JP6975126B2 - 作業管理システム及び作業管理方法 - Google Patents

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本発明は、作業管理システム及び作業管理方法に関し、エレベーターの整備作業を行う作業者の行動を推定する作業管理システム及び作業管理方法に適用して好適なものである。
従来、エレベーターが敷設される建物内において、エレベーターの整備作業を実施する作業者の行動履歴をGPS(Global Positioning System)で追跡しようとする場合、作業者の位置を特定できたとしても、GPSの精度誤差のために、作業者の細かな行動を追跡することまでは困難であった。また、建物内の平面図の活用に対しては、セキュリティの観点から、建物を所有する顧客から了承を得ることは困難であった。また、単距離無線通信を用いた屋内位置特定の技術を利用する場合には建物内に通信器を設置する必要があるが、顧客に設置のメリットがないことから了承を得ることは困難であった。
一方、近年では、スマートデバイス(スマートフォン、スマートウォッチ、またはウェアラブルデバイス等)の普及に伴い、スマートデバイスの内蔵センサを利用した作業者の行動追跡推定が提案されている。例えば特許文献1には、作業者が携帯する携帯型スマートデバイスにおいて、スマートデバイスの内部または外部センサ(加速度センサ、気圧センサ、ジャイロセンサ、照度センサ、温度センサ等)により、作業者の行動を推定し、作業が正しく実施されたことをエビデンスとして残して管理する作業管理システムが開示されている。
国際公開第2017/149587号
特許文献1に開示された作業管理システムは、作業者の行動を追跡するため、スマートデバイスの内部または外部センサを使用するが、各種センサによる測定が大きな測定誤差なく行われることを前提としている。しかし、最近のスマートフォンを代表としたスマートデバイスのセンサ利用は、センサ自体に測定誤差があることが知られており、また、作業中の環境変化(天気、気温等)も誤差の大きな要因となる。従来技術では、これらの課題に対して十分な解決方法が考慮されておらず、スマートデバイスの内部または外部センサを利用したときに、作業者の行動を精度良く推定することは容易ではなかった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、エレベーターの整備作業を行う作業者の行動を高精度で推定することが可能な作業管理システム及び作業管理方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、1以上の工程を含むエレベーターの整備作業を実施する作業者の行動履歴を推定する以下の作業管理システムが提供される。本作業管理システムは、前記作業者に携行されるスマートデバイスと、前記スマートデバイスと通信可能なセンタ装置と、を備え、前記スマートデバイスは、大気圧を測定する気圧センサと、前記気圧センサによって測定された気圧値の相対的な時系列変化を示す気圧センサ値を登録する気圧センサ値登録部と、前記エレベーターが敷設された建物への前記作業者の入館時刻及び退館時刻を登録する入館/退館登録部と、を有し、前記センタ装置は、前記整備作業の実施に伴って前記気圧センサ値登録部によって登録された前記気圧センサ値と、当該整備作業の実施に伴って前記入館/退館登録部によって登録された前記入館時刻及び退館時刻と、当該整備作業が正常に実施されたときの気圧変化の特徴的な条件が予め設定された気圧変化条件と、当該整備作業における作業先の階床数を示す階床情報と、を格納する記憶部と、前記整備作業が正常に実施されたか否かを判定する作業完了判定部と、を有して構成され、前記作業完了判定部は、前記記憶部に格納された前記気圧変化条件と前記階床情報とを用いて各階床における相対気圧値の基準値を算出し、前記算出した相対気圧値の基準値と前記記憶部に格納された前記気圧センサ値とを比較することにより、前記整備作業において前記作業者が移動した階床とその滞在時間とを時系列で示す移動履歴を識別し、前記識別した移動履歴と、前記気圧変化条件における工程ごとの滞在階床及び滞在時間の条件とを比較することにより、前記整備作業が正常に実施されたか否かを判定する
また、かかる課題を解決するため本発明においては、1以上の工程を含むエレベーターの整備作業を実施する作業者の行動履歴を推定する作業管理システムによる以下の作業管理方法が提供される。ここで、前記作業管理システムは、前記作業者に携行されるスマートデバイスと、前記スマートデバイスと通信可能なセンタ装置と、を有する。そして、本作業管理方法は、前記スマートデバイスが、気圧センサによって大気圧を測定する測定ステップと、前記スマートデバイスが、前記測定ステップで測定された気圧値の相対的な時系列変化を示す気圧センサ値を登録する気圧センサ値登録ステップと、前記スマートデバイスが、前記エレベーターが敷設された建物への前記作業者の入館時刻及び退館時刻を登録する入館/退館登録ステップと、前記センタ装置が、前記整備作業の実施に伴って前記気圧センサ値登録ステップで登録された前記気圧センサ値と、当該整備作業の実施に伴って前記入館/退館登録ステップで登録された前記入館時刻及び退館時刻と、当該整備作業が正常に実施されたときの気圧変化の特徴的な条件が予め設定された気圧変化条件と、当該整備作業における作業先の階床数を示す階床情報と、を所定の記憶部に格納する記憶ステップと、前記センタ装置が、前記整備作業が正常に実施されたか否かを判定する作業完了判定ステップと、を備え、前記作業完了判定ステップにおいて、前記センタ装置は、前記記憶ステップで格納された前記気圧変化条件と前記階床情報とを用いて各階床における相対気圧値の基準値を算出し、前記算出した相対気圧値の基準値と前記記憶ステップで格納された前記気圧センサ値とを比較することにより、前記整備作業において前記作業者が移動した階床とその滞在時間とを時系列で示す移動履歴を識別し、前記識別した移動履歴と、前記気圧変化条件における工程ごとの滞在階床及び滞在時間の条件とを比較することにより、前記整備作業が正常に実施されたか否かを判定する
