以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明、および実質的に同一の構成に対する重複説明等を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態1)
[1−1.送受信システムの概略構成]
以下、実施の形態1における送受信システム10について図面を参照しながら説明する。まず、実施の形態1における送受信システム10の概略構成について説明する。
図1は、実施の形態1における送受信システム10の概略構成を模式的に示す図である。
図1に示されるように、送受信システム10は、送信装置100と、受信装置200と、ケーブル300と、を備える。
送信装置100は、映像ベースバンド信号に対して信号処理を行い、信号処理後の信号を、送信装置100の外部に設けられた受信装置200に送信する装置である。送信装置100は、HDMI(登録商標)規格におけるソース機器として動作し、複合コネクタ109を備える。送信装置100は、映像ベースバンド信号をHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号に変換し、その電気信号を送信することができる。また、詳細は後述するが、送信装置100は、映像ベースバンド信号を光信号に変換し、その光信号を送信することもできる。なお、光信号とは、電気信号に応じて光が変調されて生成された信号を意味する。以下の実施の形態において、光信号であることが示されていない信号は、基本的には電気信号である。
送信装置100は、具体的には、ブルーレイ(登録商標)プレイヤー、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ、セットトップボックス、または、スマートフォン、等である。送信装置100は、集積回路として実現されてもよく、その場合、送信装置100は、複合コネクタ109を備えていなくてもよい。
受信装置200は、送信装置100から電気信号および光信号の少なくとも一方を受信し、受信した信号に基づいた映像を出力(表示)する装置である。受信装置200は、HDMI(登録商標)規格におけるシンク機器として動作し、複合コネクタ209を備える。受信装置200は、具体的には、テレビジョンセット、ブルーレイ(登録商標)プレイヤー、HDDレコーダ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレット端末、等である。
ケーブル300は、送信装置100と受信装置200とを電気的および光学的に相互に接続するケーブルである。言い換えると、送信装置100と受信装置200とは、ケーブル300によって相互に有線接続される。ケーブル300の一端には、コネクタ構造(図示せず)が取り付けられ、当該コネクタ構造は、送信装置100の複合コネクタ109に着脱自在に接続される。また、ケーブル300の他端には、コネクタ構造(図示せず)が取り付けられ、当該コネクタ構造は、受信装置200の複合コネクタ209に着脱自在に接続される。
ケーブル300は、ケーブル300の電気信号の最大伝送レートを示すケーブル情報が記憶された記憶部301を有してもよい。なお、伝送レートとは、単位時間(例えば、1秒間)に伝送される情報量のことであり、最大伝送レートとは、単位時間(例えば、1秒間)に伝送可能な情報量の最大値のことである。また、ケーブル300は、ケーブル情報を出力するための端子(図示せず)を備えていてもよい。その場合、送信装置100は、記憶部301からケーブル情報を取得することができる。記憶部301は、具体的には、半導体メモリまたは半導体チップ等であるが、抵抗等で実現されてもよい。また、記憶部301には、光信号の最大伝送レートがさらに記憶されてもよい。なお、記憶部301およびケーブル情報を出力するための端子は、本開示において必須の構成要素ではない。
[1−2.送信装置の構成]
次に、送信装置100の構成について説明する。
図2は、実施の形態1における送信装置100の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図2に示されるように、送信装置100は、映像取得部101と、信号処理部110と、エンコード部103と、電気−光変換部105と、音声取得部106と、制御部107と、送受電部108と、複合コネクタ109と、を備える。信号処理部110は、分離部102および周波数変換部104を備える。
送信装置100は、複数の画像(動画像)を構成する映像ベースバンド信号111を、HDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号に変換することができる。また、送信装置100は、映像ベースバンド信号111を、光信号に変換することができる。また、送信装置100は、映像ベースバンド信号111の一部を電気信号に変換し、映像ベースバンド信号111の他の一部を光信号に変換することもできる。
映像取得部101は、非圧縮の(圧縮されていない)信号である映像ベースバンド信号111を取得し、信号処理部110の分離部102に出力する。映像取得部101は、例えば、送信装置100の外部に設けられた装置(図示せず)から映像ベースバンド信号111を取得してもよい。あるいは、送信装置100は、送信装置100の内部に映像ベースバンド信号111を再生する装置(図示せず)を備える場合は、その装置から映像ベースバンド信号111を取得してもよい。また、送信装置100が、圧縮された映像信号から映像ベースバンド信号111を生成する映像信号生成部(図示せず)を備える場合には、映像取得部101は、その映像信号生成部によって生成された映像ベースバンド信号111を取得してもよい。
映像取得部101は、例えば、地上波放送または衛星放送のテレビジョン放送波、ブルーレイ(登録商標)ディスク等の記録媒体、テレビジョン放送信号送信用のケーブル、またはインターネット、等を通じて、映像ベースバンド信号111を取得する。
音声取得部106は、非圧縮の(圧縮されていない)信号である音声ベースバンド信号113を取得し、エンコード部103に出力する。音声取得部106は、例えば、送信装置100の外部に設けられた装置(図示せず)から音声ベースバンド信号113を取得してもよい。あるいは、送信装置100は、送信装置100の内部に音声ベースバンド信号113を再生する装置(図示せず)を備える場合は、その装置から音声ベースバンド信号113を取得してもよい。また、送信装置100が、圧縮された音声信号から音声ベースバンド信号113を生成する音声信号生成部(図示せず)を備える場合には、音声取得部106は、その音声信号生成部によって生成された音声ベースバンド信号113を取得してもよい。
音声取得部106は、例えば、地上波放送または衛星放送のテレビジョン放送波、ブルーレイ(登録商標)ディスク等の記録媒体、テレビジョン放送信号送信用のケーブル、またはインターネット、等を通じて、音声ベースバンド信号113を取得する。
なお、映像取得部101が取得する映像ベースバンド信号111と、音声取得部106が取得する音声ベースバンド信号113とは、通常は、1つの動画コンテンツを構成する互いに同期の取れた信号である。したがって、映像取得部101による映像ベースバンド信号111の取得と、音声取得部106による音声ベースバンド信号113の取得とは、例えば、互いに並行して同じ期間に行われる。同様に、音声取得部106によるエンコード部103への音声ベースバンド信号113の出力と、信号処理部110による低域映像信号112の出力とは、例えば、互いに並行して同じ期間に行われる。
信号処理部110の分離部102は、映像取得部101から取得された映像ベースバンド信号111の全部をそのままエンコード部103に出力することにより、その取得された映像ベースバンド信号111に対して、エンコード部103による変換を行う。また、信号処理部110の分離部102は、映像取得部101から取得された映像ベースバンド信号111の全部をそのまま周波数変換部104を介して電気−光変換部105に出力することにより、その取得された映像ベースバンド信号111に対して、電気−光変換部105による変換を行う。
このように、信号処理部110は、映像取得部101で取得された映像ベースバンド信号111に対して、エンコード部103による変換、および電気−光変換部105による変換の少なくとも一方を行う。
また、信号処理部110は、映像取得部101で取得された映像ベースバンド信号111に対して映像分離処理を行うこともできる。その映像分離処理では、信号処理部110は、映像取得部101から取得された映像ベースバンド信号111を、低域映像信号112と第2高域映像信号116とに分離して出力する。そして、信号処理部110は、低域映像信号112をエンコード部103に出力することで、低域映像信号112を、エンコード部103によりHDMI(登録商標)に準拠した電気信号114に変換する。また、信号処理部110は、第2高域映像信号116を電気−光変換部105に出力することで、第2高域映像信号116を、電気−光変換部105により光信号117に変換する。
以上のような映像分離処理は、具体的には、信号処理部110が備える分離部102および周波数変換部104によって行われる。以下、本実施の形態における映像分離処理について、図3を参照しながら説明する。
図3は、実施の形態1の映像分離処理における、分離部102および周波数変換部104の動作を説明するための図である。なお、映像ベースバンド信号111を周波数領域おいて映像分離処理する必要がある場合には、DCT(Discrete Cosine Transform)および逆DCT等の変換処理が適宜行われる。なお、DCTおよび逆DCTは一般に知られた信号変換技術であるので、ここではその説明を省略する。
分離部102は、画像を構成する映像ベースバンド信号111を、低域映像信号112と第1高域映像信号115とに分離する。低域映像信号112は、画像の低周波成分を構成する信号であり、第1高域映像信号115は、画像の高周波成分を構成する信号である。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、周波数成分とは画像の空間周波数成分を意味する。
映像ベースバンド信号111の元の映像信号が有するサンプリング周波数がFsであるとき、分離部102は、まず、帯域0以上Fs/4以下の周波数成分のみを通過する低域通過フィルタ回路に映像ベースバンド信号111を通す。これにより、図3の(a)に示される映像ベースバンド信号111(帯域0以上Fs/2以下の周波数成分を有する信号)から、図3の(b)に示されるような周波数成分(帯域0以上Fs/4以下の周波数成分)を有する信号が得られる。
次に、分離部102は、図3の(b)に示されるような周波数成分を有する信号を、サンプリング周波数Fs/2でサブサンプリング(ダウンサンプリング)する。このようにして得られた信号が低域映像信号112である。低域映像信号112の周波数成分(帯域0以上Fs/4以下の周波数成分)は、図3の(c)に示される。低域映像信号112は、分離部102からエンコード部103に出力される。そして、エンコード部103は、低域映像信号112を、HDMI(登録商標)に準拠した電気信号114に変換する。なお、上記に説明した分離部102の処理は、例えば、画像の水平方向および垂直方向のそれぞれについて行われる。
分離部102は、映像ベースバンド信号111(帯域0以上Fs/2以下の周波数成分を有する信号)を、帯域Fs/4以上Fs/2以下の周波数成分を通すバンドパスフィルタ回路にも通す。分離部102は、このバンドパスフィルタ回路から得られる信号(帯域Fs/4以上Fs/2以下の周波数成分の信号)を、第1高域映像信号115として周波数変換部104に出力する。第1高域映像信号115の周波数成分は、図3の(d)に示される。
周波数変換部104は、第1高域映像信号115のサンプリング周波数をFsからFs/2に変換する。すなわち、周波数変換部104は、第1高域映像信号115をサンプリング周波数Fs/2でサブサンプリング(ダウンサンプリング)する。第1高域映像信号115を、このようにサブサンプリング処理して得られた信号が第2高域映像信号116である。第2高域映像信号116の周波数成分は、図3の(e)に示される。
