以下に添付図面を参照して、この発明にかかるシート送出装置、画像形成装置、シート厚さ検知方法、およびプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかるシート送出装置を含む画像形成装置の一例の外観を概略的に示す説明図である。図1(a)は、画像形成装置を側面から見た図、図1(b)は、画像形成装置を上面から見た図である。画像形成装置100は、画像形成動作を行う本体部110と、本体部110に供給するシートを大量収容する大容量給紙部200と、印刷されたシートに対してソート、穴あけ、綴じ込みなどを施すフィニッシャ300と、印刷やソートなどがなされた用紙を排紙する排紙部400とを主に備える。なお、本実施の形態では、給紙部で用いられる普通紙、特殊紙などのシート状媒体について支障のないかぎり、以下、単に「シート」と記述する。
また、本体部110は、上部に自動原稿供給装置145を有し、自動原稿供給装置145にセットされた原稿はスキャナ部(図示しない)により光学走査が行われ、原稿画像が読み取られる。また、本体部110の上部には、ユーザに対して種々の情報を提示し、また、ユーザからの操作入力を受け付けるためのインターフェースが配置される操作表示部140が設けられている。また、本体部110の前面中央には、本体部110の内部に格納されたトナーなどをカバーするドア146が備えられている。なお、ドア146が開扉された場合、ユーザによる操作時の安全性の確保のため、駆動系などが停止される。
画像形成装置100は、例えばY〈Yellow〉、M(Magenta)、C(Cyan)、K(Black)各色のトナーを供給するトナーカートリッジが着脱可能に設けられる。各トナーカートリッジは、例えばドア146を開扉することで、本体部110からの取り外しや、本体部110に対する装着を行うことができる。
画像形成装置100は、例えば大容量給紙部200から供給されるシートに対して、外部のコンピュータなどから供給された画像データに従いY、M、C、K各色のトナーによる画像を形成する。一例として、帯電器により一様に帯電された感光体ドラムに対し、レーザビームを照射して露光を行い画像データに従った静電潜像を形成し、この静電潜像に対してトナーカートリッジから供給されたトナーを付着(現像)させる。感光体ドラムからシートSに対してトナーを転写し、定着器によりトナーをシートSに定着させることで、シートSに画像データに従った画像が形成される。画像が形成されたシートSは、必要に応じてフィニッシャ300で所定の処理を施され、排紙部400に排紙される。なお、画像形成装置100は、本体部110の下部に設けられる給紙搬送部111に収容されたシートSに対して画像形成を行うこともできる。
図2は、本実施の形態にかかる画像形成装置の積載部、給紙部および作像部の概略構成を示す説明図である。図2は、シートSを積載するトレイ(積載部)201、シートSを一枚ずつ給紙する給紙部、カラー画像を形成する作像部のそれぞれの構成について概略的に示している。
シートSは、トレイ201に所定枚が積載され、底板202の上昇により所定圧でピックアップローラ210(図4参照)に加圧され、給紙指令により給紙動作が行われることで搬送ローラ213、レジストローラ214に搬送される。
作像部130は、タンデム型の作像ユニットで構成されており、図示するように、感光体ドラム215K、感光体ドラム215C、感光体ドラム215M、感光体ドラム215Yが、中間転写ベルト216に並設されている。なお、各色の作像ユニットは、詳細な図示を省略するが、一般的に知られている電子写真プロセスに従い、帯電部、現像部、クリーング部、除電部等を有し、各部がユニット化されて1つのプロセスカートリッジを構成している。感光体ドラム215Kは、ブラック(K)の画像の静電潜像を形成する。感光体ドラム215Cは、シアン(C)の画像の静電潜像を形成する。感光体ドラム215Mは、マゼンタ(M)の画像の静電潜像を形成する。感光体ドラム215Yは、イエロー(Y)の画像の静電潜像を形成する。
露光ユニット(不図示)は、タンデム作像ユニットに隣接して配置されている。露光ユニットは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応して設けられた感光体ドラム215K,215C,215M,215Yに露光を行うようになっている。
作像ユニットは、中間転写ベルト216の上であって、中間転写ベルト216の回転方向に沿って配置された4つの作像ユニットから構成されて、帯電、露光、現像の工程を経て、各感光体ドラム215K,215C,215M,215Y上に可視画像(トナー像)が形成される。可視画像(トナー画像)は、各感光体ドラム215K,215C,215M,215Yと中間転写ローラ(不図示)との間で中間転写ベルト216に転写されて所望のトナー画像となる。
一方、中間転写ベルト216を挟んで作像ユニットの反対側には、転写部材としての2次転写ローラ217を有している。この2次転写ローラ217を中間転写ベルト216に押し当てることにより、2次転写ニップを形成している。この2次転写ニップには、中間転写ベルト216に順次転写されて形成されたカラーのトナー画像が、給紙部113からレジストローラ214を介して所定のタイミングで搬送されたシートSに転写されるように構成されている。
