JP6970372B2 - 敷布及び挙動判定保護システム - Google Patents

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Description

本発明は、敷布及び挙動判定保護システムに関し、詳しくはベッド上の保護対象者の姿勢を検知するための敷布、及び敷布を用いた検知結果に基づいて保護対象者を適切に保護する挙動判定保護システムに関する。
高齢者等の被保護者が、家族や保護者(以下、「保護者等」と記す。)が気付かないうちに、家や施設から抜け出して徘徊して、行方が不明となったり事故に遭遇したりといった社会問題が増えている。病院や介護施設では、被保護者の離床を検出して、徘徊を未然に防止するばかりでなく、被保護者のベッドからの転落や、転倒等の事故を防止することも要求されている。
そのために、ベッドの傍の端部に感圧マットを配置して、感圧マットの出力により被保護者の離床を検出すると、保護者等に通報が発信されるシステムが商品化されている。
特許文献1には、あらかじめ撮影した複数の種々の起床パターン・就寝パターンを含む離床パターンのシルエット画像またはモザイク画像からなる画像データに基づいて、被観察者のベッド上での動作を撮影した画像から該被観察者の離床動作の開始状態を判定し、判定すると同時に通報する離床予測自動感知通報システムであって、前記被観察者のベッド上での動作を一定時間ごとに撮影する撮影手段と、該撮影手段で撮影した画像をシルエット画像またはモザイク画像に変換処理する画像変換手段と、変換処理された画像データを用いて前記被観察者の動作パターンを識別し、前記被観察者が離床を開始するか否かを予測を含めて判定するニューラルネットワークを用いた判定手段と、前記被観察者の離床動作の開始状態と判定した際に自動的に通報する通報手段とを備えたことを特徴とする離床予測自動感知通報システムが提案されている。
特許文献2には、ベッド上の人体の動作を特定するための基準データが動作種毎に格納された記憶部と、人体によりベッドに加えられる重量の分布を示す重量分布データを受信すると、該重量分布データからベッド上の人体の重心位置を人体位置として算出し、該人体位置の情報を前記記憶部に格納し、1以上の時間区分に対応して人体の移動範囲を前記人体位置の情報に基づいて算出し、該移動範囲から求まる面積で前記基準データを特定すること、または、該移動範囲が示す形状で前記基準データを特定することを少なくとも行って人体の動作を推定する制御部と、を有する動作判別装置が提案されている。
上述した特許文献1に記載された離床予測自動感知通報システムや、特許文献2に記載された動作判別装置の何れも、判定精度を高めるためにシステムの稼働後に教師情報を追加入力する必要があり、システムの稼働と同時に精度良く判定することができないという問題がある。
特許文献3には、これらの問題に鑑み、システム立ち上げ初期から離床有りの判別漏れが少なく、かつ、システム立ち上げ後に離床の有無の判別精度を向上させやすい離床センサシステムが開示されている。
当該離床センサシステムは、被介護者の寝具に配置され、エラストマー製のセンサ膜と、該センサ膜を介して配置される複数の電極と、複数の該電極の配置に対応して設定される複数の検出部と、を有し、入力される荷重を該検出部に対応する電気量として出力可能なシート状のセンサと、該被介護者の姿勢を特定するための基準データと、該被介護者の該姿勢に対応して該被介護者の離床の有無を判別するためのしきい値データと、が格納された記憶部と、該電気量から該被介護者の体圧分布に基づいた演算データを算出し、該基準データと該演算データとを比較することにより該被介護者の該姿勢を判別すると共に、該演算データの経時変化と該しきい値データとを比較することにより該被介護者の離床の有無を判別し、該離床が有ると判別した場合に通報指示を出力する演算部と、を有する制御装置と、該通報指示により介護者に離床通報を発信する通報装置と、該離床通報が発信されたにもかかわらず該被介護者の離床が無かった場合に、該介護者から誤判別情報が入力される入力装置と、を備え、該制御装置は、該誤判別情報に基づいて該しきい値データを補正することにより、該離床の有無の判別精度を向上させることを特徴とする。
特開2007−72964号公報 特開2007−313189号公報 特開2011−245059号公報
しかし、特許文献1に記載された離床予測自動感知通報システムは、被観察者のベッド上での動作を撮影した画像に基づいて判別する必要があり、昼夜を問わず被観察者に照明光が当たるような環境でしか使用できないという問題があり、特許文献2に記載された動作判別装置では、ベッドを支える4脚のそれぞれに配置した重量計測装置を用いて人体によりベッドに加えられる重量の分布を計測するために、同じ臥位であってもベッド上の位置によって分布が様々となり、それら全てを学習するのは実質的に困難であった。
