JP6984253B2 - 中空状スナック菓子生地及び概生地を加熱処理して得られる中空状スナック菓子の製造法 - Google Patents

中空状スナック菓子生地及び概生地を加熱処理して得られる中空状スナック菓子の製造法 Download PDF

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本発明は中空状スナック菓子生地及び概生地を加熱処理して得られる中空状スナック菓子の製造法に関し、詳細には加水分解度が0.22M TCA可溶率として20重量%以下であることを特徴とする植物性分離蛋白を10〜50重量%含有する、中空状スナック菓子生地を用いることで、新規で特異な外観と食感、さらには高い蛋白質含有量を有した中空状スナック菓子生地、及び概生地を加熱処理して得られる中空状スナック菓子を簡単に製造する方法に関する。
スナック菓子とは、一般的には澱粉を多く含む穀粉を主原料とし、水または水系組成物と混捏した生地を加熱処理したものを指すが、JAS等の定義はなく、原料の穀粉や加熱方法には特に限定はない。カリカリとした食感のものが多く、またともに配合される油脂等と着味により、極めて嗜好性の高い食品として、以前より消費されてきた。
他の菓子のカテゴリーにおいてもそうであるが、このスナック菓子においても、新規な外観や食感を呈するスナック菓子は市場より大きな需要があり、その需要にこたえる形で様々なスナック菓子を製造する方法が提案されてきた。
新規な外見や食感を目的とし、その中でも二つの異なる風味差・食感差を同時に味わえることに着眼した場合、中空状のスナック菓子は好適である。例えば、外側の硬い食感と何もない中空部との食感の差であったり、あるいは焼成耐性のある具材(一例として炒り豆など)をあらかじめ包餡して焼成することで、中空部分の具材とその周りを硬い食感の焼き菓子の差であったり、さらには焼成後の何も入っていない中空部分に外側の焼き菓子部に穴を開けてフィリングやチョコレート類を注入した場合のそれぞれの食感の差であったりと、すでに商品として長く流通しているものもあるし、なおさらにさまざまな提案もなされている。
例えば、アミロース含有量25重量%以下の澱粉又は穀粉、及びそれらのα化物、アセチル化物、エーテル化物から選ばれた少なくとも一種からなる澱粉質原料100 重量部と、酸又は凝乳酵素で凝集又は凝固させ、熟成をしていない乳加工品10〜150 重量部とに水を加えて、生地水分量を35〜60重量%に調整して膨化食品の生地を得、この生地を焼成して、中空構造の膨化食品を得ることで、卵と小麦粉とを用いることなく、簡単な工程で製造できる膨化食品の生地と、この生地を焼成して得られる中空構造の膨化食品が提案されている。(特許文献1)
一方で、スナック菓子はその原料として多く用いられる澱粉を多く含む穀粉や加熱処理の際の油ちょう、配合された油脂などの為、糖質やカロリーなどが消費者には懸念材料とされており、健康志向の、そのなかでも蛋白質を多く摂取できるスナック菓子についてもさまざまな提案がなされている。
例えば、原料固形分総重量に対して蛋白質10-20重量%、脂質7-14重量%および糖質55-81重量%を含有し、該糖質中の1-10重量%がトレハロースである生地を加熱焼成して得られることを特徴とする高栄養焼き菓子(特許文献2)
また、フライ食品への油の滲み込み量を少なくでき、油性感のない、あっさりとした食感を有し、フライ後、時間が経過しても軟らかくならず、さくさくした歯切れ感が保持されるとともに、フライ食品のカロリー低減化を図ることができるフライ食品改質剤及びフライ食品を提供するとして、分離大豆蛋白質、油脂及び水が、分離大豆蛋白質2〜12重量%、油脂15〜30重量%、水83〜58重量%の割合で含有され、O/W型に乳化されていることを特徴とするフライ食品改質剤が提案されている(特許文献3)。
さらには、小麦粉の代わりに多量に用いることが出来て、風味に優れざらつかない大豆蛋白含有食品(焼成食品)を目的として、NSIが10〜55、0.22Mトリクロロ酢酸(TCA)可溶率が6〜30%、CPが50〜98%であることを特徴とする粉末状大豆蛋白とその大豆蛋白を結合剤で結合し成形した大豆蛋白含有食品(焼成食品または非焼成食品)が提案されている。(特許文献4)
