JP6972724B2 - 電気抵抗体およびその製造方法、ハニカム構造体、電気加熱式触媒装置 - Google Patents

電気抵抗体およびその製造方法、ハニカム構造体、電気加熱式触媒装置 Download PDF

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本発明は、電気抵抗体およびその製造方法、ハニカム構造体、電気加熱式触媒装置に関する。
従来、様々な分野において、通電加熱に電気抵抗体が用いられている。例えば、車両分野では、排ガス浄化触媒を担持するハニカム構造体を電気抵抗体より構成し、通電加熱によってハニカム構造体を発熱させる電気加熱式触媒装置が公知である。
なお、先行する特許文献1には、金属Si粉末20〜35wt%、石英粉末5〜15wt%、ホウケイ酸ガラス20〜30wt%、粘土粉末30〜40wt%からなる混合粉末に、水を加え混練、成形した後、大気中にて1200〜1300℃の温度で熱処理して導電性セラミックスを得る点、得られた導電性セラミックスにおける電極形成部分を予め弗化水素酸にて化学エッチングして粗面化する点などが記載されている。
特開2004−131302号公報
ところで、Si粒子を含む電気抵抗体より構成されるハニカム構造体は、排ガス浄化触媒とSi粒子とが接した状態で使用される。排ガス浄化触媒とSi粒子とが接した状態で使用されると、Siによって排ガス浄化触媒が被毒されて劣化する。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、排ガス浄化触媒のSi被毒を抑制可能な電気抵抗体およびその製造方法、上記電気抵抗体を用いたハニカム構造体、当該ハニカム構造体を用いた電気加熱式触媒装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、ホウケイ酸塩(10)と、Si原子を含有する電子伝導性の粒子であるSi含有粒子(11)とを含む電気抵抗体(1)であって、
上記電気抵抗体は、上記電気抵抗体の表面を含む表層部(100)と、上記表層部に接し、上記表層部の内側に配置された内層部(101)とを有しており、
上記表層部における上記Si含有粒子の含有量は、上記内層部における上記Si含有粒子の含有量よりも少ない、電気抵抗体(1)にある。
本発明の他の態様は、上記電気抵抗体を含んで構成されている、ハニカム構造体(2)にある。
本発明のさらに他の態様は、上記ハニカム構造体を有する、電気加熱式触媒装置(3)にある。
本発明のさらに他の態様は、ホウケイ酸塩(10)とSi含有粒子(11)とを含む複合材の表層部に含まれるSi含有粒子(11)を選択的に除去し、電気抵抗体(1)を得る、電気抵抗体の製造方法にある。
上記電気抵抗体は、上記構成を有する。そのため、上記電気抵抗体は、表層部の表面に接触した排ガス浄化触媒と、上記電気抵抗体に含まれるSi含有粒子とを隔絶しやすい。それ故、上記電気抵抗体によれば、Si含有粒子に起因する排ガス浄化触媒のSi被毒を抑制することができる。
上記ハニカム構造体は、上記電気抵抗体を含んで構成されている。そのため、上記ハニカム構造体は、排ガス浄化触媒を担持させた場合に、排ガス浄化触媒とSi含有粒子とを隔絶しやすい。それ故、上記ハニカム構造体によれば、排ガス浄化触媒のSi被毒を抑制することができる。
上記電気加熱式触媒装置は、上記ハニカム構造体を有している。そのため、上記電気加熱式触媒装置は、その使用時に、上記ハニカム構造体に担持された排ガス浄化触媒のSi被毒を抑制することができる。
上記電気抵抗体の製造方法は、上記構成を有している。そのため、上記電気抵抗体の製造方法によれば、上記電気抵抗体を比較的簡単に製造することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1の電気抵抗体の微構造を模式的に示した説明図である。 実施形態3のハニカム構造体を模式的に示した説明図である。 実施形態4の電気加熱式触媒装置を模式的に示した説明図である。 実験例1における、(a)試料1C(エッチング処理無し)の表面のEPMA像、(b)試料1(エッチング処理有り)の表面のEPMA像である。 実験例1における、試料1C(エッチング処理無し)および試料1(エッチング処理有り)の細孔分布である。 実験例1における、(a)試料1C(エッチング処理無し)の断面におけるSi原子のマッピング像、(b)試料1(エッチング処理有り)の断面におけるSi原子のマッピング像である。 実験例1における、(a)試料1(エッチング処理有り)の表層部領域を含むEPMA像、(b)試料1(エッチング処理有り)の内層部測定領域を含むEPMA像である。 実験例1における、試料1および試料1Cの温度と電気抵抗率との関係を示したグラフである。