さらに、特許文献3に記載された離床センサシステムでは、ベッドの床板とマットレスとの間の略全面に亘ってマトリクス状に配列された多数のセンサが介装されているため、配線を含めて設備費が嵩むという問題があり、ベッド上の被保護者の挙動がマットレスを介してセンサに伝わるため、検出精度が鈍る虞があるという問題もあった。また、マットレスの上面にそのようなセンサを設けると、肌触りが悪く寝心地を損なうという問題もあり、汚れた場合にクリーニングが困難であるという問題もあった。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、非常にシンプルな構成でありながらも、ベッド上の人体の動作状態を精度良く判定でき、また汚れた場合でも容易にクリーニングできる敷布及び敷布を用いた挙動判定保護システムを提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による敷布の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、ベッドに備えた弾性変形可能なマットレスの少なくとも上面を覆う敷布であって、伸縮性を備えた敷布本体と、前記敷布本体と一体に編織または前記敷布本体に接合され、前記敷布本体の伸縮状態の変化を電気特性の変化に変換する導電性伸縮生地でなる状態検出部材と、を備えて構成され、前記状態検出部材は、帯状部材で構成されるとともに、身体の長軸を前記マットレスの長辺に沿わせた臥位で被保護者の腰部に位置する領域に、前記敷布本体の長辺方向または短辺方向に複数本並列配置され、それぞれが電気的に直列に接続されている点にある。
弾性変形可能なマットレスの上面が伸縮性を備えた敷布本体で覆われることにより、ベッド上の被保護者の動きに合わせて弾性変形するマットレスとともに敷布本体が伸縮し、敷布本体に一体に編織または接合された導電性伸縮生地でなる状態検出部材によって、被保護者の動きが電気特性の変化として検出される。ベッド上で被保護者の姿勢がどのように変化しても、離床するまでの間はマットレス上で腰部に対応する領域に確実に荷重が掛っており、その姿勢によって当該領域に掛かる荷重が変化するので、その変化を把握することによってベッド上の被保護者の姿勢変化を精度良く検出できるようになる。殊に、帯状部材で構成される状態検出部材を、敷布本体の長辺方向または短辺方向に複数本並列配置し、それぞれを電気的に直列に接続することにより、複数本の帯状部材のどの部位が伸縮しても、被保護者の腰部から受ける荷重を適正に検出することができるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記状態検出部材は、前記臥位で被保護者の頭部に位置する領域に、前記敷布本体の長辺方向または短辺方向に複数本並列配置され、それぞれが電気的に直列に接続されている点にある。
ベッド上の被保護者の姿勢が臥位から座位に変化すると、マットレスに掛かる頭部の荷重が大きく変化する。そこで、敷布本体のうち臥位で被保護者の頭部に位置する領域に状態検出部材を配すると、その電気特性の変化に基づいて姿勢判定部によって被保護者の姿勢をさらに精度良く判定できるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記状態検出部材は、前記敷布本体の伸縮状態と相関して電気抵抗が変化する導電性伸縮生地を備えて構成されている点にある。
状態検出部材は敷布本体と一体に編織または接合されているため、マットレス上で被保護者の姿勢が変化して敷布本体が伸縮すると、敷布本体とともに状態検出部材が伸縮して、その程度が電気抵抗の変化として検出されるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第三の特徴構成に加えて、前記導電性伸縮生地は、導電糸で形成されたループが、コース方向への収縮状態で各ループが接触し、コース方向への伸長状態で各ループが離反可能に編成された編地で構成されている点にある。
収縮状態で導電糸のループが互いに接触すると導電糸の両端の電気抵抗が低くなり、伸長状態で導電糸のループが互いに離反して導電糸の両端の電気抵抗が高くなる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、電気的に直列に接続された前記状態検出部材の信号取出し端部に信号線を接続または離脱する一対の接続具が設けられ、前記接続具が前記敷布本体の短辺方向の一側端に配置されている点にある。
敷布本体の短辺方向の一側端に配置された一対の接続具に信号線を接続すればよく、信号線の配線作業を容易く行なうことができ、また接続具と信号線を離脱することにより敷布のクリーニングも容易に行なえるようになる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記接続具を介して前記状態検出部材の電気特性の変化を検出する測定器が接続されている点にある。
直列に接続された細幅の帯状部材の両端に単に測定器を接続するだけでよく、複数の帯状部材毎に測定器との間で多数本の配線処理を行うような煩雑な作業が発生しない。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第六の特徴構成に加えて、前記測定器で検出された電気特性の変化に基づいて前記ベッド上の被保護者の姿勢を判定する姿勢判定部を備えている点にある。
被保護者の腰部に位置する領域に配した状態検出生地で検出される電気特性の変化という一つの指標で、被保護者の姿勢が精度良く検出されるようになる。
