JP6986201B2 - シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン、ケイ素酸化物構造体及びそれらの製造方法 - Google Patents

シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン、ケイ素酸化物構造体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、二次集合体の粒度が所定の範囲に制御されたシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン及びケイ素酸化物構造体、並びにそれらの製造方法に関する。さらには、上記ケイ素酸化物構造体を含む、二次電池用負極活物質、当該負極活物質を含む二次電池用負極、当該二次電池用負極を備えた二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池の開発及び進展は、1985年に吉野らによって開発されたリチウムイオン二次電池基本技術の創出に始まる(特許文献1)。このリチウムイオン二次電池は、正極においてリチウムイオンを放出し得るリチウム化合物(正極活物質)を用い、負極にはリチウムイオンを吸蔵及び放出できる炭素質材料を用いたものである。そして、この二次電池が開発されて以来、これまでに様々なタイプのリチウムイオン二次電池が開発されている。
特に、近年では、急速な電子機器や通信機器の発展、それら機器の小型化や軽量化のニーズ並びにハイブリッド自動車等のエコカーの普及に伴い、より高容量や高寿命など電池特性に優れた二次電池の開発が益々求められている。このような電池特性に優れた二次電池の開発においては負極の改良に注目した技術開発も盛んである。
負極に注目した技術としては、例えば、特許文献2に開示される負極活物質が挙げられる。特許文献2に開示される負極活物質は、具体的にはケイ素と酸素を含むケイ素酸化物であるが、特にケイ素に対する酸素の原子比が0〜2であり、CuKα線を用いたX線回折において所定のパターンを有することを特徴とするものである。より具体的には、マイクロメートルスケールのSiO粒子を、アルゴン雰囲気等の非酸化雰囲気中又は減圧下において所定の温度領域で熱処理し、さらに粒子表面に多量に存在するSiO量を低減させて電子伝導性を高めることを目的としてフッ素含有化合物やアルカリ水溶液と反応させる工程を設け、上記所定の計測パターンで特定されるケイ素酸化物を取得している。特許文献2においては、このような負極活物質によれば、良好な充放電サイクル性能を得ることが示唆されている。
さらに、特許文献3には、X線光電子スペクトルにおいて所定の結合エネルギーや所定のシリコンピーク等を示す非晶質シリコン酸化物が記載されており、これを含む負極活物質並びにその製造方法が開示されている。この非晶質シリコン酸化物は、SiO(0<x<2)で表示されるとあるが、具体的には、シラン化合物を酸触媒下でゾル/ゲル反応させることにより取得した水素ポリシルセスキオキサンの焼成物である。特許文献3には、このような負極活物質を用いることで優れた充放電特性が発揮されることが示唆されている。なお、特許文献3では、SiO(0<x<2)で表示される非晶質シリコン酸化物を採用することが記載されているものの、水素ポリシルセスキオキサンに加えて別のケイ素材料を添加することを何ら記載も示唆もしていない。したがって、特許文献3には、事実上、x<1.5であるSiOのケイ素酸化物並びにその製法は開示されていないに等しい。
さらに、特許文献4には、ケイ素を含むコアと、該コアの表面に形成されたシリコンナノ粒子とを含む、非炭素系リチウムイオン二次電池用負極活物質及びその製造方法が開示されている。具体的には、特許文献4に記載の負極活物質は、シリコン酸化物(SiO)とシリコンナノ粒子とを、カルボキシメチルセルロースや分散剤を添加した水溶液中において分散し、さらにボールミリング等の機械的撹拌手法を用いて混合し、その後、乾燥処理を通して溶媒を除去することによりシリコン酸化物の表面にシリコンナノ粒子を付着させている。特許文献4においては、このようなシリコン酸化物の構成によれば、初期充電の際に発生するリチウムと酸素による非可逆反応の初期効率低下を抑制し、さらに充放電時における体積膨張率の増加を防止できるものと言及されている。
加えて、特許文献5においては、中国の特許文献であるが、ナノスケールのシリコン粒子の表面に対して、シランカップリング剤の加水分解/カップリング反応、並びに400〜600℃及び2〜5時間の焼結プロセスを介し、SiO被膜を形成させることにより得られる負極活物質が開示されているものと思料する。特許文献5には、このような負極活物質の構成によれば、負極の体積膨張によるサイクル安定性の阻害を防止し得ることが示唆されているものと思われる。なお、特許文献5によれば、特許文献5のシランカップリング剤は有機系官能基を含むものであることが窺え、その結果、SiO被膜には炭素が含まれている可能性が高い。
特開昭62−90863号公報 特開2004−71542号公報 特開2008−171813号公報 特開2016−514898号公報 CN105514382A
ところで、本発明者らは、これまでに、従来の負極材と比較してよりバランス良く各種電池性能を保持すると共により実用性の高い負極活物質を提供することを目的として研究開発に取り組んだ結果、実用に耐え得る程度にバランスが良くかつ良好な電池特性を示す負極活物質を開発した。本出願人らは、既に同発明について特許出願も完了している(特願2016−129861及び特願2017−2953)。具体的に、特願2016−129861明細書に記載される技術は、シリコン系ナノ粒子から構成され、シリコンナノ粒子と水素ポリシルセスキオキサン由来のケイ素酸化物構造とが化学的結合を有し、Si−H結合並びに所定のケイ素(Si)/酸素(O)/水素(H)の原子組成を有し、かつ本質的に炭素を含まないシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物を負極材原料として用いる技術である。
本発明者らは、上記技術の実用化に向け更に優れた電池特性を発揮し得る負極材料を探索する中で、負極材料の化学組成のみならず所定の物理構造に着目することにより、電池特性の中でもとりわけ容量維持率において更に優れた特性を発揮できる負極材を作製できることを見出した。本発明は、係る知見に基づいて完成されたものである。即ち、本発明の課題は、二次電池において更に優れた容量維持率を発揮できる二次電池用負極材、並びにこれを用いた二次電池用負極活物質、二次電池用負極及び二次電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一の態様によれば、以下のケイ素酸化物構造体が提供される。
[1]原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格と、
該ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子と、
を構成要素として含んでなり、
粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満である、
ケイ素酸化物構造体。
[2]上記シリコン系ナノ粒子が一次粒子として集合した二次集合体が形成されている、[1]に記載のケイ素酸化物構造体。
[3]Si−H結合を有する、[1]又は[2]に記載のケイ素酸化物構造体。
[4]一般式SiOx2y2(0<x2<2、0<y2<0.35)で表される原子組成を有する、[1]〜[3]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[5]一般式SiOx2y2(0.3<x2<1.5、0.01<y2<0.35)で表わされる原子組成を有し、かつSi−H結合を有する、[1]〜[4]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[6]本質的に炭素を含まない、[1]〜[5]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[7]上記シリコン系ナノ粒子の体積基準平均粒径が10nm〜500nmである、[1]〜[6]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[8]上記シリコン系ナノ粒子を5〜65質量%含有する、[1]〜[7]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[9]赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、820〜920cm−1にあるSi−H結合に由来するピーク1の強度(I)と1000〜1200cm−1にあるSi−O−Si結合に由来するピーク2の強度(I)の比(I/I)が0.01〜0.35の範囲にある、[1]〜[8]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[10]赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm−1付近の(ピーク2−1)の強度(I2−1)と1070cm−1付近のピーク(ピーク2−2)の強度(I2−2)の比(I2−1/I2−2)が1を超える、[1]〜[9]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
[11]上記50%累積質量粒子径分布直径 D50が2.0μm以下である、[1]〜[10]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体。
さらに、本発明の別の態様によれば、以下の二次電池用負極活物質が提供される。
[12][1]〜[11]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体を含む、二次電池用負極活物質。
さらに、本発明の更なる別の態様によれば、以下の二次電池用負極が提供される。
[13][12]に記載の二次電池用負極活物質を含む、二次電池用負極。
さらに、本発明の更なる別の態様によれば、以下の二次電池が提供される。
[14][13]に記載の二次電池用負極を備えた、二次電池。
さらに加えて、本発明の更なる別の態様によれば、以下のケイ素酸化物構造体の製造方法が提供される。
[15]以下の工程(A)及び(B)を含む、[1]から[11]の何れか1つに記載のケイ素酸化物構造体を製造する方法:
(A)pH2.95以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、以下の一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること、
HSi(R) (1)
(式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシにおいて、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。);並びに
(B)上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成することにより、上記ケイ素酸化物構造体を取得すること。
[16]工程(A)において、pH3.0〜7.0の条件で上記ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、[15]に記載の方法。
[17]工程(A)において、pHが3.0以上となるように酸を添加したシリコン系ナノ粒子の分散液に上記ケイ素化合物を添加し、該ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、[15]又は[16]に記載の方法。
[18]上記酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、[17]に記載の方法。
[19]上記酸が、塩酸又は酢酸である、[17]又は[18]に記載の方法。
[20]工程(B)が、非酸化性雰囲気下及び600℃〜900℃の温度で行われる、[15]〜[19]の何れか1つに記載の方法。
[21]上記非酸化性雰囲気が、水素ガス雰囲気、又は2容積%以上の水素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気である、[21]に記載の方法。
[22]上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、一般式SiOx1y1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされる原子組成を有し、上記シリコン系ナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有する、[15]〜[21]の何れか1つに記載の方法。
さらに加えて、本発明の更なる別の態様によれば、以下のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの製造方法が提供される。
[23]以下の工程(A)を含む、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを製造する方法:
(A)pH2.95以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、以下の一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること、
HSi(R) (1)
(式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシにおいて、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。)。
[24]工程(A)において、pH3.0〜7.0の条件で上記ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、[23]に記載の方法。
[25]工程(A)において、pHが3.0以上となるように酸を添加したシリコン系ナノ粒子の分散液に上記ケイ素化合物を添加し、該ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、[23]又は[24]に記載の方法。
[26]上記酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、[25]に記載の方法。
[27]上記酸が、塩酸又は酢酸である、[25]又は[26]に記載の方法。
