるものとする。また、複数の照明器具として、照明器具101〜113を含むm台の照明器具を備えるものとする。
準備段階は、ライトコントローラ40、複数の変換器および複数の照明器具を建物の居室などに配置および配線する設置作業の直後に行われる処理であって、アドレス設定処理、および、基準値設定処理を含む。
アドレス設定処理は、タイプ判別処理およびテーブル作成処理を含む。
タイプ判別処理は、設置作業で設置された照明器具のそれぞれが、調色機能を持たず調光機能を持つ第1タイプであるか、調色機能および調光機能を持つ第2タイプであるかを判別する処理である。ライトコントローラ40は、タイプ問合せコマンドをn台の変換器を介してm台の照明器具に送信する。m台の照明器具は、第1のタイプか第2のタイプであるを示す応答を、変換器を介してライトコントローラ40に送信する。この応答によりライトコントローラ40は、照明器具のそれぞれが第1タイプであるか第2タイプであるかを判別する。なお、ライトコントローラ40は、タイプ問合せコマンドを、ブロードキャストアドレスを宛先として送信してもよいし、照明器具の個別のアドレスを宛先として送信してもよい。
テーブル作成処理は、ペアリングおよびグループ分けを行い、その結果を示すペアリングテーブルおよびグループテーブルを作成する処理である。ライトコントローラ40は、ペアリングおよびグループ分けを、端末装置50からの指示に基づいて行う。
ペアリングの一例について図1の照明システムを用いて説明する。図1において7台の照明器具101〜107のそれぞれは、有線変換器20aにペアリングされている。このペアリングは有線の配線接続によって一意に定められる。2台の照明器具108、109のそれぞれは無線変換器20bにペアリングされている。4台の照明器具110〜113のそれぞれは、無線変換器20cにペアリングされている。ライトコントローラ40は、無線変換器20b、20cのペアリングを、端末装置50からの明示的な指示によって行う。
グループ分けの一例について図1の照明システムを用いて説明する。図1において5台の照明器具101〜105は、照明器具グループG1を構成する。4台の照明器具106〜109のは照明器具グループG2を構成する。4台の照明器具110〜113は、照明器具グループG3を構成する。ライトコントローラ40は、これらのグループ分けを、端末装置50からの明示的な指示に従って行い、その結果を示すグループテーブルを作成する。
図6は、実施の形態1に係る照明器具のタイプおよびグループを示すグループテーブルの一例を示す図である。同図のグループテーブルは、メンバーIDとタイプと照明器具グループ名とを対応付けている。
メンバーIDは、グループのメンバーである照明器具のIDを示す。図6では、グループに対応する明るさセンサが存在する場合は、明るさセンサもメンバーとして記載している。図6では、メンバーIDは、図1の符号を代用として記しているが、実際にはアドレスやIDが用いられる。明るさセンサのメンバーIDも、実際には明るさセンサ自身のアドレスまたは対応する無線変換器のアドレスが用いられる。
タイプは、メンバーのタイプを示す。同図の「1(調光)」は、対応するグループメンバーが第1タイプの照明器具であることを示す。「2(調色)」は、対応するグループメンバーが第2タイプの照明器具であることを示す。「3(センサ)」は、対応するグループメンバーが明るさセンサであることを示す。
照明器具グループ名は、図1に示したG1〜G3に対応する。
次に、第2タイプの照明器具、つまり、調光機能も調色機能も有する照明器具における色温度と明るさとの関係について説明する。
図5において基準値設定処理は、グループ判別処理とグループ別設定処理とを含む。
グループ判別処理は、タイプ判別処理の判別結果およびグループテーブルを用いて、照明器具グループ毎に、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むか否かを判別する処理である。
グループ別設定処理は、照明器具グループ毎に基準値を設定する処理である。具体的には、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含まないと判別した場合には、当該照明器具グループを構成する照明器具を所定の調光率で点灯させた状態に対応する明るさセンサの出力電圧値を第1の基準値として設定する。照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むと判別した場合には、当該照明器具グループを構成する照明器具を複数の色温度で所定の調光率で点灯させた複数の状態に対応する明るさセンサの複数の出力電圧値を、複数の第2の基準値として設定する. 次に、調色機能を有する第2タイプの照明器具を含む照明器具グループでは、基準値として複数の第2の基準値が設定される理由について説明する。
