JP6971139B2 - 接着剤組成物、接着層付き支持体、接着フィルム、積層体及びその製造方法、並びに電子部品の製造方法 - Google Patents

接着剤組成物、接着層付き支持体、接着フィルム、積層体及びその製造方法、並びに電子部品の製造方法 Download PDF

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本発明は、接着剤組成物、接着層付き支持体、接着フィルム、積層体及びその製造方法、並びに電子部品の製造方法に関する。
半導体素子を含む半導体パッケージ(電子部品)には、対応サイズに応じて様々な形態が存在し、例えばWLP(Wafer Level Package)、PLP(Panel Level Package)等がある。
半導体パッケージの技術としては、ファンイン型技術、ファンアウト型技術が挙げられる。ファンイン型技術による半導体パッケージとしては、ベアチップ端部にある端子をチップエリア内に再配置する、ファンイン型WLP(Fan-in Wafer Level Package)等が知られている。ファンアウト型技術による半導体パッケージとしては、該端子をチップエリア外に再配置する、ファンアウト型WLP(Fan-out Wafer Level Package)等が知られている。
近年、特にファンアウト型技術は、パネル上に半導体素子を配置してパッケージ化するファンアウト型PLP(Fan-out Panel Level Package)に応用される等、半導体パッケージにおける、よりいっそうの高集積化、薄型化及び小型化等を実現し得る方法として注目を集めている。
半導体パッケージの小型化を図るためには、組み込まれる素子における基板の厚さを薄くすることが重要となる。しかしながら、基板の厚さを薄くすると、その強度が低下し、半導体パッケージ製造の際に基板の破損を生じやすくなる。これに対し、基板に支持体を貼り合わせた積層体が採用されている。
ここで基板と支持体とを貼り合わせる際には、従来、光の透過率に優れる点から、シクロオレフィン構造を有するポリマー、を含有する接着剤が汎用されている。
特許文献1には、シクロオレフィン構造を有するポリマーと、当該ポリマーに相溶する(メタ)アクリレートモノマーと、を含有する接着剤組成物が開示されている。
特開2014−105316号公報
ところで、半導体パッケージ製造の際には、基板と支持体とを接着剤により貼り合わせた後、封止、薄膜形成、焼成などの高温処理が施される。
そして、特許文献1に記載の接着剤により基板と支持体とが貼り合わされている場合、前記の高温処理の影響によって、例えば封止操作の前後で基板の位置ずれを生じる等の問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、支持体と基板とを貼り合わせるための接着剤組成物であって、より耐熱性が高められた接着層を形成できる接着剤組成物、これを用いた接着層付き支持体、接着フィルム、積層体及びその製造方法、並びに電子部品の製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第1の態様は、支持体と基板とを貼り合わせるための接着剤組成物であって、炭化水素樹脂(P1)と、ガラス転移温度が180℃以上の樹脂(P2)(但し、前記炭化水素樹脂(P1)を除く)と、を樹脂成分(P)として含有することを特徴とする、接着剤組成物である。
本発明の第2の態様は、支持体と基板とを貼り合わせるための接着剤組成物であって、前記接着剤組成物は、少なくとも炭化水素樹脂(P1)を樹脂成分(P)として含み、
前記接着剤組成物から20mm×5mm×厚さ0.5mmの試験片を作製し、周波数1Hzの引張条件で、室温から215℃まで、速度5℃/分で昇温する条件にて前記試験片を動的粘弾性測定に付したときに、
50℃における複素弾性率E*50が、1.0×10Pa未満、
150℃における複素弾性率E*150が、3.0×10Pa超、
の双方の要件を満たす、接着剤組成物である。
本発明の第3の態様は、基板が貼り合わされる支持体と、前記支持体上に、前記第1又は第2の態様に係る接着剤組成物を用いて形成された接着層と、を備えたことを特徴とする、接着層付き支持体である。
本発明の第4の態様は、フィルムと、前記フィルム上に、前記第1又は第2の態様に係る接着剤組成物を用いて形成された接着層と、を備えたことを特徴とする、接着フィルムである。
本発明の第5の態様は、支持体と基板とが接着層を介して貼り合わされた積層体であって、前記接着層は、前記第1又は第2の態様に係る接着剤組成物を用いて形成された層であることを特徴とする、積層体である。
本発明の第6の態様は、支持体と基板とが接着層を介して貼り合わされた積層体の製造方法であって、前記支持体上又は前記基板上の少なくとも一方に、前記第1又は第2の態様に係る接着剤組成物を用いて前記接着層を形成する接着層形成工程と、前記接着層形成工程で形成された前記接着層を介して、前記支持体と前記基板とを貼り合わせる貼合工程と、を有することを特徴とする、積層体の製造方法である。
本発明の第7の態様は、前記第6の態様に係る積層体の製造方法により積層体を得た後、前記支持基体を介して前記分離層に光を照射して、前記分離層を変質させることにより、前記積層体が備える前記基板から前記支持基体を分離する分離工程と、前記分離工程の後、前記基板に付着する前記接着層を除去する除去工程と、を有することを特徴とする、電子部品の製造方法である。
本発明によれば、支持体と基板とを貼り合わせるための接着剤組成物であって、より耐熱性が高められた接着層を形成できる接着剤組成物、これを用いた接着層付き支持体、接着フィルム、積層体及びその製造方法、並びに電子部品の製造方法を提供することができる。
本発明を適用した積層体の一実施形態を示す模式図である。 積層体の製造方法の一実施形態を説明する概略工程図である。図2(a)は、支持体を作製する工程を説明する図であり、図2(b)は、接着層形成工程を説明する図であり、図2(c)は、貼合工程を説明する図である。 積層体の製造方法の他の実施形態を説明する概略工程図である。図3(a)は、第1実施形態の製造方法により製造された積層体を示す図であり、図3(b)は、封止工程を説明する図である。 積層体の製造方法の他の実施形態を説明する概略工程図である。図4(a)は、第2実施形態の製造方法により製造された封止体を示す図であり、図4(b)は、研削工程を説明する図であり、図4(c)は再配線形成工程を説明する図である。 半導体パッケージ(電子部品)の製造方法の一実施形態を説明する概略工程図である。図5(a)は、第3実施形態の製造方法により製造された積層体を示す図であり、図5(b)は、分離工程を説明する図であり、図5(c)は、除去工程を説明する図である。 支持体1と基板4(ベアチップ)とが接着層3を介して貼り合わされた積層体10を示す平面図である。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有していてもよい」又は「置換基を有してもよい」と記載する場合、水素原子(−H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(−CH−)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。「ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。尚、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
上記α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
(接着剤組成物(第1の態様))
本発明の第1の態様に係る接着剤組成物は、支持体と基板とを貼り合わせるためのものである。本実施形態の接着剤組成物は、樹脂成分(P)を含有する。この樹脂成分(P)は、少なくとも、炭化水素樹脂(P1)と、ガラス転移温度が180℃以上の樹脂(P2)(但し、前記炭化水素樹脂(P1)を除く)と、を含む。
図1は、本発明を適用した積層体の一実施形態を示している。
図1に示す積層体10は、支持基体1と基板4との間に、分離層2及び接着層3を備えたものであり、支持基体1上に分離層2、接着層3、基板4がこの順に積層している。
支持基体1は、光を透過する材料からなる。積層体10においては、分離層2に対し、支持基体1側から光を照射することによって、分離層2が変質して分解するため、基板4から支持基体1が分離する。
この積層体10においては、支持体12と基板4とが接着層3を介して貼り合わされている。この接着層3は、本実施形態の接着剤組成物を用いて形成することができる。
<樹脂成分(P)>
本実施形態において、樹脂成分(P)(以下「(P)成分」ともいう。)は接着剤組成物において、接着性を付与する成分として機能し、少なくとも、炭化水素樹脂(P1)と、ガラス転移温度が180℃以上の樹脂(P2)(但し、前記炭化水素樹脂(P1)を除く)と、を含む。
(P)成分は、前記の炭化水素樹脂(P1)及び樹脂(P2)に加えて、これら以外の樹脂を含んでもよい。
尚、本実施形態における樹脂成分(P)は、樹脂の他、接着層を構成するマトリックスとなり得るモノマー、例えば後述する硬化性モノマーを包含するものとする。
≪炭化水素樹脂(P1)≫
本実施形態において、炭化水素樹脂(P1)(以下「(P1)成分」ともいう。)は、脂肪族炭化水素樹脂でもよく、芳香族炭化水素樹脂でもよい。
(P1)成分としては、耐熱性又は柔軟性の付与の点から、例えばエラストマー、シクロオレフィンポリマーが挙げられる。
・エラストマー
前記(P1)成分におけるエラストマーは、例えば、主鎖の構成単位として、スチレンから誘導される構成単位、又はスチレン誘導体から誘導される構成単位(これらをまとめて「スチレン単位」という。)を有するものが好適に挙げられる。
ここで「スチレン誘導体」とは、スチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいスチレンのベンゼン環に置換基が結合したもの等が挙げられる。
上記α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基)等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、「上記α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部又は全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
スチレンのベンゼン環に結合してもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。
尚、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレンから誘導される構成単位」、「スチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、スチレン又はスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
前記(P1)成分におけるエラストマーとしては、例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)又はこれらの水添物;スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SeptonV9461(株式会社クラレ製)、SeptonV9475(株式会社クラレ製))、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(反応性のポリスチレン系ハードブロックを有する、SeptonV9827(株式会社クラレ製)等が挙げられる。
前記(P1)成分におけるエラストマー中、スチレン単位の含有割合は、エラストマーを構成する全構成単位(100質量%)に対して、10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、25〜50質量%がさらに好ましく、30〜45質量%が特に好ましい。
スチレン単位の含有割合が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、支持体と基板との貼合性又は研削性を低下させることなく、薄化、実装等のプロセスに供することが容易となる。前記の好ましい範囲の上限値以下であると、接着剤組成物が形成する接着層の薬品耐性を好適に維持することができる。
前記(P1)成分におけるエラストマーは、重量平均分子量が20000〜200000の範囲が好ましく、50000〜150000の範囲がより好ましい。
エラストマーの重量平均分子量が、前記の好ましい範囲内であれば、炭化水素系の溶剤に容易に溶解して除去される接着層を形成できる接着剤組成物が得られやすくなる。また、エラストマーの重量平均分子量が前記の好ましい範囲内であることにより、接着剤組成物が形成する接着層の薬品耐性が高められる。
前記(P1)成分におけるエラストマーは、1種でもよいし、2種以上であってもよい。
前記(P1)成分におけるエラストマーは、エラストマーの中でも水添物がより好ましい。水添物であれば、熱に対する安定性が一層向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。加えて、炭化水素系の溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
また、エラストマーの中でも、両端がスチレンとされたブロック重合体であるものがより好ましい。熱安定性の高いスチレンで両末端がブロックされていることで、より高い耐熱性を得られやすい。
より具体的には、エラストマーは、スチレンと共役ジエンとのブロックコポリマーの水添物であることがより好ましい。これにより、熱に対する安定性が一層向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、熱安定性の高いスチレンで両末端がブロックされていることでより高い耐熱性を示す。さらに、炭化水素系の溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
