JP6975451B2 - 4板式プリズム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入射光を、可視光領域の赤色光,緑色光,青色光,及び非可視光領域の赤外光に分解する4板式プリズム装置に関する。
一般に、色分解用の三つのプリズムを組合わせることにより、入射光を、可視光領域の赤色光,緑色光,青色光に分解する3板式プリズム装置は、各種光学機器等において広く用いられているが、さらに、色分解用のプリズムを追加することにより、他の波長領域の分解光を得るようにした4板式プリズム装置も実用化されている。
従来、この種の4板式プリズム装置としては、特許文献1に開示される固体撮像装置に備える4板式撮像用光分解プリズム及び特許文献2に開示されるビデオカメラおよびそれを用いる画像処理装置に備える色分解プリズムが知られている。特許文献1に開示される4板式撮像用光分解プリズム及び特許文献2に開示される色分解プリズムは、いずれも色分解用の四つのプリズム、即ち、入射光の光軸方向前方に、第一のプリズム,第二のプリズム,第三のプリズム及び第四のプリズムを順番に配した四つのプリズムを組合わせるとともに、第一のプリズムの分解面に第一のダイクロイックコートを、第二のプリズムの分解面に第二のダイクロイックコートを、第三のプリズムの分解面に第三のダイクロイックコートをそれぞれ設けることにより、対応する各分解光を反射させており、これにより、入射光は、四光にそれぞれ分解、具体的には、特許文献1の場合、可視光領域の赤色光,緑色光1,緑色光2,及び青色光に、また、特許文献2の場合、可視光領域の赤色光,緑色光,青色光及び非可視光領域の赤外光に分解される。
特開平9−130819号公報 特開平10−341446号公報
しかし、上述した従来の4板式プリズム装置は、次のような問題点があった。
第一に、この種の4板式プリズム装置では、通常、第一のプリズムの分解面と第二のプリズムの入射面を第一のエアギャップを介して結合するとともに、第二のプリズムの分解面と第三のプリズムの入射面を第二のエアギャップを介して結合し、エアギャップにより各プリズムの内部における分解光を全反射させている。このため、従来の4板式プリズム装置では、エアギャップが二個所で必要になり、構造及び製造工程の煩雑化に基づくコストアップを招くとともに、品質を確保することが容易でない難点があった。
第二に、エアギャップが二個所で必要になることから、プリズム装置の内部における光路が煩雑化し、結果的に、レジストレーションの低下を招きやすいとともに、各プリズムのレイアウト面における自由度が低下するため、全体の小型コンパクト化を図る観点からも大きなマイナス要因となっていた。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した4板式プリズム装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、色分解用の四つのプリズムP1,P2,P3,P4を組合わせることにより、入射光Cを、可視光領域の赤色光Cr,緑色光Cg,青色光Cb,及び非可視光領域の赤外光Ciの四光Cr…にそれぞれ分解し、各プリズムP1,P2,P3,P4の出射面P1e,P2e,P3e,P4eから出射する各出射光を、対応する固体撮像素子10r,10g,10b,10iに入光させる4板式プリズム装置1であって、入射光Cの光軸方向Fc前方へ、第一プリズムP1,第二プリズムP2,第三プリズムP3及び第四プリズムP4を順番に配し、かつ当該第四プリズムP4の光軸方向Fc前方に、赤外光Ciを透過させる赤外線透過フィルタ5を配するとともに、第一プリズムP1の分解面P1rに、四光Cr…の一つ(赤色光Cr)を反射する第一のダイクロイックコートD1を設け、第二プリズムP2の分解面P2rに、四光Cr…の他の一つ(緑色光Cg)を反射する第二のダイクロイックコートD2を設け、第三プリズムP3の分解面P3rに、四光Cr…の他の一つ(青色光Cb)を反射する第三のダイクロイックコートD3を設け、かつ第一プリズムP1の分解面P1rと第二プリズムP2rの入射面P2i間を、エアギャップSaを介して結合し、第三のダイクロイックコートD3に対する入射角Q1を、P偏光に係わるブリュースター角Qbよりも大きい所定の設定角Q1sに選定することにより、第二プリズムP2の分解面P2rと第三プリズムP3の入射面P3i間を、エアギャップレスにより結合することを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、設定角Q1sは、ブリュースター角Qbに対して、1.22〜1.37倍の角度範囲に設定することができる。