JP6976179B2 - ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプに関する。
吸水槽に多量の水が急激に流れ込んだ際の排水の遅れを防止するために、予め運転が行われる先行待機形ポンプが知られている。この先行待機形ポンプは、吸水槽内の水位によって、水を排出する排水運転、ポンプケーシング内に揚水を保持した気水混合運転、及びポンプケーシング内に揚水が無い気中運転に切り換わる。
このようなポンプの軸受診断装置が特許文献1に開示されている。この軸受診断装置では、水中軸受と回転軸の間に圧搾空気を供給することで、水中軸受の異常(摩耗量)の検出と、水中軸受と回転軸の隙間に存在する夾雑物、砂、及び塵等の異物除去とが可能である。
特開2009−074530号公報
特許文献1の軸受診断装置では、水中軸受の異常検出と異物除去だけでなく、気中運転時に水中軸受を冷却することもできる。しかし、特許文献1の軸受診断装置では、気中運転を実行可能な時間を長くすることについては、何も考慮されていない。
本発明は、気中運転の実行時間を長時間化、ないし駆動部を停止することなく気中運転を継続して実行可能なポンプを提供することを課題とする。
本発明は、内部に回転軸が配置されたポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内に配置され、前記回転軸を回転可能に支持する水中軸受と、前記水中軸受が気中にあるのか水中にあるのかを検出する検出手段と、前記水中軸受に冷却用の空気を供給可能な給気機構と、前記水中軸受が気中にあることを前記検出手段が検出すると、前記給気機構によって前記水中軸受を空冷する制御部とを備える
本発明のポンプでは、水中軸受が気中にあることを検出手段が検出すると、給気機構によって水中軸受を空冷するため、気中運転時の水中軸受の発熱を効果的に抑制できる。よって、水中軸受が過度に発熱することに伴う、水中軸受への回転軸の焼き付きを防止できる。また、水中軸受を空冷しない場合と比較して、気中運転の実行時間を長時間化できるだけでなく、駆動部を停止することなく気中運転を継続して実行することも可能である。よって、ポンプ停止時に多くの水が吸水槽に流れ込むことによる排水の遅れを防止できるため、先行待機形のポンプとしての機能を十分に確保でき、信頼性を向上できる。
本発明の第1態様は、前記水中軸受が気中にある状態で前記回転軸の駆動部を動作可能な許容時間と、この許容時間以下の起動時間とが設定されており、前記制御部は、前記水中軸受が気中にあることを前記検出手段が検出したときから前記起動時間が経過すると、前記給気機構による前記水中軸受の空冷を開始するように構成されており、前記給気機構による前記水中軸受への給気量は、前記許容時間と前記起動時間に基づいて設定されている、ポンプを提供する。具体的には、前記給気量は、前記許容時間よりも前記起動時間が短くなるに従って、少なくなるように設定されている。この態様によれば、冷却工程を開始する起動時間を短くすることで、給気機構として低出力のブロワを使用できるため、高出力のブロワを使用する場合と比較して、ポンプのコストダウンを図ることができる。
前記制御部は、前記水中軸受が水に浸かったことを前記検出手段が検出すると、前記給気機構による前記水中軸受の空冷を停止する。この態様によれば、水中軸受への給気によって、揚水に空気が混入することによる排水運転中のポンプの振動を防止できるとともに、給気機構への浸水を防止できる。
前記給気機構は、前記水中軸受に空気を供給可能な圧力タンクを有する。この態様によれば、圧力タンク内に貯留した空気によって水中軸受を空冷できるため、利便性を向上できる。
前記水中軸受は、前記回転軸を挿通する軸孔の外側に、前記回転軸の軸方向に貫通した貫通孔を備える。この態様によれば、水中軸受(摺動体)を効果的に冷却できるため、駆動部を停止することなく気中運転を継続して実行できる。
本発明の第2態様は、前記水中軸受は、前記回転軸の外周に配置され、前記回転軸を挿通する軸孔を含む摺動体と、前記摺動体の外周に配置され、前記摺動体を保持するバックシェルと、前記バックシェルに設けられ、前記回転軸の軸方向に貫通した貫通孔とを有する、ポンプを提供する。この態様によれば、摺動体ではなくバックシェルに貫通孔が設けられているため、摺動体の強度低下を防止でき、摺動体による回転軸の保持に影響が及ぶことを防止できる。
本発明の第3態様は、前記給気機構から前記水中軸受への給気圧と、前記ポンプケーシングの内圧との差を検出する差圧検出部を備え、前記制御部は、前記差圧検出部の検出結果に基づいて前記水中軸受の摩耗量を判断する判断部を含み、前記判断部の判断結果に基づいて、前記水中軸受の摩耗量を判断する周期を変更する、ポンプを提供する。この態様によれば、判断部の判断結果に基づいて摩耗量を判断する周期を変更するため、水中軸受の異常(摩耗)を適切に判断でき、隙間が過度に大きくなることによるポンプの異常(振動)を抑制できる。
前記水中軸受が気中にある状態での累積運転時間に応じて、前記水中軸受の予定摩耗量が予め設定されており、前記制御部は、前記判断部が判断した前記水中軸受の摩耗量と前記予定摩耗量とに基づいて、前記水中軸受の交換時期を判定する判定部を含む。この態様によれば、水中軸受の交換部品の準備期間を含む交換時期を適切に判定できるため、利便性を向上できる。
本発明のポンプでは、水中軸受が空気に露出すると、給気機構によって水中軸受を空冷するため、気中運転時の水中軸受の発熱を抑制できる。よって、気中運転の実行時間を長時間化できるだけでなく、駆動部を停止することなく気中運転を継続して実行することも可能である。