前記(P1)成分として用い得るエラストマーの市販品としては、例えば、株式会社クラレ製の「セプトン(商品名)」、株式会社クラレ製の「ハイブラー(商品名)」、旭化成株式会社製の「タフテック(商品名)」、JSR株式会社製の「ダイナロン(商品名)」等が挙げられる。
・シクロオレフィンポリマー
シクロオレフィンポリマーとしては、例えば、シクロオレフィンモノマーを含む単量体成分の開環重合体、シクロオレフィンモノマーを含む単量体成分を付加重合させた付加重合体が好適に挙げられる。
前記シクロオレフィンモノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの二環体、ジシクロペンタジエン、ヒドロキシジシクロペンタジエンなどの三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体、シクロペンタジエン三量体などの五環体、テトラシクロペンタジエンなどの七環体、又はこれら多環体のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)置換体、アルケニル(ビニルなど)置換体、アルキリデン(エチリデンなど)置換体もしくはアリール(フェニル、トリル、ナフチルなど)置換体等のモノマーが挙げられる。
上記の中でも、特に、ノルボルネン、テトラシクロドデセン及びこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれる、ノルボルネン構造を有するモノマー由来の構成単位を有するポリマーが好ましい。このような、ノルボルネン構造をもつシクロオレフィンポリマーを用いることにより、例えば、レジスト溶剤に対する高い薬品耐性を備えつつ、炭化水素系の溶剤に容易に溶解して除去される接着層を形成できる接着剤組成物が得られやすくなる。
シクロオレフィンポリマーは、前記シクロオレフィンモノマーと共重合可能なモノマーを単量体単位として有していてもよい。
かかる共重合可能なモノマーとしては、例えば、アルケンモノマーが好適に挙げられる。このアルケンモノマーは、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、炭素数2〜10のアルケンモノマーが挙げられ、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンが好ましく、これらの中でも、エチレンを単量体単位とすることがより好ましい。
前記(P1)成分におけるシクロオレフィンポリマー中、シクロオレフィンモノマー単位の含有割合は、シクロオレフィンポリマーを構成する全構成単位(100モル%)に対して、10〜100モル%が好ましく、20〜100モル%がより好ましい。
前記(P1)成分におけるシクロオレフィンポリマーは、重量平均分子量が10000〜2000000の範囲が好ましく、30000〜1500000の範囲がより好ましい。
シクロオレフィンポリマーの重量平均分子量が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、当該ポリマーの軟化温度を、支持体と基板との貼り合わせに適した温度に制御しやすくなる。前記の好ましい範囲の上限値以下であると、炭化水素系の溶剤に容易に溶解して除去される接着層を形成できる接着剤組成物が得られやすくなる。
前記(P1)成分におけるシクロオレフィンポリマーは、1種でもよいし、2種以上であってもよい。
尚、シクロオレフィンポリマーは、例えば、シクロオレフィンモノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制する点から好ましい。
単量体成分を重合するときの重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従って適宜設定すればよい。
前記(P1)成分として用い得るシクロオレフィンポリマーの市販品としては、例えば、ポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS(商品名)」、三井化学株式会社製の「APEL(商品名)」、日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR(商品名)」、日本ゼオン株式会社製の「ZEONEX(商品名)」、JSR株式会社製の「ARTON(商品名)」等が挙げられる。
本実施形態の接着剤組成物中、(P1)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(P1)成分は、エラストマー及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、耐熱性、ダイボンディング性がより良好なことから、エラストマーがより好ましい。
前記(P)成分に占める、前記(P1)成分の含有割合は、前記(P)成分の総量(100質量%)に対して、50質量%超が好ましく、50質量%超、90質量%以下がより好ましく、55質量%以上、80質量%以下がさらに好ましい。前記の好ましい範囲内にすることにより、後述する除去工程における洗浄液、特には炭化水素系の溶剤での除去性能が向上する。
≪ガラス転移温度が180℃以上の樹脂(P2)≫
本実施形態において、樹脂(P2)は、ガラス転移温度(Tg)が180℃以上の樹脂(以下「(P2)成分」ともいう。)(但し、前記炭化水素樹脂(P1)を除く)である。
樹脂成分についてのガラス転移温度(Tg/℃)は、動的粘弾性測定により求められる。例えば、動的粘弾性測定装置Rheologel−E4000(UBM株式会社製)を用い、周波数1Hzの条件にて、5℃/分の昇温速度で、25℃から300℃まで温度を上昇させることにより測定した粘弾性の変化に基づき求めることができる。
前記(P2)成分のガラス転移温度(Tg)は、180℃以上であり、180〜280℃が好ましく、200〜280℃がより好ましく、210〜280℃がさらに好ましく、220〜280℃が特に好ましい。
前記(P2)成分のTgが、前記範囲の下限値以上であれば、より耐熱性が高められた接着層を容易に形成できる。前記の好ましい範囲の上限値以下であると、接着層の柔軟性が維持されやすくなる。
前記(P2)成分は、Tgが180℃以上である樹脂であれば特に制限されず、中でも前記(P1)成分との相溶性の高いものが好ましい。
例えば、前記(P2)成分としては、マレイミド骨格を含む単量体から誘導される構成単位(u21)を有する樹脂が好適に挙げられる。
・構成単位(u21)
構成単位(u21)は、マレイミド骨格を含む単量体から誘導される構成単位である。マレイミド骨格をもつ樹脂を用いることにより、ガラス転移温度が高くなり、接着層の耐熱性がより高められる。
好ましい構成単位(u21)としては、例えば、下記一般式(p2−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0006971139
[式中、Ru10は、炭素数1〜30の有機基を表す。]
前記式(p2−1)中、Ru10は、炭素数1〜30の有機基を表す。Ru10における有機基は、脂肪族炭化水素基でもよいし、芳香族炭化水素基でもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。また、脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
例えば、Ru10における有機基としては、置換基を有していてもよい環式基、置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい環式基:
該環式基は、環状の炭化水素基であることが好ましく、該環状の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
u10における芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜10が最も好ましい。但し、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
u10における芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル又はこれらの芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環などが挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
u10における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香環から水素原子1つを除いた基(アリール基:例えばフェニル基、ナフチル基など)、前記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えばベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
u10における環状の脂肪族炭化水素基は、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基が挙げられる。
この構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子1個を除いた基)、脂肪族炭化水素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基等が挙げられる。このアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素環は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂肪族炭化水素環は、多環であってもよく、単環であってもよい。
単環の脂肪族炭化水素環としては、炭素数3〜8のものが好ましく、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられ、シクロペンタン、シクロヘキサンが好ましい。
多環の脂肪族炭化水素環としては、炭素数7〜30のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカン;ステロイド骨格を有する環等の縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンがより好ましい。
なかでも、Ru10における環状の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカン又はポリシクロアルカンから水素原子1つ以上を除いた基が好ましく、モノシクロアルカンから水素原子1つ以上を除いた基がより好ましく、モノシクロアルカンから水素原子1つを除いた基がさらに好ましく、シクロペンタン又はシクロヘキサンから水素原子1つを除いた基が特に好ましい。
u10の環式基における置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基:
u10の鎖状のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜12がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10がさらに好ましい。具体的には、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基:
u10の鎖状のアルケニル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、炭素数が2〜10であることが好ましく、炭素数2〜5がより好ましく、炭素数2〜4がさらに好ましく、炭素数3が特に好ましい。直鎖状のアルケニル基としては、例えばビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
鎖状のアルケニル基としては、上記の中でも、直鎖状のアルケニル基が好ましく、ビニル基、プロペニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
u10の鎖状のアルキル基又はアルケニル基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、上記Ru10における環式基等が挙げられる。
上記の中でも、Ru10は、置換基を有していてもよい環式基が好ましく、置換基を有していてもよい環状の炭化水素基であることがより好ましく、置換基を有していてもよい環状の脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。
以下に、構成単位(u21)の具体例を示す。
Figure 0006971139
Figure 0006971139
Figure 0006971139
Figure 0006971139
(P2)成分が有する構成単位(u21)は、1種でもよく2種以上でもよい。
(P2)成分中の構成単位(u21)の割合は、(P2)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましく、40〜70モル%がさらに好ましい。
構成単位(u21)の割合が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、ガラス転移温度が高くなり、接着層の耐熱性がより高められる。前記の好ましい範囲の上限値以下であると、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
・構成単位(u22)
(P2)成分としては、前記構成単位(u21)以外の構成単位を有してもよい。
前記構成単位(u21)以外の構成単位としては、例えば、シクロオレフィンから誘導される構成単位(u22)等が挙げられる。
シクロオレフィン、すなわち、炭素原子で構成された不飽和脂肪族炭化水素環をもつ樹脂を用いることにより、炭化水素系の溶剤に容易に溶解して除去される接着層を形成できる接着剤組成物が得られやすくなる。
好ましい構成単位(u22)としては、例えば、下記一般式(p2−2)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0006971139
[式中、Ru11〜Ru14は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の有機基又は水素原子を表す。nは、0〜2の整数である。]
