JP6974759B2 - こて塗り用不定形耐火物 - Google Patents
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Description
耐火原料は一般に耐火物に使用されるものであればよく、例えば、焼結アルミナ、電融アルミナ、ばん土頁岩、ムライト、シャモット、ロウ石、珪砂、シリカヒューム、海水マグネシア、電融マグネシア、天然マグネシア、スピネル等が挙げられる。耐火原料の種類や粒度は不定形耐火物の用途に応じて適宜選択又は調整される。例えば、シリカヒュームは減水効果を有し、混練後の不定形耐火物を柔らかい状態で維持するのに好適である。また、不定形耐火物により良好な保形性を付与するため、耐火原料は膨潤性耐火原料を含んでもよい。膨潤性耐火原料としては、例えば、耐火粘土、ベントナイト、人造雲母等が挙げられる。膨潤性耐火原料の含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.5〜6質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。また、不定形耐火物により良好な保形性(こてのり)を付与するため、耐火原料は繊維原料を含んでもよい。繊維原料としては、例えば、無機繊維であるスラグウール、ガラス繊維、セラミック繊維等や、有機繊維である木材パルプ繊維、麻糸、綿くず、合成繊維等が挙げられ、これらを併用してもよい。繊維原料の含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.2〜5質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。繊維原料の長さは混練時の分散性の観点から10mm以下が好ましい。なお、有機繊維は材質の観点からすると後述の少量添加物に分類すべきところ、機能の観点から無機繊維の次に記載した。
結合剤には、一般に不定形耐火物に使用されるアルミナセメントを使用することができる。アルミナセメントの含有量は、一般に不定形耐火物に使用される量であればよく、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましく、3〜10質量部がさらに好ましい。1質量部未満では結合強度の観点で好ましくなく、20質量部を超えると耐熱性の観点で好ましくない。
グルコン酸ナトリウム及び塩基性乳酸アルミニウムは凝集を抑制する効果を有するため、本実施形態のこて塗り用不定形耐火物は、混練後長時間練置き保管しても柔らかい状態を維持することができる。また、適度な保形性を維持することができる。本実施形態のこて塗り用不定形耐火物は、グルコン酸ナトリウム及び塩基性乳酸アルミニウムから選ばれる1種又は2種を含む。グルコン酸ナトリウムを含む場合、グルコン酸ナトリウムの含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.5質量部が好ましく、0.05〜0.3質量部がより好ましく、0.07〜0.2質量部がさらに好ましい。0.01質量部未満では硬化遅延の観点で好ましくなく、0.5質量部を超えると練置き後の保形性の観点で好ましくない。塩基性乳酸アルミニウムを含む場合、塩基性乳酸アルミニウムの含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.005〜0.2質量部が好ましく、0.01〜0.12質量部がより好ましく、0.02〜0.1質量部がさらに好ましい。0.005質量部未満では硬化遅延の観点で好ましくなく、0.2質量部を超えると練置き後の保形性の観点で好ましくない。
リグニンスルホン酸塩、酒石酸及びでん粉加水分解物は、適度な硬化遅延効果を有する。さらに、それらは、長時間練置き保管した後のこて塗り不定形耐火物により適度な保形性を付与するため、施工時のだれ落ちを抑制することができる。本実施形態のこて塗り用不定形耐火物は、リグニンスルホン酸塩、酒石酸及びでん粉加水分解物から選ばれる1種又は2種以上を含む。リグニンスルホン酸塩を含む場合、リグニンスルホン酸塩の含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.2質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましく、0.02〜0.07質量部がさらに好ましい。酒石酸を含む場合、酒石酸の含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.5質量部が好ましく、0.05〜0.3質量部がより好ましく、0.05〜0.2質量部がさらに好ましい。でん粉加水分解物を含む場合、でん粉加水分解物の含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.05〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.6質量部がより好ましく、0.2〜0.4質量部がさらに好ましい。
本実施形態のこて塗り用不定形耐火物には、一般に不定形耐火物に使用される他の少量添加物を添加してもよく、例えば、酸化防止剤、増粘剤、カーボンブラック等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、Al、Si、B4C、SiC、Al−Mg合金等が挙げられる。SiCは耐火原料として使用されることもある。
こて塗り用不定形耐火物に、混練直後のタップフロー値が170mm±10mmとなるように水を加えて混練した。タップフロー値はJIS R 2521中のフロー試験方法を流用したものであり、円錐台形のフローコーン(下底100mm、上面70mm、高さ60mm)に測定対象物を詰めた後、フローコーンを取り去ってから落下運動を与え、広がった最大径と、これに直角方向の径との平均値である。混練後9時間経過時のタップフロー値でこて塗り用不定形耐火物の可使時間を評価した。混練後9時間経過時のタップフロー値が大きいほど長時間練置き保管しても凝集することなく柔らかい状態を維持することを意味し、優:150mm以上、良:140〜149mm、可:130〜139mm、不可:129mm以下と評価した。