[28]上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、一般式SiOx1y1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされる原子組成を有し、上記シリコン系ナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有する、[23]〜[27]の何れか1つに記載の方法。
さらに加えて、本発明のさらなる別の態様によれば、以下のシリコン系ナノ粒子含有ポリシルセスキオキサンが提供される。
[29][23]〜[27]の何れか1つに記載の方法により製造したシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
[30]原子組成においてSiとOとを含み、
さらに水素ポリシルセスキオキサンと一次粒子としてシリコン系ナノ粒子(好ましくは体積基準平均粒径が10nm〜500nmであるシリコン系ナノ粒子)とを含み、
上記シリコン系ナノ粒子表面と上記水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有し、
上記シリコン系ナノ粒子が一次粒子として集合した二次集合体が形成されており、
粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満である、
シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
[31]上記50%累積質量粒子径分布直径 D50が2.0μm以下である、[29]又は[30]に記載のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
[32]一般式SiOx1y1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされ、好ましくは上記シリコナノ粒子を5〜65質量%含有する、[29]〜[31]の何れか1つに記載のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
[33]赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm−1付近のピーク(ピーク2−1)の強度(I2−1)と1070cm−1付近のピーク(ピーク2−2)の強度(I2−2)の比(I2−1/I2−2)が1を超える、[29]〜[32]の何れか1つに記載のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン。
本発明によれば、二次電池においてバランスの取れた各種電池特性を発揮でき、かつより高いレベルの容量維持率を確保することが可能となる。
図1は、参考例5で製造したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン(3)及び比較例2で製造した水素シルセスキオキサン重合体(1)について赤外分光法(IR)による測定を行った結果、取得されたIR吸収スペクトルである。 図2は、参考例5で製造したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン(3)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図3は、参考例10、13及び14においてそれぞれ製造したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)、(8)及び(9)、並びに比較例1で製造したシリコンナノ粒子混合ケイ素酸化物(1)について赤外分光法(IR)による測定を行った結果、取得されたIR吸収スペクトルである。 図4は、参考例10で製造したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)のSEM写真である。 図5は、実施例1で製造したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)のSEM写真である[(a):10,000倍、(b):1,000倍]。 図6は、実施例1及び比較例5でそれぞれ製造したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)及び(13)の粒度分布である。 図7は、コイン型のリチウムイオン電池の構成例である。
<ケイ素酸化物構造体>
本発明に係るケイ素酸化物構造体は、原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格と、該ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子とを構成要素として含んでなるものである。
本発明において「原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格」とは、SiとOとで構成されるケイ素酸化物の構造を少なくとも一部に有する化学骨格を意味する。より具体的には、Si−OやSi−O−Siを含む化学骨格が挙げられ、例えば、後述のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン重合物を熱処理又は焼成することで生じるケイ素酸化物構造の骨格をも含む概念である。
さらに、本発明においては「ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子」という用語が示すとおり、シリコン系ナノ粒子が、上記化学骨格に化学的に結合していることにより、全体としてのケイ素酸化物構造体が形成されることになる。ここで、「ケイ素酸化物骨格にシリコン系ナノ粒子が化学的に結合している」とは、シリコン系ナノ粒子の表面をSiとして、例えばSi−O−Siの結合様式でケイ素酸化物骨格に結合している形態が挙げられる。このような化学的な結合は強固であることから、本発明のケイ素酸化物構造体は、当該構造体からシリコン系ナノ粒子が脱落しにくい構造ないし性質を有している。
加えて、本発明のケイ素酸化物構造体においては、シリコン系ナノ粒子が集合した二次集合体が形成されることも、後述の通り好ましい実施形態であるが、特に本発明においてはケイ素酸化物構造体の50%累積質量粒子径分布直径D50が所定の範囲に入るように制御されている。
上述のような構成によれば、第一に、極小の一次粒子(つまり、ナノメートルスケールのシリコン系ナノ粒子)を採用する点、二次電池において充放電を繰り返す際に生じる膨張収縮時の応力が緩和されることになり、サイクル劣化を抑制し、サイクル特性向上の効果が見込める。さらに、上記構成を採用するケイ素酸化物構造体は、一次粒子が集合して形成された二次集合体によるネットワーク構造を有することから、結着剤との結着性が良好となり、さらに優れたサイクル特性を発現することとなる。さらに加えて、本発明のケイ素酸化物構造体は全体として、粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径D50が所定の範囲に制御されていることから、上記の効果に加えてより高いレベルの容量維持率を確保することが可能となる。
上述のとおり、本発明においては、特に二次集合体の粒径が所定の範囲に制御されていることを特徴とする。より具体的には、ケイ素酸化物構造体の粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満となっている。50%累積質量粒子径分布直径 D50がこのような範囲に制御されている結果、二次電池においてより高いレベルの容量維持率を確保することが可能となる。
本発明のケイ素酸化物構造体は、より具体的にはSiOx2y2(0.01<x2<2、0<y2<0.35)で表される原子組成を有する。ここで、y2が0の時は、水素(H)が実質存在しないことを意味する。本発明のケイ素酸化物構造体は、好ましくはSiOx2y2(0.3<x2<1.5、0.01<y2<0.35)で表される原子組成を有する。
上記のような原子組成を有するケイ素酸化物構造体としては、上記構成により特定される範囲であれば、特に限定されるものでもないが、例えば、以下に詳述するシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの製造方法並びにシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼生物の製造方法(以下、両者をまとめて「本発明の製造方法」と云うことがある。)を介して製造されるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼生物が例として挙げられる。以下、本発明の製造方法について具体的な実施形態を示し、本発明に係るケイ素酸化物構造体及び本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法の実施形態と本発明に係るケイ素酸化物構造体の実施形態とは相互に密接に関係するものであり、本発明の製造方法に係る実施形態において採用し得る構成要素は、特に矛盾の無い限りケイ素酸化物構造体の実施形態においても採用し得る。
<シリコン系ナノ粒子含有水素シルセスキオキサン重合物の製造プロセス>
本発明の製造方法は、pH2.95以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、後述のケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること(工程(A))を含む。
(シリコン系ナノ粒子)
まず、上記シリコン系ナノ粒子としては、実質的にシリコンのみからなるシリコンナノ粒子、並びに原子組成にケイ素(シリコン)を含む化合物(例えば、シリカ、シリコン系金属化合物からなる)ナノ粒子を包含する概念である。その粒径(体積基準平均粒径)が、ナノメートルスケールの範囲にあるものであれば使用可能であり、特に限定されるものでもない。最終産物が二次電池の負極材料として用いられ、その負極を二次電池に用いることを考慮すると、上記シリコン系ナノ粒子の体積基準平均粒径(平均粒径)は、例えば10nm〜500nm(又は10nm超かつ500nm未満)、好ましくは30nm〜200nm(又は30nm超かつ200nm)であることが好ましい。このような平均粒径が比較的小さいシリコン系ナノ粒子を用いると、最終的に製造した二次電池においてサイクル劣化が抑制され、優れたサイクル特性を発揮することができるからである。
なお、本明発明において、「体積基準平均粒径」とは、体積基準によって算出される粒径であることを意味し、単に平均粒径と称する場合もある。
加えて、本発明で使用するシリコン系ナノ粒子としては、市販のシリコンナノパウダーを使用することもできる。このようなシリコンナノパウダーは、ケイ素以外の他の成分を含有するものであってもよい。シリコン系ナノ粒子(シリコンナノパウダー)は、例えば、金属類などを含むことができるが、その含有量は、シリコン系ナノ粒子に対して、通常、5質量%未満である。
(ケイ素化合物)
次に、加水分解及び縮合反応の対象となるケイ素化合物について説明する。該ケイ素化合物は、以下の一般式(1)で表される化合物である。
HSi(R) (1)
(式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ基、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ基、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシ基において、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。)。
式(1)で表されるケイ素化合物としては具体的には、下記の化合物等が挙げられる。
例えば、トリクロロシラン、トリフルオロシラン、トリブロモシラン、ジクロロシラン等のトリハロゲン化シランやジハロゲン化シラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−t−ブトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−i−プロポキシシラン、ジ−n−ブトキシエトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、ジエトキシシラン等のトリアルコキシシランやジアルコキシシラン、更にはトリアリールオキシシラン、ジアリールオキシシラン、ジアリールオキシエトキシシラン等のアリールオキシシランまたはアリールオキシアルコキシシランが挙げられる。
これらのうち、良好な反応性、入手の容易性及び安価な製造コストの観点から好ましいのはトリハロゲン化シランまたはトリアルコキシシランであり、特に好ましいのはトリハロゲン化シランである。
上記ケイ素化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記の如きケイ素化合物は、加水分解性および縮合反応性が高く、工程(A)においてそれらを用いると、上記所定のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンが容易に得られる。さらに加えて、後述の本発明によるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の製法における工程(B)において、このようにして得たシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを非酸化性雰囲気下で熱処理する際に、最終的に得られるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物中のSi−H結合の量を制御し易い、という利点もある。
(加水分解及び重縮合反応の条件)
次に、工程(A)における加水分解および重縮合反応の条件について詳しく説明する。
工程(A)においては、例えば、上記所定のpH条件下において、上記ケイ素化合物と上記シリコン系ナノ粒子との混合物を、加水分解させ及び縮合反応させてもよい。あるいは、次のような方法も採用できる。まず、上記シリコン系ナノ粒子の分散液を調製し、この分散液に酸又は塩基を添加することにより分散液のpHを上記所定の範囲内に調整する。次いで、該分散液に上記ケイ素化合物を添加することにより上記ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を進行させることができる。
さらに、上記シリコン系ナノ粒子の分散液としては、シリコン系ナノ粒子と所定の溶媒(後述)との混合物に超音波処理等を施し、該溶媒中にシリコン系ナノ粒子を均一に分散させることにより調製したシリコン系ナノ粒子の分散液を使用することができる。より詳細には、このようにして得たシリコン系ナノ粒子の分散液に、さらに酸又は塩基及び任意に所定の溶媒を添加し、混合することにより上記所定の範囲内にあるpHを示す分散液とすることができる。
