JP6972673B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は非水電解質二次電池に関する。
特開2013−041741号公報(特許文献1)には、積層セル(積層型電極群)がU字に折りたたまれ、U字状の積層セルの凹部に熱吸収部(吸熱部材)が設けられた二次電池が開示されている。特許文献1には、吸熱部材により、電池の高温化や電池容器内部の温度分布の不均一化が抑制される旨記載されている。
特開2000−156241号公報(特許文献2)には、巻回型電極群の巻芯に耐熱性の高い合成樹脂(フェノール樹脂など)を用いることが記載されている。また、特開2000−268877号公報(特許文献3)には、巻回型電極群の芯部に電解液保持用の多孔体を設けることが記載されている。
特開2013−041741号公報 特開2000−156241号公報 特開2000−268877号公報
しかし、吸熱部材による吸熱量が多すぎると、シャットダウンまでの時間が長くなってしまうおそれがある。シャットダウン(機能)とは、電池が過度に発熱した際に発熱を停止させる機能である。例えば、電池が過度に発熱した際にセパレータ内の細孔が閉塞することにより、電解液の透過を抑制して発熱が停止され得る。
したがって、本開示の目的は、シャットダウン機能を低下させずに、電池の高温化を抑制することのできる、非水電解質二次電池を提供することである。
本開示の非水電解質二次電池は、
正極シートと負極シートとを、セパレータを介して積層し、巻回してなる、巻回型電極群、
巻回型電極群の最内周部の内部に設けられた吸熱部材、および、
非水電解質を含む。
吸熱部材は、熱容量が、セパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量に対して、5%以上50%以下である。
吸熱部材は、少なくとも正極シートの幅方向の一方の端部から正極シートの幅の1/3〜2/3に相当する領域を含み、かつ、負極シートの幅に相当する領域の範囲内である、所定領域に設けられている。
本開示の非水電解質二次電池(以下、単に「電池」と略記する場合がある)においては、熱容量が、セパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量に対して、5%以上50%以下である吸熱部材を設けることで、シャットダウン機能を損なわない程度に吸熱部材による吸熱ができるため、過充電時に温度上昇しやすい巻回型電極群の芯部(最内周部)が高温化することを抑制できる。また、吸熱部材が、最内周部の内部(芯部分)のうちの幅方向中央部(少なくとも正極シートの幅方向の一方の端部から正極シートの幅の1/3〜2/3に相当する領域)を含み、かつ、負極シートの幅に相当する領域の範囲内である、所定領域に設けられていることで、発熱量の多い箇所において効率的に吸熱部材による吸熱が行われる。
したがって、本開示によれば、シャットダウン機能を低下させずに、電池の高温化を抑制することのできる、非水電解質二次電池を提供することができる。これにより、電池の安全性が向上する。
本開示の実施形態に係る非水電解質二次電池を示す概略断面図である。 本開示の実施形態における巻回型電極群を示す模式図である。(a)は斜視図であり、(b)は正面透視図であり、(c)は横断面図である。 試験例1における過充電中の電池の温度分布の測定結果を示すグラフである。 試験例2における過充電中の電池の温度分布の測定結果を示すグラフである。 試験例3におけるシャットダウンまでの時間の測定結果を示すグラフである。 試験例3におけるシャットダウン時の電池の温度分布の測定結果を示すグラフである。 試験例4における過充電中の電池の温度分布の測定結果を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池>
以下では、非水電解質二次電池の一例として、リチウムイオン二次電池が説明される。ただし、本開示の非水電解質二次電池は、リチウムイオン二次電池に限定されるべきではない。
図1は、本開示の実施形態に係る非水電解質二次電池を示す概略断面図である。電池は、ケース1を備える。ケース1は角形(扁平直方体)である。ただし、ケース1の形状はこれに限定されず、円筒形などであってもよい。ケース1は、純アルミニウム(Al)、Al合金、ステンレス等の金属材料によって構成されていてもよい。ただし所定の密閉性が実現できる限り、たとえば、アルミラミネートフィルム等により、ケース1が構成されていてもよい。
ケース1内には、巻回型電極群2、吸熱部材3および非水電解質(図示されず)が収納されている。すなわち、電池は、少なくとも、巻回型電極群2、吸熱部材3および非水電解質(電解液)を含む。巻回型電極群2は、正極シートと負極シートとを、セパレータを介して積層し、巻回してなる。吸熱部材3は、巻回型電極群2の最内周部の内部に設けられている。
《巻回型電極群》
巻回型電極群2は、正極シートと負極シートとを、セパレータを介して積層し、巻回してなる。正極シート、負極シートおよびセパレータは、いずれも帯状のシートである。より具体的には、巻回型電極群2は、正極シート、セパレータ、負極シートおよびセパレータがこの順序で積層され、さらに巻回されることにより構成される。