本発明によれば、エレベーターの整備作業を行う作業者の行動を高精度で推定することができる。
本発明の一実施の形態に係る作業管理システムの構成例を示すブロック図である。 エレベーターの構造例を示す縦断面図である。 整備作業の作業手順の一例を示すフローチャートである。 図3に示した整備作業が実施されたときの相対気圧値の時系列変化の一例を示すグラフである。 作業完了判定処理の処理手順例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)作業管理システムの構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る作業管理システムの構成例を示すブロック図である。図1に示したように、本実施の形態に係る作業管理システム1は、スマートデバイス10とセンタ装置20とを備えて構成される。スマートデバイス10とセンタ装置20は、広域ネットワーク30を介して通信可能に接続される。
まず、スマートデバイス10の機能構成を説明する。
スマートデバイス10は、エレベーター40の整備作業(以下、単に作業とも称する)に従事する作業者が、作業中に常に携帯(携行)している情報端末であって、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、またはウェアラブルデバイス等である。図1に示したように、スマートデバイス10は、送受信部11、気圧センサ12、気圧センサ値登録部13、入館/退館登録部14、作業実績登録部15、表示部16、及び記憶部17を備えて構成される。エレベーター40の構成については、図2を参照しながら後述する。
送受信部11は、通信インタフェースであり、広域ネットワーク30を介してセンタ装置20とデータの送受信を行う。また、気圧センサ12は、大気圧を検知するセンサである。
気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を登録する。具体的には、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を連続的に記憶部17に記録する(気圧センサ値171)とともに、作業者の作業完了後に、記憶部17に記録された気圧センサ値171をセンタ装置20に送信して、センタ装置20の記憶部24に格納する(気圧センサ値243)。本例では、退館登録時に気圧センサ値171をセンタ装置20に送信するものとする。
入館/退館登録部14は、作業先の建物への作業者の入館時刻及び退館時刻を登録する。入館/退館登録部14による上記処理(入館/退館登録処理)は、作業者が作業先の建物内に入館した際、あるいは建物内から退館した際に行われ、作業者による表示部16の画面操作を実行契機としてもよいし、GPS等を用いて、作業先の建物内への作業者の出入りを確認できたことを実行契機としてもよい。入館/退館登録処理が実行されると、入館/退館登録部14は、スマートデバイス10に搭載された時計(不図示)の時刻を基に、入館時刻または退館時刻を取得し、センタ装置20の記憶部24に入館時刻または退館時刻を記録する(入館/退館時刻242)。なお、時計の時刻は、例えば携帯電話会社の通信機器との通信によって定期的に補正されることが好ましく、このような補正が行われることによって、誤差範囲を所定量(例えば1秒未満)に抑制することができる。
作業実績登録部15は、作業者による表示部16への入力操作に基づいて、作業者が実施した整備作業の内容(作業実績)を登録する。作業実績登録部15による上記処理(作業実績登録処理)が実行されると、表示部16に入力された作業実績の内容がセンタ装置20に送信され、センタ装置20の記憶部24に記録される(作業実績244)。
表示部16は、例えば液晶ディスプレイであり、表示機能の他、スマートフォンのように数字や文字情報を入力可能なキーボード機能(入力機能)も備えている。作業者は、表示部16を操作することによって、センタ装置20の記憶部24に格納されている作業スケジュール241を確認することができ、作業スケジュール241を確認することで作業先の情報や作業内容を認識することができる。
記憶部17は、データを記録するメモリである。具体的には例えば、気圧センサ値登録部13が登録する気圧センサ値171を格納する。
なお、図1に示したスマートデバイス10の各機能構成を実現するハードウェアについて補足すると、気圧センサ値登録部13、入館/退館登録部14、及び作業実績登録部15は、例えばスマートデバイス10に搭載されているCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)に格納されている所定のプログラムをRAM(Random Access Memory)に読み出して実行することによって実現できる。また上記CPUは、表示部16における表示機能や入力機能も制御するようにしてもよい。
次に、センタ装置20の機能構成を説明する。
センタ装置20は、複数箇所のエレベーターを統合的に管理する管理装置であって、例えばサーバやデータベース等によって実現される。センタ装置20は、概して作業者が整備作業を実施する場所から遠隔の地、例えば作業者の所属会社の建物等に設置される。図1に示したように、センタ装置20は、送受信部21、作業スケジュール計画部22、作業完了判定部23、及び記憶部24を備えて構成される。