本発明による挙動判定保護システムの特徴構成は、同請求項8に記載した通り、ベッド上の被保護者の挙動を判定して保護する挙動判定保護システムであって、前記被保護者の挙動を異なる原理で検出する複数のセンサ系統と、情報伝達方法の異なる複数の注意喚起機構と、各センサ系統による検出値を入力する信号入力部と、前記信号入力部に入力された各検出値を元に時間的に発散する危機に遭遇する可能性から階層化意思決定手法を適用して危機遭遇確率を算出し、前記複数の注意喚起機構の何れかを選択する演算部と、前記演算部により選択された注意喚起機構を作動させる信号出力部と、を備えて構成され、前記センサ系統の一つに請求項1から4の何れかに記載の敷布が用いられる点にある。
複数のセンサ系統を設けることにより単一のセンサ系統では補えない情報を取得することができ、各センサ系統による検出値に対して夫々の特徴から危険の度合いや時間依存性の危険に遭遇する可能性から階層化意思決定手法を適用して複数の注意喚起機構の何れかを選択するように構成されているので、簡便な構成で状況に応じた適切な注意喚起機構を選択することができるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、非常にシンプルな構成でありながらも、ベッド上の人体の動作状態を精度良く判定でき、また汚れた場合でも容易にクリーニングできる敷布及び敷布を用いた挙動判定保護システムを提供することができるようになった。
(a)は本発明による敷布がマットレスに装着された状態の説明図、(b)は敷布の説明図 (a)は状態検出部材の平面視説明図、(b)は状態検出生地同士を直列接続する導電性生地及び接続具の説明図、(c)は接続具に信号線が接続される状態の説明図、(d)は信号線の端部に加締められた圧着端子の説明図 敷布本体となる編地の編組織図 状態検出部材の収縮状態の編組織図 状態検出部材の伸長状態の編組織図 (a)は別実施形態を示す敷布の説明図、(b)はさらに別実施形態を示す敷布の説明図 (a)は姿勢検出生地に利用可能なSCYの説明図、(b)は姿勢検出生地に利用可能なDCYの説明図、(c)は伸長状態にあるSCYの説明図、(d)はカバリング糸を用いた平編みの編組織図 挙動判定保護システムの構成図
以下、本発明による敷布及び敷布を用いた挙動判定保護システムの一例を図面に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、例えば認知症を患った被保護者Hを養護する施設の各部屋にはベッド1が設けられている。ベッド1は四本の脚部2と、脚部2で支持されたフレーム3を備えて構成され、フレーム3に本発明による敷布10で被覆されたマットレス4が載置されている。敷布10には、細幅の帯状の状態検出部材20が配され、状態検出部材20の両端部に接続された信号線S1,S2が測定器30に接続されている。
図1(b)に示すように、敷布10は、伸縮性を備えた布帛で構成される敷布本体11と、敷布本体11と一体に編織または敷布本体に接合され、敷布本体11の伸縮状態の変化を電気特性の変化に変換する状態検出部材20とを備えて構成されている。敷布本体11を構成する布帛として編地や織地が好適に用いられる。以下、敷布本体11及び状態検出部材20が編地で構成された例を詳述するが、織地で構成されていてもよいことは言うまでもない。
敷布本体11となる編地は、熱変形性弾性糸とそれ以外の糸をプレーティング編みで編成し、ヒートセット加工で熱変形性弾性糸を熱変形させることにより解れ止め加工した編地で、端縁が切りっ放し処理可能な編地で構成されている。
このような解れ止め加工を施した編地を採用すれば、洗濯を繰り返しても切りっ放し処理された端部から繊維が解れるようなことが無く、見栄えの悪化を招くことが無い。また、例えば端部を折り返して縫着するような従来の解れ止め加工が不要になるので生産性の高い安価な敷布を実現できる。
プレーティング編みは添え糸編みともいい、既存の編成方法を採用することができる。例えば複数本の糸をそれぞれ別の給糸口から、編み針に給糸する編成方法を用いると編成ループそれぞれの糸の配置が安定的に定まるため特に好ましい。
図3にはプレーティング編みの編組織が示されている。熱変形性弾性糸12とそれ以外の糸13とを別の給糸口から編み針に給糸して編み立てられたプレーティング編地は、各編成ループにおける熱変形性弾性糸12とそれ以外の糸13との配置が安定しているため、全てのループに熱変形性弾性糸を隣接させることができ、ヒートセット加工等により熱変形性弾性糸を熱変形させれば、編地の全てのループで確実に解れ止め機能が実現できるようになる。
具体的に、本実施形態では熱変形性弾性糸12として低融点ポリウレタン弾性糸が用いられ、それ以外の糸13として綿糸とポリエステル糸の混紡糸が選択され、フライス編みまたはスムース編みで編成された編地が用いられている。当該編地をヒートセット加工することにより、低融点ポリウレタン弾性糸が溶融して互いに融着することによって解れ止め機能が実現される。綿糸とポリエステル糸の比率を調整することにより適度な吸湿性と速乾性を備えた肌触りのよい編地が得られ、本実施例では綿55%、ポリエステル30%、ポリウレタン15%に設定されている。