前記式(p2−2)中、Ru11〜Ru14における有機基としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、カルボキシ基を有する有機基、ヘテロ環を有する有機基が挙げられる。
u11〜Ru14におけるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。
u11〜Ru14におけるアルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、ビニル基が挙げられる。
u11〜Ru14におけるアルキニル基としては、例えばエチニル基が挙げられる。
u11〜Ru14におけるアルキリデン基としては、例えばメチリデン基、エチリデン基が挙げられる。
u11〜Ru14におけるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
u11〜Ru14におけるアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基が挙げられる。
u11〜Ru14におけるアルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基が挙げられる。
u11〜Ru14におけるシクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基が挙げられる。
u11〜Ru14における、ヘテロ環を有する有機基としては、例えば、エポキシ基を有する有機基、オキセタニル基を有する有機基が挙げられる。
u11〜Ru14における有機基は、炭化水素系の溶剤に対する溶解性をより高められること、及び合成上の観点から、アルキル基が好ましい。加えて、高いガラス転移点を維持しやすいことから、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数2〜6のアルキル基がさらに好ましい。
また、接着剤組成物を用いて形成される接着層の光透過性を高める観点から、Ru11〜Ru14のいずれか1つ以上が水素原子であることも好ましい。
上記の中でも、Ru11〜Ru14における有機基は、アルキル基と水素原子との組合せが好ましく、Ru11〜Ru14のいずれか1つがアルキル基であって残り3つが水素原子であることが好ましい。
u11〜Ru14における有機基は、1つ以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。このハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記式(p2−2)中、nは、0〜2の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
以下に、構成単位(u22)の具体例を示す。
Figure 0006971139
(P2)成分が有する構成単位(u22)は、1種でもよく2種以上でもよい。
(P2)成分中の構成単位(u22)の割合は、(P2)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、10〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましく、30〜60モル%がさらに好ましい。
構成単位(u22)の割合が、前記の好ましい範囲の下限値以上であると、炭化水素系の溶剤に対する溶解性が高められやすくなる。前記の好ましい範囲の上限値以下であると、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
本実施形態の接着剤組成物中、(P2)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(P2)成分は、構成単位(u21)を有する樹脂が好ましい。この中でも、耐熱性が高められやすく、炭化水素系の溶剤に容易に溶解して除去される接着層を形成できる接着剤組成物が得られやすいことから、構成単位(u21)と構成単位(u22)とを有する樹脂がより好ましい。
以下に、(P2)成分の具体例を示す。
Figure 0006971139
前記(P)成分に占める、前記(P2)成分の含有割合は、前記(P)成分の総量(100質量%)に対して、50質量%以下が好ましく、5質量%以上、50質量%以下がより好ましく、10質量%以上、40質量%以下がさらに好ましい。
また、前記(P2)成分の含有割合は、前記(P1)成分100質量部に対して、5〜75質量部であることが好ましく、10〜70質量部であることがより好ましく、10〜65質量部であることがさらに好ましく、10〜60質量部であることが特に好ましい。
前記(P2)成分の含有割合が、前記の好ましい範囲の上限値以下であると、耐熱性に加えて、接着性がより高められる。前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、耐熱性、接着性及びダイボンディング性がいずれも向上する。
≪その他の樹脂(P3)≫
(P)成分は、前記の(P1)成分及び(P2)成分に加えて、これら以外の樹脂(これを以下「(P3)成分」ともいう。)を含んでもよい。
例えば、(P3)成分としては、アクリル樹脂等が挙げられる。
・アクリル樹脂
本実施形態において、(P)成分は、前記の(P1)成分及び(P2)成分に加えて、(P3)成分としてアクリル樹脂を含んでもよい。(P)成分がアクリル樹脂を含むことにより、支持体と基板との接着性をより向上させることができる。
アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単量体として用いて重合した樹脂(単独重合体、共重合体)が挙げられる。
「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルの少なくとも一方を意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの中でも、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましい。
鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルが挙げられる。
ここでいう炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基(ステアリル基)、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であり、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルが好ましい。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルにおいて、当該芳香族環としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。当該芳香族環は、置換基を有していてもよく、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有していてもよい。
アクリル樹脂中、上述した(メタ)アクリル酸エステルは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル樹脂は、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、及び芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群より選択される1種以上を重合した樹脂が好ましい。
この中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルと、を重合した樹脂がより好ましい。
アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、これと重合可能な他の単量体と、を重合した樹脂でもよい。
かかる重合可能な単量体としては、例えばスチレン、スチレン誘導体、マレイミド基を含有するモノマー等が挙げられる。ここでのスチレン誘導体は、上記「スチレン誘導体」と同様である。ここでのマレイミド基を含有するモノマーは、上記構成単位(u21)を誘導する単量体と同様のものが挙げられる。
また、アクリル樹脂の中でも、(メタ)アクリル酸エステル単量体と、スチレンと、を重合した樹脂が好ましい。アクリル樹脂がスチレン単位を有していることによって、アクリル樹脂の耐熱性が向上する。加えて、他の樹脂との相溶性、炭化水素系の溶剤への溶解性が高められる。
この中でも、アクリル樹脂としては、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルと、スチレンと、を重合した樹脂が特に好ましい。
アクリル樹脂の溶解度パラメーター(SP値)は、6以上10以下であることが好ましく、6.5以上、9.5以下であることがより好ましい。SP値が前記の好ましい範囲内であることによって、アクリル樹脂と他の樹脂との相溶性が高められ、より安定した接着剤組成物が得られやすくなる。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、2000〜100000であることが好ましく、5000〜50000であることがより好ましい。
アクリル樹脂の重量平均分子量が前記の好ましい範囲内であることによって、例えば基板と支持体との貼り合わせに適した熱流動性を有する接着剤組成物を容易に提供することができる。
アクリル樹脂は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(P)成分に占める、前記アクリル樹脂の含有割合は、前記(P)成分の総量(100質量%)に対して、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、0質量%超、20質量%以下がさらに好ましい。
・硬化性モノマー
本実施形態において、(P)成分は、前述の(P1)成分及び(P2)成分に加えて、接着剤組成物は(P3)成分として硬化性モノマーを含んでもよい。接着剤組成物が硬化性モノマーを含むことにより、接着層の耐熱性をより向上させることができる。
硬化性モノマーは、ラジカル重合により高分子化するモノマーであることが好ましく、典型的には、多官能型の硬化性モノマーが挙げられ、多官能型の(メタ)アクリレートモノマーが特に好ましい。
多官能型の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3,5−アダマンタントリオールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(即ち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物等が挙げられる。
これら多官能の(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化性モノマーは、環状構造を含むものが好ましく、多環式脂肪族構造を含むものがより好ましい。硬化性モノマーが、好ましくは環状構造、より好ましくは多環式脂肪族構造を含んでいることで、シクロオレフィンポリマーとの相溶性をより高めることができる。また、シクロオレフィンポリマーと併用した硬化性モノマーを重合させることによって、接着層の耐熱性をさらに高めることができる。
硬化性モノマーの中でも、特に環式基を有する(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシ−1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3,5−アダマンタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン及びプロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
前記(P)成分に占める、前記硬化性モノマーの含有割合は、前記(P)成分の総量(100質量%)に対して、5〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
また、接着剤組成物について、さらなる接着性の向上を求める際は、前記(P)成分に占める、前記硬化性モノマーの含有割合について、前記(P)成分の総量(100質量%)に対して、1〜30質量%、2〜20質量%、5〜15質量%との数値範囲を設定することもできる。
また、前記硬化性モノマーの含有割合は、前記(P1)成分と前記(P2)成分との合計100質量部に対して、5〜40質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることがさらに好ましい。
前記硬化性モノマーの含有割合が、前記の好ましい範囲の下限値以上であれば、接着層に、より高い耐熱性を付与することができる。前記の好ましい範囲の上限値以下であると炭化水素系の溶剤に対する溶解性をより高められ、接着層の洗浄除去性をより良好なものとすることができる。
本実施形態の接着剤組成物中、(P)成分の含有量は、形成しようとする接着層の厚さ、各樹脂の種類等に応じて調整すればよい。
<任意成分>
本実施形態の接着剤組成物は、上述した(P)成分以外の成分(任意成分)をさらに含有してもよい。
かかる任意成分としては、例えば、以下に示す重合禁止剤、重合開始剤、溶剤成分、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、界面活性剤等が挙げられる。
≪重合禁止剤≫
本実施形態の接着剤組成物は、さらに、重合禁止剤を含有していてもよい。
重合禁止剤は、熱や光によるラジカル重合反応を防止する機能を有する成分をいう。重合禁止剤は、ラジカルに対して高い反応性を示す。このため、例えば(P1)成分としてシクロオレフィンポリマーを用いた場合、重合禁止剤とラジカルとの反応が、シクロオレフィンポリマーとラジカルとの反応よりも優先的に進行して、シクロオレフィンポリマー同士が重合することを禁止する。これにより、形成された接着層が加熱されることにより、当該接着層の薬品耐性が高められる。
