JP6981643B2 - 車軸駆動装置およびハイブリッド車両 - Google Patents
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Description
UTVは、軽量な本体フレームと、四輪駆動を実現する車軸駆動装置を備える構成が一般的に知られており、不整地等における高い走破性が実現されている。
そして、このようなUTVに搭載可能な車軸駆動装置として、エンジンの動力をモータで補助(以下、アシストとも言う)する構成としたハイブリッド車両用の車軸駆動装置が開発されるに至っており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示されている。
そして、このような従来のハイブリッド車両用の車軸駆動装置では、使用状況に合わせて運転者が走行モードを選択し切り替えることを可能にしている。
このような構成によれば、走行場所の状態や、車両の使用用途に合わせて、運転者が人為的に走行モードを切り替えることができる。これにより、状況に応じた最適な走行モードを容易に選択することができる。また、運転モードの切り替えを容易に行うことができる。また、ハイブリッド車両において、エンジンの動力のみで走行することができる。
このような構成によれば、ハイブリッド車両において、モータの動力のみで走行することができる。
このような構成によれば、ハイブリッド車両において、エンジンとモータの動力を合わせて走行することができる。
このような構成によれば、エンジンの動力によりモータで発電し、バッテリーを充電することができる。
このような構成によれば、エンジンの動力で駆動するモードにおいて、変速幅を広くすることができる。
まず、本発明の第一の実施形態に係る車軸駆動装置を備えるユーティリティビークル(UTV)の全体構成について説明する。
図1および図2に示すように、UTV100は、機体フレーム101上にプラットフォーム101aが配設され、このプラットフォーム101aの前方にフロントカバー101bが配設されている。プラットフォーム101aより後部の機体フレーム101は、一段高く形成されており、この一段高く形成された機体フレーム101の前端に運転席102が配設され、この運転席102の後方に荷台103が配設されている。機体フレーム101の前後には、それぞれ左右一対の前輪104・104及び後輪105・105が懸架されており、フロントカバー101bの上部には、前輪104・104を操舵するためのステアリングハンドル106が配設されている。
図2および図3に示すように、車軸駆動装置1は、エンジン側入力軸3と、ミッションケース4と、デフギア機構5と、左右一対の後輪駆動軸6・6と、モータ側入力軸10と、出力軸12と、前輪駆動軸たるPTO軸14と、遊星歯車機構20等を備えており、ミッションケース4内に、デフギア機構5、出力軸12と、遊星歯車機構20等が収納されている。
また、ミッションケース4は、第一ケース4aと第二ケース4bに分割可能に構成されている。さらに、ミッションケース4は、内部に収容される各軸部材を支持するための軸受板4cを備えている。
即ち、UTV100では、機体フレーム101の後方側ではなく、前方側にバッテリー190を配置する構成としている。
UTV100では、車軸駆動装置1やエンジン120のような重量物が機体後方側に配置されているが、重量物であるバッテリー190を機体前方側に配置することによって、UTV100における前後方向の重量配分の偏りが緩和される。例えば、UTV100における前後方向の重量配分が後方側に偏っていると、後輪105がぬかるみに嵌ったとき(スタック時)に、脱出することが困難になるが、バッテリー190を機体前方側に配置して、UTV100における前後方向の重量配分の偏りを緩和することによって、ぬかるみからの脱出が容易になる。
さらに、走行ブレーキ115・116は、図1に示す前後進切替レバー118とも連動連係しており、前後進切替レバー118が「N(ニュートラル)」に切り替えられたときに自動的に作動し、駐車状態を保持するためのブレーキである駐車ブレーキとしても機能するように構成されている。
図3に示す車軸駆動装置1は、本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両用の車軸駆動装置であり、ハイブリッド車両であるUTV100に搭載される。
図3〜図10に示すように、遊星歯車機構20は、エンジン側入力軸3とモータ側入力軸10と出力軸12との間で、相互の動力伝達を可能としつつ連係させる連係手段であり、インターナルギア21、サンギア22、複数のプラネタリギア23・23・・・、プラネタリキャリア24を備えている。
サンギア22の第一伝達ギア22bは、インターナルギア21の内側伝達ギア21bと複数のプラネタリギア23・23・・・に噛合している。また、サンギア22の第二伝達ギア22cは、中間軸11の第二伝達ギア11bに噛合している。
