JP6960725B2 - 姿勢検出衣料 - Google Patents

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Description

本発明は、身生地が体表面を被覆する伸縮性編地で構成される衣料に関する。
近年、健康志向の高まりを受けてフィットネスクラブなどを利用した活動によって体調を管理する意識が高まっており、そのための様々な補助具が提案されている。また、要介護者の状態を遠隔でモニタするための様々な補助具も提案されている。
特許文献1には、着用者の姿勢や身体状態を常時モニタすることにより、医師などの専門家による姿勢の矯正やリハビリによる機能回復や病気の予防を目的とした健康管理を支援することができる姿勢モニタシステムが提案されている。
当該姿勢モニタシステムは、衣類と、複数のセンサと、複数のセンサが取得した各信号から得られる取得パターンと、取得パターンと予めメモリーに格納された格納パターンとの比較により衣類着用者の姿勢を判定する判定手段とを備え、複数のセンサは衣類と一体化され、判定手段は複数のセンサと着用者の肌との間の相対的な位置変化または距離変化に応じて複数のセンサが取得した各信号から取得パターンを形成して、取得パターンと格納パターンとの比較により着用者の姿勢を判定できるように構成されている。
上述の姿勢モニタシステムによれば、姿勢取得パターンを得るための衣類を着用者と一体化させることにより、従来技術では困難であった移動を伴う場合を含め「いつでも」「どこにいても」リアルタイムで着用者の姿勢モニタが可能になり、緊急時には迅速な対応を行なうことができるようになる。
また、個人の日常行動や姿勢などを把握して安否確認や健康管理による病気の予防を行うことが可能になり健康的な生活を維持することができる。その結果、医療・介護にかかわるコストの低減にも寄与できる。
特許文献2には、布帛本体を伸縮させる動作等に対して配線が邪魔となりにくく、配線が断線しにくい歪みセンサ付き布帛、及び、着用者の動作の妨げとなりにくく、着用者の動作による断線が生じにくい被服を提供することを目的として、着用者の動作を電気信号として捉えることが可能な歪みセンサ付き被服が提案されている。
当該歪みセンサ付き被服は、伸縮可能な布帛本体と、この布帛本体に付設され、布帛本体の伸縮に追従可能な歪みセンサとを有する歪みセンサ付き布帛であって、歪みセンサに電気的に接続されるとともに布帛本体に一体的に設けられ且つ布帛本体の伸縮に追従して変形する配線部を備えて構成されている。
歪みセンサとしてカーボンナノチューブ(CNT)を用いたCNT歪みセンサが用いられ、CNT歪みセンサは、布帛本体に貼着されるゴム等の柔軟性を有する基板と、この基板の表面側に設けられるCNT膜と、このCNT繊維の端部にそれぞれ配設される一対の電極と、CNT膜を保護する保護部とを備えている。
当該歪みセンサは、両端部の電極間を離反させたり接近させたりする方向に伸縮させると、CNT繊維の相互間隔が拡縮変動して両電極間の電気抵抗が変化するように構成されている。
特開2009−18158号公報 特開2014−25180号公報
同一姿勢で長時間コンピュータを操作するVDT作業に従事する労働者や、前屈み姿勢で長時間スマートフォンを操作する若者などに、本人が気付かないまま猫背等の偏った姿勢になっている人が増加傾向にある。
偏った姿勢を改善するためには本人の意識が非常に重要となり、そのために日常着用でき、自分の姿勢がどの程度偏った姿勢になっているのかを客観的に意識することが可能となる衣料が求められている。
しかし、上述の特許文献1に開示されたようなセンサが組み込まれた衣料及び衣料を用いた姿勢モニタシステムは概念的な技術思想の開示に止まり、直ちに具体的な特定の姿勢のモニタに用いる構成まで明確に提案されてはいない。
特許文献2に開示された歪みセンサ付き布帛の伸縮性能は、合成樹脂、ゴム、不織布、金属等で構成される基板に依存し、布帛本体の伸縮性能と一致するものではないため、着用者の姿勢により変化する被服の伸縮状態を精度よく検出するのが困難であるという問題もあった。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、日常的に着用でき、着用者の姿勢の偏りの程度を客観的に検出並びに評価することができる姿勢検出衣料を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による姿勢検出衣料の第一の特徴構成は、少なくとも前身頃と後身頃を構成する身生地が体表面を被覆する伸縮生地で構成される姿勢検出衣料であって、背中心と交差し且つ左右対称になるように、後身頃を構成する身生地と一体に配置され、身生地の伸縮状態の変化を静電容量の変化に変換する帯状の姿勢検出用伸縮部材を備え、前記姿勢検出用伸縮部材で検出される静電容量の変化に基づいて着用者の猫背姿勢を検出可能に構成され、前記姿勢検出用伸縮部材は、後身頃の背部に水平姿勢で上下に間隔を隔てて少なくとも二本配置され、身生地の伸縮状態と相関して伸縮することで静電容量が変化する姿勢検出編地で構成され、身生地と一体に編成または身生地に接合されている点にある。