(実施形態1)
実施形態1の電気抵抗体について、図1を用いて説明する。図1に例示されるように、本実施形態の電気抵抗体1は、ホウケイ酸塩10とSi含有粒子11とを含んで構成されている。
ホウケイ酸塩10は、電気抵抗体1の母材となる部位であり、非晶質であってもよいし、結晶質であってもよい。ホウケイ酸塩10は、Na、Mg、K、Ca、Li、Be、Rb、Sr、Cs、Ba、Fr、および、Raからなる群より選択される少なくとも1つのアルカリ金属原子・アルカリ土類金属原子を含むことができる。つまり、ホウケイ酸塩10は、Na、Mg、K、Ca、Li、Be、Rb、Sr、Cs、Ba、Fr、および、Raからなる群より選択される少なくとも1つのアルカリ金属原子・アルカリ土類金属原子がドープされていてもよい。各アルカリ金属原子・アルカリ土類金属原子は、単独またはいずれの組み合わせでホウケイ酸塩10に含まれていてもよい。つまり、ホウケイ酸塩10は、アルカリ金属原子を1つまたは2つ以上含んでいてもよいし、アルカリ土類金属原子を1つまたは2つ以上含んでいてもよいし、これらの組み合わせを含んでいてもよい。ホウケイ酸塩10は、電気抵抗体1の低電気抵抗化を図りやすいなどの観点から、好ましくは、Na、Mg、K、および、Caからなる群より選択される少なくとも1つを含むことができる。より好ましくは、ホウケイ酸塩10は、Na、K、または、NaおよびKの双方を少なくとも含むことができる。なお、ホウケイ酸塩10は、具体的には、アルミノホウケイ酸塩などとすることもできる。
Si含有粒子11は、Si原子を含有する電子伝導性の粒子である。したがって、Si含有粒子11には、SiO粒子などは含まれない。Si含有粒子としては、具体的には、Si粒子、Fe−Si系粒子、Si−W系粒子、Si−C系粒子、Si−Mo系粒子、および、Si−Ti系粒子などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていてもよい。この構成によれば、Si含有粒子11の周囲のホウケイ酸塩10にSi含有粒子11からSi原子を拡散させてホウケイ酸塩10の軟化点を上昇させやすくなる。また、この構成によれば、後述のエッチング処理によってSi含有粒子11を選択的に除去しやすいなどの利点もある。これらのうち、Si原子のホウケイ酸塩10への拡散性などの観点から、好ましくは、Si粒子、Fe−Si系粒子などであるとよい。
なお、電気抵抗体1は、Si含有粒子11以外にも、例えば、フィラー、熱膨張率を低下させる材料、熱伝導率を上昇させる材料、強度を向上させる材料、カオリンなどを必要に応じて1種または2種以上含むことができる。
電気抵抗体1は、図1に例示されるように、表層部100と、内層部101とを有している。表層部100は、電気抵抗体1の表面を含んでいる。したがって、表層部の表面が、電気抵抗体1の表面となる。本実施形態では、表層部100は、具体的には、例えば、排ガス浄化触媒と接触する電気抵抗体1の表面全体を含むことができる。なお、表層部100は、電気抵抗体1の表面から内方に向かって、電気抵抗体1の表面に垂直な断面のEPMA像から特定されるSi含有粒子11の最大径まで、の深さ領域をいう。Si含有粒子11の最大径は、任意に選択した5か所のEPMA像について、それぞれ外径が最大のSi含有粒子を特定し、これら特定された5つのSi含有粒子の外径の平均値である。内層部101は、表層部100に接しており、表層部100の内側に配置されている。なお、内層部101は、表層部100に一体的(連続的)に繋がっている。
電気抵抗体1において、表層部100におけるSi含有粒子11の含有量は、内層部101におけるSi含有粒子11の含有量よりも少なくされている。表層部100におけるSi含有粒子11の含有量は、次のようにして測定される。電気抵抗体1の表面に垂直な断面をEPMA観察し、EPMA像上で、上述した表層部100に相当する表層部領域を求める。次いで、求めた表層部領域について、元素マッピングを測定し、Si含有粒子11の存在箇所を特定する。次いで、測定した元素マッピングから、表層部領域に占めるSi含有粒子11の面積割合を算出する。なお、当該面積割合は、100×(表層部領域に占めるSi含有粒子11の総面積)/(表層部領域の面積)によって求められる。算出された表層部領域に占めるSi含有粒子11の面積割合が、表層部100におけるSi含有粒子11の含有量(%)とされる。
