JP6975420B2 - 熱サイクル試験装置、熱サイクル試験方法、半導体装置の製造方法、及びプログラム - Google Patents

熱サイクル試験装置、熱サイクル試験方法、半導体装置の製造方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、熱サイクル試験装置、熱サイクル試験方法、半導体装置の製造方法、及びプログラムに関する。
例えば太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギー分野、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車載分野、車両等の鉄道分野のような主幹産業分野において、パワー半導体モジュール(単に、半導体モジュール或いは半導体装置とも呼ぶ)が組み込まれたパワーコンディショナ(PCS)、インバータ、スマートグリッド等の電力変換システムが採用されている。これらのシステムを安定に稼働することは主幹産業分野において特に重要であり、故に半導体モジュールの高い信頼性が求められる。ここで、半導体モジュールは、例えば高電圧及び大電流駆動に好適な絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を備える。近年では、炭化ケイ素(SiC)半導体素子が実用化し、高温での動作が可能になったことから、半導体モジュールの信頼性として特に耐熱性が求められるようになった。
半導体モジュールの耐熱性を向上するために、半導体素子等を搭載する基板として、絶縁性セラミックスに銅基板を接合したDirect Copper Bonding(DCB)基板を採用することができる。ここで、DCB基板は、半導体モジュールに要求される性能、コスト等に応じて様々な材料、厚さ等のものが使用される。しかし、DCB基板は、例えば半導体モジュールの製造工程におけるはんだ付け工程により熱履歴を受けるため、熱衝撃による破壊を受けること、或いは絶縁性セラミックスと銅基板との異なる線膨張係数に起因する残留応力の変化による破壊を受けることが懸念される。
そこで、半導体モジュールの信頼性を評価する方法として、例えば特許文献1及び2には、熱負荷等を加えつつ基板内から生じるアコースティック・エミッション(AE)を検出することにより、基板内にクラックが発生したことを検出する評価法が開示されている。ここで、AEとは、基板内に蓄えられた歪みエネルギーを弾性波として放出する現象をいう。また、特許文献3及び4には、例えば−40〜125℃の温度変化(ヒートサイクル)による熱負荷を基板に繰り返し与えて、基板内のクラックの発生及び成長を評価するヒートサイクル試験(H/C試験)が開示されている。
特許文献1 特開昭61−97566号公報
特許文献2 特開昭63−298153号公報
特許文献3 特開2009−117614号公報
特許文献4 特開2003−100965号公報
しかしながら、H/C試験では、通常、検査対象の基板を加熱板上に載せて加熱し、次いで冷却板上に載せて冷却することで基板に熱負荷を加え、適宜試験を中断して基板の破壊の有無を目視で確認する。そのため、長い試験時間及び人的コストを要するという問題がある。また、初期の微小なクラックの発生、基板中のクラックの発生を見落とすおそれがある、クラックが発生するタイミングを特定できない、基板を移動して熱負荷を加えるため基板の変形量を測定することが困難であるという問題もある。
なお、上記のような熱負荷は半導体モジュールのみならず熱膨張率が異なる材料を接合した各種の接合体を破壊する要因となることから、このような接合体の試験に共通する課題でもある。
(項目1)
熱サイクル試験装置は、熱膨張率が異なる複数の材料を接合した試験対象物のアコースティックエミッションを検出するAE検出部を備えてよい。
熱サイクル試験装置は、試験対象物の変位を検出する変位検出部を備えてよい。
熱サイクル試験装置は、AE検出部が検出したアコースティックエミッションおよび変位検出部が検出した変位の組を記録する記録部を備えてよい。
(項目2)
熱サイクル試験装置は、試験対象物を載置し、試験対象物の温度を制御するステージを更に備えてよい。
(項目3)
ステージは、試験対象物を予め定められた周期T(秒)で繰り返し加熱および冷却できてよい。
(項目4)
熱サイクル試験装置は、熱サイクル試験中に試験対象物に接触してアコースティックエミッションをAE検出部へと伝搬させる導波体を更に備えてよい。
(項目5)
導波体は、試験対象物と接触する接触面の面積が、AE検出部に接触する接触面の面積よりも小さくてよい。
(項目6)
導波体は、円錐台状または角錐台状であってよい。
(項目7)
導波体は、セラミックを材料としてよい。
(項目8)
変位検出部は、導波体を介して試験対象物の変位を検出してよい。
(項目9)
導波体は、試験対象物側の第1端面が試験対象物に押し当てられてよい。
AE検出部は、導波体における第1端面と反対側の第2端面に接して固定されてよい。
変位検出部は、変位検出部に対する導波体およびAE検出部の組の相対移動を検出してよい。
(項目10)
熱サイクル試験装置は、導波体およびAE検出部を吊り下げて支持する支持部を更に備えてよい。
変位検出部は、導波体およびAE検出部の上下動を検出してよい。
(項目11)
支持部は、伸縮部材により導波体およびAE検出部を吊り下げてよい。
(項目12)
支持部は、伸縮部材の上端の位置を上下方向に調整可能に支持してよい。
(項目13)
変位検出部は、差動トランスを有してよい。
AE検出部は、差動トランスの可動磁心に固定されてよい。
(項目14)
変位検出部は、試験対象物の測定位置において測定した測定変位からステージの基準変位を減じることにより、試験対象物そのものの変位を算出してよい。
(項目15)
変位検出部は、試験対象物の熱サイクル試験とは異なるキャリブレーションサイクル中にステージにおける試験対象物を載置しない部分で測定した基準変位を、測定変位から減じることにより、試験対象物そのものの変位を算出してよい。
(項目16)
変位検出部は、試験対象物の熱サイクル試験中に、試験対象物の測定位置に接して測定変位を測定する第1変位測定部を有してよい。
変位検出部は、熱サイクル試験中に、ステージに接して基準変位を測定する第2変位測定部を有してよい。
(項目17)
変位検出部は、試験対象物の温度を上昇させている間において測定した測定変位から、ステージの温度を上昇させながら測定した第1の基準変位を減じることにより、試験対象物そのものの変位を算出してよい。