図3は、本実施の形態にかかる画像形成装置の構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、給紙搬送部111、作像部130、定着部135、操作表示部140、演算回路150、通信I/F160等を有する。給紙搬送部111は、積載部(トレイ201)112、給紙部113、発光部114、受光部115、温湿度センサ116、外部光センサ117を有する。演算回路150は、CPU(Central Processing Unit)151、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)153、記憶部154を有する。
給紙搬送部111は、積載部112、給紙部113、発光部114、受光部115、温湿度センサ116、外部光センサ117を有する。画像形成部としての作像部130は、例えば電子写真プロセスにより所望の画像をシートS上に形成する。定着部135は、シートS上に形成された画像を、例えば、通常知られているように熱定着ローラと加圧ローラのニップ部分において熱および加圧の作用により定着させる。操作表示部140は、画像形成装置100の操作入力キー、テンキーなどの入力機能や、装置の状態などを表示し、例えばソフトタッチパネルの表示機能を有する。
CPU151は、ROM152に格納されている後述する各種プログラムに従って制御を実行する。ROM152は、CPU151の各種プログラムを格納する。RAM153は、CPU151が各制御処理を行う際にワーキングメモリとして用いられる。
記憶部154は、複数の記憶領域を有する不揮発性の記憶装置を用いる。記憶部154は、少なくとも、シートSの所定残量時の受光部115の第1の出力と、シートSが一枚減ったときの第2の出力と、第1の出力と第2の出力との差分の取り得る範囲との関係を記憶する記憶領域Aと、シートSの厚さ毎に、上記差分の取り得る範囲との関係を記憶する記憶領域Bと、といった複数の記憶領域を有する。シート送出装置は、シートSの検査装置のような、画像を形成しない装置に適用されてもよい。
また、上記記憶領域A,Bに記憶される情報は予め実験やシミュレーション等で求めたシートSの種類毎に用意される。シートSの種類は、例えば、普通紙、普通紙より厚さの薄いシート、普通紙より厚さの厚いシート、トレーシングペーパーなどの第二原図用の半透明なシート、OHP用のフィルムであってもよい。さらには、シートSは、電子回路基板用シートに用いられるプリプレグ(Prepreg:Preimpregnated material)といった、絶縁フィルムであってもよい。
温湿度センサ116は、トレイ201の給紙口近傍に設けられ、トレイ201の給紙口近傍の温湿度を測定するためのセンサである。なお、温湿度センサ116は、温湿度の両方ではなく少なくとも一方を測定できる構成であってもよい。
外部光センサ117は、発光部114より発光された光以外の外部から入射した光を測定するためのセンサである。通信I/F160は、パーソナルコンピュータ等の外部機器500と接続するためのインターフェースである。
図4は、給紙搬送部111の構成例を示す説明図である。図4において、トレイ201の底板202上に積載されたシートSの束を厚さ方向で挟む位置に発光部114と受光部115を備え、発光部114より発した光がシートSの束を透過した光量を受光部115にて検知している。
トレイ201に積載されたシートSは、ピックアップローラ210により給紙ローラ211と分離ローラ212に送られ、給紙ローラ211と分離ローラ212とのニップ部分の摩擦作用により一枚分離して繰り出され、給紙ローラ211によって搬送ローラ213側に送られる。なお、本例では、給紙方式としてローラ分離方式の構成について述べたが、コーナー爪分離、フリクションパッド分離、トルクリミッタ内蔵のローラ分離、エアー分離等、公知の給紙方式であってもよい。
発光部114としてはLED素子、半導体レーザなどが考えられるが、白熱灯や蛍光灯等その他の発光手段でもかまわない。また、発光部114の波長も可視光はもちろん、赤外光や紫外光等が考えられる。また、受光部115としては、フォトトランジスタ、フォトダイオード等が考えられるが、受光した光を何らかの値で得られる手段であればどのような受光手段であってもかまわない。
従来は、シートの厚さを検知するセンサが別途設けられていた。これに対して本実施の形態のシート送出装置では、シートSの厚さを検知することができるので、従来設けられていた厚さを検知するセンサが不要となり、経済的である。また、シートSの枚数検知のための上述した発光部114および受光部115によるセンサと共通にできるので、経済的である。
すなわち、本実施の形態のシート送出装置では、1組の発光部114と受光部115のみでトレイ201に積載されているシートSの枚数検知ができ、0枚(シートSの積載無し時を示すペーパエンド状態)の判定もできることから、トレイ201に積載されているシートSが0枚であることを判定するペーパエンドセンサも必要なくなる。このため、発光部114および受光部115が2組必要な従来の構成とコストを比べると、発光部114と受光部115のコストに加えてペーパエンドセンサのコストも削減できるので、大幅にコストを削減することができる。また、1組の発光部114と受光部115であるため、2組設置するのに比べて設置スペースを最小限にすることもできる。
