JP6973728B2 - 表層圧密木材及びその製造方法 - Google Patents
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木材板の繊維方向に平行な表面から当該木材板の内部に向かって開孔する所定深さの複数の微細孔を有し、
前記微細孔の孔径が100μm以下であり、前記表面における前記微細孔の開孔密度が15個/cm 2 以上であって、
前記微細孔が開孔する前記木材板の表面から前記微細孔の深さ付近までの表層部のみが圧密化され、前記微細孔の深さ付近を超える内層部が圧密化されることがない状態にあり、
前記圧密化された表層部には、モノマー、オリゴマー、プレポリマーなどの樹脂前駆体が重合又は縮合してなる樹脂成分が充填された状態にある。
前記樹脂成分は、アクリル系モノマー又はオリゴマーが重合してなることを特徴とする。
前記樹脂成分は、アクリル系モノマー又はオリゴマーと共にメチロール化樹脂プレポリマーを併用して、これらが単独又は相互に重合又は縮合してなることを特徴とする。
前記メチロール化樹脂プレポリマーは、フェノール樹脂プレポリマーであることを特徴とする。
圧密化された前記表層部におけるJIS Z 2101(木材の試験方法)に規定するブリネル硬さ試験で測定した表面の硬さの値が、12N以上であることを特徴とする。
デュポン衝撃試験器を使用し、500gの重りを高さ300mmから落下させ、先端の直径1/2インチの圧子によって表面に衝撃を加えた後の圧痕深さを測定する耐衝撃性の値が、0.7mm以下であることを特徴とする。
木材板の繊維方向に平行な表面から当該木材板の内部に向かって開孔する所定深さの複数の微細孔を形成する微細孔形成工程と、
前記木材板の表面から前記微細孔を介して当該微細孔の深さ付近までの表層部に重合性又は縮合性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどの樹脂前駆体を注入する注入工程と、
当該注入工程後の前記木材板の表層部が軟化するまで予備加熱し、その後に当該表層部を略垂直な方向から圧縮して、前記表層部のみを圧密化すると共に、前記微細孔の深さ付近を超える内層部を圧密化することがない圧密化工程と、
前記注入工程で注入した前記樹脂前駆体を重合又は縮合して樹脂成分を形成し、当該樹脂成分を圧密化された前記表層部に充填する樹脂化工程とを有し、
前記微細孔形成工程において、
前記微細孔は、紫外線波長域のレーザを用いたインサイジングによって形成され、その孔径が100μm以下であり、前記表面における開孔密度が15個/cm 2 以上とすることを特徴とする。
前記圧密化工程と前記樹脂化工程とが同時に進行することを特徴とする。
前記樹脂成分は、アクリル系モノマー又はオリゴマーが重合してなることを特徴とする。
前記樹脂成分は、アクリル系モノマー又はオリゴマーと共にメチロール化樹脂プレポリマーを併用して、これらが単独又は相互に重合又は縮合してなることを特徴とする。
前記メチロール化樹脂プレポリマーは、フェノール樹脂プレポリマーであることを特徴とする。
上述のように、軟質木材においても、木材板の繊維方向に平行な表面から細胞壁を介しての樹脂成分の均一な注入は難しい。更に、樹種によっても注入に差異があり、同じ樹種であっても心材と辺材では注入に差異があり、易注入材と分類される樹種であっても一般的に辺材は易注入部だが、心材は難注入部とされる。更に、同じ木質材の表層部においても、早材部(年輪でない部分)は易注入部とされ、晩材部(年輪部分)は難注入部とされる。
アッシュ、レッドオーク、バーチ、メイプル、ケンパス、パラゴムなどが挙げられる。一方、難注入材とされる樹種(針葉樹に限定せず)には、エゾマツ、トドマツ、トウヒ、ヒノキ、クルミ、ケヤキ、ブナ、ミズメ、カラマツ、カツラ、クリ、コナラ、サクラ、センダン、ミズナラ、ベイツガ、スプルース、ポプラ、ベイマツ、ウエスタンレッドシダー、
ビーチ、ホワイトオーク、キリ、ナラ、カリン、ユーカリ、アカシアマンギウムなどが挙げられる。
注入工程においては、加工する木材板の表面に開孔した微細孔を介して、当該微細孔の深さ付近までの表層部に重合性又は縮合性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどの樹脂前駆体を注入する。これらの樹脂前駆体は、一般の樹脂に比べて分子量が小さく木材板の表層部の道管・仮道管の細胞壁を貫通する微細孔を介して表層部のみに容易に注入することができる。