変位検出部は、試験対象物の温度を下降させている間において測定した測定変位から、ステージの温度を下降させながら測定した第2の基準変位を減じることにより、試験対象物そのものの変位を算出してよい。
(項目18)
ステージは、試験対象物を加熱可能に載置するヒートステージを有してよい。
ステージは、ヒートステージにおける試験対象物を載置する面とは反対の面側に設けられた冷却部材を有してよい。
熱サイクル試験装置は、ヒートステージを冷却する冷却部を有してよい。
(項目19)
冷却部は、冷却部材に冷却液を供給してヒートステージを冷却してよい。
(項目20)
冷却部は、ヒートステージにより試験対象物を加熱させている間においても冷却部材に冷却液を供給してよい。
(項目21)
熱サイクル試験装置は、試験対象物、および当該熱サイクル試験装置における少なくとも試験対象物に接する部材を覆うチャンバを更に備えてよい。
(項目22)
熱サイクル試験装置は、チャンバの外側に設けられ、チャンバ内に充填するガスがチャンバの外部に漏れたことを検出するためのガスセンサを更に備えてよい。
(項目23)
記録部は、AE検出部が検出したアコースティックエミッションの時系列データおよび変位検出部が検出した変位の時系列データを記録してよい。
(項目24)
記録部は、試験対象物に与えた温度の時系列データを更に記録してよい。
(項目25)
熱サイクル試験装置は、熱サイクル試験中に検出した試験対象物のアコースティックエミッションが閾値を超えたことに応じて、試験対象物が破壊されたと判定する破壊判定部を更に備えてよい。
(項目26)
破壊判定部は、熱サイクル試験中に検出した試験対象物のアコースティックエミッションおよび変位に基づいて、試験対象物に生じた破壊の種類を更に判定してよい。
(項目27)
破壊判定部は、試験対象物のアコースティックエミッションの周波数成分に基づいて、試験対象物における、複数の材料のうちいずれの材料の部分に破壊が発生したかを更に判定してよい。
(項目28)
記録部は、熱サイクル試験中に試験対象物を撮像した動画を更に記録してよい。
(項目29)
熱サイクル試験方法では、熱膨張率が異なる複数の材料を接合した試験対象物の熱サイクル試験中に、試験対象物のアコースティックエミッションを検出してよい。
熱サイクル試験方法では、熱サイクル試験中に、試験対象物の変位を検出してよい。
熱サイクル試験方法では、検出されたアコースティックエミッションおよび検出された変位の組を記録してよい。
(項目30)
熱サイクル試験方法では、試験対象物を予め定められた周期T(秒)で繰り返し加熱および冷却しながら実行されてよい。
(項目31)
試験対象物は、金属板、絶縁板および配線板を順に積層した基板であってよい。
熱サイクル試験方法は、基板を加熱により平坦にし、次に昇温中に反らせることにより、基板に熱負荷を与えながら実行されてよい。
(項目32)
半導体装置の製造方法は、基板を用意する工程を備えてよい。
半導体装置の製造方法は、項目31に記載の熱サイクル試験方法により基板を試験する工程を備えてよい。
半導体装置の製造方法は、試験する工程において選別した基板を用いて半導体装置を組み立てる工程を備えてよい。
(項目33)
プログラムは、コンピュータに、熱膨張率が異なる複数の材料を接合した試験対象物の熱サイクル試験中に、試験対象物のアコースティックエミッションを検出させてよい。
プログラムは、コンピュータに、熱サイクル試験中に、試験対象物の変位を検出させてよい。
プログラムは、コンピュータに、検出されたアコースティックエミッションおよび検出された変位の組を記録させてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る熱サイクル試験装置の構成を示す。 熱サイクル試験装置の制御系の構成を示す。 基板の構成を上面視において示す。 基板の変形状態を側面視において示す。 加熱時における基板の変形状態を側面視において示す。 H/C試験の手順を示す。 H/C試験の結果の一例を示す。 H/C試験の結果の別の例を示す。 H/C試験の結果のさらに別の例を示す。 半導体装置の製造方法の手順を示す。 半導体装置の概略構成を示す。 本実施形態に係るコンピュータの構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1及び図2は、それぞれ、本実施形態に係る熱サイクル試験装置100及び該装置の制御系の構成を示す。ここで、図1における上下方向を高さ方向とも呼ぶ。熱サイクル試験装置100は、試験対象物のH/C試験を自動化することで試験時間を短く且つ人的コストを小さくし、H/C試験中に試験対象物内でのクラックの発生及びそのタイミング並びに試験対象物の変位を検出することで試験の信頼性を向上するだけでなく試験対象物の破壊メカニズムの分析を可能とすることを目的とする。熱サイクル試験装置100は、チャンバ9、ガスセンサ8、フレーム10、ステージ系20、検出部30、制御部50、及び入出力部59を備える。なお、熱サイクル試験装置100は、ベースB上に支持されるものとする。
本実施形態に係る熱サイクル試験装置100では、例えばDCB(Direct Copper Bonding)基板、AMB(Active Metal Brazing)基板等、半導体装置において半導体素子等を搭載する任意の基板をH/C試験の試験対象物とする。
図3Aに、基板3の構成の一例を示す。基板3は、絶縁板3a、金属板3b、及び配線板3cを含む。絶縁板3aは、例えば窒化アルミニウム、窒化珪素、酸化アルミニウム等の絶縁性セラミックスから例えば0.2〜1mm厚に成形された板状部材である。金属板3bは、銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて、例えば0.1〜1mmの膜厚で、例えば銀ろうを介して絶縁板3aの裏面に接合されている。配線板3cは、金属板3bと同様に、銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて、銀ろうを介して絶縁板3aのおもて面に接合されている。なお、銅には銅を主成分とする銅合金を、アルミニウムにはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金を、それぞれ含んでよい。