送受信部21は、通信インタフェースであり、広域ネットワーク30を介してスマートデバイス10とデータの送受信を行う。
作業スケジュール計画部22は、作業者が複数の作業先を巡回するなかで、どの作業先にいつ訪問するかといった作業スケジュールの計画を受け付け、登録する。具体的には例えば、作業者が作業依頼者(建物の所有者や管理者)と作業日時の調整を行い、センタ装置20の入力部(不図示)に対して所定の入力操作を行うことによって、作業スケジュール計画部22は、入力された作業先や作業日時で作業スケジュールを登録する。登録する作業スケジュールは記憶部24に格納され(作業スケジュール241)、スマートデバイス10からも参照可能となる。
作業完了判定部23は、スマートデバイス10から受信して記憶部24に格納される時系列の相対気圧値(気圧センサ値243)に基づいて、エレベーター40の整備作業が正常に実施されたか否かを判定する機能を有する。詳細は図5を参照しながら後述するが、作業完了判定部23は、エレベーター40の整備作業が終了した後に「作業完了判定処理」を実行することにより、記憶部24に格納された気圧センサ値243と気圧変化条件245とを比較して、整備作業が実施漏れなく正しく実施されたか否かを判定することができる。
記憶部24は、データを記録するメモリである。具体的には図1に示したように、記憶部24には、作業スケジュール241、入館/退館時刻242、気圧センサ値243、作業実績244、気圧変化条件245、及び階床情報246が格納される。
このうち、作業スケジュール241は、作業スケジュール計画部22によって登録されるデータであり、入館/退館時刻242、気圧センサ値243、及び作業実績244は、スマートデバイス10から登録・送信されるデータである。
また、気圧変化条件245及び階床情報246は、予め記憶部24に格納されるデータである。気圧変化条件245は、正常な整備作業における気圧変化の特徴的な条件を示すデータであって、予め設定される。気圧変化条件245は、図5で後述する作業完了判定処理において、整備作業が作業者によって正常に実施されたかを判定するための条件に用いられる。階床情報246は、作業先の建物の階床数等を示すデータであり、これも予め設定される。本例では、階床情報246は、図4で後述する相対気圧基準値を算出するための式に代入されて用いられる。
なお、図1に示したセンタ装置20の各機能構成を実現するハードウェアについて補足すると、作業スケジュール計画部22及び作業完了判定部23は、例えばセンタ装置20に搭載されているCPUがROMに格納されている所定のプログラムをRAMに読み出して実行することによって実現できる。
そして、広域ネットワーク30は、インターネットやLTE(Long Term Evolution)、LAN(Local Area Network)等に代表される広域通信回線網であり、スマートデバイス10とセンタ装置20との間で各種データをやり取りする通信手段である。
以上が、本実施の形態に係る作業管理システム1の構成である。
(2)エレベーターの構造
図2は、エレベーターの構造例を示す縦断面図である。図2を参照して、整備作業の対象となるエレベーター40の構造を簡単に説明する。
図2に示したように、エレベーター40は作業対象の建物に敷設され、昇降路41、乗かご42、ロープ43、釣り合い錘44、駆動装置45、ブレーキ46、及びオイル式緩衝器47を備える。
昇降路41は、乗かご42及び釣り合い錘44が上下方向に移動するためのシャフトである。乗かご42は、乗客等を運搬するための箱であり、ロープ43で吊られている。ロープ43は、鋼材のケーブルであり、乗かご42と釣り合い錘44とを繋いでいる。
釣り合い錘44は、乗りかご42と釣り合いをとるための錘である。一般に、釣り合い錘44は、乗かご42の最大積載荷重に対して50%分の人が乗り込んだときに均衡がとれるように重さが調整されている。つまり、乗かご42に乗客等がいない場合には、釣り合い錘44のほうが乗かご42よりも重くなっている。
駆動装置45は、ロープ43を上下方向に移動させる駆動力を提供するモータである。駆動装置45は、制御盤(不図示)からの指令に従ってモータを回転させ、プーリ(不図示)を従動させることでロープ43を移動させる。ブレーキ46は、駆動装置45を構成する機器であり、駆動装置45が停止しているときにプーリを保持して動かないようにする重要な機器である。
ブレーキ46が正常に動作しないと、プーリがフリーとなり、乗かご42と釣り合い錘44のうち、重量が重い方向に予期せず動き出し、事故に繋がる可能性がある。そのため作業者は、整備作業において、定期的にブレーキ46のオーバーホールを行い、ブレーキ46に異常が起こらないようにする必要がある。なお、図2に示したように、ブレーキ46を含む駆動装置45は、昇降路41の上方(本例ではF+1階に相当)の機械室50に設置されているため、ブレーキ46のオーバーホールを実施する場合、作業者は機械室50で作業を行うことになる。
オイル式緩衝器47は、万が一、ブレーキ46が正常に動作せず、釣り合い錘44側に動き出して乗かご42が昇降路41の最上部まで過昇してしまったときに、釣り合い錘44が昇降路41の床面側に激突することによる衝撃を軽減するための緩衝機器である。一般的なエレベーターで採用されるこのような緩衝器には、オイル式やばね式等があるが、本例では、高速エレベーターで広く採用されるオイル式の緩衝器を用いて説明する。
上述したようにブレーキ46が正常に作動しなかった場合、釣り合い錘44が昇降路41の床面側に動いてオイル式緩衝器47に接触すると、緩衝機能が動作してオイル式緩衝器47からオイル(油)が溢れ出す。このようにオイル式緩衝器47は、緩衝機能の動作時にオイル(油)を溢れ出させることによって緩衝させる機構となっているため、整備作業においては、そのオイルの量(油量)が適量であるかを点検し、緩衝機能が動作したときはオイルを追加し、周囲を清掃する等の点検を行う必要がある。