図5は、本実施の形態にかかるシート送出装置の機能構成を示すブロック図である。シート送出装置は、演算処理部(演算回路150)11、受光出力補正部12、外部光除去処理部13を有する。
演算処理部11は、複数のシートSが所定量のときの受光部115からの第1の出力と、当該第1の出力時からシートSが1枚減ったときの受光部115からの第2の出力と、第1の出力と第2の出力との差分に基づいて、複数のシートSの残量とシートの厚さを演算する。
受光出力補正部12は、受光部115で得られた光量に対して所定の演算処理を行い、前述の第2の出力を補正する。また、受光出力補正部12は、温湿度センサ116により検知された情報(温度、湿度、または温湿度の情報)に基づいて、予め設定した閾値と比較し、前述の出力を補正する。
外部光除去処理部13は、外部光センサ117で検知された外部光を受光部115の受光量から除去する。
なお、シート送出装置の機能の一部または全部をソフトウェアまたはハードウェアで構成してもよい。
図6は、トレイ201に備えられた発光部114および受光部115の距離と位置関係を示す説明図である。ここで、距離C1は発光部114と受光部115の距離、角度E1は発光部114と受光部115を結ぶ光軸とシートSの角度、距離D1はシートSと受光部115の距離、D2はシートSと発光部114の距離である。
図6において、例えば、給紙準備ができたときには、発光部114と受光部115の距離C1は30mm、発光部114と受光部115を結ぶ光軸とシートSの角度E1は55度、シートSと受光部115の距離D1は8.5mm等が考えられる。また、受光部115の出力を電圧値で取得する。ここで、トレイ201に積載されたシートSの枚数が4枚あるとする。このときの受光部115の出力電圧が2.3428Vであるとする。次にシートSが1枚減り、3枚になると受光部115の出力電圧は2.6733Vとなる。このように、シートSが1枚減ることで、受光部115の出力電圧が変化する。
図7は、シートSの枚数毎の受光部115の出力特性を示すグラフである。図7では、シートSが普通紙である場合、トレイ201に積載されたシートSの枚数がそれぞれ、5枚から4枚、4枚から3枚、3枚から2枚、2枚から1枚になったときの受光部115の出力電圧を測定し、受光部115の出力電圧とその増加量の関係をグラフ化したものである。
図8は、図7におけるそれぞれの枚数の点に対して、それぞれの枚数の境界線を示すグラフである。図8に示す境界線[1]、[2]、[3]の式は、例えば、以下に示す通りである。
シートSが1枚と2枚の境界線[3]の式は、
−0.0287×受光部115の出力電圧の増加量×受光部115の出力電圧の増加量+0.4592×受光部115の出力電圧の増加量+0.06088
シートSが2枚と3枚の境界線[2]の式は、
−0.0433×受光部115の出力電圧の増加量×受光部115の出力電圧の増加量+0.3529×受光部115の出力電圧の増加量+0.0396
シートSが3枚と4枚以上の境界線[1]の式は、
−0.0677×受光部115の出力電圧の増加量×受光部115の出力電圧の増加量+0.3075×受光部115の出力電圧の増加量+0.0271
例えば、受光部115より得られた透過光量を電圧に変換し透過光量を得る場合、まず、積載されたシートSを厚さ方向で挟む位置に配置される発光部114と受光部115を備え、その発光部114より発光され積載されたシートSを透過した光量を示す電圧Vaを受光部115より得る。そして、給紙動作等により積載されたシートSの枚数が減少した後、発光部114より発光されシートSを透過した光量を示すVbを電圧受光部115より得る。ここで、シートSの透過枚数が減ったことにより、受光部115の出力電圧が大きくなることからVb>Vaとなる。そこで、電圧の増加量Vb−Va=Vcを求める。求めた、VcとVbの関係式より、枚数判定を行う。また、前述の説明においてVbは受光部115の出力電圧である。ここで、この境界線と受光部115の出力電圧の増加量、すなわち、前述のVcと比較し、シートSの枚数を判定することができる。
図9は、演算処理部における処理手順の一例を示すフローチャートである。演算処理部11は、演算処理を行うにあたって、発光部115より発光され積載されたシートSを透過した光量を示す電圧を受光部115より得て、判定式による演算処理を行う。判定式は「受光部115の出力電圧Vb−境界線の式」である。
まず、給紙前に受光部115により出力されるシートSの透過に基づく出力電圧を、前出力電圧に保存する(ステップS101)。続いて、給紙搬送部111により給紙動作を行い(ステップS102)、給紙動作直後に受光部115により出力される電圧を入力し、当該出力電圧値を保存する(ステップS103)。
続いて、受光部115の出力電圧が0.02V以上であるか否かを判断する(ステップS104)。ステップS104において0.02V以上であれば(判断、Yes)、受光部115の出力電圧と前の出力電圧の差分を受光部115の出力電圧の増加量として保存し(ステップS105)、受光部115の出力電圧と前の出力電圧を保存して(ステップS106)、ステップS107に移行する。
