JP6969934B2 - バッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法 - Google Patents

バッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、バッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法に関し、詳しくはエンジンを搭載する車両のバッテリにおいて、エンジンをクランキングさせたときの電圧値又は電流値に基づきその充電状態や劣化状態を診断するバッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法に関する。
近年、車両に搭載されるバッテリの充電状態や劣化状態を診断するため、バッテリに電流センサや電圧センサなどを取り付けて、バッテリの電流値及び電圧値などを検出することが広く行われる。
特に、バッテリの状態を診断するには、エンジンをクランキングさせたときの電圧値及び電流値が一般的に用いられる。但し、クランキング時、スタータモータに流れる電流は、その直後は突入電流であり大きな電流が流れる。その後、突入電流が収束するとスタータモータの回転に応じた電流が流れる。このため、クランキングさせたときの電圧値及び電流値は急峻な波形となる。
ここで、診断の信頼性を高めるため、突入電流が収束した後の電圧値の最小値とその時の電流値などを検出し、この検出結果に基づきバッテリの状態診断が行われる。例えば、図4に示すように、符号Pに示す電圧値が、突入電流が収束した後の電圧値の最小ピークを示す。すなわち、電圧値Pは、エンジンが始動する前においてスタータモータの駆動期間での最小ピークとなる。この電圧値Pに基づいてバッテリの状態診断が行われる。
なお、この電圧値Pは、突入電流によるピークを1番目とすると2番目のピークに当たるので「第2ピーク」とも呼ばれる。本明細書でも特に断りがない限り、この電圧値Pを以下「第2ピーク」とも言う。また、図4は、エンジンのクランキング時の電圧計測値の波形を示すグラフである。
また、ピークを検出してバッテリの状態を診断するものとしては、バッテリの電流の電流値を検出する電流検出手段(電流センサ)と、この電流値に基づき、スタータモータに突入電流が流れた後に、電流の最初の極値を検出する極値検出診断と、電流値の所定時間当たりの変化量に基づき、突入電流が流れた後に、電流の最初の変曲点を検出する変曲点検出手段と、を有し、極値と変曲点が検出されたタイミングが所定の時間以上離れている場合には変曲点を選択し、それ以外の場合には極値及び変曲点の何れかを選択して始動電流とするものが知られる(特許文献1参照)。
また、バッテリの出力電圧を検出する電圧センサと、この電圧センサの検出電圧に基づき、バッテリの状態を検出する処理部と、を有し、この処理部は、エンジンのクランキングが行われる際に、電圧センサが検出する検出電圧の波形に含まれる何れか1つのピークを含む1波形周期以下の期間内における波形に基づいて、エンジンのクランキング回数を検出し、そのクランキング回転数に基づいてバッテリの状態を診断するものも知られる(特許文献2参照)。
特開2013−193620号公報 特開2007−83965号公報
ところで、上記特許文献1及び2に示すようなバッテリ状態診断装置では、マイコン(制御回路、処理部)が通常搭載されており、マイコンが電圧センサや電流センサを制御して、所定のサンプリング周期で、電流値及び電圧値を計測値(サンプルデータ)として離散的に取り込んで処理する。具体的には、クランキング時のピークを検出するには、クランキング時の電圧波形において電圧値の立ち下がり時間から所定の時間の計測値を、まずメモリなどの記憶部に時系列順に記憶保持する。そして、記憶部に記憶保持された計測値に基づき、マイコンがピークを探索することが行われる。
しかしながら、この大容量の計測値の中から、第2ピークの計測値を検出するには、単純に2番目に最小となる電圧値を検出するだけでは不十分であり、最初の突入電流が収束した後のピークを検出する必要がある。