一方、内層部101におけるSi含有粒子11の含有量は、次のようにして測定される。電気抵抗体1の表面に垂直な断面をEPMA観察し、EPMA像上で、上述した内層部100に相当する内層部領域を求める。次いで、求めた内層部領域における内層部の厚み方向の中心部を含み、かつ、上記表層部領域と同じ面積となる内層部測定領域を求める。次いで、求めた内層部測定領域について、元素マッピングを測定し、Si含有粒子11の存在箇所を特定する。次いで、測定した元素マッピングから、内層部測定領域に占めるSi含有粒子11の面積割合を算出する。なお、当該面積割合は、100×(内層部測定領域に占めるSi含有粒子11の総面積)/(内層部測定領域の面積)によって求められる。算出された内層部測定領域に占めるSi含有粒子11の面積割合が、内層部101におけるSi含有粒子11の含有量(%)とされる。
表層部100におけるSi含有粒子11の含有量は、排ガス浄化触媒のSi被毒の抑制効果を確実なものとするなどの観点から、好ましくは、5%以下、より好ましくは、3%以下、さらに好ましくは、1%以下とすることができる。なお、表層部100は、内層部101に比べ、Si含有粒子11の割合が少なくされておれば、Si含有粒子11を含んでいてもよいし、Si含有粒子11を含んでいなくてもよい。電気抵抗体1の製造上、表層部100からSi含有粒子11を完全に除去することは難しい。そのため、表層部100は、Si含有粒子11を含んでいてもよい。もっとも、排ガス浄化触媒のSi被毒の抑制効果を確実なものとするなどの観点から、図1に例示されるように、表層部100の表面に、Si含有粒子11が露出していないことが好ましい。表層部100におけるSi含有粒子11の含有量は、表層部100の形成容易性などの観点から、例えば、0.1%以上とすることができる。
内層部101におけるSi含有粒子11の含有量は、電気抵抗体1の導電性確保、強度確保などの観点から、好ましくは、15%以上、より好ましくは、20%以上、さらに好ましくは、25%以上とすることができる。また、内層部101におけるSi含有粒子11の含有量は、電気抵抗体1がPTC特性を発現しやすくなるなどの観点から、好ましくは、40%以下、より好ましくは、35%以下、さらに好ましくは、30%以下とすることができる。
電気抵抗体1において、表層部100の気孔率は、内層部101の気孔率よりも大きい構成とすることができる。この構成によれば、表層部100のSi含有粒子11の含有量<内層部101のSi含有粒子11の含有量の関係を確実なものとしやすくなる。
表層部100の気孔率は、次のようにして測定される。上述した要領で、表層部領域を求める。次いで、求めた表層部領域に占める気孔の面積割合を算出する。なお、当該面積割合は、100×(表層部領域に占める気孔の総面積)/(表層部領域の面積)によって求められる。算出された表層部領域に占める気孔の面積割合が、表層部100の気孔率(%)とされる。
一方、内層部101の気孔率は、次のようにして測定される。上述した要領で、内層部測定領域を求める。次いで、求めた内層部測定領域に占める気孔の面積割合を算出する。なお、当該面積割合は、100×(内層部測定領域に占める気孔の総面積)/(内層部測定領域の面積)によって求められる。算出された内層部測定領域に占める気孔の面積割合が、内層部101における気孔率(%)とされる。
電気抵抗体1は、具体的には、図1に例示されるように、表層部100に多数の気孔100aを有する構成とすることができる。この構成によれば、表層部100の表面(電気抵抗体1の表面)に排ガス浄化触媒(不図示)を担持させやすくなる。また、アンカー効果により、担持させた排ガス浄化触媒の電気抵抗体1に対する密着性を向上させることができる。なお、内層部101は、気孔を含んでいてもよいし、気孔を含んでいなくてもよい。