(3)エレベーターの整備作業と相対気圧値の変化
本実施の形態に係る作業管理システム1では、作業者が携帯しているスマートデバイス10の電源が入っている間(スマートデバイス10で所定のアプリケーションが動作している間でもよい)、気圧センサ12が気圧を測定している。そして、作業者によってエレベーター40の整備作業が実施される際は、作業者が対象の建物に入館してから整備作業を実施して退館するまでの間、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12によって測定された気圧センサ値を連続的に補足し、基準点(例えば入館時の1階)における気圧センサ値を基準値「0」として、相対的な気圧値(以後、相対気圧値と称する)の変化を記憶部17に記録する。
図3は、整備作業の作業手順の一例を示すフローチャートである。図3には、本実施の形態で対象とされるエレベーター40の整備作業の一例として、ブレーキ46のオーバーホールを行う整備作業の作業手順が示されている。
図3によれば、まず、作業者が作業スケジュールを確認する(ステップS1)。具体的には例えば、作業者は、スマートデバイス10の表示部16を操作することにより、センタ装置20の記憶部24に格納された作業スケジュール241を参照して、当日の作業スケジュールを確認し、作業内容や作業の開始/終了時刻、作業先の建物の住所等を把握する。
次に、作業の開始時刻になり次第、作業者はエレベーター40が敷設された作業先の建物に入館し、整備作業を開始する(ステップS2)。この入館時、作業者は、スマートデバイス10の表示部16を操作して入館登録を行う。これにより、入館/退館登録部14が、センタ装置20の記憶部24に格納されている入館/退館時刻242に現在の入館時刻を登録する。入館登録は建物の入口で行うことになっているため、一般的な建物の場合、1階で行われる。
次に、作業者は、ブレーキ46のオーバーホールを開始する前に、ブレーキ46が正常に動作していることを確認するため、ステップS3において、エレベーター40の乗かご42の各階運転を往復して行い、各階での着床時の床段差やストップショック(停止時の衝撃)を確認する(着床レベル確認)。このとき、作業者は乗かご42を運転しながら、各階に停止させて往復運転を行う。
次に、作業者は機械室50に移動し、乗かご42を過昇させる乗かご過昇確認を行う(ステップS4)。ブレーキ46のオーバーホールでは、ブレーキ46が分解整備される。このとき、ブレーキ46がプーリを保持できなくなるため、予め乗かご42を過昇させる必要がある。過昇には、ブレーキ46を開放する専用冶具(不図示)を使用する。作業者は、この専用冶具を使って段階的にブレーキ46を開放することで、釣り合い錘44側に乗かご42をゆっくりと移動させることができる。
なお、乗かご42が昇降路41の最上部まで過昇すると、釣り合い錘44はオイル式緩衝器47に接触し、オイル式緩衝器47の緩衝機能が作動する。その結果、オイル式緩衝器47からはオイルが溢れ出すため、過昇の復帰後にはオイル式緩衝器47の点検も必要となるが、これはステップS7で後述する。
ステップS4で乗かご42を過昇させた後、作業者はブレーキ46のオーバーホールに取り掛かる(ステップS5)。なお、ステップS4〜S5の作業が行われる間、作業者は機械室50に滞在しており、作業者の技量にもよるが、ブレーキ46のオーバーホールには30分程度を要するものとする。
ブレーキ46のオーバーホールが終わると、作業者は、オーバーホール後のブレーキ46が正常に動作しているかを確認するため、エレベーター40の乗かご42の各階運転を往復して行い、各階での着床時の床段差やストップショック(停止時の衝撃)を確認する、着床レベル確認を行う(ステップS6)。ステップS6では、前述したステップS3と同様に、作業者は乗かご42を運転しながら、各階に停止させて往復運転を行う。
次に、作業者は、昇降路41の床面に移動し、オイル式緩衝器47の点検を実施する(ステップS7)。具体的には、オイル式緩衝器47の油量が適量であるかを確認したり(オイル式緩衝器油量確認)、オイル式緩衝器47の周囲に溢れ出たオイルを清掃したりする。なお、昇降路41の床面に移動する際は、エレベーター40を1階よりも少し上側に停止させる等して、その隙間からピットに進入することが一般的である。
そしてステップS7の作業が終了すると、作業者は点検対象の建物を退館し(ステップS8)、一連の整備作業が終了する。この退館時、作業者は、スマートデバイス10の表示部16を操作して退館登録を行う。これにより、入館/退館登録部14が、センタ装置20の記憶部24に格納されている入館/退館時刻242に現在の退館時刻を登録する。またこのとき、気圧センサ値登録部13は、一連の整備作業中に記憶部17に記録した気圧センサ値171(相対気圧値)の時系列データをセンタ装置20に送信し、記憶部24の気圧センサ値243として格納する。なお、作業管理システム1では、スマートデバイス10側で記憶部17に記録される気圧センサ値171を、一連の整備作業中にセンタ装置20に送信するようにしてもよい。
なお、作業者は、整備作業の作業中や作業後にスマートデバイス10の表示部16を操作して作業実績を入力する。当該入力が行われると、作業実績登録部15は、入力された作業実績をセンタ装置20に送信し、記憶部24に仮完了のステータスで作業実績244を格納する。作業実績244には、紐付け可能な複数のステータスが用意されており、本例では、「未実施」、「仮完了」、及び「実施済」のステータスが用意されているとする。
