以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態の情報処理システム1の一例を示す図である。
情報処理システム1は、情報処理装置10と、依頼者端末12と、作業ユニット20と、を備える。情報処理装置10と、依頼者端末12と、作業ユニット20と、は、ネットワーク22を介して通信可能に接続されている。
情報処理装置10は、作業を実行する作業ユニット20を選択する装置である。
作業とは、作業対象の作業対象データに対して、所定の作業内容の処理を実行することを意味する。作業対象データは、例えば、音声データ、テキストデータ、所定の言語のテキストデータ、などである。作業内容は、例えば、音声データのテキストデータへの変換、第1言語の第1言語データを第2言語の第2言語データに翻訳、などである。なお、作業内容および作業対象データは、上記に限定されない。
依頼者端末12は、作業を依頼する装置である。依頼者端末12は、パーソナルコンピュータである。依頼者端末12は、作業データを情報処理装置10へ送信する。作業データは、作業対象の作業対象データと、作業内容データと、制約条件情報34Cと、を含む。なお、作業対象データおよび作業内容データは、以下では、単に、作業対象および作業内容と称して説明する場合がある。制約条件情報34Cについては後述する。
作業データには、複数の作業対象が含まれるものとする。例えば、作業データは、複数の作業対象として、複数の音声データを含む。なお、本実施の形態では、作業データには、作業データに含まれる複数の作業対象に対する、1種類の作業内容を示す作業内容データが含まれるものとする。しかし、作業データには、複数種類の作業内容が含まれていてもよい。
情報処理装置10は、依頼者端末12から受信した作業データに含まれる、複数の作業対象データをそれぞれ作業する、作業ユニット20を選択する。
作業ユニット20は、作業装置14と、作業者端末16と、を含む。
作業装置14は、作業を実行する装置である。本実施の形態では、情報処理システム1は、複数の作業装置14(例えば、作業装置14A、14B、14C)を有する。作業装置14は、情報処理装置10から配信された作業内容の作業を実行する。
例えば、作業装置14は、音声データをテキストデータへ自動変換する変換作業を実行する音声認識作業の実行可能な装置(以下、音声認識装置と称す)や、第1言語の第1言語データを第2言語の第2言語データに自動翻訳する翻訳作業の実行可能な装置(以下、翻訳装置と称す)、などである。なお、作業装置14の実行可能な作業の種類はこれらに限定されず、情報処理システム1で対応する作業内容に応じて予め用意することで複数の作業の実行を可能とする。1つの作業装置14に複数の作業を実行するためのソフトウェアを備えることで実現可能である。また作業装置14で実行可能な作業を限定し、作業端末14の台数増やして実現しても良い。作業の種類は、例えば、音声データと予め与えられたテキストとの比較や、データの修正、などであってもよい。
なお、作業装置14が、音声認識装置である場合、作業装置14には、特定の話題に対して正しく音声認識可能となるように、予め調整された辞書を備えた構成とすればよい。
作業者端末16は、作業を行う作業者18の操作する端末である。本実施の形態では、情報処理システム1は、複数の作業者端末16(作業者端末16A、16B、16C)を有する。これらの作業者端末16は、各々、作業者18(作業者18a、18b、18c)によって操作される。作業者端末16は、例えば、パーソナルコンピュータである。
作業者18は、情報処理装置10で該作業者18が実行するものとして選択された作業を、実行する。本実施の形態では、情報処理装置10で選択された作業者18の操作する作業者端末16に、選択された作業対象および作業内容が配信される。作業者18は、配信された作業対象に対して、配信された作業内容の作業を行う。
例えば、作業者18は、配信された作業対象が音声データである場合、作業内容に応じて、該音声データをテキストデータにする作業を行う。また、作業者18は、配信された作業対象の第1言語データを、第2言語に翻訳する作業を行う。このとき、作業者18は、例えば、作業者端末16のキーボードを用いてテキストの入力や翻訳結果の入力を行う。
次に、情報処理装置10について説明する。
情報処理装置10は、処理部30と、UI(ユーザ・インターフェース)部32と、記憶部34と、通信部36と、を備える。UI部32、記憶部34、および通信部36と、処理部30と、はデータや信号を授受可能に接続されている。
UI部32は、入力機能と、表示機能と、を含む。入力機能は、ユーザの操作を受付ける。入力機能は、例えば、デジタルペン、マウス、またはトラックボール等のポインティングデバイスや、キーボード等の入力デバイスである。表示機能は、各種情報を表示する。表示機能は、例えば、LCDなどのディスプレイや、投影装置などである。なお、UI部32は、入力機能と表示機能とを一体的に備えた、タッチパネルであってもよい。
記憶部34は、各種データを記憶する。記憶部34は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。なお、記憶部34は、情報処理装置10の外部に設けられた記憶装置であってもよい。また、記憶部34は、記憶媒体であってもよい。具体的には、記憶媒体は、プログラムや各種情報を、LAN(Local Area Network)やインターネットなどを介してダウンロードして記憶または一時記憶したものであってもよい。また、記憶部34を、複数の記憶媒体から構成してもよい。
本実施の形態では、記憶部34は、作業者管理情報34Aと、装置管理情報34Bと、制約条件情報34Cと、を記憶する。
作業者管理情報34Aは、作業者18に関する情報である。作業者管理情報34Aは、記憶部34に予め記憶されている。
図2は、作業者管理情報34Aのデータ構成の一例を示す模式図である。作業者管理情報34Aは、作業者IDと、作業内容と、作業者特徴情報と、空状況とを対応づけたデータベースである。なお、作業者管理情報34Aのデータ形式は限定されない。作業者管理情報34Aのデータ形式はテーブルであってもよい。