また、特許文献1では、第2ピークを検出するため電流値の最初の変曲点を算出する。具体的には、特許文献1は、現在の計測値(現サンプルデータ)と直前の計測値(1サンプリング周期前のサンプルデータ)との差分を逐次算出し、その算出結果が上昇(増加)又は下降(減少)にあるか否かで単純に第2ピークを検出していた。しかしながら、車両には、ラジオノイズ、内部装置及び回転駆動機構などで発生する環境ノイズが多く存在する。このため、その環境ノイズが電圧センサや電流センサなどの検出部に誤って検出される場合があり、これにより、環境ノイズの影響で第2ピークを誤検出してしまう可能性があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、環境ノイズの影響による第2ピークの誤検出の発生を抑制するとともに第2ピークを精度良く検出することができるバッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るバッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法は、下記(1)を特徴としている。
(1)
車両に搭載されたエンジンをクランキングさせたときにバッテリの状態を診断するバッテリ状態診断装置であって、
所定のサンプリング周期で前記バッテリの電圧値又は電流値を計測値Pとして時系列順t(t=1,2,…,T)に記憶保持する記憶部と、
前記記憶部に記憶保持された前記計測値Ptそれぞれに対し、直近のN(Nは2以上の自然数)個の前記計測値(Pt,Pt-1,Pt-2,…,Pt-N+1)の移動平均値Atを算出し、前記移動平均値Atそれぞれに対して、直前の前記移動平均値At-1と比較して上昇又は下降なのかを逐次判定し、その判定結果が、前記計測値Ptが電圧値の場合には上昇から下降、前記計測値Ptが電流値の場合には下降から上昇に転じる変化時点Tcを検出し、前記変化時点Tcからクランキングの終了時点Teまでの間の前記移動平均値(ATc,…,ATe)において、前記計測値Ptが電圧値の場合には最小、前記計測値Ptが電流値の場合には最大となる時点の前記移動平均値Atを第2ピークとし、前記第2ピークにおける前記計測値Pt又は前記移動平均値Atと所定値との比較結果に基づいて前記バッテリが劣化しているか否かを判定する制御部と、
を備える
ことを特徴とするバッテリ状態診断装置。
上記(1)のバッテリ状態診断装置の構成によれば、電圧値又は電流値の計測値Pにおいて直近のN個の移動平均値Aを算出して第2ピークを検出するので、環境ノイズに起因する高周波成分を除去し、環境ノイズの影響による第2ピークの誤検出の発生を抑制することができる。また、このように高周波成分を除去した状態で、直前の移動平均値At-1と比較して上昇又は下降を逐次判定し、その判定結果が、計測値Pが電圧値の場合には上昇から下降、計測値Pが電流値の場合には下降から上昇に転じる変化時点Tcを検出し、この変化時点Tcから第2ピークを検出する。これにより、第2ピークを確実に検出し、バッテリの状態診断の精度を向上させることができる。
本発明のバッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法によれば、電圧値又は電流値の計測値Pにおいて直近のN個の移動平均値Aを算出して第2ピークを検出するので、環境ノイズに起因する高周波成分を除去し、環境ノイズの影響による第2ピークの誤検出の発生を抑制することができる。また、このように高周波成分を除去した状態で、直前の移動平均値At-1と比較して上昇又は下降を逐次判定し、その判定結果が、計測値Pが電圧値の場合には上昇から下降、計測値Pが電流値の場合には下降から上昇に転じる変化時点Tcを検出し、この変化時点Tcから第2ピークを検出する。これにより、第2ピークを確実に検出し、バッテリの状態診断の精度を向上させることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるだろう。
図1は、本発明に係る第1実施形態のバッテリ状態診断装置の概略構成を説明するブロック図である。 図2は、図1に示す制御部のソフトウェア構成を機能的に説明する機能ブロック図である。 図3は、図1に示す制御部が行う処理を説明するフローチャートである。 図4は、エンジンのクランキング時の電圧計測値の波形を示すグラフである。 図5は、エンジンのクランキング時の電流計測値の波形を示すグラフである。 図6は、図4に示す電圧計測値の移動平均波形を、その波形における上昇又は下降の変化状況と共に示すグラフである。 図7は、本発明に係る第2実施形態の制御部のソフトウェア構成を機能的に説明する機能ブロック図である。 図8は、図7に示す制御部が行う処理を説明するフローチャートである。