電気抵抗体1は、より具体的には、表層部100におけるSi含有粒子11が選択的に除去された状態とされることにより、表層部100に多数の気孔100aが導入されている構成とすることができる。この構成によれば、表層部100の表面に接触した排ガス浄化触媒と、電気抵抗体1に含まれるSi含有粒子11との隔絶を確実なものとすることができる。さらに、かかる効果に加え、Si含有粒子11が選択的に除去されることにより、電気抵抗体1の熱容量の低減および重量の低減などの効果も得られる。ハニカム構造体は、一般に、表面積が大きな構造体である。そのため、上記構成による電気抵抗体1をハニカム構造体に用いれば、排ガス浄化触媒のSi被毒を抑制しつつ、より少ない熱でハニカム構造体を温めることができるとともにハニカム構造体の軽量化も図ることが可能になる。なお、気孔100aは、表層部100の表面に連通する連通孔を含むように構成することができる。連通孔は、具体的には、除去されたSi含有粒子11の跡より構成することができる。
本実施形態の電気抵抗体1は、表層部100の表面に接触した排ガス浄化触媒と、電気抵抗体1に含まれるSi含有粒子11とを隔絶しやすい。それ故、本実施形態の電気抵抗体1によれば、Si含有粒子11に起因する排ガス浄化触媒のSi被毒を抑制することができる。
(実施形態2)
実施形態2の電気抵抗体の製造方法について説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本実施形態の電気抵抗体の製造方法は、ホウケイ酸塩10とSi含有粒子11とを含む複合材の表層部100に含まれるSi含有粒子11を選択的に除去し、本実施形態1の電気抵抗体1を得る方法である。
複合材は、例えば、次のようにして準備することができる。ホウケイ酸塩10と、Si含有粒子11と、必要に応じて、アルカリ金属原子および/またはアルカリ土類金属原子を含有するアルカリ原子含有物質、カオリン等を混合する。なお、アルカリ原子含有物質としては、例えば、NaCO、NaSiO等のNa含有化合物、MgCO、MgSiO等のMg含有化合物、KCO、KSiO等のK含有化合物、CaCO、CaSiO等のCa含有化合物、LiCO、LiSiO等のLi含有化合物などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
次いで、この混合物にバインダー、水を加える。バインダーとしては、例えば、メチルセルロール等の有機バインダーを用いることができる。また、バインダーの含有量は、例えば、2質量%程度とすることができる。
次いで、得られた成形体を焼成する。焼成条件は、具体的には、例えば、不活性ガス雰囲気下または大気雰囲気下、大気圧以下、焼成温度1150℃〜1350℃、焼成時間0.1〜50時間とすることができる。なお、焼成雰囲気は、例えば、不活性ガス雰囲気、焼成時圧力は、常圧などとすることができる。電気抵抗体1の低電気抵抗化を図る場合には、酸化防止の観点から残存酸素の低減を図ることが好ましく、焼成時の雰囲気内を1.0×10−4Pa以上の高真空にした後に不活性ガスをパージして焼成するとよい。不活性ガス雰囲気としては、Nガス雰囲気、ヘリウムガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などを例示することができる。また、上記焼成の前に、必要に応じて、上記成形体を仮焼することもできる。仮焼条件は、具体的には、大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、仮焼温度500℃〜700℃、仮焼時間1〜50時間とすることができる。以上により、ホウケイ酸塩10とSi含有粒子11とを含む複合材を準備することができる。
複合材の表層部100に含まれるSi含有粒子11の選択的な除去方法としては、例えば、エッチングなどを好適な方法として例示することができる。エッチングは、ウェットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いてもよい。ウェットエッチングを用いる場合には、複合材をエッチング液に浸漬することにより、エッチング液に触れた複合材の表面全体に、Si含有粒子11が選択的にエッチングされて形成された表層部を形成することができる。そのため、この場合には、上述した電気抵抗体1の量産性に優れる。エッチング液は、Si含有粒子をエッチングすることができれば、アルカリ性であっても酸性であってもよい。なお、Si含有粒子が、例えば、Si粒子などの場合には、複合材を準備する際の真空焼成時に、複合材の表層部100に含まれるSi含有粒子11を蒸気化して除去することも可能である。また、これらの組み合わせにより、表層部100に含まれるSi含有粒子11を選択的に除去するようにしてもよい。
