JP6986201B2 - シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン、ケイ素酸化物構造体及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
特に、近年では、急速な電子機器や通信機器の発展、それら機器の小型化や軽量化のニーズ並びにハイブリッド自動車等のエコカーの普及に伴い、より高容量や高寿命など電池特性に優れた二次電池の開発が益々求められている。このような電池特性に優れた二次電池の開発においては負極の改良に注目した技術開発も盛んである。
[1]原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格と、
該ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子と、
を構成要素として含んでなり、
粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満である、
ケイ素酸化物構造体。
[3]Si−H結合を有する、[1]又は[2]に記載のケイ素酸化物構造体。
[5]一般式SiOx2Hy2(0.3<x2<1.5、0.01<y2<0.35)で表わされる原子組成を有し、かつSi−H結合を有する、[1]〜[4]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[6]本質的に炭素を含まない、[1]〜[5]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[7]上記シリコン系ナノ粒子の体積基準平均粒径が10nm〜500nmである、[1]〜[6]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[8]上記シリコン系ナノ粒子を5〜65質量%含有する、[1]〜[7]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[10]赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm−1付近の(ピーク2−1)の強度(I2−1)と1070cm−1付近のピーク(ピーク2−2)の強度(I2−2)の比(I2−1/I2−2)が1を超える、[1]〜[9]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[11]上記50%累積質量粒子径分布直径 D50が2.0μm以下である、[1]〜[10]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[12][1]〜[11]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体を含む、二次電池用負極活物質。
[13][12]に記載の二次電池用負極活物質を含む、二次電池用負極。
[14][13]に記載の二次電池用負極を備えた、二次電池。
[15]以下の工程(A)及び(B)を含む、[1]から[11]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体を製造する方法:
(A)pH2.95以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、以下の一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること、
HSi(R)3 (1)
(式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシにおいて、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。);並びに
(B)上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成することにより、上記ケイ素酸化物構造体を取得すること。
[17]工程(A)において、pHが3.0以上となるように酸を添加したシリコン系ナノ粒子の分散液に上記ケイ素化合物を添加し、該ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、[15]又は[16]に記載の方法。
[18]上記酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、[17]に記載の方法。
[20]工程(B)が、非酸化性雰囲気下及び600℃〜900℃の温度で行われる、[15]〜[19]の何れか1つに記載の方法。
[21]上記非酸化性雰囲気が、水素ガス雰囲気、又は2容積%以上の水素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気である、[21]に記載の方法。
[22]上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、一般式SiOx1Hy1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされる原子組成を有し、上記シリコン系ナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有する、[15]〜[21]の何れか1つに記載の方法。
[23]以下の工程(A)を含む、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを製造する方法:
(A)pH2.95以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、以下の一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること、
HSi(R)3 (1)
(式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシにおいて、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。)。
[25]工程(A)において、pHが3.0以上となるように酸を添加したシリコン系ナノ粒子の分散液に上記ケイ素化合物を添加し、該ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、[23]又は[24]に記載の方法。
[26]上記酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、[25]に記載の方法。
[27]上記酸が、塩酸又は酢酸である、[25]又は[26]に記載の方法。
[28]上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、一般式SiOx1Hy1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされる原子組成を有し、上記シリコン系ナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有する、[23]〜[27]の何れか1つに記載の方法。
[29][23]〜[27]の何れか1つに記載の方法により製造したシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
さらに水素ポリシルセスキオキサンと一次粒子としてシリコン系ナノ粒子(好ましくは体積基準平均粒径が10nm〜500nmであるシリコン系ナノ粒子)とを含み、
上記シリコン系ナノ粒子表面と上記水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有し、
上記シリコン系ナノ粒子が一次粒子として集合した二次集合体が形成されており、
粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満である、
シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
[32]一般式SiOx1Hy1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされ、好ましくは上記シリコナノ粒子を5〜65質量%含有する、[29]〜[31]の何れか1つに記載のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