作業者IDは、作業者18の識別情報(作業者識別情報)である。作業者特徴情報は、作業者18の処理能力に関する情報である。例えば、作業者特徴情報は、処理時間、処理品質、および、処理料金の少なくとも1つを示す。本実施の形態では、作業者特徴情報が、処理時間、処理品質および処理料金を示す場合を一例として説明する。
処理時間には、過去の平均的な処理時間、タイピングスピードに関する情報などを用いればよい。処理品質には、作業者18が予め選択した得意分野についての処理品質や、過去の作業履歴から算出された正解率(正答率)などを用いればよい。処理料金には、例えば、単価や、1つの作業あたりの報酬額などを用いればよい。
なお、作業者特徴情報には、更に、他の種類の特徴情報が含まれていてもよい。例えば、作業者特徴情報には、処理時間に代えて、または処理時間と共に処理速度が含まれていてもよい。
また、作業者特徴情報には、備考が含まれていてもよい。例えば備考には、作業者18の得意な作業の分野を示す情報が登録される。
本実施の形態では、各作業者IDに対応する作業者特徴情報は、作業内容ごとに、作業者管理情報34Aに予め登録されている。図2に示す例では、作業者管理情報34Aには、作業者IDの各々について、2種類(音声データのテキストデータへの変換(P)、第1言語から第2言語への翻訳(Q))の作業内容ごとに、作業者特徴情報が予め対応づけて登録されている場合を示している。しかし、作業者管理情報34Aには、1種類、または3種類の作業内容ごとに作業者特徴情報が予め登録されていてもよい。
なお、作業者IDと、作業内容と、作業者特徴情報とは、予め対応付けて作業者管理情報34Aに登録されているものとする。なお、作業者特徴情報に示される値や作業内容は、ユーザによるUI部32の操作指示などに応じて適宜変更可能としてもよい。
本実施の形態では、作業者管理情報34Aには、各作業者IDの各々に対応する空状況が登録される。空状況とは、対応する作業者IDによって識別される作業者18が、対応する作業者特徴情報によって示される処理能力で作業を実行することのできる、現在の割合(状況)を示す。例えば、空状況“100%”の場合、対応する作業者IDによって識別される作業者18は、対応する作業者特徴情報によって示される処理能力で、対応する作業内容の作業を実行可能な状況であることを示す。そして、空状況の示す値が小さいほど(0%に近いほど)、作業者18が、対応する作業者特徴情報によって示される処理能力で、対応する作業内容の作業を実行することがより困難であることを示す。
なお、作業者管理情報34Aにおける空状況は、後述する更新部30Dによって適宜更新される。なお、作業者管理情報34Aは、作業者IDと、作業者特徴情報とを少なくとも対応づけたものであればよい。
次に、装置管理情報34Bについて説明する。装置管理情報34Bは、作業装置14に関する情報である。装置管理情報34Bは、記憶部34に予め記憶されている。
図3は、装置管理情報34Bのデータ構成の一例を示す模式図である。装置管理情報34Bは、装置IDと、作業内容と、装置特徴情報と、空状況とを対応づけたデータベースである。なお、装置管理情報34Bのデータ形式は限定されない。装置管理情報34のデータ形式はテーブルであってもよい。
装置IDは、作業装置14の識別情報(装置識別情報)である。装置特徴情報は、作業装置14の処理能力に関する情報である。例えば、装置特徴情報は、処理時間、処理品質および処理料金の少なくとも1つを示す。本実施の形態では、装置特徴情報が、処理時間、処理品質および処理料金を示す場合を一例として説明する。なお、作業者管理情報34Aに作業者特徴情報として登録される特徴の種類と、装置管理情報34Bに装置特徴情報として登録される特徴の種類とは一致する。
例えば、装置管理情報34Bの処理時間には、過去の平均的な処理時間などを用いればよい。処理品質には、過去の作業履歴から算出された正解率(正答率)などを用いればよい。具体的には、作業装置14が音声認識装置である場合、処理品質には音声認識の平均正解率を用いればよい。処理料金には、例えば、作業装置14の運用費用の平均値や利用するCPUに応じた時間単価などを用いればよい。
また、装置特徴情報には備考が含まれていてもよい。例えば備考には、作業装置14の得意な作業の分野を示す情報が登録される。また、作業装置14が音声認識装置である場合、音声認識に用いた辞書の種類や、該辞書についての音声認識の利用状況を想定してカスタマイズ状況(特定の分野へのカスタマイズの有無)を示す情報を、備考として登録すればよい。なお、カスタマイズ方法、特定の分野や話題の音声を処理する上で、辞書を強化してもよく、特定の方言に対応するための辞書を用意してもよく、また、利用場所の音響環境を想定した音響的なカスタマイズを行っても良い。
なお、装置特徴情報には、更に他の種類の特徴情報が含まれていてもよい。例えば装置特徴情報には、処理時間に代えて、または処理時間と共に処理速度が含まれていてもよい。
本実施の形態では、各装置IDに対応する装置特徴情報は、作業内容ごとに、装置管理情報34Bに予め登録されている。図3に示す例では、装置管理情報34Bには、装置IDの各々について、2種類(音声データのテキストデータへの変換(P)、第1言語から第2言語への翻訳(Q))の作業内容ごとに、装置特徴情報が予め対応づけて登録されている場合を示している。しかし、装置管理情報34Bには、1種類、または3種類の作業内容ごとに装置特徴情報が予め登録されていてもよい。なお、作業者管理情報34Aに登録される作業内容と、装置管理情報34Bに登録される作業内容とは一致する。
なお、装置IDと、作業内容と、装置特徴情報とは、予め対応付けて装置管理情報34Bに登録されているものとする。なお、装置特徴情報に示される値や作業内容は、ユーザによるUI部32の操作指示などに応じて適宜変更可能としてもよい。
本実施の形態では、装置管理情報34Bには、各装置IDの各々に対応する空状況が登録される。空状況は上記と同様である。
