JP6970639B2 - 発光装置 - Google Patents

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本発明は、発光装置に関する。
波長変換材料と波長変換材料の極近傍に配置されるナノアンテナとを有する照明装置において、ナノアンテナにおける局在表面プラズモン共鳴により生じる表面格子共鳴を支援するナノアンテナ配置技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載される照明装置は、ナノアンテナにおける局在表面プラズモン共鳴で生じる表面格子共鳴により、波長変換材料の変換効率を向上させて、波長変換材料を含有する波長変換層の厚さを薄くすることができる。
また、特許文献2には、周期ピッチが異なる第1ナノ構造の組及び第2ナノ構造の組を含む反復領域に配置されたナノ構造を、発光素子から放射される光を透過する可撓性基板に配置する光抽出フィルムが記載されている。特許文献2に記載される光抽出フィルムは、ナノ構造を周期ピッチが異なる反復領域にそれぞれ配置することで、ナノ構造を規則的に配置することにより出射光の輝度及び色の角度が非均一性になることを防止できる。
特許第6063394号公報 特表2014―529169号公報
特許文献1に記載される技術では、一次光のナノアンテナへの入射による局在表面プラズモン励起によって発生する局在電場を、一次光が回折した回折光による表面格子共鳴によって増強させることで、局在電場に配置される波長変換材料の変換効率は向上する。しかしながら、波長変換材料を有する発光装置は、発熱量の低下及び高光度化が更に望まれており、蛍光体等の波長変換材料の変換効率を更に向上させることが好ましい。
そこで、一実施形態では、波長変換材料を有する発光装置において、波長変換材料の変換効率の更なる向上が可能な発光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、実施形態に係る発光装置は、一次光を放射する発光素子と、発光素子の上部に配置された基材と、一次光の入射による局在表面プラズモン共鳴によって電場を発生させ、且つ、一次光が回折した回折光による表面格子共鳴によって電場を増強するように基材上に配置された複数のナノアンテナと、少なくとも一部が電場に配置され、一次光を波長変換して一次光と波長が異なる二次光を出射する波長変換材料と、を有し、複数のナノアンテナのそれぞれは、該ナノアンテナと隣接する他のナノアンテナとの中間に入射する一次光の入射角αに応じて、当該ナノアンテナと当該他のナノアンテナとの間の配置間隔が単調増加又は単調減少するように配置されており、ここで、入射角αは、発光素子の中心点とナノアンテナと他のナノアンテナとの中間点とを結んだ線分と、中間点から鉛直方向の真下に下した線分とが成す角をいう。
さらに、実施形態に係る発光装置は、ナノアンテナは、六方格子状の配置から、入射角αに応じて変位された位置に配置されることが好ましい。
さらに、実施形態に係る発光装置は、ナノアンテナは、正方格子状の配置から、入射角αに応じて変位された位置に配置されることが好ましい。
一実施形態では、波長変換材料を有する発光装置において、波長変換材料の変換効率を向上させることができる。
(a)は回折格子の通常の光路を示す図であり、(b)はナノアンテナにより表面格子共鳴を生じるときの光路を示す図である。 第1実施形態に係る発光装置の斜視図である。 図2に示す発光装置のA−A´線に沿う断面図である。 図2に示す発光装置において、ナノアンテナが配置された基材の平面図である。 ナノアンテナを配置する配置方法における第1処理を示す図である。 ナノアンテナを配置する配置方法における第2処理を示す図である。 ナノアンテナを配置する配置方法における第3処理を示す図である。 図2に示す発光装置の製造工程を示す図であり、(a)は第1工程を示し、(b)は第2工程を示し、(c)は第3工程を示し、(d)は第4工程を示し、(e)は第5工程を示す。 第2実施形態に係る発光装置の斜視図である。 図9に示す発光装置のA−A´線に沿う断面図である。 図10に示す発光装置において、ナノアンテナが配置された基材の平面図である。 (a)は正方格子状に配置されたナノアンテナを示す図であり、(b)は(a)に示す正方格子状の配置からナノアンテナが式(7)に基づいて変位された変形例を示す図であり、(c)は(a)に示す正方格子状の配置からナノアンテナが式(8)に基づいて変位された変形例を示す図である。 入射角にかかわらずナノアンテナの配置間隔を一定にした従来のナノアンテナ配置と実施形態に係るナノアンテナ配置との比較に使用された計算モデルを示す図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態に係る発光装置について説明する。ただし、実施形態は図面又は以下に記載される実施形態には限定されないことを理解されたい。
