以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
第1実施形態として、対象物に対してレーザー光による基準線を投射するレーザー墨出し器10を例に挙げて説明する。
なお、レーザー墨出し器10は、例えば、土木、建築工事等に用いられる。レーザー墨出し器10は、離れた位置からリモートコントローラ60(以下、リモコン60ともいう)を用いて回転を制御することが可能に構成されている。
図1に示すように、本実施形態のレーザー墨出し器10は、支持本体11と、回転本体12と、を備える。支持本体11は、複数の脚部14を介して床101に載置される。本実施形態では、例えば3つの脚部14を備えている。支持本体11は、3つの脚部14によって、床101で支持される。なお、床101を含む、レーザー墨出し器10が設置される面を、以下、設置面ともいう。
回転本体12は、支持本体11に対して中心軸L1を中心として回転可能に構成されている。図1は、レーザー墨出し器10が、設置面に対して中心軸L1が垂直な状態で設置されている状態を示している。
回転本体12は、中心軸L1を中心として軸線方向に延びる略円柱形状に形成されている。回転本体12は、外部へレーザー光を射出する4つの射出部、即ち、第1射出部5、第2射出部6、第3射出部7、及び第4射出部8を備える。
各射出部5,6,7,8は、中心軸L1を中心とする周方向に沿って所定の間隔(例えば90度間隔)で設けられている。各射出部5,6,7,8は、それぞれ、レーザー光を生成する発光部を有し、その発光部により生成されたレーザー光を垂直方向に偏光させることにより、垂直方向基準線を示す垂直レーザー光120を外部へ射出するように構成されている。
なお、回転本体12は、垂直方向基準線を示す垂直レーザー光を射出する射出部(垂直方向射出部)のみならず、水平方向基準線を示す水平レーザー光を射出する射出部(水平方向射出部)を備えても良い。回転本体12は、水平レーザー光を射出する角度範囲に応じて、1個の水平方向射出部を備えてもよいし、複数の水平方向射出部を備えてもよい。例えば、1個の水平方向射出部を備える回転本体12は、所定角度範囲(例えば、約110°の角度領域)に対して水平レーザー光を射出する構成となり得る。また、複数(例えば、4個)の水平方向射出部を備える回転本体12は、複数の水平レーザー光がオーバーラップしつつ、360°の角度範囲(全周)にレーザー光を射出する構成となり得る。
レーザー光を生成する発光部の種類は種々考えられる。例えば、半導体レーザーであってもよいし、ガスレーザー、固体レーザーであってもよい。その他の方式でレーザー光を生成する構成であってもよい。
図1は、床101に設置されたレーザー墨出し器10の第1射出部5から垂直レーザー光120が射出され、その垂直レーザー光120が床101から壁面102に渡って照射されている状態を示している。また、図1は、床101に地墨線130が描かれ、床101においてこの地墨線130に沿うように垂直レーザー光120が照射されている状態を示している。
支持本体11には、受信部21が設けられている。この受信部21は、リモコン60から送信される信号を受信するために設けられている。
また、レーザー墨出し器10は、中心軸L1と同軸且つ下方(設置面方向)に向けて下方レーザー光140を射出する機能を有している。図1は、下方レーザー光140が地墨線130の上に合致するようにレーザー墨出し器10が設置されている状態を示している。
リモコン60は、レーザー墨出し器10を無線により遠隔操作する機能を有する。より具体的に、リモコン60は、レーザー墨出し器10を回転(詳しくは回転本体12を回転)させる遠隔回転機能と、レーザー墨出し器10の4つの射出部5,6,7,8を制御する遠隔レーザー制御機能とを有する。
リモコン60は、送信部67と、レーザー受光窓80とを有する。送信部67からは、レーザー墨出し器10を遠隔操作するための信号(以下、リモコン信号)が送信される。送信部67は、本実施形態では、例えば赤外線によりリモコン信号を送信するように構成されている。レーザー受光窓80は、レーザー墨出し器10からの垂直レーザー光120をリモコン60の内部に入射させるように構成されている。レーザー受光窓80に垂直レーザー光120が入射されると、リモコン60の内部に備えられるレーザー受光部(図1では不図示。)で受光される。
レーザー墨出し器10の受信部21は、リモコン60から送信されたリモコン信号を受信するように構成されている。前述の通り、本実施形態ではリモコン60から赤外線にてリモコン信号が送信される。そのため、レーザー墨出し器10の受信部21は、赤外線を受信して光電変換することにより赤外線からリモコン信号を抽出してそのリモコン信号を支持本体11の内部へ伝送するように構成されている。
[1−2.レーザー墨出し器の上下間給電構造]
次に、レーザー墨出し器10の構成について具体的に説明する。ここではまず、支持本体11と回転本体12との間とを電気的に接続するための上下間給電構造、及びそれにかかわるいくつかの構成要素について、図2及び図3を用いて説明する。
図2に示すように、支持本体11は、保持プレート18を備える。なお、図2において、保持プレート18および後述する各接続基板91,96については、中心軸L1を含む垂直断面形状を模式的に図示している。
保持プレート18は、回転本体12を回転可能に支持するために支持本体11に設けられた部材である。保持プレート18は、全体として円板形状の部材であり、支持本体11において、中心軸L1を中心に回転可能な状態で固定されている。
保持プレート18は、粗送用モータ23および微送用モータ24の何れかにより、回転駆動機構20を介して回転駆動される。粗送用モータ23および微送用モータ24は、支持制御部22により制御される。支持制御部22は、粗送用モータ23および微送用モータ24の何れか一方を選択的に回転させるように構成されている。
回転本体12は、保持プレート18の上に載置されている。そのため、保持プレート18が回転すると、保持プレート18と回転本体12との接触部分の摩擦によって、回転本体12が保持プレート18と一体的に回転する。
一方、回転本体12は、保持プレート18に対して一体的に固定されてはおらず、保持プレート18に対して相対的位置関係が変化しつつ回転することも可能である。そのため、回転本体12に対し、外部から、保持プレート18と回転本体12との間の最大静止摩擦力より大きい回転力が加えられると、回転本体12は保持プレート18に対して相対的位置関係が変化するように回転する。したがって、レーザー墨出し器10の使用者は、回転本体12の回転位置を変えたい場合は、自ら手操作等によって回転本体12を回転させることができる。
回転駆動機構20は、粗送用モータ23の回転を減速させて保持プレート18に伝達させるための粗送用伝達機構と、微送用モータ24の回転を減速させて保持プレート18に伝達させるための微送用伝達機構とを有する。
粗送用モータ23、及び回転駆動機構20が有する粗送用伝達機構は、保持プレート18を高速回転させるために設けられている。一方、微送用モータ24、及び回転駆動機構20が有する微送用伝達機構は、保持プレート18を低速回転させるために設けられている。なお、ここでいう高速、低速とは、これら両者の相対的な大小関係を示すために用いているだけであり、回転速度の具体的な数値を意味するものではない。
なお、各モータ23,24により回転駆動機構20を介して保持プレート18を回転させるためのより具体的な構成の一例が,特許文献1に記載されている。本実施形態も、特許文献1に記載されている構成と実質的に同様の構成にて保持プレート18を回転させるように構成されており、ここでの説明は省略する。
支持本体11の受信部21でリモコン信号が受信されると、そのリモコン信号は、支持制御部22に入力される。リモコン信号には、回転本体12を回転させるための遠隔回転制御信号、及び回転本体12内のレーザーユニット42の動作を制御するための遠隔レーザー制御信号の何れか一方又は双方が含まれる。遠隔回転制御信号によって前述の遠隔回転機能が実現され、遠隔レーザー制御信号によって前述の遠隔レーザー制御機能が実現される。
支持本体11は、DCジャック26を備える。DCジャック26は、不図示の外部の固定電源(商用電源など)に接続されたプラグ(以下、外部電源プラグともいう。)を挿入可能に構成されている。レーザー墨出し器10は、DCジャック26に外部電源プラグを挿入することで固定電源から直流電力(以下、外部電力)を受電可能に構成されている。
DCジャック26で受電した外部電力は、回転本体12に供給される。支持本体11から回転本体12への外部電力の供給は、支持本体11に設けられた支持側接続基板91および回転本体12に設けられた回転側接続基板96を介して行われる。
また、DCジャック26で受電した外部電力は、回転本体12を経由して支持本体11に供給されることで、支持本体11内における各部の動作用の電力として用いられる。前述の各モータ23,24も外部電力によって駆動される。なお、本実施形態の支持本体11は、後述するように、回転本体12に装着されたバッテリパック51が供給する電力(以下、バッテリ電力ともいう)を受電可能に構成されている。支持本体11内の各部は、外部電力のみならず、バッテリ電力によっても動作可能に構成されている。回転本体12から支持本体11への外部電力またはバッテリ電力の供給は、支持本体11に設けられた支持側接続基板91および回転本体12に設けられた回転側接続基板96を介して行われる。
支持制御部22は、受信部21から入力されたリモコン信号に遠隔回転制御信号が含まれている場合は、その遠隔回転制御信号の内容に基づき、粗送用モータ23及び微送用モータ24の何れかを駆動させて保持プレート18を回転(即ち回転本体12を回転)させる。
また、支持制御部22は、受信部21から入力されたリモコン信号を、そのまま又は適宜処理して回転本体12へ伝送する。この回転本体12への信号伝送は、前述の外部電力の供給と同様、支持本体11に設けられた支持側接続基板91および回転本体12に設けられた回転側接続基板96を介して行われる。
つまり、本実施形態のレーザー墨出し器10は、支持本体11と回転本体12との間とを電気的に接続するための上下間給電構造として、支持側接続基板91および回転側接続基板96を有する。
受信部21でリモコン信号が受信された場合、そのリモコン信号を具体的にどのように処理して回転本体12へ伝送するかについては種々の方法を採用できる。例えば、受信部21から入力されたリモコン信号の内容にかかわらず、そのリモコン信号をそのまま、又は支持制御部22で適宜処理して、回転本体12へ伝送してもよい。