本願発明者らによる鋭意研究の結果、偏った姿勢と肩甲骨下角間距離との間に大きな相関がみられるという新知見が得られた。肩甲骨の下角間距離が広がると偏りの程度がひどくなり、下角間距離が狭まると偏りが解消されて姿勢が良くなる。そこで、肩甲骨下角間距離の変動によって伸縮するような身生地を用いて体表面を覆うような衣料を構成し、伸縮状態の変化を電気特性の変化に変換する帯状の姿勢検出用伸縮部材を、背中心と交差し且つ左右対称になるように身生地と一体に配置することにより、肩甲骨下角間距離の変動を電気特性の変化として間接的に検出できるようになる。その結果、着用者の偏った姿勢を客観的な数値として把握できるようになる。
姿勢検出用伸縮部材として身生地の伸縮状態と相関して静電容量が変化する部材を用いることにより、肩甲骨下角間距離の変動を静電容量値の変化として間接的に検出できるようになる。しかし、着用者の呼吸によっても姿勢検出用伸縮部材が伸縮するため、呼吸による静電容量値の変化がノイズとして重畳するため、静電容量値の瞬時値では正確な値が得られない虞がある。そこで、静電容量値の時間平均値を求めて呼吸による静電容量値の変化を相殺したり、呼吸によるノイズを除去するフィルタ処理を行なう必要があるが、そうすると検出時間を要することになる。そのような場合でも、後身頃の背部に水平姿勢で上下に間隔を隔てて配置された少なくとも二本の姿勢検出用伸縮部材によって、それぞれに呼吸によるノイズが同相のノイズとして検出されると、例えば差分を求めることにより同相ノイズを容易に相殺できるようになり、時間を要することなく肩甲骨下角間距離の変動を正確に検知することができる。そして、姿勢検出用伸縮部材を姿勢検出生地で構成すれば、容易く身生地と一体に編成または身生地に接合することができ、着用者に違和感を与えない薄形の衣料に構成することができる。
同第二の特徴構成は、上述の第一の特徴構成に加えて、前記姿勢検出用伸縮部材の静電容量検出長さが背中心に左右対称でそれぞれ異なる値に設定され、検出された各静電容量値の差分値に基づいて着用者の姿勢を検出可能に構成されている点にある。
姿勢検出用伸縮部材の静電容量検出長さを背中心に左右対称とすることで、左右方向へのバイアスがかかることなく肩甲骨下角間距離の変動を適正に検出できるようになる。また、上下で姿勢検出用伸縮部材の静電容量検出長さを異なる長さに設定することにより、上下で肩甲骨下角間距離の変動の程度に差をつけることができ、各静電容量値の差分を求める際に呼吸によるノイズのみを効果的に除去することができるようになる。
同第三の特徴構成は、上述の第二の特徴構成に加えて、前記姿勢検出用伸縮部材はそれぞれ同一長さに構成されている点にある。
肩甲骨下角間距離の変動に伴う身生地の伸縮に伴って姿勢検出用伸縮部材が伸縮する必要がある。しかし、上下で姿勢検出用伸縮部材の静電容量検出長さを異なる長さに設定するために姿勢検出用伸縮部材の長さを静電容量検出長さに合わせると、姿勢検出用伸縮部材が短い方で、身生地のみが伸縮して姿勢検出生地が伸縮しない虞がある。上下の姿勢検出用伸縮部材がそれぞれ同一長さに設定されていれば、身生地の伸縮に応じて上下の姿勢検出用伸縮部材も同様に伸縮するようになる。
同第四の特徴構成は、上述の第三の特徴構成に加えて、前記姿勢検出用伸縮部材は、左右の脇を結んだ線の長さである身幅の長さに設定されている点にある。
帯状の姿勢検出用伸縮部材の長さが、少なくとも身幅の長さに設定されていれば、肩甲骨下角間距離の変動に伴って伸縮する後身頃と一体になって姿勢検出用伸縮部材も伸縮するようになる。
同第五の特徴構成は、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、身生地と一体に編成または身生地に接合され身生地の伸縮状態にかかわらず静電容量が略一定の導電性伸縮生地が、前記姿勢検出地と電気的に接続され、前記姿勢検出地の静電容量の変化を検出する信号処理部が前記導電性伸縮生地を介して接続可能に構成されている点にある。
衣料を着用した状態で肩甲骨下角間距離の変動を検出するために、姿勢検出地の静電容量の変化を検出する信号処理部が姿勢検出地と電気的に接続される必要がある。身生地と一体に編成または身生地に接合され、身生地の伸縮状態にかかわらず電気抵抗が略一定の導電性伸縮生地を介して両者が電気的に接続されると、信号処理部が衣料の何れの位置に配置されてもそのための配線の引き回し処理を行なうことなく良好に対応できるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、日常的に着用でき、着用者の姿勢の偏りの程度を客観的に検出並びに評価することができる姿勢検出衣料を提供することができるようになった。