第1高域映像信号115をサンプリング周波数Fs/2でサブサンプリングすることで、第2高域映像信号116の周波数成分は、第1高域映像信号115の周波数成分が低域に向かって折り返された形となる。第2高域映像信号116は、周波数変換部104から電気−光変換部105に出力される。そして、電気−光変換部105は、第2高域映像信号116を、光信号117に変換する。なお、周波数変換部104によって行われるサブサンプリング処理は、本開示において必須の処理ではない。
エンコード部103は、エンコード部103に入力される信号をHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号114(HDMI(登録商標)信号)に変換(エンコード)する。エンコード部103は、具体的には、低域映像信号112と、この映像信号に対応(同期)する音声ベースバンド信号113と、を含む電気信号114を生成する。電気信号114は、金属を含んで形成された配線等の伝送路を通じて、複合コネクタ109が有する端子109aから出力される。端子109aは、電気信号114を受信装置200等の外部装置に出力するための出力端子であり、金属を含んで形成されている。
電気−光変換部105は、映像ベースバンド信号111を光信号117に変換する。電気−光変換部105は、具体的には、第2高域映像信号116を光信号117に変換する。電気−光変換部105は、例えば、発光ダイオード等を用いて第2高域映像信号116を光信号117に変換する。光信号117は、光信号を伝送する光ファイバ等の伝送路を通じて、複合コネクタ109が有する光出力用の端子109bから出力される。なお、映像ベースバンド信号111に映像分離処理が行われた場合、電気信号114の出力と光信号117の出力とは互いに並列に行われてもよい。
制御部107は、受信装置200から送信されてくるシリアル制御信号120を受信し、受信したシリアル制御信号120に基づいて、音声制御信号118を音声取得部106に出力し、映像制御信号119を映像取得部101に出力する。シリアル制御信号120は、複合コネクタ109が有する端子109cを介して受信される。制御部107は、受信したシリアル制御信号120に基づいて、信号処理部110、エンコード部103、および電気−光変換部105に制御信号を出力してもよい。また、制御部107は、受信したシリアル制御信号120に基づいて、電力供給(以下、「送電」という)または電力受給(以下、「受電」という)の指示を示す電力制御信号121を送受電部108に出力する。なお、図2では、制御部107が出力する制御信号を破線の矢印で示す。
シリアル制御信号120には、例えば、受信装置200の受信機情報が含まれる。受信機情報は、例えば、受信装置200が受信可能な電気信号114の最大伝送レートを示す。
なお、制御部107は、端子109cを介して受信装置200に制御信号を送信してもよい。
送受電部108は、電力制御信号121に基づいて、受信装置200への送電または受信装置200からの受電を行う。受信装置200への送電または受信装置200からの受電は、複合コネクタ109が有する端子109dを介して行われる。
複合コネクタ109は、電気信号114を出力するための端子109aと、光信号117を出力するための端子109bと、その他の端子とが複合されたコネクタ構造である。複合コネクタ109には、ケーブル300が接続される。複合コネクタ109の電気信号114に関連する部分は、HDMI(登録商標)規格で定められた仕様を満たしている。
複合コネクタ109は、ケーブル300が備える記憶部301からケーブル情報320を取得するための端子109eを有する。ケーブル300が複合コネクタ109に接続されると、ケーブル300が有する端子でありかつケーブル情報320を出力するための端子(図示せず)と端子109eとが互いに電気的に接続される。したがって、制御部107は、ケーブル情報320を、端子109eを介して取得可能である。ケーブル情報320は、図2に示す構成例では、制御部107によって取得されるが、信号処理部110によって取得されてもよい。なお、複合コネクタ109は、1つのコネクタハウジングの中に、上述の端子109a〜109eを有する。
上述した複合コネクタ109に含まれる端子の数等は、一例であり、本開示は何ら上述の構成に限定されない。例えば、複合コネクタ109は、光信号117を出力するための端子109bを複数備えてもよい。また、送信装置100は、複合コネクタ109に代えて、電気信号114を出力するためのコネクタと、光信号117を出力するためのコネクタとを、別々に備えてもよい。この構成の場合、電気信号114を出力するためのコネクタは、HDMI(登録商標)規格に準拠した構造であることが望ましい。
以上説明した送信装置100の各構成要素は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、半導体集積回路、または専用回路、等によって実現される。例えば、各構成要素は、単体のプロセッサとして実現されてもよいし、1つのプロセッサが有する機能の一部として実現されてもよい。
例えば、映像取得部101、音声取得部106、信号処理部110、エンコード部103、電気−光変換部105がプロセッサによって実現され、制御部107および送受電部108が回路によって実現されてもよい。
また、送信装置100は、プロセッサが実行するプログラム(プロセッサが各構成要素を実現するためのプログラム)が記憶された記憶部(図示せず)を備えてもよい。この記憶部は、例えば、半導体メモリ等によって実現されてもよい。
[1−3.受信装置の構成]
次に、受信装置200の構成について、図4を用いて説明する。
図4は、実施の形態1における受信装置200の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図4に示されるように、受信装置200は、デコード部201と、合成部204と、光−電気変換部202と、周波数変換部203と、映像出力部205と、音声出力部206と、制御部207と、送受電部208と、複合コネクタ209と、を備える。
複合コネクタ209は、電気信号114を取得するための端子209aと、光信号117を取得するための端子209bと、その他の端子とが複合されたコネクタ構造である。複合コネクタ209には、ケーブル300が接続される。複合コネクタ209の電気信号114に関連する部分は、HDMI(登録商標)規格で定められた仕様を満たしている。
複合コネクタ209が有する端子209aは、ケーブル300によって複合コネクタ109が有する端子109aと電気的に接続され、複合コネクタ209が有する端子209bは、ケーブル300によって複合コネクタ109が有する端子109bと光学的に接続される。また、複合コネクタ209が有する端子209cは、ケーブル300によって複合コネクタ109が有する端子109cと電気的に接続され、複合コネクタ209が有する端子209dは、ケーブル300によって複合コネクタ109が有する端子109dと電気的に接続される。複合コネクタ209は、1つのコネクタハウジングの中に、端子209a〜209dを有する。
上述した複合コネクタ209に含まれる端子の数等は、一例であり、本開示は何ら上述の構成に限定されない。例えば、複合コネクタ209は、光信号117を受信するための端子209bを複数備えてもよい。
デコード部201は、複合コネクタ209が有する端子209aを介してHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号114を取得し、取得した電気信号114をデコード(再構成)して、低域映像信号112Aと音声ベースバンド信号113Aとに分離する。言い換えると、デコード部201は、取得した電気信号114を用いて音声ベースバンド信号113Aを生成(音声ベースバンド信号113Aを再構成)し、低域映像信号112Aを生成(低域映像信号112Aを再構成)する。そして、デコード部201は、音声ベースバンド信号113Aを音声出力部206に出力し、低域映像信号112Aを合成部204に出力する。なお、低域映像信号112Aは、送信装置100における低域映像信号112と実質的に同じ信号であり、音声ベースバンド信号113Aは、送信装置100における音声ベースバンド信号113と実質的に同じ信号である。
光−電気変換部202は、複合コネクタ209が有する端子209bを介して光信号117を取得し、取得した光信号117を電気信号に変換する。光−電気変換部202は、例えば、フォトダイオード等を用いて光信号117を電気信号に変換する。この電気信号は、第2高域映像信号116Aである。つまり、光−電気変換部202は、取得した光信号117を用いて第2高域映像信号116Aを生成(第2高域映像信号116Aを再構成)する。第2高域映像信号116Aは、送信装置100における第2高域映像信号116と実質的に同じ信号であり、図3の(e)に示される周波数成分を有する信号である。
周波数変換部203は、第2高域映像信号116Aのサンプリング周波数をFs/2からFsに変換した後、変換後の第2高域映像信号116Aを帯域Fs/4以上Fs/2以下の信号を通す高域通過フィルタ回路に通して、第1高域映像信号115Aを生成(第1高域映像信号115Aを再構成)する。第1高域映像信号115Aは、送信装置100における第1高域映像信号115と実質的に同じ信号であり、図4(d)に示される周波数成分(帯域Fs/4以上Fs/2以下の周波数成分)を有する。
合成部204は、再構成された低域映像信号112Aと、再構成された第1高域映像信号115Aとを合成し、合成によって再構成された映像ベースバンド信号111Aを出力する。映像ベースバンド信号111Aは、送信装置100における映像ベースバンド信号111と実質的に同じ信号である。
映像出力部205は、映像ベースバンド信号111Aに基づいた映像を出力する。映像は、例えば、時間的に連続する複数の画像で構成された動画像である。映像出力部205は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネル等を備えて構成された表示装置である。
音声出力部206は、音声ベースバンド信号113Aに基づいた音声を出力する。音声出力部206は、例えば、スピーカ装置等である。
制御部207は、受信装置200の受信機情報が含まれたシリアル制御信号120を、複合コネクタ209が有する端子209cを介して送信装置100へ送信する。また、制御部207は、受信装置200の受信機情報を記憶した記憶部207aを有する。受信機情報は、例えば、受信装置200が電気信号として受信可能な最大伝送レートを示す。なお、記憶部207aは、制御部207の外部に設けられてもよい。記憶部207aは、例えば、半導体メモリ等によって実現されてもよい。
また、制御部207は、送電または受電の指示を示す電力制御信号221を送受電部208に出力する。制御部207は、デコード部201、光−電気変換部202、周波数変換部203、合成部204、映像出力部205、および音声出力部206に制御信号を出力してもよい。なお、図4では、制御部207が出力する制御信号を破線の矢印で示す。
なお、制御部207は、端子209cを介して送信装置100から制御信号を受信してもよい。
送受電部208は、電力制御信号221に基づいて、送信装置100への送電または送信装置100からの受電を行う。送信装置100への送電または送信装置100からの受電は、複合コネクタ209が有する端子209dを介して行われる。
以上説明した受信装置200の各構成要素は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、半導体集積回路、または専用回路、等によって実現される。例えば、各構成要素は、単体のプロセッサとして実現されてもよいし、1つのプロセッサが有する機能の一部として実現されてもよい。
例えば、デコード部201、光−電気変換部202、周波数変換部203、および合成部204がプロセッサによって実現され、記憶部207aが半導体メモリによって実現され、制御部207および送受電部208が回路によって実現されてもよい。
また、受信装置200は、プロセッサが実行するプログラム(プロセッサが各構成要素を実現するためのプログラム)が記憶された記憶部を備えてもよい。この記憶部は、記憶部207aに含まれてもよく、記憶部207aとは別体であってもよい。この記憶部は、例えば、半導体メモリ等によって実現されてもよい。
[1−4.実施の形態1の効果等]
以上のように、本実施の形態において、送信装置は、映像信号を取得する映像取得部と、映像信号をHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号に変換する第1変換部と、映像信号を光信号に変換する第2変換部と、取得された映像信号に対して、第1変換部を用いた変換および第2変換部を用いた変換の少なくとも一方を行う信号処理部と、を備える。