また、第二プリズムP2の出射面P2eに対する第三プリズムP3の出射面P3eの傾斜角Qmは、15〔°〕以下に設定することができる。さらに、第一プリズムP1の出射面P1eから射出する出射光は赤色光Crに選定し、かつ第二プリズムP2の出射面P2eから射出する射出光は緑色光Cgに選定することができる。
このような構成を有する本発明に係る4板式プリズム装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 第一プリズムP1の分解面P1rと第二プリズムP2rの入射面P2i間を、エアギャップSaを介して結合するとともに、第三のダイクロイックコートD3に対する入射角Q1を、P偏光に係わるブリュースター角Qbよりも大きい所定の設定角Q1sに選定することにより、第二プリズムP2の分解面P2rと第三プリズムP3の入射面P3i間を、エアギャップレスにより結合してなるため、4板式プリズム装置1を構成する場合であっても、一個所のエアギャップSaで足り、構造及び製造工程の簡略化に基づく全体のコストダウンを図れるとともに、品質向上にも寄与できる。
(2) 本来必要となる二個所のエアギャップSa…の一つを排除できるため、レジストレーション性能を高めることができるとともに、特に、エアギャップを必要とする全反射に係わる光路を排除できるため、結果的に、プリズム装置1の内部における全体の光路をシンプル化することができる。これにより、第三プリズムP3及び第四プリズムP4に係わるレイアウト面における自由度を高めることができ、プリズム装置1全体のサイズダウンを図ることができる。
(3) 第四プリズムP4の光軸方向Fc前方に、赤外光Ciを透過させる赤外線透過フィルタ5を配したため、赤外線透過フィルタ5の機能により赤外光Ciのみを透過させることができる。これにより、特に、赤色光Cr,緑色光Cg及び青色光Cbを含む可視光領域の光が除かれた入射光Cの残成分から、赤外光Ciのみを効果的かつ効率的に抽出することができる。
(4) 好適な態様により、設定角Q1sを、ブリュースター角Qbに対して、1.22〜1.37倍の角度範囲に設定するようにすれば、第三のダイクロイックコートD3に対する設定角Q1sを容易に絞り込むことができるため、設定角Q1sの最適化を容易に行うことができ、4板式プリズム装置1全体の光学特性を高めることができる。
(5) 好適な態様により、第二プリズムP2の出射面P2eに対する第三プリズムP3の出射面P3eの傾斜角Qmを、15〔°〕以下に設定すれば、第二プリズムP2の出射面P2eと第三プリズムP3の出射面P3eの平行度を一定範囲に容易に抑えることができるなど、更なる小型コンパクト化に寄与できる。
(6) 好適な態様により、第一プリズムP1の出射面P1eから射出する出射光を、赤色光Crに選定し、かつ第二プリズムP2の出射面P2eから射出する射出光を、緑色光Cgに選定すれば、赤色光Cr,緑色光Cg,青色光Cb,赤外光Ciの四光Cr…における波長域の干渉を最小限に抑えることができるため、赤色光Cr,緑色光Cg,青色光Cb,赤外光Ciの四光Cr…に対する分解性能をより高めることができる。
本発明の好適実施形態に係る4板式プリズム装置の全体の原理的構成を示す側面図、 同4板式プリズム装置の全体におけるプリズム結合部位に着目した原理的構成を示す側面図、 同4板式プリズム装置の第三プリズムの分解面における作用説明図、 同4板式プリズム装置の第三プリズムの分解面に対する入射角と反射率の特性図、 同4板式プリズム装置の第三プリズムの分解面における入射角に対するP偏光とS偏光の反射率データ表、 同第三プリズムの分解面における入射角を40.18〔°〕(Qb)に設定し、かつダイクロイックコートを設けたときの光波長と反射率の特性図、 同第三プリズムの分解面における入射角を40.18〔°〕(Qb)に設定し、かつダイクロイックコートが無いときの光波長と反射率の特性図、 