重合禁止剤としては、フェノール骨格を有するものが好ましい。例えば、かかる重合禁止剤には、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を用いることが可能であり、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4”−エチリデントリス(2−メチルフェノール)、4,4’,4”−エチリデントリスフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、n−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名IRGANOX1010、BASF社製)、トリス(3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合禁止剤の含有量は、樹脂成分の種類、接着剤組成物の用途及び使用環境に応じて適宜決定すればよく、例えば、(P)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
重合禁止剤の含有量が前記の好ましい範囲内であれば、重合を抑える効果が良好に発揮され、高温プロセス後に接着層の薬品耐性がより高められる。
≪重合開始剤≫
本実施形態の接着剤組成物は、さらに、重合開始剤を含有していてもよい。
重合開始剤は、上述した硬化性モノマーの重合反応を促進させる機能を有する成分をいう。
重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば過酸化物、アゾ系重合開始剤等が挙げられる。
熱重合開始剤における過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル等が挙げられる。このような過酸化物として具体的には、過酸化アセチル、過酸化ジクミル、過酸化tert−ブチル、過酸化t−ブチルクミル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化2−クロロベンゾイル、過酸化3−クロロベンゾイル、過酸化4−クロロベンゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過酸化4−ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ブチル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過ギ酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過4−メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等が挙げられる。
前記の過酸化物には、例えば、日本油脂株式会社製の商品名「パークミル(登録商標)」、商品名「パーブチル(登録商標)」、商品名「パーロイル(登録商標)」及び商品名「パーオクタ(登録商標)」等の市販されているものを用いることができる。
熱重合開始剤におけるアゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(すなわち、ミヒラーズケトン)、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(すなわち、エチルミヒラーズケトン)、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−t−ブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−t−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等が挙げられる。
前記の光重合開始剤には、例えば「IRGACURE OXE02」、「IRGACURE OXE01」、「IRGACURE 369」、「IRGACURE 651」、「IRGACURE 907」(何れも商品名、BASF社製)並びに「NCI−831」(商品名、株式会社ADEKA製)等の市販されているものを用いることができる。
重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤としては、熱重合開始剤が好ましく、過酸化物がより好ましい。
重合開始剤は、硬化性モノマーと組み合わせて用いることが好適である。この重合開始剤の使用量は、硬化性モノマーの使用量に応じて調整するとよい。
例えば、本実施形態の接着剤組成物中、重合開始剤の含有割合は、硬化性モノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。
≪溶剤成分≫
本実施形態の接着剤組成物は、溶剤成分に、(P)成分と必要に応じて任意成分とを溶解して調製することができる。
溶剤成分には、例えば、接着剤組成物用の各成分を溶解し、均一な溶液にすることができるものを用いることができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤成分としては、例えば炭化水素溶剤、石油系溶剤が挙げられる。
尚、炭化水素溶剤及び石油系溶剤を、以下まとめて「(S1)成分」ともいう。(S1)成分以外の溶剤成分を「(S2)成分」ということがある。
炭化水素溶剤としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素が挙げられ、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素;イソオクタン、イソノナン、イソドデカン等の分岐鎖状の炭化水素;p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、α−ピネン、β−ピネン、α−ツジョン、β−ツジョン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、インデン、ペンタレン、インダン、テトラヒドロインデン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、デカヒドロナフタレン(デカリン)等の環状の炭化水素が挙げられる。
石油系溶剤とは、重油から精製される溶剤であり、例えば白灯油、パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤が挙げられる。
また、(S2)成分としては、極性基として酸素原子、カルボニル基又はアセトキシ基等を有するテルペン溶剤が挙げられ、例えば、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー等が挙げられる。
また、(S2)成分としては、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、上記多価アルコール類又は上記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤も挙げることができる。
本実施形態の接着剤組成物における溶剤成分の含有量は、成膜する接着層の厚さに応じて適宜調整すればよく、例えば、接着剤組成物の総量(100質量%)に対して、20〜90質量%の範囲内であることが好ましい。
すなわち、本実施形態の接着剤組成物は、固形分(溶剤成分を除いた配合成分の合計量)濃度が10〜80質量%の範囲内であることが好ましい。
溶剤成分の含有量が前記の好ましい範囲内であれば、粘度調整が容易となる。
本実施形態の接着剤組成物として具体的には、以下に示す組成物(I)〜(III)が好適に挙げられる。
組成物(I):(P1)成分と(P2)成分と重合禁止剤と溶剤成分とを含有する組成物
組成物(II):(P1)成分と(P2)成分と硬化性モノマーと重合開始剤と溶剤成分とを含有する組成物
組成物(III):(P1)成分と(P2)成分と(P3)成分と重合禁止剤と溶剤成分とを含有する組成物
本実施形態の接着剤組成物は、溶剤成分に、他の各成分を混合して溶解又は分散することにより調製できる。
この溶剤成分には、(P)成分の溶解性の点から、炭化水素溶剤を含むものを用いることが好ましく、分岐鎖状炭化水素又は環状の炭化水素溶剤を含むものを用いることがより好ましい。
溶剤成分が分岐鎖状又は環状の炭化水素溶剤を含むことによって、接着剤組成物を液体状態で(特に低温にて)保存した際に生じ得る白濁化が防止されやすく、保存安定性をより向上させることができる。
また、溶剤成分には、炭化水素溶剤として縮合多環式炭化水素、又は分岐鎖状炭化水素を含むものを用いることが好ましい。この場合、溶剤成分は、縮合多環式炭化水素及び分岐鎖状炭化水素からなる群より選択されるもののみであってもよいし、例えば飽和脂肪族炭化水素等の他の成分を併有していてもよい。
溶剤成分中、縮合多環式炭化水素及び分岐鎖状炭化水素からなる群より選択されるものの含有量は、炭化水素溶剤全体100質量部に対して、40質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。炭化水素溶剤全体の40質量部以上であると、(P)成分の溶解性がより良好となる。
前記組成物(II)の場合、重合開始剤は、接着剤組成物を使用する直前に、公知の方法により配合することができる。
また、重合開始剤又は重合禁止剤は、上記(S2)成分に予め溶解した溶液の形態で配合してもよい。(S2)成分の使用量は、重合開始剤又は重合禁止剤の種類等に応じて適宜調整すればよく、例えば、(S1)成分100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。(S2)成分の使用量が前記の好ましい範囲内であれば、重合開始剤又は重合禁止剤を充分に溶解することができる。
また、本実施形態に係る接着剤組成物は、以下の要件の少なくとも一つを満たすことが好ましい。
(要件1):前記接着剤組成物から20mm×5mm×厚さ0.5mmの試験片を作製し、周波数1Hzの引張条件で、室温から215℃まで、速度5℃/分で昇温する条件にて前記試験片を動的粘弾性測定に付したときに、50℃における複素弾性率E*50が、1.0×10Pa未満となる。
(要件2):(要件1)と同様の条件で試験片を動的粘弾性測定に付したときに、150℃における複素弾性率E*150が、3.0×10Pa超となる。
(要件3):(要件1)及び(要件2)と同様の条件で、50℃における複素弾性率E*50と150℃における複素弾性率E*150とを求めたときに、E*50/E*150の比が2000以下となる。
なお、各要件における動的粘弾性測定は動的粘弾性測定装置(Rheogel−E4000、ユービーエム株式会社製)を用い、以下の手順に従って行うことができる(以下の要件についても同様。)。
(手順)
まず、接着剤組成物を、離型剤付のPETフィルム上に塗布し、大気圧下のオーブンで50℃、150℃で各60分間、加熱して接着剤層を形成する(厚さ0.5mm)。
次いで、PETフィルムから剥がした接着剤層の各温度の複素弾性率E*を、前記の動的粘弾性測定装置を用いて測定する。
測定条件は、サンプル形状を20mm×5mm×厚さ0.5mmとし、周波数1Hzの引張条件において、室温から215℃まで、速度5℃/分で昇温する条件とし、50℃、150℃における複素弾性率を測定する。
本実施形態に係る接着剤組成物が(要件1)を満たすことで、接着剤組成物は、比較的室温に近い温度領域で一段と高い接着能力を発揮することができる。50℃における複素弾性率E*50は、より好ましくは0.9×10Pa未満であり、さらに好ましくは0.6×10Pa未満である。
50℃における複素弾性率E*50の下限値はとくに限定されるものではないが、たとえば、1.0×10Pa以上である。
本実施形態に係る接着剤組成物が(要件2)を満たすことで、接着剤組成物が、高温領域における流動等を起こすことを精度高く抑制することができる。これにより、高温処理時における基板の位置ずれを起こしづらくなる。150℃における複素弾性率E*150は、より好ましくは3.5×10Pa超であり、さらに好ましくは5.0×10Pa超である。
150℃における複素弾性率E*150の上限値はとくに限定されるものではないが、たとえば、1.0×10Pa以下である。
本実施形態に係る接着剤組成物が(要件3)を満たすことで、接着剤組成物は、常温時、加熱時とも安定的な接着機能を発揮しやすくなる。このE*50/E*150の比はより好ましくは1000以下であり、さらに好ましくは500以下であり、いっそう好ましくは100以下である。
E*50/E*150の比の下限値はとくに限定されるものではないが、たとえば5以上であり、好ましくは1.5以上である。
以上説明した本実施形態の接着剤組成物においては、炭化水素樹脂(P1)と、ガラス転移温度が180℃以上の樹脂(P2)と、を併有することで、より耐熱性が高められた接着層を形成できる。これにより、本実施形態の接着剤組成物により形成された接着層は、半導体パッケージ製造の際、高温処理の影響によって、例えば封止操作の前後で基板の位置ずれを生じにくい。
加えて、本実施形態の接着剤組成物によれば、形成される接着層に基板(ベアチップ)が充分な強度で固着される(ダイボンディング性が良好である)。
さらに、本実施形態の接着剤組成物によれば、形成される接着層の、炭化水素系の溶剤に対する溶解性が高い。これにより、半導体パッケージ製造の際、接着層を基板から容易に洗浄除去できる。
(接着剤組成物(第2の態様))
続いて、本発明の第2の態様に係る接着剤組成物について説明する。
本発明の第2の態様に係る接着剤組成物は、支持体と基板とを貼り合せるためのものである。本実施形態の接着剤組成物は、樹脂成分(P)を含有する。この樹脂成分(P)は
少なくとも炭化水素樹脂(P1)を含み、以下の要件を満たすものである。
(要件1):前記接着剤組成物から20mm×5mm×厚さ0.5mmの試験片を作製し、周波数1Hzの引張条件で、室温から215℃まで、速度5℃/分で昇温する条件にて前記試験片を動的粘弾性測定に付したときに、50℃における複素弾性率E*50が、1.0×10Pa未満となる。
(要件2):(要件1)と同様の条件で試験片を動的粘弾性測定に付したときに、150℃における複素弾性率E*150が、3.0×10Pa超となる。
本態様に係る樹脂成分(P)を構成することのできる、(P1)成分、(P2)成分、(P3)成分及びこれらの配合割合は、前述の第1の態様に係る接着剤組成物として説明した通りである。ただし、本実施形態の接着剤組成物は、必ずしも(P2)成分を含まなくてもよく、(P2)成分に相当する成分を配合するにしても、この成分のガラス転移温度(Tg)は前述の範囲でなくてもよい。