[33]赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm−1付近のピーク(ピーク2−1)の強度(I2−1)と1070cm−1付近のピーク(ピーク2−2)の強度(I2−2)の比(I2−1/I2−2)が1を超える、[29]〜[32]の何れか1つに記載のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
本発明に係るケイ素酸化物構造体は、原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格と、該ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子とを構成要素として含んでなるものである。
本発明において「原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格」とは、SiとOとで構成されるケイ素酸化物の構造を少なくとも一部に有する化学骨格を意味する。より具体的には、Si−OやSi−O−Siを含む化学骨格が挙げられ、例えば、後述のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン重合物を熱処理又は焼成することで生じるケイ素酸化物構造の骨格をも含む概念である。
さらに、本発明においては「ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子」という用語が示すとおり、シリコン系ナノ粒子が、上記化学骨格に化学的に結合していることにより、全体としてのケイ素酸化物構造体が形成されることになる。ここで、「ケイ素酸化物骨格にシリコン系ナノ粒子が化学的に結合している」とは、シリコン系ナノ粒子の表面をSiとして、例えばSi−O−Siの結合様式でケイ素酸化物骨格に結合している形態が挙げられる。このような化学的な結合は強固であることから、本発明のケイ素酸化物構造体は、当該構造体からシリコン系ナノ粒子が脱落しにくい構造ないし性質を有している。
加えて、本発明のケイ素酸化物構造体においては、シリコン系ナノ粒子が集合した二次集合体が形成されることも、後述の通り好ましい実施形態であるが、特に本発明においてはケイ素酸化物構造体の50%累積質量粒子径分布直径D50が所定の範囲に入るように制御されている。
上述のような構成によれば、第一に、極小の一次粒子(つまり、ナノメートルスケールのシリコン系ナノ粒子)を採用する点、二次電池において充放電を繰り返す際に生じる膨張収縮時の応力が緩和されることになり、サイクル劣化を抑制し、サイクル特性向上の効果が見込める。さらに、上記構成を採用するケイ素酸化物構造体は、一次粒子が集合して形成された二次集合体によるネットワーク構造を有することから、結着剤との結着性が良好となり、さらに優れたサイクル特性を発現することとなる。さらに加えて、本発明のケイ素酸化物構造体は全体として、粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径D50が所定の範囲に制御されていることから、上記の効果に加えてより高いレベルの容量維持率を確保することが可能となる。
本発明の製造方法は、pH2.95以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、後述のケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること(工程(A))を含む。
まず、上記シリコン系ナノ粒子としては、実質的にシリコンのみからなるシリコンナノ粒子、並びに原子組成にケイ素(シリコン)を含む化合物(例えば、シリカ、シリコン系金属化合物からなる)ナノ粒子を包含する概念である。その粒径(体積基準平均粒径)が、ナノメートルスケールの範囲にあるものであれば使用可能であり、特に限定されるものでもない。最終産物が二次電池の負極材料として用いられ、その負極を二次電池に用いることを考慮すると、上記シリコン系ナノ粒子の体積基準平均粒径(平均粒径)は、例えば10nm〜500nm(又は10nm超かつ500nm未満)、好ましくは30nm〜200nm(又は30nm超かつ200nm)であることが好ましい。このような平均粒径が比較的小さいシリコン系ナノ粒子を用いると、最終的に製造した二次電池においてサイクル劣化が抑制され、優れたサイクル特性を発揮することができるからである。
なお、本明発明において、「体積基準平均粒径」とは、体積基準によって算出される粒径であることを意味し、単に平均粒径と称する場合もある。
次に、加水分解及び縮合反応の対象となるケイ素化合物について説明する。該ケイ素化合物は、以下の一般式(1)で表される化合物である。
HSi(R)3 (1)
(式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ基、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシ基において、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。)。
例えば、トリクロロシラン、トリフルオロシラン、トリブロモシラン、ジクロロシラン等のトリハロゲン化シランやジハロゲン化シラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−t−ブトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−i−プロポキシシラン、ジ−n−ブトキシエトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、ジエトキシシラン等のトリアルコキシシランやジアルコキシシラン、更にはトリアリールオキシシラン、ジアリールオキシシラン、ジアリールオキシエトキシシラン等のアリールオキシシランまたはアリールオキシアルコキシシランが挙げられる。
次に、工程(A)における加水分解および重縮合反応の条件について詳しく説明する。
工程(A)においては、例えば、上記所定のpH条件下において、上記ケイ素化合物と上記シリコン系ナノ粒子との混合物を、加水分解させ及び縮合反応させてもよい。あるいは、次のような方法も採用できる。まず、上記シリコン系ナノ粒子の分散液を調製し、この分散液に酸又は塩基を添加することにより分散液のpHを上記所定の範囲内に調整する。次いで、該分散液に上記ケイ素化合物を添加することにより上記ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を進行させることができる。
つまり、加水分解後の反応液中には式(1)で表されるケイ素化合物の加水分解物に加えて、酸、水及びその他溶媒並びにこれらに由来する物質を含有していてもよい。
なお、加水分解反応に加えて、加水分解物の重縮合反応も部分的に進行する。
ここで、重縮合反応が進行する程度は、加水分解温度、加水分解時間、酸性度、及び/又は、溶媒等によって制御することができ、例えば、後述するように目的とするシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンに応じて適宜に設定することができる。
反応条件としては、撹拌下、上記所定のpH範囲内となるように調整したシリコン系ナノ粒子分散液中に、式(1)で表されるケイ素化合物を添加し、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜40℃、特に好ましくは10℃〜30℃の温度で、0.5時間〜20時間、好ましくは1時間〜10時間、特に好ましくは1時間〜5時間反応させる。さらに、上記シリコン系ナノ粒子分散液への式(1)で表されるケイ素化合物の添加は、特に限定されるものでもなく、一度に添加してもよいし又は複数回に渡って小量ずつ添加してもよいが、少量ずつ複数回に渡り滴下することにより添加するのが好都合である。
具体的には、有機酸としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸などが例示され、無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが例示される。これらの中でも、加水分解反応およびその後の重縮合反応の制御が容易にでき、コスト安であり、かつ反応後の処理も容易であることから、塩酸及び酢酸を用いることが好ましい。
