JP6977695B2 - 鋼管の接合継手 - Google Patents
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Description
これを防ぐため、特許文献2には、継手のねじ部を外れにくくするインロー構造を設けた鋼管の接合継手が開示されている。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、生産コストが大きく上昇することなく、引張荷重や曲げ荷重を受けた際にねじ部が外れにくく、継手の板厚とねじ山の伝達可能な耐力から決定される想定耐力を有する鋼管の接合継手を得ることを目的としている。
平行ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体と、平行ねじで雌ねじを有する雌側筒体とを有し、前記雄ねじと前記雌ねじにおけるねじ山のロード面同士が接触したときの摩擦係数が、前記雄ねじと前記雌ねじにおけるねじ山のスタビング面同士が接触したときの摩擦係数よりも大きくなっていることを特徴とするものである。
平行ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体からなり、
前記雄ねじのねじ山の側面のうち、基端側の側面が摩擦抵抗を大きくするための高摩擦力加工を施した高摩擦面となっていることを特徴とするものである。
平行ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体からなり、
前記雌ねじのねじ山の側面のうち、基端側の側面が摩擦抵抗を大きくするための高摩擦力加工を施した高摩擦面となっていることを特徴とするものである。
以下、構成を詳細に説明する。
雄側筒体5は、筒体からなり、その外周面には平行ねじからなる雄ねじが形成されている。平行ねじとすることで、雄ねじのねじ山9(以下、「雄ねじ山9」という)のロード面9aの接触を適切に行うことができる。雄側筒体5の基端側には、鋼管3が溶接接合されている。
雄ねじ山9のロード面9aとは、雄ねじ山9における両側面(フランク)のうち、雄側筒体5の基端側(鋼管3が接合される側)にある面であって、接合継手1が引張荷重を受けたときに雌ねじ山11のロード面11aと接触する面のことである。
また、雄ねじ山9のスタビング面9bとは、雄ねじ山9における両側面(フランク)のうち、雄側筒体5の先端側にある面であって、雄側筒体5を雌側筒体7に預けて回転篏合する際に、雌ねじ山11のスタビング面11bと接触する面のことである。
雌側筒体7は、筒体からなり、その内周面には平行ねじからなる雌ねじが形成されている。そして、雌側筒体7の基端側には、雄側筒体5と同様に鋼管3が溶接接合されている。
すなわち、雌ねじ山11のロード面11aとは、雌ねじ山11における両側面(フランク)のうち、雌側筒体7の基端側(鋼管3が接合される側)にある面であって、接合継手1が引張荷重を受けたときに雄ねじ山9のロード面9aと接触する面であり、雌ねじ山11のスタビング面11bとは、雌ねじ山11における両側面(フランク)のうち、雌側筒体7の先端側にある面であって、接合継手1を回転篏合する際に雄ねじ山9のスタビング面9bと接触する面のことである。
上述したように、雄ねじにおけるねじ山9のロード面9aと雌ねじにおけるねじ山11のロード面11a同士が接触したときの摩擦係数が、雄ねじにおけるねじ山9のスタビング面9bと雌ねじにおけるねじ山11のスタビング面11b同士が接触したときの摩擦係数よりも大きくなっている。
ロード面9a、11aが接触したときの摩擦係数を大きくするために、ロード面9a及び11aには、摩擦係数を大きくするための処理が施されている。図1〜図5において、ロード面9a、11aには薄いグレーの色を付しており、これは当該処理が施されていることを示している。
これに対して、ロード面9a、11aに摩擦抵抗を大きくするような処理を施すことにより、摩擦抵抗を大きくする高摩擦化を達成することができる。この場合、好ましい摩擦係数としては、0.3以上である。
例えば、図1に示すように、雌側筒体7を下側に配置し、雄側筒体5を上側に配置して回転篏合する場合、図3に示すように、雄側筒体5を雌側筒体7に挿入して雄側筒体5を雌側筒体7に預けるようにして、雄側筒体5を回転する。