ただし、本実施形態では、支持制御部22は、受信部21から入力されたリモコン信号に遠隔レーザー制御信号が含まれている場合に、その遠隔レーザー制御信号が示す情報、即ちレーザーユニット42を制御するための遠隔レーザー制御情報を、所定の形式の信号(以下、制御用中継信号)によって、回転本体12へ伝送する。
支持制御部22は、受信部21から入力されたリモコン信号から遠隔レーザー制御信号を抽出するための信号抽出処理(例えばフィルタ処理)を実行可能に構成されている。そのため、受信部21から入力されたリモコン信号に、遠隔レーザー制御信号に加えて他の信号も含まれている場合は、信号抽出処理によってリモコン信号から遠隔レーザー制御信号が抽出される。
リモコン信号から遠隔レーザー制御信号を抽出するということは、即ち、リモコン信号に含まれている情報から、回転本体12が有する構成要素の1つであるレーザーユニット42の動作を制御するための遠隔レーザー制御情報を抽出するということである。そのため、信号抽出処理による遠隔レーザー制御信号の抽出は、情報抽出処理に相当する。
支持制御部22は、受信部21において遠隔レーザー制御信号を含むリモコン信号が受信された場合、その遠隔レーザー制御信号が示す遠隔レーザー制御情報を、制御用中継信号によって回転本体12へ伝送する。つまり、回転本体12へ伝送される制御用中継信号は、回転本体12内の構成要素を制御するための情報のうち特に遠隔レーザー制御情報を含む信号であり、支持本体11内の構成要素を制御するための情報は含まれていない。
制御用中継信号として具体的にどのような信号を伝送するかについては、適宜決めることができる。例えば、受信部21から入力された遠隔レーザー制御信号、即ち信号抽出処理によってリモコン信号から抽出された遠隔レーザー制御信号を、そのまま、制御用中継信号として回転本体12へ伝送してもよい。
また例えば、支持制御部22は、受信部21から入力された遠隔レーザー制御信号から、ノイズ成分除去用のフィルタ回路によってノイズ成分を除去し、そのノイズ成分除去後の信号を制御用中継信号として回転本体12へ伝送するようにしてもよい。除去対象の周波数帯域は適宜決めてもよい。
また例えば、支持制御部22は、受信部21から入力された遠隔レーザー制御信号を、例えばバッファなどのインピーダンス変換回路によってインピーダンス変換し、そのインピーダンス変換後の信号を制御用中継信号として回転本体12へ伝送するようにしてもよい。
また例えば、支持制御部22は、受信部21から入力された遠隔レーザー制御信号を適宜波形整形し、その波形整形後の信号を制御用中継信号として回転本体12へ伝送するようにしてもよい。
上述したノイズ成分除去、インピーダンス変換、及び波形整形を含む各種の信号処理は、何れか1つを単独で採用してもよいし、複数を組み合わせて採用してもよい。
また、上述したノイズ成分除去、インピーダンス変換、及び波形整形とは異なる他の信号処理として、遠隔レーザー制御信号の信号形式とは異なる別の形式の信号に変換する信号形式変換処理を採用してもよい。具体的に、例えば、遠隔レーザー制御信号に含まれている遠隔レーザー制御情報を示すデジタルデータを生成し、そのデジタルデータを所定のフォーマットにて伝送するようにしてもよい。
[1−3.支持側接続基板および回転側接続基板]
ここで、回転本体12から支持本体11への電力供給、支持本体11から回転本体12への電力供給および信号伝送を行うための、支持側接続基板91および回転側接続基板96の構成について、より詳しく説明する。
図2に示すように、支持側接続基板91は、支持本体11に固定して設けられている。回転側接続基板96は、回転本体12に対して固定して設けられている。これら各接続基板91,96は、いずれも、おおよそ中空円板状の形状に形成されており、板面が互いに対向するように配置されている。
なお、各接続基板91,96が中空円板状の形状であることはあくまでも一例である。例えば、円板状ではなく他の形(例えば多角形)の中空板状の形状であってもよく、レーザー墨出し器10の形状(特に水平方向断面形状)に応じた形状を適宜採用してもよい。
また、回転側接続基板96については、必ずしも中空形状である必要はない。支持側接続基板91についても、本実施形態では回転本体12との位置関係から結果的に中空形状となっているが、支持本体11と回転本体12の各々の形状や位置関係によっては、必ずしも中空形状にする必要はない場合も考えられ、その場合は中空形状でなくてもよい。
図3は、支持側接続基板91、回転側接続基板96の構成を表した説明図である。より詳しくは、回転側接続基板96については、垂直方向下側(換言すれば、対向する支持側接続基板91の側)から見た状態を示している。支持側接続基板91については、垂直方向上側(換言すれば、対向する回転側接続基板96の側)から見た状態を示している。
回転側接続基板96は、支持側接続基板91と対向する面に、同心状に配置された4個の回転側導体部が設けられている。4個の回転側導体部は、それぞれ環状に形成されており、外部電力用導体部96a、信号用導体部96b、バッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96dである。
支持側接続基板91は、回転側接続基板96と対向する面に、導体で形成された7個のブラシ型接続部90が設けられている。7個のブラシ型接続部90は、2つの外部電力用接続部91a、1つの信号用接続部91b、2つのバッテリ電力用接続部91c、2つのグランド用接続部91dとして備えられる。
支持側接続基板91のうち、外部電力用導体部96aに対向する領域(以下、外部電力用環状領域91a1ともいう)には、2つの外部電力用接続部91aが設けられている。支持側接続基板91のうち、信号用導体部96bに対向する領域(以下、信号用環状領域91b1ともいう)には、1つの信号用接続部91bが設けられている。支持側接続基板91のうち、バッテリ電力用導体部96cに対向する領域(以下、バッテリ電力用環状領域91c1ともいう)には、2つのバッテリ電力用接続部91cが設けられている。支持側接続基板91のうち、グランド用導体部96dに対向する領域(以下、グランド用環状領域91d1ともいう)には、2つのグランド用接続部91dが設けられている。
図4および図5に示すように、ブラシ型接続部90は、固定部90aと、延設部90bと、を備える。
固定部90aは、導体(例えば、銅などの導電性金属)で形成された長尺状の板状部材であり、固定板部90a1と、折曲板部90a2と、を備える。固定板部90a1は、2つの孔部90a3を備えている。折曲板部90a2は、固定板部90a1における長手方向の一端から延設されており、固定板部90a1の板面に対して一定の角度で折り曲げられて(図5では、斜め上向きに延びるように折り曲げられて)構成されている。固定部90aは、ハンダ付け、ロウ付けまたはリベットなどを用いた固定方法で固定板部90a1が支持側接続基板91に固定されることで、折曲板部90a2が支持側接続基板91の板面に対して斜めに上向きに延びる状態となるように構成されている。
延設部90bは、導体(例えば、銅などの導電性金属)で形成された長尺状の板状部材であり、2箇所の折り曲げ部90b1,90b2を有する弾性変形可能な部材である。延設部90bは、固定部90aの折曲板部90a2に固定される接続端部90b3を備える。延設部90bは、接続端部90b3が折曲板部90a2に固定されることで、折曲板部90a2から延設される状態で備えられている。延設部90bは、2箇所の折り曲げ部90b1,90b2のうち先端側の折り曲げ部90b1が回転側接続基板96の回転側導体部に接触するように構成されている。
このようなブラシ型接続部90においては、固定部90aが支持側接続基板91に固定された場合には、延設部90bは、中心軸L1に平行な軸線方向から見たときに、接続端部90b3(固定部90aとの接続部位)と折り曲げ部90b1(回転側導体部との接触部位)とが異なる位置となるように、支持側接続基板91から回転側接続基板96に向けて斜めに配置される。つまり、延設部90bは、支持側接続基板91の板面に対して垂直に延びる状態で配置されるのではなく、支持側接続基板91の板面に対して斜めに延びる状態で配置される。これにより、ブラシ型接続部90は、支持側接続基板91に固定された場合に、支持側接続基板91から回転側接続基板96に向かう突出寸法H1(図5参照)が、自身の弾性変形(固定部90aおよび延設部90bの弾性変形)により変化するように構成されている。
このような構成のブラシ型接続部90は、回転側接続基板96(詳細には、導体部96a、96b、96c、96d)との間に生じる摩擦力が、回転側接続基板96に対する相対的な移動方向によって異なる。例えば、図5に示すブラシ型接続部90では、回転側接続基板96に対する相対的移動方向が右方向の場合は、相対的移動方向が左方向の場合に比べて、摩擦力が小さくなる。つまり、相対的移動方向が右方向の場合、延設部90bおよび折曲板部90a2は突出寸法H1が小さくなるように弾性変形するため、摩擦力が小さくなるのに対して、相対的移動方向が左方向の場合、延設部90bおよび折曲板部90a2は突出寸法H1が大きくなるように弾性変形するため、摩擦力が大きくなる。
なお、図5におけるブラシ型接続部90の相対的移動方向のうち「右方向」は、延設部90bの延設方向(接続端部90b3から折り曲げ部90b1に向かう延設方向)の反対方向であり、相対的移動方向のうち「左方向」は、延設部90bの延設方向と同一方向である。
図3に示すように、7個のブラシ型接続部90は、支持側接続基板91のうち、8本の仮想線92と、4個の環状領域(外部電力用環状領域91a1,信号用環状領域91b1,バッテリ電力用環状領域91c1,グランド用環状領域91d1)とが交差する複数の交点のうち7箇所に固定されている。なお、8本の仮想線92は、中心軸L1を中心としと支持側接続基板91を円周方向に8等分する(45度単位で等分する)仮想線である。詳細には、ブラシ型接続部90は、折り曲げ部90b1が仮想線92と環状領域との交点に配置されるように、支持側接続基板91に固定されている。
7個のブラシ型接続部90のうち、2つの外部電力用接続部91aは、支持側接続基板91のうち中心軸L1を介して点対称となる2つの位置(換言すれば、周方向において180度異なる2つの位置)にそれぞれ配置されている。2つのバッテリ電力用接続部91c、2つのグランド用接続部91dも同様に、支持側接続基板91のうち中心軸L1を介して点対称となる2つの位置にそれぞれ配置されている。