圧密化工程においては、注入工程後の木材板の表層部を加熱すると共に当該表層部を略垂直な方向から圧縮して、表層部のみを圧密化する。具体的には、表層部に樹脂液を注入した木材板を加温し、この加温された木材板に対して、表層部に垂直な方向から所定の圧縮力を加えて圧縮する。更に、この圧縮力を維持した状態で、同温度又は昇温して所定温度下で所定時間維持した後、圧密化工程を完了する。
樹脂化工程においては、注入工程で表層部に注入した樹脂前駆体を重合又は縮合して樹脂成分を形成し、当該樹脂成分を圧密化された表層部に充填する。なお、本実施形態においては、上述の圧密化工程において、樹脂化工程が同時に進行する。具体的には、圧密化工程の加熱圧縮の操作により、木材板の表層部が上述の所定温度及び所定時間加熱される。この条件において、表層部に注入された樹脂前駆体が重合又は縮合して高分子量の樹脂成分を形成する。この樹脂成分のうち、主に(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが重合して細胞内腔に充填される。
本実施例1の微細孔形成工程においては、上述のUVレーザインサイジングを利用して、スギ辺材に対して予め設定しておいたレーザ発信器の出力と照射時間により、孔径約60μm、開孔深度約4mmの微細孔を開孔密度0〜667個/cm2の範囲で有する試料を作製した。
本実施例1の注入工程においては、樹脂前駆体として、メタクリル酸エステルのモノマー;ダイヤカイトPF‐2730(東栄化成株式会社製)を樹脂液として使用し、所定量の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)を併用した。ダイヤカイトPF‐2730はモノマー単独であり、有効成分比率100%とした。なお、本実施例1においては、フェノール樹脂プレポリマーなど他の樹脂前駆体を併用しなかった。本実施例1においては、樹脂液の注入は、刷毛塗りによる塗布で行った。塗布は、微細孔が開孔した表面に液体が造膜されるまで行った。樹脂液の注入量に及ぼす穿孔密度の影響を表1に示す。
本実施例1においては、上述の平板プレス装置を使用して、圧密化工程と樹脂化工程とを同時に行った。平板プレス装置の条件は、処理温度130℃、予備加熱30秒、プレス圧力1.7MPa、プレス時間30分として、スギ辺材の表層部に樹脂成分を充填した。次に、作製後の試料の表面に付着した樹脂層を除去するために、表面を自動かんな盤により0.5mm切削した。作製した試料(実施例1−1、1−2、1−3)及び比較のための試料を表1に示す。
各試料について「表面の硬さ」と「耐衝撃性」の評価を行った。「表面の硬さ」の評価はJIS Z 2101「木材の試験方法」における「ブリネル硬さ」を評価した。また、「耐衝撃性」の評価は、「デュポン衝撃試験器」を使用し、500gの重りを高さ300mmから落下させ、先端の直径1/2インチの圧子によって表面に衝撃を加えた後に圧痕深さを測定した。なお、測定部位は、各試料とも早材部を使用した。「表面の硬さ」と「耐衝撃性」の評価結果を表1に示す。なお、表1の比較試料において、「control」は未加工のスギ辺材の値であり、「圧密なし」は樹脂成分の充填は行っているが表層部を圧密化していない試料の値である。
本実施例2の微細孔形成工程においては、上述のUVレーザインサイジングを利用して、カラマツ心材に対して予め設定しておいたレーザ発信器の出力と照射時間により、孔径約60μm、開孔深度約3mmの微細孔を開孔密度0〜667個/cm2の範囲で有する試料を作製した。
本実施例2の注入工程においては、上記実施例1と同様に、樹脂前駆体として、メタクリル酸エステルのモノマー;ダイヤカイトPF‐2730(東栄化成株式会社製)を樹脂液として使用し、所定量の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)を併用した。ダイヤカイトPF‐2730はモノマー単独であり、有効成分比率100%とした。なお、本実施例2においては、フェノール樹脂プレポリマーなど他の樹脂前駆体を併用しなかった。本実施例2においては、樹脂液の注入は、刷毛塗りによる塗布で行った。塗布は、微細孔が開孔した表面に液体が造膜されるまで行った。樹脂液の注入量に及ぼす穿孔密度の影響を表2に示す。