また、本実施の形態における送信方法は、送信装置によって実行される送信方法であって、送信装置は、映像信号をHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号に変換する第1変換部と、映像信号を光信号に変換する第2変換部と、を備え、送信方法は、映像信号を取得し、取得された映像信号に対して、第1変換部を用いた変換および第2変換部を用いた変換の少なくとも一方を行う。
なお、送信装置100は送信装置の一例である。映像ベースバンド信号111は映像信号の一例である。映像取得部101は映像取得部の一例である。エンコード部103は第1変換部の一例である。電気−光変換部105は第2変換部の一例である。信号処理部110は信号処理部の一例である。
近年、ハイビジョンテレビよりも高精細な4Kテレビが商品化され、4Kテレビよりもさらに高精細な8Kテレビも実用化されている。テレビが高精細化されることにより、伝送される映像ベースバンド信号111および音声ベースバンド信号113の単位時間(例えば、1秒間)あたりの情報量が増加する。伝送すべき信号の単位時間(例えば、1秒間)あたりの情報量が増加すると、伝送レートを高速化(単位時間に伝送できる情報量を増加)しなければならない。一方で、電気信号による伝送レートの高速化には物理的な制限があると考えられており、電気信号だけでは、そのような伝送レートの高速化に対応することは困難であると考えられている。また、仮に電気信号でそのような伝送レートの高速化に対応した場合、その高速化された伝送レートを維持するために、ケーブルによる伝送距離を従来よりも短くしなければならない、といった制限が生じると考えられる。
実施の形態1に示した例では、送信装置100は、映像ベースバンド信号111を取得する映像取得部101と、映像ベースバンド信号111をHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号114に変換するエンコード部103と、映像ベースバンド信号111を光信号117に変換する電気−光変換部105と、信号処理部110と、を備える。信号処理部110は、取得された映像ベースバンド信号111に対して、エンコード部103による変換および電気−光変換部105による変換の少なくとも一方を行う。
このように構成された送信装置100は、上述した伝送レートの制限等により電気信号114だけでは送信が困難な、情報量が相対的に多い映像ベースバンド信号111を、光信号117を利用して送信することができる。
送信装置において、信号処理部は、取得された映像信号に対して映像分離処理を行い、映像分離処理において、以下のように動作してもよい。
(i)取得された映像信号を、当該映像信号に含まれる画像の第1周波数成分を構成する第1映像信号と、当該映像信号に含まれる画像の周波数成分であって第1周波数成分よりも高域の周波数成分である第2周波数成分を構成する第2映像信号と、に分離し、
(ii)第1映像信号を、第1変換部を用いて電気信号に変換し、
(iii)第2映像信号を、第2変換部を用いて光信号に変換する。
なお、映像ベースバンド信号111のサンプリング周波数がFsであるときの、帯域0以上Fs/4以下の周波数成分は、第1周波数成分の一例であり、帯域Fs/4以上Fs/2以下の周波数成分は、第2周波数成分の一例である。低域映像信号112は第1映像信号の一例である。第1高域映像信号115および第2高域映像信号116は、それぞれが第2映像信号の一例である。
例えば、実施の形態1に示した例では、送信装置100において、信号処理部110は、取得された映像ベースバンド信号111に対して映像分離処理を行う。信号処理部110は、映像分離処理において、取得された映像ベースバンド信号111を、映像ベースバンド信号111に含まれる画像の第1周波数成分を構成する低域映像信号112と、映像ベースバンド信号111信号に含まれる画像の周波数成分であって第1周波数成分よりも高域の周波数成分である第2周波数成分を構成する第1高域映像信号115と、に分離する。そして、信号処理部110は、低域映像信号112を、エンコード部103を用いて電気信号114に変換する。また、信号処理部110は、第1高域映像信号115に基づく第2高域映像信号116を、電気−光変換部105を用いて光信号117に変換する。
このように構成された送信装置100においては、低域映像信号112は、従来のHDMI(登録商標)規格に基づいて電気信号として送信され、第2高域映像信号116は、光信号として送信される。このため、送信装置100は、後方互換性(従来の製品に対する互換性)を維持しつつ、従来のHDMI(登録商標)規格を用いた方式では送信が困難であった高精細画像を構成する映像信号を送信することができる。
また、受信装置200は、受信装置200およびケーブル300の少なくとも一方が光信号117の伝送に対応していないような場合であっても、少なくとも低域映像信号112を送信装置100から受信することができる。
また、受信装置200では、映像ベースバンド信号111の全帯域を光信号117にして伝送する構成と比較して、光信号117の伝送レートを低下させることができる。このため、例えば、光信号117の伝送に用いられる光ファイバ等の部材を、最大伝送レートが相対的に低い比較的安価なものにすることができる。
送信装置において、信号処理部は、第2映像信号のサンプリング周波数を映像信号のサンプリング周波数よりも下げるサブサンプリング処理を行い、サブサンプリング処理された第2映像信号を、第2変換部を用いて光信号に変換してもよい。
なお、第1高域映像信号115は、サブサンプリング処理が施される前の第2映像信号の一例であり、第2高域映像信号116は、サブサンプリング処理が施された後の第2映像信号の一例である。サンプリング周波数Fsは映像信号のサンプリング周波数の一例である。サンプリング周波数Fs/2は、サブサンプリング処理に用いられるサンプリング周波数の一例である。
例えば、実施の形態1に示した例では、送信装置100において、信号処理部110は、第1高域映像信号115のサンプリング周波数を、映像ベースバンド信号111のサンプリング周波数Fsよりも下げるサブサンプリング処理を行い、サブサンプリング処理された第2映像信号である第2高域映像信号116を、電気−光変換部105を用いて光信号117に変換する。
このように構成された送信装置100では、光信号117の情報量を低減することができる。これにより、光信号117の伝送レートを低下させることができるので、例えば、光信号117の伝送に用いられる光ファイバ等の部材を、最大伝送レートが相対的に低い比較的安価なものにすることができる。
また、本実施の形態において、受信装置は、映像信号が再構成された信号を出力する受信装置である。受信装置は、映像信号の一部である第1映像信号を含むHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号を取得し、取得した電気信号を用いて第1映像信号を再構成する第1再構成部と、映像信号の一部である第2映像信号を含む光信号を取得し、取得した光信号を用いて第2映像信号を再構成する第2再構成部と、再構成された第1映像信号と再構成された第2映像信号とを合成して合成映像信号を生成し、生成した合成映像信号を再構成された信号として出力する合成部と、を備える。
また、本実施の形態における受信方法は、映像信号が再構成された信号を出力する受信装置によって実行される受信方法であって、映像信号の一部である第1映像信号を含むHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号を取得し、取得した電気信号を用いて第1映像信号を再構成し、映像信号の一部である第2映像信号を含む光信号を取得し、取得した光信号を用いて第2映像信号を再構成し、再構成された第1映像信号と再構成された第2映像信号とを合成して合成映像信号を生成し、生成した合成映像信号を再構成された信号として出力する。
なお、受信装置200は受信装置の一例である。低域映像信号112Aは再構成された第1映像信号の一例である。デコード部201は第1再構成部の一例である。第1高域映像信号115Aおよび第2高域映像信号116Aは、それぞれが再構成された第2映像信号の一例である。光−電気変換部202は第2再構成部の一例である。映像ベースバンド信号111Aは、合成映像信号の一例である。合成部204は合成部の一例である。
例えば、実施の形態1に示した例では、受信装置200は、映像ベースバンド信号111が再構成されて得られた映像ベースバンド信号111Aを出力する受信装置である。受信装置200は、映像ベースバンド信号111の一部である低域映像信号112を含むHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号114を取得し、取得した電気信号114を用いて低域映像信号112Aを再構成するデコード部201を備える。また、受信装置200は、映像ベースバンド信号111の一部である第2高域映像信号116を含む光信号117を取得し、取得した光信号117を用いて第2高域映像信号116Aを再構成する光−電気変換部202を備える。また、受信装置200は、再構成された低域映像信号112Aと、再構成された第2高域映像信号116Aに基づく第1高域映像信号115Aとを合成して映像ベースバンド信号111Aを生成し、生成した映像ベースバンド信号111Aを再構成された信号として出力する合成部204を備える。
このように構成された受信装置200は、上述した伝送レートの制限等により電気信号114だけでは受信が困難な、情報量が相対的に多い映像ベースバンド信号111を、光信号117を利用して受信することができる。
受信装置において、第1映像信号は、映像信号に含まれる画像の第1周波数成分を構成し、第2映像信号は、映像信号に含まれる画像の周波数成分であって第1周波数成分よりも高域の周波数成分である第2周波数成分を構成してもよい。
なお、映像ベースバンド信号111のサンプリング周波数がFsであるときの、帯域0以上Fs/4以下の周波数成分は、第1周波数成分の一例であり、帯域Fs/4以上Fs/2以下の周波数成分は、第2周波数成分の一例である。
例えば、実施の形態1に示した例では、受信装置200において、低域映像信号112は、映像ベースバンド信号111に含まれる画像の第1周波数成分(帯域0以上Fs/4以下の周波数成分)を構成し、第1高域映像信号115(第2高域映像信号116)は、映像ベースバンド信号111信号に含まれる画像の周波数成分であって第1周波数成分よりも高域の周波数成分である第2周波数成分(帯域Fs/4以上Fs/2以下の周波数成分)を構成してもよい。
このように構成された受信装置200は、電気信号114から従来のHDMI(登録商標)規格に基づいて低域映像信号112Aを生成し、光信号117から第2高域映像信号116Aを生成することができる。このように、受信装置200は、後方互換性(従来の製品に対する互換性)を維持しつつ、従来のHDMI(登録商標)規格を用いた方式では伝送が困難であった高精細画像を再構成することができる。
受信装置において、第2映像信号は、サブサンプリング処理されることにより、サンプリング周波数が映像信号のサンプリング周波数よりも下げられた信号であってもよい。
例えば、実施の形態1に示した例では、受信装置200において、第2高域映像信号116Aは、サブサンプリング処理されることによりサンプリング周波数が映像ベースバンド信号111のサンプリング周波数Fsよりも下げられた第2高域映像信号116に実質的に等しい信号である。
この構成では、受信装置200で受信される光信号117の情報量を低減することができる。これにより、光信号117の伝送レートを低下させることができるため、例えば、光信号117の伝送に用いられる光ファイバ等の部材を、最大伝送レートが相対的に低い比較的安価なものにすることができる。
(実施の形態2)
[2−1−1.実施の形態2の動作例1]
実施の形態2では、実施の形態1で説明した送信装置100の動作の具体例について説明する。まず、動作例1について説明する。
