JP6981633B1 - 壊食促進方法及び塗装前処理方法 - Google Patents

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【課題】高効率な壊食促進方法及び塗装前処理方法を提供する。【解決手段】壊食促進方法及び塗装前処理方法は、水Wに直径が400nm以下のナノバブルを生成するナノバブル生成工程と、金属板Sの表面Shに水Wを加圧して噴射し、キャビテーションを発生させて表面Shを壊食させる壊食工程と、表面Shの壊食された箇所に水Wに含まれるナノバブルを侵入させ、表面Shの壊食を促進させる壊食促進工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、壊食促進方法及び塗装前処理方法に関する。
従来から、例えば金属板の表面に塗装を行う前処理として、金属板表面にサンドブラスト等を施して粗面を形成する技術が知られている。金属板表面を粗面化することにより、塗料の液だれや塗装の剥離を抑制でき、塗膜の付着強度を高めることができる。しかし、サンドブラストは、ブラストメディア(ブラスト粒子)の金属板表面への埋まり込みによる付着強度劣化の問題、ブラスト中に巻き上げられる粉塵による作業環境悪化の問題、ブラスト後のメディア清掃に時間を要し、作業効率が悪化する問題、等がある。
そこで、例えば金属板の表面に付着した塗膜、油脂、金属粉等の汚れや錆等を除去するために、金属板の表面に高圧水を噴射する技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
ここで、金属板に高圧水を噴射すると、塗装表面にキャビテーションが発生し、この塗装表面が壊食することが知られている。
特開平9−234507号公報
上述の従来技術のように、金属板表面が壊食されるとこの金属板表面が粗面化されるので、結果的に塗膜の付着強度を高めることができる。このように、金属板表面を壊食させることは、金属板表面への塗装前処理として有効である。しかしながら、高圧水によって、金属板表面に塗膜の付着強度を高めるだけの粗面を形成するには、高圧水の圧力を高くする、または、多くの時間をかけて施工する必要がある。これらには、コスト・安全上の問題がある。このため、塗装表面を壊食させるための効率化が望まれていた。
また、上述の従来技術では、高圧水噴射により、作業環境やメディア清掃の問題は解決されるが、高圧水噴射による壊食速度は速くないので、壊食速度をサンドブラストと同等にするためには極めて高い圧力で噴射する必要がある。極めて高い圧力で噴射するためには大型かつ高価な装置が必要になるという課題があった。
そこで、本発明は、低圧で高効率、かつ装置を小型で安価にできる壊食促進方法及び塗装前処理方法を提供する。
上記の課題を解決するために、本発明に係る壊食促進方法は、液体に直径が400nm以下のナノバブルを生成するナノバブル生成工程と、対象物の処理表面に前記液体を加圧して噴射し、キャビテーションを発生させて前記処理表面を壊食させる壊食工程と、前記処理表面の壊食された箇所に前記液体に含まれる前記ナノバブルを侵入させ、前記処理表面の壊食を促進させる壊食促進工程と、を有し、前記液体に含まれる前記ナノバブルの密度は、0.2×10 p/ml以上である
処理表面の壊食された箇所にナノバブルを侵入させると、壊食された箇所内でナノバブル同士が合体膨張する。この結果、壊食により金属内部に発生した亀裂が押し広げられて進展し、壊食が促進される。よって、効率よく壊食を促進させることができる。
また、壊食された箇所にナノバブルを十分に侵入させることができ、壊食を十分に促進させることができる。
上記方法において、前記ナノバブルの直径は、150nm〜200nmであってもよい。
このような方法とすることで、壊食された箇所に確実にナノバブルを侵入させ、さらに効率よく壊食を促進させることができる。
上記方法において、前記液体を噴射させるノズルの噴射角は、15°〜30°であってもよい。また、前記液体を噴射させる圧力は20MPa以上であってもよい。
このような方法とすることで、確実に処理表面を壊食させることができる。
本発明に係る塗装前処理方法は、金属板の塗装表面に塗装を行う前に行う塗装前処理方法であって、液体に直径が400nm以下のナノバブルを生成するナノバブル生成工程と、前記塗装表面に、前記ナノバブル生成工程後の前記液体を加圧して噴射し、キャビテーションを発生させて前記塗装表面を壊食させる壊食工程と、前記塗装表面の壊食された箇所に前記液体に含まれる前記ナノバブルを侵入させ、前記塗装表面の壊食を促進させる壊食促進工程と、を有する。