得られる電気抵抗体1における表層部100のSi含有粒子11の含有量は、例えば、エッチング液の種類、エッチング温度、エッチング時間等のエッチング条件を変えることによって変化させることができる。
本実施形態の電気抵抗体の製造方法は、上記構成を有している。そのため、本実施形態の電気抵抗体の製造方法によれば、本実施形態1の電気抵抗体1を比較的簡単に製造することができる。
(実施形態3)
実施形態3のハニカム構造体について、図2を用いて説明する。図2に例示されるように、本実施形態のハニカム構造体2は、実施形態1の電気抵抗体を含んで構成されている。本実施形態では、具体的には、ハニカム構造体2は、実施形態1の電気抵抗体1より構成されている。図2では、具体的には、ハニカム構造体2の中心軸に垂直なハニカム断面視で、互いに隣接する複数のセル20と、セル20を形成するセル壁21と、セル壁21の外周部に設けられてセル壁21を一体に保持する外周壁22と、を有する構造が例示されている。なお、ハニカム構造体2には、公知の構造を適用することができ、図2の構造に限定されるものではない。図2は、セル20を断面四角形状とした例である。
本実施形態のハニカム構造体2は、本実施形態の電気抵抗体1を含んで構成されている。そのため、本実施形態のハニカム構造体2は、排ガス浄化触媒を担持させた場合に、排ガス浄化触媒とSi含有粒子とを隔絶しやすい。それ故、本実施形態のハニカム構造体2によれば、排ガス浄化触媒のSi被毒を抑制することができる。
(実施形態4)
実施形態4の電気加熱式触媒装置について、図3を用いて説明する。図3に例示されるように、本実施形態の電気加熱式触媒装置3は、実施形態3のハニカム構造体2を有している。本実施形態では、具体的には、電気加熱式触媒装置3は、ハニカム構造体2と、ハニカム構造体2のセル壁21に担持された排ガス浄化触媒(不図示)と、ハニカム構造体2の外周壁22に対向配置された一対の電極31、32と、電極31、32に電圧を印加する電圧印加部33とを有している。なお、電気加熱式触媒装置3には、公知の構造を適用することができ、図3の構造に限定されるものではない。
本実施形態の電気加熱式触媒装置3は、本実施形態のハニカム構造体2を有している。そのため、本実施形態の電気加熱式触媒装置3は、その使用時に、本実施形態のハニカム構造体2に担持された排ガス浄化触媒のSi被毒を抑制することができる。
(実験例)
<実験例1>
−試料1−
ホウケイ酸ガラスとSi粒子とカオリンとを29:31:40の質量比で混合した。次いで、この混合物にバインダーとしてメチルセルロースを2質量%添加し、水を加え、混練した。次いで、得られた混合物を押し出し成形機にてペレット状に成形し、焼成した。焼成条件は、Nガス雰囲気下・常圧、焼成温度1300℃、焼成時間30分、昇温速度200℃/時間とした。これにより、ホウケイ酸塩とSi粒子とを含む複合材を準備した。なお、複合材の形状は、5mm×5mm×18mmとした。
次に、準備した複合材をエッチング液(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド22%水溶液、関東化学社製、「TMAH22」」)に浸漬し、複合材の表層部に含まれるSi含有粒子を選択的に除去した。この際、エッチング温度は、95℃、エッチング時間は4時間とした。これにより、試料1の電気抵抗体を得た。
−試料1C−
試料1におけるエッチング処理前の複合材を、試料1Cの電気抵抗体とした。
−電気抵抗体の表面観察−
各試料の電気抵抗体の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。その結果を、図4に示す。図4(a)と図4(b)との比較から示されるように、試料1の電気抵抗体は、表面をエッチング処理したことにより、表層部に多数の気孔100aが存在していることが確認された。エッチング処理に用いたエッチング液は、Siをエッチングできるものである。そのため、この結果から、試料1の電気抵抗体では、表層部のSi粒子が選択的にエッチングされ、除去されたSi粒子の跡より構成された気孔が表層部に多数存在しているといえる。また、試料1の電気抵抗体は、表層部の表面に連通する連通孔を多数含んでいることが確認された。なお、水銀ポロシメーターを用い、各試料の電気抵抗体の気孔分布も測定した。その結果、図5に示されるように、エッチング処理が施された試料1の電気抵抗体は、エッチング処理が施されていない試料1Cの電気抵抗体に比べ、表層部の気孔容積が明らかに増加していることが確認された。この結果からも、試料1の電気抵抗体では、表層部のSi粒子が選択的にエッチングにされ、除去されたSi粒子の跡より構成される気孔が表層部に形成されていることが確認された。