動作例1では、送信装置100の分離部102は、映像ベースバンド信号111を、固定解像度(以下、「所定の解像度」ともいう)の画像を構成する低域映像信号112と、その画像のうちの固定解像度よりも大きい解像度の成分(高周波成分)の画像を構成する第1高域映像信号115と、に分離する。固定解像度は、例えば、2K解像度である。2K解像度は、具体的には、1920×1080/60p(1920画素×1080画素の画像が1秒間に60枚表示される動画像)である。この場合、低域映像信号112は、1080p/60Hzのフルハイビジョン信号(1920画素×1080画素の画像が1秒間に60枚表示される動画像信号)となる。なお、本開示は、何ら固定解像度が2K解像度に限定されるものではない。
図5は、実施の形態2における送信装置100の動作例1のフローチャートである。
送信装置100においては、まず、映像取得部101が、画像を構成する映像ベースバンド信号111を取得する(ステップS11)。
次に、信号処理部110が、ステップS11で取得された映像ベースバンド信号111により構成される画像の解像度が所定の解像度以下であるか否かを判定する(ステップS12)。
信号処理部110は、ステップS12において画像の解像度は所定の解像度以下である、と判定した場合(ステップS12でYes)、取得された映像ベースバンド信号111の全部を、エンコード部103を用いて電気信号114に変換する。このとき、送信装置100は、映像ベースバンド信号111の送信に、電気信号114のみを使用する(ステップS13)。
一方、信号処理部110は、ステップS12において、画像の解像度は所定の解像度よりも大きい、と判定した場合(ステップS12でNo)、ステップS11で取得された映像ベースバンド信号111に対して、実施の形態1で説明した映像分離処理を行う。すなわち、送信装置100は、映像ベースバンド信号111の送信に、電気信号114と光信号117とを併用する(ステップS14)。
信号処理部110は、映像分離処理において、映像ベースバンド信号111を、1080p/60Hzの低域映像信号112と、映像ベースバンド信号111から低域映像信号112の信号成分(1080p/60Hzの信号成分)を除いた信号成分を構成する第1高域映像信号115と、に分離する。信号処理部110は、実施の形態1で説明したように、第1高域映像信号115を、第2高域映像信号116に変換する。
信号処理部110は、低域映像信号112をエンコード部103に出力し、エンコード部103は、その低域映像信号112をHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号114に変換する。電気信号114は、複合コネクタ109が有する端子109aから出力される。
信号処理部110は、第2高域映像信号116を電気−光変換部105に出力し、電気−光変換部105は、その第2高域映像信号116を光信号117に変換する。光信号117は、複合コネクタ109が有する端子109bから出力される。
なお、本実施の形態の送信装置100において、所定の解像度は、HDMI(登録商標)規格において定められる最大伝送レートに対応する解像度(例えば、4K解像度)よりも十分に低い解像度(例えば、2K解像度)に定められている。言い換えれば、所定の解像度を有する画像を構成する映像ベースバンド信号が、エンコード部103により電気信号114として送信されるときの伝送レートは、HDMI(登録商標)規格において定められる最大伝送レート(例えば、4K解像度に対応する伝送レート)よりも小さい所定の伝送レート(例えば、2K解像度に対応する伝送レート)以下である。例えば、所定の解像度を有する画像を構成する映像ベースバンド信号がエンコード部103を用いて電気信号114として伝送されるときの伝送レートは、HDMI(登録商標)規格において定められる最大伝送レートの5分の1以下である。
1080p/60Hzの映像ベースバンド信号がHDMI(登録商標)に準拠した電気信号114に変換されると、電気信号114の、クロック周波数が74.25MHzのときの1レーン(電気信号114の伝送に用いられる1つのチャンネル)の伝送レートは、742.5Mbps(Mega bits per second)である。これに対し、例えば、4K解像度の映像ベースバンド信号(3840×2160p/60Hz(3840画素×2160画素の画像が1秒間に60枚表示される動画像信号))の1レーンあたりの伝送レートは、6Gbpsである。また、8K解像度の映像ベースバンド信号(7680×4320/60Hz(7680画素×4320画素の画像が1秒間に60枚表示される動画像信号))の1レーンあたりの伝送レートは、24Gbpsである。つまり、1080p/60Hzの映像ベースバンド信号は、4K解像度の映像ベースバンド信号および8K解像度の映像ベースバンド信号と比較して、伝送レートが十分に低い。
1080p/60Hzの映像ベースバンド信号の伝送レートは、具体的には、4K解像度の映像ベースバンド信号の伝送レートと比較した場合は8分の1程度であり、8K解像度の映像ベースバンド信号の伝送レートと比較した場合は30分の1程度である。
ケーブル300は、物理的な特性上、伝送レートが低いほど伝送される信号の減衰量が少ない。したがって、電気信号114の伝送レートが抑制されることにより、ケーブル300を長尺化することができる。つまり、送受信システム10では、長尺のケーブル300を実現することができる。
[2−1−2.実施の形態2の動作例1の効果等]
以上のように、実施の形態2において、送信装置の信号処理部は、映像分離処理において、取得された映像信号を、所定の解像度の画像を構成する第1映像信号と、取得された映像信号から第1映像信号の信号成分を除いた第2映像信号と、に分離してもよい。
なお、2K解像度は所定の解像度の一例である。
例えば、実施の形態2の動作例1では、送信装置100の信号処理部110は、映像分離処理において、取得された映像ベースバンド信号111を、所定の解像度(例えば、2K解像度)の画像を構成する低域映像信号112と、取得された映像ベースバンド信号111から低域映像信号112の信号成分を除いた第1高域映像信号115と、に分離する。
このように構成された送信装置100では、所定の解像度の画像を構成する低域映像信号112が、電気信号114に変換されて送信される。そのため、送信装置100にケーブル300によって接続された受信装置200が、光信号117の信号処理ができない場合や、光信号117の受信ができない場合であっても、受信装置200は、送信装置100から受信した電気信号114に基づいて、所定の解像度の画像で構成された映像(動画像)を出力(表示)することができる。
例えば、送信装置100から受信装置200にケーブル300を介して光信号117を送信するときに、複合コネクタ109とケーブル300との嵌合箇所にずれが生じたり、または、端子109bに汚れが付着したりすると、光信号117が減衰してしまう場合がある。また、光信号117の伝送路として使用される光ファイバは、電気信号を伝送する金属線と比較して破損しやすく、屈曲等により断線する場合がある。そして、光ファイバが断線してしまうと、送信装置100から受信装置200に光信号117を送信することができない。このような状態が発生して受信装置200が送信装置100から光信号117を適切に取得できないような場合であっても、本動作例によれば、受信装置200において、送信装置100から電気信号114によって送信される1080p/60Hzの2K解像度の画像を表示することができる。これにより、送受信システム10を使用するユーザの利便性を向上することができる。
送信装置において、所定の解像度を有する画像を構成する映像信号が第1変換部を用いて電気信号として伝送されるときの伝送レートは、HDMI(登録商標)規格において定められる電気信号の最大伝送レートよりも小さい所定の伝送レート以下であってもよい。
なお、4K解像度に対応する伝送レートは、最大伝送レートの一例である。2K解像度に対応する伝送レートは、所定の伝送レートの一例である。
例えば、実施の形態2の動作例1に示した例では、送信装置100において、所定の解像度を有する画像を構成する映像ベースバンド信号がエンコード部103により電気信号114として伝送されるときの伝送レートは、HDMI(登録商標)規格において定められる最大伝送レート(例えば、4K解像度に対応する伝送レート)よりも小さい所定の伝送レート(例えば、2K解像度に対応する伝送レート)以下である。
このように構成された送信装置100では、電気信号114の伝送レートを抑制できるので、ケーブル300の長尺化を実現することができる。
[2−2−1.実施の形態2の動作例2]
次に、動作例2について説明する。動作例2では、送信装置100の信号処理部110が、受信装置200の性能に応じて、低域映像信号112の解像度を決定する動作例について説明する。
図6は、実施の形態2における送信装置100の動作例2のフローチャートである。
送信装置100において、映像取得部101は、画像を構成する映像ベースバンド信号111を取得する(ステップS21)。
制御部107は、シリアル制御信号120を取得することにより、受信装置200の受信機情報を取得する(ステップS22)。シリアル制御信号120は、端子209c、ケーブル300、および端子109cを経由して、制御部107により取得される。受信機情報は、受信装置200が受信可能な電気信号の最大伝送レートを示す。
制御部107は、端子109eを介してケーブル300のケーブル情報320を取得する(ステップS23)。制御部107は、具体的には、複合コネクタ109にケーブル300が接続されているときに、ケーブル300が有する記憶部301から、端子109eを介して、ケーブル300における電気信号の最大伝送レートを示すケーブル情報320を取得する。
信号処理部110は、ステップS22で取得された受信機情報、およびステップS23で取得されたケーブル情報320に基づいて、映像分離処理を行う(ステップS24)。
信号処理部110は、具体的には、ステップS22で取得された受信機情報、およびステップS23で取得されたケーブル情報320に基づいて、低域映像信号112の解像度を決定する。この解像度は、当該解像度に対応する伝送レートが、受信機情報において定められる最大伝送レート以下となり、かつ、ケーブル情報320において定められる最大伝送レート以下となるように定められる。
なお、図6のフローチャートに示す各処理の順序は単なる一例であり、本開示は何らこの順序に限定されない。例えば、ステップS23の処理がステップS22より先に行われてもよく、ステップS22、S23の各処理がステップS21より先に行われてもよい。あるいは、ステップS21、S22、S23の各処理が並列に行われてもよい。
信号処理部110は、解像度を決定した後、映像分離処理において、映像ベースバンド信号111を、決定した解像度の低域映像信号112と、映像ベースバンド信号111から低域映像信号112の信号成分を除いた信号成分を構成する第1高域映像信号115と、に分離する。これ以降の信号処理部110における動作は、動作例1に示した信号処理部110の動作と実質的に同じである。すなわち、エンコード部103は、その低域映像信号112をHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号114に変換し、その電気信号114を端子109aから出力する。信号処理部110は、第1高域映像信号115を第2高域映像信号116に変換する。電気−光変換部105は、その第2高域映像信号116を光信号117に変換し、その光信号117を端子109bから出力する。
なお、受信装置200の記憶部207aは、受信機情報に加えて、受信装置200が電気信号114および光信号117の両方を取得して信号処理を行うときに、信号処理可能な最大解像度を示す解像度情報を記憶していてもよい。そして、このような解像度情報は、シリアル制御信号120の一部として、受信装置200から端子109cを通じて出力されてもよい。つまり、受信装置200は、受信機情報および解像度情報を受信装置200の外部に設けられた送信装置100に出力するための端子109cを備えていてもよい。
例えば、受信機情報が示す伝送レートに対応する解像度が4K解像度であり、解像度情報が示す解像度が8K解像度である場合が考えられる。このような場合、送信装置100は、その受信機情報と解像度情報とに基づき、4K解像度の映像を受信装置200に送信する場合は、電気信号114のみを使用すればよい、と判断することができる。また、送信装置100は、8K解像度の映像を受信装置200に出力する場合は、電気信号114と光信号117とを併用しなければならない、と判断することができる。