本発明の実施形態に係る立軸ポンプを示す断面図。 水中軸受の縦断面図。 水中軸受の温度と冷却性能の関係を示すグラフ。 立軸ポンプの構成を示すブロック図。 水中軸受の横断面図。 水中軸受の分解斜視断面図。 バックシェルの内面を示す斜視図。 制御部による冷却工程を示すフローチャート。 図8の隙間測定を示すフローチャート。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る立軸ポンプ10を示す。この立軸ポンプ10は、吸水槽1に流入した雨水等を下流側へ排水するものであり、吸水槽1の水位によって排水運転、気水混合運転、及び気中運転に切り換わる先行待機形ポンプである。本実施形態では、ポンプケーシング12内の水中軸受27を強制空冷する給気機構60を設けることで、気中運転の実行時間を長時間化する。
(立軸ポンプの概要)
図1に示すように、立軸ポンプ10は、ポンプケーシング12、回転軸22、羽根車25、水中軸受27、及び駆動部56を備える。
ポンプケーシング12は、吸水槽1上を覆う据付床2に固定されており、吸水槽1内に配置された揚水管13と、据付床2上に配置された吐出し管18とを備える。揚水管13は、直管14、ベーンケーシング15、及びベルマウス17を備え、この順で上側から下側へ接続されている。吐出し管18は、中心軸が90度湾曲した吐出エルボ19を備え、直管14の上端に接続されている。吐出エルボ19の出口には、下流側へ排水するための送水管(図示せず)が接続されている。
回転軸22は、吐出エルボ19を貫通し、揚水管13の軸線に沿って回転可能に配置されている。回転軸22の上端は、吐出エルボ19から外方へ突出されている。吐出エルボ19の回転軸22が貫通する部分は、軸封装置によって水密にシールされている。
羽根車25は、ベーンケーシング15内に位置する回転軸22の下端に固定されている。ベーンケーシング15内には軸受ケーシング16が固定されており、この軸受ケーシング16の下側に、羽根車25が配置されている。
水中軸受27は、回転軸22を回転可能に支持するもので、ポンプケーシング12内に配置されている。水中軸受27の数は、揚水管13の全長によって定められており、本実施形態では、ベーンケーシング15の下端と直管14内に、合計で3個配置されている。
図4を参照すると、水中軸受27は円筒状であり、回転軸22の軸方向に間隔をあけて配置された2組の摺動体ユニットを備える。摺動体ユニットは、回転軸22の方から径方向外側へ順に、摺動体29、バックシェル32、及び防振部材43を備える。これらの摺動体ユニットは、バックシェル32が上下逆向きになるように、カバーケース48内に配置されている。
引き続いて図1を参照すると、駆動部56は、回転軸22の上端に接続された電動モータからなる。駆動部56には、内燃機関の1つであるディーゼル機関を用いてもよい。駆動部56によって回転軸22を回転させると、回転軸22と一体に羽根車25が回転されることで、吸水槽1内の水がポンプケーシング12内を通って下流側へ排出される。
立軸ポンプ10は、吸水槽1内の水位によって、水を下流側へ排出する排水運転、排水することなく揚水管13内に揚水を保持した気水混合運転、及び揚水管13内に揚水が無い気中運転に切り換わる。排水運転中と気水混合運転中には、水中軸受27は、揚水管13内の揚水によって冷却されるため、過度に発熱することはない。しかし、水中軸受27が空気に露出した気中運転では、水によって水中軸受27を冷却できないため、回転軸22の摺接によって水中軸受27が過度に発熱すると、水中軸受27(摺動体29)に回転軸22が焼き付く。
この気中運転時の問題を解消するために、本実施形態の立軸ポンプ10には、水中軸受27を強制冷却するための給気機構60が設けられるとともに、水中軸受27に空冷による冷却構造が設けられている。また、摺動体29の摩耗状態を監視する監視装置82が設けられている。なお、以下の説明では、必要に応じて下段の水中軸受を27A、中段の水中軸受を27B、上段の水中軸受を27Cとして説明する。
(給気機構の概要)
給気機構60は、水中軸受27が空気に露出すると制御部80によって駆動され、水中軸受27を空冷するものである。図1及び図2に示すように、給気機構60は、水位センサ(検出手段)62、1個のブロワ65、1個の切換弁67、水中軸受27と同数(本実施形態では3個)の定流量弁68、及び水中軸受27と同数の逆止弁69を備える。また、給気機構60は、ブロワ65の給気圧を検出する圧力センサ71と、ブロワ65の給気を補うための圧力タンク73とを備える。
水位センサ62は、水中軸受27が気中にあるのか水中にあるのかを検出するもので、水中軸受27の上下に配置した電極によって構成されている。本実施形態のように3個の水中軸受27A〜27Cを備える場合、水位センサ62として、1個のベース電極63aと3個の検出電極63b〜63dとが、ポンプケーシング12内に配置される。これらの電極63a〜63dは、制御部80に電気的に接続されている。
ベース電極63aは、水中軸受27A(羽根車25)よりも下方に位置するように、ベルマウス17内に配置されている。検出電極63bは、水中軸受27A,27B間かつ水中軸受27Aの近傍に位置するように、直管14内に配置されている。検出電極63cは、水中軸受27B,27C間かつ水中軸受27Bの近傍に位置するように、直管14内に配置されている。検出電極63dは、水中軸受27Cよりも上方かつ水中軸受27Cの近傍に位置するように、直管14内に配置されている。水位センサ62は、ベース電極63aと検出電極63b〜63dとの間の導通の有無によって、検出電極63b〜63dを配置した部位まで揚水が有るのか無いのか、つまり水中軸受27A〜27Cが気中にあるのか水中にあるのかを検出できる。
