JP6985022B2 - 鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造および鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法 - Google Patents

鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造および鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造および鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法に関する。
鉄道高架橋や鉄道の駅舎、大型のカルバートなどの構造として、鉄筋コンクリート構造や、鉄骨鉄筋コンクリート構造などの鋼コンクリート複合構造が採用されている。鋼コンクリート複合構造の構造物を構築する場合、コンクリートの打設荷重に合せた支保工で型枠を支持することになる。このため、構造物を構成する梁や柱、スラブなどの部材が大きいほど、支保工の設置間隔が小さくなり、建設車両の通行に制限が生じることがある。また、支保工を設置する期間は、支保工の設置および解体の期間を含めると長期にわたるため、膨大なコストがかかることになる。このため、工期短縮を図ることができる鋼コンクリート複合構造が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2015−200158号公報 実公昭53−11530号公報
しかしながら、柱と梁との接合部や、大型のカルバートにおける側壁と頂版との接合部などを構築する場合、多くのせん断補強筋を配置する必要があり、せん断補強筋の配筋作業に労力および工期がかかるという問題がある。また、接合する部材にハーフプレキャスト部材を用いた場合でも、接合部には現場にてせん断補強筋を配置する必要があり、作業に労力および工期がかかるという問題がある。
また、接合部にせん断補強筋に代わってせん断力を負担するせん断補強鋼材を設置することがあるが、せん断補強鋼材どうしを溶接したりボルトなどで機械的に接合したりする必要があり、せん断補強鋼材の設置に労力および工期がかかるという問題がある。
そこで、本発明は、鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材どうしを容易に接合することができる鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造および鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造は、上下方向に延びる鋼コンクリート複合構造の側壁部と、前記上下方向に交差する幅方向に延びる鋼コンクリート構造の頂版部と、が接合部を介して接合される鋼コンクリート複合構造において、前記側壁部に設けられせん断力を負担可能な第1せん断補強鋼材と、前記頂版部に設けられせん断力を負担可能な第2せん断補強鋼材とが、それぞれの一部に設けられた板状の対向板部を互いの板面が対向するように前記接合部に配置され、かつそれぞれの前記対向板部が前記接合部に設けられる接合コンクリート部に一体に埋設され、前記第1せん断補強鋼材は、前記側壁部上下方向全体にわたって設けられ、前記対向板部以外が前記側壁部のコンクリートに埋設され、前記第2せん断補強鋼材は、前記頂版部方向全体にわたって設けられ、前記対向板部以外が前記頂版部のコンクリートに埋設されていることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法は、上下方向に延びる鋼コンクリート複合構造の側壁部と、前記上下方向に交差する幅方向に延びる鋼コンクリート構造の頂版部と、が接合部を介して接合される鋼コンクリート複合構造において、前記側壁部に設けられせん断力を負担可能な第1せん断補強鋼材と、前記頂版部に設けられせん断力を負担可能な第2せん断補強鋼材と、を接合部を介して接合する鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法において、前記第1せん断補強鋼材と前記第2せん断補強鋼材とをそれぞれの一部に設けられた板状の対向板部が互いに対向するように前記接合部に配置するせん断補強鋼材設置工程と、前記せん断補強鋼材設置工程の後に前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部および前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部を前記接合部に設ける接合コンクリート部で一体に埋設する接合コンクリート部打設工程と、を有し、前記第1せん断補強鋼材は、前記側壁部上下方向全体にわたって設けられ、前記対向板部以外が前記側壁部のコンクリートに埋設され、前記第2せん断補強鋼材は、前記頂版部方向全体にわたって設けられ、前記対向板部以外が前記頂版部のコンクリートに埋設されていることを特徴とする。
本発明では、第1せん断補強鋼材の第1対向板部と第2せん断補強鋼材の第2対向板部とが互いの板面が対向するように配置され、接合コンクリート部に一体に埋設されている。これにより、第1対向板部および第2対向板部のそれぞれが接合コンクリート部と定着するため、接合コンクリート部を介して第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを容易に接合することができる。
また、第1対向板部と第2対向板部とは、対向させて配置すればよいことにより、第1対向板部に対する第2対向板部の位置決めを行う際に、例えば第1対向板部の軸線と第2対向板部の軸線とを一致させなければならないなどの制約が少ないため、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを容易に接合することができる。
また、第1対向板部が設けられた第1せん断補強鋼材、および第2対向板部が設けられた第2せん断補強鋼材が配置されるため、せん断補強筋を設けなくても第1せん断補強鋼材および第2せん断補強鋼材がせん断力を負担することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材と前記第2せん断補強鋼材とは、それぞれの前記対向板部が互いに接触しておらず前記接合コンクリート部を介して接合されていてもよい。
本発明では、第1対向板部と第2対向板部とを例えばボルト接合などで機械的に接合しなくても、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とが接合されるため、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを容易に接合することができる。
第1対向板部と第2対向板部とを機械的に接合する必要がないことにより、第1対向板部に対する第2対向板部の位置決めを行う際に、例えば第1対向板部の軸線と第2対向板部の軸線とを一致させなければならないなどの制約が少ないため、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを容易に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材および前記第2せん断補強鋼材の少なくとも一方は、プレキャストコンクリート部材が取り付けられていてもよい。
このような構成とすることにより、現場での作業を削減することができる。また、プレキャストコンクリート部材を接合コンクリート部の型枠とすれば、現場での作業を更に削減することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部には、板面を貫通する第1貫通孔が形成され、前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部には、板面を貫通する第2貫通孔が形成され、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔の両方を貫通する貫通鉄筋が前記接合コンクリート部に埋設されていてもよい。
このような構成とすることにより、貫通鉄筋によって接合コンクリート部が補強されるため、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを強固に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記貫通鉄筋の先端部には、前記接合コンクリート部のコンクリートと定着する定着体が接続されていてもよい。