このような方法とすることで、金属板の塗装表面を壊食させ、ナノバブルによって壊食された箇所の壊食を促進させることができる。このため、金属板の塗装前処理を効率よく行うことができる。
本発明によれば、高効率な壊食促進方法及び塗装前処理方法を提供できる。
本発明の実施形態にナノバブル水ブラスト装置の模式図。 本発明の実施形態における塗装前処理方法のフローチャート。 本発明の実施形態におけるナノバブル生成装置のナノバブル生成能力を示すグラフ。 本発明の実施形態におけるナノバブルの圧力の変化を示すグラフ。 本発明の実施形態における壊食量の変化をナノバブル生成装置の稼働時間別に比較したグラフ。 本発明の実施形態におけるノズルの噴射角が15°の場合の壊食量の変化をナノバブル生成装置の稼働時間別に比較したグラフ。 本発明の実施形態におけるノズルの噴射角が30°の場合の壊食量の変化をナノバブル生成装置の稼働時間別に比較したグラフ。 本発明の実施形態における直径が150〜200[nm]のナノバブルでの相対壊食量の変化を示し、各種ノズルの噴射角が15°のものや30°のものを比較したグラフ。 本発明の実施形態における直径が100[nm]より大きいナノバブルでの相対壊食量の変化を示し、各種ノズルの噴射角が15°のものや30°のものを比較したグラフ。 本発明の実施形態における直径が200[nm]より大きいナノバブルでの相対壊食量の変化を示し、各種ノズルの噴射角が15°のものや30°のものを比較したグラフ。 本発明の実施形態における金属板Sの断面の壊食の様子を観察した図であり、(a)から(d)に、ナノバブル生成装置の稼働時間別に示している。 本発明の実施形態における金属板Sの断面における亀裂を拡大して観察した図であり、(a)から(d)に、ナノバブル生成装置の稼働時間別に示している。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<ナノバブル水ブラスト装置>
図1は、ナノバブル水ブラスト装置1の模式図である。
ナノバブル水ブラスト装置1は、例えば鉄等の金属板Sを塗装する前にこの金属板Sの表面Shを粗面化するためのものである。金属板Sとしては、例えば船体が挙げられる。
図1に示すように、ナノバブル水ブラスト装置1は、水Wを貯留するタンク2と、タンク2に貯留された水Wを循環させ、その循環過程で水W内にナノバブルを生成するナノバブル生成装置3と、タンク2内の水Wを汲み上げて圧送するポンプ4と、ポンプ4に高圧ホース6を介して連結されたノズル5と、を備える。水Wとしては例えば水道水が挙げられる。例えば水WのpH値は、7.0である。ナノバブルとは、微細な気泡のことである(詳細は後述する)。
<ナノバブル水ブラスト装置の作動手順、及び金属板の塗装表面への塗装前処理方法(壊食促進方法)>
次に、図1から図4に基づいて、ナノバブル水ブラスト装置1の作動手順、及び金属板Sの表面Shへの塗装前処理方法(壊食促進方法)について説明する。
図2は、金属板Sの表面Shへの塗装前処理方法(壊食促進方法)のフローチャートである。
図1、図2に示すように、まず、ナノバブル生成装置3によって水W内にナノバブルを生成する(ナノバブル生成工程;図2におけるステップST01)。
ナノバブルを含んだ水Wは、ナノバブル生成装置3によってタンク2に還流される。このタンク2に還流された水Wに、再びナノバブル生成装置3によってナノバブルが生成される。これを繰り返すことにより、タンク2内のナノバブルの密度と直径が変化する。つまり、ナノバブル生成装置3の稼働時間により水W内のナノバブルの密度と直径が調整できる(詳細は後述する)。また、水WのpH値が上昇する。例えば、本実施形態においては0.7上昇する。
図3は、ナノバブル生成装置3のナノバブル生成能力を示すグラフである。より具体的には、図3は、縦軸をナノバブルの1mlあたりの密度とし、横軸をナノバブルの直径[nm]としたときのナノバブルの密度の変化を示し、ナノバブル生成装置3の稼働時間別(0,0.5,1,2[hr])に比較したグラフである。
図3に示すように、例えばナノバブル生成装置3により水W内に生成されるナノバブルの直径は、400[nm]以下である。ナノバブル生成装置3の生成時間が変化すると、ナノバブルの直径ごとの密度が変化することが確認できる。ナノバブル生成装置3の稼働時間を多くすると、ナノバブルの直径が小さく、かつ直径の小さいナノバブルの密度が大きくなることが確認できる。