(正極シート)
正極シートは、正極合材層および正極集電箔を含む。正極集電箔は、たとえば、Al箔等でよい。正極集電箔は、例えば、10〜30μm程度の厚さを有してもよい。正極合材層は、正極集電箔の表面に形成されている。正極合材層は、たとえば100〜200μm程度の厚さを有してもよい。正極合材層は、正極活物質、導電材およびバインダ等を含有する。正極合材層は、例えば、80〜98質量%の正極活物質、1〜15質量%の導電材、および1〜5質量%のバインダを含有する。
正極活物質、導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえば、LiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、LiMn、LiFePO等であってもよい。導電材は、たとえば、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい。
(負極シート)
負極シートは、負極集電箔と、負極合材層と、を有する。
負極集電箔は、たとえば、銅(Cu)箔等の金属箔でよい。負極集電箔は、たとえば、5〜20μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極集電箔の表面に形成されている。負極合材層は、たとえば50〜150μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層は、負極活物質およびバインダ等を含有する。負極合材層は、例えば、95〜99質量%の負極活物質、および1〜5質量%のバインダを含有する。
負極活物質およびバインダは特に限定されるべきではない。負極活物質は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫等であってもよい。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。
(セパレータ)
セパレータは、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータは、正極シートと負極シートとを電気的に隔離する。セパレータは、たとえば、多孔質ポリエチレン(PE)膜、多孔質ポリプロピレン(PP)膜等により構成され得る。セパレータは、単層である場合、たとえば、9〜30μmの厚さを有してもよい。
セパレータは、多層構造を含んでもよい。たとえば、セパレータは、多孔質PP膜、多孔質PE膜、および多孔質PP膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。この場合、多孔質PP膜は、たとえば、3〜10μmの厚さを有してもよく、多孔質PE膜は、たとえば、3〜10μmの厚さを有してもよい。
セパレータは、その表面に耐熱層を含んでいてもよい。耐熱層は、耐熱材料を含む。耐熱材料(フィラー)としては、たとえば、アルミナ(α−アルミナ)、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、マグネシア等の金属酸化物、ポリイミド等の高融点樹脂などが挙げられる。耐熱層は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、アクリル系樹脂、PVdF、PVdF共重合体、アラミド、SBR、PTFE等が挙げられる。耐熱層中のバインダの含有量は、たとえば、2〜30質量%でよい。耐熱層は、たとえば、3〜10μmの厚みを有してもよい。耐熱層は、セパレータ23の片面または両面に形成され得る。
《吸熱部材》
吸熱部材は、熱容量が、セパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量に対して、5%以上50%以下であり、好ましくは10%以上50%以下である。吸熱部材の熱容量が55%以上である場合、電池の発熱を抑え過ぎて、シャットダウンまでの時間が長くなり、充電時等の電池の発熱量が増加するため、吸熱部材による吸熱の効果が低減してしまう。また、吸熱部材の熱容量が5%未満である場合、吸熱部材による吸熱の効果が得られない場合がある。
熱容量は、熱分析計(DSC)で温度と熱量を計測し、式: 熱容量C[J/K]=熱量Q[J]/ΔT[K] によって、求めることができる。また、セパレータに含まれる非水電解質の熱容量は、セパレータに含まれる非水電解質の量(セパレータの孔の体積から求められる)と非水電解質の単位量当りの熱容量とから求めることができる。
なお、吸熱部材には、非水電解質(電解液)も含まれる。例えば、吸熱部材の材料として多孔性材料が用いられる場合は、該多孔性材料の孔に含まれる非水電解質(電解液)も吸熱部材の一部を構成する。この場合、吸熱部材の熱容量とは、多孔質材料の熱容量と、多孔性材料の孔に含まれる非水電解質の熱容量と、の総量を意味する(後述の試験例4参照)。
図2は、本開示の実施形態における巻回型電極群を示す模式図である。図2(a)は斜視図であり、(b)正面透視図であり、(c)は横断面図である。図2(a)〜(c)を参照して、吸熱部材3は、巻回型電極群2の最内周部の内部(芯部分)に設けられている。