また、例えば、受信機情報が示す伝送レートに対応する解像度が4K解像度であり、解像度情報が示す解像度が4K解像度である場合が考えられる。このような場合、送信装置100は、受信装置200が光信号117の信号処理に対応していない、と判断することができる。したがって、送信装置100は、そのような受信機情報と解像度情報とを取得した場合は、8K解像度の映像ベースバンド信号111に基づく映像信号を受信装置200に送信するときに、その映像ベースバンド信号111を4K解像度にダウンコンバートし、ダウンコンバートした映像信号から生成される電気信号114を受信装置200に送信すればよい、と判断できる。この場合、送信装置100は、電気−光変換部105の動作(映像信号を光信号117への変換する処理)を一時的に停止、あるいは省略できるので、送信装置100で行われる信号処理の量を低減することができる。
また、例えば、映像ベースバンド信号111が8K解像度であり、受信機情報が示す伝送レートに対応する解像度が2K解像度であり、解像度情報が示す解像度が4K解像度である場合が考えられる。このような場合、送信装置100は、映像ベースバンド信号111を、2K解像度の低域映像信号112と、第1高域映像信号115とに分離し、第1高域映像信号115を4K解像度が上限となるようにダウンコンバートすればよい、と判断することができる。
以上のように、受信機情報および解像度情報を受信装置200から送信装置100に出力するような構成の場合、送信装置100は、受信した受信機情報と解像度情報とに基づき動作することで、信号処理部110において、受信装置200の性能に応じた適切な信号処理を行うことができる。なお、解像度情報は、受信機情報の一部とされてもよい。
なお、送信装置100における受信機情報および解像度情報に基づくそれらの判断は、例えば、制御部107において行うことができる。
[2−2−2.実施の形態2の動作例2の効果等]
以上のように、実施の形態2において、送信装置は、当該送信装置の外部に設けられた受信装置と当該送信装置とを接続するためのケーブルが接続されるコネクタであって、電気信号を受信装置に出力するための端子、および、光信号を受信装置に出力するための端子を有するコネクタと、コネクタにケーブルが接続されているときに、ケーブルが有する記憶部から、当該ケーブルの電気信号の最大伝送レートを示すケーブル情報を取得するケーブル情報取得部と、当該送信装置の外部に設けられた受信装置が受信可能な電気信号の最大伝送レートを示す受信機情報を取得する受信機情報取得部と、を備えてもよい。信号処理部は、取得された受信機情報および取得されたケーブル情報に基づいて、映像分離処理を行ってもよい。
なお、ケーブル300はケーブルの一例である。複合コネクタ109はコネクタの一例である。端子109aは、電気信号を受信装置に出力するための端子の一例である。端子109bは、光信号を受信装置に出力するための端子の一例である。記憶部301は記憶部の一例である。制御部107は、ケーブル情報取得部の一例であり、受信機情報取得部の一例である。
例えば、実施の形態2の動作例2では、送信装置100は、送信装置100の外部に設けられた受信装置200と送信装置100とを接続するためのケーブル300が接続される複合コネクタ109を備える。複合コネクタ109は、電気信号114を受信装置200に出力するための端子109a、および、光信号117を受信装置200に出力するための端子109bを有する。送信装置100は、複合コネクタ109にケーブル300が接続されているときに、ケーブル300が有する記憶部301から、ケーブル300の電気信号の最大伝送レートを示すケーブル情報320を取得する制御部107を備える。
また、送信装置100は、送信装置100の外部に設けられた受信装置200が受信可能な電気信号の最大伝送レートを示す受信機情報を取得する制御部107を備える。
そして、信号処理部110は、取得された受信機情報および取得されたケーブル情報320に基づいて、映像分離処理を行う。
このように構成された送信装置100では、信号処理部110は、シリアル制御信号120に含まれる受信機情報、およびケーブル情報320に基づいて、低域映像信号112の解像度を決定することができる。これにより、送信装置100から、受信装置200において適切な映像信号を出力することができる。
また、実施の形態2において、受信装置は、当該受信装置が受信可能な電気信号の最大伝送レートを示す受信機情報、および、当該受信装置が電気信号および光信号の両方を取得して信号処理を行うときに、信号処理可能な最大解像度を示す解像度情報が記憶された記憶部と、受信機情報および解像度情報を当該受信装置の外部に設けられた送信装置に出力するための端子と、を備えてもよい。
なお、記憶部207aは記憶部の一例である。端子109cは、受信機情報および解像度情報を出力するための端子の一例である。
例えば、実施の形態2の動作例2では、受信装置200は、受信装置200が受信可能な電気信号の最大伝送レートを示す受信機情報、および、受信装置200が電気信号および光信号の両方を取得して信号処理を行うときに、信号処理可能な最大解像度を示す解像度情報が記憶された記憶部207aを備える。また、受信装置200は、受信機情報および解像度情報を受信装置200の外部に設けられた送信装置100に出力するための端子109cを備える。
このように構成された受信装置200では、送信装置100が、受信装置200から受信機情報および解像度情報を取得することができる。これにより、送信装置100は、取得した受信機情報および解像度情報に基づき、受信装置200の性能に応じた適切な信号処理を行い、受信装置200の性能に応じた適切な映像信号を出力することができる。
また、ケーブルは、当該ケーブルの電気信号の最大伝送レートを示すケーブル情報が記憶された記憶部を有してもよい。
例えば、ケーブル300は、ケーブル300の電気信号の最大伝送レートを示すケーブル情報320が記憶された記憶部301を有する。
これにより、送信装置100は、ケーブル300の記憶部301からケーブル情報320を取得し、取得したケーブル情報320に基づいて、低域映像信号112の解像度を決定することができる。
(実施の形態3)
[3−1.実施の形態3の動作例]
実施の形態3では、実施の形態1で説明した送信装置100の、実施の形態2とは異なる動作例について説明する。送信装置100において、信号処理部110は、映像ベースバンド信号111の全部を、電気−光変換部105を用いて光信号117に変換してもよい。実施の形態3ではそのような場合の動作例を説明する。
図7は、実施の形態3における送信装置100の動作例のフローチャートである。
送信装置100において、映像取得部101は、画像を構成する映像ベースバンド信号111を取得する(ステップS31)。
信号処理部110は、ステップS31で取得された映像ベースバンド信号111の全部を、電気−光変換部105を用いて光信号117に変換する(ステップS32)。
映像ベースバンド信号111の全部を光信号117に変換する場合、実施の形態1で説明した信号処理部110による映像分離処理は不要となる。したがって、図7のフローチャートに示す動作例では、信号処理部110において、分離部102は、映像ベースバンド信号111をそのまま第1高域映像信号115として周波数変換部104に出力し、周波数変換部104は、第1高域映像信号115をそのまま第2高域映像信号116として電気−光変換部105に出力する。このとき、分離部102は、エンコード部103に、信号を出力しなくてもよく、あるいは、低域映像信号112として黒の画像に相当する信号を出力してもよい。
音声取得部106は、映像ベースバンド信号111に対応する音声ベースバンド信号113を取得する(ステップS33)。
エンコード部103は、ステップS33で取得された音声ベースバンド信号113を、電気信号114に変換する(ステップS34)。
この動作例では、エンコード部103は、電気信号114のデータ構造において、低域映像信号112が格納される領域にはダミーデータを格納し、音声ベースバンド信号113が格納される領域には、通常通り音声ベースバンド信号113を格納する。ダミーデータは、例えば、黒画像に相当するデータである。
なお、図7のフローチャートは、各処理を説明するために便宜的に順序付けしたものに過ぎない。例えば、ステップS31、S32の処理と、ステップS33、S34の処理とは、互いに並列に行われてもよい。あるいは、フローチャートにおいて、ステップS33、S34の処理がステップS31、S32の処理の前に示されてもよい。
なお、実施の形態3の動作例において、受信装置200が備える合成部204は、映像ベースバンド信号111Aの生成に、電気信号114を使用しない。合成部204は、光信号117を光−電気変換部202で変換して得られた第2高域映像信号116Aに基づく第1高域映像信号115Aのみから映像ベースバンド信号111を生成する。このとき、周波数変換部203は、第2高域映像信号116Aをそのまま第1高域映像信号115Aとして出力する。
なお、実施の形態3の動作例において、送信装置100は、電気信号114に、当該電気信号114にダミーデータが含まれることを示す情報(例えば、フラグ等)を含めて、受信装置200に送信してもよい。これにより、その情報が含まれた電気信号114を受信した受信装置200は、電気信号114にダミーデータが含まれていることを認識することができる。したがって、その受信装置200は、光信号117のみから映像ベースバンド信号111を取得すればよいことがわかる。
[3−2.実施の形態3の動作例の効果等]
以上のように、実施の形態3において、送信装置は、音声信号を取得する音声取得部を備えてもよい。第1変換部は、音声信号を電気信号に変換してもよい。信号処理部は、取得された音声信号を、第1変換部を用いて電気信号に変換し、取得された映像信号を、第2変換部を用いて光信号に変換してもよい。
なお、音声取得部106は音声取得部の一例である。音声ベースバンド信号113は音声信号の一例である。
例えば、送信装置100は、音声ベースバンド信号113を取得する音声取得部106を備える。エンコード部103は、音声ベースバンド信号113を電気信号114に変換する。信号処理部110は、取得された音声ベースバンド信号113を、エンコード部103を用いて電気信号114に変換し、取得された映像ベースバンド信号111を、電気−光変換部105を用いて光信号117に変換する。
このように構成された送信装置100では、従来のHDMI(登録商標)規格に準拠した電気信号114を、音声ベースバンド信号113の伝送のみに使用することができる。そのため、送信装置100では、電気信号114において用いられる伝送クロックを、映像の伝送を考慮しなくてよいので、音声の品質のみを考慮して選定することができる。
一般に、映像ベースバンド信号111および音声ベースバンド信号113の両方を含む電気信号においては、伝送クロックの選定が難しい。例えば、高精細な映像ベースバンド信号111を含む電気信号114においては、高精細な映像ベースバンド信号111を伝送するために相対的に高い周波数の伝送クロックが選定される。しかし、音声ベースバンド信号113の伝送には、そのような高い周波数の伝送クロックは不要である。一方で、低解像度の映像ベースバンド信号111を含む電気信号114において、映像ベースバンド信号111の解像度に合わせて伝送クロックの周波数を低くすると、音声ベースバンド信号113の伝送容量が相対的に小さくなる。したがって、実施の形態3の動作例のように、電気信号114の伝送クロックを、音声の品質のみを考慮して自由に設定できることは、音質の向上に有効である。
また、音声ベースバンド信号113を光信号117として伝送する場合は、受信装置200において、光信号117から音声ベースバンド信号113を再生するためのクロック信号を生成しなければならない。その構成では、クロック信号にジッターが発生した場合等に、音質が低下するおそれがある。このような構成と比較した場合、実施の形態3の動作例では、音声ベースバンド信号113を電気信号114として伝送し、かつ、映像ベースバンド信号111を光信号117として伝送するので、音質の向上に有効である。
(実施の形態4)
[4−1.送信装置の構成]
実施の形態4における送信装置100Aの構成について、図8を参照しながら説明する。
図8は、実施の形態4における送信装置100Aの構成の一例を模式的に示すブロック図である。なお、以下の説明では、実施の形態4における送信装置100Aと、実施の形態1に示した送信装置100との相違点を中心に説明を行う。