さらに具体的には、例えば、水のほか、アルコールやアセトン、ヘキサン、DMF等の有機溶媒、又はこれらの混合溶媒に、シリコン系ナノ粒子を添加すると共に所定の酸を添加し、溶液のpHを上記所定の範囲内に調整した上で、一般式(1)で示されるケイ素化合物を該溶液に添加(例えば、滴下)することで該ケイ素化合物の加水分解および重縮合反応を進行させることができる。さらに、該加水分解および重縮合反応は、常温(室温)で行ってもよいし又は加熱した状態で行ってもよい。
つまり、加水分解後の反応液中には式(1)で表されるケイ素化合物の加水分解物に加えて、酸、水及びその他溶媒並びにこれらに由来する物質を含有していてもよい。
また、加水分解後の反応液中では、最終的に式(1)で表されるケイ素化合物が完全に加水分解されていなくてもよく、その一部が残存していてもよい。
なお、加水分解反応に加えて、加水分解物の重縮合反応も部分的に進行する。
ここで、重縮合反応が進行する程度は、加水分解温度、加水分解時間、酸性度、及び/又は、溶媒等によって制御することができ、例えば、後述するように目的とするシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンに応じて適宜に設定することができる。
本発明においては、その生産性と製造コストを考慮して、加水分解と重縮合反応を一つの反応器内で、同一の条件下に並行して行うことが好ましい。
反応条件としては、撹拌下、上記所定のpH範囲内となるように調整したシリコン系ナノ粒子分散液中に、式(1)で表されるケイ素化合物を添加し、−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜40℃、特に好ましくは10℃〜30℃の温度で、0.5時間〜20時間、好ましくは1時間〜10時間、特に好ましくは1時間〜5時間反応させる。さらに、上記シリコン系ナノ粒子分散液への式(1)で表されるケイ素化合物の添加は、特に限定されるものでもなく、一度に添加してもよいし又は複数回に渡って小量ずつ添加してもよいが、少量ずつ複数回に渡り滴下することにより添加するのが好都合である。
上記シリコン系ナノ粒子分散液(反応液)のpHの下限値については、上述のとおり、約2.95以上であり、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.1以上、3.2以上、3.3以上であり、場合によっては、例えば3.4以上、3.5以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、4.0以上である。pHの上限値については、特に限定されるものでもないが、通常約7.0以下に調整することが好ましく、より好ましくは6.0以下、例えば5.0以下に調整することもできる。
さらに、本発明で採用し得るpHの範囲としては、上記pHの下限値と上限値とを任意に組み合わせたpHの範囲が挙げられ、特に、後述の本発明のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物において、当該焼成物(ケイ素酸化物構造体)の粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3μm以下となるようなpHの範囲を選択できる。pHの範囲としては、例えば、2.95〜7.0、好ましくは3.0〜7.0、より好ましくは3.2〜7.0、さらに好ましくは3.3〜7.0、さらにより好ましくは2.95〜6.0、好ましくは3.0〜6.0、より好ましくは3.2〜6.0が挙げられる。
反応液のpH調整に用いられ得る酸としては、有機酸、無機酸のいずれも使用可能である。
具体的には、有機酸としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸などが例示され、無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが例示される。これらの中でも、加水分解反応およびその後の重縮合反応の制御が容易にでき、コスト安であり、かつ反応後の処理も容易であることから、塩酸及び酢酸を用いることが好ましい。
さらに加えて、通常加水分解溶液は酸性側に調整することが一般であるが、得られるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンやその焼成物において種々の物性を実現させるために、アルカリ側に調整が必要な場合もあることが想定される。その場合、pH調整に用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
また、式(1)で表されるケイ素化合物としてトリクロロシラン等のハロゲン化シランを用いた場合には、水の存在下で酸性水溶液が形成されるので、特に酸を別途加える必要は無く、このような実施形態は、本発明の好ましい実施形態の一つである。
シリコン系ナノ粒子の量は、特に限定されるものでもないが、得られるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンに対して、通常、5質量%〜65質量%になるように配合する。好ましくは、10質量%〜60質量%である。5質量%以上であるとその焼成物をリチウムイオン電池の負極活物質として利用した際、初期充放電効率が高く、シリコン系ナノ粒子と複合化した効果が十分に信頼性良く得られる。加えて、シリコン系ナノ粒子の量が、65質量%以下であると、リチウムイオン電池の負極活物質として利用した場合、複合化している水素シルセスキオキサンの応力緩和により、充放電による負極活物質の膨張収縮率が大きくならず、容量維持率が十分に保持され得る。
本発明の製造方法においては、工程(A)に加えて、加水分解反応および重縮合反応を経てシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成した後、任意に、濾過分離、遠心分離或いは傾斜等の方法により、液体画分を分離及び除去し、得られた固形画分をシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンとする工程を設けてもよい。このような固形分と液体との分離方法は、各種汎用技術が当業者に知られているので、適宜それらを用いることができる。さらに、場合によっては、取得した固形画分を水洗浄あるいは有機溶剤洗浄し、乾燥する工程を設けてもよい。
<シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの構造>
上記の如く得られたシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの組成は、元素分析により測定すると、ケイ素(Si)、酸素(O)及び水素(H)を含有しており、一般式SiOx1y1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表される。さらに、当該シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、本質的に炭素を含まない。さらに加えて、上記のとおり、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの生成反応においては、pHを制御することによりシリコン系ナノ粒子の過度な凝集を抑制していることから、シリコン系ナノ粒子が凝集して形成される二次凝集物の粒径が比較的小さいことが、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の走査型電子顕微鏡写真(図2、4及び5)及び対応する実施例の粒径解析結果から推測される。
さらに、一般式SiOx1y1において0.25<x1<1.35、好ましくは0.28<x1<1.3の範囲にあるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成することにより、十分な電池容量で、初期充放電効率とサイクル容量維持率のバランスのとれた優れた充放電特性を持った焼成体(負極活物質)が得ることができる。さらに加えて、0.16<y1<0.90、好ましくは0.16<y1<0.86の範囲であれば、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの焼成物を用いて得られる二次電池が、優れた充放電容量と容量維持率が向上した良好なサイクル特性を有する。
さらに、本発明のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、以下の参考例において赤外分光法により測定したスペクトルを考慮すると、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm−1付近のピーク2−1の強度(I2−1)と、1070cm−1付近のピーク2−2の強度(I2−2)の比(I2−1/I2−2)が1を超えるものと思料される。上記ピーク強度比が1を超えることは、内部に存在するシリコン系ナノ粒子と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有していることを示唆すものであり、この化学的結合の存在により、充放電サイクル時のシリコン粒子膨張収縮によって引き起こされる粒子崩壊が抑制されると推察される。
かくして得られたシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、図2及び4に示すSEM写真からすると、粒径がサブミクロンの球状粒子である一次粒子が凝集することにより、粒径が数ミクロンの二次凝集物を形成していることが認められる。さらに加えて、図5に示すシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物のSEM写真を考慮すると、本発明のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンにおける二次凝集物の粒径は、特願2016−129861及び特願177641に開示されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン(以下、参考例で合成したもの)における二次凝集物の粒径よりも小さいものと思料される。
さらに、一次粒子が小さいことで、このシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの焼成物をリチウムイオン電池等の二次電池の負極材料として用いた場合に、充放電を繰り返す際に生じる膨張収縮時の応力が緩和されることにより、サイクル劣化を抑制するサイクル特性向上に効果がある。また、複雑な二次構造を持つことで結着剤との結着性が良好となり、さらに優れたサイクル特性を発現する。
<シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物及びその製造方法>
次に、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成して得られるリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物について説明する。
本発明のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の製造方法は、上記工程(A)に加えて、工程(B)として、上記のように製造したシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成することにより、以下、本発明における「ケイ素酸化物構造体」の一形態であるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物を取得することを含む。
即ち、工程(B)において取得されるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物は、冒頭で述べたとおり以下のような構成で特定される。
(i)原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格と、該ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子とを構成要素として含んでなること;
(ii)粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満であること。
工程(B)においては、上述の工程(A)により取得したシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを、例えば、非酸化性雰囲気下で熱処理することにより得られる。
本発明において、「非酸化性雰囲気」とは、ケイ素酸化物構造体が上記条件(i)〜(iii)を満たすように、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを熱処理する際に二酸化ケイ素の生成が制御される雰囲気であれば足りる。より具体的には、「非酸化性雰囲気」とは、実質的には、ケイ素酸化物構造体が上記条件(i)〜(iii)を満たす程度に酸素が除去されている雰囲気であればよいことを意味する。さらに加えて、この場合においては、I/Iの値が、以下記載の所定の範囲内に入るようことが好ましい。
ここで、Iとは、820〜920cm−1にありかつSi−H結合に由来するピーク1の強度(I)を言う。加えて、Iとは、1000〜1200cm−1にありかつSi−O−Si結合に由来する強度(I)を言う。このような特に好ましい実施形態においては、製造されるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の原子組成を分析すると、ケイ素(Si)、酸素(O)及び水素(H)を含有しており、一般式SiOx2y2(0.3<x2<1.5、0.01<y2<0.35)で表示され、本質的に炭素を含まないものとなる。
ケイ素酸化物構造体(焼成物)においては、0.3<x2<1.5、好ましくは0.4<x2<1.0の範囲であれば、十分な電池容量で、初期充放電効率とサイクル容量維持率とのバランスがとれ、かつ優れた充放電特性を持った負極活物質を実現することができる。ケイ素酸化物構造体(焼成物)において、0.01<y2<0.35、好ましくは0.01<y2<0.3の範囲であれば、得られる二次電池が、優れた充放電容量と容量維持率が向上した良好なサイクル特性を有する。
さらに、ケイ素酸化物構造体(焼成物)は、赤外分光法(IR)により測定したスペクトルにおいて、820〜920cm−1にありかつSi−H結合に由来するピーク1の強度(I)と1000〜1200cm−1にありかつSi−O−Si結合に由来するピーク2の強度(I)の比(I/I)が0.01から0.35の範囲にあることが好ましい。