こて塗り用不定形耐火物に、混練直後のタップフロー値が170mm±10mmとなるように水を加えて混練した。混練後9時間経過時のフリーフロー値でこて塗り用不定形耐火物の保形性を評価した。フリーフロー値は、タップフロー値と同様にフローコーンを取り去った後、落下運動を与えず、自然状態で広がった最大径と、これに直角方向の径との平均値である。混練後9時間経過時のフリーフロー値が小さいほどだれ落ちすることなく適度な保形性を維持することを意味し、優:104mm以下、良:105〜110mm、可:111〜115mm、不可:116mm以上と評価した。
こて塗り用不定形耐火物に、混練直後のタップフロー値が170mm±10mmとなるように水を加えて混練し、9時間経過後にこて塗りを実施し、触感でこて塗り作業性を評価した。硬さや泡立ちの観点から、A:硬くて作業性が劣るもの(A’:泡立って作業性が劣るもの)、B:やや硬いが作業性には問題ないもの(B’:やや泡立つが作業性には問題ないもの)、C:良好なもの、D:やや柔らかいが作業性には問題ないもの、E:柔らかくてだれ落ちし、作業性が劣るものと評価した。
実施例1〜24はいずれも比較例1〜3に比べて柔らかい状態、適度な保形性及びこて塗り作業性を維持し、長時間練置き保管しても良好な施工が可能な状態であった。したがって、グルコン酸ナトリウム及び塩基性乳酸アルミニウムから選ばれる1種又は2種を含み、グルコン酸ナトリウムを含む場合、グルコン酸ナトリウムの含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.5質量部が好ましく、0.05〜0.3質量部がより好ましく、0.07〜0.2質量部がさらに好ましい。また、塩基性乳酸アルミニウムを含む場合、塩基性乳酸アルミニウムの含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.005〜0.2質量部が好ましく、0.01〜0.12質量部がより好ましく、0.02〜0.1質量部がさらに好ましい。
実施例7〜24は総じて実施例1〜6に比べて柔らかい状態、適度な保形性及びこて塗り作業性を維持し、長時間練置き保管しても良好な施工が可能な状態であった。特に、実施例8、11、14、17、20、23の保形性とこて塗り作業性が優れていた。したがって、リグニンスルホン酸塩、酒石酸及びでん粉加水分解物から選ばれる1種又は2種以上を含み、リグニンスルホン酸塩を含む場合、リグニンスルホン酸塩の含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.2質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましく、0.02〜0.07質量部がさらに好ましい。また、酒石酸を含む場合、酒石酸の含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.5質量部が好ましく、0.05〜0.3質量部がより好ましく、0.05〜0.2質量部がさらに好ましい。さらに、でん粉加水分解物を含む場合、でん粉加水分解物の含有量は、耐火原料とアルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.05〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.6質量部がより好ましく、0.2〜0.4質量部がさらに好ましい。
Claims (2)
- 耐火原料とアルミナセメントとを主成分として含み、
グルコン酸ナトリウム及び塩基性乳酸アルミニウムから選ばれる1種又は2種を副成分として含み、
前記グルコン酸ナトリウムを副成分として含む場合、前記グルコン酸ナトリウムの含有量は、前記耐火原料と前記アルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.5質量部であり、
前記塩基性乳酸アルミニウムを副成分として含む場合、前記塩基性乳酸アルミニウムの含有量は、前記耐火原料と前記アルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.005〜0.2質量部であり、
ほう素化合物を不可避不純物以外に含まないことを特徴とするこて塗り用不定形耐火物。 - 請求項1に記載のこて塗り用不定形耐火物において、
リグニンスルホン酸塩、酒石酸及びでん粉加水分解物から選ばれる1種又は2種以上を副成分としてさらに含み、
前記リグニンスルホン酸塩を副成分としてさらに含む場合、前記リグニンスルホン酸塩の含有量は、前記耐火原料と前記アルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.2質量部であり、
前記酒石酸を副成分としてさらに含む場合、前記酒石酸の含有量は、前記耐火原料と前記アルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.01〜0.5質量部であり、
前記でん粉加水分解物を副成分としてさらに含む場合、前記でん粉加水分解物の含有量は、前記耐火原料と前記アルミナセメントの合計含有量100質量部に対し、0.05〜1.0質量部であることを特徴とするこて塗り用不定形耐火物。
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JP2019208827A JP6974759B2 (ja) | 2019-11-19 | 2019-11-19 | こて塗り用不定形耐火物 |
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