JP6982015B2 - 金属粉末製造装置及びそのガス噴射器 - Google Patents
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Description
図2に示すように、溶解槽1内のるつぼ100の底部には、るつぼ100内の溶融金属を噴霧槽4内にそれぞれ流下させる複数の溶湯ノズルである溶湯ノズル11A,11Bが溶解槽1の底面から鉛直下方に向かって突出して設けられている。2本の溶湯ノズル11A,11Bは、同一の形状とすることができ、それぞれの内部に溶湯が流下する鉛直方向に延びた縦長の孔を有している。この縦長の孔は、るつぼ100の底部から鉛直下方に向かって溶融金属が流下する溶湯流路となる。
略円柱状の外形を有するガス噴射器200は、図2に示すように、複数の溶湯ノズル11A,11Bがそれぞれ挿入される複数の溶湯ノズル挿入孔12A,12Bと、各溶湯ノズル11A,11Bから流下する溶融金属に対してガスを噴射して粉砕する第1ガス噴射ノズル71を備えている。ガス噴射器200は、不活性の高圧ガスで満たされる中空構造の円柱形状の外形を有しており、その内部は複数の溶湯ノズル挿入孔12A,12Bのそれぞれの周囲にガス流を形成するガス流路50となっている。ガス流路50は、ガス噴射器200の円柱の側面に設けられたガス吸入孔(図示せず)に接続される噴射ガス供給管3から高圧ガスの供給を受ける。また、ガス噴射器200はるつぼ100を支持している。なお、図示は省略するが、溶解槽1とガス噴射器70の間には、溶解槽1からの熱伝導を防止する観点から断熱材を挿入することが好ましい。
溶湯ノズル挿入孔12Aと溶湯ノズル挿入孔12Bは、図4に示すように、円柱状のガス噴射器200の中心軸(Cg0)と平行の軸(Cm1,Cm2)を有する2本の円柱状の貫通孔である。第1溶湯ノズル挿入孔12Aと第2溶湯ノズル挿入孔12Bには、第1溶湯ノズル11Aと第2溶湯ノズル11Bがそれぞれ挿入される。第1溶湯ノズル挿入孔12Aと第2溶湯ノズル挿入孔12Bの中心軸Cm1,Cm2は第1溶湯ノズル11Aと第2溶湯ノズル11Bの孔の中心軸に一致させることができる。
第1ガス噴射ノズル71は、複数の溶湯ノズル挿入孔12A,12Bのそれぞれの周囲に第1の環(図3参照)61を描くように配置された複数の噴射孔(貫通孔)91からなる。ここでは第1ガス噴射ノズル71のうち、溶湯ノズル挿入孔12Aの周囲に位置する複数の噴射孔91が形成するものをガス噴射ノズル71Aと称し、溶湯ノズル挿入孔12Bの周囲に位置する複数の噴射孔91が形成するものをガス噴射ノズル71Bと称する。
ガス噴射ノズル71Aと溶湯ノズル11Aは、噴霧槽4内に溶融金属を液体噴霧する第1噴霧ノズル20Aを構成し、ガス噴射ノズル71Bと溶湯ノズル11Bは、同様に、第2噴霧ノズル20Bを構成する。すなわち本実施形態のガスアトマイズ装置は第1噴霧ノズル20Aと第2噴霧ノズル20Bの2つの噴霧ノズルを備えている。
第2ガス噴射ノズル72は、2つの第1の環61のそれぞれの外側に第2の環62を描くようにガス噴射器200の底面に配置された複数の噴射孔(貫通孔)92からなり、第1ガス噴射ノズル71で粉砕された金属粒の飛散を防止するためにガスを噴射するガス噴射ノズルである。複数の噴射孔92は、ガス噴射器200の底面に穿たれている。ここでは第2ガス噴射ノズル72のうち、溶湯ノズル挿入孔12Aの周囲に位置する複数の噴射孔92が形成するものをガス噴射ノズル72Aと称し、溶湯ノズル挿入孔12Bの周囲に位置する複数の噴射孔92が形成するものをガス噴射ノズル72Bと称する。