図7は、実施の形態1に係る色温度に対する100%点灯時の明るさの特性例を示す図である。同図の横軸は色温度を示す。縦軸は調光率100%点灯時の発光量(ここでは光束量)を示す。同図に示すように、第2タイプの照明器具は、調光率100%で点灯したとき、色温度によって発光量が異なっている。色温度2700K、4000K、5000K、6500Kのそれぞれの明るさを明るい順に並べると、A(5000K)、B(4000K)、C(6500K)、D(2700K)になる。
このように、第2タイプの照明器具では、同じ100%点灯でも色温度が異なれば発光量が異なる。第2タイプの照明器具を用いて、居室の明るさを一定に保つ明るさ制御を行う場合、色温度5000Kでの基準値と、色温度2700Kでの基準値とを別個に設定する必要がある。
言い換えれば、1つの基準値では第2タイプの照明器具の明るさ制御を正しくすることができない。例えば、色温度2700KのDの明るさだけを基準値として設定した場合、「100%点灯時にはDの明るさになる」という情報しか持っていないことになる。この状態で、5000Kの色温度で明るさ制御を行ったとすると、Dの明るさにしようとして100%点灯させると、Dより明るいAの明るさになり、明るすぎる状態になってしまう。つまり、1つの基準値では異なる色温度で明るさを一定に保つことができない。
これを避けるには、5000Kで100%点灯させたときにとのくらいの明るさになるのかを記憶しておく必要があり、つまり、異なる色温度に対応する複数の基準値が必要となる。
そこで、本実施の形態におけるライトコントローラ40は、基準値設定処理において、対象となる1つ以上の照明器具のそれぞれが、調色機能を持たず調光機能を持つ第1タイプであるか、調色機能および調光機能を持つ第2タイプであるかを判別する。さらに、ライトコントローラ40は、対象となる1つ以上の照明器具が第2タイプの照明器具を含まない場合に、照明器具を所定の調光率で点灯させた状態における、明るさセンサの出力電圧値を第1の基準値として設定する。一方、ライトコントローラ40は、対象となる1つ以上の照明器具が第2タイプの照明器具を含む場合に、複数の色温度で所定の調光率で点灯させた複数の状態に対応する明るさセンサの複数の出力電圧値を、複数の第2の基準値として設定する。
次に、基準値設定処理によって設定される基準値の一例について説明する。
図8は、実施の形態1に係る基準値データの例を示す図である。図8は、図1および図6の照明システムにおける照明器具グループG1〜G3を対象とする基準値の例を示す。同図の第1の基準値Vref1は、第2タイプの照明器具を含まない照明器具グループを対象とする基準値である。第2の基準値Vref2は、第2タイプの照明器具を含む照明器具グループを対象とする基準値である。
照明器具グループG1は、明るさセンサが対応しないので明るさ制御の対象から除外される。よって、照明器具グループG1を対象とする基準値は設定されない。
照明器具グループG2は、第2タイプの照明器具108および109を含み、調色機能を有する。この照明器具グループG2には複数の第2の基準値が設定されている。この例では、照明器具グループG2を対象とする第2の基準値は、4つ色温度毎に所定の調光率で点灯させた状態、および、4つ色温度中の1つの色温度で所定の調光率と異なる調光率で点灯させた状態の5つの状態に対応する5つの第2の基準値を示している。5つの第2の基準値は、色温度2700Kで100%点灯に対応する2.5V、色温度4000Kで100%点灯に対応する2.9V、色温度5000Kで100%点灯に対応する3.0V、色温度6500Kで100%点灯に対応する2.7V、色温度5000Kで50%点灯に対応する1.5Vである。
照明器具グループG3は、第2タイプの照明器具を含まないので調色機能を有しない。この照明器具グループG3には1つの第1の基準値が設定されている。この例では、第1の基準値は、100%点灯に対応する2.9Vである。
[1.6 照明システムの基準値設定処理の具体例]
次に、実施の形態1における照明システムにおける基準値設定処理の具体例について説明する。