上記の如く得られたシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの組成は、元素分析により測定すると、ケイ素(Si)、酸素(O)及び水素(H)を含有しており、一般式SiOx1Hy1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表される。さらに、当該シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、本質的に炭素を含まない。さらに加えて、上記のとおり、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの生成反応においては、pHを制御することによりシリコン系ナノ粒子の過度な凝集を抑制していることから、シリコン系ナノ粒子が凝集して形成される二次凝集物の粒径が比較的小さいことが、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の走査型電子顕微鏡写真(図2、4及び5)及び対応する実施例の粒径解析結果から推測される。
次に、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成して得られるリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物について説明する。
本発明のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の製造方法は、上記工程(A)に加えて、工程(B)として、上記のように製造したシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成することにより、以下、本発明における「ケイ素酸化物構造体」の一形態であるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物を取得することを含む。
即ち、工程(B)において取得されるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物は、冒頭で述べたとおり以下のような構成で特定される。
(i)原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格と、該ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子とを構成要素として含んでなること;
(ii)粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満であること。
本発明において、「非酸化性雰囲気」とは、ケイ素酸化物構造体が上記条件(i)〜(iii)を満たすように、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを熱処理する際に二酸化ケイ素の生成が制御される雰囲気であれば足りる。より具体的には、「非酸化性雰囲気」とは、実質的には、ケイ素酸化物構造体が上記条件(i)〜(iii)を満たす程度に酸素が除去されている雰囲気であればよいことを意味する。さらに加えて、この場合においては、I1/I2の値が、以下記載の所定の範囲内に入るようことが好ましい。
ここで、I1とは、820〜920cm−1にありかつSi−H結合に由来するピーク1の強度(I1)を言う。加えて、I2とは、1000〜1200cm−1にありかつSi−O−Si結合に由来する強度(I2)を言う。このような特に好ましい実施形態においては、製造されるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の原子組成を分析すると、ケイ素(Si)、酸素(O)及び水素(H)を含有しており、一般式SiOx2Hy2(0.3<x2<1.5、0.01<y2<0.35)で表示され、本質的に炭素を含まないものとなる。
非酸化性雰囲気としては、不活性ガス雰囲気、高真空により酸素を除去した雰囲気(目的とするシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の生成を阻害しない程度に酸素が除去されている雰囲気であればよい)、還元性雰囲気およびこれらの雰囲気を併用した雰囲気が包含される。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。これらの不活性ガスは、一般に使用されている高純度規格のものであれば問題なく使用できる。また、不活性気体を用いることなく、高真空により酸素を除去した雰囲気でもよい。還元性雰囲気としては、水素などの還元性ガスを含む雰囲気が包含される。例えば、2容積%以上の水素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気が挙げられる。また、還元性雰囲気として、水素ガス雰囲気も使用することができる。
したがって、高容量と良好なサイクル特性を共に発現させるには適量のSi−H結合を残存させることが必要となり、そのような条件を満足させる熱処理温度は通常600℃から1000℃、好ましくは750℃から900℃である。600℃未満ではSi−H結合が多すぎ、放電容量が十分でなく、1000℃を超えるとSi−H結合が消失してしまうため良好なサイクル特性が得られなくなり、さらに表面に強固なSiO2層が発達し、リチウムの挿入脱離を阻害するため容量が発現しにくくなる傾向が見られる。
熱処理時間は、特に限定されないが通常30分から10時間、好ましくは1から8時間である。
上記50%累積質量粒子径分布直径 D50が、上記のような範囲であると、二次電池においてより高いレベルでサイクル劣化が抑制され、サイクル特性向上が一層見込める。
さらに加えて、上記の如き複雑な二次構造を持つことで結着剤との結着性が良好となり、さらに優れたサイクル特性を発現するとも云える。
次に、ケイ素酸化物構造体(具体的には上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物)を含む、負極活物質について説明する。
したがって、上記ケイ素酸化物構造体に炭素系物質を複合又は被覆させることも本発明の一態様である。
炭素系物質を複合又は被覆させるには、メカノフュージョンやボールミルあるいは振動ミル等を用いた機械的混合法等により、上記ケイ素酸化物構造体と炭素系物質を分散させる方法が挙げられる。
本発明に係る二次電池用負極は、ケイ素酸化物構造体(具体的には上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物)又は上記炭素系物質を複合若しくは被覆させたケイ素酸化物構造体を含む負極活物質を用いて製造されるものである。
例えば、負極は、上記負極活物質及び任意に結着剤を含む負極混合材料を、一定の形状に成形する方法、又は該負極混合材料を銅箔などの集電体に塗布させる方法に基づいて製造してもよい。負極の成形方法は、特に限定なく任意の方法を用いればよく、各種公知の方法を用いてもよい。
さらに、結着剤に加えて、例えば、集電体と負極活物質との結着性を向上させ、不許核物質の分散性を改善し、結着剤自体の導電性を向上させる等の別機能を付与し得る添加剤を必要に応じて添加することもできる。このような添加剤の具体例としては、スチレン−ブタジエン・ゴム系ポリマー、スチレン−イソプレン・ゴム系ポリマー等が挙げられる。
本発明に係る二次電池は、所望の用途や機能等を考慮し、適宜に設計すればよく、その構成は特に限定されるものでもないが、既存の二次電池の構成を参考に、本発明に係る負極を用いて二次電池を構成することができる。加えて、本発明の二次電池のタイプとしては、本発明の負極が適用できるものであれば特に限定されるものでもないが、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池が挙げられる。これら電池は、以下の実施例において実証されるとおり、本発明の所望の効果が発揮され得ることから、特に好ましい実施形態と言える。
以下、リチウムイオン電池の製造方法及び構成を例示する。
上記正極活物質組成物を別途、支持体上にキャスティングし、この支持体上に形成されたフィルムを剥離し、同フィルムを金属集電体上にラミネートして正極を製造することも可能である。正極の成形方法は、特に限定されるものではないが、各種公知の手法を用いて形成することができる。
この時、正極活物質、導電助剤、結着剤及び溶媒の含有量は、特に限定されるものでもないが、リチウムイオン電池で一般的に使用される量を目安に適宜選択することができる。
より具体的には、リチウムイオン電池の場合には、ポリエチレン、ポリプロピレンのような材料からなる巻き取り可能なセパレータを使用し、リチウムイオンポリマー電池の場合には、有機電解液含浸能に優れたセパレータを使用する事が好ましい。