(実施形態に係る発光装置の概要)
図1(a)は回折格子の通常の光路を示す図であり、図1(b)はナノアンテナにより表面格子共鳴を生じるときの光路を示す図である。図1(a)及び1(b)において、隣接するナノアンテナ101との間の配置間隔はdで示され、回折格子100に入射する入射光の波長はλで示される。また、入射光が回折格子100に入射するときの入射角はαで示され、回折格子100を出射する出射光の出射角はβで示される。回折格子100は、平面102に配置された複数の金属製のナノアンテナ101を有する。ナノアンテナ101の大きさ及び形状は、入射光の波長に応じて、入射光との共鳴現象である局在表面プラズモン共鳴(Localized Surface Plasmon Resonance、LSPR)を生じるように決定される。
一例ではLEDである発光素子110から入射光がナノアンテナ101に入射すると、ナノアンテナ101の周囲に配置される蛍光体等の誘電体との界面に分極電荷が生じる。ナノアンテナ101の伝導電子は、分極電荷を打ち消すために、ナノアンテナ101と誘電体との界面に生じた分極電荷に向かって移動して、ナノアンテナ101の表面に分極が生じる。ナノアンテナ101は、伝導電子の移動により分極が生じることで、表面に局所電場が生じて、入射光と共鳴する。ナノアンテナ101と入射光の共鳴は、ナノアンテナの表面電流波、すなわち表面分極波である表面プラズモンを励起するため、局在表面プラズモン共鳴とも称される。
局在表面プラズモン共鳴が発生することにより、ナノアンテナ101に接する誘電体表面の近傍に強い局所電場が発生する。ナノアンテナ101に接する誘電体表面に局所電場が発生することで、局所的な電場の閉じ込め現象が生じ、共振器が形成される。形成される共振器の内部における蛍光体の発光速度γcabは、共振器のQ値がQであり、入射光の波長がλであり、共振器の体積がVであり、共振器中の屈折率がnであり、蛍光体の自然発光速度がγfreeであるとき、パーセル効果により以下の式(1)で示される。
Figure 0006970639
(1)
式(1)は、局在表面プラズモン共鳴による局所電場により、ナノアンテナ101に接する誘電体表面の近傍に形成される共振器体積が小さくなると、蛍光体の発光速度γcabが速くなることを示す。
ナノアンテナ101に接する誘電体表面の近傍の電場は、回折光を発生させるような配置間隔でナノアンテナ101を平面的に配置することで、更に増強される。すなわち、ナノアンテナ101の配置により発生する回折光がナノアンテナ101に励起される局在表面プラズモンを更に励起することで、局在表面プラズモン共鳴によって発生された電場は更に増強される。回折光によりナノアンテナ101に励起される局在表面プラズモンが増強される現象は表面格子共鳴とも称される。局在表面プラズモン共鳴と表面格子共鳴の二つの共鳴により、ナノアンテナ101の近傍に発生する局所電場は更に強く閉じ込められ、局所電場中に配置される蛍光体は、共振器の体積Vが小さくなることで発光速度γcabが速くなり、蛍光体の変換効率が向上する。
特許文献1に記載される技術では、ナノアンテナの配置間隔を蛍光材に入射する一次光の波長及び蛍光材から出射する二次光の何れかを回折する所定の配置間隔にすることで、表面格子共鳴は発生する、としている。しかしながら、表面格子共鳴を発生するために好適なナノアンテナの配置間隔は、回折格子100に入射する入射光の入射角αに応じて変化する。回折格子100に入射する入射光の入射角αは、回折格子100を形成するナノアンテナ101と発光素子110との位置関係により変化する。