ステップS107では、受光部115の出力電圧の増加量が0より小さいか否かを判断する。ステップS107において受光部115の出力電圧の増加量が0より小さい場合(判断、Yes)、異常終了となる。一方、ステップS107において受光部115の出力電圧の増加量が0より大きい場合(判断、No)、0枚判定式が0より大きいか否かを判断する(ステップS108)。ステップS108において0枚判定式が0より小さい場合(判断、No)、さらに、3枚判定式が0より小さいか否かを判断する(ステップS109)。ステップS109において3枚判定式が0より大きい場合(判断、No)、さらに、2枚判定式が0より小さいか否かを判断する(ステップS110)。ステップS110において2枚判定式が0より大きい場合(判断、No)、さらに、1枚判定式が0より小さいか否かを判断する(ステップS111)。ステップS111において1枚判定式が0より大きい場合(判断、No)、残り枚数が1枚であると処理する(ステップS112)。
一方、ステップS108において、判断がYesであれば残り枚数が0枚であると処理する(ステップS113)。また、ステップS109において、判断がYesであれば残り枚数が4枚であると処理する(ステップS114)。また、ステップS110において、判断がYesであれば残り枚数が3枚であると処理する(ステップS115)。また、ステップS111において、判断がYesであれば残り枚数が2枚であると処理する(ステップS116)。さらに、ステップS104において受光部115の出力電圧が0.002Vよりも小さい場合(判断、No)、残り枚数が4枚以上であると処理する(ステップS118)。
このように、上記ステップS112〜S116、S118において、シートSの積載枚数の残量が判定されたのちに枚数データが更新され(ステップS117)、ステップS103に戻り、上記処理を繰り返し実行する。
上述した演算処理ではシートSが0枚、1枚、2枚、3枚、4枚以上の枚数が判定できる。判定方法としては、値を代入した結果が正であればその枚数以上、負であればその枚数以下であることから、枚数判定を行っている。例えば、3枚判定式、2枚判定式の演算結果が正であり、1枚判定式の演算結果が負であれば、その枚数は2枚となる。
図10は、シートSの積載枚数がそれぞれ4枚から3枚(a)、3枚から2枚(b)、2枚から1枚(c)になったときのシートSの厚さと受光部115の出力電圧の増加量との関係について示すグラフである。図10ではシートSが、4枚から3枚、3枚から2枚、2枚から1枚になったときの受光部115の出力電圧の増加量を示している。ここで増加量は、特性が異なる様々な受光素子を用いて、薄いシートSと厚いシートSの2種類について、受光部115の出力の取りうる値を標準偏差値−3σ〜+3σで示したものである。すなわち、図10における横軸に示す2つの値は、シートSの厚さ毎の差分の取り得る値の範囲について標準偏差値−3σ〜+3σで示している。
また、薄いシートの例は45kg紙(坪量52g/m^2)−110kg紙(坪量128g/m^2)の薄紙であり。厚いシートの例は、135kg紙(坪量157g/m^2)−180kg紙(坪量209g/m^2)の厚紙である。なお、範囲はこの範囲に限定せず、必要に応じて変更してもよい。その場合においても、シートSの厚さ毎に、シートが一枚減った際の差分の取り得る範囲との関係が記憶部154に記憶されていればよい。
図11は、シートSの積載枚数がそれぞれ4枚から3枚(a)、3枚から2枚(b)、2枚から1枚(c)になったときのシートSの厚さと受光部115の出力電圧の増加量との関係について境界線を引いて示すグラフである。図11はシートSが、4枚から3枚、3枚から2枚、2枚から1枚になったときのセンサ出力の増加量に対して、薄いシートSと厚いシートSの標準偏差より、境界線を引いたものである。シートSの枚数の検知後、受光部115の出力電圧の増加量が以下の範囲であるか計算することで、シートSの厚さを判定することできる。
シートSの枚数が、以下の枚数の場合の判定式は以下のとおりである。
(1)3枚の場合、0以上0.1496未満:厚紙、0.1496以上:薄紙
(2)2枚の場合、0以上0.3271未満:厚紙、0.3271以上:薄紙
(3)1枚の場合、0以上0.8815未満:厚紙、0.8815以上:薄紙
上記ではシートSが1枚から3枚の場合を示したが、4枚以上についても判定式を作成することで、簡単に判定できる。したがって、すでにトレイ201に発光部114および受光部115が取り付けられているので、枚数検知と同時にシートSの厚さも検知することができる。新たなセンサを設ける必要がないので、経済的である。
図12は、シートSの厚さ検知処理例を示すフローチャートである。図12において、演算処理部11は、前述したように、発光部114より発光され積載されたシートSを透過した光量を受光部115より出力された電圧として得て、枚数検知(図9参照)を行う(ステップS201)。続いて、各枚数の下記判定式が0以上であるか否かを判断する(ステップS202)。ここで、シートSが3枚の場合には、受光部115の出力電圧増加量−0.1496の判定式を用い、シートSが2枚の場合、受光部115の出力電圧増加量−0.3271以上の判定式を用い、シートSが1枚の場合、受光部115の出力電圧増加量−0.8815以上の判定式を用いる。ステップS202において、判定がNoの場合にはシートSが厚紙とし(ステップS203)、一方、判定がYesの場合にはシートSが薄紙であるとする(ステップS204)。