そして、本発明においては、上記酸化物構造体における粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径D50が3.0μm未満に制御されていることから、以下の実施例に示されるとおり、より高いレベルの容量維持率を確保することが可能となる。
各参考例、実施例及び比較例における「赤外分光法測定」、「元素分析測定」及び「粒度分布測定」の測定装置/測定方法、並びに「電池特性の評価」は、以下のとおりである。
赤外分光法測定は、赤外分光装置として、Thermo Fisher Scientific製 Nicolet iS5 FT−IRを用いて、KBr法による透過測定(分解能4cm−1、スキャン回数16回、データ間隔 1.928cm−1、検出器 DTGS KBr)にて、1000〜1200cm−1にあるSi−O−Si結合に由来するピーク2の強度(I2)を測定した。なお、各々のピーク強度は、対象のピークの始点と終点を直線で結び、部分的にベースライン補正を行った後、ベースラインからピークトップまでの高さを計測して求めた。Si−O−Si結合に由来するピークは、2箇所に存在するため、ピーク分離を行いピーク位置が1170cm−1付近のピークの強度をI2−1、1070cm−1付近のピークの強度をI2−2とし、2ピークのうち高強度なピークの強度をI2と規定した。
元素組成分析については、試料粉末をペレット状に固めたのち、2.3MeVに加速したHeイオンを試料に照射し、後方散乱粒子のエネルギースペクトル、及び前方散乱された水素原子のエネルギースペクトルを解析することにより水素を含めた確度の高い組成値が得られるRBS(ラザフォード後方散乱分析)/HFS(水素前方散乱分析)法により行った。測定装置はNational Electrostatics Corporation製 Pelletron 3SDHにて、入射イオン:2.3MeV He、RBS/HFS同時測定時入射角:75deg.、散乱角:160deg.、試料電流:4nA、ビーム径:2mmφの条件で測定した。
以下の実施例1及び2並びに比較例4〜8においては、調製したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)〜(16)について粒度分布を測定し、特に粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50を算出した。粒度分布の測定方法は以下の通りである。調製したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物を少量ビーカーに取り、水および0.5%トリトンX−100水溶液を数滴加え、株式会社日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−150を用いて3分間分散処理して測定用サンプルを調製した。この測定用サンプルを、マイクロトラック・ベル株式会社製レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置MT3300IIを用いて測定した。
株式会社キーエンス製 VE−9800または株式会社日立ハイテクノロジーズ製SU−90を用い、任意の加速電圧で測定した。
所定の実施例又は比較例の試料を含有する負極活物質を用いてリチウムイオン電池を作製し、電池の充放電特性を、次のようにして測定した。
株式会社ナガノ製BTS2005Wを用い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物1g当たり、100mAの電流で、Li電極に対して0.001Vに達するまで定電流充電し、次に0.001Vの電圧を維持しつつ、電流が活物質1g当たり20mA以下の電流値になるまで定電圧充電を実施した。
充電が完了したセルは、約30分間の休止期間を経た後、活物質1g当たり100mAの電流で電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行った。
また、充電容量は、定電圧充電が終了するまで積算電流値から計算し、放電容量は、電池電圧が1.5Vに到達するまでの積算電流値から計算し、初回の放電容量を初回の充電容量で除した値を100分率で表したものを初期充放電効率とした。各充放電の切り替え時には、30分間、開回路で休止した。
なお、充放電効率は、初回(充放電の第1サイクル目)の充電容量に対する放電容量の比率とした。また、容量維持率は、参考例2〜12及び比較例1〜5については、初回の放電容量に対する、充放電50回目のサイクルにおける放電容量の比率とし、実施例1及び2並びに比較例4〜8については、初回の放電容量に対する、充放電100回目のサイクルにおける放電容量の比率とした。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(1)の調製)
50mlビーカーに純水20gとシリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))1.92gを入れ、超音波洗浄機にてシリコンナノ粒子分散水溶液を調製した。500mlの三つ口フラスコに、このシリコン微粒子分散液と36重量%濃度の塩酸2.43g(24mmol)及び純水218.6gを仕込み、室温にて10分攪拌してシリコンナノ粒子を全体に分散させ、撹拌下にトリエトキシシラン(東京化成工業社製)45g(274mmol)を25℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら25℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
反応時間経過後、反応物をメンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)にてろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(1)(参考例1)16.4gを得た。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)の調製)
参考例1のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(1)10.0gをSSA−Sグレードのアルミナ製ボートにのせた後、該ボートを真空パージ式チューブ炉 KTF43N1−VPS(光洋サーモシステム社製)にセットし、熱処理条件として、アルゴンガス雰囲気下(高純度アルゴンガス99.999%)にて、アルゴンガスを250ml/分の流量で供給しつつ、4℃/分の割合で昇温し、900℃で1時間焼成することで、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの焼成物を得た。
次いで、得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物を乳鉢にて5分間解砕粉砕し、目開き32μmのステンレス製篩を用いて分級することにより最大粒子径が32μmであるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)9.58gを得た。
カルボキシメチルセルロースの2重量%水溶液20g中に、上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)3.2gと0.4gのデンカ株式会社製アセチレンブラックを加え、フラスコ内で攪拌子を用いて15分間混合した後、固形分濃度が15重量%となるよう蒸留水を加え、さらに15分間撹拌してスラリー状組成物を調製した。このスラリー状組成物をプライミックス社製の薄膜旋回型高速ミキサー(フィルミックス40−40型)に移し、回転数20m/sで30秒間、撹拌分散を行った。分散処理後のスラリーを、ドクターブレード法により、銅箔ロール上にスラリーを200μmの厚さにて塗工した。
塗工後、80℃のホットプレートにて90分間乾燥した。乾燥後、負極シートを2t小型精密ロールプレス(サンクメタル社製)にてプレスした。プレス後、φ14.50mmの電極打ち抜きパンチHSNG−EPにて電極を打ち抜き、ガラスチューブオーブンGTO―200(SIBATA)にて、80℃で、16時間減圧乾燥を行い、負極を作製した。
図7に示す構造の2032型コイン電池を作製した。負極1として上記負極体、対極3として金属リチウム、セパレータ2として微多孔性のポリプロピレン製フィルムを使用し、電解液としてLiPF6を1モル/Lの割合で溶解させたエチレンカーボネートとジエチルカーボネート1:1(体積比)混合溶媒にフルオロエチレンカーボネートを5重量%添加したものを使用した。