(a)は本発明による男性用の姿勢検出衣料の着用状態の背面図、(b)は同正面図、(c)は同正面図 (a)は肩甲骨下角間距離が短くなり、猫背姿勢が解消された状態の肩甲骨の位置の説明図、(b)は肩甲骨下角間距離が長くなり、猫背姿勢となった状態の肩甲骨の位置の説明図、(c)は本発明による男性用の姿勢検出衣料を着用した状態での肩甲骨の位置の説明図 (a)は本発明による女性用の姿勢検出衣料の着用状態の背面図、(b)は同斜視図 本発明による姿勢検出衣料の特性試験に用いたサンプル衣料の説明図 (a),(b),(c)は試験結果を示す特性図 (a),(b),(c)は試験結果を示す特性図 (a),(b)は試験結果を示す特性図 試験結果の評価図 姿勢検出生地の収縮状態の編組織図 姿勢検出生地の伸長状態の編組織図 (a)は姿勢検出生地に利用可能なSCYの説明図、(b)は姿勢検出生地に利用可能なDCYの説明図、(c)は伸長状態にあるSCYの説明図、(d)はカバリング糸を用いた平編みの編組織図 導電性伸縮生地の編組織図 導電性伸縮生地の端子間抵抗値特性図 別実施形態を示す本発明による女性用の姿勢検出衣料の着用状態の背面図
以下、本発明による姿勢検出衣料を図面に基づいて説明する。
図1(a),(b),(c)には、男性用の姿勢検出衣料100が示されている。姿勢検出衣料100は、肌着などとして日常的に着用しながら、着用者の上半身の姿勢が偏った猫背姿勢になっているか否か等を検出するための衣料100である。
当該衣料100は、縦横二方向に伸縮性を示す身生地1を用いて前身頃2と後身頃3と袖4が構成され、着用者の身体の表面を緩やかに密接被覆するように構成されている。着用者の姿勢の変化に伴って皮膚表面が伸長或いは収縮すると、それに伴って身生地1が皮膚表面に沿って同様に伸縮する。
このときの身生地1の伸縮の程度を検出するべく、身生地1の伸縮に伴って伸縮し、伸縮状態の変化を電気特性の変化、本実施形態では電気抵抗値の変化に変換する上下二本の帯状の姿勢検出生地5(5A,5B)が身生地1と一体に編成または身生地1に接合されている。接合態様として、姿勢検出生地5を身生地1に接着する態様または勢検出生地5(5A,5B)を身生地1に縫着する態様があり、何れの態様であってもよい。
各姿勢検出生地5(5A,5B)は、導電性伸縮生地6(6A,6B)を介して腹部上方に取り付けられた信号処理部7に接続され、信号処理部7によって電気特性の変化が検知されるように構成されている。
導電性伸縮生地6(6A,6B)も姿勢検出生地5(5A,5B)と同様に、身生地1と一体に編成または身生地1に接合され、身生地1の伸縮に伴って伸縮するように構成されているが、伸縮状態にかかわらず電気抵抗が略一定の特性を備えている生地が用いられる。
具体的に、姿勢検出生地5(5A,5B)は、背中心Pと交差し且つ左右対称になるように、後身頃3の背部に水平姿勢で上下に間隔を隔てて二本配置されている。
二本の姿勢検出生地5A,5Bは、それぞれ左右の脇を結んだ線の長さである身幅Wとほぼ等しい同一長さに構成され、各姿勢検出生地5A,5Bの電気抵抗検出長さ、つまり姿勢変化を検出するための有効長さがそれぞれ異なる長さW1,W2に設定されている。
図2(a),(b)に示すように、猫背姿勢と左右の肩甲骨20の下角21の位置に相関が見られ、肩甲骨下角間距離Lが広がると猫背の程度がひどくなり(図2(b)の実線で示す肩甲骨の位置)、下角間距離Lが狭まると猫背が解消されて姿勢が良くなる(図2(a)の実線で示す肩甲骨の位置)。
図1(c)に示すように、姿勢検出衣料100は、肩甲骨下角間距離Lの変動によって伸縮するような身生地1を用いて体表面を覆うように構成され、その背部に配された帯状の姿勢検出生地5(5A,5B)によって肩甲骨下角間距離Lの変動を電気抵抗値の変化として間接的に検出する衣料である。尚、姿勢検出生地5は電気抵抗値以外の電気特性の変化として検出可能な生地で構成されていてもよい。例えば、歪みの程度により変化する静電容量や起電力などである。
信号処理部7には、各姿勢検出生地5A,5Bの電気抵抗検出長さに対応した電気抵抗値を求める一対のホイートストンブリッジ回路のような抵抗検出回路と、各抵抗検出回路の出力の差分値を算出する演算回路と、演算回路の出力を外部に送信するブルートゥース(登録商標)のような無線通信回路が組み込まれている。スマートフォン等の携帯端末と無線通信回路とを接続することにより、携帯端末の表示画面に、着用者の姿勢が猫背になっているか否か、どの程度の猫背になっているか、その程度の時間猫背が続いているのかなどの姿勢情報が表示される。
しかし、着用者の呼吸によっても姿勢検出生地5が伸縮するため、呼吸による電気抵抗値の変化がノイズとして重畳して、電気抵抗値の瞬時値では正確な値が得られない虞がある。