なお、配線板3cは、例えば3つの回路パターンを有する。1つめの回路パターンは、例えば半導体素子が搭載されるパターンであり、絶縁板3a上における図面下側(図1における左側)に配設される。2つめ及び3つめの回路パターンは、例えば導電性ポスト、端子等が立設されるパターンであり、絶縁板3a上における図面上側の左右(図1における右側の奥及び手前)に並設される。配線板3c及び金属板3bの線膨張係数が等しく、配線板3cに対して金属板3bの体積が大きいと、図3Bに示すように基板3は常温時に上に凸形状になり、図3Cに示すように加熱されると平らになる。ここで、図3Bに示すように基板3の変位量Δを定義する。配線板3cに対して金属板3bの体積が大きい態様には、配線板3cと金属板3bの厚みが等しく、金属板3bの主面の面積が配線板3cの主面の面積より大きい態様を含んでよい。
なお、本実施形態では、熱サイクル試験装置100によるH/C試験の試験対象物として基板3を採用するが、試験対象物は基板単体に限らず、熱膨張率が異なる複数の材料を接合したものを含めば半導体素子を搭載した基板であってもよいし、これを含んだ半導体装置であってもよい。また、半導体装置において使用される基板に限らず、任意の用途の基板であってもよい。
図1及び図2に戻り、チャンバ9は、基板3及び熱サイクル試験装置100の構成各部、少なくとも基板3に接するステージ21等の部材を覆う箱状部材である。チャンバ9は、例えばアクリルを用いて透明の箱状に成形することができる。それにより、チャンバ9内に基板3及び熱サイクル試験装置100の構成各部を気密に収容し、内部を真空にする又は不活性ガス等を充填してH/C試験を行うことができるとともに、チャンバ9外から試験中の基板3及び熱サイクル試験装置100の状態を視認することができる。
ガスセンサ8は、チャンバ9内に充填する不活性ガス等のガスを検出するセンサである。ガスセンサ8は、チャンバ9の外側に設けられる。これにより、チャンバ9内に充填するガスがチャンバ9の外部に漏れたことを検出することができる。なお、ガスセンサ8を含む警報器を設けてもよい。
フレーム10は、熱サイクル試験装置100の構成各部をベースB上に支持する構造体であり、ポール11、天板12、中板13、支持部14、支持部材15、及び撮像装置16を含んで構成される。
ポール11は、天板12及び中板13をベースB上に支持する柱状部材であり、図面左右及び前後に各1つ(すなわち、計4つ)ベースB上に立設されている。
天板12は、支持部14を支持する板状部材であり、4つのポール11の上端に固定支持されている。
支持部14は、後述するアコースティック・エミッションセンサ31、導波体32等を含む検出部30を天板12から吊り下げ支持する部材群であり、支持部材14a及び伸縮部材14bを有する。支持部材14aは、伸縮部材14bを天板12の下面側に支持するブロック体である。支持部材14aは、天板12に貫通して固定され、その下端を上下方向に移動して任意の位置で固定することができる。伸縮部材14bは、例えばスプリングであり、その上端が支持部材14aの下端に上下方向に位置を調整可能に固定され、下端にて検出部30(すなわち、差動トランスの可動磁心の上端)を吊り下げる。なお、伸縮部材14bは、支持部材14a及び検出部30の間に取外し可能に固定されてもよい。伸縮部材14bにより検出部30を吊り下げてその重量が過度に基板3の局所範囲に加わるのを防止することで、検出部30がその重量により基板3の本来の変位を阻害することなく変位に追従して熱負荷に伴う基板3の変位を計測することが可能となる。
中板13は、支持部材15を支持する板状部材であり、4つのポール11の胴部に固定支持されている。中板13の中央、すなわち天板12に固定された支持部材14aの直下に、後述する差動トランスの可動磁心を上下動可能に上下方向に通す貫通孔13aが形成されている。
支持部材15は、差動トランスのコイル部を中板13上に固定支持する部材であり、中板13に形成された貫通孔13aの縁部上に支持されている。
撮像装置16は、H/C試験中にステージ21上に支持された基板3を撮像する装置であり、ステージ21の上面に向けて中板13の下面に固定されている。その撮像結果、すなわち動画は制御部50(記録部51)に送信される。
ステージ系20は、基板3を支持してこれを加熱及び冷却する装置群であり、ステージ21、ステージ駆動部23、加熱部24、及び冷却部25を含んで構成される。
ステージ21は、その上面上に基板3を載置してその温度を制御するものであり、ヒートステージ21a及び水冷冷却板21bを有する。
ヒートステージ21aは、基板3を加熱可能に載置する部材であり、一例として窒化アルミニウム(AlN)からなる板状部材である。ヒートステージ21aの上面は、基板3を水平方向に位置決めするピン、支持部材等を有さない平面であってよい。ヒートステージ21aは、電熱線(不図示)及び温度センサ22を有する。電熱線は、ヒートステージ21a内部に張り巡らされ、後述する加熱部24により通電されることで発熱し、ヒートステージ21aの全体を一様に例えば100〜400度の高温度に加熱する。温度センサ22は、ヒートステージ21aの温度(ステージ21上に載置される基板3の温度に等しい)を測定するセンサであり、例えば熱電対を採用することができる。その測定結果は制御部50(記録部51)に送信される。
水冷冷却板21bは、ヒートステージ21aを冷却する冷却部材の一例であり、ヒートステージ21aにおける基板3が載置される上面とは反対の下面側にヒートステージ21aの下面に上面を密着して設けられている。水冷冷却板21bは、その内部に張り巡らされるように流路が形成され、その流路に冷却液を供給することで例えば0〜20度の低温度に冷却される。水冷冷却板21bが冷却されることで、これに密着するヒートステージ21aが冷却される。なお、冷却液として冷却水に限らず任意の冷却液を用いてもよく、それにより水冷冷却板21bを−10〜20度の低温度に冷却してもよい。
上述の構成のステージ21により、基板3が載置されるヒートステージ21aを加熱するとともにヒートステージ21aの加熱を停めてこれに密着する水冷冷却板21bを冷却することによりこれを介してヒートステージ21aを冷却する、つまり基板3が載置されるステージ21を加熱及び冷却することで、基板3を載置したまま移動することなくこれを素早く加熱及び冷却することができる。
ステージ駆動部23は、ステージ21をベースB上に支持するとともにその上面に平行な方向に駆動する装置又は装置群である。ステージ駆動部23は、例えば、ベースBの上面内の一軸方向にステージ21を駆動する第1の電導モータ及びこれを一軸方向に直交する方向に駆動する第2の電導モータから構成することができる。制御部50により、撮像装置16を用いて基板3を撮像してその位置を検出し、その検出結果に従って目標位置を送信してステージ駆動部23を制御することで、ステージ21上に載置された基板3上の測定位置3d(例えば、図3Aに示す基板3の中心)を導波体32の直下に位置決めすることができる。