図9は、実施の形態1に係るライトコントローラ40における基準値設定処理の具体例を示すフローチャートである。図9において、まずライトコントローラ40は、明るさセンサ30bおよび30cを用いて明るさを測定し(S11)、明るさを示すセンサの出力値がしきい値th0より小さければループ1に進み、そうでなければ基準値設定処理を終了する(S12)。基準値設定処理は、照明器具が設置された居室において外光がほとんど存在しない状態で行う必要があり、ステップS11およびS12は、照明システムを消灯した状態で、かつ、外光がほぼ存在しない状態かどうかをチェックする。そのため、しきい値th0は、例えば、明るさセンサ30bまたは30cが検知可能な明るさの最小値に相当する値でよい。
ループ1(S13〜S17)は、明るさセンサが対応付けられた照明器具グループ毎に行われる。図1の照明システムの例では、図9のループ1は、明るさセンサが対応付けられていない照明器具グループG1を対象としないで、明るさセンサが対応付けられた照明器具グループG2およびG3を対象とする。
ループ1において、ライトコントローラ40は、対象となる照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むか否かを判定し(S14)、含まないと判定した場合には調光タイプの設定処理を実行し(S15)、含むと判定した場合には調色タイプの設定処理を実行する(S16)。ステップS14は図5のグループ判別処理に対応し、ステップS15およびS16は図5のグループ別設定処理に対応する。ここで、調光タイプの設定処理とは、第2タイプの照明器具を含まない照明器具グループおよびそれに対応する明るさセンサを対象として基準値を設定する処理をいう。調色タイプの設定処理とは、第2タイプの照明器具を含む照明器具グループおよびそれに対応する明るさセンサを対象として基準値を設定する処理をいう。
図10は、図9のステップS15(調光タイプの設定処理)の詳細例を示すフローチャートである。ライトコントローラ40は、対象となる照明器具グループを構成する照明器具を所定の調光率で点灯させ(S21)、この状態で明るさセンサを用いて明るさを測定し(S22)、つまり、明るさセンサの出力値を取得し、この出力値を第1の基準値Vref1として記憶する(S23)。所定の調光率は100%でよい。このように図10の調光タイプの設定処理では、第2タイプの照明器具を含まない照明器具グループ、つまり調色機能を有しない照明器具グループに対して、1つの第1の基準値が設定される。
図11は、図9のステップS16(調色タイプの設定処理)の詳細例を示すフローチャートである。ライトコントローラ40は、ループ2(S31〜S35)においてN個の色温度毎の処理を行う。Nは例えば4である。この場合、4つの色温度は、図7に示した、2700K、4000K、5000K、6500Kの4つとしてもよい。ループ2において、ライトコントローラ40は、対象となる照明器具グループを構成する照明器具を当該色温度で所定の調光率(例えば100%)で点灯させ(S32)、この状態で明るさセンサを用いて明るさを測定し(S33)、つまり、明るさセンサの出力値を取得し、この出力値を第2の基準値Vref2の1つとして記憶する(S34)。
ループ2の後、ライトコントローラ40は、対象となる照明器具グループを構成する照明器具を、N個の色温度中の1つの色温度で上記の所定の調光率と異なる調光率で点灯させ(S36)、この状態で明るさセンサを用いて明るさを測定し(S37)、その出力値を第2の基準値Vref2の1つとして記憶する(S38)。
このように図11の調色タイプの設定処理では、第2タイプの照明器具を含む照明器具グループ、つまり調色機能を有する照明器具グループに対して、5つの第2の基準値が設定される。
[1.7 照明システムの明るさ制御の具体例]
次に、実施の形態1における照明システムにおける明るさ制御の具体例について説明する。
図12は、実施の形態1に係るライトコントローラ40における明るさ制御の処理例を示すフローチャートである。同図においてライトコントローラ40は、ループ1(S41〜S47)の繰り返し処理を一定時間毎に行う。一定時間は、例えば1秒でもよく、数100mSから数分あるいは数十分でもよい。
ループ1において、ライトコントローラ40は、明るさセンサを明るさの測定を指示するコマンドを送信することにより明るさを測定し(S42)、明るさセンサの出力電圧値Vsを取得する(S43)。さらに、ライトコントローラ40は、処理対象の照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むか否かを判定し(S44)、含まないと判定したとき調光タイプの明るさ処理を実行(S45)、含むと判定したとき調色タイプの明るさ処理を実行する(S46)。ここで、調光タイプの明るさ処理とは、第2タイプの照明器具を含まない照明器具グループおよびそれに対応する明るさセンサを対象として、現在の明るさセンサの出力電圧値が、既に設定された基準値(第1の基準値)とほぼ同じ値になるよう照明器具の照明光の明るさを調節する処理をいう。また、調色タイプの明るさ処理とは、第2タイプの照明器具を含む照明器具グループおよびそれに対応する明るさセンサを対象として、現在の明るさセンサの出力電圧値が、既に設定された基準値(色温度毎の第2の基準値)とほぼ同じ値になるよう照明器具の照明光の明るさを調節する処理をいう。