本態様の接着剤組成物は、マレイミド骨格を含む単量体から誘導される構成単位(u21)を有する成分を含むことが好ましい。この構成単位(u21)は、典型的には樹脂成分(P)を構成する樹脂のいずれかに含まれるものである。
ここで、典型的には、構成単位(u21)は、下記一般式(p2−1)で表される構成単位である。なお、ここで示す炭素数1〜30の有機基について、採用できるものは前述した通りである。
Figure 0006971139
[式中、Ru10は、炭素数1〜30の有機基を表す。]
また、本態様に係る接着剤組成物は、第1の態様に係る接着剤組成物に含ませることのできる任意成分や溶剤成分を含んでもよく、その配合割合も前述の通りである。
本態様に係る接着剤組成物として具体的には、以下に示す組成物(IV)〜(VI)が好適に挙げられる。これら組成物は、必要な成分を溶剤成分に溶解又は分散することで得られる。
組成物(IV):(P1)成分と重合禁止剤と溶剤成分とを含有する組成物
組成物(V):(P1)成分と硬化性モノマーと重合開始剤と溶剤成分とを含有する組成物
組成物(VI):(P1)成分と(P3)成分と重合禁止剤と溶剤成分とを含有する組成物
本実施形態に係る接着剤組成物は、上記の(要件1)を満たすことを必須とする。これにより、接着剤組成物は、比較的室温に近い温度領域で一段と高い接着能力を発揮することができる。50℃における複素弾性率E*50は、より好ましくは0.9×10Pa未満であり、さらに好ましくは0.6×10Pa未満である。
50℃における複素弾性率E*50の下限値はとくに限定されるものではないが、たとえば、1.0×10Pa以上である。
また、本実施形態に係る接着剤組成物は、上記の(要件1)に加えて、上記の(要件2)を満たすことを必須とする。接着剤組成物が、高温領域における流動等を起こすことを精度高く抑制することができる。これにより、高温処理時における基板の位置ずれを起こしづらくなる。150℃における複素弾性率E*150は、より好ましくは3.5×10Pa超であり、さらに好ましくは5.0×10Pa超である。
150℃における複素弾性率E*150の上限値はとくに限定されるものではないが、たとえば、1.0×10Pa以下である。
また、本実施形態に係る接着剤組成物は、以下の要件(要件3)を満たすことが好ましい。
(要件3):(要件1)及び(要件2)と同様の条件で、50℃における複素弾性率E*50と150℃における複素弾性率E*150とを求めたときに、E*50/E*150の比が2000以下となる。
本実施形態に係る接着剤組成物が(要件3)を満たすことで、接着剤組成物は、常温時、加熱時とも安定的な接着機能を発揮しやすくなる。このE*50/E*150の比はより好ましくは1000以下であり、さらに好ましくは500以下であり、いっそう好ましくは100以下である。
E*50/E*150の比の下限値はとくに限定されるものではないが、たとえば5以上であり、好ましくは1.5以上である。
以上説明した本実施形態の接着剤組成物においては、炭化水素樹脂(P1)を含みつつ、特定の要件を満たすことで、より耐熱性が高められた接着層を形成できる。これにより、本実施形態の接着剤組成物により形成された接着層は、半導体パッケージ製造の際、高温処理の影響によって、例えば封止操作の前後で基板の位置ずれを生じにくい。
加えて、本実施形態の接着剤組成物によれば、形成される接着層に基板(ベアチップ)が充分な強度で固着される(ダイボンディング性が良好である)。
さらに、本実施形態の接着剤組成物によれば、形成される接着層の、炭化水素系の溶剤に対する溶解性が高い。これにより、半導体パッケージ製造の際、接着層を基板から容易に洗浄除去できる。
(接着層付き支持体)
本発明の第3の態様に係る接着層付き支持体は、基板が貼り合わされる支持体と、前記支持体上に、前記第1又は第2の態様に係る接着剤組成物を用いて形成された接着層と、を備えたものである。したがって、かかる接着層付き支持体においては、耐熱性が高められている。
図1に示す積層体10は、支持体12と基板4とが接着層3を介して貼り合わされたもの、すなわち、接着層付き支持体123上に基板4が固着したものである。かかる実施形態の接着層付き支持体123は、支持基体1上に分離層2を備えた支持体12と、支持体12上に形成された接着層3と、を備えている。
<支持体>
図1における支持体12は、支持基体1と、支持基体1上に設けられた分離層2と、を備える。
≪支持基体≫
支持基体は、光を透過する特性を有する。支持基体は、基板を支持する部材であり、接着層を介して基板に貼り合わされる。そのため、支持基体としては、封止体の薄化、基板の搬送、基板への実装等の際に、基板の破損又は変形を防ぐために必要な強度を有していることが好ましい。また、支持基体は、分離層を変質させることができる波長の光を透過するものが好ましい。
支持基体の材料としては、例えば、ガラス、シリコン、アクリル系樹脂等が用いられる。支持基体の形状としては、例えば矩形、円形等が挙げられるが、これに限定されない。
また、支持基体としては、さらなる高密度集積化や生産効率の向上のために、円形である支持基体のサイズを大型化したもの、平面視における形状が四角形である大型パネルを用いることもできる。
≪分離層≫
分離層は、接着層に隣接し、光の照射により変質して、支持体に貼り合わされる基板から支持基体を分離可能とする層である。
この分離層は、後述の分離層形成用組成物を用いて形成することができ、例えば、分離層形成用組成物が含有する成分を焼成することにより、又は化学気相堆積(CVD)法により形成される。この分離層は、支持基体を透過して照射される光を吸収することによって好適に変質する。
尚、分離層は、光を吸収する材料のみから形成されていることが好ましいが、本発明における本質的な特性を損なわない範囲で、光を吸収する構造を有していない材料が配合された層であってもよい。
分離層が「変質する」とは、分離層が外力を受けて破壊され得る状態、又は分離層と接する層との接着力が低下した状態になる現象をいう。分離層は、光を吸収することによって脆くなり、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。かかる分離層の変質は、吸収した光のエネルギーによる分解、立体配置の変化又は官能基の解離等を生じることで起こる。
分離層の厚さは、例えば0.05μm以上、50μm以下の範囲内であることが好ましく、0.3μm以上、1μm以下の範囲内であることがより好ましい。
分離層の厚さが0.05μm以上、50μm以下の範囲内であれば、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射によって、分離層に所望の変質を生じさせることができる。また、分離層の厚さは、生産性の観点から1μm以下の範囲内であることが特に好ましい。
分離層は、接着層に接する側の面が平坦である(凹凸が形成されていない)ことが好ましく、これにより、接着層の形成が容易に行え、かつ、支持基体と基板とを均一に貼り付けることが容易となる。
(分離層形成用組成物)
分離層を形成するための材料である分離層形成用組成物は、例えば、フルオロカーボン、光吸収性を有している構造を含む繰り返し単位を有する重合体、無機物、赤外線吸収性の構造を有する化合物、赤外線吸収物質、反応性ポリシルセスキオキサン、又はフェノール骨格を有する樹脂成分を含有するものが挙げられる。
また、分離層形成用組成物は、任意成分としてフィラー、可塑剤、熱酸発生剤成分、光酸発生剤成分、有機溶剤成分、界面活性剤、増感剤、又は支持基体の分離性を向上し得る成分等を含有してもよい。
・フルオロカーボン
分離層は、フルオロカーボンを含有していてもよい。フルオロカーボンによって構成される分離層は、光を吸収することで変質するようになっており、その結果、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、支持体を持ち上げる等)ことによって、分離層が破壊されて、支持体と基板とを分離し易くすることができる。分離層を構成するフルオロカーボンは、プラズマCVD法によって好適に成膜することができる。
フルオロカーボンは、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層に用いたフルオロカーボンが吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、フルオロカーボンを好適に変質させ得る。分離層における光の吸収率は、80%以上であることが好ましい。
分離層に照射する光としては、フルオロカーボンが吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は非レーザ光を適宜用いればよい。フルオロカーボンを変質させ得る波長としては、例えば600nm以下の範囲の波長を用いることができる。
・光吸収性を有している構造を含む繰り返し単位を有する重合体
分離層は、光吸収性を有している構造を含む繰り返し単位を有する重合体を含有していてもよい。該重合体は、光の照射を受けて変質する。。
光吸収性を有している構造は、例えば、置換若しくは非置換のベンゼン環、縮合環又は複素環からなる共役π電子系を含む原子団が挙げられる。光吸収性を有している構造は、より具体的には、カルド構造、又は該重合体の側鎖に存在するベンゾフェノン構造、ジフェニルスルフォキシド構造、ジフェニルスルホン構造(ビスフェニルスルホン構造)、ジフェニル構造若しくはジフェニルアミン構造が挙げられる。
上記の光吸収性を有している構造は、その種類に応じて、所望の範囲の波長を有している光を吸収することができる。例えば、上記の光吸収性を有している構造が吸収可能な光の波長は、100〜2000nmの範囲内であることが好ましく、100〜500nmの範囲内であることがより好ましい。
上記の光吸収性を有している構造が吸収可能な光は、例えば、高圧水銀ランプ(波長254nm以上、436nm以下)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、Fエキシマレーザ(波長157nm)、XeClレーザ(波長308nm)、XeFレーザ(波長351nm)若しくは固体UVレーザ(波長355nm)から発せられる光、又はg線(波長436nm)、h線(波長405nm)若しくはi線(波長365nm)等である。
・無機物
分離層は、無機物からなるものであってもよい。この無機物は、光を吸収することによって変質するものであればよく、例えば、金属、金属化合物及びカーボンからなる群より選択される1種類以上が好適に挙げられる。金属化合物とは、金属原子を含む化合物であり、例えば金属酸化物、金属窒化物が挙げられる。
このような無機物としては、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、クロム、SiO、SiN、Si、TiN、及びカーボンからなる群より選ばれる1種類以上が挙げられる。
尚、カーボンとは、炭素の同素体も含まれ得る概念であり、例えばダイヤモンド、フラーレン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンナノチューブ等を包含する。
上記無機物は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。
無機物からなる分離層に照射する光としては、上記無機物が吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、又は非レーザ光を適宜用いればよい。
無機物からなる分離層は、例えばスパッタ、化学蒸着(CVD)、メッキ、プラズマCVD、スピンコート等の公知の技術により、支持基体上に形成され得る。
・赤外線吸収性の構造を有する化合物
分離層は、赤外線吸収性の構造を有する化合物を含有していてもよい。この、赤外線吸収性の構造を有する化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。
赤外線吸収性を有している構造、又はこの構造を有する化合物としては、例えば、アルカン、アルケン(ビニル、トランス、シス、ビニリデン、三置換、四置換、共役、クムレン、環式)、アルキン(一置換、二置換)、単環式芳香族(ベンゼン、一置換、二置換、三置換)、アルコールもしくはフェノール類(自由OH、分子内水素結合、分子間水素結合、飽和第二級、飽和第三級、不飽和第二級、不飽和第三級)、アセタール、ケタール、脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ビニルエーテル、オキシラン環エーテル、過酸化物エーテル、ケトン、ジアルキルカルボニル、芳香族カルボニル、1,3−ジケトンのエノール、o−ヒドロキシアリールケトン、ジアルキルアルデヒド、芳香族アルデヒド、カルボン酸(二量体、カルボン酸アニオン)、ギ酸エステル、酢酸エステル、共役エステル、非共役エステル、芳香族エステル、ラクトン(β−、γ−、δ−)、脂肪族酸塩化物、芳香族酸塩化物、酸無水物(共役、非共役、環式、非環式)、第一級アミド、第二級アミド、ラクタム、第一級アミン(脂肪族、芳香族)、第二級アミン(脂肪族、芳香族)、第三級アミン(脂肪族、芳香族)、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、アンモニウムイオン、脂肪族ニトリル、芳香族ニトリル、カルボジイミド、脂肪族イソニトリル、芳香族イソニトリル、イソシアン酸エステル、チオシアン酸エステル、脂肪族イソチオシアン酸エステル、芳香族イソチオシアン酸エステル、脂肪族ニトロ化合物、芳香族ニトロ化合物、ニトロアミン、ニトロソアミン、硝酸エステル、亜硝酸エステル、ニトロソ結合(脂肪族、芳香族、単量体、二量体)、メルカプタンもしくはチオフェノールもしくはチオール酸等の硫黄化合物、チオカルボニル基、スルホキシド、スルホン、塩化スルホニル、第一級スルホンアミド、第二級スルホンアミド、硫酸エステル、炭素−ハロゲン結合、Si−A結合(Aは、H、C、O又はハロゲン)、P−A結合(Aは、H、C又はO)又はTi−O結合が挙げられる。
上記の炭素−ハロゲン結合を含む構造としては、例えば−CHCl、−CHBr、−CHI、−CF−、−CF、−CH=CF、−CF=CF、フッ化アリール又は塩化アリール等が挙げられる。
上記のSi−A結合を含む構造としては、例えば、SiH、SiH、SiH、Si−CH、Si−CH−、Si−C、SiO−脂肪族、Si−OCH、Si−OCHCH、Si−OC、Si−O−Si、Si−OH、SiF、SiF又はSiF等が挙げられる。Si−A結合を含む構造としては、特に、シロキサン骨格又はシルセスキオキサン骨格を形成していることが好ましい。