なお、装置管理情報34Bにおける空状況は、後述する更新部30Dによって適宜更新される。なお、装置管理情報34Bは、装置IDと、装置特徴情報とを少なくとも対応づけたものであればよい。
次に、制約条件情報34Cについて説明する。制約条件情報34Cは、作業対象に対する作業の実行時の制約条件を示す。制約条件情報34Cは、依頼者端末12から受信した作業データに含まれる。情報処理装置10は、依頼者端末12から作業データを受信すると、受信した作業データに含まれる制約条件情報34Cを記憶部34へする。なお、制約条件情報34Cは予め記憶部34へ記憶されていてもよい。
図4は、制約条件情報34Cのデータ構成の一例を示す模式図である。制約条件情報34Cは、作業内容と、制約条件とを対応づけたデータベースである。なお、制約条件情報34Cのデータ形式は限定されない。制約条件情報34Cのデータ形式は、テーブルであってもよい。
制約条件情報34Cにおける作業内容は上記と同様である。なお、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bに登録されている作業内容と、制約条件情報34Cに登録される作業内容とは一致するものとする。
制約条件情報34Cには、制約条件として複数種類の条件が登録される。制約条件に含まれる条件の種類は、作業者特徴情報や装置特徴情報に登録される特徴の種類と一致する。例えば、制約条件には、処理時間、処理品質、処理料金の3種類の条件が登録される。なお、制約条件に含まれる条件の種類は3種類に限定されない。
本実施の形態では、制約条件情報34Cには、依頼者端末12から受信する作業データ(複数の作業対象を含む)に対する、制約条件が登録されるものとする。具体的には、本実施の形態では、制約条件情報34Cには、1つの作業データの単位に対する、処理時間、処理品質、処理料金の各々の条件が制約条件として登録される場合を説明する。言い換えると、本実施の形態では、制約条件情報34Cには、1つの処理対象に対する制約条件ではなく、複数の処理対象を含む作業データの1単位に対して制約条件が登録されている場合を一例として説明する。
なお、本実施の形態では、制約条件は作業内容ごとに制約条件情報34Cへ登録される。なお、制約条件情報34Cに登録される作業内容は、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bに登録されている作業内容と一致する。
図1に戻り説明を続ける。通信部36は、ネットワーク22を介して外部装置と通信する。本実施の形態では、通信部36はネットワーク22を介して、依頼者端末12、作業装置14、および作業者端末16と通信する。
処理部30について説明する。処理部30は、情報処理装置10を制御する。処理部30は、取得部30Aと、選択部30Bと、配信部30Cと、更新部30Dとを含む。
上記各部(取得部30A、選択部30B、配信部30C、更新部30D)は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
また、上記各部の少なくとも1つは、クラウド上で処理を実行するクラウドサーバに搭載されていてもよい。
図5は、処理部30が実行する処理の概要を示す模式図である。処理部30は、依頼者端末12からネットワーク22を介して作業データ40を受付ける。作業データ40は上述したように、複数の作業対象42(例えば、作業対象42A〜42E)と、これらの作業対象42に対する1種類の作業内容と、作業データ40に対する制約条件とを含む。なお、図5では作業内容および制約条件の記載は省略している。
処理部30は、作業データ40に含まれる複数の作業対象42に対して、作業内容の作業を実行する作業装置14および作業者18を選択する。そして、処理部30は、選択した作業装置14および作業者18の各々へ作業対象42を配信する。
以下、詳細を説明する。図1に戻り、処理部30の取得部30Aは、作業対象と、作業対象に対して実行する作業の作業内容と、作業対象に対する作業の実行時の制約条件とを取得する。
本実施の形態では、取得部30Aは、通信部36を介して依頼者端末12から作業データ40を受付ける。これによって、取得部30Aは、作業データ40に含まれる、作業内容と、制約条件と、複数の作業対象42とを取得する。
そして、取得部30Aは、作業データ40に含まれる作業内容および制約条件を対応づけて制約条件情報34Cへ登録する。なお、制約条件情報34Cに制約条件が予め登録されている場合には、取得部30Aは、依頼者端末12から取得した作業内容に対応する制約条件を、制約条件情報34Cから読取ることによって取得してもよい。
取得部30Aは、取得した作業内容と、制約条件と、作業対象42とを選択部30Bへ出力する。
選択部30Bは、作業者管理情報34Aと、装置管理情報34Bと、取得した制約条件とに基づいて、取得した作業対象42に対して、取得した作業内容の作業を実行する作業装置14および作業者端末16を選択する。
詳細には、選択部30Bは、取得部30Aで取得した作業内容に対応する作業者特徴情報を作業者管理情報34Aから読取る。また、選択部30Bは、取得部30Aで取得した作業内容に対応する装置特徴情報を装置管理情報34Bから読取る。また、選択部30Bは、選択部30Bで取得した作業内容に対応する制約条件を制約条件情報34Cから読取る。
そして、選択部30Bは、依頼者端末12から取得した作業データ40に含まれる作業対象42に対する、該作業データ40に含まれる作業内容の作業が取得した制約条件を満たして実行されるように、作業対象42を実行する作業装置14および作業者端末16を選択する。
まず、選択部30Bは、取得した作業データ40に含まれる複数の作業対象42に対して、作業データ40に含まれる作業内容の作業を実行したときの、処理時間、処理品質、処理料金の各々を、複数の作業装置14および複数の作業者18の各々ごとに推定する。
選択部30Bは、処理時間については、作業データ40および作業対象42の時間長を確認し、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bの各々に登録されている処理時間から、該作業対象42に対して作業を実行した場合の処理時間を推定する。