そこで、電気抵抗値の時間平均値を求めて呼吸による電気抵抗値の変化を相殺したり、呼吸によるノイズを除去するフィルタ処理を行なったりする必要があるが、そうすると平均化処理のために検出時間を要することになる。上述の構成によれば、二本の姿勢検出生地5A,5Bそれぞれに呼吸による伸縮が同相のノイズとして抵抗値の変動が検出されても、両者の差分を求めることにより同相ノイズが相殺できるようになり、平均化処理のような時間を要することなく肩甲骨下角間距離の変動を正確に検知することができるようになる。
姿勢検出生地5の電気抵抗検出長さを背中心Pに左右対称とすることで、左右方向へのバイアスがかかることなく肩甲骨下角間距離の変動を適正に検出できるようになる。また、上下で勢検出生地の電気抵抗検出長さを異なる長さに設定することにより、上下で肩甲骨下角間距離の変動の程度に差をつけることができ、各電気抵抗値の差分を求める際に呼吸によるノイズのみを効果的に除去することができるようになる。電気抵抗検出長さとは、身生地の伸長に伴って伸長する帯状の姿勢検出生地5のうち、電気抵抗を計測する区間の長さをいう。
左右肩甲骨の下角間距離が最小となる場合の各抵抗値の差分値により着用者の猫背が解消されて良好な姿勢が数値として定まり、下角間距離が最大となる場合の各抵抗値の差分値により着用者の最もひどい猫背姿勢が数値として定まる。
そのため、左右肩甲骨の下角間距離が最小となる場合の各抵抗値の差分値と、下角間距離が最大となる場合の各抵抗値の差分値を基準にして、任意の猫背姿勢の程度が検出されることが好ましく、任意の猫背姿勢に対して求まる各抵抗値の差分値を両者と対比することにより猫背の程度を客観的な数値として表すことができるようになる。
図1(a)では、上方の姿勢検出生地5Aの電気抵抗検出長さが下方の姿勢検出生地5Bの電気抵抗検出長さよりも短くなるように構成された例を説明したが、逆に上方の姿勢検出生地5Aの電気抵抗検出長さが下方の姿勢検出生地5Bの電気抵抗検出長さよりも長くなるように構成されていてもよい。
姿勢検出生地5A,5B自体はそれぞれ同一長さに構成されていることが好ましい。肩甲骨下角間距離の変動に伴う身生地1の伸縮に伴って姿勢検出生地5が伸縮するが、上下の姿勢検出生地5A,5Bの長さを電気抵抗検出長さに合わせると、姿勢検出生地が短い方で、身生地のみが伸縮して姿勢検出生地が伸縮しない虞がある。
上下の姿勢検出生地5A,5Bがそれぞれ同一長さに設定されていれば、身生地の伸縮に応じて上下の姿勢検出生地5A,5Bも同様に伸縮するようになる。そして、肩甲骨下角間距離の変動に伴って伸縮する後身頃と一体になって姿勢検出生地も伸縮するように、各姿勢検出生地5A,5Bの長さは身幅Wと略同じ長さに設定されていることが好ましい。
姿勢検出生地5A,5Bは、肩線とアームホールの交点から下方に35mmから170mmの範囲で、少なくとも10mm以上離隔するように配置されていることが好ましく、この範囲に配置すれば肩甲骨下角間距離の変動に対応して適切に姿勢検出生地5A,5Bが伸縮して猫背姿勢を検出できるようになる。
姿勢検出生地5A、5Bに区画される抵抗検出長さの一方は20mmから230mmの範囲に設定され、他方は前記一方の抵抗検出長さよりも長く、かつ100mmから290mmの範囲に設定されるのが好ましく、さらに抵抗検出長さの一方は30mmから90mmの範囲に設定され、他方は150mmから210mmに設定されていることがより好ましい。この範囲に設定すると呼吸ノイズを相殺しながらも肩甲骨下角間距離の変動を良好に検出できるようになる。
尚、上下の姿勢検出生地を同一長さに設定せず、何れか一方の長さを短くしてもよい。肩甲骨下角間距離の変化の検出力が向上するようになる。
図3(a),(b)には、女性用の姿勢検出衣料100が示されている。上述した実施形態では、各姿勢検出生地5A,5Bの長さは身幅Wと略同じ長さに設定され、導電性伸縮生地6(6A,6B)の接続位置によって電気抵抗検出長さが調整される例を説明したが、本実施形態では、各姿勢検出生地5A,5Bの長さが電気抵抗検出長さとなり、上下で長さが異なるように構成されている。
そして、各姿勢検出生地5A,5Bの左右端部から導電性伸縮生地6A,6Bが左右に延出し、姿勢検出生地5Aと導電性伸縮生地6Aの延出長さ、及び姿勢検出生地5Bと導電性伸縮生地6Bの延出長さが身幅Wと略同じ長さに設定されている。このような構成でも、肩甲骨下角間距離の変動に対応して適切に姿勢検出生地が伸縮するようになる。
姿勢検出生地5の定伸長荷重は、少なくとも身生地の身幅方向の定伸長荷重以上に設定されていることが好ましく、検出部位以外の身生地の伸縮の影響を受けにくくなり、精度よく姿勢変化を検出することができる。また、導電性伸縮生地6の定伸長荷重は姿勢検出生地5の定伸長荷重とほぼ同じ値に設定されていることが好ましい。
身生地1の身幅方向への30%伸長時の定伸長荷重(JIS L1096 E法準拠)は0.01Nから1Nの範囲が好ましく、前記姿勢検出生地の30%伸長時の定伸長荷重は0.2Nから1.8Nの範囲であることが好ましい。