図4は、縦軸をナノバブルの圧力とし、横軸をナノバブルの直径としたときのナノバブルの圧力の変化を示すグラフである。
図4に示すように、ナノバブルは、直径が小さくなるに従って圧力が高まることが確認できる。
図1、図2に戻り、このようなナノバブルを多く含んだ水Wは、ポンプ4によって汲み上げられ、高圧ホース6を介してノズル5に圧送される。ノズル5は、ポンプ4によって圧送され所定の圧力以上となった高圧水Whを金属板Sに向けて噴射させる。ノズル5は、例えば均等扇型ノズルである。ノズル5の噴射角θは、15°〜30°である。ノズル5の噴射角θを15°〜30°とし、金属板Sの表面Shに高圧水Whを噴射する。すると、表面Shにキャビテーションが発生し、この表面Shが壊食される(壊食工程;図2におけるステップST02)。
ここで、水W内にナノバブルが含まれることにより、表面Shの壊食作用による損傷で生じた亀裂にナノバブルが侵入される。すると、亀裂内でナノバブルが合体膨張し、これによって亀裂が押し広げられて進展する。すなわち、表面Shの壊食が促進される(壊食促進工程;図2におけるステップST03)。この結果、表面Shに粗面が形成される。以下、ナノバブル生成工程、壊食工程、及び壊食促進工程の最適条件について詳述する。
<各工程の条件について>
次に、図5から図10に基づいて、上記の各工程での条件について詳述する。
図5は、縦軸を表面Shへの壊食量とし、横軸を高圧水Whの圧力[MPa]としたときの壊食量の変化を示し、ナノバブル生成装置3の稼働時間別(0,18,20,27[hr])に比較したグラフである。
図5に示すように、高圧水Whの圧力が20[MPa]以上となると表面Shが壊食されることが確認できる。さらに、高圧水Whの圧力が高くなるほど表面Shの壊食量が増加するとともに、ナノバブル生成装置3の稼働時間が長いほど(水Wのナノバブルの密度が高くなるほど)表面Shの壊食量が増加することが確認できる。
ナノバブルは、表面Shの壊食を促進するためのものであるので、まず表面Shを壊食させる必要がある。そして、表面Shを壊食させるには、高圧水Whの圧力が20[MPa]を超える必要があることが確認できる。なお、ナノバブル生成装置3の稼働時間が0[hr]とは、ナノバブル生成装置3によって水W内にナノバブルを生成せずに水道水のままであることを意味する。
次に、ノズル5から表面Shに至る間の最適距離について説明する。
図6は、ノズル5の噴射角θが15°において、縦軸を表面Shへの壊食量とし、横軸をノズル5から表面Shに至る間の距離[cm]としたときの壊食量の変化を示し、ナノバブル生成装置3の稼働時間別(0,0.5,1,2[hr])に比較したグラフである。
図6に示すように、ノズル5の噴射角θが15°では、ノズル5から表面Shに至る間の距離は2〜10cmで表面Shへの壊食が促進されることが確認できる。
図7は、ノズル5の噴射角θが30°において、縦軸を表面Shへの壊食量とし、横軸をノズル5から表面Shに至る間の距離[cm]としたときの壊食量の変化を示し、ナノバブル生成装置3の稼働時間別(0,0.5,1,2[hr])に比較したグラフである。
図7に示すように、ノズル5の噴射角が30°では、ノズル5から表面Shに至る間の距離は2〜6cmで表面Shへの壊食が促進されることが確認できる。
次に、ナノバブルの直径の大きさと密度の最適条件について説明する。
図8は、縦軸を相対壊食量とし、横軸を直径が150〜200[nm]のナノバブルの密度[p/ml]としたときの相対壊食量の変化を示し、各種ノズル5の噴射角θが15°のものや30°のものを比較したグラフである。なお、相対壊食量とは、ナノバブル生成装置3の稼働時間が0時間の場合、つまり、ほぼナノバブルが存在していない高圧水Whによる表面Shの壊食量に対するナノバブル生成装置3を稼働した場合の高圧水Whによる表面Shの壊食量である。
図9は、図8の比較例として示すグラフである。図9は、縦軸を相対壊食量とし、横軸を直径が100[nm]より大きいナノバブルの密度[p/ml]としたときの相対壊食量の変化を示し、各種ノズル5の噴射角θが15°のものや30°のものを比較したグラフである。
図10は、図8の比較例として示すグラフである。図10は、縦軸を相対壊食量とし、横軸を直径が200[nm]より大きいナノバブルの密度[p/ml]としたときの相対壊食量の変化を示し、各種ノズル5の噴射角θが15°のものや30°のものを比較したグラフである。