次いで、リチウムイオン電池の電池特性の評価を既述の方法で実施した。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(2)の調製)
500mlビーカーに純水200gとシリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、<100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))19.2gを入れ、超音波洗浄機にてシリコンナノ粒子分散水溶液を調製した。3lのセパラブルフラスコに、このシリコンナノ粒子分散液と36重量%濃度の塩酸12.2g(120mmol)及び純水0.94kg、室温にて10分攪拌してシリコンナノ粒子を全体分散させ、撹拌下にトリメトキシシラン(東京化成工業社製)167g(1.37mol)を25℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら25℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
反応時間経過後、反応物をメンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)にてろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(2)(参考例3)95.2gを得た。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(2)の調製)
参考例3のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(2)を用いて、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(2)を調製した。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(2)を用いて、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様にして、負極体を作製し、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(3)の調製)
シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの調製において、シリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))仕込み量を、77.0gに変えた以外は、参考例3と同様の手順で、調製を行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(3)(参考例5)153gを得た。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(3)(参考例5)の赤外分光スペクトルを図1に、SEM写真を図2に示す。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(3)の調製)
参考例5のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(3)を用いて、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(3)を調製した。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(3)を用いて、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極の作製を行い、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(4)の調製)
シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの調製において、縮合触媒として36重量%濃度の塩酸12.2g(120mmol)を代わりに、酢酸(和光特級試薬)7.2g(120mmol)を用いた以外は参考例5と同様の手順で調製を行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(4)(参考例7)95.4gを得た。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(4)の調製)
参考例4のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(4)を用いて、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(4)を調製した。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(4)について、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極体を作製し、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)の調製)
100mlビーカーに純水50gとシリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))6.63gを入れ、超音波洗浄機にてシリコンナノ粒子分散水溶液を調製した。500mlの三つ口フラスコに、このシリコンナノ粒子分散液と純水46gを仕込んで10分間攪拌した後、フラスコ内を窒素にて置換した。続いてフラスコを氷冷しながら、撹拌下にトリクロロシラン16.0g(118mmol)を20℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら20℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
反応時間経過後、メンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)を用いて反応物をろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)(参考例9)12.6gを得た。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)の調製)
参考例9のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)を用いて、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)を調製した。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)を用いて、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極を作製し、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)(参考例10)の赤外分光スペクトルを図3に、SEM写真を図4に示す。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(6)の調製)
上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)10.0gを用い、供給ガスをアルゴン−水素混合ガス(水素ガス濃度:10容積%)にしたこと以外は、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(6)9.83gを得た。
該シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(6)について、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極体の作製を行い、それを備えたリチウムイオン二次電池の電池特性を評価した。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(7)の調製)
上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)10.0gを用い、焼成温度を800℃にしたこと以外は、参考例2と同様に焼成物の調製を行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(7)9.81gを得た。
該シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(7)について、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極体の作製を行い、それを備えたリチウムイオン二次電池の電池特性を評価した。
(シリコンナノ粒子複合ケイ素酸化物(1)の調製)
市販の一酸化珪素(アルドリッチ社製 under325mesh)を20μmのステンレス製篩を用いて分級することにより最大粒子径が20μmである一酸化ケイ素粉末を得た。該20μm以下の一酸化珪素10.0gを、シリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、体積基準平均粒径<100nm(100nm未満))6.37gとジルコニア製の容器とジルコニア製ボールを用いて遊星ボールミルにて10分間ボールミリング処理混合し、シリコンナノ粒子混合ケイ素酸化物(1)を得た。得られたシリコンナノ粒子混合ケイ素酸化物(1)の赤外分光スペクトルを図3に示す(図3では比較例1と表記する)。次に、該シリコンナノ粒子混合ケイ素酸化物(1)にカルボキシメチルセルロースの2重量%水溶液5gを加え、ジルコニア製の容器とジルコニア製ボールを用いて遊星ボールミルにて2時間ボールミリング処理を行い、真空乾燥機にて100℃で8時間乾燥して水分を除去してシリコンナノ粒子複合ケイ素酸化物(1)(比較例1)を得た。
比較例1のシリコンナノ粒子複合ケイ素酸化物(1)を用いた以外は、参考例2と同様に行い負極体を作製した。
負極体として、上記シリコンナノ粒子複合ケイ素酸化物(1)から作製された負極を用いた以外は、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様にしてリチウムイオン電池を作製し、それを備えた電池特性を評価した。
(水素シルセスキオキサン重合体(1)の調製)
3lのセパラブルフラスコに、36重量%濃度の塩酸12.2g(120mmol)及び純水1.19kgを仕込み、撹拌下にトリメトキシシラン(東京化成工業社製)167g(1.37mol)を25℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら25℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
反応時間経過後、反応物をメンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)にてろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、水素シルセスキオキサン重合体(1)(比較例2)76.0gを得た。
(水素シルセスキオキサン重合体焼成物(1)の調製)
比較例2の水素シルセスキオキサン重合体(1)を用いて、参考例2と同様の方法で、水素シルセスキオキサン重合体焼成物(1)の調製を行った。
得られた水素シルセスキオキサン重合体焼成物(1)について、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極を作製し、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)の調製)
焼成物の調製において、熱処理における焼成温度を1100℃にしたこと以外は、参考例2と同様に行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)を得た。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)(参考例13)の赤外分光測定の結果を図3に示す。
シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)を用いた以外は、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に行い負極体を作製した。
(リチウムイオン二次電池の作製及び評価)
負極体として、上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)から作製された負極体を用いた以外は参考例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、電池特性を評価した。
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(9)の調製)
焼成物の調製において、熱処理における焼成温度を500℃にしたこと以外は、参考例2と同様に行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(9)を得た。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(9)(参考例14)の赤外分光測定の結果を図3に示す。
上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(9)を用いた以外は、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、電池特性を評価した。
上記各参考例1〜14及び比較例1〜3の結果によると、適量のSi−H結合を有しシリコンナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有し、かつ新しい構造を有する、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン並びにこれらの焼成物が得られた。そして、これら焼成物から作製される二次電池用負極活物質は何れも、初期放電容量と50サイクル目の放電容量ともに従来の炭素系負極活物質よりも放電容量が高く、良好な初期充放電効率を有していた。更に加えて、これら二次電池用負極活物質は、充放電サイクルによる容量低下が少なく、高い容量維持率を有するものであった。
したがって、特定のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、所定の熱処理加工することにより、リチウムイオン電池負極活物質として十分に実用に耐え、高容量を求められる最新電池の負極材料として利用可能な物質となり得る有用な化合物であると評価できる。
さらに、参考例14のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物には、Si−H結合が多すぎるためか、比較試験例13と同様にサイクル特性は良好なものの、初回の放電容量が低くかった。
しかしながら、以下に示す実施例1及び2と、参考例1〜14とは、共にシリコンナノ粒子の存在下において所定のケイ素化合物(式(1))を加水分解及び縮合させることにより、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンないしそれらの焼成物を取得している点においては共通している。言い換えると、以下に示す実施例1及び2と参考例1〜14との違いは、実施例では所定のケイ素化合物を加水分解及び縮合させる際に反応液のpHを所定範囲に調整してシリコンナノ粒子の凝集を一定程度抑制しているのに対し、参考例1〜14ではそのようなpH調整によるシリコンナノ粒子凝集の制御を行っていない点にあり、両者において製造されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの化学組成に本質的な差異は存在しないことが窺える。
200mlビーカーに純水70gとシリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、<100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))11.2gを入れ、超音波洗浄機にてシリコンナノ粒子分散水溶液を調製した。500mlのセパラブルフラスコに、このシリコンナノ粒子分散液と36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)及び純水104g、室温にて10分攪拌してシリコンナノ粒子を全体分散させ、撹拌下にトリメトキシシラン(東京化成工業社製)32.9g(200mmol)を25℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら25℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは4であった。
さらに、上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(10)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