この範囲に設定されていると、検出部位以外の身生地の伸縮の影響を受けにくくなり、姿勢変動に追従して適切に伸縮するようになり、良好に猫背姿勢を検出することができるようになる。
尚、姿勢検出生地のサンプルサイズを120mm×9mmとして、E法規定サイズに調整できないため、E法準拠としている。尚、幅寸法が9mmとは異なる場合には、その幅寸法に応じて比例計算することにより適値が定まる。
身生地1の身幅方向への30%伸長時の定伸長荷重(JIS L1096 E法準拠)が0.02Nから0.6Nの範囲であり、姿勢検出生地の30%伸長時の定伸長荷重(JIS L1096 E法準拠)が0.4Nから1.7Nの範囲であることがより好ましく、身生地1の身幅方向への30%伸長時の定伸長荷重(JIS L1096 E法準拠)が0.03Nから0.45Nの範囲であり、姿勢検出生地の30%伸長時の定伸長荷重(JIS L1096 E法準拠)が0.5Nから1.5Nの範囲であることがさらに好ましい。
身生地の身幅方向への伸長回復率(JIS L1096 E法準拠)は50%から100%の範囲であり、前記姿勢検出生地の伸長回復率は40%から100%の範囲であることが好ましく、この範囲に設定されていると、検出部位以外の身生地の伸縮の影響を受けにくく、良好に猫背姿勢を検出することができるようになり、しかも長期間反復して継続的に猫背姿勢を良好に検出することができる。
身生地の身幅方向への伸長回復率(JIS L1096 E法準拠)がは55%から100%の範囲であり、前記姿勢検出生地の伸長回復率が45%から100%の範囲であることがより好ましく、身生地の身幅方向への伸長回復率(JISL1096 E法準拠)が60%から100%の範囲であり、前記姿勢検出生地の伸長回復率が50%から100%の範囲であることがさらに好ましい。
図9及び図10には、姿勢検出生地5の編組織が例示されている。姿勢検出生地5は、導電糸10で編成された平編地に弾性糸11をインレイによってコース方向に挿入して構成されている。導電糸10の1コース毎に弾性糸11を1コース挿入してあり、弾性糸11は、導電糸10に沿わせつつ導電糸10のループに絡ませている。
「導電糸」とは、金属成分が糸表面に露出した裸素材を言う。また「弾性糸」とは、引っ張り力の無負荷時(非伸長時=常態)では収縮状態を維持し、引っ張り力が負荷されたときには引っ張り力に応じて自由に伸長するものであって、且つ、この引っ張り力を解除して無負荷時に戻せば、伸長状態から元の収縮状態に復元する(収縮する)素材を言う。
導電糸10として、樹脂繊維や天然繊維、或いは金属線等を芯として、この芯に湿式や乾式のコーティング、メッキ、真空成膜、その他の適宜被着法を行って金属成分を被着させた金属被着線(メッキ線)を使用するのが好適である。芯には、モノフィラメントを採用することも可能ではあるが、モノフィラメントよりもマルチフィラメントや紡績糸のほうが好ましい。更にはポリウレタン繊維のような伸縮性を備えた繊維を用いることも可能である。被覆部としてウーリー加工糸やSCY、DCYなどのカバリング糸、毛羽加工糸などの嵩高加工糸がより好ましい。
芯に被着させる金属成分には、例えばアルミ、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、錫、亜鉛、鉄、銀、金、白金、バナジウム、モリブデン、タングステン、コバルト等の純金属やそれらの合金、ステンレス、真鍮等を使用することができる。
弾性糸11として、ポリウレタンやゴム系のエラストマー材料を単独で用いてもよいし、「芯」にポリウレタンやゴム系のエラストマー材料を用い、「カバー」にナイロンやポリエステルを用いたカバリング糸などを採用することができる。このようなカバリング糸を採用することで、親水性、撥水性、耐食・防食性、カラーリング等の機能を付与させることができる。また肌触りの向上や伸びの制御にも有用である。なお、弾性糸11として、導電性素材を含んだ糸を使用することも可能である。
弾性糸11が、導電糸10による平編地に対してコース方向に挿入されているので、この弾性糸11が導電糸10による平編地をコース方向に引き締めるように作用する。これにより、身生地が伸長していないときには、弾性糸11の引き締め力によってコース方向で隣接する導電糸10のループ同士の接触状態が保持される(図9参照)。
導電糸10の個々のループは、コース方向で収縮した形状に変形され、この変形形状が保持される。導電糸10は導電性の裸素材であるから、ループによる接触箇所数が多ければ多いほど、またコース方向で押し縮められることで接触面積が増大すればするほど、導通接点の数、すなわち、導通面積が多く、通電経路が短くなり、コース方向に離れた2箇所間での電気抵抗が小さくなる。
