JP6982354B1 - 水害避難用簡易シェルター - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1は、六面体からなる容器を用いた箱状避難シェルターを開示している。この箱状避難シェルターは、六面体からなる容器の一側面に出入り口が形成され、これを開閉する扉が設けられている。また、この箱状避難シェルターの容器の天井部には、ハッチが設けられることが記載されている。
特許文献1の箱状避難シェルターの容器は、六面体からなっているので、容器の角部に津波や洪水に流される瓦礫等が衝突すると、容易に破損する可能性が高い。
さらに、シェルターの姿勢が安定的に保持されることを前提に安全ベルトで避難者をシェルター内に固定すると、シェルターが横転したり上下逆転したりするようなことが発生した場合には、避難者は適切な行動が取れず、逆に、危険な状態に陥る可能性もある。
本発明の他の目的は、より軽量化され、より低コスト化された水害避難用簡易シェルターを提供することである。
外部からの水の侵入を防ぎつつ前記浮揚体の第1の出入口を開閉可能に閉鎖する扉と、
外部からの水の侵入を防ぎつつ前記浮揚体の第2および第3の出入口を開閉可能に閉鎖する蓋体と、を有し、前記浮揚体は、浸水時には、当該浮揚体の長手方向を横方向にした横倒し状態で使用される。
この構成によれば、人を収容する収容空間を画定する浮揚体を円筒状としたことにより、浮揚体が損傷しにくくなり、なおかつ、3つの出入口を設けたことで、3つの出入口のうち2つの出入口が浸水したような状態であっても、残りの出入り口から脱出することができる。
前記円筒部の外周面にはネジが形成され、前記蓋体は、前記ネジに螺合することにより、前記出入り口を開閉可能に閉鎖するキャップ状に形成されている、構成を採用できる。
この構成によれば、安価に蓋体を形成できる。
この構成によれば、浮揚体の両端部は、瓦礫等の流体物に衝突して破損しやすいが、保護部材を設けることでこれを抑制できる。保護部材は、フロートの役目も果たすが、保護部材は収容空間とは独立しているので、保護部材が破損したとしても、浮揚体に影響を及ぼさない。
この構成によれば、浮揚体は円筒状の縦長であるため、浸水時に縦方向に姿勢を保つことが困難であるが、横倒し状態で使用することで、激流中にあっても浮揚体が上下逆転するような危険な状態の発生を抑制できる。
この構成によれば、避難者は、これら2本のベルトと浮揚体の内周面との間に入り込むだけで転倒を防ぐことができ、他の操作を必要としない。避難者はシェルター外に脱出する際にも安全ベルトの解除操作の必要がない。
また、本発明によれば、軽量化され、低コスト化された水害避難用簡易シェルターが提供される。
図1および図2に本発明の一実施形態に係る水害避難用簡易シェルター(以下、シェルターと呼ぶ。)1の基本的構造を示す。
図1および図2に示すように、シェルター1は、円筒状をなし内部に人を収容する収容空間SPを画定する浮揚体10を有する。
浮揚体10は、比較的軽量で強度が高く耐久性もある塩化ビニル等の合成樹脂で形成され、側面の一部に収容空間SPに人が出入りするための出入口11が形成されている。
円筒部13に形成されたねじ13aには、キャップ状に形成されたポリエチレン等の合成樹脂製の蓋体30の内周に形成されたねじ30aが螺合することにより、出入口12を開閉可能に閉鎖する。これにより、出入口12から水が収容空間SPに浸入するのを防ぐことができる。なお、図2においては、蓋体30をねじ13aから取り外した状態を示している。
蓋体30には、外側と内側の両側に蓋体30を回転させるための取手31が設けられている。これにより、浮揚体10の外部および内部の両方から蓋体30を回転させることができる
ここで、図4に扉20を開放した状態を示す。浮揚体10に形成された出入口11の周囲には、ゴム系材料からなる2本のシール部材SL1,SL2が所定の間隔を置いて設けられている。
一方、扉20の内側面には、2本のシール部材SL1,SL2の間に嵌るゴム系材料からなる1本のシール部材SL3が設けられている。加えて、扉20の内側面には、複数(3個)のロック機構50が設けられている。