加えて、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)の走査型電子顕微鏡写真を図5に示す[(a):10,000倍、(b):1,000倍]。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)の粒度分布を測定したところ、同焼成物は、図6に示すような粒度分布を有することが明らかとなった。加えて、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり1.746μmであった。
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて酢酸0.104g(1.74mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(11)を製造した。
なお、酢酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは3.38であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(11)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(11)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(11)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり1.683μmであった。
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて塩酸17.6g(174mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(12)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは0であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(12)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(12)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(12)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり3.194μmであった。
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて塩酸1.76g(17.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(13)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは1であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(13)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(13)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(13)の粒度分布を測定したところ、この焼成物は、図6に示すような粒度分布を有しており、その50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり4.739μmであった。
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて塩酸176mg(1.74mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(14)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは2であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(14)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(14)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(14)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり4.749μmであった。
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて塩酸17.6mg(0.174mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(15)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは3であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(15)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(15)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(15)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり3.324μmであった。
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて酢酸10.4g(174mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(16)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは2.38であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(16)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(16)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(16)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり5.244μmであった。
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて酢酸1.04g(17.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(17)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは2.88であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(17)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(17)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(17)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり3.022μmであった。
表3に示すとおり、シリコンナノ粒子の存在下で所定のケイ素化合物を加水分解及び縮合させる反応において、反応溶液のpHを比較的高い弱酸性領域に調整した実施例1及び2においては、取得したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)及び(11)の50%累積質量粒子径分布直径 D50は、それぞれ1.746μm及び1.683μmとなり、粒径が顕著に小さくなった。また、特に実施例1の粒度分布と比較例5の粒度分布とが図6のグラフに示されている。図6に示されるとおり、比較例5の粒度ピークに対して実施例1の粒度ピークは水平方向左側にシフトしており、比較例5よりも粒度が小さいことが見て取れる。
さらに加えて、pHを制御/モニタリングしていない参考例5及び10において取得されたケイ素酸化物構造体は、それぞれ図2及び4の電子顕微鏡写真で観察される通り一次粒子が顕著に凝集ないし集合することにより二次集合体の粒度が相対的に大きいことが見て取れる。これに対して、pHを所定の範囲に制御した実施例1において取得されたケイ素酸化物構造体は、図5の電子顕微鏡写真で観察される通り、一次粒子の凝集ないし集合が抑制されており二次集合体の粒度は小さく微細なネットワーク構造となっている。