身生地が伸長しているときには、導電糸10のループ同士が、弾性糸11による引き締め力に抗して離反するようになる。このときの導電糸10のループの離反挙動は、全ループが一斉に離反するのではなく、編地の伸長度合いに比例して接触圧が徐々に低下しながらも未だ接触状態を維持するもの(非伸長時よりも接触面積が減少したもの)や、接触を解除して隙間を徐々に広げるもの、或いは非伸長時の接触状態を維持するもの等が混在する状況を経ることになる(図10参照)。
そのため、非伸長時から伸長を開始してその伸長度が大きくなればなるほど、導通面積が減少し、通電経路が長くなり、電気抵抗は徐々に大きくなる傾向を示す。当然に、身生地1による伸長力が解除されると、弾性糸11によるコース方向の引き締め力によってコース方向に収縮し、非伸長時の状態に復元するので、導通面積の増加に伴って電気抵抗は小さくなる。
図9,図10では、導電糸10で平編地を編成する例を説明したが、ゴム編地(フライス編)で地組織を構成し、弾性糸11をインレイによってコース方向に挿入してもよい。
即ち、姿勢検出生地5は、コース方向にループが形成された導電糸10と、コース方向に挿入され収縮状態で各ループが接触し伸長状態で各ループが離反可能な弾性糸11とで編成された編地で構成されている。
さらに、導電性伸縮生地6は、コース方向にループが形成された導電糸と、コース方向に挿入された弾性糸とで編成され、ヒートセットにより弾性糸が導電糸の交編部に熱融着した編地で構成されている。
つまり、姿勢検出生地5とほぼ同じ編組織で構成され、弾性糸11として低融点ポリウレタンが用いられ、姿勢検出生地5で用いる導電糸10よりも太い導電糸10が用いられている。
ヒートセットにより弾性糸11が導電糸10の交編部に熱融着された状態となるので、基本的に弾性糸11によってコース方向に収縮力が作用することがなく、多少の伸長状態であっても収縮状態であっても導電糸10のループの接触状態が殆ど変化することがなく、従って伸縮により抵抗値は殆ど変化することがない。
姿勢検出生地5及び導電性伸縮生地6は、長手方向がコース方向に沿うように帯状に形成されている。尚、長手方向に直交する幅方向の全域が導電糸10による平編地で構成されている必要はなく、少なくとも幅方向中央部のみが導電糸10による平編地で構成され、両側部が絶縁糸による平編地で構成されていてもよい。
図11(a),(b)に示すように、姿勢検出生地5として、弾性糸11を芯部として、導電糸10を一重に被覆したSCYまたは二重に被覆したDCYとしたカバリング糸14により編成された生地を用いることも可能である。
図11(c)に示すように、生地の伸長時に、弾性糸11そのものが伸長することにより巻き付けられた導電糸10の隙間が広がり、隣り合ったコース同士での導電糸の接点が減少することにより抵抗値が変化する。
図11(d)には、このようなカバリング糸を用いた平編地が例示されている。カバリング糸としてSCYとDCYのどちらを用いても良いが、DCYは導電糸どうしの交差部があり導通が確保できる上に被覆密度が上がりやすく、初期抵抗値を下げる効果が得られるのでより好ましい。弾性糸のドラフト率と導電糸の撚り数は肌着用に通常用いられるカバリング糸と同程度(たとえばドラフト率1.0〜5.0倍程度、撚り数50〜2000T/m程度)であればよい。
この例のように、姿勢検出生地5及び導電性伸縮生地6は、身生地1と一体に編成されることも可能であり、身生地1のうち姿勢検出生地5を配置すべき領域のみ身生地1と一体に編成することも可能である。また、身生地1と一体に編成する態様として、身生地の編成後に上述したカバリング糸を身生地に縫い込んで姿勢検出生地5及び導電性伸縮生地6として機能するように構成することも可能である。
身生地1を編成する原糸としてポリウレタン糸を軸に綿等の天然繊維を巻き付けたカバリング糸が好適に用いられる。また、天然繊維以外に、キュプラ、ビスコースレーヨン等の再生セルロース繊維、ポリエステル等の合成繊維等を用いることができる。
身生地1として上述のカバリング糸を用いた天竺編、フライス編み、スムース編み、パール編等の緯編地を好適に用いることができ、コース方向が身幅に沿うように、そしてウェール方向が着丈に沿うように用いられることが好ましい。
身生地1として、熱変形性弾性糸とそれ以外の糸をプレーティング編みで編成し、ヒートセット加工で熱変形性弾性糸を熱変形させることにより解れ止め加工した編地で、端縁が切りっ放し処理されている編地を用いることがさらに好ましい。
このような解れ止め加工を施した編地を採用すれば、洗濯を繰り返しても切りっ放し処理された端部から繊維が解れるようなことが無く、見栄えの悪化を招くことが無い。また、例えば端部を折り返して縫着するような従来の解れ止め加工が不要になるので、従来の解れ止め処理による端部の厚み等に起因する肌触りの悪化による不快感を招くことがなく、肌に優しい衣類が提供できるようになる。