加熱部24は、制御部50により制御されて、ヒートステージ21a内に設けられた電熱線に通電することでヒートステージ21aを加熱する。
冷却部25は、制御部50により制御されて、配管25aを介して水冷冷却板21bに冷却液を供給してこれを冷却することで、水冷冷却板21bに密着するヒートステージ21aを冷却する。なお、冷却部25は、水冷冷却板21bから流出する冷却液を冷却して、水冷冷却板21bに再度供給する、すなわち循環させてもよい。また、冷却部25は、ヒートステージ21aにより基板3を加熱させている間においても、すなわち常時、水冷冷却板21bに冷却液を供給してヒートステージ21aを冷却してもよい。
検出部30は、H/C試験中に基板3内で発生するアコースティックエミッションを検出するとともに基板3の変位を検出する装置群であり、アコースティック・エミッションセンサ31、導波体32、及び変位センサ33を含む。
アコースティック・エミッションセンサ(AEセンサ)31は、基板3のアコースティックエミッションを検出するセンサ(AE検出部の一例)である。ここで、AEは、例えば数kHz〜数MHzの比較的高い周波数を有する。そこで、例えばピエゾ(PZT)素子を採用することができ、AEセンサ31として、アルミナ等の絶縁物から形成された受波板、この上に配置されるPZT素子、及びこれを内部に収容するアルミニウム、ステンレス等の金属から成形されたシールドケース(いずれも不図示)を含んで構成されるセンサを採用することができる。PZT素子から出力線がシールドケース外に延設され、これを介してAEの検出結果が制御部50(記録部51)に送信される。
なお、AEセンサ31は、把持部材31aにより上面側が把持され、変位センサ33に固定される。
導波体32は、基板3に接触してAEをAEセンサ31へと伝搬させる部材である。ここで、AEセンサ31の耐熱温度は例えば100℃であり、これに対して基板3はH/C試験において例えば400℃の高温度になるため、AEセンサ31を基板3に接触させることができない。そこで、導波体32を介することで、基板3の熱を伝えることなくAEのみをAEセンサ31に伝えることができる。また、比較的高い周波数を有するAEは空気中で大きく減衰するため、導波体32を介することにより基板3内で発生するAEをAEセンサ31に効率良く伝えることができる。
導波体32は、先端面が基板3に押し当てられ、基端面がAEセンサ31の下面(すなわち、受波板)に接して固定される。導波体32は、例えばセラミックを材料として円錐台状又は角錐台状に、すなわち基板3に接触する先端面の面積をAEセンサ31に接触する基端面の面積よりも小さく形成することができる。基端面を大きくすることでAEセンサによりAEを効率良く検出することができ、先端面を小さくすることで後述するように基板3の局所的変位を検出することができる。また、斯かる形状により導波体32は基板3に安定に接触するため、導波体32を介して基板3の変位を高精度で測定することができる。
変位センサ33は、基板3の変位を検出するセンサ(変位検出部の一例)であり、一例として差動トランスを採用することができる。差動トランスは、例えば円柱状の可動磁心及びこの側面を囲むコイル部を有する。可動磁心はコイル部に対して可動であり、可動磁心の位置に応じて変化するコイル起電圧よりコイル部に対する可動磁心の位置を検出することができる。可動磁心の上端は支持部14の伸縮部材14bの下端に取外し可能に固定され、下端はAEセンサ31を把持する把持部材31aに固定される。
本実施形態の検出部30では、変位センサ33(差動トランスの可動磁心)は、AEセンサ31及び導波体32を支持し、導波体32の先端が基板3に当接した状態で支持部14により吊り下げ支持される。変位センサ33は、AEセンサ31及び導波体32の上下動を検出することで、導波体32を介してその先端面が当接する基板3の測定位置3dにおける高さ方向の変位を検出することができる。ここで、変位センサ33は、支持部材15により中板13上に固定された差動トランスのコイル部に対するAEセンサ31及び導波体32の組の相対移動を検出する。変位センサ33による基板3の変位の検出の詳細については後述する。
なお、支持部14により天板12に吊り下げ支持される検出部30を複数設けてもよい。それにより、複数の検出部30のそれぞれの導波体32の先端を基板3の複数位置に当接してそれぞれのAEセンサ31によりAEを検出することで、基板3内のAEの発生位置、すなわちクラックの発生位置を精密に特定することができるともに、基板3の複数位置における変位を検出することができる。また、基板3に変形があり、複数位置の高さが異なる場合、複数の検出部30毎に支持部14によるAEセンサ31及び導波体32の吊り下げ高さを変えてもよい。
制御部50は、ステージ駆動部23、加熱部24、及び冷却部25を制御するとともに、AEの検出結果等に基づいて基板3の信頼性を評価する機能ユニットである。制御部50は、記録部51、指令部52、破壊判定部53を含む。制御部50は、コンピュータ、マイクロコントローラ等を含む情報処理装置に、例えば不揮発性メモリ等の記憶装置或いはCD−ROM等の記録媒体に記憶された制御用プログラムを実行させることによって各機能部を発現する。
記録部51は、AEセンサ31が検出したAE及び変位センサ33が検出した基板3の変位の組を記録する。AE及び基板3の変位の組は、例えば検出時刻に対する時系列データとして記録される。記録部51は、さらに、温度センサ22よりヒートステージ21aの温度、すなわち基板3に与えた温度の時系列データ、撮像装置16よりH/C試験中に基板3を撮像した動画、ガスセンサ8よりガスの検出結果を記録してよい。
指令部52は、記録部51により記録された各種データに基づいてステージ駆動部23、加熱部24、及び冷却部25を制御する。例えば、指令部52は、基板3を撮像した動画より基板3又はステージ21の位置を検出し、その検出結果に従って目標位置を送信してステージ駆動部23を制御することにより、ステージ21をベースBの上面に平行な方向に駆動する。それにより、例えば、ステージ21上に載置された基板3上の測定位置3dを導波体32の直下に位置決めすることができる。また、指令部52は、ヒートステージ21aの温度の検出結果より目標温度を定めて加熱部24及び冷却部25を制御することで、ヒートステージ21aを加熱及び/又は水冷冷却板21bを介してヒートステージ21aを冷却する。