本発明のバッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法に関する具体的な複数の実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
なお、本実施形態で言う「部」とは単にハードウェアによって実現される物理的構成に限定されず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアによって実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成によって実現されても、又は2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていても構わない。
(第1実施形態)
図1〜図6を参照して、本発明に係るバッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法の第1実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、電圧値、電圧計測値(計測値)に基づいて第2ピークを検出する。電流値、電流計測値(計測値)に基づく場合については第2実施形態で説明する。
<バッテリ状態診断装置の構成>
まず図1を参照して、本実施形態のバッテリ状態診断装置10の構成について説明する。図1は、本実施形態のバッテリ状態診断装置10の概略構成を説明するブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のバッテリ状態診断装置10は、自動車(車両)に搭載されるバッテリBに取り付けられ、自動車に搭載されたエンジンEをクランキングさせたときにその充電状態や劣化状態を診断するものである。バッテリ状態診断装置10は、電圧センサ11と、電流センサ12と、アラーム13と、メモリ(記憶部)20と、マイコン(制御部)30と、を備える。
バッテリBは、正極に二酸化鉛、負極に海綿状の鉛、そして電解液として希硫酸を含む液式鉛蓄電池である。バッテリBは、負極が接地され、エンジンEの駆動部に連結する不図示のオルタネータにより充電される。また、バッテリBは、直流電動機で構成され、エンジンEに連結するスタータモータSに電力を供給し、スタータモータSを回転駆動させる。スタータモータSは、エンジンEをクランキングさせてエンジンEを始動する。このクランキング時には、バッテリBには突入電流が流れる。突入電流が収束すると、バッテリBにはスタータモータSの回転に応じた電流が流れる。
電圧センサ11は、ハードウェアとして増幅回路を含むIC(Integrated Circuit)などを有して構成され、バッテリBの端子電圧を検出し、マイコン30にその検出結果である電圧値Vを出力する。電流センサ12も同様にICなどを有して構成され、バッテリBに流れる電流を検出し、マイコン30にその検出結果である電流値Iを出力する。
なお、電流センサ12は、例えば抵抗値が既知の抵抗部(不図示)をさらに有し、この抵抗部の抵抗値と電圧センサの電圧値Vに基づき、オームの法則に従ってバッテリBに流れる電流を検出するように構成しても良い。
アラーム13は、通常の赤色のLEDライトで構成され、制御部30の指示に従って点灯する。この点灯により、バッテリBの状態がドライバーに報知される。
なお、アラーム13は、自動車のメーターパネル上に配置されても良い。
メモリ20は、計測データ格納領域21と、パラメータ格納領域22と、を有する。メモリ20は、その計測データ格納領域21に、電圧センサ11の電圧値V及び電流センサ12の電流値Iを、電圧計測値PV(計測値、P)及び電流計測値PI(計測値、P)としてそれぞれ時系列順t(t=1,2,…,T)に記憶保持する。また、メモリ20は、そのパラメータ格納領域22に、マイコン30のピーク検出部(後述)36がクランキングの終了時点Teを検知するための電流閾値(後述)THを記憶保持する。
なお、メモリ20の容量は、これら計測値PV,PIを格納可能なように、マイコン30のメモリ回路(不図示)よりも大きく設けられる。また、電圧センサ11の電圧値V及び電流センサ12の電流値Iは、マイコン30のサンプル取込部(後述)31によって所定のサンプリング周期で取り込まれる。そして、電圧センサ11の電圧値V及び電流センサ12の電流値Iは、このサンプル取込部31の指示に従って、メモリ20の計測データ格納領域21に電圧計測値PV及び電流計測値PIとして記憶保持される。