このような構成とすることにより、定着体によって貫通鉄筋が接合コンクリートとより定着し、さらに接合コンクリート部が補強されるため、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とをより強固に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部および前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部の少なくとも一方には、ジベルが設けられ、前記ジベルは、前記接合コンクリート部に埋設されていてもよい。
このような構成とすることにより、ジベルによって第1対向板部および第2対向板部の少なくとも一方と接合コンクリート部とを一体化させることができるため、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とをより強固に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部および前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部の少なくとも一方には、補剛材が設けられ、前記補剛材は、前記接合コンクリート部に埋設されていてもよい。
このような構成とすることにより、補剛材によって第1対向板部および第2対向板部の少なくとも一方と接合コンクリート部とを一体化させることができるため、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とをより強固に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材および前記第2せん断補強鋼材の少なくとも一方のせん断補強鋼材は、複数設けられていて、複数設けられた前記せん断補強鋼材は、前記対向板部どうしが拘束部材で拘束されていてもよい。
このような構成とすることにより、複数設けられたせん断補強鋼材どうしの位置ずれを防止することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とは、互いに交差する方向から接合されていてもよい。
このような構成とすることにより、隅角部においても第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを、容易に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材および前記第2せん断補強鋼材の少なくとも一方のせん断補強鋼材の前記対向板部は、前記交差する方向のうちの他方のせん断補強鋼材に向かう側に延びていてもよい。
このような構成とすることによっても、隅角部などにおいても第1せん断補強鋼材の対向板部と第2せん断補強鋼材の対向板部とが互いに対向して配置されるため、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを、確実に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とは、同一直線上における互いに対向する方向から接合されていてもよい。
このような構成とすることにより、直線部においても第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを、容易に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記側壁部は第1鉄筋を有し、前記頂版部は第2鉄筋を有し、前記第1鉄筋および前記第2鉄筋は、前記接合コンクリート部に一体に埋設されていてもよい。
このような構成とすることにより、第1鉄筋と第2鉄筋によって接合コンクリート部が補強されるとともに、第1構造部と第2構造部とを強固に接合することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記側壁部および前記頂版部の少なくとも一方は、他方と接合されるハンチ部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、ハンチ部を容易に形成することができる。
また、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造では、前記第1せん断補強鋼材および前記第2せん断補強鋼材は、それぞれ形鋼であり、前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部および前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部は、それぞれ前記形鋼のウェブであってもよい。
このような構成とすることにより、第1せん断補強鋼材および第2せん断補強鋼材として専用の部材を製作する必要がないため、第1せん断補強鋼材および第2せん断補強鋼材を容易に調達することができる。
本発明によれば、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とを容易に接合することができ、第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材との接合にかかる労力およびコストを削減できるとともに、工期を短縮することができる。
本発明の第1実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を採用したカルバートを説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態による側壁部を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による側壁部を示す他の斜視図である。 本発明の第1実施形態による頂版部を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による頂版部と側壁部との接合部を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態による頂版部と側壁部との接合部を説明する平面図である。 本発明の第1実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法の底版部構築工程を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法の側壁部構築工程を説明する斜視図である。 図8に続く側壁部構築工程を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法の頂版部構築工程を説明する斜視図である。 図10に続く頂版部構築工程を説明する斜視図である。 図11に続く頂版部構築工程を説明する斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を説明する斜視図である。 貫通鉄筋および定着部材を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を説明する斜視図である。 本発明の第3実施形態による頂版部を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を説明する斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を説明する斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を説明する他の斜視図である。 第6実施形態に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を説明する斜視図である。 本発明の実施形態に係る鋼コンクリート複合構造の接合せん断補強鋼材の構造の変形例を説明する斜視図である。 本発明の実施形態に係る鋼コンクリート複合構造の接合せん断補強鋼材の構造の他の変形例を説明する斜視図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造について、図1乃至図12に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Aは、カルバート2の側壁部(第1構造体)3と頂版部(第2構造体)4とが接合部5を介して接合される接合構造に採用されている。
カルバート2が延びる水平方向を長さ方向とし、長さ方向に直交する水平方向を幅方向とする。
カルバート2は、底版11と、底版11の幅方向の両端部近傍それぞれの上側に配置された一対の側壁12,12と、一対の側壁12,12の上に配置される頂版13と、を有している。
底版11は、長さ方向に配列された複数の底版部6,6…で構成されている。長さ方向に隣り合う底版部6,6は、それぞれ接合されている。
一対の側壁12,12は、それぞれ長さ方向に配列された複数の側壁部3,3…で構成されている。長さ方向に隣り合う側壁部3,3は、それぞれ接合されている。
頂版13は、長さ方向に配列された複数の頂版部4,4…で構成されている。長さ方向に隣り合う頂版部4,4は、それぞれ接合されている。