破壊判定部53は、H/C試験中に検出した基板3のAEの強度を閾値と比較し、AEの強度が閾値を超えたことに応じてクラックが生じるなどして基板3が破壊されたと判定する。なお、破壊判定部53は、AEの強度が閾値を超えたことを確認した場合、指令部52を介して、加熱部24及び冷却部25によりステージ21の加熱及び冷却を停止してH/C試験を中止してよい。閾値は、入出力部59を介して設定及び変更可能としてよい。
ここで、破壊判定部53は、基板3のAE及び変位に基づいて、基板3に生じた破壊の種類を判定する。基板3に生じる破壊の態様として、例えば金属板3bの角部から絶縁板3a内にクラックが入り、これが絶縁板3a内で徐々に傾きを変えて水平方向に進展するモード(このモードをAモードと呼ぶ)及び金属板3bの端部から絶縁板3aとの界面に沿って進展するモード(このモードをBモードと呼ぶ)の2つの破壊モードがある。Aモードの破壊では、クラックは、基板3の蓄積された変形により応力の閾値を超えた瞬間に絶縁板3a内を急速に、しかし狭い面積で進展するため、これにより発生するAEは小さい強度で、短い時間内で単発的に発生すると予想される。これに対して、Bモードの破壊では、クラックは、基板3の金属板3bと絶縁板3aの界面剥離による大きな変形を生じながらクラックは広い範囲で進展するため、これにより発生するAEは大きな強度で連続的に多数回発生すると予想される。そこで、破壊判定部53は、基板3の比較的小さな変形にともなって小さい強度のAEが検出された場合に基板3にAモードの破壊が生じたと判定し、基板3の比較的急激な変形にともなって大きな強度のAEが検出された場合に基板3にBモードの破壊が生じたと判定することができる。
さらに、破壊判定部53は、基板3のAEの周波数成分に基づいて、試験対象物における複数の材料のうちいずれの材料の部分に破壊が発生したかを判定してもよい。AEの周波数は破壊が生じた材料に応じて異なることから、基板3のAEの周波数成分を分析することでどの材料部分に破壊が生じたか判断することができる。
入出力部59は、制御部50に対してH/C試験の条件等のパラメータを入力するとともにH/C試験の試験結果を表示するための装置群である。入出力部59は、マウス、キーボード等の入力デバイス、表示モニタ等の出力デバイスを有する。
変位センサ33による基板3の変位の検出方法について説明する。
本実施形態に係る熱サイクル試験装置100では、ステージ21を加熱及び冷却することでその上に載置される基板3を加熱及び冷却する。そのため、変位センサ33により検出される基板3の変位には、原理上、基板3の熱変形に伴う変位だけでなくステージ21の熱膨張及び熱収縮に伴うステージ21の変位も含まれ得る。ステージ21の変位が無視できない程度である場合、変位センサ33は、基板3の測定位置3dにおいて測定した変位(測定変位と呼ぶ)からステージ21の変位(基準変位と呼ぶ)を減じることにより、基板3自体の変位を算出することとする。
基準変位は、変位センサ33により、例えば、基板3のH/C試験とは異なるキャリブレーションサイクル中にステージ21における基板3を載置しない部分の変位を測定することで得られる。得られた基準変位は制御部50に送信されて記録部51によりステージ21の温度との組として記録され、H/C試験中に変位センサ33により、測定変位を測定した際のステージ21の温度に対応する基準変位が読み出される。
なお、基準変位は、ステージ21の温度を上昇させるときと下降させるときとで異なることがある。そこで、ステージ21の温度を上昇させながら基準変位(第1の基準変位と呼ぶ)を測定してよいし、これと独立にステージ21の温度を下降させながら基準変位(第2の基準変位と呼ぶ)を測定してよい。変位センサ33は、基板3の温度を上昇させている間において測定した測定変位から第1の基準変位を減じることにより、基板3自体の変位を算出し、基板3の温度を下降させている間において測定した測定変位から第2の基準変位を減じることにより、基板3自体の変位を算出してよい。
なお、検出部30を複数設け、それらによりH/C試験中に基板の測定変位と基準変位とを測定してもよい。例えば、複数の検出部30のうちの1つの検出部30に含まれる変位センサ33(第1変位測定部の一例)により、基板3のH/C試験中に、基板3の測定位置3dに導波体32の先端を接して測定変位を測定し、複数の検出部30のうちの別の検出部30に含まれる変位センサ33(第2変位測定部の一例)により、同じH/C試験中に、基板3を支持するステージ21の基準位置(例えば、基板3の載置領域外の上面上の任意の位置)に導波体32の先端を接して基準変位を測定してもよい。
図4は、本実施形態に係る熱サイクル試験装置100によるH/C試験の手順を示す。
ステップS1では、ユーザにより、試験対象物である基板3をステージ21上に載置する。
ステップS2では、ユーザにより、チャンバ9を用いて基板3及び熱サイクル試験装置100の構成各部を覆ってこれらを密封し、チャンバ9内を真空にする又は不活性ガス等を充填する。
ステップS3では、基板3上の測定位置3dを導波体32の直下に位置決めする。ユーザが入出力部59より基板3の位置決めを指示することで、制御部50は、撮像装置16を用いて基板3を撮像してその位置を検出し、その検出結果に従って目標位置を定めてステージ駆動部23を制御する。それにより、ステージ駆動部23は、基板3が載置されたステージ21を駆動し、基板3上の測定位置3dを導波体32の直下に位置決めする。
ステップS4では、基板3に対してH/C試験を実行する。H/C試験では、加熱部24により基板3が載置されたステージ21のヒートステージ21aを加熱して例えば約260度の高温度を30秒間保持し、次いで冷却部25によりステージ21の水冷冷却板21bを冷却して例えば約20度の低温度を450秒間保持する。この1回のヒートサイクルを20回以上繰り返して基板3に熱負荷を与えつつ、撮像装置16により基板3を撮像し、温度センサ22によりヒートステージ21aの温度を検出し、AEセンサ31により基板3のAEを検出し、変位センサ33により基板3の変位を検出し、記録部51によりこれらの検出結果の組を記録する。
なお、制御部50は、予め定められた数のヒートサイクルを終了した場合、或いは破壊判定部53により検出されたAEの強度が閾値を超えて基板3が破壊に至ったことが確認できた場合、H/C試験を終了する。制御部50は、加熱部24及び冷却部25を停止し、ステージ駆動部23を制御してステージ21を導波体32の直下から退避する。
ステップS5では、破壊判定部53により、H/C試験の結果に基づいて基板3の破壊判定を行う。