比較例4〜9については、反応溶液のpHは、本発明所定の範囲から逸脱するように調整したものであり、具体的には強酸性領域ないしその近傍に調整したものである。その結果、製造されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(12)〜(17)の50%累積質量粒子径分布直径 D50はそれぞれ3.0μmを超えて大きい値となった(表3、図6の比較例5を参照)。
これに対して、50%累積質量粒子径分布直径 D50が大きい比較例4〜9において製造した電池については、100サイクル後の容量保持率は84%を下回り、実施例よりも低い値であった。
2:セパレータ
3:リチウム対極
Claims (26)
- 原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格と、
該ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子と、
を構成要素として含んでなり、
上記ケイ素酸化物骨格内に、上記シリコン系ナノ粒子を含むシリコン系ナノ粒子の二次集合体を含有し、
粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満であり、
赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm −1 付近の(ピーク2−1)の強度(I 2−1 )と1070cm −1 付近のピーク(ピーク2−2)の強度(I 2−2 )の比(I 2−1 /I 2−2 )が1を超える、
ケイ素酸化物構造体。 - Si−H結合を有する、請求項1に記載のケイ素酸化物構造体。
- 一般式SiOx2Hy2(0.01<x2<2、0<y2<0.35)で表される原子組成を有する、請求項1又は2に記載のケイ素酸化物構造体。
- 一般式SiOx2Hy2(0.3<x2<1.5、0.01<y2<0.35)で表わされる原子組成を有し、かつSi−H結合を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
- 本質的に炭素を含まない、請求項1〜4の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
- 上記シリコン系ナノ粒子の体積基準平均粒径が10nm〜500nmである、請求項1〜5の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
- 上記シリコン系ナノ粒子を5〜65質量%含有する、請求項1〜6の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
- 赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、820〜920cm−1にあるSi−H結合に由来するピーク1の強度(I1)と1000〜1200cm−1にあるSi−O−Si結合に由来するピーク2の強度(I2)の比(I1/I2)が0.01〜0.35の範囲にある、請求項1〜7の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
- 上記50%累積質量粒子径分布直径 D50が2.0μm以下である、請求項1〜8の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
- 請求項1〜9の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体を含む、二次電池用負極活物質。
- 請求項10に記載の二次電池用負極活物質を含む、二次電池用負極。
- 請求項11に記載の二次電池用負極を備えた、二次電池。
- 以下の工程(A)及び(B)を含む、請求項1〜9の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体を製造する方法:
(A)pH3.1以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、以下の一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること、
HSi(R)3 (1)
(式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシにおいて、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。);並びに
(B)上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成することにより、上記ケイ素酸化物構造体を取得すること。 - 工程(A)において、pH3.1〜7.0の条件で上記ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、請求項13に記載の方法。
- 工程(A)において、pHが3.1以上となるように酸を添加したシリコン系ナノ粒子の分散液に上記ケイ素化合物を添加し、該ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、請求項13又は14に記載の方法。
- 上記酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項15に記載の方法。
- 上記酸が、塩酸又は酢酸である、請求項15又は16に記載の方法。
- 工程(B)が、非酸化性雰囲気下及び600℃〜900℃の温度で行われる、請求項13〜17の何れか1項に記載の方法。
- 上記非酸化性雰囲気が、水素ガス雰囲気、又は2容積%以上の水素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気である、請求項18に記載の方法。
- 上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、一般式SiOx1Hy1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされる原子組成を有し、上記シリコン系ナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有する、請求項13〜19の何れか1項に記載の方法。
- 以下の工程(A)を含む、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを製造する方法:
(A)pH3.1以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、以下の一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること、
HSi(R)3 (1)
(式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシにおいて、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。)。 - 工程(A)において、pH3.1〜7.0の条件で上記ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、請求項21に記載の方法。
- 工程(A)において、pHが3.1以上となるように酸を添加したシリコン系ナノ粒子の分散液に上記ケイ素化合物を添加し、該ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、請求項21又は22に記載の方法。
- 上記酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項23に記載の方法。
- 上記酸が、塩酸又は酢酸である、請求項23又は24に記載の方法。
- 上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、一般式SiOx1Hy1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされる原子組成を有し、上記シリコン系ナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有する、請求項21〜25の何れか1項に記載の方法。
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