ケイ素酸化物構造体(焼成物)の上記のピーク1の強度(I)とピーク2の強度(I)の比(I/I)は、より好ましくは0.01から0.30、さらに好ましくは0.03から0.20の範囲にあれば、適量のSi−H結合の存在により、リチウムイオン電池の負極活物質とした場合に高い放電容量、良好な初期充放電効率およびサイクル特性を発現させることができる。
さらに、ケイ素酸化物構造体(焼成物)は、赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm−1付近のピーク2−1の強度(I2−1)と1070cm−1付近のピーク2−2の強度(I2−2)の比(I2−1/I2−2)が1を超えることが好ましい。上記ピーク強度比が1を超えることは、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物内部に存在するシリコン系ナノ粒子と水素ポリシルセスキオキサン由来のケイ素酸化物構造体の骨格との間に化学的な結合を有していることを示唆すものであり、この化学的結合の存在により、充放電サイクル時のシリコン粒子膨張収縮によって引き起こされる粒子崩壊が抑制されると推察される。
工程(A)において取得したシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの熱処理は、上述の通り、非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。酸素が存在する雰囲気下で熱処理を行うと二酸化ケイ素が生成することにより、所望の組成とSi−H結合量が得られないおそれがある。
非酸化性雰囲気としては、不活性ガス雰囲気、高真空により酸素を除去した雰囲気(目的とするシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の生成を阻害しない程度に酸素が除去されている雰囲気であればよい)、還元性雰囲気およびこれらの雰囲気を併用した雰囲気が包含される。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。これらの不活性ガスは、一般に使用されている高純度規格のものであれば問題なく使用できる。また、不活性気体を用いることなく、高真空により酸素を除去した雰囲気でもよい。還元性雰囲気としては、水素などの還元性ガスを含む雰囲気が包含される。例えば、2容積%以上の水素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気が挙げられる。また、還元性雰囲気として、水素ガス雰囲気も使用することができる。
本発明において、非酸化性雰囲気下で熱処理をすることにより、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは600℃近辺からSi−H結合の脱水素が始まり、Si−Si結合が生成し、水素ポリシルセスキオキサン由来の特徴的なケイ素酸化物構造が形成される。この熱処理を行っても、シリコン系ナノ粒子と水素ポリシルセスキオキサンの間の化学的な結合は保持される。熱処理後に水素ポリシルセスキオキサン由来のケイ素酸化物構造が存在することは、後述の赤外分光法による測定などより知ることができる。Si−Si結合は適度に成長させると優良なLi吸蔵サイトとなり高充電容量の源となる。一方でSi−H結合は公知の電池材料成分である、COO基のような官能基を持った結着剤と相互に作用し、柔軟かつ強固な結合を形成するため、電池にした場合、良好なサイクル特性を発現する。
したがって、高容量と良好なサイクル特性を共に発現させるには適量のSi−H結合を残存させることが必要となり、そのような条件を満足させる熱処理温度は通常600℃から1000℃、好ましくは750℃から900℃である。600℃未満ではSi−H結合が多すぎ、放電容量が十分でなく、1000℃を超えるとSi−H結合が消失してしまうため良好なサイクル特性が得られなくなり、さらに表面に強固なSiO層が発達し、リチウムの挿入脱離を阻害するため容量が発現しにくくなる傾向が見られる。
熱処理時間は、特に限定されないが通常30分から10時間、好ましくは1から8時間である。
上記の熱処理の条件を適宜調整することにより、本発明のケイ素酸化物構造体の一形態であるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物が得られる。すなわち、熱処理により取得されるケイ素酸化物構造体が、原子組成においてSiとOを含むように熱処理条件を適宜調整すればよい。さらに、好ましくは、熱処理により取得されるケイ素酸化物構造体がSiOx2y2(0.01<x2<2、好ましくは0.3<x2<1.5、より好ましくは0.4<x2<1.0;並びに0<y2<0.35、好ましくは0.01<y2<0.35、より好ましくは0.01<y2<0.3)の原子組成を有するように熱処理条件を適宜調整すること好ましい。加えて、特に好ましくは、熱処理により取得されるケイ素酸化物構造体が、これらの原子組成を有すると共に、赤外分光法により測定されるピーク1の強度(I)とピーク2の強度(I)との比(I/I)が0.01〜0.35、好ましくは0.01〜0.30、0.03〜0.20の範囲に入るように熱処理条件を適宜選択するとよい。ケイ素酸化物構造体の原子組成及び/又はピーク比I/Iがこのような所定の範囲にある場合、より高い電池容量が確保され、さらに初期充放電効率とサイクル容量維持率のバランスのとれた優れた充放電特性を示す負極活物質を信頼性良く取得することができるからである。
かくして得られた本発明のシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物、即ちケイ素酸化物構造体は、その形状として本発明の合成法によって得られたシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを熱処理して得られることから、図5に示したSEM写真から明らかなように、粒径がサブミクロンの球状粒子である一次粒子が集合した二次集合体が観察され得る。このような二次集合体の粒度又は粒径は、ナノメートルスケールものから数ミクロン程度のものが観察され得る。より具体的には、本発明のケイ素酸化物構造体においては、SEM観察により、3.0μm未満の粒度又は粒径の二次集合体が観察され、より好ましくは2.9μm以下、2.6μm以下、2.5μm以下、より好ましくは2.4μm以下、更により好ましくは2.3μm以下、2.2μm以下、2.1μm以下、2.0μm以下、1.9μm以下、1.8μm以下の粒度又は粒径の二次集合体が観察され得る。
そして、特に本発明の製法において、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの生成する際に反応条件の1つであるpHを上記所定の範囲に制御することにより、一次粒子であるシリコン系ナノ粒子の凝集が一定程度抑制され、その結果、一次粒子の凝集体である二次凝集物の粒径増大も同様に一定程度抑制される。その結果、最終プロダクトのシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(ケイ素酸化物構造体)においては、粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満となる。
ここで、上記50%累積質量粒子径分布直径 D50は、好ましくは、2.9μm以下、2.6μm以下、2.5μm以下、より好ましくは2.4μm以下、更により好ましくは2.3μm以下、2.2μm以下、2.1μm以下、2.0μm以下、1.9μm以下、1.8μm以下である。
上記50%累積質量粒子径分布直径 D50が、上記のような範囲であると、二次電池においてより高いレベルでサイクル劣化が抑制され、サイクル特性向上が一層見込める。
なお、50%累積質量粒子径分布直径 D50の下限は、本発明においては粒径がナノメートルスケールであるシリコン系ナノ粒子を用いることに鑑みれば、同シリコン系ナノ粒子による凝集ないし集合により自ずと決まるものであり、上記上限を超えることが無い限り所望の効果も得られることから、特に限定されるものでもない。例えば、該下限としては、300nm以上、400nm以上、500nm以上、600nm以上、700nm以上、800nm以上、900nm以上、1.0μm以上が挙げられる。
さらに、二次集合体の粒度が一定範囲に制御されていることに加えて、上記の通り、本発明におけるシリコン系ナノ粒子の一次粒子はナノメートルスケールであることから、負極材料として二次電池において利用した場合に、充放電を繰り返す際に生じる膨張収縮時の応力がより一層緩和されるので、二次集合体の粒度のみならず、一次粒子の粒径も、サイクル劣化の抑制及びサイクル特性向上に寄与する。
さらに加えて、上記の如き複雑な二次構造を持つことで結着剤との結着性が良好となり、さらに優れたサイクル特性を発現するとも云える。
<ケイ素酸化物構造体を含む負極活物質>
次に、ケイ素酸化物構造体(具体的には上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物)を含む、負極活物質について説明する。
電池は、高容量化し、大電流で充放電する事が求められていることから、電極の電気抵抗が低い材料が要求されている。
したがって、上記ケイ素酸化物構造体に炭素系物質を複合又は被覆させることも本発明の一態様である。
炭素系物質を複合又は被覆させるには、メカノフュージョンやボールミルあるいは振動ミル等を用いた機械的混合法等により、上記ケイ素酸化物構造体と炭素系物質を分散させる方法が挙げられる。
炭素系物質としては、黒鉛、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノフォーム、ピッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル系炭素繊維および無定形炭素などの炭素系物質が好ましく挙げられる。
なお、上記ケイ素酸化物構造体と炭素系物質とは任意の割合で複合又は被覆できる。
<負極>
本発明に係る二次電池用負極は、ケイ素酸化物構造体(具体的には上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物)又は上記炭素系物質を複合若しくは被覆させたケイ素酸化物構造体を含む負極活物質を用いて製造されるものである。
例えば、負極は、上記負極活物質及び任意に結着剤を含む負極混合材料を、一定の形状に成形する方法、又は該負極混合材料を銅箔などの集電体に塗布させる方法に基づいて製造してもよい。負極の成形方法は、特に限定なく任意の方法を用いればよく、各種公知の方法を用いてもよい。
より詳しくは、例えば、まず、上記ケイ素酸化物構造体又は炭素系物質を複合若しくは被覆させたケイ素酸化物構造体を含む負極活物質、並びに任意に結着剤及導電材料等の各種添加剤を含む二次電池負極用組成物を調製する。調製した二次電池負極用組成物を、銅、ニッケル、ステンレスなどを主体とする棒状体、板状体、箔状体、網状体などの集電体に直接コーティングしてもよい。あるいは、上記二次電池負極用組成物を別途、支持体上にキャスティングし、その支持体上に形成された負極活物質フィルムを剥離し、剥離した負極活物質フィルムを集電体にラミネートして負極極板を形成してもよい。なお、上記の形態はあくまでも例示であり、本発明の負極は、これらに限定されるものではなく、その他の形態として提供され得ることは言うまでもない。
結着剤としては、二次電池において一般的に使われるもので、負極活物質上のSi−H結合と相互作用のある、COO基のような官能基を持ったものであれば、いずれも使用可能である。具体的には、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、アルギン酸、グルコマンナン、アミロース、サッカロース及びその誘導体や重合物、さらに夫々のアルカリ金属塩の他、ポリイミド樹脂やポリイミドアミド樹脂が例示される。これら結着剤は単独で使用してもよいし、二種以上の混合物であってもよい。
さらに、結着剤に加えて、例えば、集電体と負極活物質との結着性を向上させ、不許核物質の分散性を改善し、結着剤自体の導電性を向上させる等の別機能を付与し得る添加剤を必要に応じて添加することもできる。このような添加剤の具体例としては、スチレン−ブタジエン・ゴム系ポリマー、スチレン−イソプレン・ゴム系ポリマー等が挙げられる。
<二次電池>
本発明に係る二次電池は、所望の用途や機能等を考慮し、適宜に設計すればよく、その構成は特に限定されるものでもないが、既存の二次電池の構成を参考に、本発明に係る負極を用いて二次電池を構成することができる。加えて、本発明の二次電池のタイプとしては、本発明の負極が適用できるものであれば特に限定されるものでもないが、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池が挙げられる。これら電池は、以下の実施例において実証されるとおり、本発明の所望の効果が発揮され得ることから、特に好ましい実施形態と言える。
以下、リチウムイオン電池の製造方法及び構成を例示する。
まず、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出可能な正極活物質、導電助剤、結着剤及び溶媒を混合して正極活物質組成物を準備する。上記正極活物質組成物を負極と同様、各種手法を用いて金属集電体上に直接コーティング及び乾燥し、正極板を準備する。
上記正極活物質組成物を別途、支持体上にキャスティングし、この支持体上に形成されたフィルムを剥離し、同フィルムを金属集電体上にラミネートして正極を製造することも可能である。正極の成形方法は、特に限定されるものではないが、各種公知の手法を用いて形成することができる。
上記正極活物質としては、当該二次電池の分野で一般的に使われるリチウム金属複合酸化物を用いることができる。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、スピネル構造を持ったマンガン酸リチウム、コバルトマンガン酸リチウム、オリビン構造を持ったリン酸鉄、いわゆる三元系リチウム金属複合酸化物、ニッケル系リチウム金属複合酸化物など挙げられる。また、リチウムイオンの脱−挿入が可能な化合物であるV、TiS及びMoSなども使用することができる。
導電助剤を添加してもよく、リチウムイオン電池で一般的に使用されるものを利用することができる。製造された電池において分解又は変質を起こさない電子伝導性材料であることが好ましい。具体例としては、カーボンブラック(アセチレンブラック等)、黒鉛微粒子、気相成長炭素繊維、及びこれらの二種以上の組み合わせなどが挙げられる。また、結着剤としては、例えば、フッ化ビニリデン/六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリ四フッ化エチレン及びその混合物、スチレンブタジエン・ゴム系ポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものでない。また、溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、アセトン、水などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この時、正極活物質、導電助剤、結着剤及び溶媒の含有量は、特に限定されるものでもないが、リチウムイオン電池で一般的に使用される量を目安に適宜選択することができる。