ブロワ65は、冷却用の空気を外部から取り込んで水中軸受27A〜27Cに供給するもので、配管66aによって切換弁67に接続され、制御部80に電気的に接続されている。
切換弁67は、3個の水中軸受27A〜27Cのうちのいずれかとブロワ65とを選択的に接続する四方弁であり、制御部80に電気的に接続されている。この切換弁67の1箇所の入口には配管66aが接続され、3箇所の出口には配管66b〜66dがそれぞれ接続されている。
配管66b〜66dは、ポンプケーシング12に設けられた連通部20の外端に接続され、この連通部20を介して水中軸受27A〜27Cにそれぞれ接続されている。連通部20の内端は、水中軸受27A〜27Cのカバーケース48に接続されている。図4を参照すると、カバーケース48は、防振部材43の外周部を覆う円筒状の外周壁49を備える。外周壁49には、一対の摺動体ユニット間に位置するように、1個の接続孔50が設けられ、この接続孔50に連通部20が接続されている。
定流量弁68は、ブロワ65(配管66a)側の流量や圧力に変化が生じても、水中軸受27A〜27Cへの流量を一定に保つ機能を備えたバルブであり、配管66b〜66dにそれぞれ介設されている。
逆止弁69は、ブロワ65から水中軸受27A〜27Cに向けた空気の流動を許容し、逆向きの空気の流動を阻止するバルブであり、定流量弁68の下流側に位置するように、配管66b〜66dにそれぞれ介設されている。
圧力センサ71は、ブロワ65の給気圧を検出するもので、配管66aに接続され、制御部80に電気的に接続されている。
圧力タンク73は、ブロワ65による給気が不足している際、及び水中軸受27A〜27Cの緊急冷却が必要な際、貯留した空気を水中軸受27A〜27Cに供給するもので、配管66aにおける圧力センサ71の下流側に分岐接続されている。圧力タンク73が接続された分岐管74には、電磁弁75と逆止弁76が並列に接続されている。電磁弁75は、常閉弁であり、制御部80に電気的に接続されている。逆止弁76は、ブロワ65から圧力タンク73に向けた空気の流動を許容し、逆向きの空気の流動を阻止するバルブである。圧力タンク73には、制御部80によるブロワ65の駆動によって、逆止弁76を通して定められた容量の空気が貯留される。
図1中の78は、何らかの異常によって配管66a内が過度に昇圧した際、外部へ脱圧するための安全弁である。
制御部80は、水位センサ62の検出結果に基づいてブロワ65を制御するとともに、圧力センサ71の検出結果に基づいて電磁弁75を制御するもので、単一又は複数のマイクロコンピュータ、及びその他の電子デバイスによって構成されている。制御部80は、制御プログラムと、制御プログラムで使用する閾値等の制御データとを記憶する記憶部80aを備える。
ベース電極63aと全ての検出電極63b〜63dとの間に導通が有る場合、制御部80は、全ての水中軸受27A〜27Cが水中にあると判断する。この場合、制御部80は、ブロワ65を停止状態に維持し、水中軸受27A〜27Cの空冷を行わない。
ベース電極63aと検出電極63b,63cとの間には導通が有り、電極63a,63d間には導通が無い場合、制御部80は、水中軸受27A,27Bは水中にあり、水中軸受27Cは気中にあると判断する。この場合、制御部80は、ブロワ65を駆動するとともに、ブロワ65と水中軸受27Cが連通するように切換弁67を切り換えて、水中軸受27Cを空冷する。
電極63a,63b間に導通が有り、ベース電極63aと検出電極63c,63dとの間には導通が無い場合、制御部80は、水中軸受27Aは水中にあり、水中軸受27B,27Cは気中にあると判断する。この場合、制御部80は、ブロワ65を駆動するとともに、ブロワ65と水中軸受27Bが連通する状態と、ブロワ65と水中軸受27Cが連通する状態とを、切換弁67によって所定時間毎に切り換えて、水中軸受27B,27Cを交互に空冷する。
ベース電極63aと全ての検出電極63b〜63dとの間に導通が無い場合、制御部80は、全ての水中軸受27A〜27Cが気中にあると判断する。この場合、制御部80は、ブロワ65を駆動するとともに、ブロワ65と水中軸受27Aが連通する状態、ブロワ65と水中軸受27Bが連通する状態、及びブロワ65と水中軸受27Cが連通する状態を、切換弁67によって所定時間毎に切り換えて、水中軸受27A〜27Cを順番に空冷する。
ブロワ65による空冷は、定められた冷却周期で対象の水中軸受27A〜27Cの全てが空冷されるように、構成されている(例えば3600秒/水中軸受の個数)。具体的には、冷却対象が水中軸受27Cのみの場合、制御部80は、水中軸受27Cだけを継続的に空冷する。冷却対象が2個の水中軸受27B,27Cの場合、制御部80は、冷却周期の1/2が経過する毎に切換弁67を切り換え、水中軸受27B,27Cを交互に空冷する。冷却対象が全ての水中軸受27A〜27Cの場合、制御部80は、冷却周期の1/3が経過する毎に切換弁67を切り換え、水中軸受27A〜27Cを順番に空冷する。
水中軸受27A〜27Cに供給された空気は、接続孔50から一対の摺動体ユニット間に流入し、回転軸22に衝突することで、回転軸22に沿って上下に通過する。これにより、摺動体29を空冷できるため、回転軸22の摺接による摺動体29の過度の発熱を防止できる。
水中軸受27A〜27Cの空冷時、制御部80は、圧力センサ71の検出結果に基づいて、ブロワ65からの給気量が不足しているか否かを判断する。そして、給気量が不足している場合、制御部80は、電磁弁75を開弁させ、圧力タンク73内の空気を併せて水中軸受27A〜27Cに供給する。