図5に示すように、ロック機構50は、扉20に設けられた軸53を中心に旋回可能に支持部材54に支持された操作レバー51と、操作レバー51の先端部に設けられた係止部材52とを備えている。
ロック機構50は、操作レバー51を手動操作して、図4に実線で示す操作レバー51の係止部材52が浮揚体10の出入口11の周囲の係合部10tに係合しない位置に位置付けておくことにより、扉20は開閉自在となる。
保護部材40の外径は、浮揚体10の外径と同様であり、内周側で蓋体30を包囲している。保護部材40の高さは、蓋体30の高さよりも高くなるように形成されている。
浮揚体10の両端部は水害の激流で流される瓦礫等が衝突しやすい。このため、保護部材40は、この衝突による蓋部30を含む浮揚体10の損傷を抑制するために設けられている。仮に、保護部材40が損傷して内部の空洞41に水等が浸入したとしても、浮揚体10には影響がない。
また、保護部材40は、浮力を発生させるフロートとしての役割も果たす。
使用時には、図3に示すように、浮揚体10の長手方向を横方向にした横倒し状態で使用される。
シェルター1内に人EHが入るときは、先ず、シェルター1を横倒しにし、扉20を開放して収容空間SP内に入る。シェルター1を横倒しにすることにより、扉20の位置が縦置き状態と比べて低くなり、子供や老人等でもシェルター1の収容空間SP内に容易に入ることができる。
また、本実施形態によれば、浮揚体10の両端部に保護部材40を設けることで、浮揚体10が瓦礫等と衝突して損傷するのを抑制できる。
さらに、本実施形態によれば、浮揚体10は円筒状の縦長であるため、浸水時に縦方向に姿勢を保つことが困難であるが、横倒し状態で使用することで、激流中にあっても浮揚体10が上下逆転するような危険な状態になるのを抑制できる。
10 浮揚体
11 第1の出入口
12 出入口(第2および第3の出入口)
20 扉
30 蓋体
40 保護部材
50 ロック機構
60 安全ベルト
61,62 ベルト
70 窓
80 閉塞栓
81 チェーン
AH 空気孔
SP 収容空間
EH 人
Claims (4)
- 円筒状をなし内部に人を収容する収容空間を画定する浮揚体であって、側面の一部に形成された人が出入りするための第1の出入口と、長手方向の両端部にそれぞれ設けられた人が出入りするための第2及び第3の出入口とを有する、合成樹脂製の浮揚体と、
外部からの水の侵入を防ぎつつ前記浮揚体の第1の出入口を開閉可能に閉鎖する扉と、
外部からの水の侵入を防ぎつつ前記浮揚体の第2および第3の出入口をそれぞれ開閉可能に閉鎖する蓋体と、を有し、
前記浮揚体は、使用時には、当該浮揚体の長手方向を横方向にした横倒し状態で使用され、かつ、浸水状態において、中心軸線回りに回転自在となっており、当該浮揚体に復元性をもたせていない、水害避難用簡易シェルター。 - 前記第2および第3の出入口には、外方に突出するように円筒部が形成され、
前記円筒部の外周面にはネジが形成され、
前記蓋体は、前記ネジに螺合することにより、前記出入口を開閉可能に閉鎖するキャップ状に形成されている、請求項1に記載の水害避難用簡易シェルター。 - 前記浮揚体の長手方向の両端部の間で延在しかつ互いに離間して並設された2本のベルトからなる安全ベルトであって、前記浮揚体の内周面と前記2本のベルトとの間に避難者の身体を配置することで、当該避難者の転倒を防ぐための安全ベルトを備える、請求項1又は2に記載の水害避難用簡易シェルター。
- 円筒状をなし内部に人を収容する収容空間を画定する浮揚体であって、側面の一部に形成された人が出入りするための第1の出入口と、長手方向の両端部にそれぞれ設けられた人が出入りするための第2及び第3の出入口とを有する、合成樹脂製の浮揚体と、
外部からの水の侵入を防ぎつつ前記浮揚体の第1の出入口を開閉可能に閉鎖する扉と、
外部からの水の侵入を防ぎつつ前記浮揚体の第2および第3の出入口をそれぞれ開閉可能に閉鎖する蓋体と、を有し、
前記浮揚体の両端部には、当該浮揚体の外径と同様の外径を有し、前記蓋体を包囲するように設けられ、内部に密閉された空洞を有する合成樹脂製の環状の保護部材が設けられており、前記空洞は、前記収容空間とは独立している、水害避難用簡易シェルター。
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