以上が、本実施の形態におけるエレベーター40の整備作業の一例である。前述したように、本実施の形態に係る作業管理システム1では、上記の整備作業の間、作業者が携帯しているスマートデバイス10においてセンサ気圧値が測定され、基準点(例えば入館時の1階)における気圧センサ値を基準値「0」とした相対気圧値の時系列変化が記憶部17に記録される。そして、記憶部17に記録された相対気圧値の時系列データはセンタ装置20に送信され、記憶部24において気圧センサ値243として格納される。
ここで、気圧値は垂直方向で変動する変動情報であることから、一連の整備作業における相対気圧値の時系列変化は、整備作業における作業者の垂直方向の移動と相関する。したがって、センタ装置20において、作業完了判定部23は、記憶部24に格納されている気圧変化条件245と作業先の階床情報246とを用いて、各階床の相対気圧値の基準値(相対気圧基準値)を算出することができ、算出した相対気圧基準値と記憶部24に格納された時系列の相対気圧値(気圧センサ値243)とを比較することにより、整備作業において作業者がどの時間にどの階にいたかという作業者の行動履歴を高精度に追跡・把握することができる。
図4は、図3に示した整備作業が実施されたときの相対気圧値の時系列変化の一例を示すグラフである。図4の左側には各階にエレベーター40が停止可能なF階建ての建物が示されており、建物の「F+1」階に相当する最上部には機械室50が、建物の「−1」階に相当する最下部には昇降路床面(ピット)が表されている。
また、図4に示した相対気圧値の時系列変化のグラフは、縦軸に相対気圧値、横軸に時間経過が表されている。相対気圧値は、基準階(本例では1階)における大気圧を基準気圧値「0」とする。本例では建物の階床間の高さが同一であるとし、1階床分の気圧変化値をPとする。このようにしたとき、各階の相対気圧基準値は、1階が「0」、2階が「−P」、3階が「−2P」、・・・、F階が「−(F−1)×P」と定義することができ、同様に、機械室(F+1階)の相対気圧基準値は「−F×P」、昇降路床面(−1階)の相対気圧基準値は「P]と定義できる。また、横軸の時間経過には、図3に示した一連の整備作業の各工程(図3のステップS3〜S7)が含まれており、各工程に対応する相対気圧値の変化(気圧センサ12による測定値に基づく相対気圧値を時系列でプロットした線グラフ)に、気圧変化H1〜H5の符号を付している。
以下に、図4の各気圧変化H1〜H5について、図3に示した整備作業の各工程の進行と対照しながら詳しく説明する。
まず、入館登録が行われたとき(図3のステップS2)、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を基準値「0」として設定し、以後、気圧センサ値登録部13は、気圧センサ12が測定した気圧センサ値を上記基準値に対する相対値(相対気圧値)に変換して扱う。一般に気圧センサ12は測定誤差が少なからず発生する可能性があるが、気圧センサ値登録部13が、入館登録時に基準値を設定して以後は相対期待値で扱うことにより、それまでの測定誤差をリセットし、一連の整備作業が実施される間の測定誤差を抑制することができる。
整備作業が開始すると、各階運転で着床レベル確認が行われる(図3のステップS3)。このとき作業者は乗かご42を運転しながら、各階に停止させて往復運転を行うため、その気圧変化H1は、階段状に各階を移動する形状のグラフで表される。
次に、乗かご過昇確認が行われる(図3のステップS4)。このとき、作業者はまず1階から機械室50に移動し、機械室50において乗かご42の過昇操作を行う。したがって、その気圧変化H2は、機械室50の高さを示す「−F×P」まで低下する。乗かご42の過昇操作が終了時には、作業者は再び1階に降りている。
次に、ブレーキ46のオーバーホール確認が行われる(図3のステップS5)。前述したようにブレーキ46のオーバーホールは機械室50で行われるため、気圧変化H3における相対気圧値は、「−F×P」で遷移する。
ブレーキ46のオーバーホールの終了後は、オーバーホール後のブレーキ46が正常に動作しているかを確認するため、各階運転で着床レベル確認が行われる(図3のステップS6)。このとき作業者は、最上階(F階)のエレベーター40に乗り込み、各階で着床レベルを確認しながら1階までを往復するため、気圧変化H4は、階段状に各階を移動する形状のグラフで表される。なお、気圧変化H1と気圧変化H4の形状を比較すると、前者は1階から最上階(F階)までを各階運転で往復するときの気圧変化であるのに対し、後者は最上階(F階)から1階に向けて各階運転の往復を行ったときの気圧変化であるため、階段状の凸方向が反対になっているが、何れも、1階から最上階の各階を階段状に往復するグラフで表される。
次に、オイル式緩衝器油量確認が行われる(図3のステップS7)。このとき、作業者は昇降路41の床面で作業を行う。昇降路41の床面は1階よりも下(本例では「−1階」に相当)にあり、図3のステップS7で前述したように、作業者は1階からピットに進入して作業する。したがってオイル式緩衝器油量確認における気圧変化H5は、1階(相対気圧「0」)と−1階(相対気圧「P」)との間に表される。
そして全ての工程が終了すると、作業者は1階から退館するため、最後の相対気圧値は「0」となる。
(4)作業完了判定処理
図3,図4を参照しながら詳述したように、作業完了判定部23は、建物の各階床の相対気圧基準値と整備作業において測定された時系列の相対気圧値(気圧センサ値243)とを比較することにより、整備作業において作業者がどの時間にどの階にいたかという作業者の垂直方向の移動履歴(行動履歴)を識別することができる。さらに、作業完了判定部23は、以下の作業完了判定処理を実行することにより、作業者によって整備作業が実施漏れなく正しく実施されたか否かを判定する。