なお、以上の例では、シートSが3枚までの場合の厚さを判定式で判定する方法について説明したが、判定する枚数は何枚であってもかまわない。また、別にどのような演算処理であってもかまわない。
図13は、受光部に増幅回路を接続した例を示す説明図である。図13に示すように増幅回路155と増幅制御部156とを備え、増幅率制御部156で増幅回路155の増幅率を変える。また、増幅率制御部156を接続せずに、一定倍率で増幅する場合も考えられる。そして、受光部115の出力を増幅することで、そのダイナミックレンジを広くすることができ、精度よくシートSの残量検知を行うことができる。
ここで、受光部115は得られた光量を電圧として出力している。このとき、増幅回路155としてオペアンプを利用した非反転増幅回路等が考えられる。しかし、この増幅回路155は必ずしもオペアンプを使ったものでなければならないわけではなく、電圧を増幅できるものであればどのような増幅回路であってもかまわない。
受光部115の出力電圧をA/Dコンバータ等でデジタル値に変換し、シートSの枚数判定を行う場合、A/Dコンバータには分解能があるため、例えば、分解能10bitのA/Dコンバータで+5VをA/D変換すれば、1bitあたり約5mVとなる。
また、複数枚のシートSを測定するときには、シートSの枚数が多くなるほど、シートSを透過する光量が小さくなるため、受光部115の出力電圧が小さくなる。そこで、微小な電圧を測定するには高分解能のA/Dコンバータを用いればよいが、A/Dコンバータの分解能は有限であるため、認識できる電圧には限界がある。例えば、上記の10bitのA/Dコンバータの例でシートSを透過した光を受光部115で検知し、その出力電圧が1mVであった場合、A/Dコンバータでは0bitとなり、1mVを検出できない。
そこで、例えば1mVを検出するために、受光部115の出力電圧をオペアンプ等の増幅回路により、5倍に設定すれば、1mVを検出することができる。しかし、受光部115の出力電圧が5Vとなると、5V×5倍=25Vとなり、例えば、絶対最大定格+5VのA/Dコンバータを使用していれば、A/Dコンバータの絶対最大定格を超えてしまい、A/Dコンバータを破壊してしまう可能性がある。そのため、受光部115の出力電圧に応じて、その出力を増幅制御部156で制御し、増幅回路155の増幅率を動的に変え、受光部115の出力電圧を増幅することで、出力電圧が微小であっても、A/Dコンバータで電圧を検出でき、それにより多くのシートSを高精度に残量検知することができる。
すなわち、受光部115の出力をVfとし、Vfに応じて増幅制御部156を調整し段階的に増幅率Aを変更する。その後、A倍に増幅後の出力Vgを測定することで、Vg/Aにより元の電圧Vfを求めることができる。
ここで、段階的に変える増幅率は、例えば、以下のようにする。なお、必ずしもこの増幅率にしなければならないというわけではない。
(1)0.16>Vfの場合、増幅率A=25
(2)0.16≦Vf<0.8の場合、増幅率A=5
(3)0.8≦Vfの場合、増幅率A=1(増幅無し)
図14は、受光部115の出力電圧の増幅処理例を示すフローチャートである。まず、受光部115の出力Vfを測定し(ステップS301)、出力Vfの増幅が必要であるか否かを判断する(ステップS302)。出力Vfの増幅が必要である場合(判断、Yes)、増幅回路155の増幅率Aを決定し(ステップS303)、受光部115に増幅回路155を接続する(ステップS304)。続いて、A倍に増幅した後の出力Vgを測定し(ステップS305)、Vg/AよりVfを求める(ステップS306)。ステップS302において増幅が必要でなければ(判断、No)、本動作を終了する。
このように、出力Vfに応じて増幅率Aを決定し、その増幅率Aで増幅後の電圧VgよりVfを求める。上記手順でVfを求めた後、図9の処理動作を実行してシートSの残量判定を行う。
図15は、増幅率の段階的変化について示すグラフである。図15における横軸は受光部115の出力電圧、縦軸は増幅率を示している。ここで、受光部115の出力VfがVf<K1であったとする。このとき、増幅率をL1にする。同様に受光部115の出力K1≦Vf<K2の場合には倍率をL2に、K2≦Vfの場合には増幅無しにする。このように電圧に応じて複数の増幅率をあらかじめ決めておき、Vfに応じて増幅率を段階的に変えていく。ここでは、2通りの増幅率の例を示したが、必ずしも、増幅率が2通り必要というわけではなく、必要に応じて何通りあってもかまわない。
例えば、シートSが複数枚あり発光部114より発光し、シートSの束を透過した光量を受光部115の出力電圧が0.001Vであったとすると、前述の分解能10bitのA/Dコンバータでは0bitとなってしまい、出力電圧が0Vであると認識される。そこで、増幅制御部156で倍率を25倍に設定し、増幅回路155を用いて出力を5倍すると0.025Vとなる。これをA/D変換すると0.025Vと認識でき、25で割る演算処理をする、すなわち、0.025/25=0.001より0.001Vと認識できる。
これにより、A/Dコンバータ分解能から判定できる電圧値以下の電圧であるために枚数判定できない場合でも、以上のような処理を施すことにより、A/Dコンバータ分解能から判定できる電圧値以下の電圧を認識でき、より多くのシートSを高精度に残量検知できる。