カルバート2の構築では、1つの底版部6と、この底版部6の両端部それぞれの上側に配置される一対の側壁部3,3と、一対の側壁部3,3の上側に配置される1つの頂版部4を1つのユニット14とし、このユニット14を長さ方向に順次構築することでカルバート2が施工される。
なお、底版部6および一対の側壁部3を1つのユニットとしてこのユニットを長さ方向に順次構築した後に、頂版13全体を現場にてコンクリート打ちして構築してもよい。
底版部6は、幅方向に延びる長尺の略直方体状に形成されている。底版部6には、幅方向の両端部近傍それぞれの上部に側壁部3が接続される側壁接続部61,61が設けられている。底版部6は、例えば鉄筋コンクリートで構築されている。
一対の側壁部3,3は、それぞれ幅方向に間隔をあけて配置されたプレキャストコンクリート製の第1外殻部(プレキャストコンクリート部材)31および第2外殻部(プレキャストコンクリート部材)32と、第1外殻部31および第2外殻部32の間に配置された第1せん断補強鋼材33と、第1外殻部31および第2外殻部32の間に打設される側壁コンクリート部34と、を有している。
第1外殻部31および第2外殻部32は、それぞれ長尺の平板状に形成され、上下方向に延びて板面が幅方向を向く向きに配置されている。
一対の側壁部3,3のうちの幅方向の一方側に配置される側壁部3では、第1外殻部31が側壁部3の幅方向他方側の縁部に沿って配置され、第2外殻部32が側壁部3の幅方向一方側の縁部に沿って配置され、一対の側壁部3,3のうちの幅方向の他方側に配置される側壁部3では、第1外殻部31が側壁部3の幅方向一方側の縁部に沿って配置され、第2外殻部32が側壁部3の幅方向他方側の縁部に沿って配置されている。
幅方向の一方側に配置される側壁部3と幅方向の他方側に配置される側壁部3とは、幅方向に対称となる形態に形成されている。このため、以下では幅方向の一方側に配置される側壁部3の形態について説明し、幅方向の他方側に配置される側壁部3の形態については説明を省略する。図2および図3では、幅方向の一方側に配置される側壁部3を示している。図2および図3では、側壁コンクリート部34の図示を省略している。
図2および図3に示すように、第1外殻部31および第2外殻部32は、それぞれコンクリート部分311と、コンクリート部分311に埋設された複数の第1鉄筋312,312…と、を有している。複数の第1鉄筋312,312…は、それぞれ上下方向に延びる向きで長さ方向に間隔をあけて配置されている。複数の第1鉄筋312,312…は、それぞれ上部側がコンクリート部分311の上端面から上側に突出している。第1鉄筋312のうちのコンクリート部分311から上側に突出している部分を第1鉄筋接合部313とする。
第1せん断補強鋼材33は、I型鋼で構成され、上下方向に延びてウェブ331の板面が長さ方向を向くように配置されている。第1せん断補強鋼材33は、幅方向の他方側に配置された第1フランジ332が第1外殻部31と接合され、幅方向の一方側に配置された第2フランジ333が第2外殻部32と接合されている。第1せん断補強鋼材33は、上部側が第1外殻部31および第2外殻部32のコンクリート部分311より上側に配置されている。第1せん断補強鋼材33のうちの第1外殻部31および第2外殻部32のコンクリート部分311よりも上側の部分におけるウェブ331を第1対向板部334とする。
第1対向板部334は、上側の幅方向一方側の角部が隅切りされている。第1対向板部334の上縁部および隅切り部に沿った縁部には、第1せん断補強鋼材33の第1フランジ332と連続する鋼板334aが設けられている。
第1対向板部334には、高さ方向の中間部に、板面から突出して幅方向に延びるリブ(補剛材)335が設けられている。リブ335は、第1対向板部334の両面それぞれに設けられている。リブ335の突出方向の先端部は、第1フランジ332および第2フランジ333の先端部と連続している。
第1せん断補強鋼材33のうちの第1対向板部334よりも下側の部分におけるウェブ331には、ウェブの331厚さ方向に貫通する孔部336が高さ方向(ウェブ331の長さ方向)に間隔をあけて複数形成されている。これらの孔部336,336…は、第1せん断補強鋼材33と側壁コンクリート部34とを定着させるために側壁コンクリート部34が入り込むように構成されている。
本実施形態では2つの第1せん断補強鋼材33,33が、第1外殻部31と第2外殻部32との間に長さ方向に間隔をあけて配置されている。
側壁コンクリート部34は、カルバート2(図1参照)が構築される現場にて打設されている。側壁コンクリート部34には、鉄筋(不図示)が適宜配置されている。側壁コンクリート部34は、第1外殻部31および第2外殻部32の長さ方向の両側それぞれに型枠が配置され、型枠と第1外殻部31および第2外殻部32に囲まれた空間に鉄筋が配置されて、この空間にコンクリートが打設されることで構築されている。
側壁コンクリート部34は、第1外殻部31および第2外殻部32のコンクリート部分311の下端部から上端部に対応する高さに設けられている。このため、第1せん断補強鋼材33の第1対向板部334は、側壁コンクリート部34に埋設されず、第1せん断補強鋼材33のうちの第1対向板部334よりも下側の部分が側壁コンクリート部34に埋設されている。
本実施形態では、第1外殻部31、第2外殻部32、2つの第1せん断補強鋼材33,33、および側壁コンクリート部34の鉄筋は、工場などで予め組まれた側壁プレキャスト部材37として製作されてから現場に搬入されるように設定されている。
なお、第1外殻部31、第2外殻部32、2つの第1せん断補強鋼材33,33、および側壁コンクリート部34の鉄筋は、プレキャスト部材とせずに現場にて組む形態としてもよい。
図1および図4に示すように、頂版部4は、下側に配置されるプレキャストコンクリート製の下板部(プレキャストコンクリート部材)41と、下板部41の上側に配置された第2せん断補強鋼材42と、下板部41の上側に打設される頂版コンクリート部43と、を有している。図4では、頂版コンクリート部43を省略している。
図4に示すように、下板部41は、長尺の平板状に形成され、幅方向に延びて板面が上下方向を向く向きに配置されている。下板部41は、コンクリート部分411とコンクリート部分411に埋設された複数の第2鉄筋412とを有している。複数の第2鉄筋412は、それぞれ幅方向に延びる向きで長さ方向に間隔をあけて配置されている。複数の第2鉄筋412は、幅方向の両端部側がそれぞれコンクリート部分411の幅方向の両端面から幅方向の外側に突出している。第2鉄筋412のうちのコンクリート部分411から幅方向の外側にそれぞれ突出している部分を第2鉄筋接合部413,413とする。
第2鉄筋接合部413は、下板コンクリート部45から幅方向の一方側にのびる水平部413aと、水平部413aの幅方向の一方側の端部から下側にのびる鉛直部413bと、を有している。第2鉄筋接合部413は、下板コンクリート部45から幅方向の他方側にのびる水平部413aと、水平部413aの幅方向の他方側の端部から下側にのびる鉛直部413bと、を有している。
下板部41には、幅方向の両端部それぞれの下側に、下板部41の長さ方向全体にわたってハンチ部47が形成されている。ハンチ部47の下面は、幅方向の内側から外側に向かって漸次下側に向かう傾斜面に形成されている。
第2せん断補強鋼材42は、I型鋼で構成され、幅方向に延びてウェブ421の板面が長さ方向を向くように配置されている。第2せん断補強鋼材42は、下側に配置された第1フランジ423およびウェブ421の長さ方向の中間部における下縁部近傍が下板部41に埋設されている。なお、第2せん断補強鋼材42のウェブ421の長さ方向の中間部における上部側、および上側に配置された第2フランジ424は、下板部41に埋設されておらず、下板部41の上方に配置されている。
第2せん断補強鋼材42は、幅方向の両端部分が下板部41のコンクリート部分411の幅方向の端部よりも幅方向の外側に配置されている。第2せん断補強鋼材42のうちの下板部41の下板コンクリート部45よりも幅方向の両側に突出する部分におけるウェブ421をそれぞれ第2対向板部425,425とする。
第2対向板部425は、幅方向の外側の上側の角部がそれぞれ隅切りされている。第2対向板部425の幅方向の外側の縁部および隅切り部に沿った縁部には、第2せん断補強鋼材42の第2フランジ424と連続する鋼板425aが設けられている。
第2対向板部425には、幅方向の中間部に、板面から突出して上下方向に延びるリブ(補剛材)426が設けられている。リブ426は、第2対向板部425の両面それぞれに設けられている。リブ426の突出方向の先端部は、第1フランジ423および第2フランジ424の先端部と連続している。
第2せん断補強鋼材42のうちの両側の第2対向板部425の内側の部分におけるウェブ421には、ウェブ421の厚さ方向に貫通する孔部427が幅方向(ウェブ421の長さ方向)に間隔をあけて複数形成されている。これらの孔部427,427…は、第2せん断補強鋼材42と頂版コンクリート部43とを定着させるために頂版コンクリート部43が入り込むように構成されている。