また、水中軸受27A〜27Cの空冷時、ポンプケーシング12内に水が進入し、水中軸受27A〜27Cが水に浸かったこと水位センサ62が検出すると、制御部80は、ブロワ65を停止することで、水中軸受27A〜27Cの空冷を停止する。ブロワ65を停止するタイミングは、検出電極63b〜63dの検出結果に基づいて個別に行うことが好ましいが、下段の水中軸受27Aが水に浸かったことを検出した時でもよいし、上段の水中軸受27Cが水に浸かったことを検出した時でもよい。
このように、水中軸受27A〜27Cが気中にあることを水位センサ62が検出すると、制御部80が給気機構60によって水中軸受27A〜27Cを空冷するため、気中運転時の水中軸受27A〜27Cの発熱を効果的に抑制できる。また、ブロワ65からの給気量が不足している場合、圧力タンク73内に貯留した空気によって水中軸受27A〜27Cを空冷できる。よって、水中軸受27A〜27Cが過度に発熱することに伴う、水中軸受27A〜27Cへの回転軸22の焼き付きを防止できる。また、排水運転時に回転軸22と水中軸受27の間に侵入した異物(排水に含まれた細かい砂やシルト等)も除去できる。
また、水中軸受27A〜27Cが水に浸かったことを水位センサ62が検出すると、制御部80は、給気機構60による水中軸受27A〜27Cの空冷を停止する。そのため、水中軸受27A〜27Cへの給気によって、揚水に空気が混入することによる排水運転中のポンプケーシング12の振動を防止できるとともに、給気機構60への浸水を防止できる。
(ブロワの給気設定)
気中運転時の水中軸受27A〜27Cの温度上昇と、ブロワ65による冷却性能の関係とを、図3を参照して説明する。図3の縦軸は水中軸受27A〜27Cの温度T(℃)であり、図3の横軸は時間である。この図3に示すように、水中軸受27A〜27C(摺動体29)には、回転軸22との焼き付きを防ぐために、温度上昇の上限である許容温度Ta(この例では95℃)が定められている。
図3に破線で示すように、空冷することなく駆動部56を駆動し続けた場合、摺動体29の温度Tは、許容温度Taを超える。これを防ぐには、駆動部56を停止して摺動体29を自然冷却する方法がある。この場合、駆動部56を動作可能な許容時間taが、実験等によって見出され、予め定められる。しかし、この場合、駆動部56の停止時に多量の水が吸水槽1内に流入すると、排水が遅れるため、先行待機形のポンプ10としての機能を十分に確保できない。
そこで、本実施形態では、許容時間taを基準として、気中運転になった時点から給気機構60によって水中軸受27A〜27Cの空冷を開始するまでの起動時間tsが設定されている。この起動時間tsは許容時間ta以下である。
図3中の太い実線(空冷1)は、気中運転の開始後、許容時間taが経過すると同時に、ブロワ65による空冷を開始した第1実施例を示す。図3中の細い実線(空冷2)は、気中運転の開始後、許容時間taが経過する前に、ブロワ65による空冷を開始した第2実施例を示す。図3中の一点鎖線(空冷3)は、気中運転の開始後、許容時間taが経過する前、且つ第2実施例の起動時間taよりも早い時点で、ブロワ65による空冷を開始した第3実施例を示す。許容時間taを基準として起動時間tsを指数で表すと、第1実施例の起動時間tsは「1」であり、第2実施例の起動時間tsは「0.8」であり、第3実施例の起動時間tsは「0.5」である。
起動時間tsを許容時間ta以下とした場合、駆動部56の駆動を継続しても、水中軸受27A〜27Cの温度Tは、許容温度Taを超えることはない。よって、水中軸受27A〜27Cを空冷しない場合と比較して、気中運転の実行時間を長時間化できるだけでなく、駆動部56を停止することなく気中運転を継続して実行することも可能である。このようにすれば、ポンプ停止時に多くの水が吸水槽1に流れ込むことによる排水の遅れを防止できるため、先行待機形のポンプ10としての機能を十分に確保でき、信頼性を向上できる。
水中軸受27A〜27Cの冷却効率は、ブロワ65の給気量Q(m3/min)に関連している。具体的には、起動時間tsが許容時間taに近づく(遅くなる)に従って、水中軸受27A〜27Cの上昇温度が高くなるため、冷却に必要な給気量Qは多くなる。一方、ブロワ65の起動時間tsが早くなるに従って、水中軸受27A〜27Cの上昇温度は低くなるため、冷却に必要な給気量Qは少なくて済む。このような知見に基づいて、ブロワ65からの給気量Qは、以下の数式(1)のように、許容時間taよりも起動時間tsが短くなるに従って、少なくなるように設定されている。
Figure 0006976179
このように、給気機構60として使用可能なブロワ65の能力(出力)は、許容時間taと起動時間tsによって定めることができる。そして、空冷を開始する起動時間tsを短くすることで、低出力のブロワ65を使用できるため、高出力のブロワ65を使用する場合と比較して、全体のコストダウンを図ることができる。
(水中軸受の冷却構造の概要)
前述のように、水中軸受27は、摺動体29、バックシェル32、及び防振部材43を備え、カバーケース48内に配置されている。図4から図6に示すように、水中軸受27には、給気機構60による冷却効率を向上するために、回転軸22を軸支する軸孔30の外側に、供給された空気を通す貫通孔33が形成されている。
摺動体29は、セラミック又は熱伝導率が低い樹脂からなり、中心に回転軸22(スリーブ23)を挿通する軸孔30を備える。摺動体29は、回転軸22を取り囲む円筒形状に形成されているが、周方向に分割した複数の扇形状に形成してもよい。