なお、以下では、送信装置100Aの接続相手が図9に示す受信装置200Aであり、送信装置100Aが、端子109aを介して受信装置200Aと送電または受電を行う動作例を説明する。そして、図8には、実施の形態1に示した動作例では使用されたが、実施の形態4に示す動作例では使用されない信号のルートを、一点鎖線の矢印で示す。
なお、以下の説明では、実施の形態1で説明した構成要素と実質的に同じ動作をする構成要素には、その構成要素と同じ符号を付与し、説明を省略または簡略化する。
図8に示されるように、実施の形態4における送信装置100Aは、実施の形態1の送信装置100が信号処理部110に有する周波数変換部104に代えて、信号処理部110AにAV処理部104Aを備える。また、送信装置100Aは、実施の形態1の送信装置100が備えていない切替部123を備える。実施の形態4の送信装置100Aは、主にこれらの点が、実施の形態1の送信装置100と異なる。
すなわち、送信装置100Aは、映像取得部101と、信号処理部110Aと、エンコード部103と、電気−光変換部105と、音声取得部106と、制御部107Aと、送受電部108と、複合コネクタ109と、切替部123と、を備える。そして、信号処理部110に、分離部102およびAV処理部104Aを備える。
制御部107Aは、送信装置100Aの接続相手(例えば、図9に示す受信装置200A)から送信されてくるシリアル制御信号120を受信し、受信したシリアル制御信号120に基づいて、音声制御信号118を音声取得部106に出力し、映像制御信号119を映像取得部101に出力する。また、制御部107Aは、受信したシリアル制御信号120に基づいて、送電または受電の指示を示す電力制御信号121を送受電部108に出力する。制御部107Aは、受信したシリアル制御信号120に基づいて、信号処理部110A、エンコード部103、電気−光変換部105、および切替部123に制御信号を出力してもよい。なお、図8では、制御部107Aが出力する制御信号を破線の矢印で示す。制御部107Aは、端子109cを介して送信装置100Aの接続相手(例えば、受信装置200A)に制御信号を送信してもよい。
送信装置100Aにおいて、映像ベースバンド信号111および音声ベースバンド信号113は、いずれも光信号117に変換される。
映像取得部101は、映像ベースバンド信号111を取得し、取得した映像ベースバンド信号111を、信号処理部110Aの分離部102に出力する。分離部102は、映像ベースバンド信号111をそのままAV処理部104Aに出力する。
音声取得部106は、音声ベースバンド信号113を取得し、取得した音声ベースバンド信号113を、信号処理部110AのAV処理部104Aに出力する。
AV処理部104Aは、分離部102から出力される映像ベースバンド信号111と、音声取得部106から出力される音声ベースバンド信号113とを合成し、合成により得られる電気信号151を電気−光変換部105に出力する。なお、AV処理部104Aが行う合成の手法は、特に限定されない。AV処理部104Aは、映像ベースバンド信号111と音声ベースバンド信号113とを、どのような手法を用いて合成してもよい。電気−光変換部105は、AV処理部104Aで合成された電気信号151を光信号117に変換する。
このように、送信装置100Aでは、映像ベースバンド信号111と音声ベースバンド信号113とがAV処理部104Aで合成されて電気信号151が生成され、電気信号151が電気−光変換部105で光信号117に変換される。そのため、実施の形態4に示す構成例(すなわち、送信装置100Aの接続相手が、図9に示す受信装置200Aである場合)では、送信装置100Aにおいてエンコード部103は使用されない。したがって、実施の形態1では電気信号114の伝送路として使用されたエンコード部103と端子109aとの間を電気的に接続する伝送線(以下、「伝送路122」という)が、本実施の形態に示す動作例では未使用となり、他の用途に使用することが可能である。そこで、本実施の形態では、送信装置100Aにおいて、伝送路122を送受電部108による電力の伝送に使用する。
切替部123は、送受電部108が電力供給(送電)または電力受給(受電)に使用する伝送路を切り替えることができる。具体的には、切替部123は、送受電部108が送電または受電に使用する端子を、実施の形態1で送受電部108の送電または受電に使用された端子109dにするのか、あるいは、伝送路122に接続された端子109aにするのかを、切り替えることができる。切替部123は、例えば、双方向の2入力1出力のスイッチ回路によって実現される。しかし、本開示は切替部123の構成を特に限定するものではない。
伝送路122は、HDMI(登録商標)規格においてRGB信号(電気信号114)を伝送するための、金属線で形成された3ペアの差動配線である。そのため、伝送路122は、電気抵抗が相対的に低い。
図1に示したようにケーブルを介して相互に接続されたシンク機器とソース機器との間で、大電力をロスを低減して安定に一方の機器から他方の機器に伝送するには、一般的には、コネクタと伝送路との接合点を大きくして電気抵抗を低減する、伝送ケーブルの径を太くして電気抵抗を低減する、または、伝送路の配線本数を増やして電気抵抗を低減する、等の方法が採られる。複合コネクタ109およびケーブル300のサイズには制限があるため、図1に示した構成では、それらの手法の実現には制限がある。3ペアの差動配線である伝送路122は、相対的に電気抵抗が低い伝送路である。そのため、送受電部108が電力の送電または受電に使用する伝送路を伝送路122にすれば、相対的に大きな電力の伝送が可能になる。
なお、本実施の形態では、上述したように、送信装置100Aの接続相手が図9に示す受信装置200Aであり、送信装置100Aが、端子109aを介して受信装置200Aと送電または受電を行うため、送信装置100Aにおいてエンコード部103が使用されない動作例を説明した。しかし、本開示は何らこの動作に限定されない。送信装置100Aは、例えば、実施の形態3で説明されたように動作してもよい。すなわち、送信装置100Aにおいて、実施の形態3で説明されたようにエンコード部103から電気信号114が出力され、その電気信号114が端子109aから出力されるように、制御部107Aが各構成要素を制御してもよい。その場合は、送信装置100Aにおいて、図8に一点鎖線の矢印で示した信号のルートが使用される。したがって、送信装置100Aは、このような動作をすることで、実施の形態1に示した受信装置200にケーブル300を介して接続することも可能である。
なお、切替部123を制御する信号は、例えば、制御部107Aから出力される。制御部107Aは、例えば、送信装置100Aの接続相手(例えば、図9に示す受信装置200A)から端子209aを通して送電または受電を行うことを示す信号を受信した場合に、端子109aが送受電部108に電気的に接続されるように切替部123を制御してもよい。あるいは、制御部107Aは、端子109aが送受電部108に電気的に接続されるように切替部123を制御し、端子109aを通して送電または受電を行うことを示す信号を送信装置100Aの接続相手(例えば、受信装置200A)に送信してもよい。あるいは、制御部107Aは、初期状態では端子109dが送受電部108に電気的に接続されるように切替部123を制御してもよい。そして、制御部107Aは、送信装置100Aの接続相手が実施の形態1に示した受信装置200であることを認識した場合、または、送信装置100Aの接続相手(例えば、受信装置200A)から端子209dを通して送電または受電を行うことを示す信号を受信した場合、等に、その初期状態を維持してもよい。あるいは、制御部107Aは、送信装置100Aの接続相手(例えば、受信装置200A)と、端子109aを通して送電または受電を行うことに関する合意が得られたときに、端子109aが送受電部108に電気的に接続されるように切替部123を制御してもよい。
[4−2.受信装置の構成]
次に、実施の形態4における受信装置200Aの構成について図9を参照しながら説明する。
図9は、実施の形態4における受信装置200Aの構成の一例を模式的に示すブロック図である。なお、以下の説明では、実施の形態4における受信装置200Aと、実施の形態1に示した受信装置200との相違点を中心に説明を行う。
なお、以下では、受信装置200Aの接続相手が図8に示した送信装置100Aであり、受信装置200Aが、端子209aを介して送信装置100Aと送電または受電を行う動作例を説明する。そして、図9には、実施の形態1に示した動作例では使用されたが、実施の形態4に示す動作例では使用されない信号のルートを、一点鎖線の矢印で示す。
なお、以下の説明では、実施の形態1で説明した構成要素と実質的に同じ動作をする構成要素には、その構成要素と同じ符号を付与し、説明を省略または簡略化する。
図9に示されるように、実施の形態4における受信装置200Aは、実施の形態1の受信装置200が有する周波数変換部203に代えて、AV処理部203Aを備える。また、受信装置200Aは、実施の形態1の受信装置200が備えていない切替部223および音声セレクタ210を備える。実施の形態4の受信装置200Aは、主にこれらの点が、実施の形態1の受信装置200と異なる。
すなわち、受信装置200Aは、合成部204と、デコード部201と、光−電気変換部202と、AV処理部203Aと、映像出力部205と、音声出力部206と、制御部207Aと、送受電部208と、複合コネクタ209と、切替部223と、音声セレクタ210と、を備える。
制御部207Aは、受信装置200Aの受信機情報が含まれたシリアル制御信号120を、複合コネクタ209が有する端子209cを介して受信装置200Aの接続相手(例えば、送信装置100A)へ送信する。また、制御部207Aは、送電または受電の指示を示す電力制御信号221を送受電部208に出力する。制御部207Aは、デコード部201、光−電気変換部202、AV処理部203A、合成部204、映像出力部205、音声出力部206、切替部223、および音声セレクタ210に制御信号を出力してもよい。なお、図9では、制御部207Aが出力する制御信号を破線の矢印で示す。制御部207Aは、端子209cを介して、受信装置200Aの接続相手(例えば、送信装置100A)から制御信号を受信してもよい。
受信装置200Aにおいて、送受電部208は、受信装置200Aの接続相手(例えば、送信装置100A)の送受電部108と、端子209aを介して送電または受電を行うことができる。このとき、デコード部201は使用されない。また、受信装置200Aにおいて、デコード部201は、受信装置200Aの他の接続相手(例えば、実施の形態1に示した送信装置100)から端子109aを介して送信されてくる電気信号114を、実施の形態1と同様に端子209dを介して受信することもできる。
例えば、受信装置200Aの接続相手が送信装置100Aであり、送信装置100Aの端子109aを通して送電または受電が行われる場合は、受信装置200Aにおいて端子209aと送受電部208とが切替部223を介して電気的に接続される。あるいは、受信装置200Aの接続相手が実施の形態1に示した送信装置100であり、送信装置100の端子109aから電気信号114が送信される場合は、その電気信号114は、端子209aを介して切替部223に入力され、切替部223からデコード部201に入力される(そのときの信号のルートは一点鎖線の矢印で示す)。
このように、切替部223は、受信装置200Aにおいて、端子209aを介して送電または受電が行われるときには端子209aを送受電部208に電気的に接続し、端子209aから電気信号114が受信されるときには、端子209aをデコード部201に電気的に接続することができる。このように、切替部223は、端子209aを通して送電または受電が行われるのか、あるいは端子209aを通して電気信号114が受信されるのか、に応じて、端子209aの接続先を、送受電部208とデコード部201とで切り替えることができる。切替部223は、例えば、双方向の2入力1出力のスイッチ回路によって実現される。しかし、本開示は切替部223の構成を特に限定するものではない。
上述したように、受信装置200Aにおいては、受信装置200Aの接続相手が送信装置100Aであり、送信装置100Aにおいて伝送路122が電力の送電または受電に使用されるときには、端子209aは、切替部223によって送受電部208に電気的に接続される。これにより、送受電部208は、送信装置100Aの送受電部108との間で、端子209aを介して送電または受電を行うことができる。