これらのものは現在でも十分に商品価値のあるものではあるが、市場からはより新しい食感のものを求める声は大きかった。
特開平10−191877号公報 特開2002−191292号公報 特開2002−165552号公報 WO2007114129号公報
本発明は、新規で特異な外観と食感、さらには高い蛋白質含有量を有した中空状スナック菓子生地、及び概生地を加熱処理して得られる中空状スナック菓子を簡単に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、如上の点に鑑み鋭意研究した結果、加水分解度が0.22M TCA可溶率として20重量%以下であることを特徴とする分離蛋白を10〜50重量%含有する、中空状スナック菓子生地を用いることで、きわめて新規で特異的な外観を呈した中空状スナック菓子が簡単に得られるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)として、加水分解度が0.22M TCA可溶率として20重量%以下であることを特徴とする植物性分離蛋白を10〜50重量%含有する、中空状スナック菓子生地であり、(2)として、ゲル強度が0.01gf・cm以上である植物性分離蛋白と、膨張剤を0.01〜5重量%含有する、(1)記載の中空状スナック菓子生地であり、(3)として、油脂を10〜20重量%含有する、(1)ないし(2)に記載の中空状スナック菓子生地であり、(4)として、植物性分離蛋白が大豆分離蛋白または分離緑豆蛋白から選ばれた一種または二種以上である、(1)ないし(3)いずれか1項に記載の中空状スナック菓子生地であり、(5)として、(1)ないし(4)いずれか1項に記載の中空状スナック菓子生地を用い、加熱工程を含む、中空状スナック菓子の製造方法に関するものである。
本発明によれば、新規で特異な外観と食感、さらには高い蛋白質含有量を有した中空状スナック菓子生地、及び概生地を加熱処理して得られる中空状スナック菓子を簡単に製造することが可能となる。
実施例1の焼成後の状態を示す図面代用写真。 実施例1の焼成後の断面の状態を示す図面代用写真。 実施例10の焼成後の状態を示す図面代用写真。
以下、本発明を具体的に説明する。
(中空状スナック菓子および中空状スナック菓子生地)
前述のとおり、世間一般的に言うスナック菓子には厳密な定義はないが、本発明においては水または水系組成物と混捏した生地を加熱処理したものを指す。そして本発明の中空状スナック菓子はその中でも内部に中空状の空間を有するものである。
特にその大きさやなどは限定されないが、上記背景技術にもあるように、硬くカリカリした外側の焼き菓子部分に覆われた、中空部分によって構成されている。
中空部はそのまま空隙のままで喫食してもよいし、外側の焼き菓子部に穴を開けてフィリングやチョコレート類などを注入してもよい。
また、あるいは焼成耐性のある具材(一例として炒り豆など)をあらかじめ包餡して焼成することで、中空部分に具材と空隙部分が混在した状態であってもかまわない。
中空状スナック菓子生地は焼成することにより、上記中空状スナック菓子になるものを指す。
(植物性分離蛋白)
植物性分離蛋白とは、各種豆類や小麦など、蛋白質を多く含む植物原料から蛋白質を分離、濃縮したものであり、前述のゲル強度を有するものであれば特にその由来や製法、組成は限定されないが、分離大豆蛋白、分離緑豆蛋白が例示できる。これらは風味や物性、入手容易性等、さらには後述のTCA可溶率を有するものが比較的入手しやすく、好ましい。
(分離大豆蛋白)
分離大豆蛋白は大豆蛋白質を主成分とする組成物であり、脱脂大豆等の大豆原料から、水または温水にて抽出して繊維質(オカラ)を除去した後、pH4〜5程度の大豆蛋白質の等電点付近のpHで酸沈殿させた蛋白質を分離回収したものであり、市販製品を適宜用いることができる。
分離緑豆蛋白は公知の製造方法により製造することができる。例えば、緑豆を粉砕し、PH調整して水抽出、遠心分離により澱粉を除き、等電点沈殿させて分離した酸沈カードを水分散、中和して噴霧乾燥する方法が例示できる。