また、選択部30Bは、処理品質については、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bの各々に登録されている処理品質から、作業対象42に対して作業を実行した場合の処理品質を推定する。また、選択部30Bは、作業対象42の内容を推定し、得意分野の一致する作業装置14や作業者18に対しては、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bに登録されている処理品質より高い品質が期待できるとして、作業対象42に対して作業を実行した場合の処理品質を推定してもよい。
なお、選択部30Bは、作業対象42に対して作業を実行した場合の処理品質を正解率として推定してもよく、作業容易または作業困難といった別の指標で表してもよい。
また、選択部30Bは、処理料金については、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bの各々に登録されている処理料金と、作業対象42の文字数やデータ長とから、作業対象42に対して作業を実行した場合の処理料金を推定する。
このようにして、選択部30Bは、取得した作業データ40に含まれる複数の作業対象42に対して、作業データ40に含まれる作業内容の作業を実行したときの、処理時間、処理品質、処理料金の各々を、複数の作業装置14および複数の作業者18の各々ごとに推定する。
そして、選択部30Bは、複数の作業装置14および複数の作業者18の各々ごとに推定した、処理時間、処理品質、および処理料金と、制約条件情報34Cに示される処理対象の作業内容に対応する制約条件の各々の条件とを比較し、制約条件を満たすか否かに応じて作業対象42に対して作業を実行する作業装置14および作業者18を選択する。
例えば、選択部30Bが、制約条件に示される複数種類の条件を、作業装置14および作業者18の全てが満たすと判断したと仮定する。具体的には、選択部30Bが、作業装置14A〜14Cに対応する装置特徴情報、および作業者端末16A〜16Cの全てに対応する作業者特徴情報が、取得した制約条件に示される全ての種類の条件を満たした作業を実行することが可能であると判断したと仮定する。
この場合、選択部30Bは、制約条件に示される複数種類の条件の内、少なくとも1つの条件の作業結果が最良となるように、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bに基づいて作業装置14および作業者端末16を選択する。
例えば、この場合、選択部30Bは、作業データ40の全体の処理料金が最小、作業データ40の全体の処理時間が最短、または作業データ40の全体の処理品質が最高、の何れかを満たすように作業対象42に対して作業を実行する作業装置14および作業者端末16を選択する。
なお、選択部30Bは、複数の作業装置14および複数の作業者18の内、複数種類の条件の一部の条件を満たす作業装置14および作業者18を選択すると共に、該一部の種類以外の他の一部の条件を満たす作業装置14および作業者18を選択してもよい。
例えば、選択部30Bは、処理時間の条件を満たした作業を行うことの可能な作業装置14および作業者端末16を、作業対象42への作業を行う作業ユニット20として選択する。また、選択部30Bは、処理品質の条件を満たす作業を行うことの可能な作業装置14および作業者18を、作業対象42への作業を行う作業ユニット20として選択する。
このため、この場合、選択部30Bは、同じ作業対象42について、処理時間を優先した作業結果と、処理品質を優先した作業結果とが得られるように、作業を実行する作業装置14および作業者18を選択することとなる。
この場合、情報処理装置10は、依頼者端末12に対して、同じ作業対象42に対して、制約条件における、互いに異なる種類の条件を優先した、複数の処理結果を提供することが可能となる。
また、選択部30Bが、作業装置14および作業者18の全てが、取得した制約条件に示される複数種類の条件の一部を満たし且つ他の一部の条件を満たすことが困難と判断したと仮定する。例えば、ある作業装置14や作業者18は、作業対象42について、処理時間については条件を満たした作業を行うことが可能であるが、処理品質については条件を満たせない場合がある。また、他の作業装置14や他の作業者18は、作業対象42について、処理品質については条件を満たした作業を行うことが可能であるが、処理時間については条件を満たせない場合がある。
この場合、選択部30Bは、複数の作業装置14および複数の作業者18の内、該一部の条件を満たす作業装置14および作業者18を選択すると共に、該他の一部の条件を満たす作業装置14および作業者18を選択する。
具体的には、選択部30Bは、処理時間の条件を満たした作業を行うことの可能な作業装置14および作業者端末16を、作業対象42への作業を行う作業ユニット20として選択する。また、選択部30Bは、処理品質の条件を満たす作業を行うことの可能な作業装置14および作業者18を、作業対象42への作業を行う作業ユニット20として選択する。
このため、この場合、選択部30Bは、同じ作業対象42について、処理時間については制約条件を満たすが品質については制約条件を満たさない作業結果と、処理品質については制約条件を満たすが処理時間については制約条件を満たさない作業結果とが得られるように、作業を実行する作業装置14および作業者18を選択することとなる。
この場合、情報処理装置10は、依頼者端末12に対して、同じ作業対象42に対して、制約条件における1つの条件については満たすが他の条件を満たさない処理結果と、該他の条件は満たすが該1つの条件を満たさない処理結果とを提供することが可能となる。
このように、制約条件の全てを満たす作業を行うことが可能な作業装置14および作業者18が存在しない場合は、一部の制約条件を満たす作業ユニットを選択するようにしてもよい。