図5Aから図5Cは、3つの基板3(便宜上、それぞれ基板A、B、及びCと呼ぶ)に対するH/C試験の結果の一例を示す。なお、初期状態における変位をゼロとする。また、図5Aは、試験開始から14000秒経過して基板Aに変化が現れ始めた後の結果を示す。ここで、基板A及びBは、銅より形成された配線板3c、窒化珪素より形成された絶縁板3a、及び銅より形成された金属板3bを積層したAMB基板である。配線板3c、絶縁板3a、及び金属板3bの厚みはそれぞれ1.0mm、0.3mm、及び1.0mmである。基板Cは、銅より形成された配線板3c、窒化アルミニウムより形成された絶縁板3a、及び銅より形成された金属板3bを積層したAMB基板である。配線板3c、絶縁板3a、及び金属板3bの厚みはそれぞれ0.3mm、0.4mm、及び0.3mmである。金属板3bの短辺及び長辺の長さはそれぞれ17mm及び21mmである。
なお、H/C試験の条件は、基板Aに対しては加熱温度を260℃、加熱と冷却の周期Tを500秒とし、基板Bに対しては加熱温度を260℃、加熱と冷却の周期Tを500秒とし、基板Cに対しては加熱温度を350℃、加熱と冷却の周期Tを450秒とした。基板3のH/C試験において、加熱の最高温度は400℃以下、例えば350℃あるいは260℃であり、昇温速度は好ましくは5K/秒以下、加熱と冷却の周期Tは好ましくは300秒以上であり、上限に特に制限はないが例えば450秒あるいは500秒である。加熱時、予め設定した最高温度に到達したら直ちに冷却に移ってもよいし、所定の時間、最高温度を保持するようにしてもよい。
図5Aの基板Aは、1回のヒートサイクルにおいて、加熱されることで測定位置3dを下方に変位し、冷却されることで上に凸状に変形して測定位置3dを上方に変位する。ここで、基板Aは、短い加熱期間内に急激に下方に変位し、長い冷却期間内に緩やかに上方に変位している。ヒートサイクルを繰り返すことで、上方への変位量を増大している。
基板Aに対するヒートサイクルの繰り返しにおいて、2つの破壊メカニズムによるAEの発生を確認することができる。一方は、基板Aの加熱時であり、基板Aが急激に変位している短い期間内に大きな強度のAEが集中して発生していることから、基板AにBモードの破壊が発生したことがわかる。他方は、基板Aの冷却時であり、基板Aが緩やかに変位している長い期間内に小さい強度のAEが離散して発生していることから、基板AにAモードの破壊が発生したことがわかる。破壊判定部53は、基板Aが急激に変位している期間内に発生した大きな強度のAEより基板AにBモードの破壊が発生したと判定し、基板Aが緩やかに変位している期間内に発生した小さい強度のAEより基板AにAモードの破壊が発生したと判定する。
図5Bの基板Bは、1回のヒートサイクルにおいて、加熱されることで測定位置3dを下方に変位し、冷却されることで上に凸状に変形して測定位置3dを上方に変位する。ここで、基板Bは、短い加熱期間内に急激に下方に変位し、長い冷却期間内の初期に急激に上方に変位し、その後変位をほぼ一定に維持している。ヒートサイクルを繰り返すことで、変位量を徐々に負の方向に増大している。
基板Bに対するヒートサイクルの繰り返しにおいて、1つの破壊メカニズムによるAEの発生を確認することができる。基板Bの加熱時であり、基板Bが急激に、ただし小さい変位量で変位している期間内に小さい強度のAEが幾つか発生していることから、基板BにAモードの破壊が発生したことがわかる。破壊判定部53は、基板Bが小さい変位量で変位している期間内に発生した小さい強度のAEより基板BにAモードの破壊が発生したと判定する。
図5Cの基板Cは、1回のヒートサイクルにおいて、加熱されることで期間1において測定位置3dが一旦下方に変位して初期状態又は直前の状態に比べて平坦になり、さらに加熱昇温されると続く期間2において上に凸状に変形して測定位置3dが上方に変位する。ここで、平坦になるとは初期状態又は直前の状態に比べて変位量Δが小さくなることを含んでよく、凸状に変形するとは変形前より変位量Δが大きくなることを含んでよい。続く期間3の冷却時にも凸状に変形した形状は維持される。ヒートサイクルを繰り返すことで、変位量を徐々に正の方向に増大しており、基板Cの反りは大きくなっている。ここで、基板Cは、室温において上向きに凸形状となっており(変位Δ)、ヒートサイクルにおいて、期間1の加熱期間内に室温時に比べ平坦になり(変位Δ)、期間2の加熱昇温期間に再び反り(変位ΔH−C)、期間3の冷却時にも反りが維持され、熱負荷が与えられている。ここで、ΔH−C≧Δ>Δである。さらにヒートサイクルを繰り返すことで、変位の振幅が増大し、基板Cの反りが大きくなっている。
基板Cに対するヒートサイクルの繰り返しにおいて、基板Cの冷却時であり、基板Cが急激に、ただし小さい変位量で変位している期間内に小さい強度のAEが幾つか発生していることから、基板Bと同様に基板CにAモードの破壊が発生したことがわかる。
破壊判定部53による破壊判定を終了することで、基板3に対するH/C試験が終了する。
なお、ステップS3からS5の処理は、制御部50により、すなわちプログラム制御により自動化されている。上述のとおり基板3から発生するAEを検出することで、H/C試験における基板3の破壊の発生タイミングを特定し、基板3の変位の検出と合わせることで基板3の破壊メカニズムを特定することができる。
なお、チャンバ9内に、ステージ21上に載置してH/C試験を行う基板3を複数の基板の中から交換する交換装置を設けてもよい。それにより、チャンバ9内の気密を保持したまま複数の基板を続けてH/C試験することができる。
図6は、H/C試験を利用した半導体装置1の製造方法の手順を示す。ステップS11では、試験対象物として1又は複数の基板3を用意する。ステップS12では、それらの基板3に対してH/C試験を実行し、基準を満たす基板3を選別する。ステップS13では、ステップS12において選別した基板3を用いて、公知の方法により半導体装置を組み立てる。
図7は、半導体装置1の概略構成を示す。半導体装置1は、放熱板2a、ケース2b、基板3、半導体素子4、端子5、ワイヤ6、及び封止樹脂7を備える。
放熱板2aは、放熱性の高い銅、アルミ炭化ケイ素複合材等から板状に形成され、半導体素子4が発する熱を排熱する部材である。
ケース2bは、放熱板2aの周縁上に立設される枠体であり、放熱板2aとともに半導体装置1の構成各部を収容する筐体を構成する。
基板3は、先述のとおり順に配線板3c、絶縁板3a、金属板3bを積層した基板である。基板3は、はんだ層を介して放熱板2a上に接合される。