マイコン30は、ハードウェアとして、不図示の演算回路、インタフェース回路、メモリ回路及び通信回路などを有する通常のミニコンピュータシステムで構成され、バッテリ状態診断装置10の制御部として機能する。
<マイコンの構成>
次に図2を参照して、マイコン30のソフトウェア構成に関する機能について説明する。図2は、マイコン30の構成を機能的に説明する機能ブロック図である。
図2に示すように、本実施形態のマイコン30は、サンプル取込部31と、移動平均算出部32と、上下判定部33と、連続判定部34と、変化検出部35と、ピーク検出部36と、状態診断部37と、を少なくとも有する。
なお、本実施形態では、これら部分は、プログラムとしてマイコン30のメモリ回路にそれぞれ格納されており、マイコン30の演算回路に適宜読み出されて実行される。
サンプル取込部31は、マイコン30のインタフェース回路を通じて、所定のサンプリング周期で電圧センサ11の電圧値V及び電流センサ12の電流値Iを電圧計測値PV及び電流計測値PI(t=1,2,…,T)として時系列順tでそれぞれ取り込む。また、サンプル取込部31は、その取り込んだ計測値PV,PIをメモリ20に出力し、メモリ20の計測データ格納領域21内に互いに時系列で関連付けて記憶保持させる。
移動平均算出部32は、メモリ20に格納された電圧計測値PVを読み込み、この電圧計測値PVそれぞれに対し、直近のN(Nは2以上の自然数、本実施形態では「16」の値)個の電圧計測値PV,PVt-1,PVt-2,…,PVt-15の電圧移動平均値AV(移動平均値、A)を時系列順tでそれぞれ算出する。移動平均算出部32は、その算出結果である電圧移動平均値AVを上下判定部33及びピーク検出部36に出力する。
上下判定部33は、移動平均算出部32の電圧移動平均値AVを読み込み、この電圧移動平均値AVそれぞれに対し、直前の電圧移動平均値AVt-1と比較して上昇(増加)又は下降(減少)なのかを時系列順tで選択的に判定する。このとき、上下判定部33は、上昇であれば「1」の値、下降であれば「0」の値を代入し、その判定結果を変化方向(変数)CDとして数値化する(図6参照)。上下判定部33は、その判定結果である変化方向CDを連続判定部34及び変化検出部35に出力する。
連続判定部34は、上下判定部33の変化方向CDを読み込み、この変化方向CDにおいて上昇「1」の連続回数を時系列順tで逐次カウントする。連続判定部34は、カウントした上昇「1」の連続回数がM(Mは2以上の自然数、本実施形態では「10」の値)回以上か否かを判定する。連続判定部は、その上昇「1」の連続回数が10回以上である判定している場合には、電圧移動平均値AVが上昇し続けている状況(上昇状況)にあると確定する。その確定の結果、連続判定部34は、確定フラグ(設定変数)Fに「1」の値を代入してその値を「0」から「1」に変更する。連続判定部34は、この確定フラグFを検出開始の合図として変化検出部35に出力する。
変化検出部35は、連続判定部34の確定フラグFを読み込み、この確定フラグFが「1」になったことを合図にしてその時点から検出を開始する。すなわち、変化検出部35は、上下判定部33の変化方向CDも同時に読み込んでおり、確定フラグFが「1」になった時点からその変化方向CDが上昇「1」から下降「0」に転じる瞬間である変化時点Tcを時系列順tで検出する(図6参照)。そして、変化検出部35は、その検出結果である変化時点Tcの値をピーク検出部36に出力する。
ピーク検出部36は、変化検出部35の変化時点Tc、移動平均算出部32の電圧移動平均値AV、メモリの電流計測値PI、及びメモリ20の電流閾値THの値を読み込む。そして、ピーク検出部36は、変化時点Tcを検出開始時点として、移動平均算出部32の電圧移動平均値AVに対し最小となる時点の電圧移動平均値AVを時系列順tで検出し始める。
また、ピーク検出部36は、この検出と並行して電流計測値PIが電流閾値TH以下であるか否かを逐次判定して、電流計測値PIが電流閾値TH以下になった瞬間をクランキングの終了時点Teとして検出する(図6参照)。すなわち、ピーク検出部36は、変化時点Tcからクランキングの終了時間Teまでの電圧移動平均値AVTc,…,AVTeにおいて、最小となる時点の電圧移動平均値AVを検出し、このときの電圧移動平均値AVを第2ピークPとして設定する。そして、ピーク検出部36は、その第2ピークPの情報を状態診断部37に出力する。