熱変形性弾性糸として低融点ポリウレタン弾性糸のような熱融着性弾性糸を用いる以外に、ポリウレタンウレア弾性繊維を用いることも可能である。ヒートセット加工等の加熱加工によりポリウレタンウレア弾性繊維同士またはポリウレタンウレア弾性繊維と相手糸との接触点でポリウレタンウレア弾性繊維の圧縮変形が発生し、ポリウレタンウレア弾性繊維同士またはポリウレタンウレア弾性繊維への相手糸の固着が生じるため、編地からポリウレタンウレア弾性繊維や相手糸が抜けにくくなり、カールや解れが抑制された編地を得ることができる。つまり、加熱処理により溶融し或いは圧縮変形するような特性を備えた熱変形性弾性糸であればこれらに限るものではない。
なお、敷布本体11となる編地は、上述した解れ止め加工を施した編地に限るわけではなく、ポリウレタン糸が地組織に交編され、コース方向及びウェール方向の2方向に伸縮可能な編地であればよい。また、これら2方向の何れかにのみ伸縮可能な編地であってもよく、その場合には当該伸縮可能な方向に沿って状態検出生地20が配置されていればよい。
図2(a)に示すように、状態検出部材としての状態検出生地20は、偏平で細幅の帯状に編成され、幅方向中央部に配された導電性伸縮生地21と、導電性伸縮生地21の両側に配された非導電性伸縮生地22を備えて構成されている。本実施形態では、導電性伸縮生地21の幅は約2mm、両側の非導電性伸縮生地22の幅はそれぞれ約3.5mmに設定されているが、この値に限るものではない。
導電性伸縮生地21及び非導電性伸縮生地22が一体となって長手方向に沿って伸縮性を示すとともに、生地20の表裏方向への反りや曲がり、面方向に沿う左右への曲がり、さらには捻りなどが許容される十分な柔軟性が備わっている。なお、非導電性伸縮生地22を備えずに導電性伸縮生地21のみで状態検出生地20を構成してもよい。
非導電性伸縮生地22は、合成繊維(例えばナイロン、ポリエステル)や天然繊維、或いはそれらと弾性糸とを混用した素材などの非導電糸のみによって編成された編地であり、導電性伸縮生地21は、導電糸と弾性糸を用いて編成された編地である。本明細書で「導電糸」とは、金属成分が糸表面に露出した裸素材をいい、「弾性糸」とは、引っ張り力が付与されていない無負荷時(非伸長時=常態)には収縮状態を保ち、引っ張り力が付与された負荷時には引っ張り力に応じて自由に伸長し、引っ張り力が解除されると伸長状態から元の収縮状態に戻る素材をいう。
導電糸として、樹脂繊維や天然繊維、或いは金属線等を芯として、この芯に湿式や乾式のコーティング、メッキ、真空成膜、その他の適宜被着法を行って金属成分を被着させた金属被着線(メッキ線)を使用するのが好適である。芯には、モノフィラメントを採用することも可能ではあるが、モノフィラメントよりもマルチフィラメントや紡績糸のほうが好ましい。更にはポリウレタン繊維のような伸縮性を備えた繊維を用いることも可能である。ウーリー加工糸やSCY、DCYなどのカバリング糸、毛羽加工糸などの嵩高加工糸がより好ましい。
芯に被着させる金属成分には、例えばアルミ、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、錫、亜鉛、鉄、銀、金、白金、バナジウム、モリブデン、タングステン、コバルト等の純金属やそれらの合金、ステンレス、真鍮等を使用することができる。
弾性糸として、ポリウレタンやゴム系のエラストマー材料を単独で用いてもよいし、「芯」にポリウレタンやゴム系のエラストマー材料を用い、「カバー」にナイロンやポリエステルを用いたカバリング糸などを採用することができる。このようなカバリング糸を採用することで、親水性、撥水性、耐食・防食性、カラーリング等の機能を付与することができる。また肌触りの向上や伸びの制御にも有用である。なお、弾性糸として、導電性素材を含んだ糸を使用することも可能である。
図4及び図5には、導電性伸縮生地21の編組織が例示されている。帯状部材となる帯状生地20の長手方向がコース方向に沿うように、導電糸25を用いて平編(天竺やシングル等とも言う)に編成され、弾性糸26がインレイによってコース方向に挿入されている。この例では、導電糸25の1コース毎に弾性糸26が1コース挿入され、弾性糸26は、導電糸25に沿うように導電糸25の各ループに絡ませている。
導電糸25の個々のループは、弾性糸26によってコース方向に収縮した形状に変形され、この変形形状が保持される。導電糸25は導電性の裸素材であるから、ループによる接触箇所数が多ければ多いほど、またコース方向で押し縮められることで接触面積が増大すればするほど、導通接点の数、すなわち、導通面積が大きくまた通電経路が短くなり、コース方向に離れた2箇所間での電気抵抗が小さくなる。
生地が伸長しているときには、導電糸25のループ同士が、弾性糸26による引き締め力に抗して離反するようになる。このときの導電糸25のループの離反挙動は、全ループが一斉に離反するのではなく、編地の伸長度合いに比例して接触圧が徐々に低下しながらも未だ接触状態を維持するもの(非伸長時よりも接触面積が減少したもの)や、接触を解除して隙間を徐々に広げるもの、或いは非伸長時の接触状態を維持するもの等が混在する状況を経ることになる(図5参照)。