2つの外部電力用接続部91aは、それぞれ、延設部90bの延設方向(接続端部90b3から折り曲げ部90b1に向かう延設方向)が、外部電力用環状領域91a1の周方向における同一方向(図3では、反時計回り方向)となるように配置されている。1つの信号用接続部91bは、延設部90bの延設方向が、信号用環状領域91b1の周方向における所定方向(図3では、時計回り方向)となるように配置されている。2つのバッテリ電力用接続部91cは、それぞれ、延設部90bの延設方向が、バッテリ電力用環状領域91c1の周方向における同一方向(図3では、時計回り方向)となるように配置されている。2つのグランド用接続部91dは、それぞれ、延設部90bの延設方向が、グランド用環状領域91d1の周方向における同一方向(図3では、反時計回り方向)となるように配置されている。
つまり、2つのグランド用接続部91dの延設方向(図3では、反時計回り方向)と、2つのバッテリ電力用接続部91cの延設方向(図3では、時計回り方向)とは、中心軸L1を中心とする周方向において互いに反対方向である。このように延設方向が設定された構成は、延設方向が同一方向の構成に比べて、回転本体12の回転時に、グランド用接続部91dとグランド用導体部96dとの間、およびバッテリ電力用接続部91cとバッテリ電力用導体部96cとの間に生じる合計の摩擦力が、回転方向の違いによって異なる大きさになることを抑制できる。これにより、回転本体12の回転方向(時計回り方向、反時計回り方向)が異なることによって、粗送用モータ23および微送用モータ24にかかる負荷が変動することを抑制できる。
また、7個のブラシ型接続部90の全体としては、4個(2つの外部電力用接続部91a、2つのグランド用接続部91d)の延設方向は反時計回り方向(図3)であり、3個(1つの信号用接続部91b、2つのバッテリ電力用接続部91c)の延設方向は時計回り方向(図3)である。このように延設方向が設定された構成は、全ての延設方向が同一の構成に比べて、接続部91a,91b,91c,91dと導体部96a,96b,96c,96dとの間に生じる摩擦力に関して、回転本体12の回転方向の違いによって生じる摩擦力の差を小さくすることができる。これにより、回転本体12の回転方向(時計回り方向、反時計回り方向)の違いによって、粗送用モータ23および微送用モータ24にかかる負荷の変動量を小さくすることができる。
よって、レーザー墨出し器10は、回転本体12の回転方向によって、回転本体12の回転速度(移動速度)にバラツキが生じるのを抑制できる。
上述のような支持側接続基板91および回転側接続基板96を備えるレーザー墨出し器10は、回転本体12が回転しても、支持側接続基板91の2つの外部電力用接続部91aは、回転側接続基板96の外部電力用導体部96aと常時接触した状態となる。つまり、回転本体12が回転すると、その回転に伴い、2つの外部電力用接続部91aは外部電力用導体部96aの上を摺動するため、2つの外部電力用接続部91aと外部電力用導体部96aとの電気的接続状態は維持される。
1つの信号用接続部91bと信号用導体部96bとの接触状態(電気的接続状態)、2つのバッテリ電力用接続部91cとバッテリ電力用導体部96cとの接触状態(電気的接続状態)、2つのグランド用接続部91dとグランド用導体部96dとの接触状態(電気的接続状態)についても、同様に、回転本体12が回転しても維持される。
[1−4.支持本体から回転本体への電力供給]
図2に示すように、支持本体11において、外部電力用接続部91aは外部正極経路26aを介してDCジャック26の正極端子に接続されており、グランド用接続部91dはグランド経路26dを介してDCジャック26の負極端子に接続されている。このような構成により、DCジャック26で外部電力を受電した場合、その外部電力は、支持側接続基板91の外部電力用接続部91a,グランド用接続部91d、および回転側接続基板96の外部電力用導体部96a,グランド用導体部96dを介して、回転本体12へ供給される。回転本体12において、外部電力用導体部96aおよびグランド用導体部96dは、外部正極経路50aおよびグランド経路50cを介して、電源切替制御部49に接続されている。そのため、支持本体11から回転本体12へ供給された外部電力は、電源切替制御部49へ供給される。
電源切替制御部49は、レーザー墨出し器10を動作又は停止させるために使用者により操作されるスイッチ(後述する電源スイッチ49a(図6参照))を備える。電源スイッチ49aは、使用者によりオン操作されるとオンされてそのオン状態が維持され、使用者によりオフ操作されるとオフされてそのオフ状態が維持される。
支持本体11から電源切替制御部49に外部電力が供給されているときに電源スイッチ49aがオンされると、その外部電力が、レーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45へ供給される。
また、回転本体12は、バッテリパック51を着脱可能に構成されたパック装着部50を備えている。パック装着部50に装着されたバッテリパック51のバッテリ電力は、第1バッテリ正極経路50b1およびグランド経路50cを介して、電源切替制御部49へ供給される。そのため、電源スイッチ49aがオンされた場合、支持本体11から外部電力が供給されていなくても、バッテリパック51からバッテリ電力が供給されている場合は、そのバッテリ電力が、レーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45へ供給される。
なお、バッテリ電力および外部電力の双方が電源切替制御部49に供給されている場合は、外部電力が優先され、外部電力がレーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45へ供給される。外部電力がなくバッテリ電力のみ電源切替制御部49に入力されている場合は、バッテリ電力がレーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45へ供給される。レーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45は、バッテリ電力及び外部電力の何れかが供給されると、その供給された電力によって動作する。
[1−5.回転本体から支持本体への電力供給]
図2に示すように、回転本体12において、バッテリ電力用導体部96cは第2バッテリ正極経路50b2を介して電源切替制御部49の正極端子に接続されており、グランド用導体部96dはグランド経路50cを介して電源切替制御部49の負極端子およびバッテリパック51の負極端子に接続されている。このような構成により、パック装着部50にバッテリパック51が装着された場合、バッテリパック51のバッテリ電力は、電源切替制御部49、バッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96d、バッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91dを介して、支持本体11へ供給される。支持本体11において、バッテリ電力用接続部91cおよびグランド用接続部91dは、電圧変換部31に接続されている。そのため、回転本体12から支持本体11へ供給されたバッテリ電力は、電圧変換部31へ供給される。
電源切替制御部49は、DCジャック26が外部電力を受電しているか否かを判断し、判断結果に基づいて、支持本体11の各部および回転本体12の各部に供給する電力を、外部電力およびバッテリ電力のうちいずれか一方に切り替えるように構成されている。電源切替制御部49は、DCジャック26が外部電力を受電している場合には、外部電力を各部に供給し、DCジャック26が外部電力を受電していない場合には、バッテリ電力を各部に供給する。
このため、レーザー墨出し器10は、DCジャック26が外部電力を受電していない場合であっても、バッテリ電力を用いることで支持本体11の各部および回転本体12の各部が動作可能となる。
[1−6.回転本体のレーザー光射出部]
図2に示すように、回転本体12は、操作パネル13、レーザー制御部41、レーザーユニット42、操作制御部45を備える。
レーザーユニット42は、図1にも示した、第1射出部5、第2射出部6、第3射出部7、及び第4射出部8を備える。また、レーザーユニット42は、これら各射出部5,6,7,8でレーザー光を生成させるための駆動回路を備える。なお、レーザー光を生成して外部へ射出させることを、以下、単に「点灯」とも称する。
支持本体11において、信号用接続部91bは、信号経路26bを介して支持制御部22に接続されている。また、回転本体12において、信号用導体部96bは、信号経路50dを介して操作制御部45に接続されている。このような構成により、支持制御部22から回転本体12へ出力される制御用中継信号は、信号用接続部91bおよび信号用導体部96bを介して、回転本体12の操作制御部45へ伝送される。
また、回転本体12における上端面には、操作パネル13が設けられている。この操作パネル13には、後述するライン切替スイッチ43、明るさ切替スイッチ44、明るさ表示LED46、及び電池残量LED47(何れも図6参照)が設けられている。これらライン切替スイッチ43、明るさ切替スイッチ44、明るさ表示LED46、及び電池残量LED47は、例えば、1つの基板上に搭載されている。
操作制御部45は、操作パネル13内のライン切替スイッチ43及び明るさ切替スイッチ44の操作内容に基づく各種処理や、明るさ表示LED46の点灯制御処理などを行う。ライン切替スイッチ43及び明るさ切替スイッチ44の操作内容に基づく各種処理には、その操作内容を示す情報又はその操作内容に基づく所定の情報をレーザー制御部41へ出力する処理が含まれる。また、操作制御部45は、支持本体11から送信された制御用中継信号を受信すると、その制御用中継信号に含まれている遠隔レーザー制御情報に基づき、レーザーユニット42を制御するための制御情報をレーザー制御部41へ出力する。操作制御部45は、操作パネル13と同一基板上に実装されていてもよいし、操作パネル13の基板とは別の基板に実装されていてもよい。なお、電池残量LED47は、後述する電源制御部49dにより点灯状態が制御される。
[1−7.レーザー墨出し器の電気的構成]
レーザー墨出し器10の電気的構成について、図6を用いてより詳しく説明する。
[1−7−1.上下間の給電用の構成]
図6に示すように、レーザー墨出し器10は、支持本体11と回転本体12とを電気的に接続するための、外部電源用給電部56、信号用給電部57、内部経路用給電部48を備える。これら各給電部56,57,48は、それぞれ、図2及び図3に示した支持側接続基板91の一部及び回転側接続基板96の一部を少なくとも含む。