なお、既述の配合量はいずれも粉末(乾燥物)として配合した場合の重量を示し、分離後乾燥前であっても乾燥重量に換算して配合することで同様の効果が得られる。
(植物性分離蛋白の加水分解度)
本発明における植物性分離蛋白は加水分解を受けていてもかまわない。加水分解は植物性分離蛋白を入手するか製造した後に、あるいは製造する工程中において、これらに含まれる蛋白質を加水分解するものである。なお大豆粉砕物を原料とする場合は、これに加水したスラリーの状態で加水分解すればよい。
その加水分解度は0.22M トリクロロ酢酸可溶率(以下、「TCA可溶率」と称する。)として表した場合に、20重量%以下であるのが重要である。すなわち、本発明における植物性分離蛋白の加水分解物は、比較的低度の加水分解度を有するものである。該加水分解度は15重量%がより好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましい。
加水分解度が高くなりすぎると、蛋白質が分解しすぎた際に発生する異風味が発生しやすくなり好ましくない。また植物性分離蛋白が未分解であるとTCA可溶率は10%未満となるが、分解率が低いものは膨化度もよく、食味も良いものが得られる。なお、0.22M TCA可溶率は、測定する試料を蛋白質含量として1.0重量%になるように水に分散させ十分撹拌した溶液について、全蛋白質に対する0.22M トリクロロ酢酸(TCA)可溶性蛋白質の割合をケルダール法により測定したものである。蛋白質の加水分解が進行すると、TCA可溶率は上昇するため、加水分解度の尺度として使用される。
本発明の中空状スナック菓子生地には、ゲル強度が0.01gf・cm以上(以下記載の測定法で数値が得られるもの)、より好ましくは1gf・cm以上、さらに好ましくは20gf・cm以上の植物性分離蛋白を用いることが望ましい。通常、ゲル強度は0だとゲルとしての機能をもたない。本願においてはゲル強度が0を超えて値を持ち、多少なりともゲルとしての機能をもつことで、大きく整った中空構造が発生しやすくなる傾向にある。ただし、「0でない」というのは曖昧であるため、以下の測定方法の事実上意味をなす最小単位であるところの「0.01gf・cm以上」を持ってゲル強度の範囲とした。
なお、ここでのゲル強度とは測定対照となる各種蛋白組成物の粉末を、12重量%の濃度となるように水と混合して懸濁液とし、フードプロセッサーまたはロボクープといった機器を用いて均一なペーストとし、直径25mmのケーシングに充填し、80℃湯浴中で30分加熱して凝固させ、水冷し、ケーシングから取り出した。取り出した凝固物を、厚さ20mmに切り出し、5mmの球形プランジャーを用いて、レオナー(株式会社山電製)により破断強度(gf)及び破断変形(cm)を測定し、破断強度及び破断変形の値を掛け合わせたものをゲル強度(gf・cm)として評価したものを指す。
(植物性分離蛋白配合量)
本発明の中空状スナック菓子生地には、前項の植物性分離蛋白を1種類ないし2種類以上の合計として、下限値が10重量%以上、好ましくは20重量%以上、最も好ましくは30重量%以上となるように配合する。これより少ない量では本発明の効果が得られにくく、また、従来よりある澱粉や糖類主体のスナックとの差が感じられない。
上限値としては50重量%以下であることが望ましい。これ以上配合すると加水量が制限されるため、適正な生地となりにくい。
(膨張剤)
本発明の中空状スナック菓子生地には、膨張剤が配合されている必要がある。
膨張剤の種類としては、パンや菓子類に通常使用するものを使用することができ、重曹、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウムなどを単独で、あるいは、これらに酸性剤として酒石酸,酒石酸水素カリウム,フマール酸,フマール酸ナトリウム,第一リン酸カルシウム,リン酸カルシウム,リン酸ナトリウム,酸性ピロリン酸ナトリウム,焼ミョウバン,焼アンモニウムミョウバン,グルコノデルタラクトン,塩化アンモニウムなどを組み合わせた、いわゆるベーキングパウダーが例示できる。例示された膨張剤の中でも、特に重曹、炭酸アンモニウム、ベーキングパウダーの使用が望ましい。