正極と負極との間に介在するセパレータとしては、リチウムイオン電池で一般的に使われるものを利用すればよいが、特に限定されるものでもなく、所望の用途や機能等を勘案の上、適宜選択すればよい。電解質のイオン移動に対して低抵抗であるか、又は電解液含浸能に優れるものが好ましい。具体的には、ガラスファイバー、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、あるいはその化合物のうちから選択された材質であって、不織布または織布の形態でもよい。
より具体的には、リチウムイオン電池の場合には、ポリエチレン、ポリプロピレンのような材料からなる巻き取り可能なセパレータを使用し、リチウムイオンポリマー電池の場合には、有機電解液含浸能に優れたセパレータを使用する事が好ましい。
電解液としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ブチレンカーボネート、ジブチルカーボネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、スルフォラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンまたは、ジエチルエーテルなどの溶媒またはそれらの混合溶媒に、六フッ化リンリチウム、四フッ化ホウ素リチウム、六アンチモンリチウム、六フッ化ヒ素リチウム、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、Li(CFSON、LiCSO、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(C2x+1SO)(C2y+1SO)(ただし、xおよびyは自然数)、LiCl、LiIのようなリチウム塩からなる電解質のうち一種またはそれらを二種以上混合したものを溶解したものを使用できる。
また、それ以外の種々の非水系電解質や固体電解質も使用できる。例えば、リチウムイオンを添加した各種イオン液体、イオン液体と微粉末を混合した擬似固体電解質、リチウムイオン導電性固体電解質などが使用可能である。
更にまた、充放電サイクル特性を向上させる目的で、上記の電解液に、負極活物質表面に安定な被膜形成を促進する化合物を適宜含有させることもできる。例えば、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロベンゼン、環状フッ素化カーボネート〔フルオロエチレンカーボネート(FEC)、トリフルオロプロピレンカーボネート(TFPC)、など〕、または、鎖状フッ素化カーボネート〔トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)、トリフルオロジエチルカーボネート(TFDEC)、トリフルオロエチルメチルカーボネート(TFEMC)など〕などのフッ素化カーボネートが効果的である。なお、上記環状フッ素化カーボネートおよび鎖状フッ素化カーボネートは、エチレンカーボネートなどのように、溶媒として用いることもできる。
上述のような正極極板と負極極板との間にセパレータを配して電池構造体を形成する。係る電池構造体をワインディングするか、または折りたたんで円筒形電池ケース、または角型電池ケースに入れた後、電解液を注入すればリチウムイオン電池が完成する。
また、上記電池構造体をバイセル構造に積層した後、これを有機電解液に含浸させ、得られた物をパウチに入れて密封すれば、リチウムイオンポリマー電池が完成する。
本発明に係るケイ素酸化物構造体の中でも、従来の一般的なケイ素酸化物の原子組成とは対照的に、図3に示されるように、赤外分光法(IR)により測定したスペクトルにおいて、820〜920cm−1にあるSi−H結合に由来するピーク1の強度(I)と1000〜1200cm−1にあるSi−O−Si結合に由来するピーク2の強度(I)の比(I/I)が0.01から0.35の範囲にあり、また、表1の元素分析値から導きだされるとおり、一般式SiOx2y2(0.3<x2<1.5、0.01<y2<0.35)で表される原子組成を有するものは特に好ましい。これらのパラメータにより特定されるケイ素酸化物構造体を利用した二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池)は、特に高い電池容量を確保し、かつ良好な初期充放電効率及びサイクル特性を示すため、係る二次電池の実施形態は特に好ましい。
さらに、本発明に係るケイ素酸化物構造体の中でも、赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm−1付近のピーク2−1の強度(I2−1)と1070cm−1付近のピーク2−2の強度(I2−2)の比(I2−1/I2−2)が1を超えるものも、特に好ましい。このピーク比の範囲により特定されるケイ素酸化物構造体を利用した二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池)も、特に高い電池容量を確保し、かつ良好な初期充放電効率及びサイクル特性を示すため、係る二次電池の実施形態は特に好ましい。なお、上記焼成物のピーク比の特徴は、前駆体であるシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンについて同じである。即ち、熱処理を行っても、シリコン系ナノ粒子とケイ素酸化物構造体との結合は維持されるため、上記ピーク比を有するシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、熱処理後もI2−1/I2−2>1の状態も維持される。
このようなシリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物においては、シリコン系ナノ粒子が、熱処理前の水素ポリシルセスキオキサンに由来するケイ素酸化物構造を介して互いに化学的かつ強固に結合(例えば、Si−O−Si結合)している。その結果、一次粒子のシリコン系ナノ粒子がネットワーク構造を形成し、一次粒子が集合した二次集合体を形成している。
上記ネットワーク構造において、シリコン系ナノ粒子を除くケイ素酸化物構造の部分(即ち、シリコン系ナノ粒子を繋ぐ骨格部分)は、シリコン系ナノ粒子の膨張収縮に対する緩衝層の役割を果たし、その結果充放電の繰り返しの際に発生するシリコン系ナノ粒子の微細化を抑制しているものと推察される。
そして、本発明においては、上記酸化物構造体における粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径D50が3.0μm未満に制御されていることから、以下の実施例に示されるとおり、より高いレベルの容量維持率を確保することが可能となる。
なお、「シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物」について記載した上記構成は、「シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物」の概念にのみ限定されるものではなく、特に矛盾の無い限り上位概念である「ケイ素酸化物構造体」において広く採用され得るものである点留意されたい。即ち、それら「ケイ素酸化物構造体」の実施形態も本明細書に実質的に記載されるものである。
以下、参考例、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
参考例、実施例および比較例において調製した試料のいくつかについて、各種分析・評価を行った。
各参考例、実施例及び比較例における「赤外分光法測定」、「元素分析測定」及び「粒度分布測定」の測定装置/測定方法、並びに「電池特性の評価」は、以下のとおりである。
(赤外分光法測定)
赤外分光法測定は、赤外分光装置として、Thermo Fisher Scientific製 Nicolet iS5 FT−IRを用いて、KBr法による透過測定(分解能4cm−1、スキャン回数16回、データ間隔 1.928cm−1、検出器 DTGS KBr)にて、1000〜1200cm−1にあるSi−O−Si結合に由来するピーク2の強度(I)を測定した。なお、各々のピーク強度は、対象のピークの始点と終点を直線で結び、部分的にベースライン補正を行った後、ベースラインからピークトップまでの高さを計測して求めた。Si−O−Si結合に由来するピークは、2箇所に存在するため、ピーク分離を行いピーク位置が1170cm−1付近のピークの強度をI2−1、1070cm−1付近のピークの強度をI2−2とし、2ピークのうち高強度なピークの強度をIと規定した。
(元素分析)
元素組成分析については、試料粉末をペレット状に固めたのち、2.3MeVに加速したHeイオンを試料に照射し、後方散乱粒子のエネルギースペクトル、及び前方散乱された水素原子のエネルギースペクトルを解析することにより水素を含めた確度の高い組成値が得られるRBS(ラザフォード後方散乱分析)/HFS(水素前方散乱分析)法により行った。測定装置はNational Electrostatics Corporation製 Pelletron 3SDHにて、入射イオン:2.3MeV He、RBS/HFS同時測定時入射角:75deg.、散乱角:160deg.、試料電流:4nA、ビーム径:2mmφの条件で測定した。
(粒度分布の測定)
以下の実施例1及び2並びに比較例4〜8においては、調製したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)〜(16)について粒度分布を測定し、特に粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50を算出した。粒度分布の測定方法は以下の通りである。調製したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物を少量ビーカーに取り、水および0.5%トリトンX−100水溶液を数滴加え、株式会社日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−150を用いて3分間分散処理して測定用サンプルを調製した。この測定用サンプルを、マイクロトラック・ベル株式会社製レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置MT3300IIを用いて測定した。
(走査型電子顕微鏡による観察)
株式会社キーエンス製 VE−9800または株式会社日立ハイテクノロジーズ製SU−90を用い、任意の加速電圧で測定した。
(電池特性の評価)
所定の実施例又は比較例の試料を含有する負極活物質を用いてリチウムイオン電池を作製し、電池の充放電特性を、次のようにして測定した。
株式会社ナガノ製BTS2005Wを用い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物1g当たり、100mAの電流で、Li電極に対して0.001Vに達するまで定電流充電し、次に0.001Vの電圧を維持しつつ、電流が活物質1g当たり20mA以下の電流値になるまで定電圧充電を実施した。
充電が完了したセルは、約30分間の休止期間を経た後、活物質1g当たり100mAの電流で電圧が1.5Vに達するまで定電流放電を行った。
また、充電容量は、定電圧充電が終了するまで積算電流値から計算し、放電容量は、電池電圧が1.5Vに到達するまでの積算電流値から計算し、初回の放電容量を初回の充電容量で除した値を100分率で表したものを初期充放電効率とした。各充放電の切り替え時には、30分間、開回路で休止した。
充放電サイクル特性についても同様の条件で行った。
なお、充放電効率は、初回(充放電の第1サイクル目)の充電容量に対する放電容量の比率とした。また、容量維持率は、参考例2〜12及び比較例1〜5については、初回の放電容量に対する、充放電50回目のサイクルにおける放電容量の比率とし、実施例1及び2並びに比較例4〜8については、初回の放電容量に対する、充放電100回目のサイクルにおける放電容量の比率とした。
[参考例1]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(1)の調製)
50mlビーカーに純水20gとシリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))1.92gを入れ、超音波洗浄機にてシリコンナノ粒子分散水溶液を調製した。500mlの三つ口フラスコに、このシリコン微粒子分散液と36重量%濃度の塩酸2.43g(24mmol)及び純水218.6gを仕込み、室温にて10分攪拌してシリコンナノ粒子を全体に分散させ、撹拌下にトリエトキシシラン(東京化成工業社製)45g(274mmol)を25℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら25℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
反応時間経過後、反応物をメンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)にてろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(1)(参考例1)16.4gを得た。
[参考例2]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)の調製)
参考例1のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(1)10.0gをSSA−Sグレードのアルミナ製ボートにのせた後、該ボートを真空パージ式チューブ炉 KTF43N1−VPS(光洋サーモシステム社製)にセットし、熱処理条件として、アルゴンガス雰囲気下(高純度アルゴンガス99.999%)にて、アルゴンガスを250ml/分の流量で供給しつつ、4℃/分の割合で昇温し、900℃で1時間焼成することで、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの焼成物を得た。
次いで、得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物を乳鉢にて5分間解砕粉砕し、目開き32μmのステンレス製篩を用いて分級することにより最大粒子径が32μmであるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)9.58gを得た。