図8から図10に示すように、ナノバブルの直径が150〜200[nm]の場合(図8参照)、ナノバブルの直径が100[nm]より大きいとした場合(図9参照)やナノバブルの直径が200[nm]より大きいとした場合(図10参照)よりも相関係数Rが0.12と大きくなることが確認できる。これは、ナノバブルの直径を150〜200[nm]とした場合、表面Shの亀裂に確実にナノバブルが侵入し、かつ亀裂に侵入したナノバブルが確実に合体膨張するからである。このため、表面Shの壊食が効率よく促進される。
また、図8に示すように、ナノバブルの密度が0.2×10p/ml以上である場合、表面Shの壊食が促進されることが確認できる。
図9に示すように、ナノバブルの直径が100[nm]より大きい場合、相関係数Rは0.05となり、ナノバブルの直径が150〜200[nm]の場合の相関係数Rよりも小さくなることが確認できる。これは、ナノバブルの直径が100[nm]より大きい場合、つまり、ナノバブルの直径が100〜149[nm]程度であると、図4に示すようにナノバブルの圧力が高くなるので、表面Shの亀裂にナノバブルが侵入してもナノバブルが小さすぎて(ナノバブルの圧力が高すぎて)合体しないからである。このため、表面Shの壊食が促進されない。
図10に示すように、ナノバブルの直径が200[nm]より大きい場合、相関係数Rは0.06となり、ナノバブルの直径が150〜200[nm]の場合の相関係数Rよりも小さくなることが確認できる。これは、ナノバブルの直径が200[nm]より大きい場合、亀裂の幅に対しナノバブルの寸法が大きくなるので、表面Shの亀裂にナノバブルが確実に侵入しないからである。このため、表面Shの壊食が促進されない。
図11は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて金属板Sの断面における壊食の様子を観察した図であり、(a)から(d)に、ナノバブル生成装置3の稼働時間別に示している。具体的には、図11(a)は、ナノバブル生成装置3の稼働時間が0[hr]における金属板Sの断面における壊食の様子を観察した図である。図11(b)は、ナノバブル生成装置3の稼働時間が18[hr]における金属板Sの断面における壊食の様子を観察した図である。図11(c)は、ナノバブル生成装置3の稼働時間が20[hr]における金属板Sの断面における壊食の様子を観察した図である。図11(d)は、ナノバブル生成装置3の稼働時間が27[hr]における金属板Sの断面における壊食の様子を観察した図である。
図12は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて金属板Sの断面における亀裂を拡大して観察した図であり、(a)から(d)に、ナノバブル生成装置3の稼働時間別に示している。具体的には、図12(a)は、ナノバブル生成装置3の稼働時間が0[hr]における金属板Sの断面における亀裂を観察した図である。図12(b)は、ナノバブル生成装置3の稼働時間が18[hr]における金属板Sの断面における亀裂を観察した図である。図12(c)は、ナノバブル生成装置3の稼働時間が20[hr]における金属板Sの断面における亀裂を観察した図である。図12(d)は、ナノバブル生成装置3の稼働時間が27[hr]における金属板Sの断面における亀裂を観察した図である。
図11、図12に示すように、ナノバブル生成装置3を稼働して水W内にナノバブルを生成すると、金属板Sの断面における亀裂がき裂内部に侵入したナノバブルの合体・膨張により開口する。亀裂の開口は亀裂を進展させるので、壊食が促進されることが確認できる。
このように、上述の金属板Sの表面Shへの塗装前処理方法は、水Wに直径が400[nm]以下のナノバブルを生成するナノバブル生成工程と、表面Shに高圧水Whを噴射し、キャビテーションを発生させて、表面Shを壊食させる壊食工程と、表面Shの亀裂にナノバブルを侵入させ、表面Shの壊食を促進させる壊食促進工程と、を有する。このため、壊食促進工程では、表面Shの亀裂内でナノバブルが合体膨張し、これによって亀裂が押し広げられて大きくなる。この結果、効率よく壊食を促進させることができ、表面Shに効率よく粗面を形成することができる。よって、この塗装前処理方法を実施した後に表面Shに塗装を施すと、表面Shに形成された塗膜の付着強度を高めることができる。