図16は、受光部の出力電圧を増幅した際の電圧補正例を示すフローチャートである。ここでは受光部115より得られた透過光量を電圧に変換し透過光量を得る場合について具体例を用いて説明する。まず、増幅回路155を接続せずに(ステップS401)、受光部115の出力電圧Va1=0.8Vに調整する(ステップS402)。その後、積載されたシートSに配置された受光部115に得られた出力をAt=5倍にする増幅回路155を接続し(ステップS403)、光量L1で発光し(ステップS404)、得られた電圧をVa2とする(ステップS405)。
続いて、増幅回路155をオフ(OFF)し(ステップS406)、受光部115の出力電圧がVb1になるように光量L2に調整する(ステップS407)。続いて、増幅回路155をオン(ON)して増幅率Atとし(ステップS408)、光量L2で発光し(ステップS409)、このときの出力電圧Vb2を測定する(ステップS410)。次に、上述した動作で得られた値を元に真の増幅率を計算し(ステップS411)、補正電圧を計算する(ステップS412)。
ところで、増幅回路155に使われる抵抗等の素子等にばらつきや、増幅回路155にオペアンプを使用した際のオフセット入力電圧等の影響がなければ、正確にA=5倍された電圧Va2=4.0Vを得ることができる。しかし、例えば、非反転増幅回路で1kΩと4kΩの抵抗で倍率を5倍に設定し、1kΩの抵抗の誤差が+10%、4kΩの抵抗の誤差が−10%であれば、それぞれ実際の抵抗の大きさが0.9kΩ、4.4kΩとなるので、非反転増幅回路の倍率が(3.6/1.1)+1≒4.27倍となり増幅回路の出力が約3.418Vとなる。さらに、入力オフセット電圧の影響があり、例えば、入力オフセット電圧がVIO=−0.1Vであった場合、増幅後の出力電圧はVa2=(0.8−0.1)×4.27=2.989Vとなり、4.0Vを得ることができない。
そこで、上述したように、第二の電圧を測定する。例えば、Vb1=0.5Vの場合、Vb2=(0.5−0.1)×4.27=1.708Vとなる。これらの値をもとに増幅回路155の真の倍率を求めるとA=4.27とわかり、入力オフセット電圧はVIO=−0.1と求められる。
図17は、シートSの種類に応じて枚数の判定式を切り替える例を示すフローチャートである。シートSの種類によって受光部115の出力が異なるため、シートSに応じて、枚数の判定式を切り替える必要がある場合がある。例えば、シートSが、普通紙、第二原図のみを給紙するのであれば、それぞれのシートSに応じて枚数判定をするための演算方法があればよい。しかし、それらに加えてOHPシートも給紙する場合には、普通紙、第二原図に加えてOHPシートの枚数判定をするための演算方法も必要になる。そこで、複数の種類のシートに応じた演算方法を備え、その中から、枚数判定の対象とするシートSの演算方法を適用することにより、精度よく枚数検知を行うものとする。
図17において、演算処理部11は、まず、トレイ201に積載されているシートSの枚数を検知するにあたり、当該シートSが普通紙であるか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501においてシートSが普通紙である場合(判断、Yes)、普通紙の判定式を用い(ステップS502)、枚数の演算を行う(ステップS507)。
一方、ステップS501においてシートSが普通紙でない場合(判断、No)、さらにシートSが第二原図であるか否かを判断する(ステップS503)。ここでシートSが第二原図である場合(判断、Yes)、第二原図の判定式を用い(ステップS504)、枚数の演算を行う(ステップS507)。ステップS503においてシートSが第二原図でない場合(判断、No)、さらにシートSがOHPシートであるか否かを判断する(ステップS505)。ここでシートSがOHPシートである場合(判断、Yes)、OHPシートの判定式を用い(ステップS506)、枚数の演算を行う(ステップS507)。一方、ステップS505においてシートSがOHPシートではない場合(判断、No)、本動作を終了する。なお、OHPシートは、オーバーヘッドプロジェクタで用いる透明フィルム状のシートである。
なお、上述した例では、シートSが、普通紙、第二原図、OHPシートの場合について説明したが、それ以外のシートSの種類についての演算式があってもかまわない。また、前述した図10、図11は、同一種類のシートSについての特性を示し、シートSの種類毎に別途判別式が設けられる。
図18は、受光部の出力から演算式を切り替える例を示すフローチャートである。まず、受光部115の出力電圧Vdを測定し(ステップS601)、この出力電圧Vdが予め設定した閾値以下であるかを判断する(ステップS602)。ここで出力電圧Vdが閾値より大きい場合(判断、No)、予め定めた判定式D1を用い(ステップS603)、演算を行う(ステップS605)。一方、ステップS602において出力電圧Vdが閾値以下の場合(判断、Yes)、予め定めた判定式D2を用い(ステップS604)、演算を行う(ステップS605)。
上記では、1つの境界線の式で枚数判定を行うと、判定が厳しいものとなる場合がある。そこで、例えば、シートSが2枚と3枚の境界線の式を受光部115の出力電圧が0V以上1V未満、1V以上のように閾値を決め、出力電圧に応じて式を切り替えることにより、より精度よく判定を行うことができる。