(負極の作製)
カルボキシメチルセルロースの2重量%水溶液20g中に、上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)3.2gと0.4gのデンカ株式会社製アセチレンブラックを加え、フラスコ内で攪拌子を用いて15分間混合した後、固形分濃度が15重量%となるよう蒸留水を加え、さらに15分間撹拌してスラリー状組成物を調製した。このスラリー状組成物をプライミックス社製の薄膜旋回型高速ミキサー(フィルミックス40−40型)に移し、回転数20m/sで30秒間、撹拌分散を行った。分散処理後のスラリーを、ドクターブレード法により、銅箔ロール上にスラリーを200μmの厚さにて塗工した。
塗工後、80℃のホットプレートにて90分間乾燥した。乾燥後、負極シートを2t小型精密ロールプレス(サンクメタル社製)にてプレスした。プレス後、φ14.50mmの電極打ち抜きパンチHSNG−EPにて電極を打ち抜き、ガラスチューブオーブンGTO―200(SIBATA)にて、80℃で、16時間減圧乾燥を行い、負極を作製した。
(リチウムイオン電池の作製及び評価)
図7に示す構造の2032型コイン電池を作製した。負極1として上記負極体、対極3として金属リチウム、セパレータ2として微多孔性のポリプロピレン製フィルムを使用し、電解液としてLiPF6を1モル/Lの割合で溶解させたエチレンカーボネートとジエチルカーボネート1:1(体積比)混合溶媒にフルオロエチレンカーボネートを5重量%添加したものを使用した。
次いで、リチウムイオン電池の電池特性の評価を既述の方法で実施した。
[参考例3]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(2)の調製)
500mlビーカーに純水200gとシリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、<100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))19.2gを入れ、超音波洗浄機にてシリコンナノ粒子分散水溶液を調製した。3lのセパラブルフラスコに、このシリコンナノ粒子分散液と36重量%濃度の塩酸12.2g(120mmol)及び純水0.94kg、室温にて10分攪拌してシリコンナノ粒子を全体分散させ、撹拌下にトリメトキシシラン(東京化成工業社製)167g(1.37mol)を25℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら25℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
反応時間経過後、反応物をメンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)にてろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(2)(参考例3)95.2gを得た。
[参考例4]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(2)の調製)
参考例3のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(2)を用いて、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(2)を調製した。
(負極の作製、リチウムイオン電池の作製及び評価)
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(2)を用いて、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様にして、負極体を作製し、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。
[参考例5]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(3)の調製)
シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの調製において、シリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))仕込み量を、77.0gに変えた以外は、参考例3と同様の手順で、調製を行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(3)(参考例5)153gを得た。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(3)(参考例5)の赤外分光スペクトルを図1に、SEM写真を図2に示す。
[参考例6]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(3)の調製)
参考例5のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(3)を用いて、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(3)を調製した。
(負極の作製、リチウムイオン電池の作製及び評価)
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(3)を用いて、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極の作製を行い、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。
[参考例7]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(4)の調製)
シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの調製において、縮合触媒として36重量%濃度の塩酸12.2g(120mmol)を代わりに、酢酸(和光特級試薬)7.2g(120mmol)を用いた以外は参考例5と同様の手順で調製を行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(4)(参考例7)95.4gを得た。
[参考例8]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(4)の調製)
参考例4のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(4)を用いて、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(4)を調製した。
(負極の作製、リチウムイオン電池の作製及び評価)
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(4)について、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極体を作製し、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。
[参考例9]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)の調製)
100mlビーカーに純水50gとシリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))6.63gを入れ、超音波洗浄機にてシリコンナノ粒子分散水溶液を調製した。500mlの三つ口フラスコに、このシリコンナノ粒子分散液と純水46gを仕込んで10分間攪拌した後、フラスコ内を窒素にて置換した。続いてフラスコを氷冷しながら、撹拌下にトリクロロシラン16.0g(118mmol)を20℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら20℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
反応時間経過後、メンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)を用いて反応物をろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)(参考例9)12.6gを得た。
[参考例10]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)の調製)
参考例9のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)を用いて、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)を調製した。
(負極の作製、リチウムイオン電池の作製及び評価)
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)を用いて、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極を作製し、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(5)(参考例10)の赤外分光スペクトルを図3に、SEM写真を図4に示す。
[参考例11]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(6)の調製)
上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)10.0gを用い、供給ガスをアルゴン−水素混合ガス(水素ガス濃度:10容積%)にしたこと以外は、参考例2と同様の方法で、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(6)9.83gを得た。
(負極の作製、リチウムイオン電池の作製及び評価)
該シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(6)について、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極体の作製を行い、それを備えたリチウムイオン二次電池の電池特性を評価した。
[参考例12]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(7)の調製)
上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(5)10.0gを用い、焼成温度を800℃にしたこと以外は、参考例2と同様に焼成物の調製を行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(7)9.81gを得た。
(負極の作製、リチウムイオン電池の作製及び評価)
該シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(7)について、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極体の作製を行い、それを備えたリチウムイオン二次電池の電池特性を評価した。
[比較例1]
(シリコンナノ粒子複合ケイ素酸化物(1)の調製)
市販の一酸化珪素(アルドリッチ社製 under325mesh)を20μmのステンレス製篩を用いて分級することにより最大粒子径が20μmである一酸化ケイ素粉末を得た。該20μm以下の一酸化珪素10.0gを、シリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、体積基準平均粒径<100nm(100nm未満))6.37gとジルコニア製の容器とジルコニア製ボールを用いて遊星ボールミルにて10分間ボールミリング処理混合し、シリコンナノ粒子混合ケイ素酸化物(1)を得た。得られたシリコンナノ粒子混合ケイ素酸化物(1)の赤外分光スペクトルを図3に示す(図3では比較例1と表記する)。次に、該シリコンナノ粒子混合ケイ素酸化物(1)にカルボキシメチルセルロースの2重量%水溶液5gを加え、ジルコニア製の容器とジルコニア製ボールを用いて遊星ボールミルにて2時間ボールミリング処理を行い、真空乾燥機にて100℃で8時間乾燥して水分を除去してシリコンナノ粒子複合ケイ素酸化物(1)(比較例1)を得た。
(負極の作製)
比較例1のシリコンナノ粒子複合ケイ素酸化物(1)を用いた以外は、参考例2と同様に行い負極体を作製した。
(リチウムイオン電池の作製及び評価)
負極体として、上記シリコンナノ粒子複合ケイ素酸化物(1)から作製された負極を用いた以外は、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様にしてリチウムイオン電池を作製し、それを備えた電池特性を評価した。
[比較例2]
(水素シルセスキオキサン重合体(1)の調製)
3lのセパラブルフラスコに、36重量%濃度の塩酸12.2g(120mmol)及び純水1.19kgを仕込み、撹拌下にトリメトキシシラン(東京化成工業社製)167g(1.37mol)を25℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら25℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
反応時間経過後、反応物をメンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)にてろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、水素シルセスキオキサン重合体(1)(比較例2)76.0gを得た。
[比較例3]
(水素シルセスキオキサン重合体焼成物(1)の調製)
比較例2の水素シルセスキオキサン重合体(1)を用いて、参考例2と同様の方法で、水素シルセスキオキサン重合体焼成物(1)の調製を行った。
(負極の作製、リチウムイオン電池の作製及び評価)
得られた水素シルセスキオキサン重合体焼成物(1)について、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に負極を作製し、それを備えたリチウムイオン電池の電池特性を評価した。
[参考例13]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)の調製)
焼成物の調製において、熱処理における焼成温度を1100℃にしたこと以外は、参考例2と同様に行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)を得た。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)(参考例13)の赤外分光測定の結果を図3に示す。