実施形態に係る発光装置は、一次光の入射角αに応じて、ナノアンテナ101の配置間隔が単調増加又は単調減少するように配置することで、特許文献1に記載される技術よりも表面格子共鳴に適した回折光を多く発生させることができる。実施形態に係る発光装置は、特許文献1に記載される技術よりも表面格子共鳴に適した回折光を多く発生させることができるので、ナノアンテナ101の近傍に発生する電場は、特許文献1に記載される技術よりも更に増強される。実施形態に係る発光装置は、ナノアンテナ101の近傍に発生する電場が更に増強されることで、発光速度γcabが速くなり、蛍光体の変換効率が更に向上する。
回折格子100において、配置間隔d、波長λ、入射角α及び出射角βは、以下の式(2)に示す関係を満たす。
Figure 0006970639
(2)
ここで、mは、回折次数である。また、図1(a)及び1(b)に示すように、dは隣接するナノアンテナ101のそれぞれの中心の間の長さであり、入射角αは、発光素子110の中心点Oとナノアンテナと隣接する他のナノアンテナとの中間点Mとを結んだ線分L1と、中間点Mから鉛直方向の真下に下した線分L2とが成す角度である。
局在表面プラズモン共鳴により表面格子共鳴を生じるとき、回折格子100を出射する出射光は、ナノアンテナ101が配置される平面102の延伸方向に平行な方向に出射されるため、出射角βは、±90°の何れか一方になる。
出射角βが+90°であるとき、配置間隔d、波長λ、入射角α及び回折次数mは、以下の式(3)に示す関係を満たす。
Figure 0006970639
(3)
すなわち、出射角βが+90°であるときのナノアンテナ101の配置間隔dは、以下の式(4)で示される。なお、式(4)において、表面プラズモンを効率的に励起させるためには回折次数mは低次数であることが好ましく、回折次数mは−1とすることが好ましい。
Figure 0006970639
(4)
実施形態に係る発光装置の一態様において、ナノアンテナ101は、隣接するナノアンテナ101の間の配置間隔dが入射光の入射角αの増加に応じて単調増加するように配置される。具体的には、隣接するナノアンテナ101の間の配置間隔dは、式(4)に従って入射角αの増加に応じて単調増加するように配置される。
例えば、入射光の波長λが400nmであり、回折次数mが−1であるときの隣接するナノアンテナ101の間の配置間隔dは、表1に示すように、入射角αの増加に応じて単調増加する。
Figure 0006970639
一方、出射角βが−90°であるとき、配置間隔d、波長λ、入射角α及び回折次数mは、以下の式(5)に示す関係を満たす。
Figure 0006970639
(5)
すなわち、出射角βが−90°であるときのナノアンテナ101の配置間隔dは、以下の式(6)で示される。なお、式(6)において、表面プラズモンを効率的に励起させるためには、回折次数mは+1とすることが好ましい。
Figure 0006970639
(6)
実施形態に係る発光装置の他の態様において、ナノアンテナ101は、隣接するナノアンテナ101の間の配置間隔dが入射光の入射角αの増加に応じて単調減少するように配置される。具体的には、隣接するナノアンテナ101の間の配置間隔dは、式(6)に従って入射角αの増加に応じて単調減少するように配置される。
例えば、入射光の波長λが400nmであり、回折次数mが+1であるときの隣接するナノアンテナ101の間の配置間隔dは、表2に示すように、入射角αの増加に応じて単調減少する。
Figure 0006970639
(第1実施形態に係る発光装置の構造及び機能)
図2は第1実施形態に係る発光装置の斜視図であり、図3は図2に示す発光装置のA−A´線に沿う断面図である。
発光装置1は、実装基板10と、回路基板11と、LED12と、反射部材13と、基材14と、波長変換層15と、ナノアンテナ16とを有する。
実装基板10は、一例として略正方形の形状を有し、その上面の中央にLED12が実装される実装領域を有する金属基板である。実装基板10は、LED12から発生した熱を放熱させる放熱基板としても機能するため、例えば、耐熱性及び放熱性に優れたアルミニウムで構成される。ただし、実装基板10の材質は、耐熱性と放熱性に優れたものであれば、例えば銅等の別の金属でもよい。
回路基板11は、一例として、実装基板10と同じ大きさの略正方形の形状を有し、その中心部に略矩形の開口部を有する。回路基板11は、その下面が例えば接着シートにより実装基板10の上に貼り付けられて固定される。回路基板11の上面には、不図示の配線パターンが形成されている。また、回路基板11の上面で対角に位置する2つの角部には、発光装置1を外部電源に接続するための接続電極が形成されている。発光装置1は、接続電極が不図示の外部電源に接続されて電圧が印加されることによって、発光する。また、回路基板11の上面には、開口部の外周部分及び接続電極を除いて配線パターンを覆う白色レジストが形成されている。