図13は、図12のステップS45(調光タイプの明るさ処理)の詳細例を示すフローチャートである。ライトコントローラ40は、明るさセンサの出力電圧値Vsと第1の基準値との差分が第1のしきい値th1より大きいか否かを判定する(S51)。第1のしきい値th1は、例えば、調光可能な明るさの分解能の最小ステップに相当する値でよい。
当該差分が第1のしきい値th1より大きいと判定したとき、ライトコントローラ40は、当該差分を0にするように新たな調光率を決定し(S52)、決定した新たな調光率を指示するコマンドを照明器具グループに構成する照明器具に送信する(S53)。上記の新たな調光率は、照明器具グループに構成する個々の照明器具に共通の値でよい。
また、当該差分が第1のしきい値th1より大きくないと判定したとき、ライトコントローラ40は、調光タイプの明るさ処理を終わる。
図14は、図12のステップS46(調色タイプの明るさ処理)の詳細例を示すフローチャートである。ライトコントローラ40は、照明光の現在の色温度に対応する基準値Vrを算出する(S61)。例えば、現在の色温度が複数の第2の基準値が対応する色温度(図8の場合、2700K、4000K、5000K、6500K)のいずれかと同じであれば、ライトコントローラ40は当該第2の基準値Vref2を基準値Vrとする。現在の色温度が複数の第2の基準値Vref2の対応する色温度のいずれとも同じでない場合、ライトコントローラ40は、現在の色温度に対応する基準値Vrを、複数の第2の基準値Vref2を補間することにより、例えば、図7の特性曲線を示すデータを用いて補間することにより算出する。
さらに、ライトコントローラ40は、明るさセンサの出力電圧値Vsと基準値Vrとの差分が第2のしきい値th2より大きいか否かを判定する(S62)。第2のしきい値th2は、例えば、調光可能な明るさの分解能の最小ステップに相当する値でよい。また、第2のしきい値th2は、色温度毎に定義されてもよい。
当該差分が第2のしきい値th2より大きいと判定したとき、ライトコントローラ40は、当該差分を0にするように新たな調光率を決定し(S63)、決定した新たな調光率を指示するコマンドを照明器具グループに構成する照明器具に送信する(S64)。ここで、新たな調光率の決定について説明する。ライトコントローラ40は、図7の例では、色温度5000K、調光率50%で測定された第2の基準値を用いて、調光率50%における特性曲線(図7の一点鎖線)を推定する。ライトコントローラ40は、調光率100%における特性曲線(図7の実線)、および、調光率500%における特性曲線(図7の一点鎖線)の2つの特性曲線を用いて、差分の大きさに応じて差分を0にするような新たな調光率を決定する。このような調色タイプの明るさ処理によれば、現在の照明光がどの色温度であっても明るさを一定に保つことができる。
上記のように実施の形態1に係るライトコントローラ、照明システムおよび基準値設定方法によれば、個々の照明器具のタイプおよび照明器具グループのタイプを判別し、調光タイプの設定処理と調色タイプの設定処置とを使い分けるので、明るさを一定に保つ明るさ制御のための基準値の設定処理を短縮可能である。具体的には、この基準値設定処理は、タイプの異なる照明器具が混在する様々な配置形態および接続形態に適用することができ、基準値設定処理に要する平均的な時間を短縮することができる。
以上のように実施の形態1に係るライトコントローラ40は、居室の明るさを検出する明るさセンサ30b、30cと、照明光を発する少なくとも1つの照明器具101、102、・・・、とに接続され、外光および照明光による居室の明るさを一定の明るさに保つ明るさ制御を行うライトコントローラ40であって、明るさセンサ30b、30cおよび少なくとも1つの照明器具と通信する第1通信部21aと、明るさ制御を行う制御回路44とを備え、制御回路44は、明るさ制御の準備段階として、一定の明るさに対応する明るさセンサ30b、30cの出力電圧値を基準値として設定する基準値設定処理を行い、基準値設定処理において、少なくとも1つの照明器具のそれぞれが、