バックシェル32は円筒状であり、ステンレス又は銅合金等の熱伝導性が良好な材料によって形成されている。バックシェル32は、摺動体29の外側に配置され、摺動体29を保持(固定)している。本実施形態のバックシェル32は、内環部材34と外環部材38とで構成されており、これらの対向部分に、回転軸22の軸方向に貫通する空冷用の貫通孔33が形成されている。
内環部材34は、摺動体29の外周面と概ね同一直径の内周面を備え、摺動体29に対して焼きばめによって結合されている。内環部材34の軸方向の一端には、径方向内向きに突出し、摺動体29の軸方向の一端を保持する突出部35が設けられている。外環部材38は、内環部材34の外周面と概ね同一直径の内周面を備える。外環部材38の軸方向の一端には、径方向外向きに突出し、防振部材43の軸方向の一端を保持する突出部39が設けられている。
内環部材34の外周面には、内環部材34の径方向内向きに窪む螺旋状のネジ溝36が設けられている。外環部材38の内周面には、外環部材38の径方向内向きに突出する螺旋状のネジ突起40が設けられている。ネジ溝36にネジ突起40を螺合させることで、内環部材34と外環部材38とが組み付けられる。ネジ溝36に対してネジ突起40を締め付ける向きは、回転軸22が回転する向きと同じになるように設定され、回転軸22の回転によって内環部材34と外環部材38が緩み、これらの分解を防止することが好ましい。なお、内環部材34にネジ突起40を設け、外環部材38にネジ溝36を設けてもよい。
貫通孔33は、内環部材34に形成されたネジ溝36によって構成されている。詳しくは、ネジ溝36は、内環部材34の一端から他端にかけて貫通(連続)する螺旋状に形成されている。ネジ溝36の溝深さは、外環部材38のネジ突起40の突起高さよりも大きく形成されている。これらの寸法差は、ネジ溝36の底とネジ突起40の先端との間に、空気が流動可能な通路面積を確保できる幅に設定されている。これにより、バックシェル32には、軸方向の一端から他端まで連通した螺旋状の貫通孔33が形成される。なお、ネジ突起40は、外環部材38の一端側に設けられ、ネジ溝36よりも巻き数が少ない螺旋状に形成されているが、外環部材38の一端から他端にかけて連続するように形成してもよい。
内環部材34と外環部材38は、固定ピン41によって更に固定されている。固定ピン41は、六角ネジによって構成されており、外環部材38の外側から径方向内向きに締め付けられている。固定ピン41は、ネジ溝36を塞がない位置に配置されている。
図7を参照すると、内環部材34の内周面には、摺動体29から離れる向きに窪む凹溝37が設けられている。凹溝37は、摺動体29との間に通気用の空隙を形成するもので、ローレット加工を施すことによって形成されている。本実施形態の凹溝37は、格子状に形成され、内環部材34の軸方向の一端から他端にかけて連通している。
図4から図6に示すように、防振部材43は、バックシェル32の外周に配置された2以上(本実施形態では4個)のバンプフォイル軸受44によって構成されている。バンプフォイル軸受44は概ね円環状で、厚みが均一な金属板によって形成されている。バンプフォイル軸受44には、外周部45から径方向内側へ断面半円状に突出し、バックシェル32の外周面に当接する複数の凸条46が形成されている。凸条46は、回転軸22の軸方向に沿って延び、周方向に間隔をあけて設けられている。
2以上のバンプフォイル軸受44は、個々の中心が同一軸線上に位置するように、回転軸22の軸方向に配列されている。図5に最も明瞭に示すように、隣接したバンプフォイル軸受44の凸条46は、回転軸22の周方向の異なる位置に配置されている。詳しくは、下段のバンプフォイル軸受44の凸条46は、上段のバンプフォイル軸受44の隣接する凸条46の間に位置するように、配置されている。
カバーケース48は、前述のように、給気機構60と接続する接続孔50が形成された外周壁49を備える。また、カバーケース48は、回転軸22の軸方向における外周壁49の一端と他端に、径方向内向きに突出する端壁51を備える。端壁51には、周方向に定められた間隔をあけて複数の通気孔52が設けられている。
図5に示すように、カバーケース48とバックシェル32(外環部材38)とは、固定ピン54によって固定されている。固定ピン54は、六角ネジによって構成されており、カバーケース48の外側から径方向内向きに締め付けられている。カバーケース48の内側に防振部材43を配置し、防振部材43の内側にバックシェル32を配置し、固定ピン54によって、バックシェル32とカバーケース48とを固定する。これにより、カバーケース48とバックシェル32の間に防振部材43が保持されている。
図4に示すように、このように構成された水中軸受27では、ネジ溝36によって構成された貫通孔33がバックシェル32に形成されている。バックシェル32と摺動体29の間には、バックシェル32に形成した凹溝37によって、空気が流動可能な空隙が形成されている。バックシェル32と防振部材43との間には、防振部材43に形成した凸条46によって、空気が流動可能な空隙が形成されている。防振部材43は金属板からなるバンプフォイル軸受44によって構成されているため、内部を空気が流動可能である。
立軸ポンプ10の気中運転時、回転軸22の回転によって昇温した摺動体29の熱は、バックシェル32とバンプフォイル軸受44に伝導するため、これらの温度も昇温する。
接続孔50から水中軸受27内に供給された空気は、摺動体29とスリーブ23の隙間、バックシェル32の貫通孔33、バックシェル32と摺動体29の間の空隙、バックシェル32と防振部材43の間の空隙、及び防振部材43の空隙を通り、熱交換作用によって各構成部材の熱を吸着する。そして、上下の摺動体ユニットを通過した空気は、カバーケース48の通気孔52から外部へ流出する。