LED12は、発光素子の一例であり、例えば発光波長帯域が450nm程度の青色光を発光する略正方形の青色LEDである。LED12の下面は、例えば透明な絶縁性の接着剤等により、実装基板10の実装領域の上面に固定される。また、LED12は上面に一対の素子電極を有し、LED12の素子電極は、ワイヤ17により回路基板11に形成される配線パターンに電気的に接続される。LED12から放射される光は、一次光とも称される。LED12は、表面に光を放射する放射面を有する。
反射部材13は、白色の部材であり、例えばシリコーン樹脂に酸化チタンやアルミナ等の反射性微粒子を混練し熱硬化させた部材であり、LED12から出射した光を上方に配置される基材14に向けて反射する。反射部材13の底面は回路基板11と接し、反射部材13の上面は基材14の裏面の外縁と接する。
基材14は、石英ガラス等の可視光を透過する部材で形成され、実装基板10と同じ大きさの略正方形の形状を有する。基材14は、下面の外縁が例えば接着シートにより反射部材13の上面に貼り付けられて固定される。
波長変換層15は、例えばエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂等の無色かつ透明な樹脂で形成され、LED12から入射される一次光を吸収してその波長を変換して一次光と波長が異なる二次光を出射する蛍光体150を含有する。例えば、LED12が青色LEDである場合には、波長変換層15は、例えば、量子ドット蛍光体、蛍光染料を含有してもよく、(BaSr)SiO:Eu2+等の緑色蛍光体を含有してもよく、CaAlSiN:Eu2+等の赤色蛍光体を含有してもよい。波長変換層15が緑色蛍光体を含有することで、発光装置1は、LED12から出射される青色光が緑色蛍光体を励起させることで放射される緑色光を出射する。また、波長変換層15が赤色蛍光体を含有することで、発光装置1は、LED12から出射される青色光が赤色蛍光体を励起させることで放射される赤色光を出射する。蛍光体150は、波長変換材料の一例であり、ナノアンテナ16と近接配置される。
ナノアンテナ16は、例えば金、銀、銅、プラチナ及びパラジウム等の貴金属で形成され、略円柱状の形状を有し、一次光の入射に応じて表面プラズモン共鳴を発生すると共に、一次光を回折して表面格子共鳴を発生する部材である。第1金属材161及び第2金属材162が表面プラズモン共鳴及び表面格子共鳴を発生する領域には、蛍光体150の少なくとも一部が配置される。また、ナノアンテナ16は、ニッケル及びアルミニウム等の金属で形成されてもよく、クロム等の接着部材と、貴金属、ニッケル及びアルミニウム等の金属で形成されるアンテナ部材とを重畳して形成してもよい。ナノアンテナ16の長さ等の幾何学的構造は、ナノアンテナ16の空間的配置及びナノアンテナ16を形成する材料に依存する。ナノアンテナ16の幾何学的構造は、光学シミュレーションを実行することで決定される。
図4は、発光装置1において、ナノアンテナ16が配置された基材14の平面図である。図4において、一点鎖線は、互いに60°ずつ相違して延伸する第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3を示す。
ナノアンテナ16は、LED12から光が放射されるときの放射角とナノアンテナ16に入射するときの入射角とが略同一と見做せる場合、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3の軸上において、式(4)に応じて配置される。
また、ナノアンテナ16は、LED12から光が放射されるときの放射角とナノアンテナ16に入射するときの入射角とが略同一と見做せない場合、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3のそれぞれの軸上において、以下の式(7)に応じて配置される。
Figure 0006970639
(7)