調色機能を持たず調光機能を持つ第1タイプであるか、調色機能および調光機能を持つ第2タイプであるかを判別し、少なくとも1つの照明器具で構成される照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むか否かを判別し、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含まないと判別した場合には、照明器具グループを所定の調光率で点灯させた状態における、明るさセンサの出力電圧値を第1の基準値として設定し、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むと判別した場合には、照明器具グループを複数の色温度で所定の調光率で点灯させた複数の状態に対応する明るさセンサの複数の出力電圧値を、複数の第2の基準値として設定し、明るさ制御の運用段階において、設定した第1の基準値または複数の第2の基準値を用いて明るさ制御を行う。
これによれば、個々の照明器具のタイプおよび照明器具グループのタイプを判別し、調光タイプの設定処理と調色タイプの設定処置とを使い分けるので、明るさを一定に保つ明るさ制御のための基準値の設定処理を短縮可能である。
ここで、制御回路44は、第1通信部21aを介して少なくとも1つの照明器具と通信することによって、少なくとも1つの照明器具のそれぞれが、第1タイプであるか第2タイプであるかを判別してもよい。
これによれば、個々の照明器具のタイプを通信によって容易に判別することができる。
なお、個々の照明器具のタイプは、通信によらなくても、ユーザまたは設置工事者の操作指示により判別してもよい。
ここで、上記の複数の色温度は少なくとも4つの色温度であってもよい。
これによれば、所定の調光率で点灯したときの色温度毎の明るさの違いを少なくとも4つ第2の基準値に反映させることができる。
ここで、制御回路44は、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含む場合には、照明器具グループを4つ色温度毎に所定の調光率で点灯させた状態、および、4つ色温度中の1つの色温度で所定の調光率と異なる調光率で点灯させた状態における5つの第2の基準値を設定してもよい。
これによれば、所定の調光率で点灯したときの色温度毎の明るさの違いを5つ第2の基準値に反映させることができる。
ここで、制御回路44は、明るさ制御において、定期的に明るさセンサの出力電圧値を取得し、照明器具グループが第1タイプの照明器具を含み第2タイプの照明器具を含まない場合には、第1の基準値と取得した出力電圧値との差分が所定値以下になるように、照明器具グループの調光率を調整し、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含む場合には、の照明光が発する照明光の現在の色温度を判別し、複数の第2の基準値に基づいて現在の色温度に対応する基準値を算出し、算出した基準値と取得した出力電圧値との差分が所定値以下になるように、の調光率を調整してもよい。
これによれば、第2タイプを含まない照明器具グループに対して第1の基準値を用いて明るさ制御をし、第2タイプを含む照明器具グループに対して複数の第2の基準値をどの色温度において明るさ制御を違和感なく適切にすることができる。
また、実施の形態1に係る照明システムは、複数の照明器具101〜113の明るさを制御するライトコントローラ40と、複数の変換器(無線変換器20b、20c)と、複数の明るさセンサ30b、30cとを備え、複数の照明器具106〜113は複数の照明器具グループG2、G3に分割され、ライトコントローラ40と複数の変換器と複数の明るさセンサと複数の照明器具グループG2、G3は、1対n対n対n(nは2以上の整数)で対応し、複数の変換器のそれぞれは、対応する照明器具グループを構成する照明器具とライトコントローラとの間でコマンドおよび応答を変換および中継し、複数の明るさセンサ30b、30cのそれぞれは、対応する照明器具グループを構成する照明器具の照明光および外光による居室の明るさを検出し、ライトコントローラ40は、複数の照明器具グループ毎に、外光および照明光による明るさを一定の明るさに保つ明るさ制御を行い、明るさ制御の準備段階として、複数の照明器具グループ毎に、一定の明るさに対応する明るさセンサ30の出力電圧値を基準値として設定する基準値設定処理を行い、基準値設定処理において、当該照明器具グループを構成する照明器具のそれぞれが、調色機能を持たず調光機能を持つ第1タイプであるか、調色機能および調光機能を持つ第2タイプであるかを判