図5は、作業完了判定処理の処理手順例を示すフローチャートである。図5に示す作業管理判定処理は、当該整備作業に関する入館/退館時刻242、気圧センサ値243、及び作業実績244が記憶部24に揃った任意のタイミング、例えば、作業者が対象の整備作業を終えて退館登録及び作業実績登録が完了した後に、主に作業完了判定部23によって実行される。作業完了判定部23は、気圧変化条件245を基に、図5の各ステップ(ステップS12〜S15)の判定を行う。
図5によればまず、作業完了判定部23は、記憶部24から、入館時刻から退館時刻までの気圧センサ値243を抽出する(ステップS11)。
次に、作業完了判定部23は、ステップS11で抽出した気圧センサ値243を参照し、機械室50の滞在時間が30分以上であったか否かを判定する(ステップS12)。より具体的には、作業完了判定部23は、上記抽出した気圧センサ値243において、入館時刻から退館時刻までの間に、機械室50の相対気圧基準値である「−F×P」に相当する値が、変動することなく(異なる階床の相対気圧基準値に近づかない所定程度の変動範囲は許容してもよい)30分以上経過した箇所があるか否かを判定する。ステップS12において30分以上経過した箇所があった場合(ステップS12のYES)、機械室50におけるブレーキ46のオーバーホール(図3のステップS5、図4の気圧変化H3)が正常に実施されたと推定でき、ステップS13に進む。一方、ステップS12において30分以上経過した箇所がなければ(ステップS12のNO)、機械室50におけるブレーキ46のオーバーホールが適正に実施されていないことが推定できるため、ステップS17に進む。ステップS17は、整備作業が正しく行われなかったと判定されたときに行われる処理であり、詳細は後述する。
ステップS13では、作業完了判定部23は、ステップS11で抽出した気圧センサ値243を参照し、ステップS12で確認された機械室50の滞在前に、1階から開始される各階の往復移動が実施されたか否かを判定する。より具体的には、作業完了判定部23は、上記抽出した気圧センサ値243において、入館時刻からステップS12で判定した機械室50の30分以上の滞在時間開始までの間に、1階からF階までの各階の相対気圧基準値(「0」から「−(F−1)×P」)に相当する値が、それぞれ所定時間(各階における作業時間に割り当てられる最短時間)以上で順に滞在し、往復しているか否かを判定する。このとき「F」には、記憶部24に格納する作業先の階床情報246の最上階が代入される。また「P」は、入館時刻から退館時刻までの気圧センサ値243のうちの相対気圧値の最小値を階床情報246の最上階+1の階床で割ることにより算出できる。ステップS13において各階滞在の往復移動が確認できた場合は(ステップS13のYES)、ブレーキ46のオーバーホール前の着床レベル確認(図3のステップS3、図4の気圧変化H1)が正常に実施されたと推定でき、ステップS14に進む。一方、ステップS13において各階滞在の往復移動が確認できなければ(ステップS13のNO)、ブレーキ46のオーバーホール前の着床レベル確認が正常に実施されていないことが推定できるため、ステップS17に進む。
ステップS14では、作業完了判定部23は、ステップS11で抽出した気圧センサ値243を参照し、ステップS12で確認された機械室50の滞在後に、最上階(F階)から開始される各階の往復移動が実施されたか否かを判定する。より具体的には、作業完了判定部23は、上記抽出した気圧センサ値243において、ステップS12で判定した機械室50の30分以上の滞在時間後から退館時刻までの間に、F階から1階までの各階の相対気圧基準値(「−(F−1)×P」から「0」)に相当する値が、それぞれ所定時間(各階における作業時間に割り当てられる最短時間)以上で順に滞在し、往復しているか否かを判定する。ステップS14において各階滞在の往復移動が確認できた場合は(ステップS14のYES)、ブレーキ46のオーバーホール後の着床レベル確認(図3のステップS6、図4の気圧変化H4)が正常に実施されたと推定でき、ステップS15に進む。一方、ステップS14において各階滞在の往復移動が確認できなければ(ステップS14のNO)、ブレーキ46のオーバーホール前の着床レベル確認が正常に実施されていないことが推定できるため、ステップS17に進む。
ステップS15では、作業完了判定部23は、ステップS11で抽出した気圧センサ値243を参照し、ステップS12で確認された機械室50の滞在後に、昇降路床面に移動したか否かを判定する。より具体的には、作業完了判定部23は、上記抽出した気圧センサ値243において、ステップS12で判定した機械室50の30分以上の滞在時間後から退館時刻までの間に、昇降路床面(ピット)の相対気圧基準値「P」に相当する値が測定されているか否かを判定する。なお、昇降路床面の相対基準値に相当する値が所定時間(オイル式緩衝器油量確認に割り当てられる最短時間)以上で滞在しているか否かで判定してもよい。ステップS15において昇降路床面への移動が確認できた場合は(ステップS15のYES)、オイル式緩衝器油量確認(図3のステップS7、図4の気圧変化H5)が正常に実施されたと推定でき、ステップS16に進む。一方、ステップS15において昇降路床面への移動が確認できなければ(ステップS15のNO)、オイル式緩衝器油量確認が正常に実施されていないことが推定できるため、ステップS17に進む。
なお、図5のフローチャートには示していないが、本実施の形態に係る作業完了判定処理では、ステップS12〜S15と同様に判定を行うことによって、さらに、乗かご過昇確認(図3のステップS4、図4の気圧変化H2)が実施されたかを判定するようにしてもよい。この判定処理の詳細な説明は省略するが、ステップS11で抽出した気圧センサ値243において、ステップS12で判定対象となった時間帯よりも前に、機械室50への移動が行われたか否かを判定すればよい。