式(7)において、dは原点から等距離にあり、且つ、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3のそれぞれの軸上に配置されたナノアンテナを結ぶ線分の間隔を示し、λは一次光の波長を示す。また、θはナノアンテナ16に入射する一次光がLED12から放射されるときの放射角を示し、nは基材14の屈折率を示す。式(7)は、基材14の屈折率nが含まれること、及びスネルの法則「sinθ=nsinα」を用い入射角αの代わりに放射角θが含まれることが式(4)と相違する。
放射角θは、LED12の中心点Oと基材14の底面に位置する接続点Cを結ぶ第1線分L1と、隣接するナノアンテナ16の中間点Mと接続点Cとを結んだ第2線分L2とを描画したときに、入射角αとスネルの法則sinθ=nsinαとの関係を満たす。ここで、放射角θは、第1線分L1と接続点Mから鉛直方向の真下に下した第3線分L3とが成す角度であり、入射角αは第2線分L2と前記中間点から鉛直方向の真下に下した第4線分L4とが成す角である。
また、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3に位置しないナノアンテナ16のそれぞれは、ナノアンテナ16のそれぞれが隣接する隣接方向が第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3の何れかに平行になるように配置される。
図5はナノアンテナ16を配置する配置方法における第1処理を示す図であり、図6はナノアンテナ16を配置する配置方法における第2処理を示す図であり、図7はナノアンテナ16を配置する配置方法における第3処理を示す図である。
まず、第1処理において、ナノアンテナ16のそれぞれは、六方格子状に配置される。六方格子状の配置では、隣接する3つのナノアンテナ16で正三角形が形成される。図5において、第1軸A1は右下方向から左上方向に延伸する軸であり、第2軸A2は左下方向から右上方向に延伸する軸であり、第3軸A3は真下方向から真上方向に延伸する軸である。第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3は、何れも原点に位置するナノアンテナを通過すると共に、互いの軸がなす角は60°である。また、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3は、何れも原点に位置するナノアンテナに近接して正六角形を形成するナノアンテナ16の対向する位置に配置される2つのナノアンテナを通過する。
次いで、第2処理において、六方格子状に配置されたナノアンテナ16の中で、第1軸A1及び第2軸A2のそれぞれが通過する位置に配置されたナノアンテナ16は、ナノアンテナ16に入射する一次光がLEDから放射される放射角θに応じて変位される。具体的には、第1軸A1及び第2軸A2のそれぞれが通過する位置に配置されたナノアンテナ16は、式(7)に基づいて変位されて、放射角θが大きくなり、入射する入射角αが大きくなるに従って、配置間隔dは単調増加する。ここで、ナノアンテナ16の間の配置間隔dは、第1軸A1及び第2軸A2のそれぞれの延伸方向の真中に延伸する方向で規定される距離である。ナノアンテナ16の間の配置間隔dが規定される方向は、図6において二点鎖線で示され、第1軸A1及び第2軸A2の成す角を二等分した方向である。
次いで、第3処理において、第1軸A1と第2軸A2との間に配置されたナノアンテナ16は、隣接するナノアンテナ16とを結ぶ直線の延伸方向が第1軸A1及び第2軸A2の双方に平行になる位置に変位される。
そして、第4処理において、変位された第1軸A1及び第2軸A2の間のナノアンテナ16を60°ずつ回転して6つのナノアンテナ配置を生成し、生成した6つのナノアンテナ配置を結合してナノアンテナ16の配置を終了する。
(第1実施形態に係る発光装置の製造工程)
図8は発光装置1の製造工程を示す図であり、図8(a)は第1工程を示し、図8(b)は第2工程を示し、図8(c)は第3工程を示し、図8(d)は第4工程を示し、図8(e)は第5工程を示す。
まず、第1工程において、レジスト18は、基材14の表面に塗布される。次いで、第2工程において、レジスト18は、ナノアンテナ16が配置される領域が除去されるようにパターニングされる。次いで、第3工程において、パターニングされたレジスト18の上方からナノアンテナ16の材料である金属材料19が積層される。次いで、第4工程において、レジスト18は、基材14の表面から除去される。次いで、第5工程において、波長変換層15は、基材14の表面に塗布される。そして、表面に波長変換層15が塗布された基材14は、実装基板10〜反射部材13が一体化されたLEDパッケージと裏面が接着されて、発光装置1が形成される。