上記のP−A結合を含む構造としては、例えば、PH、PH、P−CH、P−CH−、P−C、A −P−O(Aは脂肪族基又は芳香族基)、(AO)−P−O(Aはアルキル基)、P−OCH、P−OCHCH、P−OC、P−O−P、P−OH又はO=P−OH等が挙げられる。
上記のTi−O結合を含む化合物としては、例えば、(i)テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン又はチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレート等のアルコキシチタン;(ii)ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン又はプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のキレートチタン;(iii)i−CO−[−Ti(O−i−C−O−]−i−C又はn−CO−[−Ti(O−n−C−O−]−n−C等のチタンポリマー;(iv)トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、チタニウムステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート又は(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン等のアシレートチタン;(v)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン等の水溶性チタン化合物等が挙げられる。
中でも、Ti−O結合を含む化合物としては、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(OC[OCN(COH))が好ましい。
上記の赤外線吸収性の構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している赤外線を吸収することができる。具体的には、上記の赤外線吸収性の構造が吸収可能な赤外線の波長は、例えば1〜20μmの範囲内であり、2〜15μmの範囲内をより好適に吸収することができる。
さらに、上記構造がSi−O結合、Si−C結合又はTi−O結合である場合には、9〜11μmの範囲内が好ましい。
尚、上記の各構造が吸収できる赤外線の波長は、当業者であれば容易に理解することができる。例えば、各構造における吸収帯として、非特許文献:SILVERSTEIN・BASSLER・MORRILL著「有機化合物のスペクトルによる同定法(第5版)−MS、IR、NMR、UVの併用−」(1992年発行)第146頁から第151頁の記載を参照することができる。
分離層の形成に用いられる、赤外線吸収性の構造を有する化合物としては、上述のような構造を有している化合物のうち、塗布のために溶媒に溶解することができ、固化して固層を形成することができるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、分離層における化合物を効果的に変質させ、支持基体と基板との分離を容易にするには、分離層における赤外線の吸収が大きいこと、すなわち、分離層に赤外線を照射したときの赤外線の透過率が低いことが好ましい。具体的には、分離層における赤外線の透過率が90%より低いことが好ましく、赤外線の透過率が80%より低いことがより好ましい。
・赤外線吸収物質
分離層は、赤外線吸収物質を含有していてもよい。この赤外線吸収物質は、光を吸収することによって変質するものであればよく、例えば、カーボンブラック、鉄粒子、又はアルミニウム粒子を好適に用いることができる。
赤外線吸収物質は、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層に用いた赤外線吸収物質が吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、赤外線吸収物質を好適に変質させ得る。
・反応性ポリシルセスキオキサン
分離層は、反応性ポリシルセスキオキサンを重合させることにより形成することができる。これにより形成される分離層は、高い耐薬品性と高い耐熱性とを備えている。
「反応性ポリシルセスキオキサン」とは、ポリシルセスキオキサン骨格の末端にシラノール基、又は、加水分解することによってシラノール基を形成することができる官能基を有するポリシルセスキオキサンをいう。当該シラノール基、又はシラノール基を形成することができる官能基を縮合することによって、互いに重合することができる。また、反応性ポリシルセスキオキサンは、シラノール基、又は、シラノール基を形成することができる官能基を有していれば、ランダム構造、籠型構造、ラダー構造等のシルセスキオキサン骨格を備えている反応性ポリシルセスキオキサンを採用することができる。
反応性ポリシルセスキオキサンのシロキサン含有量は、70〜99モル%であることが好ましく、80〜99モル%であることがより好ましい。
反応性ポリシルセスキオキサンのシロキサン含有量が、前記の好ましい範囲内であれば、赤外線(好ましくは遠赤外線、より好ましくは波長9〜11μmの光)を照射することによって好適に変質させることができる分離層を形成することができる。
反応性ポリシルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)は、500〜50000であることが好ましく、1000〜10000であることがより好ましい。
反応性ポリシルセスキオキサンの重量平均分子量(Mw)が、前記の好ましい範囲内であれば、溶剤に好適に溶解させることができ、サポートプレート上に好適に塗布することができる。
反応性ポリシルセスキオキサンとして用いることができる市販品としては、例えば、小西化学工業株式会社製のSR−13、SR−21、SR−23又はSR−33(商品名)等を挙げられる。
・フェノール骨格を有する樹脂成分
分離層は、フェノール骨格を有する樹脂成分を含有していてもよい。フェノール骨格を有することで、加熱等により容易に変質(酸化等)して光反応性が高まる。
ここでいう「フェノール骨格を有する」とは、ヒドロキシベンゼン構造を含んでいることを意味する。
フェノール骨格を有する樹脂成分は、膜形成能を有し、好ましくは分子量が1000以上である。当該樹脂成分の分子量が1000以上であることにより、膜形成能が向上する。当該樹脂成分の分子量は、1000〜30000がより好ましく、1500〜20000がさらに好ましく、2000〜15000が特に好ましい。当該樹脂成分の分子量が、前記の好ましい範囲の上限値以下であることにより、分離層形成用組成物の溶媒に対する溶解性が高められる。
尚、樹脂成分の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を用いるものとする。
フェノール骨格を有する樹脂成分としては、例えばノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ヒドロキシフェニルシルセスキオキサン樹脂、ヒドロキシベンジルシルセスキオキサン樹脂、フェノール骨格含有アクリル樹脂、後述の一般式(P2)で表される繰り返し単位を有する樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂がより好ましい。
<接着層>
接着層3は、支持基体1と基板4とを貼り合わせるための層であり、上述した実施形態の接着層形成用組成物を用いて形成することができる。
接着層3の厚さは、例えば0.1μm以上、50μm以下の範囲内であることが好ましく、1μm以上、10μm以下の範囲内であることがより好ましい。
接着層の厚さが0.1μm以上、50μm以下の範囲内であれば、支持基体1と基板4とをより良好に貼り合わせることができる。また、接着層の厚さが1μm以上であることにより、基板を支持基体上に充分に固定することができ、接着層の厚さが10μm以下であることにより、後の除去工程において接着層を容易に除去することができる。
本実施形態の接着層付き支持体は、後述の[接着層形成工程]の操作を同様にして行うことにより製造することができる。
上述した実施形態の接着層付き支持体は、上述した実施形態の接着層形成用組成物を適用した接着層が設けられているため、耐熱性が高められており、さらに好ましくはダイボンディング性及び洗浄除去性も高められている。
(接着フィルム)
本発明の第4の態様に係る接着フィルムは、フィルムと、前記フィルム上に、前記第1又は第2のの態様に係る接着剤組成物を用いて形成された接着層と、を備えたものである。
かかる接着フィルムを適用することによって、支持体上に好適に接着層を形成することができる。支持体上に直接、接着剤組成物を塗布して接着層を形成する場合と比較して、膜厚均一性及び表面平滑性の良好な接着層を容易に形成することができる。
フィルムとしては、例えば、フィルム上に形成された接着層を当該フィルムから剥離することが容易であり、好ましくは、接着層を支持体などの被処理面上に転写できる離型フィルムが挙げられる。
フィルムとして具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムが挙げられ、可撓性を有するフィルムがより好ましい。
上記フィルムには、必要に応じて、転写が容易となるように離型処理が施されていることが好ましい。
フィルムの厚さは、適宜設定すればよく、例えば15〜125μmである。
かかる接着フィルムは、フィルム上に接着剤層を形成することにより製造される。例えば、接着剤層の乾燥膜厚が10〜1000μmとなるように、フィルム上に接着剤組成物を塗布する方法が用いられる。その際、所望する接着層の膜厚や均一性に応じて適宜、公知の方法を用いることができる。
また、接着フィルムは、保護フィルムによって接着層の露出面を被覆することにより保護してもよい。保護フィルムは、接着層から剥離することができる限り限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムが好ましい。また、各保護フィルムは、接着層からの剥離を容易にするため、シリコーンをコーティングしてあるか、又は焼き付けしてあることが好ましい。
接着フィルムの使用方法は、例えば、保護フィルムを用いた場合には、これを剥離した上で、支持体面に、露出した接着層を重ねて、フィルム上(接着剤層の形成された面の裏面)から加熱ローラを移動させることにより、接着層を支持体の表面に熱圧着させる方法が挙げられる。
尚、接着フィルムから剥離した保護フィルムは、順次巻き取りローラなどのローラでロール状に巻き取れば、再利用することが可能である。
(積層体)
本発明の第5の態様に係る積層体は、支持体と基板とが接着層を介して貼り合わされたものである。
図1に示した通り、本実施形態の積層体10は、支持体12と基板4とが接着層3を介して貼り合わされたもの、すなわち、接着層付き支持体123と、接着層付き支持体123が備える接着層3の支持体12側とは反対側の面3sに配置された基板4と、を備えたものである。
支持体12は、支持基体1と分離層2とが積層したものであり、これについての説明は上記<支持体>における説明と同様である。
接着層3についての説明は、上記<接着層>における説明と同様である。
<基板>
基板4は、支持基体1に支持された状態で、薄化、実装等のプロセスに供される。基板4には、例えば集積回路や金属バンプ等の構造物が実装される。
基板4としては、典型的には、シリコンウェーハ基板が用いられるが、これに限定されず、セラミックス基板、薄いフィルム基板、フレキシブル基板等を用いてもよい。
本実施形態において、素子は、半導体素子又はその他素子であり、単層又は複数層の構造を有し得る。尚、素子が半導体素子である場合、封止基板をダイシングすることにより得られる電子部品は半導体装置となる。
上述した実施形態の積層体は、上述した実施形態の接着層形成用組成物を適用した接着層が設けられているため、より耐熱性が高められている。これにより、本実施形態の積層体においては、半導体パッケージ製造の際、高温処理の影響によって、例えば封止操作の前後で基板の位置ずれを生じにくい。
加えて、本実施形態の積層体では、形成される接着層に基板(ベアチップ)が充分な強度で固着される(ダイボンディング性が良好である)。
さらに、本実施形態の積層体においては、接着層の、炭化水素系の溶剤に対する溶解性が高い。これにより、半導体パッケージ製造の際、接着層を基板から容易に洗浄除去できる。
上述した実施形態の積層体においては、支持基体1と分離層2とが隣接しているが、これに限定されず、支持基体1と分離層2との間に他の層がさらに形成されていてもよい。この場合、他の層は、光を透過する材料から構成されていればよい。これによれば、分離層2への光の入射を妨げることなく、積層体10に好ましい性質等を付与する層を適宜追加できる。分離層2を構成している材料の種類によって、用い得る光の波長が異なる。よって、他の層を構成する材料は、全ての波長の光を透過させる必要はなく、分離層2を構成する材料を変質させ得る波長の光を透過する材料から適宜選択し得る。
(積層体の製造方法)
本発明の第6の態様は、支持体と基板とが接着層を介して貼り合わされた積層体の製造方法であって、接着層形成工程と、貼合工程と、を有する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る積層体の製造方法は、支持体を作製する工程と、接着層形成工程と、貼合工程と、を有する。
図2は、積層体の製造方法の一実施形態を説明する概略工程図である。
図2(a)は、支持体を作製する工程を説明する図であり、図2(b)は、接着層形成工程を説明する図であり、図2(c)は、貼合工程を説明する図である。
本実施形態の積層体の製造方法においては、分離層形成用組成物として、フルオロカーボンを含有するものが用いられている。また、接着層形成用組成物として、上述した実施形態に係る(P1)成分及び(P2)成分を含有するものが用いられている。
[支持体を作製する工程]
実施形態における支持体を作製する工程は、支持基体上の一方に、分離層形成用組成物を用いて分離層を形成して、支持体を得る工程である。
図2(a)では、支持基体1上に、分離層形成用組成物(フルオロカーボンを含有するもの)を用いることにより分離層2が形成されている(すなわち、分離層付き支持基体が作製されている)。