具体的には、外部電源用給電部56は、支持側接続基板91の外部電力用接続部91a、グランド用接続部91d、および回転側接続基板96の外部電力用導体部96a、グランド用導体部96dを含む。支持本体11のDCジャック26に外部電源から外部電力が入力された場合、その外部電力は、回転本体12の回転位置にかかわらず、外部電源用給電部56を介して回転本体12へ供給される。
外部電源用給電部56は、支持側外部電力経路56aを介してDCジャック26に接続されるとともに、回転側外部電力経路56bを介して電源切替制御部49に接続される。支持側外部電力経路56aは、図2における外部正極経路26aおよびグランド経路26dを備えて構成される。回転側外部電力経路56bは、図2における外部正極経路50aおよびグランド経路50cを備えて構成される。
信号用給電部57は、支持側接続基板91の信号用接続部91bと、回転側接続基板96の信号用導体部96bとを含む。支持本体11の支持制御部22から回転本体12のレーザー制御部41へ伝送される制御用中継信号は、回転本体12の回転位置にかかわらず、信号用給電部57を介して伝送される。
信号用給電部57は、支持側信号経路57aを介して支持制御部22に接続されるとともに、回転側信号経路57bを介して操作制御部45に接続される。支持側信号経路57aは、図2における信号経路26bおよびグランド経路26dを備えて構成される。回転側信号経路57bは、図2における信号経路50dおよびグランド経路50cを備えて構成される。
内部経路用給電部48は、支持側接続基板91のバッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91d、および回転側接続基板96のバッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96dを含む。電源切替制御部49が内部経路用給電部48に対して電力供給する場合、その電力は、回転本体12の回転位置にかかわらず、内部経路用給電部48を介して支持本体11へ供給される。
内部経路用給電部48は、支持側内部電力経路48aを介して電圧変換部31に接続されるとともに、回転側内部電力経路48bを介して電源切替制御部49に接続される。支持側内部電力経路48aは、図2におけるバッテリ正極経路26cおよびグランド経路26dを備えて構成される。回転側内部電力経路48bは、図2における第2バッテリ正極経路50b2およびグランド経路50cを備えて構成される。
なお、回転本体12は、バッテリパック51から電源切替制御部49に電力を供給するバッテリ電力経路49iを備える。電源切替制御部49は、バッテリ電力経路49iを介してバッテリパック51(詳細には、パック装着部50を介したバッテリパック51)に接続される。バッテリ電力経路49iは、図2における第1バッテリ正極経路50b1およびグランド経路50cを備えて構成される。
[1−7−2.支持本体の電気的構成]
図6に示すように、電源切替制御部49が支持本体11に対して電力供給すると、その電力(以下、内部供給電力ともいう)が電圧変換部31に供給される。電圧変換部31は、内部供給電力の電圧を所定電圧値に変圧して、受信部21、支持制御部22、粗送用モータ23、及び微送用モータ24へ供給する。受信部21、支持制御部22、粗送用モータ23、及び微送用モータ24は、電圧変換部31から供給される電力により動作する。
受信部21の機能、及び受信部21で受信されたリモコン信号に基づく支持制御部22の機能については、図2を用いて既に説明した通りである。
[1−7−3.回転本体の電気的構成]
上述のように、回転本体12は、電源切替制御部49を備える。
図6に示すように、電源切替制御部49は、電源スイッチ49a、電源切替部49b、電圧検出部49c、電源制御部49d、電圧変換部49e、第1保護スイッチ49f、第2保護スイッチ49gを備える。
電源切替部49bは、回転側外部電力経路56bおよびバッテリ電力経路49iに接続されており、外部電力及びバッテリ電力の双方が入力される。電源切替部49bは、外部電力及びバッテリ電力の何れか一方のみが入力されている場合は、その入力されている電力を電源スイッチ49aへ出力する。一方、電源切替部49bは、外部電力及びバッテリ電力の双方が入力されている場合は、外部電力を優先し、外部電力を電源スイッチ49aへ出力する。なお、電源切替部49bから電源スイッチ49aへ出力される電力を、以下、動作用電力ともいう。
電源スイッチ49aは、回転本体内部電力経路49hを介して電圧変換部49eに接続されている。また、電源スイッチ49aは、回転側内部電力経路48bを介して内部経路用給電部48に接続されている。
電源スイッチ49aは、使用者のオン操作によりオン状態になると、電源切替部49bから供給される動作用電力を、電圧変換部49eおよび内部経路用給電部48のそれぞれに対して供給する。電源スイッチ49aは、使用者のオフ操作によりオフ状態になると、電圧変換部49eおよび内部経路用給電部48のそれぞれに対する動作用電力の供給を停止する。
電圧検出部49cは、電源切替部49bに入力された外部電力およびバッテリ電力のそれぞれの電圧値を検出し、電圧値の検出結果を電源制御部49dに通知する。
電源制御部49dは、外部電力の電圧値の検出結果(以下、外部電圧値V1ともいう)と予め定められた外部電圧判定値Vth1とを比較し、外部電圧値V1が外部電圧判定値Vth1以上である場合には、レーザー墨出し器10が外部電力を用いた動作状態であると判定するとともに、電池残量LED47の点灯状態を消灯状態に制御する。
電源制御部49dは、外部電圧値V1が外部電圧判定値Vth1よりも小さいと判定した場合には、バッテリ電力の電圧値の検出結果(以下、バッテリ電圧値V2ともいう)と予め定められたバッテリ電圧判定値Vth2とを比較する。このとき、電源制御部49dは、バッテリ電圧値V2がバッテリ電圧判定値Vth2以上である場合には、レーザー墨出し器10がバッテリ電力を用いた動作状態であると判定するとともに、電池残量LED47の点灯状態をバッテリ電圧値V2に応じた点灯状態に制御する。なお、電源制御部49dは、電池残量LED47の点灯状態を制御するとともに、電池残量LED47に対して電力供給を行う。
つまり、電源制御部49dは、電圧検出部49cにより検出されるバッテリ電圧値V2(換言すれば、バッテリパック51の電圧)に基づいて、バッテリパック51のバッテリ電力の残量を検出する。そして、電源制御部49dは、電池残量LED47を、その検出した残量に応じた態様にて点灯させることで、バッテリパック51のバッテリ電力の残量を外部に報知する。
電圧変換部49eは、入力された動作用電力の電圧を、所定の第1電圧値(例えば3.3V)、及び第1電圧値よりも高い所定の第2電圧値(例えば7.6V)に変圧する。そして、電圧変換部49eは、第1電圧値の電圧を、第1電圧経路49jを介して、レーザー制御部41、ライン切替スイッチ43、明るさ切替スイッチ44、操作制御部45、及び明るさ表示LED46へ供給することにより、これら供給対象の各部を動作可能な状態にさせる。また、電圧変換部49eは、第2電圧値の電圧を、第2電圧経路49kを介して、レーザーユニット42の駆動用の電圧として、レーザーユニット42へ供給する。
第1保護スイッチ49fは、第1電圧経路49jに設けられており、第1電圧経路49jを通電状態または遮断状態に設定する。第2保護スイッチ49gは、回転側内部電力経路48bに設けられており、回転側内部電力経路48bを通電状態または遮断状態に設定する。第1保護スイッチ49fおよび第2保護スイッチ49gは、電源制御部49dにより通電状態または遮断状態に制御される。第1保護スイッチ49fおよび第2保護スイッチ49gは、例えば、FETなどのスイッチング素子を用いて構成できる。
電源制御部49dは、例えば、バッテリ電圧値V2と予め定められた保護判定値Vthpとを比較し、バッテリ電圧値V2が保護判定値Vthpを下回る場合には、バッテリパック51のバッテリ電力の残量が少ないと判定し、第1保護スイッチ49fおよび第2保護スイッチ49gを遮断状態に設定する。これにより、バッテリパック51の過放電を抑制する。
ライン切替スイッチ43は、レーザーユニット42の4つの射出部5,6,7,8のうち実際に点灯させるものを選択するために使用者により押し操作されるスイッチであり、本実施形態では例えばタクタイルスイッチである。
本実施形態では、レーザーユニット42の点灯モードとして、点灯させる射出部の数が異なる複数種類の点灯モードが用意されている。例えば、ある点灯モードにおいては第1射出部5のみが点灯し、別のある点灯モードにおいては第2射出部6及び第4射出部8の2つが点灯する。また例えば、4つの射出部5,6,7,8が全て点灯する点灯モードがあってもよく、点灯モードの数やその内容については適宜決めてもよい。
操作制御部45は、ライン切替スイッチ43が押し操作される度に、複数種類の点灯モードを予め決められた順に切り替え、その切替後の点灯モードを示す点灯モード情報をレーザー制御部41へ出力する。なお、この切り替えは、いわゆるループバックスイッチ方式により行われる。
レーザー制御部41は、操作制御部45から点灯モード情報が入力されると、4つの射出部5,6,7,8のうち、その点灯モード情報が示す点灯モードに対応した射出部を点灯させる。なお、操作制御部45からは単にライン切替スイッチ43が押し操作されたことを示す情報が入力されて、レーザー制御部41がその情報に基づいて点灯モードの切り替えを行う構成であってもよい。
レーザー制御部41による、点灯モードに対応した射出部の点灯は、具体的には、点灯モードに対応した点灯対象の射出部それぞれに対して個別にレーザー駆動信号を出力することにより行われる。
明るさ切替スイッチ44は、射出部から射出されるレーザー光の明るさを切り替えるために使用者により押し操作されるスイッチであり、本実施形態では例えばタクタイルスイッチである。
本実施形態では、各射出部5,6,7,8における、発光部によるレーザー光の発光が、パルス駆動により行われるよう構成されている。パルス駆動とは、レーザー光を連続的に発光させるのではなく間欠的に発光させる駆動方法である。より具体的に、本実施形態では、一定周期で所定のデューティー比にて発光させるように構成されている。パルス駆動の周期は適宜決めることができるが、本実施形態では、残像効果によって間欠的に発光していることが使用者に視覚的に認識されない範囲(例えば0.2ミリ秒以下)の周期に設定されている。
各射出部5,6,7,8の発光部のパルス駆動は、具体的には、レーザー制御部41が、各射出部5,6,7,8に対する各レーザー駆動信号を、上記パルス駆動周期で上記デューティー比にて出力することにより行われる。