受信装置200Aにおいて、送信装置100Aの端子109bから出力される光信号117は、端子209bを介して光−電気変換部202に入力される。
光−電気変換部202は、光信号117を電気信号151Aに変換してAV処理部203Aに出力する。この変換により得られる電気信号151Aは、AV処理部104Aから出力される電気信号151に実質的に等しい信号であり、音声ベースバンド信号113Aと映像ベースバンド信号111Aとの双方が含まれる。
AV処理部203Aは、光−電気変換部202から出力される電気信号151Aを、映像ベースバンド信号111Aと音声ベースバンド信号113Aとに分離する。なお、映像ベースバンド信号111Aは、映像取得部101から出力される映像ベースバンド信号111に実質的に等しい信号であり、音声ベースバンド信号113Aは、音声取得部106から出力される音声ベースバンド信号113に実質的に等しい信号である。なお、AV処理部203Aが行う分離処理は、特に限定されるものではないが、送信装置100AのAV処理部104Aで行われる合成処理を逆の手順で行う処理(その合成処理の逆変換処理)に相当する。
AV処理部203Aは、映像ベースバンド信号111Aを合成部204に出力し、音声ベースバンド信号113Aを音声セレクタ210に出力する。
合成部204は、AV処理部203Aから出力される映像ベースバンド信号111Aを、そのまま映像出力部205に出力する。
音声セレクタ210は、AV処理部203Aから出力される音声ベースバンド信号113Aを音声出力部206に出力するのか、あるいは、デコード部201から出力される音声ベースバンド信号113Aを音声出力部206に出力するのかを、切り替えることができる。実施の形態4に示す構成例(すなわち、受信装置200Aの接続相手が、図8に示した送信装置100Aである場合)では、音声セレクタ210は、AV処理部203Aから出力される音声ベースバンド信号113Aを音声出力部206に出力するように動作する。音声セレクタ210は、例えば、双方向の2入力1出力のスイッチ回路によって実現される。しかし、本開示は音声セレクタ210の構成を特に限定するものではない。
なお、切替部223および音声セレクタ210を制御する信号は、例えば、制御部207Aから出力される。制御部207Aは、例えば、受信装置200Aの接続相手(例えば、送信装置100A)から端子109aを通して送電または受電を行うことを示す信号を受信した場合に、端子209aが送受電部208に電気的に接続されるように切替部223を制御し、AV処理部203Aから出力される音声ベースバンド信号113Aが音声出力部206に出力されるように音声セレクタ210を制御してもよい。あるいは、制御部207Aは、端子209aが送受電部208に電気的に接続されるように切替部223を制御し、AV処理部203Aから出力される音声ベースバンド信号113Aが音声出力部206に出力されるように音声セレクタ210を制御して、端子209aを通して送電または受電を行うことを示す信号を受信装置200Aの接続相手(例えば、送信装置100A)に送信してもよい。あるいは、制御部207Aは、初期状態では、端子209aがデコード部201に電気的に接続されるように切替部223を制御し、デコード部201から出力される音声ベースバンド信号113Aが音声出力部206に出力されるように音声セレクタ210を制御してもよい。そして、受信装置200Aの接続相手から端子109aを通して電気信号114を送信することを示す信号を受信した場合、または、受信装置200Aの接続相手から端子109aに関する情報を何も受信しなかった場合、または、受信装置200Aの接続相手が実施の形態1に示した送信装置100であることを認識した場合、等に、その初期状態を維持してもよい。あるいは、制御部207Aは、受信装置200Aの接続相手(例えば、送信装置100A)と、端子209aを通して送電または受電を行うことに関する合意が得られたときに、端子209aが送受電部208に電気的に接続されるように切替部223を制御し、AV処理部203Aから出力される音声ベースバンド信号113Aが音声出力部206に出力されるように音声セレクタ210を制御してもよい。
[4−3.実施の形態4の効果等]
以上のように、実施の形態4において、送信装置は、送信装置の外部に設けられた受信装置との間で、電気信号の伝送路を介して電力の送電または受電を行う送受電部を備えてもよい。信号処理部は、映像取得部によって取得された映像信号を、第2変換部を用いて光信号に変換してもよい。
なお、送信装置100Aは送信装置の一例である。受信装置200Aは受信装置の一例である。伝送路122は伝送路の一例である。送受電部108は送受電部の一例である。信号処理部110Aは信号処理部の一例である。電気−光変換部105は第2変換部の一例である。
例えば、実施の形態4に示した例では、送信装置100Aは、送信装置100Aの外部に設けられた受信装置200Aとの間で、電気信号114の伝送路122を介して電力の送電または受電を行う送受電部108を備える。信号処理部110Aは、映像取得部101によって取得された映像ベースバンド信号111を、電気−光変換部105を用いて光信号117に変換する。
このように構成された送信装置100Aでは、RGB信号(電気信号114)等の伝送に用いられる伝送路122を、送電または受電に用いることで、大電力の送電または受電を実現することができる。そして、送信装置100Aは、例えば、大電力の送電または受電と、映像ベースバンド信号111および音声ベースバンド信号113の送信とを並列に行うことができる。
[4−4.実施の形態4の変形例]
実施の形態4では、送信装置100Aにおいて、電気信号114の伝送路122を用いて送電または受電が行われる構成例を説明したが、本開示はこの構成に限定されない。送信装置100Aは、電力だけでなく、その他の任意の高速通信信号または制御信号を、伝送路122を通じて伝送してもよい。
また、送信装置において、信号処理部は、取得された映像信号を、第2変換部を用いて光信号に変換し、送信装置の外部に設けられた受信装置から、HDMI(登録商標)規格において定められるARC(Audio Return Channel)信号を、電気信号の伝送路を通じて取得してもよい。
すなわち、送信装置100Aにおいて、信号処理部110Aは、取得された映像信号を、電気−光変換部105を用いて光信号に変換し、送信装置100Aの外部に設けられた受信装置200Aから、HDMI(登録商標)規格において定められるARC信号を、電気信号114を伝送する伝送路122を通じて取得してもよい。
ARC信号は、より詳細には、IEC 60958−1で定義されるデジタルオーディオ信号であって、シンク機器からソース機器に伝送されるデジタルオーディオ信号である。ARC信号は、電気レベル等のインターフェイス仕様が変更された、S/PDIF(Sony(登録商標)/Philips(登録商標) Digital Interface)相当のデジタルオーディオ信号である。
なお、エンコード部103にデコード部としての機能を備え、デジタルオーディオ信号であるARC信号がエンコード部103においてアナログ信号に変換されて信号処理部110Aに取得されてもよい。あるいは、エンコード部103またはその周辺回路がデジタル信号のままARC信号を通過させる構成を備える等して、信号処理部110Aがデジタル信号のままARC信号を取得してもよい。
(実施の形態5)
[5−1.構成]
実施の形態5における送受信システム10Aについて、図10を参照しながら説明する。
なお、実施の形態5に示す構成は、実施の形態1〜4で説明された送信装置100、100Aおよび受信装置200、200Aのいずれにも適用できるが、以下では、実施の形態4に示した送信装置100Aおよび受信装置200Aを備える送受信システム10Aを例に挙げて実施の形態5を説明する。
図10は、実施の形態5における送受信システム10Aの構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図10に示すように、送受信システム10Aは、送信装置100Aと、受信装置200Aと、ケーブル300Aとを備え、送信装置100Aと受信装置200Aとがケーブル300Aによって相互に接続されて構成されている。
なお、図10に示す送信装置100Aは図8に示した送信装置100Aと実質的に同じものであり、図10に示す受信装置200Aは図9に示した受信装置200Aと実質的に同じものであるが、図10では、以下の説明に対して関連性の高い構成要素のみを図示しており、他の構成要素は省略している。また、図10に示すケーブル300Aは、実施の形態1に示したケーブル300と実質的に同じものであるが、4本の光ケーブル302a〜302dを備えている。
光信号は、複数の光ケーブル(光ファイバ)によって並列に伝送される場合がある。そのような場合、光信号は、光ケーブル1本あたりの伝送可能スピード(1本の光ケーブルが単位時間(例えば1秒間)に伝送できる情報量)と、光信号によって伝送される単位時間あたりの情報量とに応じて、複数チャンネルに分けて伝送される。例えば、図10に示される送受信システム10Aにおいては、光信号117は、ケーブル300Aに含まれる4本の光ケーブル302a〜302dによって伝送される。なお、図10に示す光信号117を伝送する光ケーブルの数は、単なる一例であり、本開示は光信号117を伝送する光ケーブルの数を特に限定しない。
送信装置100Aは、4本の光ケーブル302a〜302dに対応する4つの端子109b1〜109b4を備える。端子109b1〜109b4は、光信号117を、複数の伝送路(例えば、光ケーブル302a〜302d)を通じて分割して送信するための複数の端子であり、複合コネクタ109に含まれる。
送信装置100Aと同様に、受信装置200Aは、4本の光ケーブル302a〜302dに対応する4つの端子209b1〜209b4を備える。端子209b1〜209b4は、分割された光信号117を、複数の伝送路(例えば、光ケーブル302a〜302d)を通じて受信するための複数の端子であり、複合コネクタ209に含まれる。
そして、図10に示す構成例では、端子109b1と端子209b1とは、光ケーブル302aによって光学的に相互に接続され、端子109b2と端子209b2とは、光ケーブル302bによって光学的に相互に接続され、端子109b3と端子209b3とは、光ケーブル302cによって光学的に相互に接続され、端子109b4と端子209b4とは、光ケーブル302dによって光学的に相互に接続される。
光ケーブルは、ケーブル内の光ファイバ導体が折れる等して光ケーブルに破損が生じたときに、光信号を伝送できなくなる場合がある。また、光ケーブルは、コネクタとの接合箇所にずれや汚れが生じたりすることによって光信号を伝送できなくなる場合もある。
このような場合に備え、実施の形態5に示す送受信システム10Aでは、送信装置100Aが、制御部107Aにおいて、複数の伝送路(例えば、光ケーブル302a〜302d)における伝送品質を示す伝送品質情報を取得するように構成されている。伝送品質情報は、例えば、光信号117の伝送品質が低下した(光信号117を伝送できなくなった)光ケーブルまたは端子を特定するための識別情報(例えば、各光ケーブルまたは各端子にそれぞれ割り当てられた番号)である。なお、伝送品質情報は、識別情報に限定されるものではなく、例えば、ビットエラーレート(ビットエラー率)等が用いられてもよい。
なお、光ケーブルの識別情報および端子の識別情報は、あらかじめ送信装置100Aおよび受信装置200Aによって共有されていてもよい。あるいは、分割された光信号117のそれぞれに、各光信号117の伝送に用いられる端子(光ケーブル)の識別情報が含まれていてもよい。
送受信システム10Aにおいて、使用できない端子(光ケーブル)が生じたときの動作を、以下に説明する。
送受信システム10Aにおいて、伝送品質情報は、受信装置200Aから送信装置100Aに送信される。受信装置200Aの光−電気変換部202は、端子209b1〜209b4を通じて光信号117を受信したときに、各光信号117に誤りが生じているか否かを、端子毎に、誤り検出技術(例えば、一般的に用いられているCRC(Cyclic Redundancy Check)等)によって検出する。そして、光−電気変換部202は、誤りの発生率が所定値よりも増加して伝送品質が低下したと判定した端子(光ケーブル)があった場合、その端子(光ケーブル)の識別情報を制御部207Aに通知する。その通知を受けた制御部207Aは、通知された端子(光ケーブル)の識別情報を示す伝送品質情報を、シリアル制御信号120として送信装置100Aの制御部107Aに送信する。このとき、制御部207Aから出力されたシリアル制御信号120は、受信装置200Aが有する複合コネクタ209の端子209c、ケーブル300Aの電線302e、送信装置100Aが有する複合コネクタ109の端子209cを通って、制御部107Aに受信される。そして、制御部107Aは、受信した伝送品質情報を電気−光変換部105に出力する。