支持基体1上への分離層2の形成方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布、化学気相成長(CVD)等の方法が挙げられる。
例えば、支持体を作製する工程では、加熱環境下もしくは減圧環境下、支持基体1上に塗布された分離層形成用組成物の塗工層から溶剤成分を除去して成膜する、又は、支持基体1上に、蒸着法により成膜することで、支持体を得る。
[接着層形成工程]
実施形態における接着層形成工程は、支持体上の一方に、上述した実施形態の接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程である。
図2(b)では、支持体12の分離層2側の面に、上述した実施形態の接着層形成用組成物を用いて接着層3が形成されている(すなわち、接着層付き支持体123が作製されている)。
支持体12上への接着層3の形成方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法が挙げられる。そして、支持体12上に、接着剤組成物を塗布して加熱するか、又は、減圧環境下で接着剤組成物に含まれている溶剤成分を除去する。
その後、接着層が硬化性モノマー及び熱重合開始剤を含有する場合、加熱により、当該硬化性モノマーを重合させるとよい。接着層3を加熱する条件は、熱重合開始剤における1分間半減温度、及び1時間半減温度に基づいて適宜設定すればよく、例えば50〜300℃の範囲内の温度において、真空下、又は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、不活性ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。
また、接着層が硬化性モノマー及び光重合開始剤を含んでいる場合、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下にて露光することにより、硬化性モノマーを重合させるとよい。露光する条件は、光重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよい。
[貼合工程]
実施形態における貼合工程は、前記接着層形成工程で形成された前記接着層を介して、前記支持体と前記基板とを貼り合わせる工程である。前述のように、支持基体1上に分離層2が設けられる場合、この貼合は分離層2と接着層3とを互いに向い合せながら支持体12と基板4とを貼り合せる。
図2(c)では、分離層2が形成された支持基体1(支持体12)と、分離層2を形成していない基板4とが、接着層3を介して積層され、支持基体1、分離層2、接着層3、基板4の順に積み重なった積層体10が得られている。
接着層3を介して支持体12と基板4とを貼り合わせる方法は、接着層3上の所定位置に基板4を配置し、真空下で加熱(例えば100℃程度)しつつ、ダイボンダー等によって支持体12と基板4とを圧着することにより行う。
第1実施形態の積層体の製造方法によれば、上述した実施形態の接着層形成用組成物を適用して接着層が設けられるため、より耐熱性が高められ、例えば封止操作の前後で基板の位置ずれを生じにくい。加えて、形成される接着層に基板(ベアチップ)が充分な強度で固着される(ダイボンディング性が良好である)。
上述した本実施形態の積層体の製造方法においては、分離層2が支持基体1上に形成されていたが、これに限定されず、分離層2が基板4上に形成されていてもよい。
上述した本実施形態の積層体の製造方法においては、接着層3が分離層2上に形成されていたが、これに限定されず、接着層3が基板4上に形成されていてもよい。
また、分離層2は、支持基体1上及び基板4上の両方に形成されていてもよく、この場合、支持基体1と基板4とは、分離層2、接着層3及び分離層2を介して貼り合わされる。
<第2実施形態>
図3は、積層体の製造方法の他の実施形態を説明する概略工程図である。
図3(a)は、第1実施形態の製造方法により製造された積層体を示す図であり、図3(b)は、封止工程を説明する図である。
かかる他の実施形態の積層体の製造方法は、支持体を作製する工程、接着層形成工程及び貼合工程に加えて、さらに、封止工程を有する。
[封止工程]
実施形態における封止工程は、前記貼合工程の後、前記接着層を介して前記支持体に貼り合わされた前記基板を、封止材により封止して封止体を作製する工程である。
図3(b)では、接着層3上に配置された基板4の全体が、封止材により封止された封止体20(積層体)が得られている。
封止工程においては、例えば130〜170℃に加熱された封止材が、高粘度の状態を維持しつつ、基板4を覆うように、接着層3上に供給され、圧縮成形されることによって、接着層3上に封止材層5が設けられた封止体20(積層体)が作製される。
その際、温度条件は、例えば130〜170℃である。
基板4に加えられる圧力は、例えば50〜500N/cmである。
封止材には、例えば、エポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂を含有する組成物を用いることができる。封止材層5は、個々の基板4毎に設けられているものではなく、接着層3上の基板4全部を覆うように設けられていることが好ましい。
第2実施形態の積層体の製造方法によれば、上述した実施形態の接着層形成用組成物を適用して接着層が設けられるため、より耐熱性が高められ、例えば封止操作の前後で基板の位置ずれを生じにくい。
<第3実施形態>
図4は、積層体の製造方法の他の実施形態を説明する概略工程図である。
図4(a)は、第2実施形態の製造方法により製造された封止体を示す図であり、図4(b)は、研削工程を説明する図であり、図4(c)は、再配線形成工程を説明する図である。
かかる他の実施形態の積層体の製造方法は、支持体を作製する工程、接着層形成工程、貼合工程及び封止工程に加えて、さらに、研削工程と再配線形成工程とを有する。
[研削工程]
実施形態における研削工程は、前記封止工程の後、封止体20における封止材部分(封止材層5)を、基板4の一部が露出するように研削する工程である。
封止材部分の研削は、例えば図4(b)に示すように、封止材層5を、基板4とほぼ同等の厚さになるまで削ることにより行う。
[再配線形成工程]
実施形態における再配線形成工程は、前記研削工程の後、前記の露出した基板4上に再配線層6を形成する工程である。
再配線層は、RDL(Redistribution Layer:再配線層)とも呼ばれ、素子に接続する配線を構成する薄膜の配線体であり、単層又は複数層の構造を有し得る。例えば、再配線層は、誘電体(酸化シリコン(SiO)、感光性エポキシ等の感光性樹脂など)に、導電体(アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、金、銀等の金属及び銀−錫合金等の合金)によって配線が形成されたものであり得るが、これに限定されない。
再配線層6を形成する方法としては、まず、封止材層5上に、酸化シリコン(SiO)、感光性樹脂等の誘電体層を形成する。酸化シリコンからなる誘電体層は、例えばスパッタ法、真空蒸着法等により形成することができる。感光性樹脂からなる誘電体層は、例えばスピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法により、封止材層5上に、感光性樹脂を塗布することで形成することができる。
続いて、誘電体層に、金属等の導電体によって配線を形成する。
配線を形成する方法としては、例えば、フォトリソグラフィー(レジストリソグラフィー)等のリソグラフィー処理、エッチング処理等の公知の半導体プロセス手法を用いることができる。このような、リソグラフィー処理としては、例えば、ポジ型レジスト材料を用いたリソグラフィー処理、ネガ型レジスト材料を用いたリソグラフィー処理が挙げられる。
このように、フォトリソグラフィー処理及びエッチング処理等を行う際、封止体20(積層体)は、フッ化水素酸等の酸、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ、又はレジスト材料を溶解するためのレジスト溶剤に曝されるとともに、高温で処理される。
しかしながら、上述した実施形態の接着層形成用組成物を用いて接着層を形成することにより、接着層は高い耐熱性を備えている。このため、封止材層5上に、再配線層6を好適に形成することができる。
第3実施形態の積層体の製造方法によれば、支持基体1と、分離層2と、接着層3と、基板4を覆う封止材層5と、再配線層6と、がこの順に積層されてなる積層体30を安定に製造することができる。
かかる積層体30は、基板4に設けられた端子がチップエリア外に広がる再配線層6に実装される、ファンアウト型技術に基づく過程において作製される積層体である。
本実施形態の積層体の製造方法においては、さらに、再配線層6上にバンプの形成、又は素子の実装を行うことができる。再配線層6上への素子の実装は、例えば、チップマウンター等を用いて行うことができる。
(電子部品の製造方法)
本発明の第6の態様に係る電子部品の製造方法は、前記第5の態様に係る積層体の製造方法により積層体を得た後、分離工程と、除去工程と、を有する。
図5は、半導体パッケージ(電子部品)の製造方法の一実施形態を説明する概略工程図である。図5(a)は、第3実施形態の製造方法により製造された積層体を示す図であり、図5(b)は、分離工程を説明する図であり、図5(c)は、除去工程を説明する図である。
[分離工程]
実施形態における分離工程は、支持基体1を介して分離層2に光(矢印)を照射して、分離層2を変質させることにより、積層体30が備える基板4から支持基体1を分離する工程である。
図5(a)に示すように、分離工程では、支持基体1を介して、分離層2に光(矢印)を照射することで、分離層2を変質させる。
分離層2を変質させ得る波長としては、例えば600nm以下の範囲が挙げられる。
照射する光の種類及び波長は、支持基体1の透過性、及び分離層2の材質に応じて適宜選択すればよく、例えば、YAGレーザ、ルビーレーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、LDレーザ、ファイバーレーザ等の固体レーザ、色素レーザ等の液体レーザ、COレーザ、エキシマレーザ、Arレーザ、He−Neレーザ等の気体レーザ、半導体レーザ、自由電子レーザ等のレーザ光、非レーザ光を用いることができる。これにより、分離層2を変質させて、支持基体1と基板4とを容易に分離可能な状態とすることができる。
レーザ光を照射する場合、レーザ光照射条件の一例として、以下の条件を挙げることができる。
レーザ光の平均出力値は、1.0W以上、5.0W以下が好ましく、3.0W以上、4.0W以下がより好ましい。レーザ光の繰り返し周波数は、20kHz以上、60kHz以下が好ましく、30kHz以上、50kHz以下がより好ましい。レーザ光の走査速度は、100mm/s以上、10000mm/s以下が好ましい。
分離層2に光(矢印)を照射して分離層2を変質させた後、図5(b)に示すように、基板4から支持基体1を分離する。
例えば、支持基体1と基板4とが互いに離れる方向に力を加えることにより、支持基体1と基板4とを分離する。具体的には、支持基体1又は基板4側(再配線層6)の一方をステージに固定した状態で、他方をベローズパッド等の吸着パッドを備えた分離プレートにより吸着保持しつつ持ち上げることにより、支持基体1と基板4とを分離することができる。
積層体30に加える力は、積層体30の大きさ等により適宜調整すればよく、限定されるものではないが、例えば、直径が300mm程度の積層体であれば、0.1〜5kgf(0.98〜49N)程度の力を加えることによって、支持基体1と基板4とを好適に分離することができる。
[除去工程]
実施形態における除去工程は、前記分離工程の後、基板4に付着する接着層3を除去する工程である。
図5(b)では、分離工程の後、基板4に接着層3及び分離層2が付着している。本実施形態では、除去工程において、基板4に付着する接着層3及び分離層2を除去することにより、電子部品40が得られている。
基板4に付着する接着層3等を除去する方法としては、例えば、洗浄液を用いて接着層3及び分離層2の残渣を除去する方法が挙げられる。
洗浄液には、有機溶剤を含有する洗浄液が好適に用いられる。この洗浄液における有機溶剤としては、分離層形成用組成物に配合の有機溶剤、接着層形成用組成物に配合の溶剤成分を用いることが好ましい。
上述した実施形態の接着層形成用組成物を用いて形成される接着層は、炭化水素系の溶剤に対する溶解性が高められている。このため、実施形態において、接着層の洗浄除去性は良好である。
本実施形態の電子部品の製造方法は、上記の除去工程の後、さらに、電子部品40に対してソルダーボール形成、ダイシング、又は酸化膜形成等の処理を行ってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<接着剤組成物の調製>
(実施例1〜10、比較例1〜6)
表1〜3に示す各成分を混合して溶解し、各例の接着剤組成物(樹脂成分濃度20質量%)をそれぞれ調製した。
Figure 0006971139
Figure 0006971139
Figure 0006971139
表1〜3中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
尚、以下に示す樹脂成分についてのガラス転移温度(℃)は、動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(UBM株式会社製)を用い、周波数1Hzの条件にて、5℃/分の昇温速度で、25℃から300℃まで温度を上昇させることにより測定した粘弾性の変化に基づき求めた。
(P1)−1:Septon8004(商品名)、株式会社クラレ製。スチレン含有量31質量%、重量平均分子量98000;下記化学式(P1)−1で表される複数の構成単位を有する炭化水素樹脂。
Figure 0006971139
(P1)−2:タフテックH1051(商品名)、旭化成株式会社製。スチレン含有量42質量%、エチレン・ブチレン含有量58質量%、重量平均分子量78000;水添スチレン系熱可塑性エラストマー。
(P1)−3:Septon2002(商品名)、株式会社クラレ製。スチレン含有量30質量%、重量平均分子量54000;下記化学式(P1)−3で表される複数の構成単位を有する炭化水素樹脂。