中間軸11は、一端部に第一伝達ギア11aが形成されており、他端部に第二伝達ギア11bが形成されている。そして、中間軸11の第一伝達ギア11aは、モータ側入力軸10の伝達ギア10aに噛合している。そして、モータ側入力軸10は、伝達ギア10aが、中間軸11の第一伝達ギア11aに噛合しており、さらに、中間軸11は、第二伝達ギア11bが、サンギア22と一体的に構成されている第二伝達ギア22cに噛合している。このような構成により、電動モータ130から出力された動力が、モータ側入力軸10、中間軸11を介して、サンギア22に伝達される。即ち、車軸駆動装置1においては、モータ側入力軸10は、遊星歯車機構20と連係可能に構成されている。
車軸駆動装置1は、図11(A)に示すように、入出力系統を切り替えるための手段である入出力切り替え部30を備えている。入出力切り替え部30は、操作部31と、ECU32と、出力部たるクラッチ33、第一ブレーキ34、第二ブレーキ35と、を備えている。
そして、クラッチ33を「入」とすると、油圧力によって第一部材33aと第二部材33bが係合され、これにより、エンジン側入力軸3において伝達ギア3aが一体化され、動力が伝達可能な状態となるように構成されている。尚、本実施形態では、クラッチ33として油圧クラッチを採用しているが、電磁クラッチ等のその他の構造のクラッチを採用しても良い。
図12に示す如く、車軸駆動装置1を備えたUTV100(図1参照)は、クラッチ33および第一・第二ブレーキ34・35の作動油を供給するための油圧ユニット140を備えている。油圧ユニット140は、電動油圧ポンプ141と、作動油の供給状態を切り替えるためのバルブユニット150を備えており、電動油圧ポンプ141とバルブユニット150は、穿設孔や配管等により構成された油路160によって接続されている。
第一ブレーキギア37は、支持軸36上で回転可能に軸支されており、インターナルギア21の外側伝達ギア21aと噛合している。第一ブレーキ34は、第一ブレーキギア37を回転不能に固定することができる油圧式のブレーキ手段であり、第一ブレーキ34を「入」とすることによって、第一ブレーキギア37に噛合する外側伝達ギア21aを、摩擦板を介して回転不能とすることができ、ひいては、インターナルギア21を固定することができる。また、第一ブレーキ34を「切」とすることによって、第一ブレーキギア37に噛合する外側伝達ギア21aを回転可能とすることができる。
このような構成によれば、UTV100の運転モード切り替えを容易に行うことができる。
UTV100は、図11(A)に示す前後進切替レバー118が「F(前進)」に切り替えられており、かつ、ブレーキペダル117が踏み込まれていない(即ち、駐車ブレーキたる走行ブレーキ115・116が「OFF」である)ときに、運転者が操作部31を人為的に「エンジン」の位置に回動させることによって、エンジンモードに切り替えられる。
エンジンモードは、全ての車輪(前輪104・104および後輪105・105(図1参照))をエンジン120の動力によって駆動して走行するモードである。エンジンモードでは、例えば、電動モータ130が故障したり、バッテリー190(図1参照)がバッテリー切れになって、電動モータ130による走行が不可能となったような場合でも、UTV100の走行を可能にすることができる。
UTV100は、図11(A)に示す前後進切替レバー118が「F(前進)」に切り替えられており、かつ、ブレーキペダル117が踏み込まれていない(即ち、駐車ブレーキたる走行ブレーキ115・116が「OFF」である)ときに、運転者が操作部31を人為的に「EV」の位置に回動させることによって、EVモードに切り替えられる。
EV(Electric Vehicle)モードは、UTV100を完全な電気自動車として走行させるモードであり、前輪104・104と後輪105・105(図1参照)を電動モータ130のみで駆動して、静かに走行することを可能にするものである。EVモードは、例えば、狩猟等の場面において、UTV100に乗車しながら、低速で静かに獲物の場所まで移動するような用途に特に適している。
そして、EVモードを選択した場合、UTV100は、図15(B)に示すように、電動モータ130のみを駆動源として、前輪104・104と後輪105・105が駆動される。
UTV100は、図11(A)に示す前後進切替レバー118が「F(前進)」に切り替えられており、かつ、ブレーキペダル117が踏み込まれていない(即ち、駐車ブレーキたる走行ブレーキ115・116が「OFF」である)ときに、運転者が操作部31を人為的に「POWER」の位置に回動させることによって、POWERモードに切り替えられる。
POWERモードは、エンジン120の駆動力を電動モータ130で補助するモードであり、より高い駆動力(牽引力)や加速力を得ることができ、また、CVT121(図1参照)を用いた場合にみられる発進時のもたつきを解消することもできる。
UTV100は、図11(A)に示す前後進切替レバー118が「N(ニュートラル)」に切り替えられており、かつ、ブレーキペダル117が踏み込まれている(即ち、駐車ブレーキたる走行ブレーキ115・116が「ON」である)ときに、運転者が操作部31を人為的に「回生」の位置に切り替えることによって、回生モードに切り替えられる。