膨張剤を使用する場合の生地中への配合量は0.01〜5重量%程度が好ましい。さらに詳細には中和剤を含むもの、例えばベーキングパウダーなどは比較的多く添加しないと膨化しにくいため0.5〜5重量%程度の添加がのぞましく、口溶けがよく、焼成時の着色が薄い利点がある。中和剤を含まないもの、例えば重曹や炭酸アンモニウムといったものは中和剤を含むものより比較的少量で生地の適当な膨化が得られるため0.01〜3重量%程度の添加が望ましいものの、添加量が多すぎると異風味が発現したり、生地への着色が強くなりかねない。中和剤の有無にかかわらず、膨張剤の量が少なすぎると生地の十分な膨化が得られない。
(油脂)
本発明の中空状スナック菓子生地には、油脂が配合されている必要がある。
油脂の種類は、特に限定されず、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂を本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
なお、油脂の性状としては、そのまま油脂の形で添加してもかまわないが、マーガリンやショートニングの形にして添加してもかまわない。マーガリンは高融点の油脂を配合する際に好適である。
混捏による中空状スナック菓子生地の作り易さ、及びスナック用生地を長期間保存する観点から安定性が高い高融点の油脂の利用が望ましい。
油脂の配合量は1〜30重量%、より望ましくは10〜20重量%が好ましい。
配合量が少ないと生地の膨化がやや悪くなり、また口どけもややわるくなる。これより大きいと生地の保形性が乏しく、成型時にダレたりしかねない。さらに油脂の量が上記規定の上下に外れると中空状スナック菓子が膨化しにくくなる。
(他の配合)
本発明の中空状スナック菓子生地には、一般的なスナック菓子に用いられる澱粉や糖類、乳化剤、風味材などは必須ではなく、上記植物性分離蛋白や油脂、膨張剤等の規定を満たした上でなら、必要に応じて適宜用いることができる。
(澱粉)
一例として、澱粉は一般に市販されている植物由来の澱粉のいずれを含み、例えば米、大麦、小麦、えんばく、粟、ひえ、きび、とうもろこし、そば、はと麦、ライ麦、豆類及びいも類など並びにその粉末又はそれらを物理的処理(分別、加熱、抽出など)、化学的処理(酵素処理、分解処理、化学修飾など)した澱粉及び加工澱粉などを指すものとする。換言すれば、乾燥固形分で澱粉が最も多い成分である上記の素材群を指す。
(糖類)
糖類としては砂糖、グラニュー糖、上白糖、三温糖、黒糖、オリゴ糖、蔗糖、果糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、液糖、水飴などから選択される1種類、あるいは2種類以上を適宜組み合わせて用いることができる。
澱粉と糖類を合わせたものを本発明では炭水化物と称するが、必須ではないものの炭水化物を添加することで中空状スナック菓子がより球形の形状になりやすく、蔗糖がより好ましい。
(乳化剤)
従来公知の乳化剤をいずれも適宜使用することができ、例えば蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよび酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリドが例示される。
以上の他にも、食塩、粉乳、呈味剤、香料や色素などスナック菓子に通常用いられる原材料を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
(生地の調整法)
本発明の中空状スナック菓子生地は、少なくとも上記の必須原料である植物性分離蛋白、油脂、水性成分、必要に応じて適宜配合される澱粉、乳化剤や風味材を、本発明の効果を妨げない範囲でなら何れも使用することができ、これらを均一に分散するように混捏することによって得られる。生地の性状は所望の形状に成形しうる程度に適度の保形性を有するものであることが好ましい。