そして、主に図2(b)を参照して、吸熱部材3は、少なくとも正極シート21の幅方向の一方の端部から正極シートの幅の1/3〜2/3に相当する領域(幅方向中央部21b)を含み、かつ、負極シート22の幅W2に相当する領域の範囲内である、所定領域に設けられている。
幅方向中央部21bは、言い換えれば、図2(b)の幅方向端部21a、幅方向中央部21bおよび幅方向端部21cのように、正極シート21を幅方向に3等分したときの中央の部分である。幅方向中央部21bは、正極シート21の幅W1の1/3である。この幅方向中央部21bは、発熱が外部に拡散され難く特に高温になりやすい部分であることが分かっているため、少なくともこの部分に吸熱部材3を設けることで、効率的に電池の発熱を吸収し、電池の高温化を抑制することができる。
なお、通常、正極シート21の幅は、負極シート22の幅より狭い。また、通常、負極シート22の幅は、セパレータ23の幅よりも狭い。したがって、発熱が生じる範囲は、負極の幅W2の範囲内であるため、吸熱部材3は、負極の幅W2より広い範囲に設ける必要はない。また、電池サイズを大きくしない観点から、吸熱部材3は、負極の幅W2に相当する領域の範囲内に設けられる。
また、主に図2(c)を参照して、巻回型電極群2が図2に示されるような扁平型である場合、吸熱部材3の幅(図2(c)における縦方向の長さ)は、図2(c)に示される平坦部(R部以外の部分)の長さ(図2(c)における縦方向の長さ)以下であり、吸熱部材3は、吸熱部材がその幅方向において、平坦部に相当する領域の範囲内に配置されていることが好ましい。その理由は、巻回型電極群2のR部(曲線部)における最内周の形状はR(曲率)が小さく、R部に吸熱部材3が存在すると、R部の電極シート(正極シートまたは負極シート)の電極合材層が剥がれ落ちたり、過度の面圧がかかることによる巻回型電極群の破れおよび短絡などが生じたりする可能性があるからである。
なお、非水電解質二次電池(特に車載用の大型の電池)では、巻回型電極群の芯部近傍から温度が上昇する場合が多い。このため、この巻回型電極群の芯部近傍を素早く冷却することが、電池温度の低下に重要であり、吸熱部材をこの場所に、電池内部の熱が伝わり易い状態で配置することが有効である。
《非水電解質》
非水電解質(電解液)は、リチウム塩および溶媒を含む。溶媒は非プロトン性である。溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、体積比で、たとえば、環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5でよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等であってもよい。鎖状カーボネートは、たとえば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。
非水電解質は、たとえば、0.5〜2.0mоl/Lのリチウム塩を含む。リチウム塩は、たとえば、LiPF、LiFSI、LiBF、Li[N(FSO]、Li[N(CFSO]等であってもよい。
非水電解質は、上記以外に、Li[B(C]、LiPOなどを含んでいてもよい。また、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、エチレンサルフアイト(ES)、プロパンサルトン(PS)などを含んでいてもよい。また、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)、LiBF(C)等のオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を含んでいてもよい。
<用途>
本開示に係る非水電解質二次電池は、たとえばハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等の動力電源として用いられる。ただし、本開示に係る非水電解質二次電池の用途は、車載用途に限定されるべきではなく、あらゆる用途に適用可能である。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、本開示の範囲を限定するものではない。
《試験例1》
<非水電解質二次電池の製造>
(正極シートの製造)
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電箔:Al箔(厚さ:15μm、幅:115mm)
正極活物質、導電材、バインダおよび溶媒が混合されることにより、正極スラリーが調製された。正極スラリーにおいて、固形分の配合は、質量比で「正極活物質:導電材:バインダ=90:8:2」とされた。
正極スラリーが、正極集電箔の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより、正極合材層が形成された。正極合材層の単位面積あたりの質量は、片面あたり15mg/cmとされた。正極合材層が所定の厚み(150μm)に圧延された。これにより帯状の正極シートが製造された。正極シートが所定の長さに裁断された。
(負極シートの製造)
以下の材料が準備された。