(負極体の作製)
シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)を用いた以外は、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様に行い負極体を作製した。
(リチウムイオン二次電池の作製及び評価)
負極体として、上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(8)から作製された負極体を用いた以外は参考例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、電池特性を評価した。
[参考例14]
(シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(9)の調製)
焼成物の調製において、熱処理における焼成温度を500℃にしたこと以外は、参考例2と同様に行い、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(9)を得た。
得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(9)(参考例14)の赤外分光測定の結果を図3に示す。
(負極体の作製、リチウムイオン電池の作製及び評価)
上記シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(9)を用いた以外は、参考例2のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(1)を用いたときと同様にしてリチウムイオン二次電池を作製し、電池特性を評価した。
Figure 0006986201
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[結果]
上記各参考例1〜14及び比較例1〜3の結果によると、適量のSi−H結合を有しシリコンナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有し、かつ新しい構造を有する、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン並びにこれらの焼成物が得られた。そして、これら焼成物から作製される二次電池用負極活物質は何れも、初期放電容量と50サイクル目の放電容量ともに従来の炭素系負極活物質よりも放電容量が高く、良好な初期充放電効率を有していた。更に加えて、これら二次電池用負極活物質は、充放電サイクルによる容量低下が少なく、高い容量維持率を有するものであった。
したがって、特定のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、所定の熱処理加工することにより、リチウムイオン電池負極活物質として十分に実用に耐え、高容量を求められる最新電池の負極材料として利用可能な物質となり得る有用な化合物であると評価できる。
一方、比較例1で示されるように、シリコンナノ粒子表面が化学的な結合を持たず、Si−H結合を有していないケイ素酸化物から作製された負極活物質を用いた負極を採用した電池特性は、上記参考例並びに後述の実施例に係る負極活物質を採用した負極と比較すると、初期充放電効率は、一定程度の値を示すものの、急激な容量低下が見られ、リチウムイオン電池としては実用的なレベルに達していなかった。
さらに、比較例3に係るシリコンナノ粒子を含まない水素ポリシルセスキオキサンの焼成物は、赤外吸収スペクトルにおいてSi−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm−1付近のピーク2−1の強度(I2−1)と1070cm−1付近のピーク2−2の強度(I2−2)の比(I2−1/I2−2)が1を超えておらず、各参考例に係る焼成物において見られるような、シリコンナノ粒子と水素ポリシルセスキオキサン由来のケイ素酸化物構造との化学的な結合によるネットワーク構造を有していかった。このようなシリコンナノ粒子表面と化学的な結合を持たないケイ素酸化物を用いた負極は、参考例や実施例で得られた負極活物質を採用した負極と比較すると、初期充放電効率は一定程度の値を示すものの、急激な容量低下が見られ、リチウムイオン二次電池としては実用的なレベルに達していなかった
なお、参考例13において示した1000℃を超える温度で焼成したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物には適量のSi−H結合を有していないためか、この焼成物から作製された負極を採用した電池の特性は、サイクル特性は良好なものの、初回の放電容量が比較的低くかった。
さらに、参考例14のシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物には、Si−H結合が多すぎるためか、比較試験例13と同様にサイクル特性は良好なものの、初回の放電容量が低くかった。
参考例1〜14は、シリコンナノ粒子存在下における所定のケイ素化合物を加水分解及び縮合させる際、反応液のpHを本発明所定の範囲に調整されておらず、製造した各シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物においては、50%累積質量粒子径分布直径 D50が、本発明所定の範囲に入っていないものと思料される。
しかしながら、以下に示す実施例1及び2と、参考例1〜14とは、共にシリコンナノ粒子の存在下において所定のケイ素化合物(式(1))を加水分解及び縮合させることにより、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンないしそれらの焼成物を取得している点においては共通している。言い換えると、以下に示す実施例1及び2と参考例1〜14との違いは、実施例では所定のケイ素化合物を加水分解及び縮合させる際に反応液のpHを所定範囲に調整してシリコンナノ粒子の凝集を一定程度抑制しているのに対し、参考例1〜14ではそのようなpH調整によるシリコンナノ粒子凝集の制御を行っていない点にあり、両者において製造されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンの化学組成に本質的な差異は存在しないことが窺える。
つまり、両者の化学組成に本質的な差異が存在しないということを考慮すると、参考例1〜14の結果は、以下のことを支持していることが理解される。即ち、本発明の数ある実施形態の中でも、特に一般式SiOx2y2で特定されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物に係る実施形態、一般式SiOx1y1で特定されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンに係る実施形態、並びに赤外分光法により測定したスペクトルにおいてSi−H結合に由来するピーク1の強度(I)とSi−O−Si結合に由来するピーク2の強度(I)との比(I/I)で特定されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン及びそれらの焼成物に係る実施形態は、各種電池特性をバランス良く発揮でき、かつより高いレベルの容量維持率を発揮し得ることが導き出せる。
なお、本発明においては、言うまでもなく、上記原子組成ないし赤外分光法によるピーク強度による特定は必ずしも必須ではなく、50%累積質量粒子径分布直径D50が所定の範囲にあることが必須とされ、上記参考例についても、以下に示す実施例の結果を考慮すれば、50%累積質量粒子径分布直径D50が所定範囲に入るようにpHの調製を行えば、容量維持の向上が発揮され得ることは容易に予測される。
以下、本発明の製造方法における所定のpH範囲と、製造されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物の粒度分布(50%累積質量粒子径分布直径 D50)及びそれを用いて作製した電池の電池特性との関係を示す実施例及び比較例を示す。
[実施例1]
200mlビーカーに純水70gとシリコンナノパウダー(シグマアルドリッチ、<100nm未満(体積基準平均粒径、ただし、10nmは超える))11.2gを入れ、超音波洗浄機にてシリコンナノ粒子分散水溶液を調製した。500mlのセパラブルフラスコに、このシリコンナノ粒子分散液と36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)及び純水104g、室温にて10分攪拌してシリコンナノ粒子を全体分散させ、撹拌下にトリメトキシシラン(東京化成工業社製)32.9g(200mmol)を25℃にて滴下した。滴下終了後、撹拌しながら25℃にて加水分解反応および縮合反応を2時間行った。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは4であった。
反応時間経過後、反応物をメンブランフィルター(孔径0.45μm、親水性)を用いてろ過し、固体を回収した。得られた固体を80℃にて10時間、減圧乾燥し、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(10)21.3gを得た。
さらに、上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(10)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
加えて、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)の走査型電子顕微鏡写真を図5に示す[(a):10,000倍、(b):1,000倍]。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)の粒度分布を測定したところ、同焼成物は、図6に示すような粒度分布を有することが明らかとなった。加えて、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり1.746μmであった。
[実施例2]
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて酢酸0.104g(1.74mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(11)を製造した。
なお、酢酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは3.38であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(11)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(11)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(11)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり1.683μmであった。
[比較例4]
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて塩酸17.6g(174mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(12)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは0であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(12)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(12)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(12)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり3.194μmであった。
[比較例5]
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて塩酸1.76g(17.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(13)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは1であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(13)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(13)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(13)の粒度分布を測定したところ、この焼成物は、図6に示すような粒度分布を有しており、その50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり4.739μmであった。
[比較例6]
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて塩酸176mg(1.74mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(14)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは2であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(14)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(14)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(14)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり4.749μmであった。
[比較例7]
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて塩酸17.6mg(0.174mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(15)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは3であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(15)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(15)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(15)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり3.324μmであった。