このとき、雄ねじ山9と雌ねじ山11の間には所定のクリアランスが設けられているが、雄側筒体5を雌側筒体7に預けた状態になることで、雄ねじ山9のスタビング面9bと雌ねじ山11のスタビング面11bが接した状態になる(図3参照)。スタビング面9b、11bには高摩擦化の処理は施されておらず、摩擦抵抗は大きくなっていないので、スムーズに篏合することができる。
この時の作用について、図5に基づいて説明する。
図5には、篏合前の状態における雄側筒体5の斜視図と篏合前の状態における雌側筒体7を半割した状態の斜視図を示した図(図5(a))と、雄側筒体5と雌側筒体7が篏合した状態において図5(a)の四角の破線で囲んだ部位に相当する部位の断面図(図5(b))と、図5(b)の破線の楕円で囲んだ部位の拡大図(図5(c))が示されている。
また、特許文献2に開示されているようなインロー構造に比べ、切削加工を必要とせず、大きなコストアップとなることがない。さらに、回転篏合する際に接触する面(スタビング面9b、11b)には高摩擦加工を施されておらず、ロード面9a、11aに比較して摩擦抵抗が小さいので、回転篏合のための回転抵抗には何らの悪影響がなく、施工性も確保されている。
また、上記の実施の形態の説明では、図1〜図4に示すように、雌側筒体7を下に雄側筒体5を上に配置して回転篏合する例であったが、回転篏合に際して雌側筒体7を上に雄側筒体5を下に配置してもよい。
なお、本発明が対象とするねじ継手のねじ山高さは製造性や高摩擦加工の実施性の観点から下限値を2mmとするのが好ましい。
図6は解析モデルを示しており、この解析モデルでは引張荷重作用時に雄ねじと雌ねじの接触部となるロード面9a、11aのみに摩擦要素を設けている。
解析では、ロード面9a、11aの摩擦係数が、0.2、0.3、1.0の3つのケースについて、外径(D)、ねじ山数(n)、ねじ山高さ(h)、継手の厚さ(雄側筒体5(tjp)、雌側筒体7(tjb))、ねじのクリアランス(δ)を適宜変更して、引張荷重を作用させたときの摩擦係数0.2時の最大引張荷重に対する比を求めた。
解析における試験条件と結果を表1に示す。
ロード面9a、11aの摩擦係数が0.2ではねじ部の外れにより終局をむかえ、荷重低下を確認できないケース(ケース8、12参照)も存在する。一方で0.3を超えることでねじ部の引張耐力が上昇し、鋼材の材料破断までねじ部のかみ合いが保たれ、荷重低下を確認できた。また、摩擦係数が1.0のものと0.3のものを比較すると、摩擦係数を大きくすることで、継手の引張耐力がさらに上昇することも確認された。
3 鋼管
5 雄側筒体
7 雌側筒体
9 ねじ山(雄ねじ山)
9a ロード面
9b スタビング面
11 ねじ山(雌ねじ山)
11a ロード面
11b スタビング面
Claims (5)
- 地中に打設する構造体を構成する鋼管の端部に取り付けられて前記鋼管同士を接合する鋼管の接合継手であって、
平行ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体と、平行ねじで雌ねじを有する雌側筒体とを有し、
前記雄ねじと前記雌ねじにおけるねじ山のロード面同士が接触したときの摩擦係数が、前記雄ねじと前記雌ねじにおけるねじ山のスタビング面同士が接触したときの摩擦係数よりも大きくなっていることを特徴とする鋼管の接合継手。 - 前記ロード面同士の摩擦係数が、0.3以上であることを特徴とする請求項1に記載の鋼管の接合継手。
- 前記雄ねじ及び/又は前記雌ねじにおけるねじ山のロード面は、凹凸面、錆発生面、塗料被膜を有する面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管の接合継手。
- 地中に打設する構造体を構成する鋼管の端部に取り付けられて前記鋼管同士を接合するための雄継手であって、
平行ねじからなる雄ねじを有する雄側筒体からなり、
前記雄ねじのねじ山の側面のうち、基端側の側面が摩擦抵抗を大きくするための高摩擦力加工を施した高摩擦面となっていることを特徴とする鋼管の雄継手。 - 地中に打設する構造体を構成する鋼管の端部に取り付けられて前記鋼管同士を接合するための雌継手であって、
平行ねじからなる雌ねじを有する雌側筒体からなり、
前記雌ねじのねじ山の側面のうち、基端側の側面が摩擦抵抗を大きくするための高摩擦力加工を施した高摩擦面となっていることを特徴とする鋼管の雌継手。
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