同第三プリズムの分解面における入射角を52〔°〕(Q1s)に設定し、かつダイクロイックコートを設けたときの光波長と反射率の特性図、 同第三プリズムの分解面における入射角を52〔°〕(Q1s)に設定し、かつダイクロイックコートが無いときの光波長と反射率の特性図、 同4板式プリズム装置の第三プリズムの分解面における入射角を55〔°〕に設定し、かつダイクロイックコートを設けたときの光波長と反射率の特性図、 同4板式プリズム装置の第三プリズムの分解面における入射角を55〔°〕に設定し、かつダイクロイックコートが無いときの光波長と反射率の特性図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る4板式プリズム装置1の全体構成について、図1〜図5を参照して説明する。
4板式プリズム装置1は、図1及び図2に示すように、ガラス素材により形成した色分解用の四つのプリズムP1,P2,P3,P4を組合わせて構成する。即ち、第一プリズムP1,第二プリズムP2,第三プリズムP3及び第四プリズムP4を、入射光Cの光軸方向Fc前方へ順番に配することにより全体を一体化構成する。
この場合、第一プリズムP1は、図2に示すように、光路長の調整等を考慮して後プリズム部P11と前プリズム部P12を貼合わせて一体に構成し、表面には、入射面P1i,分解面P1r及び出射面P1eを形成する。一方、第二プリズムP2の表面には、入射面P2i,分解面P2r及び出射面P2eを形成するとともに、第三プリズムP3の表面には、入射面P3i,分解面P3r及び出射面P3eを形成し、また、第四プリズムP4の表面には、入射面P4i,分解面P4r及び出射面P4eを形成する。
さらに、図2に示すように、第一プリズムP1の分解面P1rには、入射面P1iから入射する入射光Cに対して、光波長領域が概ね600〜700〔nm〕の赤色光Crを反射する第一のダイクロイックコートD1をコーティングにより設けるとともに、第二プリズムP2の分解面P2rには、入射面P2iから入射する入射光C(赤色光Crを除く)に対して、光波長領域が概ね500〜600〔nm〕の緑色光Cgを反射する第二のダイクロイックコートD2をコーティングにより設け、さらに、第三プリズムP3の分解面P3rには、入射面P3iから入射する入射光C(赤色光Cr及び緑色光Cgを除く)に対して、光波長領域が概ね400〜500〔nm〕の青色光Cbを反射する第三のダイクロイックコートD3をコーティングにより設ける。
このように、第一プリズムP1の出射面P1eから射出する出射光を、赤色光Crに選定し、かつ第二プリズムP2の出射面P2eから射出する射出光を、緑色光Cgに選定すれば、赤色光Cr,緑色光Cg,青色光Cb,赤外光Ciの四光Cr…における波長域の干渉を最小限に抑えることができるため、赤色光Cr,緑色光Cg,青色光Cb,赤外光Ciの四光Cr…に対する分解性能をより高めることができる利点がある。
そして、図2に示すように、第一プリズムP1の分解面P1r(第一のダイクロイックコートD1)と第二プリズムP2rの入射面P2i間は、エアギャップSaを介して結合する。この場合、入射面P2iの周縁に沿って接着剤を塗布し、この入射面P2iに対して分解面P1rを接着するとともに、この際、エアギャップSaの間隔が概ね5〜15〔μm〕の範囲となるように設定する。
一方、第二プリズムP2の分解面P2r(第二のダイクロイックコートD2)と第三プリズムP3の入射面P3i間は、エアギャップが生じないように結合するとともに、第三プリズムP3の分解面P3r(第三のダイクロイックコートD3)と第四プリズムP4の入射面P4i間も、エアギャップが生じないように結合する。結合に際しては、所定の接着剤を用いて接着することができる。