負極活物質:黒鉛
バインダ:SBR
増粘材:CMC
溶媒:水
負極集電箔:Cu箔(厚さ:10μm、幅:117mm)
負極活物質、バインダおよび溶媒が混合されることにより、負極スラリーが調製された。負極スラリーにおいて、固形分の配合は、質量比で「負極活物質:CMC:SBR=98:1:1」とされた。負極スラリーが、負極集電箔の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより、負極合材層が形成された。なお、負極合材層の単位面積あたりの質量は、片面あたり10mg/cmであった。負極合材層が所定の厚み(80μm)に圧延された。
上記のようにして、帯状の負極シートが製造された。負極シートは、所定の長さに裁断された。
(セパレータの製造)
セパレータとして、多孔質PP/PE/PP膜が2枚準備された。各々のセパレータは、長さ:2m、質量:5g、厚さ:27μm、幅:107mmである。セパレータの比熱は、2.0J/Kである。したがって、2枚のセパレータ(合計10g)の熱容量は20J/Kである。
(電解液)
以下の成分を含む電解液が準備された。
溶媒:[EC:EMC:DEC=3:3:4(体積比)]
リチウム塩:LiPF (1.0mоl/L)
なお、セパレータが電解液に含浸されたときに、2枚のセパレータに含まれる電解液の質量は、15gである。この電解液の質量は、電解液の比重とセパレータの空孔率等から求められる。電解液の比熱は、1.5J/(g・K)である。したがって、2枚のセパレータに含まれる電解液の熱容量は、22.5J/Kである。
(巻回型電極群の構成)
セパレータ、正極シート、セパレータおよび負極シートがこの順で積層され、さらに各部材の長手方向に沿って吸熱部材を芯材として40回巻回されることにより、巻回型電極群が構成された。ここで、吸熱部材は、少なくとも幅方向中央部(正極シートの幅方向の一方の端部から正極シートの幅の1/3〜2/3に相当する領域)を含み、かつ、負極シートの幅に相当する領域の範囲内である、所定領域に配置された(図2(b)参照)。
吸熱部材としては、フェノール樹脂(ベークライト:フタムラ化学工業社製、比熱1.5J/(g・K))からなる平板状の部材を用いた。吸熱部材の長さ(図2(b)の横方向の長さ)、幅(図2(b)の縦方向の長さ)、および厚み(図2(c)の横方向の長さ)は、表1に示すとおりである。表1に示されるように吸熱部材を構成するベークライトの質量を1.3g、2.7gおよび3.9gに変化させることで、吸熱部材の熱容量を2J/K、4J/Kおよび6J/Kに変化させた。これらの熱容量は、セパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質(電解液)の総熱容量(40.5J/K)に対して、それぞれ約5%(実施例1)、10%(実施例2)および15%(実施例3)である(表1の「熱容量の比率」の欄を参照)。なお、従来例(比較例1)として、吸熱部材を用いずに上記と同様に巻回型電極群を作製した。
Figure 0006972673
さらに、巻回型電極群は、扁平状に成形された。図2(c)を参照して、巻回型電極群2の高さ(平坦部およびR部の合計長さ)は58mmであった。
(ケースへの封入)
角形のケース(筐体)が準備され、巻回型電極群がケースに挿入された。上記の電解液がケースに注入され、ケースが密閉された。以上より、実施例1〜3および比較例1の非水電解質二次電池(角形リチウムイオン二次電池)が製造された。この非水電解質二次電池は、3.0〜4.1Vの電圧範囲において、5Ahの容量を有するように設計されている。なお、正負容量比(負極容量/正極容量)は、1.7〜2.0である。
(初期充放電)
25℃環境において、5Aの電流により電池が4.1Vまで充電された。5分間の休止を挟んで、5Aの電流により電池が3.0Vまで放電された。その後、以下の定電流−定電圧充電(CC−CV充電)、および定電流−定電圧放電(CC−CV放電)により、初期の放電容量が測定された。なお、「CC」は定電流(Constant Current)方式を示し、「CV」は定電圧(Constant Voltage)方式を示す。
CC−CV充電:電流=5A、CV電圧=4.1V、終止電流=50mA
CC−CV放電:電流=5A、CV電圧=3.0V、終止電流=50mA
(過充電時の温度分布の測定)
上記で得た実施例1〜3および比較例1の電池に対して、初期充放電の後、温度25℃、充電電流10CA(電池容量×10A)の充電を実施し、電池電圧が5.1Vに到達した時点で、巻回型電極群の積層方向における温度分布を計測した。測定結果を図3に示す。
図3に示される結果から、実施例1〜3のように、熱容量がセパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量の5%以上である吸熱部材を用いることで、吸熱部材を設けていない従来例(比較例1)よりも電池内(巻回型電極群の積層方向)の温度差を低減でき、電池内部の高温化を抑制できることが分かる。なお、吸熱部材の熱容量がセパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量の10%以上である場合は、電池内の温度差をより確実に低減できることが分かる。