なお、作業装置14および作業者18が、一部の制約条件しか満たせない場合がある。この場合、例えば、選択部30Bは、処理時間を最優先し、処理時間の条件を満たす作業を行うことが可能な作業装置14および作業者18を、作業対象42への作業を行う作業ユニット20として選択してもよい。そして、情報処理装置10は、選択した作業ユニット20による作業結果を、仮の作業結果として提示するとよい。続いて、選択部30Bは、処理品質の条件を満たす作業を行うことが可能な作業装置14および作業者18を、作業対象42への作業を行う作業ユニット20として選択する。そして、情報処理装置10は、選択した作業ユニット20による作業結果を提示してもよい。
この場合、情報処理装置10は、依頼された作業に対する処理結果を早く提示することが可能となる。また、情報処理装置10は、続けて、品質条件も満たす結果も提示することができ、依頼者の満足度を満たすことが可能となる。
例えば、会議の音声データをリアルタイムで文字化する場合、情報処理装置10が上記処理を行うことで以下の効果が得られる。例えば、情報処理装置10は、処理速度を重視した(処理時間の短い)処理結果と、処理速度には劣る(処理時間が長い)が処理品質の高い処理結果との双方を、処理結果として依頼者へ提供することができる。このため、情報処理装置10は、制約条件に示される条件を満たす処理結果を依頼者へ提供することができる。この例においても、上記のように処理速度を重視して作業した結果を先に提示し、追って品質の高い処理結果を提示することができる。
また、複数の作業装置14および複数の作業者18が、取得した制約条件に示される複数種類の条件の1つを満たすことが困難であるが、他の条件については満たすことが可能である場合がある。例えば、複数の作業装置14および複数の作業者端末16の全てが、制約条件に示される処理料金の条件を満たすことは困難であるが、他の条件(処理時間、処理品質)については満たすことが可能である場合がある。
この場合、選択部30Bは、該他の種類の条件を満たし且つ該他の種類の条件が最良となるように、作業装置14および作業者端末16を選択すればよい。
具体的には、選択部30Bは、複数の作業装置14および複数の作業者端末16の任意の処理料金を確定し、該任意の処理料金の範囲内で、他の条件が最も良好となるように(処理時間が最も短く、処理品質が最も高くなるように)作業装置14および作業者端末16を選択すればよい。
なお、選択部30Bは、複数の作業装置14および複数の作業者端末16の全てが、取得した制約条件に示される少なくとも1つの種類の条件を満たすことが困難と判断した場合には、作業装置14および作業者18の選択を終了してもよい。すなわち、この場合、選択部30Bは、作業装置14および作業者18を選択しなくてもよい。
なお、情報処理システム1に含まれる作業装置14および作業者端末16の少なくとも一部が、作業者管理情報34Aや装置管理情報34Bに登録されている作業者特徴情報や装置特徴情報に示される処理能力で、作業を実行することが困難な状況にある場合がある。
そこで、更新部30Dは、配信部30C、通信部36、およびネットワーク22を介して、作業装置14および作業者端末16の各々へ現在の空状況の取得要求を送信する。取得要求を受信した作業装置14および作業者端末16は、現在の空状況を示す情報を生成し情報処理装置10へ送信する。そして、情報処理装置10の更新部30Dは、作業装置14および作業者端末16から通信部36および取得部30Aを介して受付けた空状況を、対応する作業者IDおよび装置IDに対応づけて作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bへ登録する。
そして、選択部30Bは、取得部30Aで取得した作業データ40に含まれる作業内容に対応する作業者特徴情報および装置特徴情報に、対応する空状況(本実施の形態では%で示す)を乗算した値を用いて、上記と同様にして、作業を実行する作業装置14および作業者18を選択する。
配信部30Cは、選択部30Bで選択された作業装置14、および作業者18の作業者端末16の各々へ対応する作業対象42を配信する(図5も参照)。このとき、配信部30Cは、依頼者端末12から取得部30Aで取得した作業内容についても併せて配信することが好ましい。
作業対象42および作業内容を受信した作業装置14は、受信した作業対象42に対して受信した作業内容に応じた作業を実行し、作業結果としての出力データを得る。そして、作業装置14は、出力データを情報処理装置10へ送信する。
また、作業者端末16は、作業対象42および作業内容を受信すると、受信した作業対象42および作業内容を、作業者端末16に設けられたディスプレイやスピーカから出力する。作業者端末16を操作する作業者18は、出力された作業対象42に対して、出力された作業内容の作業を実行する。そして、作業者端末16は、作業者18によって作業された作業結果としての出力データを情報処理装置10へ出力する。
なお、作業対象42を配信された作業装置14や作業者18が、作業者管理情報34Aや装置管理情報34Bに示される作業者特徴情報や装置特徴情報に応じた処理能力を実現不可能な場合がある。例えば、作業装置14や作業者18が、他の作業を実行中である場合や装置故障が発生した場合などである。
この場合、作業装置14や作業者端末16は、指示された制約条件で作業を実行することが困難であることを示すエラー情報を、ネットワーク22を介して情報処理装置10へ送信する。
情報処理装置10は、作業装置14または作業者端末16からエラー情報を受信した場合、選択部30Bは、選択した作業装置14または選択した作業者端末16以外の、他の作業装置14または他の作業者端末16を再選択する必要があると判断する。そして、選択部30Bは、再選択を要すると判断した場合、エラー情報の送信元の作業装置14または作業者18へ配信した作業対象42への作業を実行する作業ユニット20として、上記と同様にして、他の作業装置14および他の作業者端末16を再選択する。
なお、処理部30が依頼者端末12から取得する作業データ40に、複数種類の作業内容が含まれる場合がある。この場合、取得部30Aは、複数の作業対象42と、複数種類の作業内容とを含む作業データ40を、依頼者端末12から取得する。