そのため、非伸長時から伸長を開始してその伸長度が大きくなればなるほど、導通面積が減少して通電経路が長くなり、電気抵抗は徐々に大きくなる傾向を示す。当然に、生地に付与される伸長力が解除されると、弾性糸26によるコース方向の引き締め力によって導電糸25のループがコース方向に収縮し、非伸長時の状態に復元するので、導通面積の増加に伴って電気抵抗は小さくなる。
図4及び図5では、導電性伸縮生地21の編組織として平編地を例示したが、ゴム編地(フライス編)で導電糸25による地組織を構成し、弾性糸26をインレイによってコース方向に挿入してもよい。
即ち、導電性伸縮生地21は、コース方向にループが形成された導電糸25と、コース方向に挿入され収縮状態で各ループが接触し伸長状態で各ループが離反可能な弾性糸26とで編成された編地で構成されている。本実施形態では、弾性糸がコース方向に挿入されている例を説明したが、後述するように、導電糸自体が弾性糸であってもよく、その場合には弾性糸は挿入されなくてもよい。
なお、非導電性伸縮生地22は、上述した導電糸25に替えて合成繊維などの絶縁糸を用いて導電性伸縮生地21と同じ編組織で編成されている。
図1(b)及び図2(b)〜(c)に示すように、敷布本体11には、このような状態検出生地20が、被保護者Hの身体の長軸をマットレス4の長辺に沿わせた臥位で被保護者Hの腰部に位置する領域R1に、敷布本体11の短辺方向に複数本、本実施形態では、横T=220cm、縦L=120cmの矩形の敷布本体11の足先側端部から85cm、頭側先端部から85cmの範囲を領域R1に含まれる範囲として、この範囲に5cmピッチで11本並列配置され、それぞれが上述した導電性伸縮生地21と同様に編成された導電性生地23によって電気的に直列に接続されている。
さらに、電気的に直列に接続された状態検出生地20の信号取出し端部となる両端部に信号線を接続または離脱する一対の接続具24が設けられ、接続具24が敷布本体11の短辺方向の一側端に配置されている。
敷布本体11の短辺方向の一側端に配置された一対の接続具24に、測定器30と接続するための信号線S1,S2を接続すればよく、信号線S1,S2の配線作業を容易く行なうことができ、また接続具24と信号線S1,S2を離脱することにより敷布10のクリーニングも容易に行なえるようになる。
接続具24として金属製の雌スナップボタンが好適に用いられる。雄スナップボタンの凸金具が嵌入する凹金具24aと、敷布本体11及び状態検出生地20を挟むようにして凹金具24aを固定する固定金具24bで構成され、固定金具24bに立設された爪部を凹金具24aに加締めることにより、雌スナップボタンと状態検出生地20とが電気的に接続される。
図2(d)に示すように、信号線S1,S2の端部には、絶縁被覆が除去された銅線に圧着端子29が加締められている。圧着端子29は環状部29aに連設された固定金具29bを備えて構成され、固定金具29bが信号線S1,S2の銅線と電気的に接続されるように加締められている。
そして、接続具29として金属製の雄スナップボタンを構成する凸金具28aと固定金具28bが環状部29aを挟むようにして加締められている。雄スナップボタンを雌スナップボタンに係合させることにより、状態検出生地20と信号線S1,S2が電気的に接続される。
上述したように、状態検出生地20は敷布本体11に縫着または接着により接合されている。例えば、オーバーロック縫い、偏平縫い、環縫いまたは千鳥縫いなどの何れかを用いて伸縮縫いされることにより敷布本体11の伸縮に追随して状態検出生地20が伸縮するようになる。また、伸縮糸を用いて縫着する場合には、非伸縮縫いであってもよい。
また、例えば、敷布本体11を構成する解れ止め生地に用いられたポリウレタン等の熱変形弾性糸の熱変形温度より低い熱処理で接着が可能な接着剤を用いて、状態検出生地20を敷布本体11に接着してもよい。
例えば、ポリウレタン系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、EVA系ホットメルト樹脂、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、湿気硬化型ホットメルト樹脂、反応型ホットメルト樹脂等が挙げられる。中でも湿気硬化型ホットメルト樹脂は、接着強度が高く、しかも短時間での接着が可能な点で特に好ましい。
接着剤を用いて状態検出生地20を敷布本体11に接合する場合、状態検出生地20の全面に接着剤を塗布するのではなく、状態検出生地20の幅方向端部で折り返すように、ジグザグパターンやサインカーブのような1mm前後の幅の線状の繰返しパターンや、接着位置が非接着領域を挟んで点状に分布するような任意のパターンを採用することが好ましい。
全面に接着剤を塗布すると、敷布本体11の伸長時に接着剤によって状態検出生地20の伸長が抑制される虞があるが、上述のパターンで接着すると、敷布本体11の伸長に追随して状態検出生地20が伸長するようになる。
本実施形態では、敷布本体11に、状態検出生地20が、被保護者Hの身体の長軸をマットレス4の長辺に沿わせた臥位で被保護者Hの腰部に位置する領域R1に、敷布本体11の短辺方向に複数本並列配置された例を説明したが、領域R1に敷布本体11の長辺方向に複数本並列配置されていてもよい。状態検出生地20と導電性生地23とを電気的に接続するために、接着剤を用いた接続、導電性糸を用いた接続の何れを採用することも可能である。