(第2実施形態に係る発光装置の構造及び機能)
図9は第2実施形態に係る発光装置の斜視図であり、図10は図9に示す発光装置のA−A´線に沿う断面図である。
発光装置2は、ナノアンテナ16の平面配置が発光装置1と相違する。
ナノアンテナ16は、LED12から光が放射されるときの放射角とナノアンテナ16に入射するときの入射角とが略同一と見做せる場合、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3の軸上において、式(6)に応じて配置される。
ナノアンテナ16は、LED12から光が放射されるときの放射角とナノアンテナ16に入射するときの入射角とが略同一と見做せない場合、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3のそれぞれの軸上において、以下の式(8)に応じて配置される。
Figure 0006970639
(8)
式(8)において、dは原点から等距離にあり、且つ、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3のそれぞれの軸上に配置されたナノアンテナを結ぶ線分の間隔を示し、λは一次光の波長を示す。また、θはナノアンテナ16に入射する一次光がLED12から放射されるときの放射角を示し、nは基材14の屈折率を示す。式(8)は、基材14の屈折率nが含まれること、及びスネルの法則「sinθ=nsinα」を用い入射角αの代わりに放射角θが含まれることが式(6)と相違する。放射角θは、式(7)と同様に決定される。
また、第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3のそれぞれの間に配置されたナノアンテナ16は、隣接するナノアンテナ16とを結ぶ直線の延伸方向が第1軸A1、第2軸A2及び第3軸A3の何れか2つに平行になる位置に変位される。
発光装置2において、ナノアンテナ16を配置する配置方法は、ナノアンテナ16を式(7)の代わりに式(8)に従って変位させること以外は、発光装置1における配置方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
また、発光装置2の製造方法は、ナノアンテナ16の配置以外は、発光装置1の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
(実施形態に係る発光装置の変形例)
発光装置1及び2では、ナノアンテナ16は、六方格子状の配置から変位されるが、実施形態に係る発光装置では、ナノアンテナ16は、正方格子状の他の配置から変位されてもよい。
図12(a)は、正方格子状に配置されたナノアンテナ16を示す図である。図12(b)は、図12(a)に示す正方格子状の配置からナノアンテナ16が式(7)に基づいて変位された変形例を示す図である。図12(c)は、図12(a)に示す正方格子状の配置からナノアンテナ16が式(8)に基づいて変位された変形例を示す図である。
図12(b)に示す変形例では、第1軸A1及び第2軸A2が通過する位置に配置されるナノアンテナ16は、式(7)に基づいて入射角αが大きくなるに従って、配置間隔dは単調増加するように配置される。また、第1軸A1と第2軸A2との間に配置されるナノアンテナは、隣接するナノアンテナ16とを結ぶ直線の延伸方向が第1軸A1及び第2軸A2の双方に平行になる位置に変位される。
図12(c)に示す変形例では、第1軸A1及び第2軸A2が通過する位置に配置されるナノアンテナ16は、式(8)に基づいて入射角αが大きくなるに従って、配置間隔dは単調減少するように配置される。また、第1軸A1と第2軸A2との間に配置されるナノアンテナは、隣接するナノアンテナ16とを結ぶ直線の延伸方向が第1軸A1及び第2軸A2の双方に平行になる位置に変位される。
また、発光装置1及び2は、ナノアンテナ16が配置される基材14を有するが、ナノアンテナ16が波長変換層15の裏面に配置可能な場合は、基材14は省略されてもよい。
(実施形態に係る発光装置の作用効果)