摺動体29は、摺動体29とスリーブ23の間の隙間、及びバックシェル32と摺動体29の間の空隙を流動する空気によって、冷却される。バックシェル32は、バックシェル32の貫通孔33、バックシェル32と摺動体29の間の空隙、及びバックシェル32と防振部材43の間の空隙を流動する空気によって、冷却される。防振部材43は、バックシェル32と防振部材43の間の空隙、及び防振部材43の空隙を流動する空気によって、冷却される。カバーケース48は、防振部材43の空隙を流動する空気、及びカバーケース48の外部の空気によって、冷却される。
このように、給気機構60から水中軸受27への給気によって、摺動体29、バックシェル32、及び防振部材43が冷却される。また、最も昇温する摺動体29は、バックシェル32との熱交換によっても冷却される。よって、摺動体29の温度Tが許容温度Taを超えて過度に発熱することによる回転軸22の焼き付きを効果的に防止できる。
貫通孔33は、摺動体29ではなくバックシェル32に設けられているため、摺動体29の剛性低下を防止でき、摺動体29による回転軸22の保持に影響が及ぶことを防止できる。また、バックシェル32は内環部材34と外環部材38によって構成され、内環部材34の外周面に貫通孔33を構成するネジ溝36が形成されているため、所定形状の貫通孔33を、バックシェル32に確実に形成できる。特に、本実施形態のように、貫通孔33を螺旋状に形成すれば、空気が流動する距離を長くできるため、熱交換可能な時間を確保でき、バックシェル32の冷却効率を向上できる。また、貫通孔33は、ラビリンス構造等の複雑な形状に形成することも可能である。
内環部材34と外環部材38は、固定ピン41によって固定されているため、回転軸22の回転によって緩み、分解されることはない。防振部材43は2以上のバンプフォイル軸受44からなるため、回転軸22の振動に対する減衰機能を持たせることができる。また、防振部材43内にも空気が流動するため、防振部材43の耐熱温度を向上できる。
(監視装置の概要)
監視装置82は、摺動体29の摩耗量Wの判断と、水中軸受27の交換時期の判定とを行うものである。図1及び図2に示すように、監視装置82は、差圧センサ84と、制御部80とによって構成されている。制御部80は、気中運転時に、水中軸受27A〜27Cの個々の摺動体29の摩耗量Wを判断する判断部80bを含む。また、制御部80は、水中軸受27A〜27Cの交換時期を判定する判定部80cを含む。
差圧センサ84は、ブロワ65から水中軸受27への給気圧と、ポンプケーシング12の内圧との差(差圧)を検出する差圧検出部であり、制御部80に電気的に接続されている。この差圧センサ84は、差圧測定配管85に介設されている。差圧測定配管85の一端は、水中軸受27A〜27Cよりも下流側である吐出し管18に接続され、差圧測定配管85の他端は、配管66aの圧力タンク73と切換弁67の間に接続されている。
摺動体29とスリーブ23の隙間が小さい時(摺動体29の摩耗が少ない時)の差圧センサ84の検出値(検出結果)ΔP1は、摺動体29とスリーブ23の隙間が大きくなった時の検出値ΔP2よりも、大きい。つまり、差圧センサ84の検出値ΔPは、摺動体29の摩耗が進み、摺動体29とスリーブ23の隙間が大きくなるに従って、次第に小さくなる。
記憶部80aには、差圧センサ84の検出値ΔPに対応する摺動体29の摩耗量Wと、気中運転の累積運転時間toに応じた予定摩耗量Wpとが、記憶されている。また、記憶部80aには、摺動体29とスリーブ23の隙間の許容値GP、限界値GL、及び危険値GDが、記憶されている。許容値GPとは、以後の気中運転の実行は可能であるが、摺動体29の摩耗が急激に増大する可能性があるレベルである。限界値GLとは、以後の短期的(例えば12ヶ月)な先行待機運転の実行は可能であるが、水中軸受27(摺動体29)の交換準備が必要なレベルである。危険値GDとは、以後の先行待機運転の実行が不可能なレベルである。
判断部80bは、差圧センサ84から入力された検出値ΔPと、記憶部80aに記憶されたデータとに基づいて、水中軸受27の摩耗量Wを判断する。この判断は、給気機構60による水中軸受27A〜27Cの個別冷却時に、個別に行われる。
制御部80は、水中軸受27の摺動体29の摩耗量Wの判断結果に基づいて、摩耗量Wを判断する周期を変更するように構成されている。詳しくは、摺動体29の摩耗量Wの判断結果が許容値GPを超えると、制御部80は、監視装置82を動作させる周期を変更する。例えば、摺動体29の摩耗量Wの測定周期は、水中軸受27を交換した直後には1ヶ月から2ヶ月に設定され、摩耗量Wが許容値GPを超えると半分(0.5ヶ月〜1ヶ月)に設定される。これにより、水中軸受27の摩耗量Wを適切に判断し、隙間が過度に大きくなることによるポンプの異常(振動)を抑制している。
判定部80cは、判断した摺動体29の摩耗量Wと予定摩耗量Wpに基づいて、予め設定した保障期間(例えば20年)よりも早く水中軸受27(摺動体29)の交換が必要になるか否かを判定する。詳しくは、判定部80cは、水中軸受27A〜27Cについて、個々の摩耗量Wの複数の判断結果から摩耗が進む時間勾配を演算し、その時間勾配に基づいて危険値GDに達するまでの期間を判定する。そして、制御部80は、電気的に接続されたモニタ(報知手段)87によって、水中軸受27の交換時期及びメンテナンスを促す表示(報知)を行う。このようにすれば、水中軸受27を交換するための準備期間を含む交換時期を適切に判定できるため、ポンプ設備を管理する使用者の利便性を向上できる。なお、モニタ87に表示する代わりに、複数のポンプ設備を集中管理する監視センターに、水中軸受27の異常と交換時期を送信してもよい。