この場合、選択部30Bは、取得部30Aで取得した作業内容ごとに、作業内容の作業を実行する作業装置14および作業者端末16を選択すればよい。
図6は、取得部30Aが複数種類の作業内容を含む作業データ40を取得した場合の、データの流れの一例を示す説明図である。例えば、作業データ40に含まれる作業内容が、音声データのテキストデータへの変換と、第1言語から第2言語への翻訳との2種類を含むと仮定する。
この場合、例えば、選択部30Bは、音声データのテキストデータへの変換を行う作業装置14および作業者18を、作業者管理情報34A、装置管理情報34B、および制約条件情報34Cを用いて上記と同様にして選択する(図6(A)参照)。この場合、作業対象42が配信されることで、選択された作業装置14および作業者18が、作業対象42に対して、音声データのテキストデータへの変換を行う作業を実行する。
一方、選択部30Bは、第1言語から第2言語への翻訳を行う作業装置14および作業者18を、作業者管理情報34A、装置管理情報34B、および制約条件情報34Cを用いて上記と同様にして選択する(図6(B)参照)。また、この場合、配信部30Cは、音声データからテキストデータに変換された作業結果(第1の出力データ44(44A〜44E)とする)を、選択された作業装置14、および作業者18の作業者端末16へ配信する。このため、選択された作業装置14および作業者18が、第1の出力データ44に対して第1言語から第2言語への翻訳を実行する。
なお、選択部30Bは、2番目の作業内容(例えば、第1言語から第2言語への翻訳)を実行するための作業装置14および作業者18の選択時には、1番目の作業内容(例えば音声データのテキストデータへの変換)を実行するための作業装置14および作業者18の選択時とは、制約条件の内の優先とする条件を変更してもよい。例えば、選択部30Bは、1番目の作業内容の作業を実行する作業装置14および作業者18の選択時には、処理時間を優先した選択を行い、2番目の作業内容の作業を実行する作業装置14および作業者18の選択時には、処理品質を優先した選択を行ってもよい。
なお、上記では、依頼者端末12から取得した作業内容が複数種類の場合、それぞれの作業内容ごとに、作業を行うことが可能な作業装置14および作業者18を制約条件に基づき選択するようにした。しかし、複数の作業内容を行うことが可能な作業装置14および作業者18が存在する場合には、作業内容ごとに作業装置14および作業者18を選択するのではなく、同時に複数の作業を行うことが可能な作業装置14および作業者18が選択されるような、制約条件に基づく判断を行っても良い。すなわち、選択部30Bは、音声データのテキストデータへの変換と、第1言語から第2言語への翻訳との両方の作業を可能とする作業装置14および作業者18を選択してもよい。また、作業者18については、第一の言語のテキストのデータへの変換は行わず、音声データから第2の言語のテキストに変換する作業を行ってもよい。なお、ここでは複数の作業内容として、音声データのテキストデータへの変換と、第1言語から第2言語への翻訳を例に説明したが、複数の作業内容はこれに限らない。
次に、更新部30Dについて説明する。更新部30Dは、制約条件情報34Cを更新する。例えば、更新部30Dは、作業装置14および作業者18による作業結果に応じて制約条件情報34Cを更新する。
具体的には、更新部30Dは、制約条件情報34Cに示される条件が厳しい場合には、条件の少なくとも一部を緩めるように、制約条件情報34Cに示される制約条件を更新する。これにより、本実施の形態の情報処理装置10は、適切な条件を設定しながら情報処理装置10を運用することが可能となる。
なお、更新部30Dは、UI部32から受付けた制約条件を制約条件情報34Cへ上書きすることで、制約条件情報34Cを更新してもよい。
例えば、ユーザは、UI部32を操作することで、制約条件情報34Cに登録されている少なくとも一部の条件の変更指示を入力する。更新部30Dは、UI部32を介して入力された変更指示に応じて制約条件情報34Cに登録されている条件を更新すればよい。
また、上述したように、更新部30Dは、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bにおける空状況の更新を行う。
次に、情報処理装置10で実行する情報処理の手順の一例を説明する。
図7は、本実施の形態の情報処理装置10が実行する情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、取得部30Aが、作業データ40を取得する(ステップS100)。ステップS100で取得する作業データ40には、例えば、複数の作業対象42と、作業内容と、制約条件とが含まれると仮定する。
次に、取得部30Aは、ステップS100で取得した制約条件を、取得した作業内容に対応づけて制約条件情報34Cへ記憶する(ステップS102)。
次に、取得部30Aが、ステップS100で取得した作業データ40に含まれる作業内容に対応する作業者特徴情報および装置特徴情報を、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bから取得する(ステップS104)。
次に、選択部30Bが、ステップS100で取得した作業内容に対応する制約条件と、ステップS104で取得した作業者特徴情報および装置特徴情報とを用いて、ステップS104で取得した作業データ40に含まれる作業対象42に対する作業を実行する作業装置14および作業者18を選択する(ステップS106)。
次に、配信部30Cが、ステップS106で選択された作業装置14および作業者18の作業者端末16へ、ステップS100で取得した作業対象42を配信する(ステップS
108)。
次に、選択部30Bは、配信した作業対象42に対して作業を行う作業ユニット20を再選択するか否かを判断する(ステップS110)。ステップS110で否定判断すると(ステップS110:No)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、ステップS112へ進む。