さらに、本実施形態では、レーザー光の明るさを、例えば、低モード、通常モード、及び高モード、の3種類のモードの何れかに設定できるように構成されている。なお、この3種類の相対比較においては、高モードが最も明るく、低モードが最も暗く、通常モードは他の両者の間の明るさである。本実施形態では、異なる3種類の明るさを、パルス駆動におけるデューティー比を異ならせることにより実現している。
本実施形態では、明るさが低モードに設定されているときは最も低いデューティー比(例えば30%)でパルス駆動される。つまり、1周期のうち30%の期間だけ発光して70%の期間は発光しない。また、明るさが高モードに設定されているときは最も高いデューティー比(例えば80%)でパルス駆動される。また、明るさが通常モードに設定されているときは、他の2種類の明るさの各デューティー比の間の所定のデューティーでパルス駆動される。通常モードの際のデューティー比は、本実施形態では50%である。
なお、明るさの切り替えを上記のようにパルス駆動におけるデューティー比を切り替えることによって実現することはあくまでも一例であり、他の方法で明るさを切り替える構成であってもよい。また、レーザー光の発光をパルス駆動により行うことは必須ではなく、他の駆動方法によって発光させるようにしてもよい。
また、明るさを具体的にどの物理量によって規定するか、即ち明るさに関するどの物理量を変化させることによって複数種類の明るさを規定するかについては、適宜決めることができる。例えば、全光束(単位:lm)を変化させることによって明るさを切り替えるようにしてもよい。また例えば、照度(単位:lx)を変化させることによって明るさを切り替えるようにしてもよい。また例えば、光度(単位:cd)を変化させることによって明るさを切り替えるようにしてもよい。
また、明るさの種類が3種類であることはあくまでも一例であり、2種類であってもよいし4種類以上であってもよい。明るさの切り替えを、段階的切り替えではなく連続的に切り替え可能な構成であってもよい。
操作制御部45は、明るさ切替スイッチ44が押し操作される度に、点灯対象のレーザー光の明るさを、規定の明るさ切替順に従って切り替える。本実施形態の明るさ切替順は、例えば、低モード→通常モード→高モード→低モード→・・・の順である。なお、この明るさ切替順はあくまでも一例であり、3種類の明るさの設定をどのような順序で切り替えるようにするかについては適宜決めてもよい。そして、明るさ表示LED46を、その切り替え後の明るさに応じた態様で点灯させることで、その切り替え後の明るさを外部に報知すると共に、その切り替え後の明るさを示す明るさ設定情報をレーザー制御部41へ出力する。
レーザー制御部41は、操作制御部45から明るさ設定情報が入力されると、点灯対象のレーザー光の明るさを、その明るさ設定情報が示す明るさとなるように制御する。つまり、点灯対象の射出部を、明るさ設定情報が示す明るさに対応したデューティー比にてパルス駆動することにより点灯させる。なお、操作制御部45からは単に明るさ切替スイッチ44が押し操作されたことを示す情報が入力されて、レーザー制御部41がその情報に基づいて明るさの切り替えを行う構成であってもよい。
[1−8.リモートコントローラによる操作]
リモートコントローラ60(リモコン60)を用いたレーザー墨出し器10の遠隔操作について説明する。
リモコン60は、レーザー墨出し器10を無線により遠隔操作する機能として、レーザー墨出し器10を回転(詳しくは回転本体12を回転)させる遠隔回転機能と、レーザー墨出し器10の4つの射出部5,6,7,8を制御する遠隔レーザー制御機能と、を有する。
リモコン60は、遠隔回転機能を実行するための動作モードとして、リモコンモードと自動追尾モードとを備える。リモコン60は、リモコン/追尾切替スイッチ62が押し操作される度に、リモコンモードと自動追尾モードとを交互に切り替える。リモコン60は、動作モードを自動追尾モードに設定した場合には追尾表示LED71が点灯し、動作モードをリモコンモードに設定した場合は追尾表示LED71を消灯するように構成されている。
リモコンモードは、回転スイッチ64が操作された場合にその操作に従って回転本体12を回転させるための動作モードである。動作モードがリモコンモードに設定されているときに、例えば、左回転スイッチ64aまたは右回転スイッチ64bが押し操作されると、リモコン60は、操作内容を示すリモコン左回転指令を含む遠隔回転制御信号を送信部67からレーザー墨出し器10に対して送信する。その後、同じスイッチが再び押し操作されると、リモコン60は、回転停止指令を含む遠隔回転制御信号を送信部67からレーザー墨出し器10に対して送信することで、回転本体12の回転を停止させる。
レーザー墨出し器10において、リモコン右回転指令を含む遠隔回転制御信号が受信部21で受信された場合は、支持制御部22は、各モータ23,24の何れかを動作させることにより、回転本体12を右回転させる。なお、右回転とは,例えば、回転本体12をその上部から下方向に見た場合における時計回り方向の回転である。リモコン左回転指令を含む遠隔回転制御信号が受信部21で受信された場合は、支持制御部22は、各モータ23,24の何れかを動作させることにより、回転本体12を左回転させる。また、支持制御部22は、回転本体12を回転させているときに回転停止指令を含む遠隔回転制御信号が受信部21で受信された場合は、回転を停止させる。
自動追尾モードは、垂直レーザー光120がリモコン60のレーザー受光窓80の中心位置を照射した状態となるように回転本体12の回転を自動制御するための自動追尾機能を実現する動作モードである。動作モードが自動追尾モードに設定されているときに、左回転スイッチ64a及び右回転スイッチ64bの何れかが押し操作されると、リモコン60は、自動追尾機能を実行する。
リモコン60は、自動追尾機能を開始すると、まず、押し操作されたスイッチに対応した回転方向に回転本体12を高速回転させるための高速追尾指令を含む遠隔回転制御信号を送信部67からレーザー墨出し器10に対して送信する。
例えば右回転スイッチ64bが押し操作された場合は、回転本体12を右回転且つ高速回転させるための高速追尾指令である右方向高速追尾指令が送信される。また例えば、左回転スイッチ64aが押し操作された場合は、回転本体12を左回転且つ高速回転させるための高速追尾指令である左方向高速追尾指令が送信される。このとき、右方向高速追尾指令(あるいは、左方向高速追尾指令)に加えて、レーザー光の明るさを通常モードに切り替えさせるための明るさ通常モード指令も送信される。
レーザー墨出し器10において、高速追尾指令を含む遠隔回転制御信号が受信部21で受信されると、支持制御部22は、粗送用モータ23を動作させることにより回転本体12を高速回転させる。その際、支持制御部22は、受信した高速追尾指令が右方向高速追尾指令であった場合は回転本体12を右回転させ、受信した高速追尾指令が左方向高速追尾指令であった場合は回転本体12を左回転させる。また、高速追尾指令に加えて明るさ通常モード指令も受信した場合は、支持制御部22は、レーザー光の明るさを通常モードに切り替えるための明るさ切替指令を操作制御部45へ伝送する。これを受けて、操作制御部45は、レーザー光の明るさを通常モードに切り替える。
高速追尾指令によって回転本体12が高速回転されている間に、リモコン60のレーザー受光窓80でレーザー光が受光された場合は、リモコン60は、低速追尾指令を含む遠隔回転制御信号を、送信部67からレーザー墨出し器10に送信する。より具体的には、レーザー光の入射位置に応じて、回転本体12を右方向に低速回転させるための低速追尾指令である右方向低速追尾指令、又は、回転本体12を左方向に低速回転させるための低速追尾指令である左方向低速追尾指令を送信させる。なお、このように高速回転から低速回転に切り替える際には、明るさ通常モード指令は送信しない。
レーザー墨出し器10において、低速追尾指令を含む遠隔回転制御信号が受信部21で受信されると、支持制御部22は、微送用モータ24を動作させることにより回転本体12を低速回転させる。その際、受信された低速追尾指令が右方向低速追尾指令であった場合は右回転させ、受信された低速追尾指令が左方向低速追尾指令であった場合は左回転させる。
このように、レーザー墨出し器10は、リモコン60からの指令によって、回転本体12を指令に応じた方向に回転させつつ回転速度を高速から低速に切り替えることで、レーザー光をリモコン60のレーザー受光窓80の中心部へ徐々に近づけていくのである。レーザー光がレーザー受光窓80の中心部で受光される状態になると、リモコン60は、回転停止指令を送信して、レーザー墨出し器10の回転本体12の回転を停止させる。
図1は、垂直レーザー光120がレーザー受光窓80の中心部で受光される状態を示している。このような状態になると、自動追尾機能が完了する。
したがって、例えば図1に示すように、リモコン60を、レーザー受光窓80の中心部が床101に引かれた地墨線130上に合致するように床101に置いて、自動追尾機能を実行させると、結果として、図1に示すように、垂直レーザー光120が地墨線130上を照射した状態で回転本体12が停止される。
[1−9.効果]
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のレーザー墨出し器10は、回転本体内部電力経路49h、第1電圧経路49j、第2電圧経路49k、回転側内部電力経路48b、内部経路用給電部48、支持側内部電力経路48aを備える。
DCジャック26に外部電源プラグが挿入されておらず且つバッテリパック51が装着されている場合には、回転本体内部電力経路49h、第1電圧経路49j、第2電圧経路49kは、パック装着部50に装着されたバッテリパック51からレーザーユニット42などへ電力供給するための電力経路である。また、DCジャック26に外部電源プラグが挿入されておらず且つバッテリパック51が装着されている場合には、回転側内部電力経路48b、内部経路用給電部48、支持側内部電力経路48aは、パック装着部50に装着されたバッテリパック51から支持本体11(詳細には、支持制御部22、粗送用モータ23、微送用モータ24など)へ電力を供給するための電力経路である。
レーザー墨出し器10は、回転本体内部電力経路49h、第1電圧経路49j、第2電圧経路49kのみならず、回転側内部電力経路48b、内部経路用給電部48、支持側内部電力経路48aを備えることで、バッテリパック51から支持本体11(詳細には、支持制御部22、粗送用モータ23、微送用モータ24など)に対して電力を供給できる。