また、水W内のナノバブルの直径を150nm〜200nmとすることで、表面Shの亀裂に確実にナノバブルを侵入させ、かつ亀裂に侵入したナノバブルを確実に合体膨張させることができる。このため、表面Shの壊食を効率よく促進することができる。
また、水W内に含まれるナノバブルの密度を0.2×10p/ml以上とすることで、表面Shの亀裂にナノバブルを十分に侵入させることができ、壊食を十分に促進させることができる。
また、ノズル5の噴射角θとして15°〜30°を選択することにより、確実に表面Shを壊食させることができる。さらに、表面Shに噴射させる高圧水Whの圧力を20[MPa]以上とすることにより、確実に表面Shを壊食させることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ナノバブル水ブラスト装置1に使用する液体を水道水等の水Wとした場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、水Wは水道水でなくてもよい。また、ナノバブル水ブラスト装置1に使用する液体は、水Wに代わってさまざまな液体を使用することができる。
また、上述の実施形態では、船体等の金属板Sの表面Shに塗装前処理として粗面を形成するために、表面Shを壊食させ(壊食工程)、さらに壊食を促進させる(壊食促進工程)場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、さまざまな対象物において、この対象物の処理表面を壊食させる場合に上記の壊食促進方法を適用することができる。
また、上述の実施形態では、ナノバブル生成工程後の水Wを加圧して金属板Sの表面Shに高圧水Whを噴射することにより、表面Shを壊食させる場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、水Wを加圧した高圧水Whにナノバブルを含ませてもよい。
また、上述の実施形態では、ナノバブル水ブラスト装置1に設けられたナノバブル生成装置3は、タンク2に貯留された水Wを循環させ、その循環過程で水W内にナノバブルを生成する場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、水W内にナノバブル生成装置3によってナノバブルを生成した後、タンク2に貯留してその水Wを循環させなくてもよい。また、タンク2に貯留せずに水W内にナノバブルを生成した後、その水Wを直接ノズル5に圧送してもよい。すなわち、ノズル5から水Wを噴射する時点でこの水Wにナノバブル生成装置3によって生成されたナノバブルが含まれていればよい。
1…ナノバブル水ブラスト装置、2…タンク、3…ナノバブル生成装置、4…ポンプ、5…ノズル、S…金属板(対象物)、Sh…表面(処理表面)、W…水(液体)、Wh…高圧水、θ…噴射角

Claims (5)

  1. 液体に直径が400nm以下のナノバブルを生成するナノバブル生成工程と、
    対象物の処理表面に前記液体を加圧して噴射し、キャビテーションを発生させて前記処理表面を壊食させる壊食工程と、
    前記処理表面の壊食された箇所に前記液体に含まれる前記ナノバブルを侵入させ、前記処理表面の壊食を促進させる壊食促進工程と、
    を有し、
    前記液体に含まれる前記ナノバブルの密度は、0.2×10 p/ml以上である
    壊食促進方法。
  2. 前記ナノバブルの直径は、150nm〜200nmである
    請求項1に記載の壊食促進方法。
  3. 前記液体を噴射させるノズルの噴射角は、15°〜30°である
    請求項1又は請求項に記載の壊食促進方法。
  4. 前記液体を噴射させる圧力は20MPa以上である
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の壊食促進方法。
  5. 金属板の塗装表面に塗装を行う前に行う塗装前処理方法であって、
    液体に直径が400nm以下のナノバブルを生成するナノバブル生成工程と、
    前記塗装表面に前記液体を加圧して噴射し、キャビテーションを発生させて前記塗装表面を壊食させる壊食工程と、
    前記塗装表面の壊食された箇所に前記液体に含まれる前記ナノバブルを侵入させ、前記塗装表面の壊食を促進させる壊食促進工程と、
    を有する
    塗装前処理方法。
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