状態診断部37は、ピーク検出部36で検出された第2ピークPにおける電圧計測値PVに基づいてバッテリBの状態を診断する。具体的には、状態診断部37は、第2ピークPにおける電圧計測値PVが事前に設定される所定の閾値以下である場合には、バッテリBが劣化しているとしてアラーム13を点灯させて警告する。また、状態診断部37は、上流装置(不図示)にその診断結果を出力する。
なお、本実施形態では、電圧計測値PVに基づいてバッテリBの診断をするが、これに代えて、第2ピークPにおける電圧移動平均値AV、或いは電流計測値PIや電流移動平均値AIで行っても良い。
<マイコンの処理の手順、バッテリ状態診断方法>
次に図3〜図6を参照して、本実施形態に係るバッテリ状態診断装置10の動作、特にマイコン30の処理の手順、バッテリ状態診断方法について説明する。図3は、マイコン(制御部)30が行う処理を説明するフローチャートである。図4は、エンジンEのクランキング時の電圧計測値PVの波形を示すグラフである。図5は、エンジンEのクランキング時の電流計測値PIの波形を示すグラフである。図6は、電圧移動平均値AVの波形(電圧計測値PVの移動平均波形)を、その波形における変化方向CD(上昇又は下降の変化状況)と共に示すグラフである。
図3に示すように、まずステップS11では、エンジンEのクランキング時においてバッテリBの電圧値V及び電流値Iが、電圧センサ11及び電流センサ12により検出される。そして、これら電圧値V及び電流値Iが、マイコン30のサンプル取込部31に入力され、所定のサンプリング周期で電圧計測値PV及び電流計測値PIとして取り込まれる。
ステップS12では、サンプル取込部31により周期的に取り込まれた電圧計測値PV及び電流計測値PIは、時系列順tにメモリ20の計測データ格納領域21に記憶保持される。このとき、電圧計測値PV及び電流計測値PIは、時系列で関連付けられて記憶保持される。
また、図4及び図5に示すように、電圧計測値PV及び電流計測値PIは、メモリ20に格納されたままの状態では、環境ノイズに起因する高周波成分が重畳する波形となっている。このような状態で第2ピークPを検出すると、この高周波成分の影響で誤検出する可能性がある。このため、本実施形態では、電圧計測値PVから高周波成分を除去するため、ステップS13を実施する。
図3に戻り説明を続ける。ステップS13では、移動平均算出部32は、メモリ20から電圧計測値PVを読み込み、この電圧計測値PVそれぞれに対し直近の16個の電圧計測値PV,PVt-1,PVt-2,…,PVt-15の電圧移動平均値AVを時系列順tでそれぞれ算出する。この算出により、移動平均算出部32は、電圧計測値PVの高周波成分を除去する。
ステップS14では、上下判定部33は、ステップS13で算出した電圧移動平均値AVに対し、直前の電圧移動平均値AVt-1と比較して上昇「1」又は下降「0」なのかを時系列順tでそれぞれ選択的に判定して、この判定結果を変化方向CDとして数値化する。すなわち、上下判定部33は、電圧移動平均値AVが、直前の電圧移動平均値AVt-1と比較して増加した場合には上昇「1」とし、減少した場合には下降「0」として、電圧移動平均値AVの増減の変化を逐次判定する。
ここで、図6を参照して、電圧移動平均値AVの変動と、電圧移動平均値AVの変化方向CDと、の関係について説明する。
図6の実線で示すように、エンジンEをクランキングさせるとその直後には突入電流が流れ、電圧移動平均値AVは、それに対応して急峻に下降した後、徐々に上昇する。そして、スタータモータSが回転駆動すると、電圧移動平均値AVは周期的に変動する。さらに、エンジンE始動後は、電圧移動平均値AVは、一度上昇して定常状態となる。
但し、定常状態においても電圧移動平均値AVは周期的に変動するが、その振れ幅は小さい。
そして、図6の点線で示すように、このように変動する電圧移動平均値AVに対応して、電圧移動平均値AVの変化方向CDは、突入電流における変動時において、その直後は上昇「1」を示すが、急峻な下降時は下降「0」を示す。その後、変化方向CDは、突入電流が収束するまでの間は上昇「1」の状態を暫く示す。そして、変化方向CDは、スタータモータSの回転駆動時では上昇「1」又は下降「0」を周期的に繰り返す。このような変動特性を踏まえた上で、本実施形態では、スタータモータSによる変動の開始時点として変化時点Tcを検出するため、ステップS15からステップS18を順次実施する。
再度図3に戻り説明を続ける。ステップS15では、連続判定部34は、ステップS14での変化方向CDにおいて上昇「1」の連続回数を時系列順tで逐次カウントする。そして、ステップS16では、連続判定部34は、カウントした上昇「1」の連続回数が10回以上か否かを判定する。