半導体素子4は、例えばスイッチング素子であり、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等を採用することができる。半導体素子4は、一例として、おもて面及び裏面のそれぞれに電極を有する縦型の素子とする。半導体素子4は、はんだ層を介して基板3の配線板3c上に接合される。
端子5は、半導体素子4に外部信号を入力する又は半導体素子4から電流を外部に入出力するための入出力用端子である。端子5は、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて、下端を鉤状に屈曲した柱状又は平板状に成形されている。2つの端子5が、それぞれ、ケース2bの一側及び他側の内面に当接して固定されている。
ワイヤ6は、半導体素子4の電極を端子5又は配線板3cに接続するワイヤ状の部材である。ワイヤ6は、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属又は鉄アルミ合金等の導電性合金を用いて成形される。1つのワイヤ6は、半導体素子4のおもて面電極(例えばゲート電極)と図面右側の端子5の下端とを接続する。別の1つのワイヤ6は、半導体素子4の表面電極(例えば、ソース電極又はエミッタ電極)と配線板3c(図面右側のパターン)とを接続する。さらに別の1つのワイヤ6は、配線板3cと図面左側の端子5の下端とを接続して、半導体素子4の裏面電極(例えばドレイン電極又はコレクタ電極)を端子5に接続する。
封止樹脂7は、半導体装置1の構成各部を封止するための部材であり、一例としてエポキシ樹脂を用いることができる。封止樹脂7は、ケース2b内(放熱板2a上)に基板3、半導体素子4、端子5、及びワイヤ6が設けられた後、それらの上に充填される。さらに、カバーをケース2bの側部上に載置してもよい。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図8は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
B…ベース、1…半導体装置、2a…放熱板、2b…ケース、3…基板、3a…絶縁板、3b…金属板、3c…配線板、3d…測定位置、4…半導体素子、5…端子、6…ワイヤ、7…封止樹脂、8…ガスセンサ、9…チャンバ、10…フレーム、11…ポール、12…天板、13…中板、13a…貫通孔、14…支持部、14a…支持部材、14b…伸縮部材、15…支持部材、16…撮像装置、20…ステージ系、21…ステージ、21a…ヒートステージ、21b…水冷冷却板、22…温度センサ、23…ステージ駆動部、24…加熱部、25…冷却部、25a…配管、30…検出部、31…アコースティック・エミッションセンサ(AEセンサ)、31a…把持部材、32…導波体、33…変位センサ、50…制御部、51…記録部、52…指令部、53…破壊判定部、59…入出力部、100…熱サイクル試験装置、2200…コンピュータ、2201…ROM、2210…ホストコントローラ、2212…CPU、2214…RAM、2216…グラフィックコントローラ、2218…ディスプレイデバイス、2220…出力コントローラ、2222…通信インタフェース、2224…ハードディスクドライブ、2226…ROMドライブ、2230…ROM、2240…出力チップ、2242…キーボード。

Claims (33)

  1. 熱膨張率が異なる複数の材料を接合した試験対象物のアコースティックエミッションを、導波体を介して検出するAE検出部であり、前記導波体は、前記試験対象物に接触してアコースティックエミッションを前記AE検出部へと伝搬させる、前記AE検出部と、
    前記導波体を介して前記試験対象物の変位を検出する変位検出部と、
    前記AE検出部が検出したアコースティックエミッションおよび前記変位検出部が検出した変位の組を記録する記録部と
    を備える熱サイクル試験装置。
  2. 前記試験対象物を載置し、前記試験対象物の温度を制御するステージを更に備える請求項1に記載の熱サイクル試験装置。
  3. 前記ステージは、前記試験対象物を予め定められた周期T(秒)で繰り返し加熱および冷却できる請求項2に記載の熱サイクル試験装置。
  4. 前記導波体は、前記試験対象物と接触する接触面の面積が、前記AE検出部に接触する接触面の面積よりも小さい請求項2または3に記載の熱サイクル試験装置。
  5. 前記導波体は、円錐台状または角錐台状である請求項に記載の熱サイクル試験装置。
  6. 前記導波体は、セラミックを材料とする請求項からのいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  7. 前記導波体は、前記試験対象物側の第1端面が前記試験対象物に押し当てられ、
    前記AE検出部は、前記導波体における前記第1端面と反対側の第2端面に接して固定され、
    前記変位検出部は、前記変位検出部に対する前記導波体および前記AE検出部の組の相対移動を検出する
    請求項2から6のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  8. 前記導波体および前記AE検出部を吊り下げて支持する支持部を更に備え、
    前記変位検出部は、前記導波体および前記AE検出部の上下動を検出する
    請求項に記載の熱サイクル試験装置。
  9. 前記支持部は、伸縮部材により前記導波体および前記AE検出部を吊り下げる請求項に記載の熱サイクル試験装置。
  10. 前記支持部は、前記伸縮部材の上端の位置を上下方向に調整可能に支持する請求項に記載の熱サイクル試験装置。
  11. 前記変位検出部は、差動トランスを有し、
    前記AE検出部は、前記差動トランスの可動磁心に固定される
    請求項から10のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  12. 前記変位検出部は、前記試験対象物の測定位置において測定した測定変位から前記ステージの基準変位を減じることにより、前記試験対象物そのものの変位を算出する請求項2から11のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  13. 前記変位検出部は、前記試験対象物の熱サイクル試験とは異なるキャリブレーションサイクル中に前記ステージにおける前記試験対象物を載置しない部分で測定した前記基準変位を、前記測定変位から減じることにより、前記試験対象物そのものの変位を算出する請求項12に記載の熱サイクル試験装置。