図12に示すように、プレーティング編みは添え糸編みともいい、既存の編成方法を採用することができる。例えば複数本の糸をそれぞれ別の給糸口から、編み針に給糸する編成方法を用いると編成ループそれぞれの糸の配置が安定的に定まるため、特に好ましい。従って、熱変形性弾性糸12とそれ以外の糸13とを別の給糸口から編み針に給糸して編み立てられたプレーティング編地は、各編成ループにおける熱変形性弾性糸12とそれ以外の糸13との配置が安定しているため、全てのループに熱変形性弾性糸を隣接させることができ、ヒートセット加工等により熱変形性弾性糸を熱変形させれば、編地の全てのループで確実に解れ止め機能が実現できるようになる。
具体的に、熱変形性弾性糸12に低融点ポリウレタン弾性糸、それ以外の糸13に綿糸とレーヨンの混紡糸を選択し、フライス編みまたはスムース編みで編成された編地をヒートセット加工することにより、低融点ポリウレタン弾性糸が溶融して互いに融着することで、解れ止め機能が実現される。
このような解れ止め加工された編地を採用すれば、前身頃と後身頃と袖部を接着剤で接合することができ、その際に上述した姿勢検出生地5も接着剤で身生地に接合することができるようになる。
接着剤となる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリウレタン系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、EVA系ホットメルト樹脂、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂、スチレン系エラストマー樹脂、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト樹脂、反応型ホットメルト樹脂等が挙げられる。中でも反応型ホットメルト樹脂は、接着強度が高く、しかも短時間での接着が可能な点で特に好ましい。
図13には、姿勢検出生地5及び導電性伸縮生地6の抵抗値特性が示されている。参考として、銅線を導電糸として用い、弾性糸として155dtexのポリウレタン繊維を用いて交編した導電性伸縮生地の特性も示している。
姿勢検出生地5は、155dtexのポリウレタン繊維を芯糸に用い、芯糸をメッキ糸33dtexでダブルカバリングしてDCYとした導電糸のみでフライス編みされた編地で構成されている。
導電性伸縮生地6は、155dtexのポリウレタン繊維を芯糸に用い、芯糸をメッキ糸231dtex(77dtex×3本)でDCYしたカバリング糸を導電糸として用い、弾性糸として110dtexの低融点ポリウレタン繊維を用いて交編した後にヒートセット加工により、低融点ポリウレタン繊維を導電糸の交差部に融着して構成されている。
姿勢検出生地5は生地の伸長率と抵抗率が線形の関係が現れるが、導電性伸縮生地6は生地の伸長率に関わらず略一定の抵抗率となる。
上述した実施形態では、姿勢検出生地は、後身頃の背部に水平姿勢で上下に間隔を隔てて少なくとも二本略平行に配置された例を説明したが、背中心と交差し且つ左右対称になるように配置されていれば、必ずしも直線状に配置されていなくてもよい。
例えば、図14に示すように、V字状に配置されていてもよいし、曲線状に配置されていてもよい。つまり、姿勢検出生地は、背中心と交差し且つ左右対称になるように、後身頃を構成する身生地と一体に編成または身生地に接合されていればよい。
上述した実施形態では、呼吸ノイズを除去するために2本の姿勢検出生地を配した例を説明したが、呼吸ノイズを除去する必要が無ければ、1本の姿勢検出生地を用いることも可能である。この場合も姿勢検出生地は、背中心と交差し且つ左右対称になるように、後身頃を構成する身生地と一体に編成または身生地に接合されていればよい。
上述した実施形態では、姿勢検出用伸縮部材として、身生地の伸縮状態と相関して伸縮することで電気抵抗が変化する姿勢検出生地を用いた例を説明したが、姿勢検出用伸縮部材で検出される身生地の伸縮に伴って電気抵抗値等の電気的特性が変化する部材であれば、伸縮生地以外の部材を用いることも可能である。例えば圧電素子等で構成される帯状部材を身生地に配することができる。
上述した実施形態では、偏った姿勢として猫背姿勢の検出を主に説明したが、本発明は猫背姿勢の検出のみに限るものではなく、適性な姿勢からの偏り状態を検出することができる。
図4(a)には、ポリウレタン糸と綿糸とを添え糸編みでフライス編みした編地を身生地に用い、後身頃3の背部に姿勢検出生地5となるAからFの6本の帯状のテープを所定間隔隔てて配置した試験衣料が示されている。
各帯状のテープには、一定間隔d5(d5=30mm)で電極となるスナップボタンを取り付けて、任意の電極から信号を取り出せるように構成されている。身生地の身幅方向への30%伸長時の定伸長荷重は0.23N、伸長回復率は80%であり、姿勢検出生地の30%伸長時の定伸長荷重は0.68N、伸長回復率は60%である。
また、テープ間隔d3は30mm、テープ間隔d4は10mm、テープAからFを配した領域は、肩線とアームホールの交点から下方に長さd1=35mmからd2=170mmの範囲で、テープの長さは身幅とほぼ同じ長さ270mmである。