回生モードは、電動モータ130を発電機として利用して、エンジン120の出力を電気エネルギーに変換してバッテリー190(図1参照)を充電するモードである。回生モードは、UTV100を停車させ、走行ブレーキ115・116(図17(A)参照)を「入」とした状態、即ち、出力軸12およびプラネタリキャリア24を回転不能とした状態で実行する。
UTV100では、図11(A)に示す前後進切替レバー118を「R(後進)」に切り替えたとき、自動的にEVモードへ切り替わるように構成されている。即ち、UTV100は、後進時においては、電動モータ130のみを駆動源として走行するように構成されている。後進時におけるEVモードでは、電動モータ130の回転軸130aの回転方向を、前進時のEVモードのときに対して逆転させ、後輪駆動軸6・6を逆向きに回転させることで、UTV100を後進させる。
このような構成によれば、走行場所の状態や、UTV100の使用用途に合わせて、運転者が臨機応変に手動で走行モードを切り替えることができる。また、これにより、状況に応じた最適な走行モードを容易に選択することができる。
2 車軸駆動装置(別実施形態)
3 エンジン側入力軸(第一回転軸)
6 後輪駆動軸
10 モータ側入力軸(第二回転軸)
12 出力軸(第三回転軸)
14 PTO軸
20 遊星歯車機構(連係手段)
30 入出力切り替え部(入出力切り替え手段)
31 操作部
32 ECU
33 クラッチ
34 第一ブレーキ
35 第二ブレーキ
100 UTV(ハイブリッド車両)
115 走行ブレーキ(第三ブレーキ)
116 走行ブレーキ(第三ブレーキ)
120 エンジン
130 電動モータ
Claims (5)
- エンジンの動力が入力可能な第一回転軸と、
モータの動力が入力可能であり、かつ、ジェネレータとしての前記モータに対して動力を出力可能な第二回転軸と、
車輪の駆動軸に対して動力を出力可能な第三回転軸と、
前記第一回転軸と前記第二回転軸と前記第三回転軸とを互いに動力伝達可能に連係させる連係手段と、
前記連係手段の入出力系統を人為的に切り替え可能とする入出力切り替え手段と、を備え、
前記連係手段は、前記入出力切り替え手段によって、
前記エンジンの動力のみを前記第三回転軸から出力する第一モードと、
前記モータの動力のみを前記第三回転軸から出力する第二モードと、
前記エンジンと前記モータの動力を合わせて前記第三回転軸から出力する第三モードと、
前記エンジンの動力を前記第二回転軸から前記モータに出力する第四モードと、
を切り替え可能に構成され、
前記連係手段は、
前記第一回転軸と連係するインターナルギアと、前記第二回転軸と連係するサンギアと、前記インターナルギアと前記サンギアに噛合する複数のプラネタリギアと、前記複数のプラネタリギアを支持し前記第三回転軸と連係するプラネタリキャリアと、を有する遊星歯車機構として構成され、
前記入出力切り替え手段は、
前記第一回転軸上に設けられ、前記エンジンからの動力伝達を断接可能とするクラッチと、
前記インターナルギアを固定可能に構成され、前記インターナルギアを固定することにより前記第一回転軸を回転不能に固定可能な第一ブレーキと、
前記サンギアを固定可能に構成され、前記サンギアを固定することにより前記第二回転軸を回転不能に固定可能な第二ブレーキと、を有し、前記クラッチと前記第一ブレーキと前記第二ブレーキと、をそれぞれ独立して入切可能に構成され、
前記入出力切り替え手段により、前記クラッチを入、前記第一ブレーキを切、前記第二ブレーキを入とし、前記エンジンの動力のみを前記第三回転軸から出力する前記第一モードに切り替え可能とした、
ことを特徴とする車軸駆動装置。 - 前記入出力切り替え手段により、前記クラッチを切、前記第一ブレーキを入、前記第二ブレーキを切とし、前記モータの動力のみを前記第三回転軸から出力する前記第二モードに切り替え可能とした、
ことを特徴とする請求項1に記載の車軸駆動装置。 - 前記入出力切り替え手段により、前記クラッチを入、前記第一ブレーキを切、前記第二ブレーキを切とし、前記エンジンと前記モータの動力を合わせて前記第三回転軸から出力する前記第三モードに切り替え可能とした、
ことを特徴とする請求項1に記載の車軸駆動装置。 - 請求項1に記載の車軸駆動装置を備えたハイブリッド車両であって、
前記第三回転軸を回転不能に固定可能な第三ブレーキをさらに備え、
前記入出力切り替え手段により、前記クラッチを入、前記第一ブレーキを切、前記第二ブレーキを切とし、かつ、前記第三ブレーキを入とし、前記第三回転軸を回転不能に固定することによって、
前記エンジンの動力を前記第二回転軸から前記モータに出力する前記第四モードに切り替え可能とした、
ことを特徴とするハイブリッド車両。 - 請求項1に記載の車軸駆動装置を備えたハイブリッド車両であって、
前記エンジンと前記第一回転軸との間に無段変速装置をさらに備え、
前記無段変速装置によって、
前記エンジンの動力を変速して前記第一回転軸に入力する、
ことを特徴とするハイブリッド車両。
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