つまり、レーザー墨出し器10は、支持本体11が外部電力を受電できない環境下でも、バッテリパック51の電力によってリモートコントローラ60を用いた回転本体12の回転操作が可能となる。また、レーザー墨出し器10は、可搬電源(乾電池、バッテリパックなど)による支持本体11の高さ寸法の増大を抑制でき、レーザーユニット42の水平ラインが設置面101から離れること(換言すれば、レーザー射出可能範囲の縮小)を抑制できる。
よって、レーザー墨出し器10は、体積の増加を抑制しつつ、支持本体11が外部電力を受電できない環境下でもリモートコントローラ60を用いた回転部の回転操作が可能となる。
また、内部経路用給電部48は、支持側接続基板91のバッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91d、および回転側接続基板96のバッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96dを備える。
レーザー墨出し器10は、このような内部経路用給電部48を備えることで、回転本体12と支持本体11との相対位置が回転により変化した場合でも、バッテリ電力用接続部91cとバッテリ電力用導体部96cとの電気的接続、グランド用接続部91dとグランド用導体部96dとの電気的接続を維持できる。
よって、レーザー墨出し器10は、回転本体12と支持本体11との相対位置が回転により変化した場合でも、回転本体12から支持本体11への電力供給を継続できるため、支持本体11が外部電力を受電できない環境下でもリモートコントローラ60を用いた回転本体12の回転操作が可能となる。
次に、レーザー墨出し器10は、2つの外部電力用接続部91a、2つのバッテリ電力用接続部91c、2つのグランド用接続部91dを備える。
このように、2つの外部電力用接続部91aを備えることで、支持本体11と回転本体12との相対位置が変化した場合(例えば、回転本体12が僅かに傾いた場合)でも、少なくとも1つの外部電力用接続部91aが外部電力用導体部96aに接触すれば、外部電力用接続部91aと外部電力用導体部96aとの電気的接続を維持できる。同様に、バッテリ電力用接続部91cおよびグランド用接続部91dについても、2個ずつ備えられることで、支持本体11と回転本体12との相対位置が変化した場合でも、バッテリ電力用接続部91cとバッテリ電力用導体部96cとの電気的接続、およびグランド用接続部91dとグランド用導体部96dとの電気的接続を維持できる。
よって、レーザー墨出し器10は、回転本体12が支持本体11に対して傾いた場合であっても、回転本体12から支持本体11への電力供給を継続できるため、リモートコントローラ60を用いた回転本体12の回転操作が可能となる。
なお、2つの外部電力用接続部91aは、支持側接続基板91のうち中心軸L1を介して点対称となる2つの位置(換言すれば、周方向において180度異なる2つの位置)にそれぞれ配置されている。2つの外部電力用接続部91aの配置位置をこのように定めることで、支持本体11と回転本体12との相対位置が変化した場合でも、少なくとも1つの外部電力用接続部91aが外部電力用導体部96aに接触し易くなるため、一層、外部電力用接続部91aと外部電力用導体部96aとの電気的接続を維持できる。
2つのバッテリ電力用接続部91c、2つのグランド用接続部91dも同様に、支持側接続基板91のうち中心軸L1を介して点対称となる2つの位置にそれぞれ配置されている。これにより、支持本体11と回転本体12との相対位置が変化した場合でも、一層、バッテリ電力用接続部91cとバッテリ電力用導体部96cとの電気的接続、およびグランド用接続部91dとグランド用導体部96dとの電気的接続を維持できる。
次に、外部電力用接続部91a、信号用接続部91b、バッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91dは、それぞれブラシ型接続部90を用いて構成されている。ブラシ型接続部90は、固定部90aと、延設部90bと、を備える。
2つのグランド用接続部91dは、それぞれ、延設部90bの延設方向(接続端部90b3から折り曲げ部90b1に向かう延設方向)が、グランド用環状領域91d1の周方向における同一方向(図3では、反時計回り方向)となるように配置されている。2つのバッテリ電力用接続部91cは、それぞれ、延設部90bの延設方向が、バッテリ電力用環状領域91c1の周方向における同一方向(図3では、時計回り方向)となるように配置されている。つまり、2つのグランド用接続部91dの延設方向と、2つのバッテリ電力用接続部91cの延設方向とは、中心軸L1を中心とする周方向において互いに反対方向である。このように延設方向が設定された構成は、延設方向が同一方向の構成に比べて、回転本体12の回転時に、グランド用接続部91dとグランド用導体部96dとの間、およびバッテリ電力用接続部91cとバッテリ電力用導体部96cとの間に生じる合計の摩擦力が、回転方向の違いによって異なる大きさになることを抑制できる。
また、7個のブラシ型接続部90の全体としては、4個(2つの外部電力用接続部91a、2つのグランド用接続部91d)の延設方向は反時計回り方向(図3)であり、3個(1つの信号用接続部91b、2つのバッテリ電力用接続部91c)の延設方向は時計回り方向(図3)である。このように延設方向が設定された構成は、全ての延設方向が同一の構成に比べて、接続部91a,91b,91c,91dと導体部96a,96b,96c,96dとの間に生じる摩擦力に関して、回転本体12の回転方向の違いによって生じる摩擦力の差を小さくすることができる。
これらのことから、レーザー墨出し器10は、回転本体12の回転方向(時計回り方向、反時計回り方向)が異なることによって、粗送用モータ23および微送用モータ24にかかる負荷が変動することを抑制できる。
よって、レーザー墨出し器10は、回転本体12の回転方向によって、回転本体12の回転速度(移動速度)にバラツキが生じるのを抑制できる。
[1−10.文言の対応関係]
ここで、本実施形態における文言の対応関係について説明する。
レーザー墨出し器10がレーザー墨出し器の一例に相当し、支持本体11が支持部の一例に相当し、回転本体12が回転部の一例に相当する。
粗送用モータ23および微送用モータ24が回転駆動部の一例に相当し、支持制御部22および受信部21が制御部の一例に相当し、レーザー制御部41およびレーザーユニット42が射出部の一例に相当し、パック装着部50がパック装着部の一例に相当し、バッテリパック51がバッテリパックの一例に相当する。
回転本体内部電力経路49h、第1電圧経路49j、第2電圧経路49kが第1電力経路の一例に相当し、回転側内部電力経路48b、内部経路用給電部48、支持側内部電力経路48aが第2電力経路の一例に相当する。バッテリ電力用導体部96cおよびグランド用導体部96dが複数の回転側導体部の一例に相当し、バッテリ電力用接続部91cおよびグランド用接続部91dが複数の支持側導体部の一例に相当する。
グランド用導体部96dが第1環状部の一例に相当し、バッテリ電力用導体部96cが第2環状部の一例に相当する。グランド用接続部91dが第1接続部の一例に相当し、バッテリ電力用接続部91cが第2接続部の一例に相当し、グランド用環状領域91d1が第1環状領域の一例に相当し、バッテリ電力用環状領域91c1が第2環状領域の一例に相当する。固定部90aが固定部の一例に相当し、延設部90bが延設部の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
第2実施形態として、DCジャック26で受電した外部電力が、第2回転本体112を経由することなく第2支持本体111に供給される構成の第2レーザー墨出し器110について説明する。
なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
[2−1.全体構成]
図7および図8に示すように、第2実施形態の第2レーザー墨出し器110は、第2支持本体111および第2回転本体112を備える。
第2回転本体112は、第2支持本体111に対して中心軸L1を中心として回転可能に構成されている。第2回転本体112は、中心軸L1を中心として軸線方向に延びる略円柱形状に形成されている。第2回転本体112は、操作パネル13、レーザー制御部41、レーザーユニット42(第1射出部5、第2射出部6、第3射出部7、第4射出部8)、ライン切替スイッチ43、明るさ切替スイッチ44、操作制御部45、明るさ表示LED46、電池残量LED47、パック装着部50、第1電源スイッチ52、電源切替部53、電圧変換部54、電圧検出部55を備える。
第2支持本体111は、回転駆動機構20、受信部21、支持制御部22、粗送用モータ23、微送用モータ24、DCジャック26、挿入検出部27、電源切替部28、第2電源スイッチ29、バイパス回路30、電圧変換部31、電圧検出部32を備える。
DCジャック26で受電した外部電力は、第2回転本体112を経由することなく、第2支持本体111内における各部の動作用の電力として用いることができる。第2支持本体111内の各部は、DCジャック26で受電した外部電力のみならず、第2回転本体112から供給されるバッテリ電力によっても動作可能に構成されている。
また、DCジャック26で受電した外部電力は、第2回転本体112にも供給される。第2支持本体111から第2回転本体112への外部電力の供給は、第2支持本体111に設けられた支持側接続基板91および第2回転本体112に設けられた回転側接続基板96を介して行われる。
[2−2.支持本体から回転本体への電力供給]
第2回転本体112は、第1電源スイッチ52を備える。第2回転本体112において、外部電力用導体部96aおよびグランド用導体部96dは、外部正極経路50aおよびグランド経路50cを介して、第1電源スイッチ52に接続されている。そのため、第2支持本体111から第2回転本体112へ供給された外部電力は、第1電源スイッチ52へ供給される。
第1電源スイッチ52は、レーザーユニット42を動作又は停止させるために使用者により操作されるスイッチであり、使用者によりオン操作されるとオンされてそのオン状態が維持され、使用者によりオフ操作されるとオフされてそのオフ状態が維持される。
第2支持本体111から第1電源スイッチ52に外部電力が供給されているときに第1電源スイッチ52がオンされると、その外部電力が、レーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45へ供給される。