本発明における中空状スナック菓子生地の混捏方法については、原料の粉体のだまが残らない、油脂の分離等が見られないよう均一に分散させる必要があるため、十分な撹拌力を有する混合機を使用することが好ましい。したがって、水産練り製品などの製造に使用されるステファンカッター、サイレントカッター、フードプロセッサー等のせん断力のある高速攪拌の可能なもの、もしくは低速であっても粉体を水和させる「摺り」構造を持つ、例えばミンサーといった装置を使用して生地を混捏することが好ましく、サイレントカッターが特に好ましい。上記のとおり、十分に均一な状態に分散させるために一例として混合機を例示したが、それぞれに攪拌効率がことなるため、混捏に必要な時間や添加順などは装置に依存するので、十分な混捏状態になるよう適宜条件を設定できる。
(中空状スナック菓子生地の焼成方法)
上記の中空状スナック菓子生地は所望の形状に成形された後、加熱により膨化させることによって本発明の中空状スナック菓子を得る。
成形は一般に使用されているものを使用すればよく、一例としては口金を装着した絞り袋で生地を絞り出したり、成型機などを使用してもよい。
また加熱の手段としては焼成、マイクロ波加熱、蒸し等のいずれの手段も適用できる。
このようにして得られた中空状スナック菓子は、新規で特異な外観と食感、さらには高い蛋白質含有量を有した中空状スナック菓子となる。
以下に本発明をより具体的な実施例、比較例にて説明する。なお、以下に記載する「部」「%」は特に指定しない限り、「重量部」「重量%」を用いるものとする。
(実施例1・実施例2・比較例1)
表1の配合に基づき、以下の通り中空状スナック菓子生地を調製し、これを用いて中空状スナック菓子を製造することとした。
まずフードカッターに先に水を入れておき、粉体混合した材料を投入し軽く攪拌して粉体原料と水をなじませる。さらに市販マーガリン(商品名:メサージュ500、不二製油株式会社製)を加え、適宜かきとりを行いながら均一になるように1分ほど攪拌し中空状スナック菓子生地を得る。
得られた中空状スナック菓子生地を絞り袋に入れて、5φ丸口金を使用し、オーブンシートを敷いた天板に丸く搾り出す(3g/個) 。
最後に200℃のオーブン(下火なし)で約15分焼く。充分に膨らんだら100℃前後に下げ、更に90分程度乾燥焼きを行い、中空状スナック菓子を得た。
なお、実施例1・実施例2・比較例1としてTCA可溶率の異なる分離大豆蛋白A・B・Cをそれぞれ調節して用いた。なお実施例1の焼成後の中空状スナック菓子の形状を図1に、半分に割って内部の状態を示したものが図2である。
(表1)
Figure 0006984253
TCAが0の分離大豆蛋白Aを用いた実施例1、TCAが15の分離大豆蛋白Bを用いた実施例2の中空状スナック菓子は風味・口溶けがよく、形状も保形性があり、中空構造をもったものであった。一方、TCAが23の分離大豆蛋白Cを用いた比較例1は風味・口溶けこそよかったが、生地に保形性が弱く、形状はつぶれており、中空構造が曖昧であった。
(実施例3・実施例4・実施例5・比較例2)
実施例1と同じ分離大豆蛋白を用い、その配合量を表2に従い変動させた実施例3・実施例4・実施例5・比較例2を作成した。それ以外は実施例1と同じ製法条件にてそれぞれ中空状スナック菓子を作成し、その口どけや風味・形状を評価した。
(表2)
Figure 0006984253
実施例1から分離大豆蛋白の量を減らしていった実施例4・実施例3は徐々に生地の保形性が弱くはなったが成型作業は問題なく可能であった。また、焼成後の外皮部分が薄くなる傾向であったが、食感はよく、口どけや風味はよいものであった。
しかし、比較例2まで分離大豆蛋白の量を減らした場合は、生地の保形性が悪く、成型しにくいものとなった。
逆に分離大豆蛋白を増やした実施例5は他の配合の自由度が徐々に損なわれては行くものの、作業性は特に問題はなく、また焼成後の外皮部分が厚くなる傾向であったが、食感はよく、口どけや風味はよいものであった。
(実施例6・実施例7・実施例8・実施例9)