また、シートSは時間が経過すると黄色く変色するものもある。このような変化があった場合、透過光量も変化する。その際、演算方法を切り替える電圧を1Vとするよりも、例えば、その電圧を1.1Vにすることでより精度よくシートSの残量検知ができる。そこで、演算方法を切り替える電圧を1.1Vに変更し、受光部115の出力電圧が0V以上1.1V未満、1.1V以上のように、演算方法を切り替える電圧を任意に調整できるようにすることで、より精度よく枚数検知を行うことができる。ここでは、シートSが黄色く変色したために、透過光量が想定している範囲を超えてしまった場合の例について示したが、必要に応じて演算方法を切り替える電圧を調整できるようにしてかまわない。
図19−1、図19−2は、発光部より発光された光以外の光が外部から入射した場合について示す説明図である。図19−1は、外部光を測定する構成を設けていない例、図19−2は、外部光を測定し、外部から入射した光の影響を除去する構成を設けた例について示している。
図19−1の構成では、発光部114より発せられる光以外に、外部から光が入射すると受光部115の得る光量が大きくなり、その影響により精度よくシートSの枚数検知を行うことができない。
これに対して、図19−2の構成では、フォトトランジスタ等の外部から入射する光量を測定する外部光センサ117を設けている。外部から入射している光量を外部光センサ117で検知し、その光量を元に、例えば、枚数検知の演算方法に変えることや、デジタル値に一定倍率を乗じる演算処理をする等、外部光除去処理部13より外部光の影響を除去すれば、外部から入射する光の影響を取り除くことができる。このように、外部光の影響を除去することができれば、手差しトレイのように外部光が入射する状況であっても、その影響を受けること無しに精度よく枚数検知を行うことができる。
次に、温度情報に基づいてシートSの枚数検知を行う例について説明する。シートSの積載近傍の温度が変化すると、シートSが伸び縮みし、例えば、温度が上昇すると、透過光量が増加する。その影響により精度よく検知を行うことができない。そこで、例えば、温湿度センサ116等で温度をデジタル値で得て、その得られた値がある温度以上であれば、枚数検知の演算方法を変えることや、デジタル値に一定倍率を乗じる等の演算処理をすることで、温度の影響を取り除くことができる。それにより、例えば、高温環境でシートSが伸びる等の変化があっても、その影響を受けること無しに精度よく枚数検知を行うことができる。本例においては高温の場合について説明したが、必ずしも高温である必要は無く、例えば、低温など、シートSの特性が変化する場合において、この手段を用いればよい。なお、温度の範囲を変更したい場合は、任意に温湿度の範囲を変更できるようにすることで、設置環境等の必要に応じた設定ができるようになり、より精度よく枚数検知を行うことができる。
図20は、検知温度に応じて枚数補正を行う例について示すフローチャートである。まず、温湿度センサ116により温度を測定し(ステップS701)、当該温度情報に基づいて前述したシートSの枚数検知処理において、予め設定した閾値と比較して枚数検知における補正演算が必要であるか否かを判断する(ステップS702)。ここで補正演算が必要であれば(判断、Yes)、所定の補正演算を行い(ステップS703)、一方、補正演算が必要でなければ(判断、No)、本処理を終了する。
次に、湿度情報に応じて枚数補正を行う方法について説明する。例えば、湿度が高い環境においてはシートSが水分を吸い込み、シートSが伸び、透過光量が増加する。その影響により、精度よく検知を行うことができない。そこで、例えば、温湿度センサ116等で湿度をデジタル値で得ることで、その得られた値がある湿度以上であれば、枚数検知の演算方法を変えることや、デジタル値に一定倍率を乗じる等の演算処理をすることで、湿度の影響を取り除くことができる。それにより、例えば、多湿の環境であり、シートSが伸びる等の変化があっても、その影響を受けること無しに精度よく枚数検知を行うことができる。本例においては多湿の環境の場合について説明したが、必ずしも多湿である必要は無く、例えば、低湿など、シートSの特性が変化する場合において、この手段を用いればよい。湿度の範囲を変更したい場合は、任意に湿度の範囲を変更できるようにすることで、設置環境等の必要に応じた設定ができるようになり、より精度よく枚数検知を行うことができる。
図21は、湿度に応じて枚数補正を行う例(1)について示すフローチャートである。まず、温湿度センサ116により湿度を測定し(ステップS801)、当該湿度情報に基づいて前述したシートSの枚数検知処理において、予め設定した閾値と比較して枚数検知における補正演算が必要であるか否かを判断する(ステップS802)。ここで補正演算が必要であれば(判断、Yes)、所定の補正演算を行い(ステップS803)、一方、補正演算が必要でなければ(判断、No)、本処理を終了する。
図22は、湿度に応じて枚数補正を行う例(2)について示すフローチャートである。例えば、シートSは湿気を吸収する速度ははやいが、湿気を出す速度は遅い。また、一度、吸湿や脱湿を行うと、元の水分量に戻るためには時間がかかる。そのため、例えば、シートSのサイズが変化し、透過光量に影響を与える。そこで、温湿度センサ116で測定した湿度を随時記録し、その湿度の変化に合った演算処理を施すことで、湿度の変化の影響を除去することができ、より精度良く枚数判定を行う。