本実施例2においては、上記実施例1と同様に、上述の平板プレス装置を使用して、圧密化工程と樹脂化工程とを同時に行った。平板プレス装置の条件は、処理温度130℃、予備加熱30秒、プレス圧力3.4MPa、プレス時間30分として、カラマツ心材の表層部に樹脂成分を充填した。次に、作製後の試料の表面に付着した樹脂層を除去するために、表面を自動かんな盤により0.5mm切削した。作製した試料(実施例2−1、2−2)及び比較のための試料を表2に示す。
各試料について「表面の硬さ」と「耐衝撃性」の評価を行った。これらの評価は、上記実施例1と同様の方法により行った。「表面の硬さ」と「耐衝撃性」の評価結果を表2に示す。なお、表2の比較試料において、「control」は未加工のカラマツ心材の値であり、「圧密なし」は樹脂成分の充填は行っているが表層部を圧密化していない試料の値である。
本実施例3の微細孔形成工程においては、上記実施例2と同様に、上述のUVレーザインサイジングを利用して、カラマツ心材に対して予め設定しておいたレーザ発信器の出力と照射時間により、孔径約60μm、開孔深度約3mmの微細孔を開孔密度0〜667個/cm2の範囲で有する試料を作製した。
本実施例3の注入工程においては、上記実施例1と同様に、樹脂前駆体として、メタクリル酸エステルのモノマー;ダイヤカイトPF‐2730(東栄化成株式会社製)を樹脂液として使用し、所定量の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)を併用した。ダイヤカイトPF‐2730はモノマー単独であり、有効成分比率100%とした。なお、本実施例3においては、フェノール樹脂プレポリマーなど他の樹脂前駆体を併用しなかった。本実施例3においては、樹脂液の注入は、上記実施例1及び2とは異なり、上述の減圧・加圧法による樹脂液の注入で行った(図3参照)。樹脂液の注入量に及ぼす穿孔密度の影響を表3に示す。
本実施例3においては、上記実施例1と同様に、上述の平板プレス装置を使用して、圧密化工程と樹脂化工程とを同時に行った。平板プレス装置の条件は、処理温度130℃、予備加熱30秒、プレス圧力3.4MPa、プレス時間30分として、カラマツ心材の表層部に樹脂成分を充填した。次に、作製後の試料の表面に付着した樹脂層を除去するために、表面を自動かんな盤により0.5mm切削した。作製した試料(実施例3−1、3−2)及び比較のための試料を表3に示す。
各試料について「表面の硬さ」と「耐衝撃性」の評価を行った。これらの評価は、上記実施例1と同様の方法により行った。「表面の硬さ」と「耐衝撃性」の評価結果を表3に示す。なお、表3の比較試料において、「control」は未加工のカラマツ心材の値であり、「圧密なし」は樹脂成分の充填は行っているが表層部を圧密化していない試料の値である。
本実施例4の微細孔形成工程においては、上記実施例1と同様に、上述のUVレーザインサイジングを利用して、スギ辺材に対して予め設定しておいたレーザ発信器の出力と照射時間により、孔径約60μm、開孔深度約4mmの微細孔を開孔密度333個/cm2を有する試料を作製した。
本実施例4の注入工程においては、樹脂前駆体として、メタクリル酸エステルのモノマー;ダイヤカイトPF‐2730(東栄化成株式会社製)、及び、レゾールタイプのフェノール樹脂プレポリマー;BRL‐120Z(アイカSDKフェノール株式会社製)を併用し、これらの混合比率を変化させた樹脂液を9種類作成した。なお、ダイヤカイトPF‐2730に対して所定量の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)を併用した。
本実施例4においては、上記実施例1と同様に、上述の平板プレス装置を使用して、圧密化工程と樹脂化工程とを同時に行った。平板プレス装置の条件は、処理温度130℃、予備加熱30秒、プレス圧力1.7MPa、プレス時間30分として、スギ辺材の表層部に樹脂成分を充填した。次に、作製後の試料の表面に付着した樹脂層を除去するために、表面を自動かんな盤により0.5mm切削した。作製した試料(実施例4−1〜4−9)における各樹脂液の混合比率と注入量を表4に示す。