本実施形態では2つの第2せん断補強鋼材42が、下板部41の上側において長さ方向に間隔をあけて配置されている。
頂版コンクリート部43は、後述する接合コンクリート部51とともにカルバート2が構築される現場にて打設されている。頂版コンクリート部43には、鉄筋が適宜配置されている。頂版コンクリート部43は、下板部41の長さ方向の両側に下板部41の上面よりも上側に突出するように型枠が配置され、下板部41と型枠とに囲まれた空間に鉄筋が配置されて、この空間にコンクリートが打設されることで構築されている。
頂版コンクリート部43は、下板部41の下板コンクリート部45の鉛直方向の上側に設けられている。このため、第2せん断補強鋼材42のうちの2つの第2対向板部425,425は、頂版コンクリート部43に埋設されず、第2せん断補強鋼材42のうちの2つの第2対向板部425,425の間の部分が頂版コンクリート部43に埋設されている。
本実施形態では、下板部41、第2せん断補強鋼材42、および頂版コンクリート部43の鉄筋は、工場などで予め組まれた頂版プレキャスト部材48として製作されてから現場に搬入されている。なお、下板部41、第2せん断補強鋼材42、および頂版コンクリート部43の鉄筋は、プレキャスト部材とせずに現場にて組む形態としてもよい。
図5および図6に示すように、頂版プレキャスト部材48(頂版部4)は、幅方向の一方側に配置される側壁部3に対しては、側壁部3の第1外殻部31の上端面における幅方向他方側の端部に、下板部41の幅方向一方側の端面における下縁部(ハンチ部47の下縁部)を当接させるようにして配置されている。2つの第2せん断補強鋼材42,42それぞれの幅方向の一方側に配置される第2対向板部425,425は、幅方向の一方側に配置される側壁部3の2つの第1せん断補強鋼材33,33の第1対向板部334,334の間に配置され、第1対向板部334,334と長さ方向に間隔をあけて対向している。図5では、頂版部4と幅方向の一方側に配置される側壁部3とが接合された様子を示している。
同様に、頂版プレキャスト部材48(頂版部4)は、幅方向の他方側に配置される側壁部3に対しては、側壁部3の第1外殻部31の上端面における幅方向の一方側の端部に、下板部41の幅方向他方側の端面における下縁部(ハンチ部47の下縁部)を当接させるようにして配置されている。2つの第2せん断補強鋼材42,42それぞれの幅方向の他方側に配置される第2対向板部425,425は、幅方向の他方側に配置される側壁部3の2つの第1せん断補強鋼材33,33の第1対向板部334,334の間に配置され、第1対向板部334,334と長さ方向に間隔をあけて対向している。
また、頂版部4の第2鉄筋接合部413の水平部413aは、側壁部3の第2外殻部32の第1鉄筋接合部313の上側に配置される。頂版部4の第2鉄筋接合部413の鉛直部413bは、第1外殻部31の第1鉄筋接合部313よりも幅方向の内側に配置され、下縁部近傍が第2外殻部32のコンクリート部分311よりも幅方向の内側(第1外殻部31側)に配置されている。
なお、第1対向板部334、第2対向板部425、第1鉄筋接合部313および第2鉄筋接合部413の配置は適宜設定されてよい。例えば、第1対向板部334と第2対向板部425とが交互に配置されていてもよい。
一対の側壁部3,3における第1外殻部31および第2外殻部32のコンクリート部分311よりも上側で、頂版部4の下板部41のコンクリート部分411よりも幅方向の外側となる部分は、側壁部3と頂版部4とを接合する接合部5となり、接合コンクリート部51が打設されている。
接合部5には、第1対向板部334、第2対向板部425、第1鉄筋接合部313、および第2鉄筋接合部413が配置されており、これらが接合コンクリート部51に埋設されている。接合コンクリート部51は、第1対向板部334と第2対向板部425との間にも充填されている。
次に、本実施形態によるカルバート2の構築方法(鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法)を説明する。
まず、図7に示すように、底版部6を構築する底版部構築工程を行う。
続いて、図8および図9に示すように一対の側壁部3,3を構築する側壁部構築工程を行う。
図8に示すように、底版部6の幅方向の両側それぞれの側壁接続部61,61に側壁プレキャスト部材37を設置し、幅方向の両側の第2外殻部32,32の側方に型枠39,39を設置する。この型枠39,39は、接合部5の型枠となる。なお、側壁プレキャスト部材37の第2外殻部32を接合部5の側方に位置するように上側に延伸させておき、型枠39,39の代わりとしてもよい。
図9に示すように、第1外殻部31と第2外殻部32との間に側壁コンクリート部34のコンクリートを打設し、所定期間の養生を行う。
続いて、図10乃至図12に示すように、頂版部4を構築する頂版部構築工程を行う。
図10に示すように、一対の側壁部3,3それぞれの上側に頂版プレキャスト部材48を設置し、一対の側壁部3,3それぞれの接合部分が配置されている領域に頂版部4の接合部分を配置する。このとき、2つの第1対向板部334の間に2つの第2対向板部425が配置され、第1対向板部334と第2対向板部425とが所定の間隔をあけて対向するように第1せん断補強鋼材33および第2せん断補強鋼材42を配置する(せん断補強鋼材設置工程)。
図11に示すように、頂版部4および接合部5の配筋、頂版部4および接合部5の型枠(不図示)の設置を行う。なお、下板部41は、頂版部4の頂版コンクリート部43の型枠を兼ねている。図12に示すように、頂版コンクリート部43および接合コンクリート部51のコンクリートを打設し、所定期間の養生を行う(接合コンクリート打設工程)。
このとき、接合部5に配置されている第1対向板部334と第2対向板部425との間にもコンクリートを充填する。
これにより、頂版部4および接合部5が構築され、接合部5によって一対の側壁部3,3と頂版部4とが接合され、カルバート2を構築する1つのユニット14(1つの底版部6と、この底版部6の両端部それぞれの上側に配置される一対の側壁部3,3と、一対の側壁部3,3の上側に配置される1つの頂版部とが接合されたユニット)が構築される。
続いて、長さ方向に隣接するユニット14を同様にして順次構築し、カルバート2を構築する。
なお、上述しているが、底版部6および一対の側壁部3を1つのユニットとしてこのユニットを長さ方向に順次構築した後に、頂版13全体を現場にてコンクリート打ちして構築してもよい。
次に、上述した鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Aの作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Aでは、側壁部3の第1対向板部334と頂版部4の第2対向板部425とが互いの板面が対向するように配置され、接合コンクリート部51に一体に埋設されている。これにより、第1対向板部334および第2対向板部425がそれぞれ接合コンクリート部51と定着し、接合コンクリート部51を介して第1対向板部334と第2対向板部425とが接合されるため、第1せん断補強鋼材33と第2せん断補強鋼材42とを容易に接合することができる。
また、第1対向板部334と第2対向板部425とは対向するように配置させればよく、第1対向板部334と第2対向板部425とを溶接したり機械的に接合したりする必要がない。これにより、第1対向板部334に対する第2対向板部425の位置決めを行う際に、例えば第1対向板部334の軸線と第2対向板部425の軸線とを一致させなければならないなどの制約が少ないため、第1せん断補強鋼材33と第2せん断補強鋼材42とを容易に接合することができる。
その結果、第1せん断補強鋼材33と第2せん断補強鋼材42との接合にかかる労力を削減することができるとともに、工期を短縮することができる。接合部5にせん断補強筋の設置する工程を無くすことができて工期を短縮することができる。
また、接合コンクリート部51に一体に埋設された第1せん断補強鋼材33および第2せん断補強鋼材42を介して、側壁部3と頂版部4とを容易に接合することができる。
また、第1対向板部334および第2対向板部425が隅角部(接合部5)のせん断力を負担することができるため、隅角部にせん断補強筋を設ける必要がない。
また、第1対向板部334と第2対向板部425との間には、接合コンクリート部51のコンクリートが介在していることにより、第1対向板部334および第2対向板部425それぞれの接合コンクリート部51との定着面を大きくすることができる。
また、側壁部3の第1外殻部31、第2外殻部32、2つの第1せん断補強鋼材33,33、および側壁コンクリート部34の鉄筋は、工場などで予め組まれた側壁プレキャスト部材37として製作されてから現場に搬入され、頂版部4の下板部41、第2せん断補強鋼材42、および頂版コンクリート部43の鉄筋は、工場などで予め組まれた頂版プレキャスト部材48として製作されてから現場に搬入されていることにより、現場での作業を削減することができる。