次に、制御部80による水中軸受27の冷却処理について、具体的に説明する。
(メインフロー)
図8に示すように、制御部80は、立軸ポンプ10が気中運転になるまで待機する(ステップS1)。気中運転になったか否かの判断は、前述のように、水位センサ62の検出結果に基づいて行われる。この段階では、ブロワ65は停止され、水中軸受27への給気は行われていない。
気中運転になると、制御部80は、内蔵したタイマ80dによって気中運転の実行時間の計測を開始し、計測時間が起動時間tsになるまで待機する(ステップS2)。そして、起動時間tsになると、制御部80は、給気機構60(ブロワ65)を駆動させて、水中軸受27の冷却を開始する(ステップS3)。これにより、3個の水中軸受27A〜27Cが順番に冷却される。
続いて、制御部80は、記憶部80aに記憶された累積運転時間toを読み込み、水中軸受27の隙間測定を行う周期になっているか否かを判断し(ステップS4)、測定周期になっている場合には監視装置82による隙間測定を行う(ステップS5)。
隙間測定の完了後、又は測定周期になっていない場合、制御部80は、水中軸受27が水に浸かるまで、つまり立軸ポンプ10が気水混合運転又は排水運転になるまで待機する(ステップS6)。この待機中に測定周期になると、制御部80は、水中軸受27の隙間測定を行う。水中軸受27が水に浸かったことを水位センサ62が検出すると、制御部80は、給気機構60の駆動を停止する(ステップS7)。
このように、本実施形態では、水中軸受27が空気に露出すると、給気機構60によって水中軸受27を空冷するため、気中運転時の水中軸受27の発熱を抑制できる。よって、気中運転の実行時間を長時間化できるだけでなく、駆動部56を停止することなく気中運転を継続して実行することも可能である。
(隙間測定:ステップS5)
ステップS5の隙間測定では、制御部80(判断部80b)は、差圧センサ84によって、水中軸受27A〜27Cの摺動体29の摩耗量Wを個別に測定し(ステップS5−1)、個々の摺動体29の摩耗量Wが限界値GL未満であるか否かを判断する(ステップS5−2)。摩耗量Wが限界値GL以上の場合(つまり摩耗量Wが限界値GLに達している場合)、制御部80は、モニタ87によって交換時期の報知を行い(ステップS5−7)、リターンする。
摺動体29の摩耗量Wが限界値GL未満の場合(つまり摩耗量Wが限界値GLに達していない場合)、制御部80は、摺動体29の摩耗量Wが許容値GPを超えているか否かを判断する(ステップS5−3)。摩耗量Wが許容値GPを超えている場合、制御部80は、測定周期が短くなるように変更する(ステップS5−4)。
測定周期の変更後、又は摩耗量Wが許容値GPに達していない場合、制御部80は、摺動体29の摩耗量Wが累積運転時間toに応じた予定摩耗量Wp以下であるか否かを判断する(ステップS5−5)。摩耗量Wが予定摩耗量Wp以下の場合(つまり摩耗量Wが少ない場合)、制御部80は、そのままリターンする。
摩耗量Wが予定摩耗量Wpよりも大きい場合(つまり摩耗量Wが多い場合)、制御部80(判定部80c)は、記憶部80aに記憶された摩耗量Wの複数の判断結果に基づいて、危険値GDに達するまでの期間を判定し、水中軸受27の交換時期を変更する(ステップS5−6)。続いて、制御部80は、モニタ87によって交換時期の報知を行い(ステップS5−7)、リターンする。なお、この交換時期の判定も、摩耗量Wの判断と同様に、水中軸受27A〜27C毎に個別に行われる。
このように、判断部80bの判断結果に基づいて摩耗量Wの測定周期を変更するため、水中軸受27の異常(摩耗)を適切に判断でき、隙間が過度に大きくなることによる立軸ポンプ10の異常(振動)を抑制できる。しかも、判断部80bが判断した摩耗量Wと設定された予定摩耗量Wpとに基づいて、判定部80cが水中軸受27の交換時期を判定して報知するため、ポンプ設備を管理する使用者の利便性を向上できる。
なお、本発明のポンプ10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、給気機構60は、水中軸受27に冷却用の空気を供給できる構成であれば、必要に応じて変更が可能である。また、水中軸受27の摩耗量Wを測定する監視装置82の構成も、必要に応じて変更が可能である。
水位センサ(検出手段)62を構成する検出電極63b〜63dは、水中軸受27A〜27Cの下端に位置するように、それぞれ配置してもよい。ポンプケーシング12内の水位は吸水槽1内の水位に対応するため、水位センサ(検出手段)62は、吸水槽1の縦壁(図示せず)に配置したフロート式のレベルセンサによって構成してもよい。また、検出手段は、水中軸受27が気中にあるのか水中にあるのかを検出できる構成であれば、必要に応じて変更が可能である。
給気機構60として高出力のブロワ60を用い、水中軸受27に給気を開始するタイミングを、摺動体29の温度Tが許容温度Taに達する直前としてもよい。また、水中軸受27に給気するタイミングに拘わらず、ブロワ60の出力は同じにしてもよい。
冷却構造を含む水中軸受27の構成は、必要に応じて変更が可能である。例えば、バックシェル32は、回転軸22の軸方向に貫通する貫通孔33を形成した1個の部品によって構成してもよい。また、水中軸受27には、貫通孔33を含む冷却構造を設けなくてもよい。
給気機構60によって水中軸受27を冷却する構成は、先行待機形の立軸ポンプ10に限られず、汎用の立軸ポンプに採用してもよいし、回転軸を水平方向に配置した横軸ポンプに採用してもよい。
1…吸水槽
2…据付床
10…ポンプ
12…ポンプケーシング
13…揚水管
14…直管
15…ベーンケーシング