各試料について「外観(表面品位)」の評価を行った。外観評価は目視により行い、外観良好(〇)、外観不良(×)で評価した。評価結果を表4に示す。また、一部の試料に対して「表面の硬さ」と「耐衝撃性」の評価を行った。これらの評価は、上記実施例1と同様の方法により行った。
本来は、表層圧密木材の圧密化した表層部の変形固定効果(耐水性)を確認するものであるが、本実施形態に係る表層圧密木材において圧密化する表層部が極薄いため、この部分の変形固定効果(耐水性)を確認し難く、また誤差も大きくなるものと考えた。そこで、本実施例5においては、表層部に微細孔を形成しないスギ辺材の単板の全体を圧密化したものを表層圧密木材の圧密化された表層部のモデル試料として使用した。
本実施例5の注入工程においては、樹脂前駆体として、上記実施例4と同様に、メタクリル酸エステルのモノマー;ダイヤカイトPF‐2730(東栄化成株式会社製)、及び、レゾールタイプのフェノール樹脂プレポリマー;BRL‐120Z(アイカSDKフェノール株式会社製)を併用し、これらの混合比率を変化させた樹脂液を3種類作成した。なお、ダイヤカイトPF‐2730に対して所定量の重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル)を併用した。
本実施例5においては、上記実施例1と同様に、上述の平板プレス装置を使用して、圧密化工程と樹脂化工程とを同時に行った。平板プレス装置の条件は、処理温度130℃、プレス時間120分として、各試料に対して所定の厚さのスペーサを上下プレス盤の間に挿入することにより、圧縮率を変化させた。具体的には、年輪の半径方向33mm(元の厚み)が、圧密化後に23mm(圧縮率30%)及び15mm(圧縮率55%)になるまで圧密した。なお、全ての試料で十分な注入量が得られているため、この段階で減少した体積に応じた量の樹脂液や水は絞り出されるが、そのまま120分加熱することにより、スギ辺材の全体に樹脂成分を充填すると共に圧密固定した。
各試料について、圧縮率55%の試料を用いて「変形固定効果(耐水性)」の評価を行った。また、圧縮率30%の試料を用いて「表面の硬さ」の評価を行った。各評価において圧縮率がそれぞれ異なる理由は、評価目的がそれぞれ異なるためである。すなわち、空隙の充填効果が硬さの物性に及ぼす影響を明確にするために、硬さ試験体の圧縮率は30%とし、変形固定効果を明らかにするために、誤差を少なくする目的で、変形固定効果を調べる試料の圧縮量は大きく(圧縮率を高く)した。
(1)上記実施形態においては、木材板の表層部のみに樹脂成分を充填すると共に、この部分を圧密化するものである。このことにより、表層部と内層部とで全く異なった物性を有する木質素材を構成する。従って、用途に合わせて表層部の厚さと内層部の厚さを適宜調整することができる。従って、必要により圧密化する表層部を厚く、内層部を薄くすることもできる。更に、場合によっては、本発明の技術によって木材薄板の全面に樹脂成分を充填すると共に、薄板全体を圧密化した硬質圧密木材を作製するようにしてもよい。
(2)上記実施形態においては、主に軟質木材であるスギ材を使用して説明した。また、易注入材であるスギ辺材と難注入材であるカラマツ心材を使用して説明した。しかし、これらに限るものではなく、他の軟質木材或いは軟質木材以外の通常の木材など、様々な樹種及び部位を使用するようにしてもよい。
(3)上記実施形態においては、樹脂前駆体として(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの単独、或いは、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとフェノール樹脂プレポリマーとの併用で説明した。しかし、これらに限るものではなく、上述したように他の樹脂前駆体を1種単独又は2種以上併用して使用するようにしてもよい。
(4)上記実施形態においては、木材板の表層部に樹脂成分を充填すると共に圧密化するものであるが、これに限るものではなく、複数の単板を積層した積層板の最外層板の表層部に樹脂成分を充填すると共に圧密化するようにしてもよい。