電気−光変換部105は、制御部107Aから取得した伝送品質情報に基づいて伝送品質が低下した伝送路を特定し、送信装置100Aから受信装置200Aに光信号117を送信する複数の伝送路のうちの、伝送品質が低下した伝送路を除く伝送路に対応する1以上の端子を端子109b1〜109b4の中から選択し、選択した端子に光信号117を分割して出力する。
これにより、電気−光変換部105は、伝送品質情報に基づき、伝送品質が低下した(光信号117を伝送できなくなった)伝送路を特定できるので、その伝送路に対応する光ケーブルおよび端子を避け、伝送品質が高い伝送路のみを使用して、光信号117を受信装置200Aに送信することができる。したがって、送受信システム10Aでは、伝送品質が低下した(光信号117を伝送できなくなった)光ケーブルまたは端子が発生したときに、映像ベースバンド信号111および音声ベースバンド信号113が送信装置100Aから受信装置200Aに送信できなくなるような事態が発生することを低減することができる。
上記のような送受信システム10Aの具体な動作例について説明する。
例えば、光ケーブル302a〜302dのそれぞれの最大伝送レートが27Gbps(Giga bits per second)であるとする。その場合、4本の光ケーブル302a〜302dの全てが光信号117の伝送に使用されると、送信装置100Aから受信装置200Aへの光信号117による最大伝送レートは27Gbps×4=108Gbpsとなる。
一方、8K解像度(8K60p)の映像ベースバンド信号111を伝送するときの伝送レートは、(水平方向8800画素)×(垂直方向4500ライン)×(リフレッシュレート60Hz)×(RGB3ch)=71.28Gbpsである。したがって、送受信システム10Aにおいて、8K解像度の映像ベースバンド信号111を送信装置100Aから受信装置200Aへ送信するときには、約72Gbpsの伝送レートが確保されればよい。
上記の構成の場合、光ケーブル302a〜302dのうち3本が並列に(同時に)使用されるときの、送信装置100Aから受信装置200Aへの光信号117による最大伝送レートは、27Gbps×3=81Gbpsとなる。そのため、上記のように構成された送受信システム10Aでは、4本の光ケーブル302a〜302dのうちの3本を使用すれば、送信装置100Aから受信装置200Aへ、8K解像度の映像ベースバンド信号111を光信号117によって送信することができる。
したがって、光ケーブル302a〜302dのうちの1本の光ケーブル(例えば、光ケーブル302b)が破損等により使用できなくなったとしても、電気−光変換部105は、光ケーブル302a〜302dのうちの、使用できない光ケーブルを除く光ケーブル(例えば、光ケーブル302a、302c、および302d)に対応する3つの端子(例えば、端子109b1、109b3、および109b4)を選択し、選択した3つの端子に光信号117を分割して出力すれば、8K解像度の映像ベースバンド信号111を光信号117によって送信することができる。
なお、電気−光変換部105は、初期状態として、例えば、端子109b1に識別情報「1」を含む光信号117を出力し、端子109b2に識別情報「2」を含む光信号117を出力し、端子109b3に識別情報「3」を含む光信号117を出力し、端子109b4に識別情報「4」を含む光信号117を出力してもよい。そして、電気−光変換部105は、1本の光ケーブル(例えば、光ケーブル302b)が使用できなくなった後は、例えば、端子109b1に識別情報「1」を含む光信号117を出力し、端子109b3に識別情報「2」を含む光信号117を出力し、端子109b4に識別情報「3」を含む光信号117を出力してもよい。このように、電気−光変換部105は、使用できない光ケーブルが生じた後に、各端子に割りあてる識別情報を、初期状態から変化させてもよい。
なお、電気−光変換部105は、2本の光ケーブルが使用できなくなったときには、使用可能な残りの2本の光ケーブルに対応する2つの端子を選択してもよい。また、電気−光変換部105は、3本の光ケーブルが使用できなくなったときには、使用可能な残りの1本の光ケーブルに対応する端子を選択してもよい。また、電気−光変換部105は、使用可能な光ケーブルの本数に応じた解像度(情報量)の映像ベースバンド信号111を光信号117で送信してもよい。
なお、受信装置200Aにおいては、記憶部207aに、光信号117がどのような分割方式で分割されていれば、受信装置200Aが受信可能か(信号処理可能か)を示す分割情報が記憶されていてもよい。分割情報は、例えば、光信号117の最大分割数、1つの端子(1チャンネル)当たりの最大伝送レート(解像度)、等の情報を含んでいてもよい。分割情報は、受信機情報の一部であってもよい。この場合、送信装置100Aにおいては、例えば、制御部107Aが分割情報をシリアル制御信号120として取得することにより、電気−光変換部105は、受信装置200Aで受信可能な(信号処理可能な)分割方式で光信号を分割して出力することができる。
[5−2.実施の形態5の効果等]
以上のように、実施の形態5において、送信装置は、光信号を複数の伝送路を通じて分割して送信するための複数の端子を備えていてもよい。
また、実施の形態5において、受信装置は、分割された光信号を複数の伝送路を通じて取得するための複数の端子を備えていてもよい。
なお、送信装置100Aは送信装置の一例である。光ケーブル302a〜302dは複数の伝送路の一例である。端子109b1〜109b4は、送信装置が備える複数の端子の一例である。受信装置200Aは受信装置の一例である。端子209b1〜端子209b4は、受信装置が備える複数の端子の一例である。
例えば、実施の形態5に示した例では、送信装置100Aは、光信号117を、光ケーブル302a〜302dを通じて分割して送信するための複数の端子109b1〜109b4を備えている。
受信装置200Aは、分割された光信号117を、光ケーブル302a〜302dを通じて受信するための複数の端子209b1〜端子209b4を備えている。
これにより、送信装置100Aは、光信号117を分割し、分割した光信号117を複数の伝送路(光ケーブル302a〜302d)を通じて送信することができる。受信装置200Aは、分割した光信号117を複数の伝送路(光ケーブル302a〜302d)を通じて受信することができる。
送信装置は、複数の伝送路における伝送品質を示す伝送品質情報を取得する伝送品質取得部を備えてもよい。第2変換部は、取得された伝送品質情報に基づいて、複数の端子の中から、複数の伝送路のうちの一部の伝送路に対応する1以上の端子を選択し、選択した端子の数に応じて光信号を分割し、分割した光信号を、選択した1以上の端子から出力してもよい。
なお、制御部107Aは伝送品質取得部の一例である。
例えば、実施の形態5に示した例では、送信装置100Aは、複数の伝送路(光ケーブル302a〜302d)における伝送品質を示す伝送品質情報を取得する制御部107Aを備えている。電気−光変換部105は、取得された伝送品質情報に基づいて、複数の端子109b1〜109b4の中から、複数の伝送路(光ケーブル302a〜302d)のうちの一部の伝送路に対応する1以上の端子を選択し、選択した端子の数に応じて光信号117を分割し、分割した光信号117を選択した1以上の端子から出力する。
これにより、送信装置100Aは、伝送品質の良好な伝送路を選択し、選択した伝送路を使用して光信号117を送信することができる。
[5−3.実施の形態5の変形例]
一般的に、光ケーブルは、光信号を双方向に伝送することができる。したがって、送信装置100Aは、受信装置200Aからケーブル300A(光ケーブル302a〜302d)を通じて光信号を受信することも可能である。この場合、送信装置100Aにおいては、電気−光変換部105が、上述した電気−光変換部105の機能を有するとともに、光信号を受信することもできる光信号処理部に置き換えられればよい。受信装置200Aにおいては、光−電気変換部202が、上述した光−電気変換部202の機能を有するとともに、光信号を送信することもできる光信号処理部に置き換えられればよい。これにより、受信装置200Aが備える光信号処理部は、送信装置100Aが備える光信号処理部に光信号を送信することができる。
例えば、シリアル制御信号120が光ケーブル302a〜302dのいずれかを通じて光信号として伝送されてもよい。すなわち、送信装置において、受信機情報取得部は、受信機情報を電気信号として取得できない場合に、光信号の伝送路を通じて、受信機情報を光信号として取得してもよい。具体的な例としては、送信装置100Aにおいて、制御部107Aは、受信機情報を、電線302eを通じて電気信号として取得できない場合に、光信号117の伝送路である光ケーブル302a〜302dのいずれかを通じて、受信機情報を光信号として取得してもよい。
これにより、送信装置100Aは、電線302eが断線する等して受信装置200Aからの受信機情報を電気信号として取得することができない場合に、光ケーブル302a〜302dのいずれかを通じて受信機情報を光信号として取得することができる。なお、送信装置100Aは、例えば、制御部107Aが、受信機情報を要求するシリアル制御信号120を電気信号として電線302eを通じて受信装置200Aに送信したにもかかわらず、受信装置200Aから応答を得られなかった場合等に、受信機情報を電気信号として取得できない、と判断してもよい。
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜5を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1〜5で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
例えば、上記実施の形態で説明されたHDMI(登録商標)規格には、現存するバージョンだけでなく、将来使用されるバージョンが含まれてもよい。つまり、本開示は、将来使用される新たなバージョンのHDMI(登録商標)規格に適用されてもよい。
実施の形態2の動作例2では、ステップS24での映像分離処理時の低域映像信号112の解像度の決定に、ステップS22で取得された受信機情報およびステップS23で取得されたケーブル情報320の両方を用いる動作例を説明したが、本開示は何らこの動作に限定されない。低域映像信号112の解像度の決定には、ステップS22で取得された受信機情報およびステップS23で取得されたケーブル情報320の少なくとも一方が用いられればよい。
例えば、実施の形態4に示した送信装置100Aが、実施の形態1に示した周波数変換部104を信号処理部110Aに備え、実施の形態1〜4に示した各動作を実行できるように構成されてもよい。
あるいは、実施の形態4に示した受信装置200Aが、実施の形態1に示した周波数変換部203を備え、実施の形態1〜4に示した各動作を実行できるように構成されてもよい。
実施の形態4の変形例に示す送信装置100Aにおいて、ARC信号の取得は、制御部107Aによって行われてもよい。制御部107Aは、伝送路122を通じてARC信号を取得してもよい。
上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれが別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本開示は、上記実施の形態の送受信システムとして実現されてもよいし、送信装置によって実行される送信方法または受信装置によって実行される受信方法として実現されてもよい。
上記実施の形態において説明された送信装置および受信装置の動作における複数の処理の順序は一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並列に実行されてもよい。また、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。