実施例1とゲル強度の異なる分離大豆蛋白D(ゲル強度=0gf・cm)を用い、その配合量を表3に従い変動させた実施例6を作成した。それ以外は実施例1と同じ製法条件にてそれぞれ中空状スナック菓子を作成し、その口どけや風味・形状を実施例1(ゲル強度=30gf・cm)と比較評価した。
(実施例7・実施例8・実施例9)
実施例1の重曹の配合量を0.5から2.0重量%に増やす以外は同じ配合と手順にて実施例7を、さらに膨張剤として重曹ではなく、炭酸アンモニウム(実施例8)と、ベーキングパウダー(製品名:アイコクベーキングパウダー、愛国産業株式会社製)(実施例9)をそれぞれ添加した表3にしめした配合で、それ以外は実施例1と同じ製法条件にてそれぞれ中空状スナック菓子を作成し、その口どけや風味・形状を評価した。
(表3)
Figure 0006984253
分離大豆蛋白のゲル強度が0gf・cmのものを用いた実施例6は、ゲル強度が30gf・cmである実施例1より、生地の保形性が弱くはなったが成型作業は問題なく可能であった。また焼成後の膨化がやや扁平になるものの中空構造は確立され外見上の新規なものであった。口どけや風味はよいものであった。
膨張剤として添加する重曹の量を実施例1の0.5重量%に対して2.0重量%まで増やした実施例7は、保形性などは実施例1と同等で作業性もよく、焼成時の膨化も実施例1を上回るほどではあったが、多少の着色が見られた。ただ、着色の度合いは食品としては既存の重曹を膨張剤で用いている焼成菓子で許容されているレベルであり十分な商品価値を有するものであった。実施例8と実施例9にて膨張剤を重曹ではなく炭酸アンモニウムやベーキングパウダーを用いたものも、実施例9ではわずかに異風味があり、ベーキングパウダーでは膨化がやや小さいものの、着色もなく口どけや食感も良好であり、十分に商品価値のあるものであった。
(実施例9)
以下の配合と手順に基づき、シューケース様の中空状スナック菓子生地を調製し、これを用いて中空状スナック菓子を製造することとした。
粉類として、分離大豆蛋白E(TCA=0、ゲル強度=40gf・cm)を45部、砂糖60部、米粉30部、重曹1.5部を粉体混合して水135部を加え、せん断力がある攪拌装置(ここではフードプロセッサーを使用)にて攪拌して粉体原料と水をなじませる。さらに市販ショートニング(製品名:パンパスLBM、不二製油社製)を加え、1分ほど攪拌し中空状スナック菓子生地を得る。
得られた中空状スナック菓子生地を絞り袋に入れて、ベーキングシートを敷いたオーブンシートを敷いた天板に丸く搾り出し(45g/個)、上火200℃/下火なし、13分でダンパー開放の上でさらに17分焼成し、シューパフ様の中空状スナック菓子を作成し、その口どけや風味・形状を評価した。
実施例10は実施例9までのものより大きな、いわゆるシューケース(シュークリームの皮の部分を指す)としての利用を意図したものであり、その形状は、従来のシューケースとは異なり、凹凸の少ない、丸く滑らかなものであり、新規な形状であった。
その作業性は特に問題はなく、シューケース様の大きなものへの応用も可能であることが明らかであった。
本発明により、新規で特異な外観と食感、さらには高い蛋白質含有量を有した中空状スナック菓子生地、及び概生地を加熱処理して得られる中空状スナック菓子を簡単に製造することが可能となる。

Claims (4)

  1. ゲル強度が0.01gf・cm以上、加水分解度が0.22M TCA可溶率として20重量%以下であることを特徴とする植物性分離蛋白を10〜50重量%、膨張剤を0.01〜5重量%、油脂を10〜20重量%含有する、澱粉を含まない中空状スナック菓子生地。
  2. 植物性分離蛋白が大豆分離蛋白または分離緑豆蛋白から選ばれた一種または二種以上である、請求項記載の中空状スナック菓子生地。
  3. 卵成分を含まない、請求項1又は請求項2に記載の中空状スナック菓子生地。
  4. 請求項1請求項いずれか1項に記載の中空状スナック菓子生地を用い、加熱工程を含む、中空状スナック菓子の製造方法。
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