また、一対の側壁部3,3の第1鉄筋312は、第1鉄筋接合部313を有し、頂版部4の第2鉄筋412は第2鉄筋接合部413を有していて、第1鉄筋接合部313および第2鉄筋接合部413は、接合部5に配置されて、接合コンクリート部51に埋設されていることにより、第1鉄筋接合部313および第2鉄筋接合部413によって接合部5が補強され、第1せん断補強鋼材33と第2せん断補強鋼材42とを強固に接合することができる。
また、第1対向板部334および第2対向板部425には、それぞれリブ335,426が設けられていることにより、リブ335,426によって第1対向板部334および第2対向板部425それぞれと接合コンクリート部51とを一体化させることができ、第1せん断補強鋼材33と第2せん断補強鋼材42とを強固に接合することができる。
(他の実施形態)
次に、他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
(第2実施形態)
図13に示すように、第2実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Bでは、側壁部3Bの第1せん断補強鋼材33Bの第1対向板部334Bには、板面を貫通する第1貫通孔334bが形成さている。頂版部4Bの第2せん断補強鋼材42Bの第2対向板部425Bには、板面を貫通する第2貫通孔425bが形成されている。第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bの両方に挿通されて、接合コンクリート部51Bに埋設される貫通鉄筋71が設けられている。
第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bは、長さ方向に重なる位置に配置されている。第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bは、予め工場などで第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bに形成されている。
貫通鉄筋71は、長さ方向に延びる向きに配置され、第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bに対して長さ方向から挿通されている。貫通鉄筋71は、第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bに挿通されても、第1対向板部334と第2対向板部425とを連結しないように構成されている。
貫通鉄筋71には、両端部に定着体711,711が装着されている。図14に示すように、定着体711は、貫通鉄筋71の端部が挿入される筒状の筒状部712と、筒状部712の端部に一体に形成されて筒状部712よりも大径の円板部713とを有している。筒状部712と円板部713とは同軸に配置されている。定着体711は、貫通鉄筋71とともに接合コンクリート部51Bに埋設されている。
本実施形態では、第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bは、複数形成されていて、それぞれ貫通鉄筋71が挿通されている。
また、第2実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Bでは、第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bに板面から突出するように複数のスタッドジベル(ジベル)72,72…が設けられている。スタッドジベル72は、第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bそれぞれの両面に設けられている。スタッドジベル72は、予め工場などで第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bに接合されている。
また、第2実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Bでは、2つの第1対向板部334B,334Bどうしを連結して拘束する拘束部材73が設けられている。拘束部材73は、長さ方向に延びる長尺の部材で、長さ方向の一方の端部が2つの第1せん断補強鋼材33B,33Bのうちの長さ方向の一方側に配置された第1せん断補強鋼材33Bの縁部に接合され、長さ方向の他方の端部が、長さ方向の他方側に配置された第1せん断補強鋼材33Bの縁部に接合されている。拘束部材73は、2つの第1せん断補強鋼材33B,33Bそれぞれの縁部と接合されることで、2つの第1せん断補強鋼材33B,33Bそれぞれの第1対向板部334どうしを連結して拘束している。
本実施形態では、3つの拘束部材73が設けられている。これらの拘束部材73は、例えば、少なくとも1つの拘束部材73が予め工場などで2つの第1せん断補強鋼材33B,33Bに取り付けられ、残りの拘束部材73が現場にて第2せん断補強鋼材42B,42Bが第1せん断補強鋼材33B,33Bと対向するように組み込まれた後に第1せん断補強鋼材33B,33Bに取り付けられるようにしてもよい。
第2実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法では、第1実施形態と同様に一対の側壁部3B,3Bと頂版部4Bとを正位置に設置し、接合コンクリート部51Bを打設する前に、第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bに貫通鉄筋71を挿通させる。
接合コンクリート部51Bを打設して、第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bとともに、貫通鉄筋71、スタッドジベル72、および拘束部材73を接合コンクリート部51Bに埋設する。
第2実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Bでは、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第1対向板部334には、第1貫通孔334bが形成され、第2対向板部425には、第2貫通孔425bが形成され、第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bの両方に挿通された貫通鉄筋71が接合コンクリート部51Bに埋設されていることにより、貫通鉄筋71によって接合部5が補強され、第1せん断補強鋼板33Bと第2せん断補強鋼板42Bとを強固に接合することができる。
また、貫通鉄筋71の先端部は、接合コンクリート部51Bと定着する定着体711が接続されている。これにより、定着体711によって貫通鉄筋71が接合コンクリート部51Bとより定着するため、さらに接合部5Bが補強され、第1せん断補強鋼板33Bと第2せん断補強鋼板42Bとをより強固に接合することができる。
また、第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bの板面には、スタッドジベル72が設けられていることにより、スタッドジベル72によって第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bと接合コンクリート部51Bとを一体化させることができる。これにより、第1せん断補強鋼板33Bと第2せん断補強鋼板42Bとをより強固に接合することができる。
また、2つの第1せん断補強鋼材33B,33Bが拘束部材73で互いに拘束されていることにより、2つの第1対向板部334B,334Bどうしも拘束されて第1対向板部334B,334Bの位置ずれを防止できることができる。
(第3実施形態)
図15に示すように、第3実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Cでは、側壁部3Cの第1せん断補強鋼材33Cは、第1外殻部31および第2外殻部32の上端部よりも上方に突出しておらず、上端部が第1外殻部31および第2外殻部32の上端部と略同じ位置に配置されている。本実施形態では、第1せん断補強鋼材33Cの上側の部分が本発明の第1対向板部(以下、第1対向板部334Cとする)に相当している。第1対向板部334Cには、リブ335Cが形成されている。
また、図15および図16に示すように、頂版部4Cの第2せん断補強鋼材42Cは、下板部41の直上に配置される部分から幅方向の外側に突出する第1板部428aと、第1板部428aから下側に突出する第2板部428bと、を有している。第1板部428aと第2板部428bとを合せた形状は、長さ方向から見て略L字形となっている。第2板部428bには、リブ426が形成されている。本実施形態では、第2せん断補強鋼材42Cの第2板部428bが本発明の第2対向板部(以下、第2対向板部425Cとする)に相当している。
