JP6863509B1 - 伸縮性コンデンサ - Google Patents
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Abstract
Description
[1]第一伸縮性カバー層、第一伸縮性導電層、伸縮性誘電体層、第二伸縮性導電層、第二伸縮性カバー層をこの順に含む導電性積層体を含有し、前記導電性積層体は伸縮性基材と2点以上で着脱可能に係合し、前記係合部の脱離力が1N以上10N以下であることを特徴とする着脱式伸縮性コンデンサ。
[2]前記第一伸縮性カバー層および/または第二伸縮性カバー層と、III型ポリエステル負荷布((JIS L 1930(繊維製品の家庭洗濯試験方法)の附属書H に規定する)との平均摩擦係数が乾燥状態で2以下であることを特徴とする[1]に記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
[3]前記導電性積層体の20%伸長時荷重が、前記伸縮性基材の20%伸長荷重の20倍以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
[4]前記着脱式伸縮性コンデンサを長手方向に15%伸長したときの静電容量の値と、長手方向に17%伸長したときの静電容量の値の差が2.5pF以上であることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
[5]前記伸縮性基材の長手方向における伸長率が5%から20%の範囲において、当該方向の前記伸縮性基材の伸長率に対する前記導電性積層体の伸長率が60%から95%の範囲であることを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
[6]前記伸縮性基材の長手方向に対して垂直方向における伸長率が5%から20%の範囲において、当該方向の前記伸縮性基材の伸長率に対する前記導電性積層体の伸長率が0%から20%の範囲であることを特徴とする[1]から[5]のいずれかに記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
[7]第一伸縮性カバー層、第一伸縮性導電層、伸縮性誘電体層、第二伸縮性導電層、第二伸縮性カバー層をこの順に含む導電性積層体を含有し、前記導電性積層体は伸縮性基材と3点以上で着脱可能に係合し、前記導電性積層体は二次元的に変形し、前記導電性積層体の面積が15%変化したときの静電容量の値と、17%変化したときの静電容量の値の差が2.5pF以上であることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
本発明のウレタンゴムは、高い伸長率を有し、かつ、引張永久ひずみ及び残留ひずみが小さいため繰り返し変形させた際の信頼性に優れる伸縮性接着層となる。
平均摩擦係数とは、2種類の試料を一定荷重で接触させた状態において、一方の試料を固定し、もう一方の試料を一定速度で一定距離動かしたときに、固定していた試料側に掛かった荷重の積分値から算出するものである。前記乾燥状態とは、温度20℃湿度65%RHの環境下で、各層の水分が20質量%以下の状態であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下の状態である。
<弾性率>
被測定試料を厚さ20μmから200μmの範囲の任意の厚さにてシート状に成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。ISO 527−1に規定された方法で引っ張り試験を行って、樹脂材料の応力−歪み線図を求め、常法により弾性率を算出した。
被測定試料を厚さ20μmから200μmの範囲の任意の厚さにてシート状に成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、試験片とした。ついで、引っ張り試験器を用いてS−Sカーブを求め、降伏点の伸度を引張降伏伸度とした。
導体シートの大きさが十分にある場合には、ISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、ダンベル型試験片の中央部にある幅10mm、長さ80mmの部分を試験片として用いた。導体シートの成型が可能な場合には厚さ200±20μmのシート状に加熱圧縮成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、同様に試験片とした。導体シートの大きさが小さく、規定されたダンベル形を得られない場合には、採取可能な幅および長さの矩形を切り取り、試験片とし、測定を行った幅、厚さを用いて換算した。
試験片:幅10mm、長さ80mmの部分の抵抗値[Ω]を、アジレントテクノロージ社製ミリオームメーターを用いて測定し、試験片の縦横比(1/8)を乗じてシート抵抗値「Ω□」を求めた。また、抵抗値[Ω]に断面積(幅1[cm]mm×厚さ[cm])を乗じ、長さ(8cm)にて除して、比抵抗[Ωcm]を求めた。
III型ポリエステル負荷布((JIS L 1930(繊維製品の家庭洗濯試験方法)の附属書H に規定する)は幅10mm、長さ20mmに切り取った。KES-SE(カトーテック社製)の試料台に被測定試料を設置し、摩擦子側にIII型ポリエステル負荷布を貼り付けた状態で、被測定試料上に摩擦子に貼り付けたIII型ポリエステル負荷布を接触させ、25gfの荷重をかけ、感度H、試料移動速度1mm/sにて30mm移動させ、そのうち両端5mmを除く20mmの測定結果から平均摩擦係数MMDを求めた。