ステップS112では、選択部30Bが、再選択対象の作業を実行する作業者18および作業装置14を再選択する(ステップS112)。次に、配信部30Cが、ステップS112で再選択された作業者18および作業装置14へ、作業対象42を配信する(ステップS114)。そして、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の情報処理装置10の記憶部34は、作業者管理情報34Aと、装置管理情報34Bとを記憶する。作業者管理情報34Aは、作業を実行する作業者18の作業者識別情報(作業者ID)と作業者18の処理能力に関する作業者特徴情報とを対応づけたものである。装置管理情報34Bは、作業を実行する作業装置14の装置識別情報(装置ID)と作業装置14の処理能力に関する装置特徴情報とを対応づけたものである。取得部30Aは、作業対象42と、作業対象42に対して実行する作業の作業内容と、作業対象42に対する作業の実行時の制約条件とを取得する。選択部30Bは、作業者管理情報34Aと、装置管理情報34Bと、制約条件とに基づいて、作業対象42に対して作業内容の作業を実行する作業者18および作業装置14を選択する。
このように、本実施の形態の情報処理装置10は、作業者18のみではなく、作業者18と作業装置14との双方を、作業を実行する作業ユニット20として選択する。言い換えると、情報処理装置10は、作業者18および作業装置14の双方に作業を割当てる。また、情報処理装置10は、作業者18の作業者管理情報34Aに含まれる作業者特徴情報と、作業装置14の装置管理情報34Bに含まれる装置特徴情報と、制約条件とに基づいて、作業装置14および作業者端末16を選択する。
従って、本実施の形態の情報処理装置10は、より良い作業結果が得られるように作業を実行する作業者18および作業装置14を選択することができる。
なお、本実施の形態では、空状況や得意分野といった作業者管理情報や装置管理情報を各作業者18ならびに作業装置14ごとに管理しているが、複数の作業者18や作業装置14を単位として、管理してもよい。
(第2の実施の形態)
上記実施の形態では、処理部30は、依頼者端末12から受信した作業対象42に対して作業を実行する作業装置14および作業者18を選択した。
本実施の形態では、処理部30は、作業対象42を複数の分割作業対象に分割し、分割作業対象に対して作業を実行する作業装置14および作業者18を選択する形態を説明する。
図8は、本実施の形態の情報処理装置10Aの一例を示す模式図である。情報処理装置10Aは、処理部31と、UI部32と、記憶部34と、通信部36とを備える。UI部32、記憶部34、および通信部36と、処理部31とはデータや信号を授受可能に接続されている。
UI部32、記憶部34、および通信部36は、第1の実施の形態と同様である。すなわち、情報処理装置10Aは、処理部30に代えて処理部31を備えた点以外は、第1の実施の形態と同様である。
処理部31は、取得部30Aと、選択部31Bと、配信部31Cと、更新部30Dと、分割部31Eとを含む。
上記各部(取得部30A、選択部31B、配信部31C、更新部30D、分割部31E)は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のICなどのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。また、上記各部の少なくとも1つは、クラウド上で処理を実行するクラウドサーバに搭載されていてもよい。
取得部30Aおよび更新部30Dは、第1の実施の形態と同様である。すなわち、処理部31は、選択部30Bおよび配信部30Cに代えて、選択部31Bおよび配信部31Cを備え、更に、分割部31Eを備えた点以外は第1の実施の形態の処理部30と同様である。
分割部31Eは、取得部30Aで取得した作業対象42を複数の分割作業対象に分割する。図9は、処理部31が実行する処理の概要を示す模式図である。例えば、分割部31Eは、図9に示す作業対象42Aを、複数の分割作業対象(分割作業対象42A1、42A2、42A3)に分割する。
例えば、分割部31Eは、音声データの切れ目(空白期間)で作業対象42を分割する。また、例えば分割部31Eは、作業対象42を、取得部30Aで取得した制約条件を満たした作業が実行可能となるように複数の分割作業対象に分割してもよい。この場合、例えば、分割部31Eは、処理速度、処理品質、処理料金の少なくとも1つがより向上するように作業対象42を分割するとよい。
なお、依頼者が、秘匿性を保った作業を要望する場合がある。この場合、分割部31Eは、複数の作業装置14および複数の作業者18の各々において、秘匿性を保った作業が実行可能となるように作業対象42を分割すればよい。具体的には、例えば、分割部31Eは、機密情報が2以上含まれないように作業対象42を分割する。また、分割部31Eは、機密情報が2以上に分かれるように作業対象42を分割する。
このとき、分割部31Eは、作業対象42の一部が重複するように、作業対象42を分割作業対象に分割することが好ましい。これによって、作業対象42における同じ範囲が、互いに異なる作業装置14または作業者端末16で処理され、依頼者端末12側で最終的に用いる作業結果を選択可能とすることができる。また、作業対象42に対する作業上の秘匿性の向上を図ることができる。
なお、分割部31Eは、作業装置14および作業者18による作業結果を分割し、分割作業対象として選択部31Bへ出力してもよい。
図8に戻り説明を続ける。選択部31Bは、作業者管理情報34Aと、装置管理情報34Bと、取得した制約条件とに基づいて、分割作業対象の各々に対して作業内容の作業を実行する作業装置14および作業者端末16を選択する。
なお、選択部31Bは、作業対象42に代えて、作業対象42を分割した分割作業対象の各々に対して作業を実行する作業装置14および作業者端末16を選択する以外は、第1の実施の形態の選択部30Bと同様である。