一対の側壁部3C,3Cと頂版部4Cとが接合される位置に配置されると、第2対向板部425C(第2板部428b)が、第1外殻部31Cのコンクリート部分311と第2外殻部32Cのコンクリート部分311との間に上側から挿入されていて、第1対向板部334C(第1せん断補強鋼材33Cの上側の部分)と対向している。第1対向板部334Cと第2対向板部425Cとは、第1外殻部31Cのコンクリート部分311と第2外殻部32Cのコンクリート部分311との間に打設されたコンクリートに埋設されている。
本実施形態では、第1外殻部31Cのコンクリート部分311と第2外殻部32Cのコンクリート部分311との間に打設されるコンクリートのうちの第1対向板部334Cおよび第2対向板部425Cを埋設する部分が本発明の接合コンクリート部(以下、接合コンクリート部51Cとする)に相当している。
本実施形態では、第2せん断補強鋼板42Cが配置されて、第1対向板部334Cと第2対向板部425Cとが対向してから側壁部3の第1外殻部31Cのコンクリート部分311と第2外殻部32Cのコンクリート部分311との間にコンクリートを打設している。
第3実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Cでは、側壁部3の第1せん断補強鋼材33Cの第1対向板部334Cが第1外殻部31Cおよび第2外殻部32Cの上方に突出していない形態であっても、第2せん断補強鋼材42Cの第2対向板部425Cが下側に突出していて第1外殻部31Cと第2外殻部32との間に入り込んで第1対向板部334Cと長さ方向に対向し、第1対向板部334Cと第2対向板部425Cとが接合コンクリート部51Cに埋設されるため、上記の実施形態と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
図17に示すように、第4実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Dは、1つの側壁部3Dの幅方向の両側それぞれに頂版部4Dが配置され、側壁部3Dおよび頂版部4DがT字形状に接合された側壁部(第1構造体)3Dと頂版部(第2構造体)4Dとの接合構造に採用されている。
側壁部3Dは、第1せん断補強鋼材33Dが、第1外殻部31および第2外殻部32の上端部よりも上方に突出していて、第1せん断補強鋼材33Dのうちの第1外殻部31および第2外殻部32の上端部よりも上方に突出する部分が第1対向板部334Dとなっている。側壁部3Dには、上部側が第1外殻部31のコンクリート部分311および第2外殻部32のコンクリート部分311それぞれから上方に突出する第1鉄筋312Dが設けられている。第1鉄筋312Dのうちの第1外殻部31のコンクリート部分311および第2外殻部32のコンクリート部分311それぞれから上方に突出する部分が第1鉄筋接合部313Dとなっている。
頂版部4Dは、幅方向に延びる下板部41Dと、下板部41Dの上に配置された2つの第2せん断補強鋼材42D,42Dと、を有している。
下板部41Dは、幅方向に間隔をあけて配置された2つのコンクリート部分411D,411Dと、幅方向に延びて2つのコンクリート部分411D,411Dにわたるように設けられた第2鉄筋412Dと、を有している。第2鉄筋412Dは、幅方向の中間部分が下板部41Dの2つのコンクリート部分411D,411Dのいずれにも埋設されていない。第2鉄筋412Dのうちの下板部41Dの2つのコンクリート部分411D,411Dのいずれにも埋設されていない幅方向の中間部分が第2鉄筋接合部413Dとなっている。
第2鉄筋412Dは、長さ方向に間隔をあけて複数設けられている。長さ方向に隣り合う第2鉄筋412D,412Dの間隔は、下側から側壁部3Dの第1せん断補強鋼材33Dを挿通可能な寸法に設定されている。
第2せん断補強鋼材42D,42Dは、下板部41Dの2つのコンクリート部分411D,411Dにわたるように設けられている。本実施形態では、第2せん断補強鋼材42Dのうちの幅方向の中間部分(下板部41Dの2つのコンクリート部分411D,411Dの間の部分)が本発明の第2対向板部(以下、第2対向板部425Dとする)に相当している。
第4実施形態では、頂版部4Dの下板部41Dにおける2つのコンクリート部分411D,411Dの間に、側壁部3Dの第1せん断補強鋼材33Dの2つの第1対向板部334Dが配置されている。2つの第1対向板部334Dは、それぞれ2つのコンクリート部分411D,411Dの間の長さ方向に隣り合う第2鉄筋412D,412Dの第2鉄筋接合部413D,413Dの間に配置されている。2つの第1対向板部334Dは、2つの第2対向板部425Dを長さ方向から挟むように配置され、2つの第1対向板部334Dおよび2つの第2対向板部425Dは、長さ方向に対向している。なお、第1対向板部334Dおよび第2対向板部425Dの数や配置、第1鉄筋および第2鉄筋412の有無や配置は適宜設定されてよい。
第1対向板部334Dおよび第2対向板部425D、第1鉄筋接合部313Dおよび第2鉄筋接合部413Dは、頂版部4Dの下板部41Dの2つのコンクリート部分411D,411Dの間およびその上側に打設されたコンクリートに埋設されている。本実施形態では、頂版部4Dの下板部41Dの2つのコンクリート部分411D,411Dの間およびその上側の部分が側壁部3Dと頂版部4Dとの接合部5Dとなり、この部分に打設されたコンクリートが本発明の接合コンクリート部(以下、接合コンクリート部51Dとする)に相当している。
第4実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Dでは、例えば多連カルバートなどのように1つの側壁部3Dの両側それぞれに頂版部4Dが接合される形態であっても、第1対向板部334Dと第2対向板部425が対向し、第1対向板部334Dおよび第2対向板部425が接合コンクリート部51Dに一体に埋設されるため、上記の実施形態と同様の効果を奏する。
(第5実施形態)
図18および図19に示すように、第5実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Eは、側壁部3E(第1構造体)と底版部6E(第2構造体)との接合構造に採用されている。図18では、底版部6Eと側壁部3EとがT字形状に接合される形態を示しており、図19では、底版部6Eと側壁部3EとがL字形状に接合される形態を示している。なお、図18および図19では、説明のために側壁部3Eと底版部6Eとが上下方向に間隔をあけて配置されているが、実際には、側壁部3Eの下端部が底版部6Eの側壁接続部61Eと当接している。
側壁部3Eには、第1実施形態と同様に、第1外殻部31と第2外殻部32との間に2つの第1せん断補強鋼材33E,33Eが設けられている。2つの第1せん断補強鋼材33E,33Eの下端部は、第1外殻部31および第2外殻部32の下端部の高さと略同じ高さに配置されている。本実施形態では、第1せん断補強鋼材33Eの下側の部分が本発明の第1対向板部(以下、第1対向板部334Eとする)に相当している。
底版部6Eは、幅方向に延びる底版コンクリート部62と、下部側が底版コンクリート部62に埋設され上部側が底版コンクリート部62から上側に突出する2つの第2せん断補強鋼材63と、を有している。第2せん断補強鋼材63は、底版コンクリート部62の側壁部3Eが接続される側壁接続部61Eから上側に突出している。第2せん断補強鋼材63は、板面が長さ方向を向く板状に形成されている。本実施形態では、第2せん断補強鋼材63のうちの底版コンクリート部62から上側に突出する部分が本発明の第2対向板部(以下、第2対向板部631とする)に相当している。
第5実施形態では、側壁部3Eと底版部6Eとが接合される位置に配置されると、底版部6Eの第2対向板部631,631が側壁部3Eの2つの第1対向板部334E,334Eの間に配置され、第1対向板部334Eと第2対向板部631とが長さ方向に対向している。これらの第1対向板部334E,334Eと第2対向板部631,631とは、側壁コンクリート部34Eに一体に埋設されている。本実施形態では、側壁コンクリート部34Eのうちの下部側(第1対向板部334E,334Eおよび第2対向板部631,631を埋設する部分)が接合コンクリート部(以下、接合コンクリート部51Eとする)に相当している。第1対向板部334Eと第2対向板部631とは、接合コンクリート部51Eに埋設されることによって接合されている。
第5実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Eでは、底版部6Eと側壁部3Eとの接合構造においても、第1対向板部334Eと第2対向板部631とが接合コンクリート部51Eに埋設されるため、上記の実施形態と同様の効果を奏する。
(第6実施形態)