他方、第一プリズムP1の出射面P1eには、赤色透過フィルタ6rを付設し、この赤色透過フィルタ6rの前方に、赤色透過フィルタ6rを透過して出射した射出光、即ち、赤色光Crが入光する固体撮像素子10rを配設する。この赤色透過フィルタ6rから出射する赤色光Crの出射方向の角度Qrは、第一プリズムP1に入射する入射光Cの光軸方向Fcの角度に対して、概ね46〔°〕に設定することが望ましい。また、第二プリズムP2の出射面P2eには、緑色透過フィルタ6gを付設し、この緑色透過フィルタ6gの前方に、緑色透過フィルタ6gを透過して出射した射出光、即ち、緑色光Cgが入光する固体撮像素子10gを配設する。この緑色透過フィルタ6gから出射する緑色光Cgの出射方向の角度Qgは、第一プリズムP1に入射する入射光Cの光軸方向Fcの角度に対して、概ね69〔°〕に設定することが望ましい。さらに、第三プリズムP3の出射面P3eには、青色透過フィルタ6bを付設し、この青色透過フィルタ6bの前方に、青色透過フィルタ6bを透過して出射した射出光、即ち、青色光Cbが入光する固体撮像素子10bを配設する。この青色透過フィルタ6bから出射する青色光Cbの出射方向の角度Qbは、第一プリズムP1に入射する入射光Cの光軸方向Fcの角度に対して、概ね76〔°〕に設定することが望ましい。
一方、第四プリズムP4の出射面P4eには、赤外線透過フィルタ5を付設し、この赤外線透過フィルタ5の前方に、赤外線透過フィルタ5を透過して出射した射出光、即ち、赤外光Ciが入光する固体撮像素子10iを配設する。このように、第四プリズムP4の光軸方向Fc前方に、赤外光Ciを透過させる赤外線透過フィルタ5を配すれば、赤外線透過フィルタ5の機能により赤外光Ciのみを透過させることができるため、特に、赤色光Cr,緑色光Cg及び青色光Cbを含む可視光領域の光が除かれた入射光Cの残成分から、赤外光Ciのみを効果的かつ効率的に抽出することができる。
また、第三のダイクロイックコートD3に対する入射角Q1は、本発明に従って、青色光CbのP偏光に係わるブリュースター角Qbよりも大きい所定の設定角Q1sに選定する。
この入射角Q1(設定角Q1s)をブリュースター角Qbよりも大きい角度を選定した理由は次のとおりである。通常、設定角Q1sの選定に関しては、前述した特許文献1及び2にも記載されるように、ブリュースター角よりも小さい角度に設定している。即ち、図3に示すように、屈折率(n1,n2)の異なる二つの物質M1(ガラス),M2(接着剤)の界面Kにおいては、入射角Q1を0から徐々に大きくした場合、入射光CにおけるP偏光の反射率Rpが徐々に低下し、ブリュースター角(例示の場合、40.18〔°〕)で0になる。そして、ブリュースター角よりも更に大きくすれば、P偏光の反射率Rpは急激に大きくなり、例示の場合、入射角Q1が57〔°〕付近では全反射と同様の状態になる。なお、入射光CにおけるS偏光の反射率Rsは、入射角Q1が0から大きくなるに従って徐々に大きくなり、例示の場合、57〔°〕付近で限界になる。
このため、従来のプリズム装置では、入射角Q1の設定角Q1sをブリュースター角Qbよりも小さい角度に設定しており、この結果、第三のダイクロイックコートD3を反射した青色光Cbは、第三プリズムP3の入射面P3iに至り、この入射面P3iで全反射した後、第三プリズムP3の出射面P3eに至る光路となっていた。なお、例示の場合、物質M1の屈折率n1は、1.8、物質M2の屈折率n2は、1.52である。
一方、本実施形態では、設定角Q1sを、ブリュースター角Qb(=40.18〔°〕)よりも大きい所定の角度、具体的には、52〔°〕に選定した。入射角Q1の設定角Q1sを52〔°〕に選定した理由は次のとおりである。
図5は、ガラス(M1)と接着剤(M2)の界面Kにおいて、入射角Q1を0から徐々に大きくした場合の入射角(Q1)に対するS偏光の反射率RsとP偏光の反射率Rpを求めたものである。この場合、入射角を0〔°〕から57〔°〕の角度範囲で1/20ずつ大きくした入射角毎に求めたものである。また、図4は、この図5のデータをグラフ化、即ち、入射角Q1に対する反射率Rs,Rpの変化をグラフにより示したものである。なお、図1には、ブリュースター角Qb(40.18〔°〕)と設定角Q1s(52〔°〕)を示している。
図4及び図5から明らかなように、P偏光がブリュースター角Qbよりも大きい領域では、入射角が、概ね49〜55〔°〕の範囲において使用可能性が認められる。このため、暫定的に、この範囲の中間値である52〔°〕を選定し、その有為性について検証を行った。
図6〜図11に検証データを示す。なお、図6〜図11において、RpはP偏光の反射率、RsはS偏光の反射率、RhはP偏光とS偏光の平均反射率、TpはP偏光の透過率、TsはS偏光の透過率、ThはP偏光とS偏光の平均反射率をそれぞれ示す。