16…軸受ケーシング
17…ベルマウス
18…吐出し管
19…吐出エルボ
20…連通部
22…回転軸
23…スリーブ
25…羽根車
27(27A〜27C)…水中軸受
29…摺動体
30…軸孔
32…バックシェル
33…貫通孔
34…内環部材
35…突出部
36…ネジ溝
37…凹溝
38…外環部材
39…突出部
40…ネジ突起
41…固定ピン
43…防振部材
44…バンプフォイル軸受
45…外周部
46…凸条
48…カバーケース
49…外周壁
50…接続孔
51…端壁
52…通気孔
54…固定ピン
56…駆動部
60…給気機構
62…水位センサ(検出手段)
63a〜63d…電極
65…ブロワ
66a〜66d…配管
67…切換弁
68…定流量弁
69…逆止弁
71…圧力センサ
73…圧力タンク
74…分岐管
75…電磁弁
76…逆止弁
78…安全弁
80…制御部
80a…記憶部
80b…判断部
80c…判定部
80d…タイマ
82…監視装置
84…差圧センサ(差圧検出部)
85…差圧測定配管
87…モニタ

Claims (10)

  1. 内部に回転軸が配置されたポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシング内に配置され、前記回転軸を回転可能に支持する水中軸受と、
    前記水中軸受が気中にあるのか水中にあるのかを検出する検出手段と、
    前記水中軸受に冷却用の空気を供給可能な給気機構と、
    前記水中軸受が気中にあることを前記検出手段が検出すると、前記給気機構によって前記水中軸受を空冷する制御部と
    を備え、
    前記水中軸受が気中にある状態で前記回転軸の駆動部を動作可能な許容時間と、この許容時間以下の起動時間とが設定されており、
    前記制御部は、前記水中軸受が気中にあることを前記検出手段が検出したときから前記起動時間が経過すると、前記給気機構による前記水中軸受の空冷を開始するように構成されており、
    前記給気機構による前記水中軸受への給気量は、前記許容時間と前記起動時間に基づいて設定されている、ポンプ。
  2. 前記給気量は、前記許容時間よりも前記起動時間が短くなるに従って、少なくなるように設定されている、請求項に記載のポンプ。
  3. 前記制御部は、前記水中軸受が水に浸かったことを前記検出手段が検出すると、前記給気機構による前記水中軸受の空冷を停止する、請求項1又は2に記載のポンプ。
  4. 前記給気機構は、前記水中軸受に空気を供給可能な圧力タンクを有する、請求項1からのいずれか1項に記載のポンプ。
  5. 前記水中軸受は、前記回転軸を挿通する軸孔の外側に、前記回転軸の軸方向に貫通した貫通孔を備える、請求項1からのいずれか1項に記載のポンプ。
  6. 前記水中軸受は、
    前記回転軸の外周に配置された摺動体と、
    前記摺動体の外周に配置され、前記摺動体を保持するバックシェルと
    を備え、
    前記貫通孔は、前記バックシェルに設けられている、請求項に記載のポンプ。
  7. 内部に回転軸が配置されたポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシング内に配置され、前記回転軸を回転可能に支持する水中軸受と、
    前記水中軸受が気中にあるのか水中にあるのかを検出する検出手段と、
    前記水中軸受に冷却用の空気を供給可能な給気機構と、
    前記水中軸受が気中にあることを前記検出手段が検出すると、前記給気機構によって前記水中軸受を空冷する制御部と
    を備え、
    前記水中軸受は、
    前記回転軸の外周に配置され、前記回転軸を挿通する軸孔を含む摺動体と、
    前記摺動体の外周に配置され、前記摺動体を保持するバックシェルと、
    前記バックシェルに設けられ、前記回転軸の軸方向に貫通した貫通孔と
    を有する、ポンプ。
  8. 前記給気機構から前記水中軸受への給気圧と、前記ポンプケーシングの内圧との差を検出する差圧検出部を備え、
    前記制御部は、前記差圧検出部の検出結果に基づいて前記水中軸受の摩耗量を判断する判断部を含み、前記判断部の判断結果に基づいて、前記水中軸受の摩耗量を判断する周期を変更する、請求項1から7のいずれか1項に記載のポンプ。
  9. 内部に回転軸が配置されたポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシング内に配置され、前記回転軸を回転可能に支持する水中軸受と、
    前記水中軸受が気中にあるのか水中にあるのかを検出する検出手段と、
    前記水中軸受に冷却用の空気を供給可能な給気機構と、
    前記給気機構から前記水中軸受への給気圧と、前記ポンプケーシングの内圧との差を検出する差圧検出部と、
    前記水中軸受が気中にあることを前記検出手段が検出すると、前記給気機構によって前記水中軸受を空冷する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記差圧検出部の検出結果に基づいて前記水中軸受の摩耗量を判断する判断部を含み、前記判断部の判断結果に基づいて、前記水中軸受の摩耗量を判断する周期を変更する、ポンプ。
  10. 前記水中軸受が気中にある状態での累積運転時間に応じて、前記水中軸受の予定摩耗量が予め設定されており、
    前記制御部は、前記判断部が判断した前記水中軸受の摩耗量と前記予定摩耗量とに基づいて、前記水中軸受の交換時期を判定する判定部を含む、請求項8又は9に記載のポンプ。
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