配信部31Cは、選択部31Bで選択された作業装置14、および作業者18の作業者端末16の各々へ対応する分割作業対象を配信する(図9も参照)。なお、配信部31Cは、作業対象42に代えて分割作業対象を配信する点以外は、第1の実施の形態の配信部30Cと同様である。
次に、情報処理装置10Aで実行する情報処理の手順の一例を説明する。
図10は、本実施の形態の情報処理装置10Aが実行する情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、取得部30Aが、作業データ40を取得する(ステップS200)。ステップS200で取得する作業データ40には、例えば、複数の作業対象42と、作業内容と、制約条件とが含まれると仮定する。
次に、取得部30Aは、ステップS200で取得した制約条件を、取得した作業内容に対応づけて制約条件情報34Cへ記憶する(ステップS202)。
次に、取得部30Aが、ステップS200で取得した作業データ40に含まれる作業内容に対応する作業者特徴情報および装置特徴情報を、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bから取得する(ステップS204)。
次に、分割部31Eが、ステップS200で取得した作業データ40に含まれる作業対象42の各々を分割作業対象に分割する(ステップS206)。
次に、選択部31Bが、ステップS200で取得した作業内容に対応する制約条件と、ステップS204で取得した作業者特徴情報および装置特徴情報とを用いて、ステップS206で分割した分割作業対象の各々に対する作業を実行する作業装置14および作業者18を選択する(ステップS208)。
次に、配信部31Cが、ステップS208で選択された作業装置14および作業者18の作業者端末16へ、ステップS206で分割した分割作業対象を配信する(ステップS210)。
次に、選択部31Bおよび配信部31Cは、第1の実施の形態のステップS110〜ステップS114と同様にして、ステップS212〜ステップS216の処理を実行し本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の情報処理装置10Aでは、分割部31Eが作業対象42を分割する。選択部31Bは、分割された分割作業対象に対して、取得した作業内容の作業を実行する作業者18および作業装置14を選択する。
このように、分割作業対象に対して、作業を行う作業装置14および作業者18を選択する場合についても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例1)
なお、上記実施の形態では、選択部30Bおよび選択部31Bは、作業者管理情報34Aに登録されている全ての作業者IDの各々によって識別される作業者18、および、装置管理情報34Bに登録されている全ての装置IDの各々によって識別される作業装置14から、作業を実行する作業者18および作業装置14を選択した。
しかし、選択部30Bおよび選択部31Bは、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bに登録されている作業者IDおよび装置IDの一部のみを、選択対象の作業者18の作業者IDおよび作業装置14の装置IDとして用いても良い。
この場合、処理部30および処理部31では、予め選択対象とする作業者IDおよび装置IDの各々に対応づけて選択対象とすることを示すフラグを、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bの各々に付与する。そして、選択部30Bおよび選択部31Bは、フラグの付与された作業者IDの作業者18およびフラグの付与された装置IDの作業装置14を選択対象として用いる。
例えば、情報処理装置10および情報処理装置10Aの管理者が、予め作業を行う事を希望する作業装置14および作業者18を調査し、選択対象とするフラグを、作業者管理情報34Aおよび装置管理情報34Bの各々における対象の作業者IDおよび装置IDに対応づけて付与しておけばよい。
(ハードウェア構成)
次に、本実施の形態の情報処理装置10、10Aのハードウェア構成を説明する。図11は、本実施の形態の情報処理装置10、10Aのハードウェア構成例を示す説明図である。
本実施の形態の情報処理装置10、10Aは、CPU86などの制御装置と、ROM(Read Only Memory)88やRAM(Random Access Memory)90などの記憶装置と、ネットワークに接続して通信を行う通信I/F82と、画像の表示や音声の出力を行う出力部80と、HDD92と、ユーザからの操作を受付ける入力部94と、各部を接続するバス96を備えている。
本実施の形態の情報処理装置10、10Aで実行されるプログラムは、ROM88等に予め組み込まれて提供される。
本実施の形態の情報処理装置10、10Aで実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるように構成してもよい。
さらに、本実施の形態の情報処理装置10、10Aで実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態にかかる情報処理装置10、10Aで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本実施の形態の情報処理装置10、10Aで実行されるプログラムは、コンピュータを上述した情報処理装置10、10Aの各部として機能させうる。このコンピュータは、CPU86がコンピュータ読取可能な記憶媒体からプログラムを主記憶装置上に読み出して実行することができる。
なお、上記実施の形態では、情報処理装置10、10Aの各々が、単体の装置として構成されていることを想定して説明した。しかし、情報処理装置10、10Aの各々は、物理的に分離されてネットワークを介して接続された複数の装置により構成されていてもよい。また、上記実施の形態の情報処理装置10、10Aは、クラウドシステム上で動作する仮想マシンとして実現されていてもよい。
なお、上記には、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。