実施形態に係る発光装置では、隣接するナノアンテナの間の配置間隔は、一次光がナノアンテナ16に入射する入射角に応じて規定されるので、隣接するナノアンテナの間の配置間隔が均一である場合もより回折を多くすることができる。実施形態に係る発光装置は、隣接するナノアンテナの間の配置間隔が均一である従来の発光装置よりも回折を多くすることができるので、表面格子共鳴が増強されて、ナノアンテナの近傍に配置される蛍光体は、発光速度γcabが速くなり、蛍光体の変換効率が向上する。
図13は、入射角にかかわらずナノアンテナの配置間隔を一定にした従来のナノアンテナ配置と実施形態に係るナノアンテナ配置との比較に使用された計算モデルを示す図である。
計算モデル3は、LED32と、基材34と、ナノアンテナ36とを有する。LED32から放射される光の波長は450nmであり、LED32の発光面と基材34の裏面との間の配置間隔は1mmである。基材34は、基材14と同様に可視光を透過する厚さが0.3mmの部材であり、比屈折率は1.5である。LED32から放射される一次光は、0°〜50°の範囲で基材34に入射する。
表3は、計算モデル3を使用して、従来のアンテナ配置である均一格子、第1実施形態、第2実施形態、第1変形例及び第2変形例における回折効率を示す図である。表3において、項目「均一格子」は、ナノアンテナ36がLED32から放射される一次光の基材内での一波長、すなわち300nmの間隔で均一配置されたときの効率を示す。項目「均一格子」の効率は、基準値であり、「1.0」で示される。
項目「第1実施形態」はナノアンテナ36が六方格子状の配置から式(7)に基づいて変位された配置の効率を示し、項目「第2実施形態」はナノアンテナ36が六方格子状の配置から式(8)に基づいて変位された配置の効率を示す。項目「第1実施形態」の回折効率は「4.0」であり、項目「第2実施形態」の回折効率は「9.0」であり、それぞれが基準となる項目「均一格子」の4倍及び9倍であることが示される。
項目「第1変形例」はナノアンテナ36が正方格子状の配置から式(7)に基づいて変位された配置の効率を示し、項目「第2変形例」はナノアンテナ36が正方格子状の配置から式(8)に基づいて変位された配置の効率を示す。項目「第1変形例」の回折効率は「2.9」であり、項目「第2変形例」の回折効率は「3.1」であり、それぞれが基準となる項目「均一格子」の2.9倍及び3.1倍であることが示される。
第1実施形態、第2実施形態、第1変形例及び第2変形例のそれぞれのナノアンテナ36の配置において、従来の均一格子と比較して回折効率が大幅に改善されている。第1実施形態、第2実施形態、第1変形例及び第2変形例に係る発光装置は、従来のナノアンテナ配置よりも回折効率が良好なアンテナ配置を有するので、局在表面プラズモン及び表面格子共鳴が増強されて、蛍光体の変換効率を向上させることができる。
Figure 0006970639
1、2 発光装置
10 実装基板
11 回路基板
12 LED(発光素子)
13 反射部材
14 基材
15 波長変換層
16 ナノアンテナ
150 蛍光体(波長変換材料)

Claims (3)

  1. 一次光を放射する発光素子と、
    前記発光素子の上部に配置された基材と、
    前記一次光の入射による局在表面プラズモン共鳴によって電場を発生させ、且つ、前記一次光が回折した回折光による表面格子共鳴によって前記電場を増強するように前記基材上に配置された複数のナノアンテナと、
    少なくとも一部が前記電場に配置され、前記一次光を波長変換して前記一次光と波長が異なる二次光を出射する波長変換材料と、を有し、
    前記複数のナノアンテナのそれぞれは、前記一次光の入射角αに応じて、当該ナノアンテナと隣接する他のナノアンテナとの間の配置間隔が単調増加又は単調減少するように配置されており、
    ここで、前記入射角αは、前記発光素子の中心点とナノアンテナと前記他のナノアンテナとの中間点とを結んだ線分と、中間点から鉛直方向の真下に下した線分とが成す角度をいう、
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 前記複数のナノアンテナは、六方格子状の配置から、前記入射角αに応じて変位された位置に配置される、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記複数のナノアンテナは、正方格子状の配置から、前記入射角αに応じて変位された位置に配置される、請求項1に記載の発光装置。
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