第3ガス噴射ノズル73は、第2ガス噴射ノズル72(2つの第2の環62)の外側に第3の環63を描くようにガス噴射器200の底面に配置された複数の噴射孔(貫通孔)93からなり、噴霧槽4の内壁面に対してガスを噴射するガス噴射ノズルである。複数の噴射孔93は、ガス噴射器200の底面においてガス噴射器200の中心軸Cg0が通過する点を中心とする第3の環63の上に等間隔で配置されている。
第4ガス噴射ノズル74は、図1に示すように、噴霧槽4内の所定の高さに配置された複数の噴射孔94からなり、噴霧槽4の内壁面に沿ってガスを噴射することで噴霧槽4内に噴霧槽4の中心軸Cg0の周囲に旋回流81を発生するガス噴射ノズルである。本実施形態では図1に示すように噴霧槽4における設置高さの異なる2つのガス噴射ノズル74A,74Bが設けられている。ここでは第4ガス噴射ノズル74のうち、噴霧槽4の高さ方向において相対的に高い位置に設けられているものをガス噴射ノズル74Aと称し、相対的に低い位置に設けられているものをガス噴射ノズル74Bと称する。
(1)第1ガス噴射ノズル71(噴霧ノズル20A,20B)
上記のように構成された金属粉末製造装置において、噴射ガス供給管3からガス噴射器200に高圧ガスを供給すると、ガス噴射器200において第1ガス噴射ノズル71A,71Bを構成する全ての噴射孔91から噴霧槽4の内部に向かって噴射孔91ごとに予め定められた噴射方向(直線251(図4参照))に従って同じ圧力の高圧ガスが噴射される。このとき、第1ガス噴射ノズル71A,71Bでは、それぞれの焦点(第1焦点)261に対してガスが集中噴射され、図5に示すような焦点261を頂点とし複数の噴射孔91が配置された円(環)61を底面とする逆円錐状(逆円錐形状)の流体膜101が形成される。この流体膜101を金属噴霧ガスジェット(第1ガスジェット)101と称することがある。
また、噴射ガス供給管3からガス噴射器200に高圧ガスを供給すると、上記の第1ガス噴射ノズル71の場合と同様に、ガス噴射器200において第2ガス噴射ノズル72A,72Bを構成する全ての噴射孔92から噴霧槽4の内部に向かって噴射孔92ごとに予め定められた噴射方向(直線252(図6参照))に従って同じ圧力の高圧ガスが噴射される。このとき、第2ガス噴射ノズル72A,72Bでは、それぞれの焦点(第2焦点)262に対してガスが集中噴射され、図6に示すような焦点262を頂点とし複数の噴射孔92が配置された円(環)62を底面とする逆円錐状(逆円錐形状)の流体膜102が形成される。この流体膜102を接触防止ガスジェット(第2ガスジェット)102と称することがある。
また、噴射ガス供給管3からガス噴射器200に高圧ガスを供給すると、上記の第1,2ガス噴射ノズル71,72の場合と同様に、ガス噴射器200において第3ガス噴射ノズル73を構成する全ての噴射孔93から噴霧槽4の内壁に向かって噴射孔93ごとに予め定められた噴射方向(直線253(図3参照))に従って同じ圧力の高圧ガスが噴射される。このとき、第3ガス噴射ノズル73では、各噴射孔93から噴霧槽4における最寄りの内壁面に対してガスが噴射され、図2に示すような略円錐台状の流体膜103が形成される。この流体膜103を噴霧槽冷却ガスジェット(第3ガスジェット)103と称することがある。
また、第4ガス噴射ノズル74(74A,74B)に高圧ガスを供給すると、第4ガス噴射ノズル74を構成する全ての噴射孔94から噴霧槽4の内壁に沿って噴射孔94ごとに予め定められた噴射方向(例えば図7における内周壁の接線方向)に従って同じ圧力の高圧ガスが噴射される。これにより図7に示す矢印254のようなガスの流れが噴霧槽4に発生し、その結果、噴霧槽4の中心軸の周りに噴霧槽4の内壁に沿った旋回流81が発生する。