図6(b)には、状態検出生地20が、領域R1に敷布本体11の長辺方向に複数本並列配置された例が示されている。この場合にも、状態検出生地20のそれぞれが上述した導電性生地23によって電気的に直列に接続され、電気的に直列に接続された状態検出生地20の信号取出し端部となる両端部に信号線S1,S2を接続または離脱する一対の接続具24が設けられ、接続具24が敷布本体11の短辺方向の一側端に配置されていることが好ましい。
敷布本体11の編地の伸縮の程度がウェール方向に比べてコース方向に大きな場合には、状態検出生地20の長手方向が敷布本体11の編地のコース方向に沿うように配置されていることが好ましく、その逆の場合には、状態検出生地20の長手方向が敷布本体11の編地のウェール方向に沿うように配置されていることが好ましい。
ベッド1上で被保護者の姿勢がどのように変化しても、離床するまでの間はマットレス4上で腰部に対応する領域に確実に荷重が掛っており、その姿勢によって荷重が変化するので、その変化を把握することによってベッド上の被保護者の姿勢変化を精度良く検出できるようになる。
この様な状態検出生地20は、敷布本体11の裏面つまり被保護者の肌に接する面とは反対側の面に配されているため、被保護者に特段の違和感を与えることはない。
殊に、帯状生地で構成される状態検出生地20を、敷布本体11の長辺方向または短辺方向に複数本並列配置し、それぞれを電気的に直列に接続することにより、複数本の帯状生地のどの部位が伸縮しても、被保護者の腰部から受ける荷重を適正に検出することができるようになる。
例えば、被保護者の姿勢が臥位となる場合にはマットレス4との接触面積が大きくなり荷重が分散されるために、腰部近傍に大きな荷重が掛ることはないが、座位となる場合には、マットレス4との接触面積が小さくなり荷重が集中して腰部近傍に大きな荷重が掛る。このような変化を捉えることにより被保護者の姿勢を判定することができる。
図6(a)に示すように、状態検出生地20は、臥位で被保護者の頭部に位置する領域R2に、敷布本体11の長辺方向または短辺方向に複数本並列配置され、それぞれが電気的に直列に接続されていることが好ましく、本例では、敷布本体11の頭部側から40cmの位置から2本の状態検出生地20が並行に配置され、導電性生地23によって電気的に直列に接続されるとともに、両端部に接続具24が設けられている。
ベッド1上の被保護者の姿勢が臥位から座位に変化すると、マットに掛かる頭部の荷重が大きく変化する。そこで、敷布本体11のうち臥位で被保護者の頭部に位置する領域R2に状態検出生地20を配すると、その電気特性の変化に基づいて姿勢判定部によって被保護者の姿勢をさらに精度良く判定できるようになる。
図7(a),(b)に示すように、導電性伸縮生地21として、弾性糸26を芯部として、導電糸25を一重に被覆したSCYまたは二重に被覆したDCYとしたカバリング糸27により編成された生地を用いることも可能である。
図7(c)に示すように、生地の伸長時に、弾性糸26そのものが伸長することにより巻き付けられた導電糸25の隙間が広がり、隣り合ったコース同士での導電糸の接点が減少することにより抵抗値が変化する。
図7(d)には、このようなカバリング糸を用いた平編地が例示されている。カバリング糸としてSCYとDCYのどちらを用いても良いが、DCYは導電糸どうしの交差部があり導通が確保できる上に被覆密度が上がりやすく、初期抵抗値を下げる効果が得られるのでより好ましい。弾性糸のドラフト率と導電糸の撚り数は肌着用に通常用いられるカバリング糸と同程度(たとえばドラフト率1.0〜5.0倍程度、撚り数50〜2000T/m程度)であればよい。
この例のように、状態検出生地20は、敷布本体11と一体に編成することも可能であり、敷布本体11のうち状態検出生地20を配置すべき領域のみ敷布本体11と一体に編成することも可能である。また、敷布本体11と一体に編成する態様として、敷布本体11の編成後に上述したカバリング糸を身生地に縫い込んで状態検出生地20として機能するように構成することも可能である。
上述した実施形態では、敷布本体11の伸縮状態の変化を検出する状態検出生地20が、電気特性として抵抗値の変化を検出するように構成された例を説明したが、電気特性として抵抗値以外にインダクタンス値の変化を検出するように構成してもよい。例えば、ポリウレタン等の弾性糸を芯糸として、絶縁被覆された導電糸でカバリングした糸で状態検出生地20を編成すればよい。芯糸の伸縮に合わせてコイルとして機能する絶縁被覆された導電糸の伸縮状態によってインダクタンス値が変化する性質を利用することができる。
図8には、上述した敷布10が被保護者の挙動を検出するセンサ系統の一つとして組み込まれた挙動判定保護システム100が示されている。
挙動判定保護システム100は、ベッド1上の被保護者Hの挙動を判定して保護する挙動判定保護システムであって、被保護者Hの挙動を異なる原理で検出する複数のセンサ系統M1,M2,M3と、姿勢判定部50と、情報伝達方法の異なる複数の注意喚起機構60を備えている。
上述した敷布10と、敷布10に配された状態検出生地20に接続された測定器30とを備えた第1センサ系統M1と、ベッド1の側部に設けられ、ベッド1からの離床を検出する投光部40と受光部41を備えた光センサで構成される第2センサ系統M2と、ベッド1を俯瞰するように部屋の天井近傍に配置された赤外線カメラM3で構成される第3センサ系統M3である。