図20に示すように、第6実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Fは、同一直線上に配置される2つの梁部8,8の接合構造に採用されている。第6実施形態では、2つの梁部8,8が延びる方向を長さ方向とし、長さ方向に直交する水平方向を幅方向とする。2つの梁部8,8は、互いの長さ方向の端部同士が接合部5Fを介して接合されている
2つの梁部8,8を第1梁部(第1構造体)81および第2梁部(第2構造体)82とし、第1梁部81が第2梁部82の長さ方向の一方側に配置されているものとする。
第1梁部81は、長さ方向に延びる第1梁コンクリート部811と、長さ方向の中間部が第1梁コンクリート部811に埋設され、長さ方向の両端部が第1梁コンクリート部811から長さ方向の両側に突出する第1せん断補強鋼材812と、を有している。第1せん断補強鋼材812は、I型鋼で構成されている。第1せん断補強鋼材812のうちの第1梁コンクリート部811から長さ方向の他方側に突出している部分のウェブが本発明の第1対向板部(以下、第1対向板部813とする)に相当している。第1梁部81は、予め工場などで製作されたプレキャスト部材としてもよいし、現場にて構築されてもよい。
第2梁部82は、長さ方向に延びる第2梁コンクリート部821と、長さ方向の中間部が第2梁コンクリート部821に埋設され、長さ方向の両端部が第2梁コンクリート部821から長さ方向の両側に突出する第2せん断補強鋼材822と、を有している。第2せん断補強鋼材822は、I型鋼で構成されている。第2せん断補強鋼材822のうちの第2梁コンクリート部821から長さ方向の一方側に突出している部分のウェブが本発明の第2対向板部(以下、第2対向板部823とする)に相当している。第2梁部82は、予め工場などで製作されたプレキャスト部材としてもよいし、現場にて構築されてもよい。
第1梁部81と第2梁部82とが接合される位置に配置されると、第1対向板部813と第2対向板部823とが幅方向に重なり、第1梁コンクリート部811と第2梁コンクリート部821が長さ方向に離間した状態に配置される。長さ方向に離間した第1梁コンクリート部811と第2梁コンクリート部821との間の部分が第1梁部81と第2梁部82とを接合する接合部5Fとなる。
接合部5Fは、接合コンクリート部51Fが打設されるように構成され、第1対向板部813および第2対向板部823が接合コンクリート部51Fに一体に埋設されている。
第1対向板部813と第2対向板部823とは、接合コンクリート部51Fに埋設されることによって接合されている。
なお、第1梁部81に第1梁コンクリート部811から長さ方向の他方側に突出する第1鉄筋が設けられ、第2梁部82に第2梁コンクリート部821から長さ方向の一方側に突出する第2鉄筋が設けられていて、第1鉄筋と第2鉄筋とが接合部5Fに配置されて接合コンクリート部51Fに埋設されていてもよい。
第6実施形態による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Fでは、同一直線上に配列された第1梁部81と第2梁部82との接合構造においても、第1対向板部813と第2対向板部823とが対向した状態で接合コンクリート部51Fに埋設されるため、上記の実施形態と同様の効果を奏する。
以上、本発明による鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造および鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、第1せん断補強鋼材33および第2せん断補強鋼材42は、I型鋼であるが、互いの板面が対向するように配置される第1対向板部および第2対向板部を有していれば、I型鋼以外の形鋼や、鋼板などの鋼材であってもよい。
また、上記の実施形態では、第1対向板部334と第2対向板部425とは間隔をあけて配置され、第1対向板部334と第2対向板部425との間には、接合コンクリート部51のコンクリートが介在しているが、第1対向板部334と第2対向板部425が当接するように配置され、第1対向板部334と第2対向板部425との間には、接合コンクリート部51のコンクリートが介在しない形態であってもよい。
また、上記の実施形態では、側壁部3および頂版部4は、ハーフプレキャスト部材であるが、プレキャストコンクリートの部材を用いずに現場にてコンクリートを打設して構築してもよい。
また、上記の実施形態では、側壁部3の第1鉄筋312には第1鉄筋接合部313が設けられ、頂版部4の第2鉄筋412には第2鉄筋接合部413が設けられ、第1鉄筋接合部313と第2鉄筋接合部413とが接合コンクリート部51に埋設されているが、第1鉄筋接合部313および第2鉄筋接合部413が設けられておらず、接合コンクリート部51に埋設されない構成であってもよい。
上記の第2実施形態では、側壁部3Bと頂版部4Bとの接合部5Bに貫通鉄筋71、スタッドジベル72および拘束部材73が全て設けられた形態であるが、貫通鉄筋71、スタッドジベル72および拘束部材73のうちの1つまたは2つが適宜設けられた形態としてもよい。
例えば、図21に示す鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Gのように、側壁部3Gと頂版部4Gとの接合部5Gにおいて、第1せん断補強鋼材33Gの第1対向板部334Gおよび第2せん断補強鋼材42Gの第2対向板部425Gに第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bが形成されず、貫通鉄筋71が設けられていなくてもよい。なお、第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bが設けられ、貫通鉄筋71が挿通される場合は、これらの数や位置は適宜設定されてよい。また、上記の第2実施形態では、貫通鉄筋71の先端部には、定着体711が接続されているが、定着体711が接続されていなくてもよい。
また、例えば、図22に示す鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造1Hのように、側壁部3Hと頂版部4Hとの接合部5Hにおいて、第1せん断補強鋼材33Hの第1対向板部334Hおよび第2せん断補強鋼材42Hの第2対向板部425Hに第1貫通孔334bおよび第2貫通孔425bが形成されず、貫通鉄筋71が設けられていないとともに、2つの第1対向板部334H,334Hが拘束部材73に拘束されていなくてもよい。なお、第1対向板部334Bを拘束する拘束部材73が設けられる場合は、拘束部材73の数や位置、形態は適宜設定されてよい。
また、上記の第2実施形態では、第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bにスタッドジベル72が設けられているが設けられていなくてもよい。また、第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bのいずれか一方のみにスタッドジベル72が設けられていてもよい。スタッドジベル72が設けられる場合は、スタッドジベル72の配置や数は適宜設定されてよい。また、スタッドジベル72は、第1対向板部334Bおよび第2対向板部425Bの両面ではなく片面のみに設けられていてもよい。また、第1対向板部334Bの上端部に接続される鋼板334aや第1せん断補強鋼材33Bのフランジ332,333にスタッドジベルが設けられていてもよい。また、第2せん断補強鋼材42Bのフランジ423,424にスタッドジベルが設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1対向板部334および第2対向板部425には、リブ335,426が設けられているが、リブ335,426が設けられていなくてもよい。また、第1対向板部334および第2対向板部425のいずれか一方のみにリブ335,426設けられていてもよい。リブ335,426は、第1対向板部334および第2対向板部425の両面ではなく片面のみに設けられていてもよい。リブ335,426が設けられる位置や数は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、1つの側壁部3に2つの第1対向板部334設けられているが、1つの側壁部3に第1対向板部334が1つまたは3つ以上設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、1つの頂版部4に2つの第2対向板部425が設けられているが、1つの頂版部4に第2対向板部425が1つまたは3つ以上設けられていてもよい。
また、上記の第1〜第4実施形態では、ハンチ部47が設けられているが、設けられていなくてもよい。また、ハンチ部47は、頂版部4,4B〜4Dの下板部41にプレキャストコンクリートで一体に形成されているが、現場にて形成されてもよい。