[比較例8]
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて酢酸10.4g(174mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(16)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは2.38であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(16)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(16)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(16)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり5.244μmであった。
[比較例9]
実施例1において36重量%濃度の塩酸1.76g(0.0174mmol)に代えて酢酸1.04g(17.4mmol)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(17)を製造した。
なお、塩酸を投入した後の反応溶液のpHを測定したところ、以下の表3に示すとおりpHは2.88であった。
上記得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン粉体(17)を用いて、参考例2と同様にして、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(17)を調製し、さらに負極並びに同負極を用いたリチウムイオン電池を作製して電池特性の評価を行った。
さらに、シリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(17)の粒度分布を測定したところ、50%累積質量粒子径分布直径 D50は、表3に示すとおり3.022μmであった。
以下の表3に、実施例1及び2、並びに比較例4〜8について、各種ケイ素化合物を加水分解及び縮合させた際の反応液pHの値、得られたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)〜(17)の50%累積質量粒子径分布直径 D50の値、並びに電池特性の測定結果及び評価結果を示す。
Figure 0006986201
[結果]
表3に示すとおり、シリコンナノ粒子の存在下で所定のケイ素化合物を加水分解及び縮合させる反応において、反応溶液のpHを比較的高い弱酸性領域に調整した実施例1及び2においては、取得したシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(10)及び(11)の50%累積質量粒子径分布直径 D50は、それぞれ1.746μm及び1.683μmとなり、粒径が顕著に小さくなった。また、特に実施例1の粒度分布と比較例5の粒度分布とが図6のグラフに示されている。図6に示されるとおり、比較例5の粒度ピークに対して実施例1の粒度ピークは水平方向左側にシフトしており、比較例5よりも粒度が小さいことが見て取れる。
さらに加えて、pHを制御/モニタリングしていない参考例5及び10において取得されたケイ素酸化物構造体は、それぞれ図2及び4の電子顕微鏡写真で観察される通り一次粒子が顕著に凝集ないし集合することにより二次集合体の粒度が相対的に大きいことが見て取れる。これに対して、pHを所定の範囲に制御した実施例1において取得されたケイ素酸化物構造体は、図5の電子顕微鏡写真で観察される通り、一次粒子の凝集ないし集合が抑制されており二次集合体の粒度は小さく微細なネットワーク構造となっている。
比較例4〜9については、反応溶液のpHは、本発明所定の範囲から逸脱するように調整したものであり、具体的には強酸性領域ないしその近傍に調整したものである。その結果、製造されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン焼成物(12)〜(17)の50%累積質量粒子径分布直径 D50はそれぞれ3.0μmを超えて大きい値となった(表3、図6の比較例5を参照)。
実施例1及び2と比較例4〜9との間における上記50%累積質量粒子径分布直径 D50の違いが生じた理由については、実施例1及び2においては、反応液のpHを比較的酸性度の低い領域に調整したことから、シリコンナノ粒子表面のゼータ電位の絶対値が大きくなり、シリコンナノ粒子同士の凝集が一定程度抑制され、シリコンナノ粒子の凝集によって形成される二次凝集物の平均粒径が減少したことに起因するものと推測される。言い換えると、比較例4〜9においては、反応液のpHを酸性度の高い領域に調整したことから、シリコンナノ粒子表面のゼータ電位の絶対値が小さくなり、シリコンナノ粒子同士の凝集が促進され、その結果、シリコンナノ粒子の凝集によって形成される二次凝集物の平均粒径が増加したことに起因すると考えられる。
そして、電池評価の結果について見ると、上記のとおり50%累積質量粒子径分布直径 D50が小さい実施例1及び2については、サイクル試験(100サイクル)後における容量維持率は84%超の値を示し、これら実施例において製造した電池は高い容量維持率を保持していた。
これに対して、50%累積質量粒子径分布直径 D50が大きい比較例4〜9において製造した電池については、100サイクル後の容量保持率は84%を下回り、実施例よりも低い値であった。
上述のとおり、シリコンナノ粒子の存在下で所定のケイ素化合物を加水分解及び縮合させる際に反応溶液のpHを本発明所定の範囲に調整すれば、同加水分解及び縮合は適度に進行すると同時に、シリコンナノ粒子の凝集は適度に抑制され、生成されるシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン及びその焼成物におけるシリコンナノ粒子の二次集合体に関し、焼成物全体の平均粒子径(50%累積質量粒子径分布直径 D50)が好適な範囲に制御されることが示された。さらに、このように平均粒子径(50%累積質量粒子径分布直径 D50)が好適な範囲に制御されたシリコンナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサン及びその焼成物を用いて製造した本発明の二次電池用負極ないし二次電池は、高い電池特性を示し得ることが示された。
本発明は、二次電池の負極活物質、負極並びに二次電池として適用可能である。したがって、本発明は、負極材料を製造する化学分野、二次電池及び各種電子機器等の電気電子の分野、並びにハイブリッド自動車等の乗り物の分野において高い産業上の利用可能性を有する。
1:負極材
2:セパレータ
3:リチウム対極

Claims (26)

  1. 原子組成においてSiとOとを含むケイ素酸化物骨格と、
    該ケイ素酸化物骨格に化学的に結合したシリコン系ナノ粒子と、
    を構成要素として含んでなり、
    上記ケイ素酸化物骨格内に、上記シリコン系ナノ粒子を含むシリコン系ナノ粒子の二次集合体を含有し、
    粒度分布における50%累積質量粒子径分布直径 D50が3.0μm未満であり、
    赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、Si−O−Si結合に由来するピークのうち、1170cm −1 付近の(ピーク2−1)の強度(I 2−1 )と1070cm −1 付近のピーク(ピーク2−2)の強度(I 2−2 )の比(I 2−1 /I 2−2 )が1を超える、
    ケイ素酸化物構造体。
  2. Si−H結合を有する、請求項1に記載のケイ素酸化物構造体。
  3. 一般式SiOx2y2(0.01<x2<2、0<y2<0.35)で表される原子組成を有する、請求項1又は2に記載のケイ素酸化物構造体。
  4. 一般式SiOx2y2(0.3<x2<1.5、0.01<y2<0.35)で表わされる原子組成を有し、かつSi−H結合を有する、請求項1〜の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
  5. 本質的に炭素を含まない、請求項1〜の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
  6. 上記シリコン系ナノ粒子の体積基準平均粒径が10nm〜500nmである、請求項1〜の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
  7. 上記シリコン系ナノ粒子を5〜65質量%含有する、請求項1〜の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
  8. 赤外分光法により測定したスペクトルにおいて、820〜920cm−1にあるSi−H結合に由来するピーク1の強度(I)と1000〜1200cm−1にあるSi−O−Si結合に由来するピーク2の強度(I)の比(I/I)が0.01〜0.35の範囲にある、請求項1〜の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
  9. 上記50%累積質量粒子径分布直径 D50が2.0μm以下である、請求項1〜の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体。
  10. 請求項1〜の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体を含む、二次電池用負極活物質。
  11. 請求項10に記載の二次電池用負極活物質を含む、二次電池用負極。
  12. 請求項11に記載の二次電池用負極を備えた、二次電池。
  13. 以下の工程(A)及び(B)を含む、請求項1〜の何れか1項に記載のケイ素酸化物構造体を製造する方法:
    (A)pH3.1以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、以下の一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること、
    HSi(R) (1)
    (式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシにおいて、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。);並びに
    (B)上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを焼成することにより、上記ケイ素酸化物構造体を取得すること。
  14. 工程(A)において、pH3.1〜7.0の条件で上記ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、請求項13に記載の方法。
  15. 工程(A)において、pHが3.1以上となるように酸を添加したシリコン系ナノ粒子の分散液に上記ケイ素化合物を添加し、該ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 上記酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項15に記載の方法。
  17. 上記酸が、塩酸又は酢酸である、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 工程(B)が、非酸化性雰囲気下及び600℃〜900℃の温度で行われる、請求項1317の何れか1項に記載の方法。
  19. 上記非酸化性雰囲気が、水素ガス雰囲気、又は2容積%以上の水素ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気である、請求項18に記載の方法。
  20. 上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、一般式SiOx1y1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされる原子組成を有し、上記シリコン系ナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有する、請求項1319の何れか1項に記載の方法。
  21. 以下の工程(A)を含む、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを製造する方法:
    (A)pH3.1以上の条件及びシリコン系ナノ粒子の存在下で、以下の一般式(1)で示されるケイ素化合物を加水分解および縮合反応させ、シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンを生成すること、
    HSi(R) (1)
    (式中、Rは、それぞれ同一あるいは異なる、ハロゲン、水素、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシから選択される基である。但し、炭素数1〜10の置換または非置換のアルコキシ、炭素数6〜20の置換または非置換のアリールオキシ、および炭素数7〜30の置換または非置換のアリールアルコキシにおいて、任意の水素はハロゲンで置換されていてもよい。)。
  22. 工程(A)において、pH3.1〜7.0の条件で上記ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、請求項21に記載の方法。
  23. 工程(A)において、pHが3.1以上となるように酸を添加したシリコン系ナノ粒子の分散液に上記ケイ素化合物を添加し、該ケイ素化合物の加水分解および縮合反応を行う、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 上記酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項23に記載の方法。
  25. 上記酸が、塩酸又は酢酸である、請求項23又は24に記載の方法。
  26. 上記シリコン系ナノ粒子含有水素ポリシルセスキオキサンは、一般式SiOx1y1(0.25<x1<1.35、0.16<y1<0.90)で表わされる原子組成を有し、上記シリコン系ナノ粒子表面と水素ポリシルセスキオキサンとの間に化学的な結合を有する、請求項2125の何れか1項に記載の方法。
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