姿勢判定部50は、第1センサ系統M1によりベッド上の被保護者Hの姿勢の変化(例えば臥位から座位に姿勢変更するなどの離床のための予備的行為の有無)を判定し、第2センサ系統M2により被保護者Hの離床行動(例えばベッドから離脱するような行為の有無)を検知し、第3センサ系統M3により被保護者Hの動作状態を判定して、ベッド上の被保護者の姿勢を総合判定する。
単一のセンサ系統を用いて被保護者Hの挙動を判定する場合には、危険動作などの情報取得の際に、危険動作以外の情報が紛れ込み誤認識する確率が高く、所期の目的を達成することが困難となることが多いため、複数のセンサ系統を用いて信頼度を高めている。
姿勢判定部50は、各センサ系統M1,M2,M3による検出値を入力する信号入力部51と、信号入力部51に入力された各検出値を元に時間的に発散する危機確率から階層化意思決定手法を適用して複数の注意喚起機構60の何れかを選択する演算部52と、演算部52により選択された注意喚起機構60を作動させる信号出力部53を備えている。
注意喚起機構60として被保護者Hの注意を喚起して離床を止まらせる第1注意喚起機構61と、保護者の出動を要請する警報装置で構成される第2注意喚起機構62を備えている。
第1注意喚起機構61は液晶モニタ装置と、テレビチューナーと、テレビチューナーからの表示信号以外に、液晶モニタ装置に表示するコンテンツを格納する記憶装置を備えている。
コンテンツとして、被保護者Hの思い入れが強いテレビプログラム、例えば著名な時代劇や、愛着のある家族の映像や写真及び音声や、これまで携わってきた社会活動や、愛好していたスポーツなどの映像が選択可能に記憶装置に記憶されている。
演算部52は、入力された各センサ系統M1,M2,M3による検出値に基づいて、被保護者が離床行為の兆候有と判断したときに、階層化意思決定手法により、その危険リスクの程度を算出して、算出した値から何れかの注意喚起機構60を起動する。
例えば、比較的危険リスクが低いが離床行動に結びつく可能性が高いと判断したときには、第1注意喚起機構61を起動して、被保護者Hの思い入れが強いテレビプログラムを液晶モニタ装置に出力することで、離床行動を思い止まらせる。
また、第1注意喚起機構61を起動した後の各センサ系統M1,M2,M3による検出値に基づいて、さらに危険に遭遇する可能性が高くなる離床行動に結びつく可能性が高いと判断したときには第2注意喚起機構62を起動して、保護者の出動を要請するとともに、第1注意喚起機構61を起動して、愛着のある家族の映像や写真及び音声を液晶モニタ装置に出力する。
上述の構成によれば、既存のテレビなどの機器を起動させ、例えば離床を遅延させて、離床時の転倒転落を未然防ぐことや、ナースコールやビデオカメラなどの機器と連動させることにより、夫々の危険度に応じた情報伝達をスタッフに促すことが可能となる。
このように、階層化意思決定手法により被保護者の離床行為の程度を判断して、適切な注意喚起機構60を起動することにより、被保護者のベッドからの転落や、転倒等の事故を防止するように構成されている。
つまり、演算部52は、多重に配置されたセンサ系統から危険動作を取得し、危険の遭遇リスクを判定するも、時間的に発散するよう計算することにより時間依存性の危険に遭遇する可能性を数値化し、夫々のセンサ系統から得られた結果を重ね合わせることにより危険遭遇確率を判定する。
その結果、危険遭遇確率が上昇した場合でも、その後時間的に危険度が減少したり、危険動作が中断されたりした場合には、スタッフに注意喚起されることがなくなる。このことにより、看護スタッフの通常業務を阻害しないという利点が得られるだけでなく、注意喚起された場合にはより適正に危険回避のための行動が行えるという利点が得られる。
階層化意思決定手法AHP(Analytic Hierarchy Process)とは、異なる要素が複数ある場合に、それぞれの要素を連続的に組み合わせて、あたかも一つの要素として取り扱えるような計算手法である。要素を直列もしくは並列に組み合わせた階層的な構造を構築し、それぞれの要素に対して事象の重要性などから比較した結果を元に算出したウェイトを置くことにより、基準の異なる要素を同一的に取り扱えるようにできる。このようにして得られた結果から予め用意した代替案を選択するものである。
演算部52による階層化意思決定のための演算処理について例示する。演算部52に備えた記憶部には、意思決定による問題を提起する各センサ系統M1,M2,M3による検出値の階層、問題に対処するため注意喚起機構60の何れを作動させるかという出力の階層、検出値の階層から出力の階層の何れを選択するかを評価する評価基準の各階層データが格納されている。
評価基準は、各測定器から検出された値が、予め設定された検出値の階層の評価項目に対する一対比較表と、出力の階層の評価項目に対する一対比較表に基づいて、各評価項目に対して決定された重要性を表すウェイトと、時間的に発散する係数をもって算出された、危機遭遇確率で構成されている。検出値から得られた階層の評価項目として、例えば、仰臥位、座位、寝返り、離床予備的動作、離床などが設定され、出力の階層の評価項目として、例えば、一つの注意喚起機構60、各注意喚起機構60の組み合わせが設定される。