導電性積層体、伸縮性基材を引張試験機にチャック間距離50mmで挟み、300mm/分の速度でチャックを移動させ、60mmまで伸長したときの荷重を計測し、20%伸長時荷重とした。試料によって、チャック間距離50mmが取れない場合、これにこだわる必要はない。その場合、可能な距離でチャックし、その距離に対して20%伸長した時の荷重を20%伸長時荷重とした。
着脱式伸縮性コンデンサの係合部より外側において、伸縮性基材を引張試験機のチャックに挟み、300mm/分の速度でチャックを移動させた。チャック間距離に対して5%、20%伸長したときの、導電性積層体の長さを計測し、未伸長時点の導電性積層体の長さに対する伸長率を求めた。
導体シートの大きさが十分にある場合には、ISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、ダンベル型試験片の中央部にある幅10mm、長さ80mmの部分を試験片として用いた。導体シートの成型が可能な場合には厚さ200±20μmのシート状に加熱圧縮成形し、次いでISO 527−2−1Aにて規定されるダンベル型に打ち抜き、同様に試験片とした。導体シートの大きさが小さく、規定されたダンベル形状を得られない場合には、採取可能な幅および長さの矩形を切り取り、試験片とし、測定を行った幅、厚さ、長さを用いて換算した。
試験片:幅10mm、長さ80mmの部分の抵抗値[Ω]を、アジレントテクノロージ社製ミリオームメーターを用いて測定し、試験片の縦横比(1/8)を乗じてシート抵抗値「Ω□」を求めた。
また、抵抗値[Ω]に断面積(幅1[cm]mm×厚さ[cm])を乗じ、長さ(8cm)にて除して、比抵抗[Ωcm]を求めた。
空洞共振器摂動法(ネットワークアナライザー(アンリツ社製))により、温度23℃、周波数1GHzの条件で伸縮性導体シートの比誘電率を測定した。
センシングは以下の評価基準により判定した。
◎:全伸縮動作のうち80%以上を静電容量変化にて検出することができる。
○:全伸縮動作のうち60%以上80%未満を静電容量変化で検出することができる。
×:全伸縮動作のうち、静電容量変化で検出できたものが60%未満である。
装着違和感は以下の評価基準により判定した。
◎:締め付け感、突っ張り感について5段階の主観評価を実施し、違和感なしを5とした時の評価が4以上である。
○:締め付け感、突っ張り感について5段階の主観評価を実施し、違和感なしを5とした時の評価が3である。
×:締め付け感、突っ張り感について5段階の主観評価を実施し、違和感なしを5とした時の評価が2以下である。
保管・取り扱い性は以下の評価基準により判定した。
◎:室温にて2本以上の着脱式伸縮性コンデンサを積層保管後もべたつき、および貼りつきが発生しない。
○:室温にて2本以上の着脱式伸縮性コンデンサを積層保管後、べたつきはあるものの、貼りつきは発生しない。
×:室温にて2本以上の着脱式伸縮性コンデンサを積層保管後、べたつき、および貼りつきが発生する。
センサ損傷は以下の評価基準により判定した。
◎:50%伸長時において、静電容量変化に異常が発生しない。
○:30%以上50%未満に伸長した際、伸長に対する静電容量変化の直線性が損なわれる。
×:10%以上30%未満に伸長した際、伸長に対する静電容量変化の直線性が損なわれる。
ニトリル量40質量%、ムーニー粘度46のニトリルブタジエンゴム12質量部、イソホロン30質量部、平均粒子径6μmの微細フレーク状銀粉[福田金属箔粉工業社製 商品名Ag−XF301]58質量部、を均一に混合し、三本ロールミルにて分散することにより伸縮性導電層形成用ペーストAG1を得た。得られた伸縮性導電層形成用ペーストAG1を離型PETフィルム状にスクリーン印刷法を用いて、塗布乾燥し、厚さ22μmの伸縮性導体シートを得た。
伸縮性カバー層としてウレタン樹脂を用い、導電性積層体と伸縮性基材の係合部にマグネットを用いたこと以外は、実施例1と同様に操作して着脱式伸縮性コンデンサを得た。各評価結果を表1に示す。
得られた着脱式伸縮性コンデンサをストレッチ素材を用いた半袖シャツの胸部に貼り付け、同様にセンシングウェアを得た。得られたセンシングウェアを30才の健康な男性に着用させ、実施例1と同様の方法でラジオ体操第一を行ったときの呼吸状態を計測した。結果、被験者は特に違和感を感じることなく運動を行い、ラジオ体操における体動がある中で、呼吸波形を正確に計測することができた。またその後着脱式伸縮性コンデンサを保管し、再度計測に使用する場合もべたつきなどが発生せず、取り扱い性も良好であった。
導電性積層体の形状以外は、実施例1と同様に操作して着脱式伸縮性コンデンサを得た。形状については、図6に詳細に示すが、第一伸縮性カバー層、伸縮性誘電体層、第二伸縮性カバー層は40mm角の正方形の形状とした。第一伸縮性導電層と第二伸縮性導電層は20mm角の正方形の形状部分が厚み方向に重なり、5mm角の突起部分は厚み方向に重ならない構成とした。各評価結果を表1に示す。