図6,図8,図10は、青色光Cbを反射するダイクロイックコートD3を設けた場合の光波長に対する反射率を示したものであり、図6は、設定角Q1sをブリュースター角Qb(=40.18〔°〕)に設定した場合、図8は、設定角Q1sを本実施形態で選定した52〔°〕に設定した場合、図10は、設定角Q1sを限界付近の55〔°〕に設定した場合をそれぞれ示す。また、図7,図9,図11は、青色光Cbを反射するダイクロイックコートD3を設けない場合の光波長に対する反射率を示したものであり、図7は、設定角Q1sをブリュースター角Qb(=40.18〔°〕)に設定した場合、図9は、設定角Q1sを本実施形態で選定した52〔°〕に設定した場合、図11は、設定角Q1sを限界付近の55〔°〕に設定した場合をそれぞれ示す。
これらの検証データから明らかなように、設定角Q1sがブリュースター角Qb(=40.18〔°〕)の場合、図6に示すように、青色光Cbの反射率Rpは、400〜500〔nm〕の領域において、3〔%〕以内に大きく低下するとともに、S偏光の反射率Rsは、400〜500〔nm〕の領域において、10〜100〔%〕の範囲で変動するなど、かなり不安定になる。
これに対して、設定角Q1sが本実施形態で選定した52〔°〕の場合、図8に示すように、青色光Cbの反射率Rpは、500〔nm〕付近において、40〔%〕程度まで低下するが、400〜470〔nm〕の領域において、ほぼ100〔%〕を維持する。また、S偏光の反射率Rsは、400〜500〔nm〕の領域において、ほぼ100〔%〕を維持する。
他方、設定角Q1sが限界付近の55〔°〕の場合、図10に示すように、青色光Cbの反射率Rpは、400〜450〔nm〕の領域において、ほぼ100〔%〕を維持するが、450〜500〔nm〕の領域では急激に低下し、500〔nm〕付近では、5〔%〕程度まで低下する。また、S偏光の反射率Rsは、400〜450〔nm〕の領域において、ほぼ100〔%〕を維持するが、450〜500〔nm〕の領域では、急激に低下し、500〔nm〕付近では、50〔%〕程度まで低下する。
したがって、入射角Q1に対する設定角Q1sが、52〔°〕付近の場合、相対的に良好な特性データが得られており、実用的観点からは問題のないレベルとなる。また、55〔°〕付近では、52〔°〕付近よりも特性的には低下するが、使用可能性の観点からは使用可能なレベルとして捉えることができる。
このように、図5〜図11に示す検証データを考慮すれば、設定角Q1sを、ブリュースター角Qbに対して、1.22〜1.37倍の角度範囲、即ち、40.18〔°〕(ブリュースター角Qb)に対して、概ね49〜55〔°〕の範囲、望ましくは52〔°〕付近の角度に設定すれば、第三のダイクロイックコートD3に対する設定角Q1sを容易に絞り込むことができるため、設定角Q1sの最適化を容易に行うことができ、4板式プリズム装置1全体の光学特性を高めることができる。
ところで、本実施形態において設定する入射角Q1、即ち、選定した設定角Q1sは、従来の入射角に対して相対的に大きくなり、図1に示すように、第三のダイクロイックコートD3で反射した青色光Cbの方向は、入射光Cに対して、104〔°〕(52〔°〕×2)の方向となる。この結果、反射した青色光Cbは、第三プリズムP3の入射面P3iで反射する光路を経ることなく、直接、出射面P3eに至り、この出射面P3eから出射する。したがって、入射面P3iにおける第三プリズムP3内部からの青色光Cbに対する全反射機能は不要となり、前述した第二プリズムP2の分解面P2rと第三プリズムP3の入射面P3i間におけるエアギャップも不要になる。即ち、第二プリズムP2の分解面P2rと第三プリズムP3の入射面P3i間はエアギャップレスにより結合することができる。
このように、本実施形態に係る4板式プリズム装置1によれば、本来必要となる二個所のエアギャップSa…の一つを排除できるため、レジストレーション性能を高めることができるとともに、特に、エアギャップを必要とする全反射に係わる光路を排除できるため、結果的に、プリズム装置1の内部における全体の光路をシンプル化することができる。これにより、第三プリズムP3及び第四プリズムP4に係わるレイアウト面における自由度を高めることができ、プリズム装置1全体のサイズダウンを図ることができる。