本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、ある実施の形態に係る構成の一部を、他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
Claims (4)
- 円筒状の噴霧槽と、
るつぼに蓄えられた溶融金属を前記噴霧槽内に流下させる複数の溶湯ノズルと、
前記複数の溶湯ノズルがそれぞれ挿入される複数の溶湯ノズル挿入孔が設けられたガス噴射器と、
前記複数の溶湯ノズル挿入孔のそれぞれの周囲に第1の環を描くように前記ガス噴射器の底面に配置された複数の第1噴射孔からなり、前記複数の第1噴射孔のガス噴射方向は全て第1焦点を通過しており、前記溶湯ノズルから流下する溶融金属に対してガスを噴射して粉砕する第1ガス噴射ノズルと、
前記第1の環のそれぞれの外側に第2の環を描くように前記ガス噴射器の底面に配置された複数の第2噴射孔からなり、前記複数の第2噴射孔のガス噴射方向は前記第1焦点よりも下方に位置する第2焦点を全て通過しており、前記第1ガス噴射ノズルで粉砕された金属粒の飛散を防止するためにガスを噴射する第2ガス噴射ノズルと、
前記第2ガス噴射ノズルの外側に第3の環を描くように前記ガス噴射器の底面に配置された複数の第3噴射孔からなり、前記噴霧槽の内壁面に対してガスを噴射する第3ガス噴射ノズルとを備え、
前記複数の第3噴射孔はガスの噴射方向が前記第3の環の中心から外側に向かって放射状に前記噴霧槽の内壁面に向かうように各噴射孔の軸方向が設定されていることを特徴とする金属粉末製造装置。 - 請求項1の金属粉末製造装置において、
前記噴霧槽内の所定の高さに配置された複数の噴射孔からなり、前記噴霧槽の内壁面に沿ってガスを噴射することで前記噴霧槽内に前記噴霧槽の中心軸の周囲に旋回流を発生する第4ガス噴射ノズルを備えることを特徴とする金属粉末製造装置。 - 請求項2の金属粉末製造装置において、
前記第4ガス噴射ノズルは前記噴霧槽の高さ方向において複数設けられていることを特徴とする金属粉末製造装置。 - 溶湯にガスを噴射して金属粉末を製造する金属粉末製造装置のガス噴射器であって、
円筒状の噴霧槽内に溶融金属を流下させる溶湯ノズルが挿入される複数の溶湯ノズル挿入孔と、
前記複数の溶湯ノズル挿入孔のそれぞれの周囲に第1の環を描くように配置された複数の第1噴射孔からなり、前記複数の第1噴射孔のガス噴射方向は全て第1焦点を通過しており、前記溶湯ノズルから流下する溶融金属に対してガスを噴射して粉砕する第1ガス噴射ノズルと、
前記第1の環のそれぞれの外側に第2の環を描くように配置された複数の第2噴射孔からなり、前記複数の第2噴射孔のガス噴射方向は前記第1焦点よりも下方に位置する第2焦点を全て通過しており、前記第1ガス噴射ノズルで粉砕された金属粒の飛散を防止するためにガスを噴射する第2ガス噴射ノズルと、
前記第2ガス噴射ノズルの外側に第3の環を描くように配置された複数の噴射孔からなり、前記噴霧槽の内壁面に対してガスを噴射する第3ガス噴射ノズルとを備え、
前記第3ガス噴射ノズルの各噴射孔はガスの噴射方向が前記第3の環の中心から外側に向かって放射状に前記噴霧槽の内壁面に向かうように各噴射孔の軸方向が設定されていることを特徴とするガス噴射器。
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