演算部52は、入力された検出値のそれぞれに該当する評価項目のウェイトと、出力の階層の評価項目のウェイトと、時間依存性の危機に遭遇する可能性から評価値を求め、その結果から注意喚起機構60を作動させる。
評価項目のウェイト及び危機確率は、本システムの事前シミュレーションや稼働試験の結果に基づいて補正するように構成されている。例えば、離床を抑制するためのアクションの効果が無かった場合には、その旨の評価入力部が設けられ、その結果に基づいて一対比較表の値が修正され、あるいはウェイトや危機確率が修正される。

図1(b)で説明した敷布10を用いて、離床感知精度の確認実験を行なった。ベッド1上で被験者に仰臥位、長座位、仰臥位、長座位、端座位、立位の順に姿勢を変化させるように指示を行ない、その時の状態検出生地20の抵抗値変化をデジタルマルチメータで読み取った。被験者は、17名の若年健常者である。
先ず、仰臥位から長座位に姿勢変化すると、17名全て抵抗値が増加した。次に、長座位から仰臥位に姿勢変化すると、17名全て抵抗値が減少した。さらに、仰臥位から長座位に姿勢変化すると、17名全て抵抗値が増加した。さらに、長座位から端座位に姿勢変化すると、17名全て抵抗値が増加した。
つまり、マットレスの長辺に沿わせた臥位で被保護者の腰部に位置する領域R1に状態検出生地20を配することにより、被験者の姿勢変化を確実に検出可能なことが判明した。
また、被保護者の頭部に位置する領域及び脚部に位置する領域に状態検出生地20を配して同様の実験を行なった結果、脚部領域に配した状態検出生地20で有意な結果が得られなかったが、頭部領域に配した状態検出生地20では確実に姿勢変化を検出できることが判明した。この結果、少なくとも腰部領域に状態検出生地20を配することが必須であり、付随的に頭部領域に状態検出生地20を配すると臥位と座位を明確に識別できることも明らかになった。
本発明による敷布は、汚れた場合でも容易にクリーニングでき、ベッド上の人体の動作状態を精度良く判定できるセンサとして介護施設などで広く活用される。
1:ベッド
4:マットレス
10:敷布
11:敷布本体
20:状態検出生地
21:導電性伸縮生地
22:非導電性伸縮生地
23:導電性生地
24:接続具
25:導電糸
26:弾性糸
30:測定器
100:挙動判定保護システム

Claims (8)

  1. ベッドに備えた弾性変形可能なマットレスの少なくとも上面を覆う敷布であって、
    伸縮性を備えた敷布本体と、
    前記敷布本体と一体に編織または前記敷布本体に接合され、前記敷布本体の伸縮状態の変化を電気特性の変化に変換する導電性伸縮生地でなる状態検出部材と、
    を備えて構成され、
    前記状態検出部材は、帯状部材で構成されるとともに、身体の長軸を前記マットレスの長辺に沿わせた臥位で被保護者の腰部に位置する領域に、前記敷布本体の長辺方向または短辺方向に複数本並列配置され、それぞれが電気的に直列に接続されていることを特徴とする敷布。
  2. 前記状態検出部材は、前記臥位で被保護者の頭部に位置する領域に、前記敷布本体の長辺方向または短辺方向に複数本並列配置され、それぞれが電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項1記載の敷布。
  3. 前記状態検出部材は、前記敷布本体の伸縮状態と相関して電気抵抗が変化する導電性伸縮生地を備えて構成されている請求項1または2記載の敷布。
  4. 前記導電性伸縮生地は、導電糸で形成されたループが、コース方向への収縮状態で各ループが接触し、コース方向への伸長状態で各ループが離反可能に編成された編地で構成されている請求項3記載の敷布。
  5. 電気的に直列に接続された前記状態検出部材の信号取出し端部に信号線を接続または離脱する一対の接続具が設けられ、前記接続具が前記敷布本体の短辺方向の一側端に配置されている請求項1から4の何れかに記載の敷布。
  6. 前記接続具を介して前記状態検出部材の電気特性の変化を検出する測定器が接続されている請求項1から5の何れかに記載の敷布。
  7. 前記測定器で検出された電気特性の変化に基づいて前記ベッド上の被保護者の姿勢を判定する姿勢判定部を備えている請求項6記載の敷布。
  8. ベッド上の被保護者の挙動を判定して保護する挙動判定保護システムであって、
    前記被保護者の挙動を異なる原理で検出する複数のセンサ系統と、
    情報伝達方法の異なる複数の注意喚起機構と、
    各センサ系統による検出値を入力する信号入力部と、
    前記信号入力部に入力された各検出値を元に時間的に発散する危機に遭遇する可能性から階層化意思決定手法を適用して危機遭遇確率を算出し、前記複数の注意喚起機構の何れかを選択する演算部と、
    前記演算部により選択された注意喚起機構を作動させる信号出力部と、
    を備えて構成され、
    前記センサ系統の一つに請求項1から4の何れかに記載の敷布が用いられることを特徴とする挙動判定保護システム。
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