(5)上記実施形態においては、木材板の一方の表層部に樹脂成分を充填すると共に圧密化するものであるが、これに限るものではなく、木材板の表裏両面の表層部に樹脂成分を充填すると共に樹脂成分を充填した両面を圧密化するようにしてもよい。また、木口面を除く全ての面の表層部に樹脂成分を充填すると共に樹脂成分を充填した全ての面を圧密化するようにしてもよい。
3a、3b…回転モータ、4…集光レンズ、5…XYステージ、
6…木材板、6a…板目面、6b…木口断面、
7…圧力容器、8…表層部、9…樹脂液、10…減圧・加圧操作、
11…平板プレス装置、11a、11b…プレス盤、12…圧縮力、
13、13a…仮道管、14、14a、14b…樹脂成分、15…内層部。
Claims (11)
- 木材板の繊維方向に平行な表面から当該木材板の内部に向かって開孔する所定深さの複数の微細孔を有し、
前記微細孔の孔径が100μm以下であり、前記表面における前記微細孔の開孔密度が15個/cm 2 以上であって、
前記微細孔が開孔する前記木材板の表面から前記微細孔の深さ付近までの表層部のみが圧密化され、前記微細孔の深さ付近を超える内層部が圧密化されることがない状態にあり、
前記圧密化された表層部には、モノマー、オリゴマー、プレポリマーなどの樹脂前駆体が重合又は縮合してなる樹脂成分が充填された状態にある表層圧密木材。 - 前記樹脂成分は、アクリル系モノマー又はオリゴマーが重合してなることを特徴とする請求項1に記載の表層圧密木材。
- 前記樹脂成分は、アクリル系モノマー又はオリゴマーと共にメチロール化樹脂プレポリマーを併用して、これらが単独又は相互に重合又は縮合してなることを特徴とする請求項2に記載の表層圧密木材。
- 前記メチロール化樹脂プレポリマーは、フェノール樹脂プレポリマーであることを特徴とする請求項3に記載の表層圧密木材。
- 圧密化された前記表層部におけるJIS Z 2101(木材の試験方法)に規定するブリネル硬さ試験で測定した表面の硬さの値が、12N以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の表層圧密木材。
- デュポン衝撃試験器を使用し、500gの重りを高さ300mmから落下させ、先端の直径1/2インチの圧子によって表面に衝撃を加えた後の圧痕深さを測定する耐衝撃性の値が、0.7mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の表層圧密木材。
- 木材板の繊維方向に平行な表面から当該木材板の内部に向かって開孔する所定深さの複数の微細孔を形成する微細孔形成工程と、
前記木材板の表面から前記微細孔を介して当該微細孔の深さ付近までの表層部に重合性又は縮合性のモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどの樹脂前駆体を注入する注入工程と、
当該注入工程後の前記微細孔が開孔する前記木材板の表層部が軟化するまで予備加熱し、その後に当該表層部を略垂直な方向から圧縮して、前記表層部のみを圧密化すると共に、前記微細孔の深さ付近を超える内層部を圧密化することがない圧密化工程と、
前記注入工程で注入した前記樹脂前駆体を重合又は縮合して樹脂成分を形成し、当該樹脂成分を圧密化された前記表層部に充填する樹脂化工程とを有し、
前記微細孔形成工程において、
前記微細孔は、紫外線波長域のレーザを用いたインサイジングによって形成され、その孔径が100μm以下であり、前記表面における開孔密度が15個/cm 2 以上とすることを特徴とする表層圧密木材の製造方法。 - 前記圧密化工程と前記樹脂化工程とが同時に進行することを特徴とする請求項7に記載の表層圧密木材の製造方法。
- 前記樹脂成分は、アクリル系モノマー又はオリゴマーが重合してなることを特徴とする請求項7又は8に記載の表層圧密木材の製造方法。
- 前記樹脂成分は、アクリル系モノマー又はオリゴマーと共にメチロール化樹脂プレポリマーを併用して、これらが単独又は相互に重合又は縮合してなることを特徴とする請求項9に記載の表層圧密木材の製造方法。
- 前記メチロール化樹脂プレポリマーは、フェノール樹脂プレポリマーであることを特徴とする請求項10に記載の表層圧密木材の製造方法。
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