Figure 0006971139
(P1)−4:APL8008T(商品名)、三井化学株式会社製。ガラス転移温度70℃、重量平均分子量100000;下記化学式(P1)−4で表される炭化水素樹脂(m:n=80:20(モル比))。
Figure 0006971139
(P1)−5:TOPAS8007(商品名)、ポリプラスチック株式会社製。ガラス転移温度65℃、重量平均分子量95000;下記化学式(P1)−5で表される炭化水素樹脂(m:n=35:65(モル比))。
Figure 0006971139
(P2)−1:PRZ−10014(商品名)、住友ベークライト株式会社製。ガラス転移温度224℃、重量平均分子量8700;下記化学式(P2)−1で表される樹脂(m:n=65:35(モル比))。
Figure 0006971139
(P3)−1:ガラス転移温度84℃、重量平均分子量9800;アダマンチルメタクリレート(AdMA)単位/ステアリルメタクリレート(STMA)単位/スチレン(Sty)単位=60/20/20(質量比)の共重合体。
A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、新中村化学株式会社製;下記化学式で表される、多官能型の硬化性モノマー。
Figure 0006971139
(Ib)−1:重合禁止剤、IRGANOX1010(商品名)、BASF社製。ペンタエリスリルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];下記化学式で表される化合物。
Figure 0006971139
(Ia)−1:熱重合開始剤、パークミルD(商品名)、日油株式会社製。ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)ペルオキシド;下記化学式で表される化合物。
Figure 0006971139
<接着層形成工程>
ガラス支持基体(サイズ10cm×10cm、厚さ700μm)上に、流量400sccm、圧力700mTorr、高周波電力2500W及び成膜温度240℃の条件下、反応ガスとしてCを使用したCVD法により、分離層であるフルオロカーボン膜(厚さ1μm)を形成して支持体を作製した。
次いで、各例の接着剤組成物をそれぞれ、ガラス支持基体に形成された分離層上に、スピンコート法により1500rpmで回転させながら塗布した。
次いで、各例の接着剤組成物を塗布した支持体をそれぞれ、160℃で4分間、予備加熱することにより、厚さ5μmの接着層を形成した。
<評価>
上記<接着層形成工程>で形成された接着層に対し、以下に示すコンプレッションモールド試験を行い、耐熱性を評価した。加えて、熱時における複素弾性率の測定、ダイボンディング試験、洗浄除去性の評価をそれぞれ行った。これらの結果を表4、5及び6に示した。
[コンプレッションモールド試験]
上記<接着層形成工程>で形成された接着層の所定位置に、基板(ベアチップ)を配置し、前記支持体と前記基板とを貼り合わせた(貼合工程)。
その後、前記接着層を介して前記支持体に貼り合わされた前記基板を、封止材により封止して封止体を作製した(封止工程)。この作製された封止体において、封止前と封止後とのベアチップの位置ずれ(変位量)を測定し、耐熱性を評価した。
具体的には以下のようにして行った。
ベアチップの位置ずれ(変位量)を、ダイボンダー(TRESKY社製)を用いて測定した。
まず、ダイボンダーのステージを50℃及びヘッドを100℃に加熱し、35Nの圧力にて1秒間、接着層上に基板(ベアチップ)(5mm×5mm×0.7mm)を圧着した。
図6は、支持体12と基板4(ベアチップ)とが接着層3を介して貼り合わされた積層体10を示している。図6において、積層体10は平面視で略矩形であり、その矩形における対角線上の4つの頂点付近及び重心付近に位置する、接着層3上の四隅端部及び中央部にそれぞれ基板4(ベアチップ)が配置されている。尚、平面視の積層体10に対し、横方向をX方向、縦方向をY方向とする。
次に、積層体10を、200℃で1時間、窒素雰囲気下にて加熱した。加熱後、積層体10を、50℃に加熱したステージ上に載置した。
次いで、ステージ上に載置した積層体10における中央部の基板4(ベアチップ)上に、エポキシ樹脂を含有する12gの封止材を塗布した。
次いで、10Paよりも低圧の減圧条件下、貼付装置を用い、130℃に加熱した押圧用プレート(300mmφ)にて積層体10を押圧して、10トンの力を積層体10に加えつつ、四隅端部及び中央部の基板4(ベアチップ)全体を覆うように封止材を押し広げて、5分間圧縮した(封止工程)。これにより、ベアチップが封止材によって封止された封止体を得た。
得られた封止体について、光学顕微鏡を用い、支持体1(ガラス支持基体面)側から観察し、封止前と封止後とのベアチップの位置ずれ(変位量)を測定した。
図6に示すように、封止後、接着層3上に配置された各基板4(ベアチップ)の、封止前の位置から移動した、X方向の移動距離とY方向の移動距離との和を求め、各基板4(ベアチップ)の移動距離とした。続いて、基板4(ベアチップ)の移動距離の平均値を求め、これを移動距離の評価値とした。そして、以下に示す評価基準に従い、耐熱性を評価した。
この移動距離の評価値が低いほど、耐熱性が高いことを意味する。
評価基準
○:基板4(ベアチップ)の移動距離の評価値が10μm以下である場合
×:基板4(ベアチップ)の移動距離の評価値が10μm超である場合
[複素弾性率の測定]
各例の接着剤組成物について、動的粘弾性測定装置(Rheogel−E4000、ユービーエム株式会社製)を用い、50℃、及び、150℃における複素弾性率E*をそれぞれ測定した。
まず、接着剤組成物を、離型剤付のPETフィルム上に塗布し、大気圧下のオーブンで50℃、150℃で各60分間、加熱して接着剤層を形成した(厚さ0.5mm)。
次いで、PETフィルムから剥がした接着剤層の複素弾性率E*を、前記の動的粘弾性測定装置を用いて測定した。
測定条件を、サンプル形状が20mm×5mm×厚さ0.5mm、周波数1Hzの引張条件において、室温から215℃まで、速度5℃/分で昇温する条件とし、50℃、150℃における複素弾性率を測定した。
50℃における複素弾性率E*50が1.0×10Pa未満であれば、支持体への基板の接着性は良好である、と言える。
150℃における複素弾性率E*150が3.0×10Pa超であれば、接着層の耐熱性が高い、と言える。
なお、表4〜6には、複素弾性率E*50と複素弾性率E*150の測定結果とともに、E*50/E*150の比を掲載した。
[ダイボンディング試験]
上記<接着層形成工程>で形成された接着層の所定位置に、基板(ベアチップ)を配置し、前記支持体と前記基板とを貼り合わせた(貼合工程)。
具体的には、ダイボンダー(TRESKY社製)のステージを23℃及びヘッドを100℃に加熱し、35Nの圧力にて1秒間、接着層上に基板(ベアチップ)(5mm×5mm×0.7mm)を圧着した。
そして、接着層に対する基板(ベアチップ)の接着状態を、以下に示す評価基準に従い、評価した。
評価基準
○:接着層に基板(ベアチップ)が充分な強度で固着していた。
×:力を加えると、接着層から基板(ベアチップ)が容易に剥がれた。
[洗浄除去性の評価]
上記封止工程で得られた封止体に対し、ガラス支持基体側から分離層(フルオロカーボン膜)に向かって、波長532nmのレーザ光を照射した。これにより、当該分離層を変質させて、前記封止体が備える前記基板(ベアチップ)から前記ガラス支持基体を分離し、接着層が露出した封止基板を得た(分離工程)。
次いで、得られた封止基板に対し、洗浄液としてp−メンタンを用いてスプレー洗浄を5分間行い、基板(ベアチップ)に付着する接着層を除去した(除去工程)。
そして、以下に示す評価基準に従い、洗浄除去性を評価した。
評価基準
○:スプレー洗浄後、封止基板に接着層の残渣が全く見られなかった場合
×:スプレー洗浄後、封止基板に接着層の残渣が見られた場合
Figure 0006971139
Figure 0006971139
Figure 0006971139
表4〜6に示す結果から、実施例1〜10の接着剤組成物は、比較例1〜6の接着剤組成物に比べて、コンプレッションモールド試験の結果が良好であること、すなわち、より耐熱性が高められたものであること、が確認できる。
1 支持基体、
2 分離層、
3 接着層、
4 基板、
5 封止材層、
6 再配線層、
10 積層体、
12 支持体、
20 封止体、
30 積層体、
40 電子部品、
123 接着層付き支持体。

Claims (20)

  1. 支持体と基板とを貼り合わせるための接着剤組成物であって、
    炭化水素樹脂(P1)と、
    ガラス転移温度が180℃以上の樹脂(P2)(但し、前記炭化水素樹脂(P1)を除く)と、
    を樹脂成分(P)として含有し、
    前記樹脂(P2)は、下記一般式(p2−1)で表される構成単位と、下記一般式(p2−2)で表される構成単位とからなる共重合体であり、
    前記樹脂(P2)の含有量は、前記炭化水素樹脂(P1)100質量部に対して10〜75質量部である、接着剤組成物。
    Figure 0006971139
    [式中、R u10 は、炭素数1〜30の有機基を表す。]
    Figure 0006971139
    [式中、R u11 〜R u14 は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の有機基又は水素原子を表す。nは、0〜2の整数である。]
  2. 請求項1に記載の接着剤組成物であって、
    記接着剤組成物から20mm×5mm×厚さ0.5mmの試験片を作製し、周波数1Hzの引張条件で、室温から215℃まで、速度5℃/分で昇温する条件にて前記試験片を動的粘弾性測定に付したときに、
    50℃における複素弾性率E*50が、1.0×10Pa未満、
    150℃における複素弾性率E*150が、3.0×10Pa超、
    の双方の要件を満たす、接着剤組成物。
  3. さらに、E*50/E*150の比が2000以下との要件を満たす、請求項に記載の接着剤組成物。
  4. 前記炭化水素樹脂(P1)は、エラストマー及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  5. さらに、多官能型の硬化性モノマーを含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  6. 前記多官能型の硬化性モノマーは、多環式脂肪族構造を含む、請求項に記載の接着剤組成物。
  7. 前記多官能型の硬化性モノマーの含有量は、前記樹脂成分(P)の総量100質量%に対して5〜40質量%である、請求項又はに記載の接着剤組成物。
  8. さらに、重合禁止剤を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  9. さらに、熱重合開始剤を含有する、請求項のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  10. さらに、炭化水素溶剤を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  11. 基板が貼り合わされる支持体と、
    前記支持体上に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて形成された接着層と、
    を備えた、接着層付き支持体。
  12. 前記支持体は、光を透過する支持基体と、前記支持基体上に設けられた分離層と、を備え、
    前記分離層は、前記接着層に隣接し、光の照射により変質して、前記支持体に貼り合わされる基板から前記支持基体を分離可能とする層である、請求項11に記載の接着層付き支持体。
  13. フィルムと、
    前記フィルム上に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて形成された接着層と、
    を備えた、接着フィルム。
  14. 支持体と基板とが接着層を介して貼り合わされた積層体であって、
    前記接着層は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて形成された層である、積層体。
  15. 請求項11又は12に記載の接着層付き支持体と、
    前記接着層付き支持体が備える接着層の前記支持体側とは反対側の面に配置された基板と、
    を備えた、積層体。
  16. 支持体と基板とが接着層を介して貼り合わされた積層体の製造方法であって、
    前記支持体上又は前記基板上の少なくとも一方に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて前記接着層を形成する接着層形成工程と、
    前記接着層形成工程で形成された前記接着層を介して、前記支持体と前記基板とを貼り合わせる貼合工程と、
    を有する、積層体の製造方法。
  17. 前記貼合工程の後、前記接着層を介して前記支持体に貼り合わされた前記基板を、封止材により封止して封止体を作製する封止工程をさらに有する、請求項16に記載の積層体の製造方法。
  18. 前記封止工程の後、前記封止体における封止材部分を、前記基板の一部が露出するように研削する研削工程と、
    前記研削工程の後、前記の露出した基板上に再配線を形成する再配線形成工程と、
    をさらに有する、請求項17に記載の積層体の製造方法。
  19. 光を透過する支持基体の少なくとも一面に、光の照射により変質する分離層を形成して、前記支持体を作製する工程をさらに有し、前記貼合工程において、前記分離層と前記接着層とを互いに向い合せながら、前記支持体と前記基板とを貼り合せる、請求項1618のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  20. 請求項19に記載の積層体の製造方法により積層体を得た後、
    前記支持基体を介して前記分離層に光を照射して、前記分離層を変質させることにより、前記積層体が備える前記基板から前記支持基体を分離する分離工程と、
    前記分離工程の後、前記基板に付着する前記接着層を除去する除去工程と、
    を有する、電子部品の製造方法。
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