また、パック装着部50に装着されたバッテリパック51のバッテリ電力は、第1バッテリ正極経路50b1およびグランド経路50cを介して、第1電源スイッチ52へ供給される。そのため、第1電源スイッチ52がオンされた場合、第2支持本体111から外部電力が供給されていなくても、バッテリパック51からバッテリ電力が供給されている場合は、そのバッテリ電力が、レーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45へ供給される。
なお、バッテリ電力および外部電力の双方が第1電源スイッチ52に供給されている場合は、外部電力が優先され、外部電力がレーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45へ供給される。外部電力がなくバッテリ電力のみ第1電源スイッチ52に入力されている場合は、バッテリ電力がレーザー制御部41、レーザーユニット42、及び操作制御部45へ供給される。
[2−3.回転本体から支持本体への電力供給]
図7に示すように、第2回転本体112において、バッテリ電力用導体部96cは第2バッテリ正極経路50b2を介してバッテリパック51の正極端子に接続されており、グランド用導体部96dはグランド経路50cを介して第1電源スイッチ52およびバッテリパック51の負極端子に接続されている。このような構成により、パック装着部50にバッテリパック51が装着された場合、バッテリパック51のバッテリ電力は、バッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96d、およびバッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91dを介して、第2支持本体111へ供給される。第2支持本体111において、バッテリ電力用接続部91cはバッテリ正極経路26cを介して、グランド用接続部91dはグランド経路26dを介して、電源切替部28に接続されている。そのため、第2回転本体112から第2支持本体111へ供給されたバッテリ電力は、電源切替部28へ供給される。
電源切替部28は、DCジャック26が外部電力を受電しているか否かを判断し、判断結果に基づいて、第2支持本体111の各部(支持制御部22、粗送用モータ23、微送用モータ24など)に供給する電力を、外部電力およびバッテリ電力のうちいずれか一方に切り替えるように構成されている。電源切替部28は、DCジャック26が外部電力を受電している場合には、外部電力を第2支持本体111の各部に供給し、DCジャック26が外部電力を受電していない場合には、バッテリ電力を第2支持本体111の各部に供給する。
このため、第2レーザー墨出し器110は、DCジャック26が外部電力を受電していない場合であっても、バッテリ電力を用いることで第2支持本体111の各部が動作可能となる。
[2−4.回転本体のレーザー光射出部]
操作制御部45は、点灯制御処理において、明るさ表示LED46の点灯状態に加えて、電池残量LED47の点灯状態についても制御する。
[2−5.レーザー墨出し器の電気的構成]
第2レーザー墨出し器110の電気的構成について、図8を用いてより詳しく説明する。
[2−5−1.上下間の給電用の構成]
図8に示すように、第2レーザー墨出し器110は、第2支持本体111と第2回転本体112とを電気的に接続するための、外部電源用給電部56、信号用給電部57、バッテリ電源用給電部58を備える。これら各給電部56,57,58は、それぞれ、図7及び図3に示した支持側接続基板91の一部及び回転側接続基板96の一部を少なくとも含む。
外部電源用給電部56は、第2支持本体111での接続構成に関しては、第1実施形態と同様の構成であり、第2回転本体112での接続構成に関しては、回転側外部電力経路56bを介して第1電源スイッチ52に接続される。
信号用給電部57は、第2支持本体111での接続構成および第2回転本体112での接続構成に関して、第1実施形態における支持本体11での接続構成および回転本体12での接続構成と同様の構成である。
バッテリ電源用給電部58は、支持側接続基板91のバッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91d、および回転側接続基板96のバッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96dを含む。第2回転本体112のパック装着部50にバッテリパック51が装着された場合、バッテリパック51のバッテリ電力は、第2回転本体112の回転位置にかかわらず、バッテリ電源用給電部58を介して第2支持本体111へ供給される。
バッテリ電源用給電部58は、支持側バッテリ電力経路58aを介してDCジャック26に接続されるとともに、回転側バッテリ電力経路58bを介してバッテリパック51(詳細には、パック装着部50を介したバッテリパック51)に接続される。支持側バッテリ電力経路58aは、図7におけるバッテリ正極経路26cおよびグランド経路26dを備えて構成される。回転側バッテリ電力経路58bは、図7における第2バッテリ正極経路50b2およびグランド経路50cを備えて構成される。
なお、第2回転本体112は、バッテリパック51から第2回転本体112の各部に電力を供給する回転本体用バッテリ電力経路52aを備える。第1電源スイッチ52は、回転本体用バッテリ電力経路52aを介してバッテリパック51(詳細には、パック装着部50を介したバッテリパック51)に接続される。回転本体用バッテリ電力経路52aは、図7における第1バッテリ正極経路50b1およびグランド経路50cを備えて構成される。
[2−5−2.支持本体の電気的構成]
図8に示すように、第2支持本体111は、DCジャック26の近傍に挿入検出部27を備えている。挿入検出部27は、DCジャック26に外部電源プラグが挿入された場合にこれを検出する。DCジャック26で受電した外部電力、およびバッテリパック51のバッテリ電力は、いずれも、電源切替部28に供給される。
電源切替部28は、DCジャック26への外部電源プラグの挿入が挿入検出部27により検出されると、外部電力を第2電源スイッチ29へ出力する。電源切替部28は、DCジャック26に外部電源プラグが挿入されておらず且つバッテリパック51が装着されている場合は、バッテリ電力を第2電源スイッチ29へ出力する。なお、外部電力及びバッテリ電力のうち電源切替部28を介して実際に第2電源スイッチ29に入力される電力を、以下、入力電力とも言う。
第2電源スイッチ29は、本実施形態ではタクタイルスイッチ、即ち、使用者により押し操作されている間だけオンされる自動復帰型のスイッチである。なお、第2電源スイッチ29がタクタイルスイッチであることはあくまでも一例であり、他の種類のスイッチであってもよい。
第2電源スイッチ29の入力側と出力側との間には、バイパス回路30が接続されている。バイパス回路30は、第2電源スイッチ29の入力側と出力側とを短絡させるための回路であり、支持制御部22によって制御される。支持制御部22が動作していない間は、バイパス回路30による上記短絡は行われず、バイパス回路30の内部においては第2電源スイッチ29の入力側と出力側とが遮断されている。
第2電源スイッチ29が押し操作されると、第2電源スイッチ29に入力されている入力電力が電圧変換部31及び電圧検出部32へ出力される。電圧変換部31は、入力電力の電圧を所定電圧値に変圧して、受信部21、支持制御部22、粗送用モータ23、及び微送用モータ24へ供給する。受信部21、支持制御部22、粗送用モータ23、及び微送用モータ24は、電圧変換部31から供給される電力により動作する。
支持制御部22は、電圧変換部31からの電力供給により動作を開始すると、バイパス回路30を作動させて、第2電源スイッチ29の入力側と出力側を短絡させる。これにより、第2電源スイッチ29の押し操作が解除されても、電源切替部28から電圧変換部31への入力電力の供給経路は、バイパス回路30によって維持される。
そして、支持制御部22は、基本的に、自身の動作中はバイパス回路30による上記短絡状態を維持させる。支持制御部22は、動作中、第2電源スイッチ29の状態を検出可能に構成されている。そのため、第2電源スイッチ29が再び押し操作されてそれが支持制御部22で検出されると、支持制御部22は、所定のシャットダウン処理を行って、バイパス回路30による上記短絡状態を解除させる。これにより、支持制御部22への電力供給が停止され、支持制御部22は動作を停止する。
また、支持制御部22は、動作中、電圧検出部32により検出される入力電力の電圧を監視する。そして、その電圧の値に応じた所定の処理を行う。例えば、電圧値が所定の第1閾値以下となった場合には不図示のLEDを点灯させる。また例えば、電圧値が第1閾値よりも低い所定の第2閾値以下となった場合は、前述のシャットダウン処理を行う。
受信部21の機能、及び受信部21で受信されたリモコン信号に基づく支持制御部22の機能については、既に説明した通りである。
[2−5−3.回転本体の電気的構成]
図8に示すように、第2回転本体112は、パック装着部50および第1電源スイッチ52を備える他、電源切替部53、電圧変換部54、電圧検出部55を備える。第1電源スイッチ52には、前述の通り、外部電力及びバッテリ電力の双方が入力される。そして、第1電源スイッチ52がオンされると、入力されている何れか一方又は双方の電力が、電源切替部53へ入力される。外部電力及びバッテリ電力の双方が第1電源スイッチ52に入力されているときに第1電源スイッチ52がオンされた場合は、双方ともに電源切替部53に入力される。
電源切替部53は、外部電力及びバッテリ電力の何れか一方のみ入力されている場合は、その入力されている電力を電圧変換部54及び電圧検出部55へ出力する。一方、外部電力及びバッテリ電力の双方が入力されている場合は、外部電力を優先し、外部電力を電圧変換部54及び電圧検出部55へ出力する。なお、電源切替部53から電圧変換部54及び電圧検出部55へ出力される電力を、以下、動作用電力ともいう。
電圧変換部54は、入力された動作用電力の電圧を、所定の第1電圧値(例えば3.3V)、及び第1電圧値よりも高い所定の第2電圧値(例えば7.6V)に変圧する。そして、第1電圧値の電圧を、レーザー制御部41、ライン切替スイッチ43、明るさ切替スイッチ44、操作制御部45、明るさ表示LED46、及び電池残量LED47へ供給することにより、これら供給対象の各部を動作可能な状態にさせる。また、第2電圧値の電圧を、レーザーユニット42の駆動用の電圧として、レーザーユニット42へ供給する。