ステップS16は、上記の各ステップ(ステップS12〜S15)で肯定結果が得られて、整備作業の各工程が正しく行われたと判定されたときに実行される。このとき、作業完了判定部23(または作業スケジュール計画部22)は、作業実績244に登録された作業実績244のステータスを「仮完了」から「実施済」に登録し直す。また、作業完了判定部23(または作業スケジュール計画部22)は、一連の整備作業が正常に実施されたことを、スケジュール計画の登録を行う画面や電子メール等を用いて管理者に報告するようにしてもよい。
一方、ステップS17は、上記の各ステップ(ステップS12〜S15)の何れかで否定結果が得られて、整備作業の各工程の何れかが正しく行われなかったと判定されたときに実行される。このとき、作業スケジュール計画部22が、スケジュール計画の登録を行う画面や電子メール等を用いて作業者にアラートを行い、作業の再計画が必要である旨を警告する。また、作業完了判定部23(または作業スケジュール計画部22)は、作業実績244に登録された作業実績244のステータスを「仮完了」から「未実施」に登録し直す。なお、ステップS17における警告では、ステップS12〜S15の判定結果に基づいて、一連の整備作業のうちのどの工程において異常と判定したかを出力するようにしてもよい。このようにすることで、管理者は、作業者の行動履歴のどこに問題があったかを詳細に把握することができ、作業実施のエビデンスや教育活動等に、より活用することができる。
ステップS16またはステップS17の処理後、作業完了判定処理は終了する。ステップS16またはステップS17の処理を経て、作業実績登録部15によって登録された作業実績244のステータス「仮完了」は、作業が正常に実施済みであることを示す「実施済」か、作業が正常に実施されず再計画が必要であることを示す「未実施」に更新され、作業実績244の最終的なステータスが確定する。
以上、本実施の形態に係る作業管理システム1によれば、図3及び図4を参照しながら詳述したように、相対気圧値(気圧センサ値171,243)の時系列変化に基づいて、エレベーター40の整備作業(より詳しくは、ブレーキ46のオーバーホールを含む整備作業)における作業者の行動履歴を高精度に追跡・把握することができる。さらに、図5に示した作業完了判定処理が実行されることにより、当該整備作業において作業者が必ず実施する必要がある点検項目(工程)について、相対気圧値の時系列変化に基づいて、正常に実施されたか否かを高精度で判断することができる。かくして、本実施の形態に係る作業管理システム1によれば、整備作業の実施漏れを防止することができる。また、管理者は、作業者の高精度な行動履歴から問題点を把握することができるため、作業実施のエビデンスや教育活動等に活用することができる。
なお、上記例では、作業者が建物に入館したとき(入館/退館登録部14によって入館時刻が記録されたとき)に気圧センサ12によって測定された大気圧の気圧値を基準値の「0」とし、他階における相対気圧基準値を「F」及び「P」を用いて算出するようにしたが、本実施の形態に係る作業管理システム1では、一連の整備作業の途中で、予め定められた、位置特定が可能な動作の実行時に、相対気圧基準値を補正するようにしてもよい。具体的には例えば、作業位置が機械室50に特定可能なブレーキ46のオーバーホールの実施時に、気圧センサ12によって測定された実際の気圧値を用いて、相対気圧基準値を補正することができる。このようにセンサ値(気圧値)の補正を行う場合には、作業中の環境変化によって相対気圧基準値が変動した場合にも対応することができるため、より高精度に作業者の行動履歴を追跡・把握することができる。
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形態様が含まれる。前述した実施の形態は、本発明を分かりやすく説明するために説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではなく、適宜、その他の構成にも応用できる。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、図面において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実施には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 作業管理システム
10 スマートデバイス
11 送受信部
12 気圧センサ
13 気圧センサ値登録部
14 入館/退館登録部
15 作業実績登録部
16 表示部
17 記憶部
20 センタ装置
21 送受信部
22 作業スケジュール計画部
23 作業完了判定部
24 記憶部
30 広域ネットワーク
40 エレベーター
41 昇降路
42 乗かご
43 ロープ
44 釣り合い錘
45 駆動装置
46 ブレーキ
47 オイル式緩衝器
50 機械室
171 気圧センサ値
241 作業スケジュール
242 入館/退館時刻
243 気圧センサ値
244 作業実績
245 気圧変化条件
246 階床情報

Claims (7)

  1. 1以上の工程を含むエレベーターの整備作業を実施する作業者の行動履歴を推定する作業管理システムであって、
    前記作業者に携行されるスマートデバイスと、
    前記スマートデバイスと通信可能なセンタ装置と、
    を備え、
    前記スマートデバイスは、
    大気圧を測定する気圧センサと、