別し、当該照明器具グループを第2タイプの照明器具を含むか否かを判別し、当該照明器具グループが第2タイプの照明器具を含まないと判別した場合には、当該照明器具グループを構成する照明器具を所定の調光率で点灯させた状態に対応する明るさセンサの出力電圧値を第1の基準値として設定し、当該照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むと判別した場合には、当該照明器具グループを構成する照明器具を複数の色温度で所定の調光率で点灯させた複数の状態に対応する明るさセンサの複数の出力電圧値を、複数の第2の基準値として設定し、明るさ制御の運用段階において、複数の照明器具グループ毎に、設定した第1基準値または複数の第2の基準値を用いて明るさ制御を行う。
これによれば、個々の照明器具のタイプおよび照明器具グループのタイプを判別し、調光タイプの設定処理と調色タイプの設定処置とを使い分けるので、明るさを一定に保つ明るさ制御のための基準値の設定処理を短縮可能である。
ここで、ライトコントローラ40は、変換器を介して複数の照明器具と通信することによって、複数の照明器具のそれぞれが、第1タイプであるか第2タイプであるかを判別してもよい。
これによれば、個々の照明器具のタイプを、変換器を介した通信によって容易に判別することができる。
ここで、上記の複数の色温度は少なくとも4つの色温度であってもよい。
これによれば、所定の調光率で点灯したときの色温度毎の明るさの違いを少なくとも4つ第2の基準値に反映させることができる。
ここで、ライトコントローラ40は、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含む場合には、照明器具グループを4つ色温度毎に所定の調光率で点灯させた状態、および、4つの色温度中の1つの色温度で所定の調光率と異なる調光率で点灯させた状態に対応する15つの第2の基準値を設定してもよい。
これによれば、所定の調光率で点灯したときの色温度毎の明るさの違いを5つ第2の基準値に反映させることができる。
ここで、ライトコントローラ40は、明るさ制御において、複数の照明器具グループ毎に、定期的に明るさセンサの出力電圧値を取得し、照明器具グループが第1タイプの照明器具を含み第2タイプの照明器具を含まない場合には、当該照明器具グループの第1の基準値と取得した出力電圧値との差分が所定値以下になるように、当該照明器具グループを構成する照明器具の調光率を調整し、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含む場合には、当該照明器具グループの照明光が発する照明光の現在の色温度を判別し、当該照明器具グループの複数の第2の基準値に基づいて現在の色温度に対応する基準値を算出し、算出した基準値と取得した出力電圧値との差分が所定値以下になるように、当該照明器具グループを構成する照明器具の調光率を調整してもよい。
これによれば、第2タイプを含まない照明器具グループに対して第1の基準値を用いて明るさ制御をし、第2タイプを含む照明器具グループに対して複数の第2の基準値をどの色温度において明るさ制御を違和感なく適切にすることができる。
ここで、照明システムは、上記の複数の照明器具を備えてもよい。
また、実施の形態1に係る基準値設定方法は、居室の明るさを検出する明るさセンサ30と、照明光を発する少なくとも1つの照明器具101等とに接続され、外光および照明光による居室の明るさを一定の明るさに保つ明るさ制御を行うライトコントローラ40における、一定の明るさに対応する明るさセンサ30の出力電圧値を基準値として設定する基準値設定方法であって、少なくとも1つの照明器具のそれぞれが、調色機能を持たず調光機能を持つ第1タイプであるか、調色機能および調光機能を持つ第2タイプであるかを判別し、少なくとも1つの照明器具で構成される照明器具グループが、第2タイプの照明器具を含むか否かを判別し、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含まないと判別した場合には、照明器具グループを所定の調光率で点灯させた状態に対応する明るさセンサの出力電圧値を第1の基準値として設定し、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むと判別した場合には、照明器具グループを複数の色温度毎に所定の調光率で点灯させた複数の状態に対応する明るさセンサの出力電圧値を複数の第2の基準値として設定する。