上述の試験衣料を着用した被験者が座位姿勢をとり、頭部と背部と腰部の3点を垂直姿勢の背もたれに接触させた状態で、左右の肩甲骨下角を最も引き寄せた、抵抗値が最小となる引き寄せ率100%姿勢と、左右の肩甲骨下角を最も遠ざけた、抵抗値が最大となる引き寄せ率0%姿勢のそれぞれに対して、適宜定めた2本の帯状テープの適宜定めた2点間の抵抗値を計測し、その差分値を求める。それぞれの差分値に対して、左右の肩甲骨下角間距離をその中間位置としたときの差分値を100%と0%との間での相対値として求める。
例えば、帯状テープAの左右のポイント2−2間が計測対象となる場合に「A2」と表記し、帯状テープEの左右のポイント4−4間が計測対象となる場合に「E4」と表記する。
図4(b)に示すように、引き寄せ率100%時の抵抗差分値をRmin.とし、引き寄せ率0%時の抵抗差分値をRmax.とするとき、任意の抵抗差分値Rに対する引き寄せ率xは、x=100×{1−(R−Rmin.)/(Rmax.−Rmin.)}で求まる。
図5(a)は、帯状テープの好ましい組合せを求める試験結果である。引き寄せ率100%時と0%時のB1−A4の抵抗差分値、F1−E4の抵抗差分値、F1−A4の抵抗差分値がそれぞれ示されている。各特性で表れているリップルは呼吸ノイズである。この特性値を比較すると、B1−A4の抵抗差分値が最もリップルが小さく、精度よく肩甲骨下角間距離が計測できることが分かる。
図5(b)は、帯状テープの好ましい上下方向位置を示す試験結果である。引き寄せ率100%時と、40%時と、0%時のB1−A4の抵抗差分値、D1−C4の抵抗差分値、F1−E4の抵抗差分値がそれぞれ示されている。この特性値によれば、B1−A4の抵抗差分値が最もリップルが小さく、精度よく肩甲骨下角間距離が計測できることが分かる。
図5(a),(b)により、帯状テープの好ましい組合せがB−Aであることが判明したので、さらに帯状テープB,Aの好ましい計測ポイントを求める試験を行なった結果が、図5(c)に示されている。
引き寄せ率100%時と、40%時と、0%時のB2−A5の抵抗差分値、B3−A5の抵抗差分値がそれぞれ示されている。引き寄せ率を変化させたときの立上りリップルが小さい方のB3−A5が好ましいと評価できる。
図6(a),(b),(c)は、帯状テープの好ましい上下方向間隔を求める試験結果である。これらの結果から、B3−A5が好ましいと評価できる。
図7(a),(b)は、帯状テープの長短の組み合わせで上下方向に何れが長い方が好ましいのかを求める試験結果である。何れでも問題ない程度に検知できるが、下段の方が上段よりも長い方が好ましいことが判明した。
図8には、これらの一連の試験の結果がまとめられている。これらの結果から、姿勢検出生地の抵抗検出長さの一方は30mmから90mmの範囲に設定され、他方は150mmから210mmに設定されていると好ましいことが判明した。
本発明による身生地が体表面を被覆する伸縮生地で構成される衣料は、例えば日常的に着用しながら、着用者の猫背姿勢をモニタすることができる姿勢検出衣料として広く活用される。
1:身生地
2:前身頃
3:後身頃
4:袖
5:姿勢検出生地
6:導電性伸縮生地
100:衣料

Claims (5)

  1. 少なくとも前身頃と後身頃を構成する身生地が体表面を被覆する伸縮生地で構成される姿勢検出衣料であって、
    背中心と交差し且つ左右対称になるように、後身頃を構成する身生地と一体に配置され、身生地の伸縮状態の変化を静電容量の変化に変換する帯状の姿勢検出用伸縮部材を備え、前記姿勢検出用伸縮部材で検出される静電容量の変化に基づいて着用者の猫背姿勢を検出可能に構成され、
    前記姿勢検出用伸縮部材は、後身頃の背部に水平姿勢で上下に間隔を隔てて少なくとも二本配置され、身生地の伸縮状態と相関して伸縮することで静電容量が変化する姿勢検出編地で構成され、身生地と一体に編成または身生地に接合されている姿勢検出衣料。
  2. 前記姿勢検出用伸縮部材の静電容量検出長さが背中心に左右対称でそれぞれ異なる値に設定され、検出された各静電容量値の差分値に基づいて着用者の姿勢を検出可能に構成されている請求項1記載の姿勢検出衣料。
  3. 前記姿勢検出用伸縮部材はそれぞれ同一長さに構成されている請求項2記載の姿勢検出衣料。
  4. 前記姿勢検出用伸縮部材は、左右の脇を結んだ線の長さである身幅の長さに設定されている請求項3記載の姿勢検出衣料。
  5. 身生地と一体に編成または身生地に接合され身生地の伸縮状態にかかわらず電気抵抗が略一定の導電性伸縮生地が、前記姿勢検出地と電気的に接続され、前記姿勢検出地の静電容量の変化を検出する信号処理部が前記導電性伸縮生地を介して接続可能に構成されている請求項1から4の何れかに記載の姿勢検出衣料。
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