得られた着脱式伸縮性コンデンサをストレッチ素材のシャツの肘関節部に係合し、30才の健康な男性に着用させラジオ体操第一をさせたときの腕の動きをセンシングした。結果、被験者は特に違和感を感じることなく、肘を曲げた時の角度を計測することができた。またその後着脱式伸縮性コンデンサを保管し、再度計測に使用する場合もべたつきなどが発生せず、取り扱い性も良好であった。
第一伸縮性カバー層に天然ゴムを用いた部分以外は、実施例1と同様に操作して着脱式伸縮性コンデンサを得た。各評価結果を表1に示す。
得られた着脱式伸縮性コンデンサをストレッチ素材を用いた半袖シャツの胸部に貼り付け、センシングウェアを得た。得られたセンシングウェアを30才の健康な男性に着用させ、実施例1と同様の方法でラジオ体操第一を行ったときの呼吸状態を計測した。結果、被験者は着脱式伸縮性コンデンサ部分にやや違和感を覚えたものの概ね問題なく、呼吸波形の測定精度も概ね問題なかった。またその後着脱式伸縮性コンデンサを保管し、再度計測に使用した場合、カバー層にややべたつきがあったが、カバー層同士でくっつくなどの現象は発生せず、取り扱い性にも問題なかった。
伸縮性誘電体層にアクリル樹脂を用いて、係合部材にはバネホックボタンを用いた部分以外は、実施例1と同様に操作して着脱式伸縮性コンデンサを得た。各評価結果を表1に示す。
得られた着脱式伸縮性コンデンサをストレッチ素材を用いた半袖シャツの胸部に貼り付け、センシングウェアを得た。得られたセンシングウェアを30才の健康な男性に着用させ、トレッドミルを用いて16km/hにて奏功したときの呼吸状態を計測した。結果、呼吸波形はノイズとの区別ができず、正確なセンシングができなかった。またその後着脱式伸縮性コンデンサにて再度計測を試みたが、静電容量値が異常値となる傷傾向を示した。これは、導電性積層体と伸縮性基材の係合部の脱離力が高いため、導電性積層体に想定を超える力が加わっていたにもかかわらず、伸縮性基材からの脱離が起こらず、導電性積層体が過伸長となって起こった損傷であると考えられる。
第一伸縮性カバー層にウレタン樹脂、第二伸縮性カバー層にアクリル樹脂を用いて、係合部材には磁力の弱いマグネットを用いた部分以外は、実施例1と同様に操作して着脱式伸縮性コンデンサを得た。各評価結果を表1に示す。
得られた着脱式伸縮性コンデンサをストレッチ素材を用いた半袖シャツの胸部に貼り付け、センシングウェアを得た。得られたセンシングウェアを30才の健康な男性に着用させ、実施例1と同様の方法でラジオ体操第一を行ったときの呼吸状態を計測した。結果、呼吸波形はラジオ体操の体動の影響を受けて、一部の呼吸を検出できず、正確なセンシングができなかった。また導電性積層体と伸縮性基材の脱離力が低いため、ラジオ体操の途中で頻繁に脱離が起こり、計測の中断がたびたび発生した。
11.伸縮性基材
12.第一伸縮性カバー層
13.第一伸縮性導電層
14.伸縮性誘電体層
15.第二伸縮性導電層
16.第二伸縮性カバー層
17.検出部
18.スルーホール
19.防水カバー層
20.係合部
21.第一伸縮性導電層と第二伸縮性導電層が厚み方向に重なる部分
22.脱着式伸縮性コンデンサ
Claims (6)
- 係合部、第一伸縮性カバー層、第一伸縮性導電層、伸縮性誘電体層、第二伸縮性導電層、第二伸縮性カバー層をこの順に含む導電性積層体を含有し、前記導電性積層体は伸縮性基材と2点以上で着脱可能に係合し、前記係合部の脱離力が1N以上10N以下であり、前記第一伸縮性カバー層および/または第二伸縮性カバー層と、III型ポリエステル負荷布(JIS L 1930(繊維製品の家庭洗濯試験方法)の附属書H に規定する)との平均摩擦係数が乾燥状態で2以下であることを特徴とする着脱式伸縮性コンデンサ。
- 前記導電性積層体の20%伸長時荷重が、前記伸縮性基材の20%伸長荷重の20倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
- 前記着脱式伸縮性コンデンサを長手方向に15%伸長したときの静電容量の値と、長手方向に17%伸長したときの静電容量の値の差が2.5pF以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
- 前記伸縮性基材の長手方向における伸長率が5%から20%の範囲において、当該方向の前記伸縮性基材の伸長率に対する前記導電性積層体の伸長率が60%から95%の範囲であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
- 前記伸縮性基材の長手方向に対して垂直方向における伸長率が5%から20%の範囲において、当該方向の前記伸縮性基材の伸長率に対する前記導電性積層体の伸長率が0%から20%の範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
- 係合部、第一伸縮性カバー層、第一伸縮性導電層、伸縮性誘電体層、第二伸縮性導電層、第二伸縮性カバー層をこの順に含む導電性積層体を含有し、前記導電性積層体は伸縮性基材と3点以上で着脱可能に係合し、前記導電性積層体は二次元的に変形し、前記導電性積層体の面積が15%変化したときの静電容量の値と、17%変化したときの静電容量の値の差が2.5pF以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の着脱式伸縮性コンデンサ。
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