図22において、まず、湿度情報の1回目の値としてn=1を設定し(ステップS901)、湿度測定値Hnとし(ステップS902)、Hnを記録する(ステップS903)。さらに、上記湿度測定を随時または所定間隔で複数回にわたって測定する(ステップS904)。その後、得られた湿度情報から枚数の補正演算が必要であるか否かを判断し(ステップS905)、必要であれば(判断、Yes)、所定の補正演算を行い(ステップS906)、必要でなければ(判断、No)、ステップS902に戻り、以下の動作を繰り返し実行する。
次に、画像形成装置100の操作表示部140や、画像形成装置100に接続されるコンピュータ等の外部機器500の動作例について説明する。例えば、シートSの厚さを操作表示部140や外部機器500より通知できるようにすれば、ユーザがシートSの厚さを知りたいときに、確認することができる。
そして、トレイ201に積載されているシートSの厚さが、設定された厚さと異なる場合には、画像形成動作を開始せずに操作表示部140、または画像形成装置100に接続されている外部機器500等から、シートSの設定された厚さが異なることを通知し、注意を促すメッセージの表示等を行うことで、それを知らずに画像形成動作を開始させてしまうことを未然に防ぐことができる。
さらに、操作表示部140、テンキーやキーボード等のコンピュータ等の外部機器500を接続した場合、演算処理の方法を変更する場合や補正を加えるときに、操作表示部140や外部機器500より、演算処理の方法を入力することで、簡単に、かつ、迅速に演算処理の方法を変更することが可能になる。また、例えば、現在の演算処理の方法について確認したい場合、操作表示部140やコンピュータ等の外部機器500を接続する。それにより、操作表示部140や外部機器500より演算処理を表示し、確認することができる。また、現在の演算処理の方法について確認できる。
なお、ここでは現在の演算処理の方法を表示する場合について説明したが、現在の演算処理の方法を表示するのみではなく、元々内蔵されている演算処理の方法の表示等であってもかまわない。また、自動で検知されたシートSの厚さを、画像形成装置100に自動で設定することで、正しい厚さを画像形成装置100に反映することができる。
次に、上述してきたシート送出装置(給紙搬送部111、演算回路150)に操作表示部140やコンピュータ等の外部機器500を接続した場合の動作例について説明する。外部機器500は、検知した枚数を操作表示部140や通信機能によりユーザに通知する。例えばシートSがすでに設定されている値と異なる場合、操作表示部140や外部機器500からシートSの厚さが設定値と異なることを通知する。それにより、注意を促すメッセージを表示すること等ができ、それに応じた処理をユーザが行うこと等ができる。
そして、例えば、未知のシートSの厚さ検知に対応するために、演算処理の方法を変更しなければならない場合、演算処理の方法を任意に変更や補正できるようにすれば、新たな種類のシートSに対応することができる。
さらに、表示部、入力部、テンキーやキーボード等を有するコンピュータ等の外部機器500を接続した場合、演算処理の方法を変更する場合や補正を加えるときに、外部機器500より、演算処理の方法を入力することで、簡単に、かつ、迅速に演算処理の方法を変更することが可能になる。
また、例えば、現在の演算処理の方法について確認したい場合、操作表示部140やコンピュータ等の外部機器500を接続する。それにより、操作表示部140や外部機器500より演算処理を表示し、確認することができる。また、現在の演算処理の方法について確認できる。
なお、上記では現在の演算処理の方法を表示する場合について説明したが、現在の演算処理の方法を表示するのみではなく、元々内蔵されている演算処理の方法の表示等であってもよい。
ところで、上述した実施の形態において演算回路150(CPU151)は、検知されたシートSの厚さに基づいて定着部135によるシートSの定着時間を変更する。定着時間の変更は、予め定めたシートSの種類毎の適正な定着時間に基づいて行う。これにより、シートSの種類に適した定着品質を得ることができる。
本実施の形態の画像形成装置100で実行されるプログラムは、ROM152等に予め組み込まれて提供される。また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
さらに、本実施の形態で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本実施の形態で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU151が上記ROM152からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上述してきた実施の形態は本発明を実現するための一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しない。これらの新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。