《試験例2》
吸熱部材の質量(熱容量)を表1(実施例4、5および比較例2)に示されるように変化させた点以外は、実施例1と同様にして、実施例4、5および比較例2の電池を作製した。なお、表1に示されるように、実施例4、5および比較例2で用いた吸熱部材の熱容量は、セパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量(40.5J/K)に対して、それぞれ約45%(実施例4)、50%(実施例5)および55%(比較例2)である。
実施例4、5および比較例2の電池について、試験例1と同様にして過充電時の温度分布を測定した。測定結果を、比較例1の結果と併せて、図4に示す。
図4に示される結果から、吸熱部材の熱容量がセパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量の45〜55%である場合も電池内(巻回型電極群の積層方向)の温度差を低減できるが、巻回型電極群の積層方向の外側の温度も低下し、特に55%の場合に温度が大きく低下することが分かる。
《試験例3》
実施例4、5および比較例1、2の電池について、試験例1と同様の過充電を実施し、充電開始からシャットダウンまでの時間を計測した。なお、シャットダウンの時点は、6Vに達した時点とした。測定結果を、図5に示す。
図5に示される結果から、比較例2のように吸熱部材の熱容量が大きくなり過ぎると、電池全体の温度上昇が抑制されて、シャットダウンまでの時間が長くなることが分かる。この場合、充電される時間が長くなるため、深く充電され、発熱量の総量が多くなると考えられる。
さらに、シャットダウン時の電池の温度分布を試験例1と同様にして測定した。測定結果を図6に示す。
図6に示される結果から、比較例2では、電池の内部(巻回型電極群の積層方向の内側:図6の左側)の温度が、従来例(比較例1)と同等程度まで上昇していることが分かる。このため、比較例2のように吸熱部材の熱容量が大きすぎると、電池の高温化を十分に抑制できない可能性があると考えられる。
《試験例4》
吸熱部材として多孔性のベークライトを用いた点以外は、実施例2と同様にして、実施例6の電池を作製した。なお、実施例2で用いたベークライトの熱容量は、セパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量に対して、それぞれ約10%である。ただし、実施例6において、吸熱部材には、ベークライトだけでなく、ベークライトの孔に含まれる電解液(1.3g、比熱:1.5J/(g・K))も含まれ、この電解液の熱容量は2J/K(セパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量の約5%)である。したがって、実施例6における吸熱部材の(総)熱容量は、6J/K(セパレータおよびセパレータに含まれる非水電解質の総熱容量の15%)である。この熱容量は、実施例3の吸熱部材の熱容量と同程度である。
実施例6の電池について、試験例1と同様にして過充電時の温度分布を測定した。測定結果を、比較例1および実施例3の結果と併せて、図7に示す。
図7に示される結果から、実施例6では、実施例3と同程度の高温化抑制効果が得られることが分かる。これは、実施例6において、ベークライトの熱容量だけでなく、ベークライト(吸熱部材)に含まれる非水電解質(電解液)の熱容量を合わせた総熱容量が、実施例3の吸熱部材と同程度であるためであると考えられる。したがって、このような孔を有する吸熱部材を用いることで、電池内部の高温化抑制効果を得つつ、電池の軽量化が可能となる。また、吸熱部材の材料として、比熱が小さい安価な材料を使用することも可能であると考えられる。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ケース、2 巻回型電極群、21 正極シート、22 負極シート、23 セパレータ、21a,21c 幅方向端部、21b 幅方向中央部、3 吸熱部材。

Claims (1)

  1. 正極シートと負極シートとを、セパレータを介して積層し、巻回してなる、巻回型電極群、
    前記巻回型電極群の最内周部の内部に設けられた吸熱部材、および、
    非水電解質を含む、非水電解質二次電池であって、
    前記吸熱部材は、熱容量が、前記セパレータおよび前記セパレータに含まれる非水電解質の総熱容量に対して、5%以上50%以下であり、
    前記吸熱部材は、平面視が長方形の平板状の部材であり、
    前記吸熱部材は、少なくとも前記正極シートの幅方向の一方の端部から前記正極シートの幅の1/3〜2/3に相当する領域を含み、かつ、前記負極シートの幅に相当する領域の範囲内である、所定領域に設けられており、
    前記巻回型電極群は扁平型であり、前記吸熱部材は、前記巻回型電極群の平坦部に相当する領域の範囲内に配置されており、
    前記吸熱部材はフェノール樹脂からなり
    前記セパレータは表面に耐熱層を含む、
    非水電解質二次電池。
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