また、操作制御部45は、電圧検出部55により検出される動作用電力の電圧(例えばバッテリパック51の電圧)に基づいて、バッテリパック51のバッテリ電力の残量を検出する。そして、電池残量LED47を、その検出した残量に応じた態様にて点灯させることで、バッテリパック51のバッテリ電力の残量を外部に報知する。
[2−6.効果]
以上説明した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本第2実施形態の第2レーザー墨出し器110は、回転本体用バッテリ電力経路52a、回転側バッテリ電力経路58b、バッテリ電源用給電部58、支持側バッテリ電力経路58aを備える。
回転本体用バッテリ電力経路52aは、パック装着部50に装着されたバッテリパック51からレーザーユニット42などへ電力供給するための電力経路である。回転側バッテリ電力経路58b、バッテリ電源用給電部58、支持側バッテリ電力経路58aは、パック装着部50に装着されたバッテリパック51から第2支持本体111(詳細には、支持制御部22、粗送用モータ23、微送用モータ24など)へ電力を供給するための電力経路である。
第2レーザー墨出し器110は、回転本体用バッテリ電力経路52aのみならず、回転側バッテリ電力経路58b、バッテリ電源用給電部58、支持側バッテリ電力経路58aを備えることで、バッテリパック51から第2支持本体111(詳細には、支持制御部22、粗送用モータ23、微送用モータ24など)に対して電力を供給できる。
つまり、第2レーザー墨出し器110は、第2支持本体111が外部電力を受電できない環境下でも、バッテリパック51の電力によってリモートコントローラ60を用いた第2回転本体112の回転操作が可能となる。また、第2レーザー墨出し器110は、可搬電源(乾電池、バッテリパックなど)による第2支持本体111の高さ寸法の増大を抑制でき、レーザーユニット42の水平ラインが設置面101から離れること(換言すれば、レーザー射出可能範囲の縮小)を抑制できる。
よって、第2レーザー墨出し器110は、体積の増加を抑制しつつ、第2支持本体111が外部電力を受電できない環境下でもリモートコントローラ60を用いた回転部の回転操作が可能となる。
また、バッテリ電源用給電部58は、支持側接続基板91のバッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91d、および回転側接続基板96のバッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96dを備える。
第2レーザー墨出し器110は、このようなバッテリ電源用給電部58を備えることで、第2回転本体112と第2支持本体111との相対位置が回転により変化した場合でも、バッテリ電力用接続部91cとバッテリ電力用導体部96cとの電気的接続、グランド用接続部91dとグランド用導体部96dとの電気的接続を維持できる。
よって、第2レーザー墨出し器110は、第2回転本体112と第2支持本体111との相対位置が回転により変化した場合でも、第2回転本体112から第2支持本体111への電力供給を継続できるため、第2支持本体111が外部電力を受電できない環境下でもリモートコントローラ60を用いた第2回転本体112の回転操作が可能となる。
なお、本第2実施形態の第2レーザー墨出し器110は、第1実施形態のレーザー墨出し器10と同様の構成を備える部分については、第1実施形態と同様の効果を奏する。
[2−7.文言の対応関係]
ここで、本第2実施形態における文言の対応関係について説明する。
第2レーザー墨出し器110がレーザー墨出し器の一例に相当し、第2支持本体111が支持部の一例に相当し、第2回転本体112が回転部の一例に相当する。
回転本体用バッテリ電力経路52aが第1電力経路の一例に相当し、回転側バッテリ電力経路58b、バッテリ電源用給電部58、支持側バッテリ電力経路58aが第2電力経路の一例に相当する。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(1)支持側接続基板91の構成は、上記実施形態の構成に限定されない。支持側接続基板91における複数のブラシ型接続部90(外部電力用接続部91a、信号用接続部91b、バッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91d)の配置形態に関して、それぞれのブラシ型接続部90の配置形態(換言すれば、延設部90bの延設方向)は上記形態に限られることはない。他の形態としては、例えば、図9に示すように、2つの外部電力用接続部91aは、互いに、延設部90bの延設方向が、外部電力用環状領域91a1の周方向における反対方向(時計回り方向、反時計回り方向)となるように配置されてもよい。2つのバッテリ電力用接続部91cおよび2つのグランド用接続部91dについても、同様に、延設部90bの延設方向が、環状領域91c1、91d1の周方向における反対方向(時計回り方向、反時計回り方向)となるように配置されてもよい。
このように、同一の環状領域に配置される2つのブラシ型接続部90に関して、延設部90bの延設方向が互いに反対方向となる構成は、延設方向が互いに同一方向となる構成に比べて、回転本体12の回転時に、2個のブラシ型接続部90と導体部96a,96c,96dとの間に生じる合計の摩擦力が、回転方向の違いによって異なる大きさになることを抑制できる。これにより、回転本体12の回転方向(時計回り方向、反時計回り方向)が異なることによって、粗送用モータ23および微送用モータ24にかかる負荷が変動することを抑制できる。よって、このような構成の支持側接続基板91を備えるレーザー墨出し器10(第2レーザー墨出し器110)は、回転本体12の回転方向によって、回転本体12の回転速度(移動速度)にバラツキが生じるのを抑制できる。
(2)上記実施形態では、外部電力用接続部91a、バッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91dがそれぞれ2個ずつ備えられ、信号用接続部91bが1個備えられる構成について説明したが、本開示のレーザー墨出し器は、このような構成に限られることはない。例えば、信号用接続部91bを2個備える構成でも良いし、各接続部をそれぞれ3個以上備える構成であっても良いし、各接続部をそれぞれ1個ずつ備える構成であっても良い。外部電力用接続部91a、信号用接続部91b、バッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91dをそれぞれいくつ設けるかについては適宜決めてもよい。また、外部電力用接続部91a、信号用接続部91b、バッテリ電力用接続部91c、グランド用接続部91dのそれぞれの個数は同数でなくてもよい。
(3)外部電力用導体部96a、信号用導体部96b、バッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96dの位置関係は、上記実施形態とは異なっていてもよい。例えば、外部電力用導体部96aが最内部に配置され、信号用導体部96b、バッテリ電力用導体部96c、グランド用導体部96dの順に外側にかけて配置される構成であっても良い。あるいは、回転側接続基板96に設けられる導体部は、4個に限られることはなく、3個でも良いし、5個以上であってもよい。
(4)バッテリパックは、充電および放電が可能な二次電池を備える構成でもよいし、一次電池を備える構成であっても良い。
(5)上記実施形態では、支持本体11と回転本体12を電気的に接続するための具体的構成として、支持側接続基板91および回転側接続基板96を示したが、これはあくまでも一例である。支持本体11と回転本体12で電力伝送用の導体が直接接触するような構成であって、且つ回転本体12が回転して両者の接触位置が相対的に変位しても両者の接触状態が維持されるような、他の構成を採用してもよい。例えば、液体金属(例えば水銀)を介して給電を行う構造のいわゆるロータリーコネクタを採用してもよい。
(6)上記実施形態では、リモコン60からレーザー墨出し器10(第2レーザー墨出し器110)へのリモコン信号の送信を、赤外線を用いて行う構成であったが、赤外線以外の他の無線伝送媒体を用いてリモコン信号を送信するようにしてもよい。例えば、電波を用いた無線通信によってリモコン信号を送信するようにしてもよい。電波を用いた無線通信の具体的通信方式としては、例えば、無線LAN、NFC、Bluetoothなどが考えられる。もちろん、これら以外の他の通信方式であってもよい。なお、NFCは、NearFieldCommunicationの略称である。また、Bluetoothは登録商標である。
(7)リモコン60から遠隔制御可能な機能は、遠隔回転機能および遠隔レーザー制御機能に限られることはない。レーザー墨出し器10(第2レーザー墨出し器110)における他の制御をリモコン60から行えるようにしてもよい。また、リモコン60とレーザー墨出し器10(第2レーザー墨出し器110)とが双方向通信可能な構成であってもよい。 例えば、回転本体12の各種情報を支持本体11へ伝送し、その情報を支持本体11から無線にてリモコン60へ送信可能であってもよい。もちろん、支持本体11内の各種情報についても無線にて支持本体11からリモコン60へ送信可能であってもよい。
(8)回転本体12が保持プレート18に対して回転自在に載置されていることは必須ではない。回転本体12が保持プレート18に固定され、回転本体12の回転は常に保持プレート18と一体的に行われるように構成してもよい。
(9)レーザー光を射出する射出部の数は、上記実施形態に示した4つに限定されない。射出部の数や設置位置などについては、適宜決めることができる。
(10)上記実施形態では、支持本体11から回転本体12へ伝送された信号が、回転本体12において操作制御部45に入力される構成であったが、レーザー制御部41へ入力される構成であってもよい。その場合、レーザー制御部41は、支持本体11から受信した信号に基づく情報(例えば明るさの切り替え情報や点灯モードの切り替え情報など)を操作制御部45へ出力することにより、操作制御部45に対して必要な処理(例えば明るさの設定の切り替えや点灯モードの設定の切り替え)を実行させるようにしてもよい。
また、回転本体12において、レーザー制御部41と操作制御部45は、一体化されていてもよい。つまり、これら両者の機能を兼ね備えた1つの制御部を有する構成であってもよい。
(11)その他、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。