−電気抵抗体の断面観察−
各試料の電気抵抗体の表面に垂直な断面について、Si原子のマッピング像を測定した。その結果を図6に示す。図6(b)に示されるように、本実験からも、試料1の電気抵抗体は、表層部のSi粒子11が選択的にエッチングにされ、除去されたSi粒子11の跡より構成される気孔100aが表層部に形成されたことが確認された。
−電気抵抗体の表層部および内層部におけるSi含有粒子の含有量測定−
上述した測定方法により、試料1の電気抵抗体について、表層部におけるSi含有粒子の含有量、および、内層部におけるSi含有粒子の含有量を測定した。図7(a)に試料1の表層部領域100bを含むSEM像、図7(b)試料1の内層部測定領域101bを含むSEM像を示す。上記測定の結果、SEM像から特定されるSi粒子11の最大径は15μmであった。したがって、本実験例では、電気抵抗体1の表面から内方に向かって15μmまでの深さ領域が表層部100となる。当該表層部100におけるSi含有粒子11の含有量は、2%であった。また、内層部101におけるSi含有粒子11の含有量は、30%であった。本実験例によれば、試料1の電気抵抗体は、表層部に含まれていたSi粒子がエッチング処理によって選択的にエッチングされることにより、表層部におけるSi粒子の含有量<内層部におけるSi粒子の含有量の関係を満たしていることが確認された。
−電気抵抗体の電気抵抗率の測定−
各試料の電気抵抗体について、電気抵抗率を測定した。なお、電気抵抗率は、5mm×5mm×18mmの角柱サンプルについて、熱電特性評価装置(アルバック理工社製、「ZEM−2」)を用い、四端子法で測定した。図8に示されるように、表層部のSi粒子を選択的にエッチングすることにより、電気抵抗率が1桁程度大きくなった。これは、エッチング処理によって導電性のSi粒子が減少したためである。もっとも、図8に示されるように、試料1の電気抵抗体は、エッチング処理を施すことで電気抵抗率が大きくなったものの、電気加熱式触媒装置におけるハニカム構造体の材料として十分に適用可能な電気抵抗率を有していることが確認された。また、試料1の電気抵抗体は、電気抵抗率の温度依存性が小さく、電気抵抗率がPTC特性を示すことも確認された。
本発明は、上記各実施形態、各実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、各実施形態、各実験例に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
1 電気抵抗体
10 ホウケイ酸塩
11 Si含有粒子
100 表層部
101 内層部
2 ハニカム構造体
3 電気加熱式触媒装置

Claims (7)

  1. ホウケイ酸塩(10)と、Si原子を含有する電子伝導性の粒子であるSi含有粒子(11)とを含む電気抵抗体(1)であって、
    上記電気抵抗体は、上記電気抵抗体の表面を含む表層部(100)と、上記表層部に接し、上記表層部の内側に配置された内層部(101)とを有しており、
    上記表層部における上記Si含有粒子の含有量は、上記内層部における上記Si含有粒子の含有量よりも少ない、電気抵抗体(1)。
  2. 上記Si含有粒子は、Si粒子、Fe−Si系粒子、Si−W系粒子、Si−C系粒子、Si−Mo系粒子、および、Si−Ti系粒子からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の電気抵抗体。
  3. 上記表層部の気孔率は、上記内層部の気孔率よりも大きい、請求項1または2に記載の電気抵抗体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気抵抗体を含んで構成されている、ハニカム構造体(2)。
  5. 請求項4に記載のハニカム構造体を有する、電気加熱式触媒装置(3)。
  6. ホウケイ酸塩(10)とSi含有粒子(11)とを含む複合材の表層部に含まれるSi含有粒子(11)を選択的に除去し、電気抵抗体(1)を得る、電気抵抗体の製造方法。
  7. 上記Si含有粒子の除去方法は、ウェットエッチング処理である、請求項6に記載の電気抵抗体の製造方法。
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