加えて、第三プリズムP3及び第四プリズムP4におけるレイアウト面の自由度が高められることは、第二プリズムP2の出射面P2eに対する第三プリズムP3の出射面P3eの傾斜角Qmの選定自由度も高められることになる。このため、特に、図2に示すように、この傾斜角Qmを、15〔°〕以下に設定すれば、第二プリズムP2の出射面P2eと第三プリズムP3の出射面P3eの平行度を一定範囲に容易に抑えることができるなど、更なる小型コンパクト化に寄与できる利点がある。
次に、本実施形態に係る4板式プリズム装置1の機能(作用)について、図1及び図2を参照して説明する。
今、入射光Cが光軸方向Fc前方に進行し、第一プリズムP1の入射面P1iに入光した場合を想定する。これにより、入射面P1iから入光した入射光Cは、第一プリズムP1の内部を透過して分解面P1rに至る。分解面P1rには、第一のダイクロイックコートD1が設けられているため、入射光Cの光成分である赤色光Crは、分解面P1rで反射し、第一プリズムP1の内部を透過して入射面P1iに至るとともに、この入射面P1iで全反射することにより出射面P1eに至る。この後、赤色光Crは、出射面P1eから赤色透過フィルタ6rを通して固体撮像素子10rに入光する。
また、入射光Cから赤色光Crが排除された残成分は、分解面P1r(第一のダイクロイックコートD1)及びエアギャップSaを透過し、第二プリズムP2の入射面P2iから第二プリズムP2の内部に入光するとともに、第二プリズムP2の内部を透過して分解面P2rに至る。分解面P2rには、第二のダイクロイックコートD2が設けられているため、入射光Cの光成分である緑色光Cgは、分解面P2rで反射し、第二プリズムP2の内部を透過して入射面P2iに至るとともに、エアギャップSaに接する入射面P2iで全反射することにより出射面P2eに至る。この後、緑色光Cgは、出射面P2eから緑色透過フィルタ6gを通して固体撮像素子10gに入光する。
さらに、入射光Cから赤色光Cr及び緑色光Cgが排除された残成分は、分解面P2r(第二のダイクロイックコートD2)を透過し、第三プリズムP3の入射面P3iから第三プリズムP3の内部に入光するとともに、第三プリズムP3の内部を透過して分解面P3rに至る。分解面P3rには、第三のダイクロイックコートD3が設けられているため、入射光Cの残成分である青色光Cbは、分解面P3rで反射し、第三プリズムP2の内部を透過して直接出射面P3eに至る。この後、青色光Cbは、出射面P3eから青色透過フィルタ6bを通して固体撮像素子10bに入光する。
また、青色光Cb,緑色光Cg及び赤色光Crが排除された入射光Cの残成分は、分解面P3r(第三のダイクロイックコートD3)を透過し、第四プリズムP4の入射面P4iから第四プリズムP4の内部に入光する。第四プリズムP4の内部に入光する入射光Cの残成分は、青色光Cb,緑色光Cg及び赤色光Crが除かれた赤外光Ciのみとなるため、この赤外光Ciは第四プリズムP4の内部から出射面P4eに至り、赤外線透過フィルタ5を通して、固体撮像素子10iに入光する。
このように、本実施形態に係る4板式プリズム装置1は、基本構成として、入射光Cの光軸方向Fc前方へ、第一プリズムP1,第二プリズムP2,第三プリズムP3及び第四プリズムP4を順番に配し、第一プリズムP1の分解面P1rに、四光Cr…の一つ(赤色光Cr)を反射する第一のダイクロイックコートD1を設け、第二プリズムP2の分解面P2rに、四光Cr…の他の一つ(緑色光Cg)を反射する第二のダイクロイックコートD2を設け、第三プリズムP3の分解面P3rに、四光Cr…の他の一つ(青色光Cb)を反射する第三のダイクロイックコートD3を設け、かつ第一プリズムP1の分解面P1rと第二プリズムP2rの入射面P2i間を、エアギャップSaを介して結合するとともに、第三のダイクロイックコートD3に対する入射角Q1を、P偏光に係わるブリュースター角Qbよりも大きい所定の設定角Q1sに選定することにより、第二プリズムP2の分解面P2rと第三プリズムP3の入射面P3i間を、エアギャップレスにより結合するようにしたため、4板式プリズム装置1を構成する場合であっても、一個所のエアギャップSaで足り、構造及び製造工程の簡略化に基づく全体のコストダウンを図れるとともに、品質向上にも寄与できる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、設定角Q1sは、ブリュースター角Qbに対して、1.22〜1.37倍の角度範囲に設定することが望ましいが、この範囲を外れる角度を排除するものではない。