  14. 前記変位検出部は、
    前記試験対象物の熱サイクル試験中に、前記試験対象物の前記測定位置に接して前記測定変位を測定する第1変位測定部と、
    前記熱サイクル試験中に、前記ステージに接して前記基準変位を測定する第2変位測定部と
    を有する請求項12に記載の熱サイクル試験装置。
  15. 前記変位検出部は、
    前記試験対象物の温度を上昇させている間において測定した前記測定変位から、前記ステージの温度を上昇させながら測定した第1の前記基準変位を減じることにより、前記試験対象物そのものの変位を算出し、
    前記試験対象物の温度を下降させている間において測定した前記測定変位から、前記ステージの温度を下降させながら測定した第2の前記基準変位を減じることにより、前記試験対象物そのものの変位を算出する
    請求項12から14のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  16. 前記ステージは、
    前記試験対象物を加熱可能に載置するヒートステージと、
    前記ヒートステージにおける前記試験対象物を載置する面とは反対の面側に設けられた冷却部材を有し、前記ヒートステージを冷却する冷却部と
    を有する請求項2から15のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  17. 前記冷却部は、前記冷却部材に冷却液を供給して前記ヒートステージを冷却する請求項16に記載の熱サイクル試験装置。
  18. 前記冷却部は、前記ヒートステージにより前記試験対象物を加熱させている間においても前記冷却部材に冷却液を供給する請求項16に記載の熱サイクル試験装置。
  19. 前記試験対象物、および当該熱サイクル試験装置における少なくとも前記試験対象物に接する部材を覆うチャンバを更に備える請求項1から18のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  20. 前記チャンバの外側に設けられ、前記チャンバ内に充填するガスが前記チャンバの外部に漏れたことを検出するためのガスセンサを更に備える請求項19に記載の熱サイクル試験装置。
  21. 前記記録部は、前記AE検出部が検出したアコースティックエミッションの時系列データおよび前記変位検出部が検出した変位の時系列データを記録する請求項1から20のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  22. 前記記録部は、前記試験対象物に与えた温度の時系列データを更に記録する請求項21に記載の熱サイクル試験装置。
  23. 熱サイクル試験中に検出した前記試験対象物のアコースティックエミッションが閾値を超えたことに応じて、前記試験対象物が破壊されたと判定する破壊判定部を更に備える請求項1から22のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  24. 前記破壊判定部は、前記熱サイクル試験中に検出した前記試験対象物のアコースティックエミッションおよび変位に基づいて、前記試験対象物に生じた破壊の種類を更に判定する請求項23に記載の熱サイクル試験装置。
  25. 前記破壊判定部は、前記試験対象物のアコースティックエミッションの周波数成分に基づいて、前記試験対象物における、前記複数の材料のうちいずれの材料の部分に破壊が発生したかを更に判定する請求項23または24に記載の熱サイクル試験装置。
  26. 前記記録部は、熱サイクル試験中に前記試験対象物を撮像した動画を更に記録する請求項1から25のいずれか一項に記載の熱サイクル試験装置。
  27. 熱膨張率が異なる複数の材料を接合した試験対象物のアコースティックエミッションを検出するAE検出部と、
    前記試験対象物の変位を検出する変位検出部と、
    前記AE検出部が検出したアコースティックエミッションおよび前記変位検出部が検出した変位の組を記録する記録部と、
    前記試験対象物のアコースティックエミッションおよび変位に基づいて、前記試験対象物に生じた破壊の種類を判定する破壊判定部と、
    を備える熱サイクル試験装置。
  28. 熱膨張率が異なる複数の材料を接合した試験対象物の熱サイクル試験中に、前記試験対象物のアコースティックエミッションを、前記試験対象物に接触してアコースティックエミッションを伝搬させる導波体を介して検出し、
    前記熱サイクル試験中に、前記導波体を介して前記試験対象物の変位を検出し、
    検出されたアコースティックエミッションおよび検出された変位の組を記録する
    熱サイクル試験方法。
  29. 前記試験対象物を予め定められた周期T(秒)で繰り返し加熱および冷却しながら実行される請求項28に記載の熱サイクル試験方法。
  30. 前記試験対象物は、金属板、絶縁板および配線板を順に積層した基板であり、
    前記基板を前記加熱により平坦にし、次に昇温中に反らせることにより、前記基板に熱負荷を与えながら実行される請求項29に記載の熱サイクル試験方法。
  31. 基板を用意する工程と、
    請求項28から30のいずれか一項に記載の熱サイクル試験方法により前記基板を試験する工程と、
    前記試験する工程において選別した前記基板を用いて半導体装置を組み立てる工程と、
    を備える半導体装置の製造方法。
  32. 基板を用意する工程と、
    熱膨張率が異なる複数の材料を接合した前記基板の熱サイクル試験中に、前記基板のアコースティックエミッションを検出し、前記熱サイクル試験中に、前記基板の変位を検出し、検出されたアコースティックエミッションおよび検出された変位の組を記録する熱サイクル試験方法により、前記基板を試験する工程と、
    前記試験する工程において選別した前記基板を用いて半導体装置を組み立てる工程と、
    を備える半導体装置の製造方法。
  33. コンピュータに
    熱膨張率が異なる複数の材料を接合した試験対象物の熱サイクル試験中に、前記試験対象物のアコースティックエミッションを、前記試験対象物に接触してアコースティックエミッションを伝搬させる導波体を介して検出させ、
    前記熱サイクル試験中に、前記導波体を介して前記試験対象物の変位を検出させ、
    検出されたアコースティックエミッションおよび検出された変位の組を記録させる
    プログラム。
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