上記の実施形態では、カルバート2の側壁部3と頂版部4の接合構造、カルバート2の側壁部3と底版部6との接合構造、および構造物の梁部8,8どうしの接合構造に、本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を採用しているが、構造物の柱部と梁部との接合構造や、擁壁の底版部と壁部との接合構造など上記以外の構造体どうしの接合構造に本発明に係る鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造を採用してもよい。
1A〜1H 鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造
2 カルバート
3,3B〜3E,3G,3H 側壁部(第1構造体)
4,4B〜4D,4G,4H 頂版部(第2構造体)
6,6E 底版部
31 第1外殻部(プレキャストコンクリート部材)
32 第2外殻部(プレキャストコンクリート部材)
33,33B〜33E,33G,33H,812 第1せん断補強鋼材
41 下板部(プレキャストコンクリート部材)
42,42B〜42D,42G,42H,63,822 第2せん断補強鋼材
47 ハンチ部
51,51B〜51H 接合コンクリート部
71 貫通鉄筋
72 スタッドジベル(ジベル)
73 拘束部材
312 第1鉄筋
313 第1鉄筋接合部
334,334B〜334E,334G,813 第1対向板部(対向板部)
334b 第1貫通孔
335,335C リブ(補剛材)
412 第2鉄筋
413 第2鉄筋接合部
425,425B〜425D,425G,631,823 第2対向板部(対向板部)
425b 第2貫通孔
425c 第1板部
425d 第2板部
426 リブ(補剛材)
711 定着体

Claims (15)

  1. 上下方向に延びる鋼コンクリート複合構造の側壁部と、前記上下方向に交差する幅方向に延びる鋼コンクリート構造の頂版部と、が接合部を介して接合される鋼コンクリート複合構造において、前記側壁部に設けられせん断力を負担可能な第1せん断補強鋼材と、前記頂版部に設けられせん断力を負担可能な第2せん断補強鋼材とが、それぞれの一部に設けられた板状の対向板部を互いの板面が対向するように前記接合部に配置され、かつそれぞれの前記対向板部が前記接合部に設けられる接合コンクリート部に一体に埋設され、
    前記第1せん断補強鋼材は、前記側壁部上下方向全体にわたって設けられ、前記対向板部以外が前記側壁部のコンクリートに埋設され、
    前記第2せん断補強鋼材は、前記頂版部方向全体にわたって設けられ、前記対向板部以外が前記頂版部のコンクリートに埋設されていることを特徴とする鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  2. 前記第1せん断補強鋼材と前記第2せん断補強鋼材とは、それぞれの前記対向板部が互いに接触しておらず前記接合コンクリート部を介して接合されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  3. 前記第1せん断補強鋼材および前記第2せん断補強鋼材の少なくとも一方は、プレキャストコンクリート部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  4. 前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部には、板面を貫通する第1貫通孔が形成され、
    前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部には、板面を貫通する第2貫通孔が形成され、
    前記第1貫通孔および前記第2貫通孔の両方を貫通する貫通鉄筋が前記接合コンクリート部に埋設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  5. 前記貫通鉄筋の先端部には、前記接合コンクリート部のコンクリートと定着する定着体が接続されていることを特徴とする請求項4に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  6. 前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部および前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部の少なくとも一方には、ジベルが設けられ、
    前記ジベルは、前記接合コンクリート部に埋設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  7. 前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部および前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部の少なくとも一方には、補剛材が設けられ、
    前記補剛材は、前記接合コンクリート部に埋設されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  8. 前記第1せん断補強鋼材および前記第2せん断補強鋼材の少なくとも一方のせん断補強鋼材は、複数設けられていて、
    複数設けられた前記せん断補強鋼材は、前記対向板部どうしが拘束部材で拘束されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  9. 前記第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とは、互いに交差する方向から接合されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  10. 前記第1せん断補強鋼材および前記第2せん断補強鋼材の少なくとも一方のせん断補強鋼材の前記対向板部は、前記交差する方向のうちの他方のせん断補強鋼材に向かう側に延びていることを特徴とする請求項9に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  11. 前記第1せん断補強鋼材と第2せん断補強鋼材とは、同一直線上における互いに対向する方向から接合されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  12. 前記側壁部は第1鉄筋を有し、前記頂版部は第2鉄筋を有し、
    前記第1鉄筋および前記第2鉄筋は、前記接合コンクリート部に一体に埋設されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  13. 前記側壁部および前記頂版部の少なくとも一方は、他方と接合されるハンチ部を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  14. 前記第1せん断補強鋼材および前記第2せん断補強鋼材は、それぞれ形鋼であり、
    前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部および前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部は、それぞれ前記形鋼のウェブであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合構造。
  15. 上下方向に延びる鋼コンクリート複合構造の側壁部と、前記上下方向に交差する幅方向に延びる鋼コンクリート構造の頂版部と、が接合部を介して接合される鋼コンクリート複合構造において、前記側壁部に設けられせん断力を負担可能な第1せん断補強鋼材と、前記頂版部に設けられせん断力を負担可能な第2せん断補強鋼材と、を接合部を介して接合する鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法において、
    前記第1せん断補強鋼材と前記第2せん断補強鋼材とをそれぞれの一部に設けられた板状の対向板部が互いに対向するように前記接合部に配置するせん断補強鋼材設置工程と、
    前記せん断補強鋼材設置工程の後に前記第1せん断補強鋼材の前記対向板部および前記第2せん断補強鋼材の前記対向板部を前記接合部に設ける接合コンクリート部で一体に埋設する接合コンクリート部打設工程と、を有し、
    前記第1せん断補強鋼材は、前記側壁部上下方向全体にわたって設けられ、前記対向板部以外が前記側壁部のコンクリートに埋設され、
    前記第2せん断補強鋼材は、前記頂版部方向全体にわたって設けられ、前記対向板部以外が前記頂版部のコンクリートに埋設されていることを特徴とする鋼コンクリート複合構造のせん断補強鋼材の接合方法。
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