また、第二プリズムP2の出射面P2eに対する第三プリズムP3の出射面P3eの傾斜角Qmは、15〔°〕以下に設定することが望ましいが、この角度を超える場合を排除するものではない。さらに、第一プリズムP1の出射面P1eから射出する出射光を、赤色光Crに選定し、かつ第二プリズムP2の出射面P2eから射出する射出光を、緑色光Cgに選定する場合を例示したが、第一プリズムP1の出射面P1eから射出する出射光を、緑色光Cgに選定し、かつ第二プリズムP2の出射面P2eから射出する射出光を、赤色光Crに選定してもよい。なお、各プリズムP1…は、通常、ガラス素材により形成するが、プラスチック素材などの他の素材により形成する場合を排除するものではない。
本発明に係る4板式プリズム装置は、ビデオカメラ,監視カメラ,内視鏡等の様々な分野及び用途における各種光学機器に利用することができる。
1:4板式プリズム装置,5:赤外線透過フィルタ,10r:固体撮像素子,10g:固体撮像素子,10b:固体撮像素子,10i:固体撮像素子,C:入射光,Cr:赤色光,Cg:緑色光,Cb:青色光,Ci:赤外光,P1:第一プリズム,P2:第二プリズム,P3:第三プリズム,P4:第四プリズム,P1i:第一プリズムの入射面,P2i:第二プリズムの入射面,P3i:第三プリズムの入射面,P4i:第四プリズムの入射面,P1r:第一プリズムの分解面,P2r:第二プリズムの分解面,P3r:第三プリズムの分解面,P4r:第四プリズムの分解面,P1e:第一プリズムの出射面,P2e:第二プリズムの出射面,P3e:第三プリズムの出射面,P4e:第四プリズムの出射面,D1:第一のダイクロイックコート,D2:第二のダイクロイックコート,D3:第三のダイクロイックコート,Fc:光軸方向,Sa:エアギャップ,Q1:第三のダイクロイックコートに対する入射角,Q1s:所定の設定角,Qb:P偏光に係わるブリュースター角,Qm:第二プリズムの出射面に対する第三プリズムの出射面の傾斜角

Claims (4)

  1. 色分解用の四つのプリズムを組合わせることにより、入射光を、可視光領域の赤色光,緑色光,青色光,及び非可視光領域の赤外光の四光にそれぞれ分解し、各プリズムの出射面から出射する各出射光を、対応する固体撮像素子に入光させる4板式プリズム装置であって、前記入射光の光軸方向前方へ、第一プリズム,第二プリズム,第三プリズム及び第四プリズムを順番に配し、かつ当該第四プリズムの光軸方向前方に、赤外光を透過させる赤外線透過フィルタを配するとともに、前記第一プリズムの分解面に、前記四光の一つを反射する第一のダイクロイックコートを設け、前記第二プリズムの分解面に、前記四光の他の一つを反射する第二のダイクロイックコートを設け、前記第三プリズムの分解面に、前記四光の他の一つを反射する第三のダイクロイックコートを設け、かつ前記第一プリズムの分解面と前記第二プリズムの入射面間を、エアギャップを介して結合し、前記第三のダイクロイックコートに対する入射角を、P偏光に係わるブリュースター角よりも大きい所定の設定角に選定することにより、前記第二プリズムの分解面と前記第三プリズムの入射面間を、エアギャップレスにより結合することを特徴とする4板式プリズム装置。
  2. 前記設定角は、前記ブリュースター角に対して、1.22〜1.37倍の角度範囲に設定することを特徴とする請求項1記載の4板式プリズム装置。
  3. 前記第二プリズムの出射面に対する前記第三プリズムの出射面の傾斜角は、15〔°〕以下に設定することを特徴とする請求項1又は2記載の4板式プリズム装置。
  4. 前記第一プリズムの出射面から射出する射出光は赤色光に選定し、かつ前記第二プリズムの出射面から射出する射出光は緑色光に選定することを特徴とする請求項1記載の4板式プリズム装置。
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