    前記気圧センサによって測定された気圧値の相対的な時系列変化を示す気圧センサ値を登録する気圧センサ値登録部と、
    前記エレベーターが敷設された建物への前記作業者の入館時刻及び退館時刻を登録する入館/退館登録部と、
    を有し、
    前記センタ装置は、
    前記整備作業の実施に伴って前記気圧センサ値登録部によって登録された前記気圧センサ値と、当該整備作業の実施に伴って前記入館/退館登録部によって登録された前記入館時刻及び退館時刻と、当該整備作業が正常に実施されたときの気圧変化の特徴的な条件が予め設定された気圧変化条件と、当該整備作業における作業先の階床数を示す階床情報と、を格納する記憶部と、
    記整備作業が正常に実施されたか否かを判定する作業完了判定部と、
    を有し、
    前記作業完了判定部は、
    前記記憶部に格納された前記気圧変化条件と前記階床情報とを用いて各階床における相対気圧値の基準値を算出し、
    前記算出した相対気圧値の基準値と前記記憶部に格納された前記気圧センサ値とを比較することにより、前記整備作業において前記作業者が移動した階床とその滞在時間とを時系列で示す移動履歴を識別し、
    前記識別した移動履歴と、前記気圧変化条件における工程ごとの滞在階床及び滞在時間の条件とを比較することにより、前記整備作業が正常に実施されたか否かを判定する
    ことを特徴とする作業管理システム。
  2. 前記気圧センサ値登録部は、前記入館/退館登録部によって前記入館時刻が登録されたときに前記気圧センサによって測定された気圧値を「0」の基準値として、以後の前記気圧センサによる測定値の相対気圧値を前記気圧センサ値として登録する
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業管理システム。
  3. 前記センタ装置は、
    前記整備作業の作業スケジュールを登録する作業スケジュール計画部をさらに有し、
    前記作業スケジュール計画部は、前記作業完了判定部によって前記整備作業が正常に実施されていないと判定された場合に、当該整備作業の前記作業スケジュールについて再計画が必要である旨を警告す
    とを特徴とする請求項1に記載の作業管理システム。
  4. 前記整備作業には、前記建物の機械室に配置された前記エレベーターのブレーキのオーバーホールが含まれ、
    前記気圧変化条件の1つとして、前記気圧センサ値の一区間が、前記ブレーキのオーバーホールに要すると想定される所定時間以上に亘って、前記機械室の高度に相当する相対気圧値の基準値を示していることが設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の作業管理システム。
  5. 1以上の工程を含むエレベーターの整備作業を実施する作業者の行動履歴を推定する作業管理システムによる作業管理方法であって、
    前記作業管理システムは、前記作業者に携行されるスマートデバイスと、前記スマートデバイスと通信可能なセンタ装置と、を有し、
    前記スマートデバイスが、気圧センサによって大気圧を測定する測定ステップと、
    前記スマートデバイスが、前記測定ステップで測定された気圧値の相対的な時系列変化を示す気圧センサ値を登録する気圧センサ値登録ステップと、
    前記スマートデバイスが、前記エレベーターが敷設された建物への前記作業者の入館時刻及び退館時刻を登録する入館/退館登録ステップと、
    前記センタ装置が、前記整備作業の実施に伴って前記気圧センサ値登録ステップで登録された前記気圧センサ値と、当該整備作業の実施に伴って前記入館/退館登録ステップで登録された前記入館時刻及び退館時刻と、当該整備作業が正常に実施されたときの気圧変化の特徴的な条件が予め設定された気圧変化条件と、当該整備作業における作業先の階床数を示す階床情報と、を所定の記憶部に格納する記憶ステップと、
    前記センタ装置が、前記整備作業が正常に実施されたか否かを判定する作業完了判定ステップと、
    を備え
    前記作業完了判定ステップにおいて、前記センタ装置は、
    前記記憶ステップで格納された前記気圧変化条件と前記階床情報とを用いて各階床における相対気圧値の基準値を算出し、
    前記算出した相対気圧値の基準値と前記記憶ステップで格納された前記気圧センサ値とを比較することにより、前記整備作業において前記作業者が移動した階床とその滞在時間とを時系列で示す移動履歴を識別し、
    前記識別した移動履歴と、前記気圧変化条件における工程ごとの滞在階床及び滞在時間の条件とを比較することにより、前記整備作業が正常に実施されたか否かを判定する
    ことを特徴とする作業管理方法。
  6. 前記気圧センサ値登録ステップにおいて、前記スマートデバイスは、前記入館/退館登録ステップで前記入館時刻が登録されたタイミングで前記測定ステップによって前記気圧センサにより測定された気圧値を「0」の基準値として、以後の前記気圧センサによる測定値の相対気圧値を前記気圧センサ値として登録する
    ことを特徴とする請求項5に記載の作業管理方法。
  7. 前記センタ装置が前記整備作業の作業スケジュールを登録する作業スケジュール計画ステップと、
    前記作業完了判定ステップで前記整備作業が正常に実施されていないと判定された場合に、前記センタ装置が、前記作業スケジュール計画ステップで登録された当該整備作業の作業スケジュールについて再計画が必要である旨を警告する警告ステップと、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の作業管理方法。
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