これによれば、個々の照明器具のタイプおよび照明器具グループのタイプを判別し、調光タイプの設定処理と調色タイプの設定処置とを使い分けるので、明るさを一定に保つ明るさ制御のための基準値の設定処理を短縮可能である。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2に係る照明システムについて説明する。実施の形態1では、複数の照明器具グループを有する照明システムの構成例を説明した。これに対して実施の形態2では1つの照明器具グループを有する照明システムの構成例を説明する。
図15は、実施の形態2に係る照明システムの構成例を示すブロック図である。同図の照明システムは、照明器具11〜13、明るさセンサ30およびライトコントローラ40を備える。図15の照明システムは、図1と比べて、有線変換器20a、無線変換器20bおよび無線変換器20cが削除された点と、明るさセンサ30が追加された点とが主に異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
照明器具11〜13のそれぞれは、第1タイプの明器具と第2のタイプの照明器具のいずれかである点は実施の形態と同じであるが、ライトコントローラ40と有線接続または無線接続によりライトコントローラ40と直接通信する点が異なっている。照明器具11〜13は、1つの照明器具グループを構成する。この照明器具グループは、少なくとも1つの照明器具を備えていればよい。
明るさセンサ30は、実施の形態1の明るさセンサ30bまたは30cと同様であるが、ライトコントローラ40と有線接続または無線接続によりライトコントローラ40と直接通信する点が異なっている。
ライトコントローラ40は、照明光を発する少なくとも1つの照明器具(11〜13)に無線または有線により接続され、外光および照明光による居室の明るさを一定の明るさに保つ明るさ制御を行う。変換器を介さないで、ライトコントローラ40は、照明器具11〜13および明るさセンサ30と直接通信する。
図16は、実施の形態2に係るライトコントローラ40における基準値設定処理を示すフローチャートである。同図は、図9と比べて、ループ1の繰り返しを1回分実行する点が異なっている。
この基準値設定処理によれば、照明器具のタイプおよび照明器具グループのタイプを判別し、調光タイプの設定処理と調色タイプの設定処置とを使い分けるので、明るさを一定に保つ明るさ制御のための基準値の設定処理を短縮可能である。
以上のように実施の形態2に係るライトコントローラ40は、居室の明るさを検出する明るさセンサ30と、照明光を発する少なくとも1つの照明器具101、102、・・・、とに接続され、外光および照明光による居室の明るさを一定の明るさに保つ明るさ制御を行うライトコントローラ40であって、明るさセンサ30および少なくとも1つの照明器具と通信する第1通信部21aと、明るさ制御を行う制御回路44とを備え、制御回路44は、明るさ制御の準備段階として、一定の明るさに対応する明るさセンサ30の出力電圧値を基準値として設定する基準値設定処理を行い、基準値設定処理において、少なくとも1つの照明器具のそれぞれが、調色機能を持たず調光機能を持つ第1タイプであるか、調色機能および調光機能を持つ第2タイプであるかを判別し、少なくとも1つの照明器具で構成される照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むか否かを判別し、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含まないと判別した場合には、照明器具グループを所定の調光率で点灯させた状態における、明るさセンサの出力電圧値を第1の基準値として設定し、照明器具グループが第2タイプの照明器具を含むと判別した場合には、照明器具グループを複数の色温度で所定の調光率で点灯させた複数の状態に対応する明るさセンサの複数の出力電圧値を、複数の第2の基準値として設定し、明るさ制御の運用段階において、設定した第1の基準値または複数の第2の基準値を用いて明るさ制御を行う。
これによれば、個々の照明器具のタイプおよび照明器具グループのタイプを判別し、調光タイプの設定処理と調色タイプの設定処置とを使い分けるので、明るさを一定に保つ明るさ制御のための基準値の設定処理を短縮可能である。
以上、本発明に係るライトコントローラ、照明システムおよび基準値設定方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、実施の形態および変形例における一部の構成要素を任意に組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。