ステップS16での判定の結果、連続回数のカウントが10回未満である場合、或いは10回までのカウントの途中で下降「0」になってしまった場合には、ステップS16のNOでステップS15に戻り、連続判定部34は、上昇「1」のカウントを継続、或いはカウントを最初からやり直す。
その一方で、ステップS16での判定の結果、上昇「1」の連続回数のカウントが10回以上である場合には、ステップS16のYESでステップS17に進む。ステップS17では、連続判定部34は、電圧移動平均値AVが上昇し続けている状況であるとして上昇状況を確定する。その確定の結果、連続判定部34は、確定フラグFに「1」を代入し、変化検出部35に検出開始の合図を出力する。
ステップS18では、変化検出部35は、連続判定部34によって確定フラグFが「1」に変更したことを合図にその時点から検出を開始する。すなわち、変化検出部35は、確定フラグFが「1」になった時点から、ステップS14での変化方向CDがその上昇状況において上昇「1」から下降「0」に転じる変化時点Tcを時系列順tで検出する。
ステップS19では、ピーク検出部36は、ステップS18で検出した変化時点Tcを検出開始時点として、ステップS13で算出した電圧移動平均値AVに対し最小となる時点の電圧移動平均値AVを時系列順tで検出し始める。
そして、ステップS20では、ピーク検出部36は、ステップS19での検出と並行して電流計測値PIが電流閾値TH以下であるか否かを逐次判定する。この判定の結果、電流計測値PIが電流閾値THよりまだ大きい場合には、ステップS20のNOでステップS19に戻って、ピーク検出部36は、最小となる時点の電圧移動平均値AVを検出し続ける。
その一方で、電流計測値PIが電流閾値TH以下となった場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、ピーク検出部36は、電流計測値PIが電流閾値TH以下となる時点をクランキングの終了時点Teとして検出して(図6参照)、最小となる時点の電圧移動平均値AVの検出を終了する。そして、ピーク検出部36は、ピーク検出部36は、このように検出された電圧移動平均値AVを第2ピークPに設定する。
すなわち、このステップS19〜ステップS21の一連のステップで、ピーク検出部36は、変化時点Tcからクランキングの終了時点Teまでの間の電圧移動平均値AVTc,…,AVTeにおいて、最小となる時点の電圧移動平均値AVを検出することになる。
また、N及びMの値は、変化時点Tcからクランキングの終了時点Teまでの電圧移動平均値AVTc,…,AVTeの波形の変動周期に基づいてそれぞれ設定される。Nの値は変動周期の範囲を超えて設定されると電圧計測値PVの低周波成分までも除去する結果となる。このため、本実施形態では、Nの値は、Mの値も同様にその波形の変動周期内に収まるように、前述したように、Nは「16」の値に、Mは「10」の値に設定される(図6参照)。また、クランキング時の電圧値V又は電流値Iは車両によって異なるので、N及びMの値は事前に設定されるパラメータとして適宜可変可能に設けられ、また車両ごとに最適値に設定される。
ステップS22では、状態診断部37は、ステップS21で検出された第2ピークPにおける電圧計測値PVに基づいてバッテリBの状態を診断する。この診断の結果、状態診断部37は、第2ピークPにおける電圧計測値PVが所定の閾値以下である場合には、バッテリBが劣化していると診断してアラーム13を点灯させて警告する。
このようにステップS11からステップS22まで一連のステップを実施することで、第2ピークPを確実に検出して、バッテリBの状態を精度良く診断可能である。
<バッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法の利点>
以上説明したように本実施形態によれば、電圧値Vの電圧計測値PV(計測値、P)において直近の16(N、自然数)個の電圧移動平均値AV(移動平均値、A)を算出して第2ピークPを検出するので、環境ノイズに起因する高周波成分を除去し、環境ノイズの影響による第2ピークPの誤検出の発生を抑制することができる。また、このように高周波成分を除去した状態で、直前の電圧移動平均値AVt-1(移動平均値、At-1)と比較して上昇「1」又は下降「0」を逐次判定し、その判定結果が、上昇「1」から下降「0」に転じる変化時点Tcを検出し、この変化時点Tcから第2ピークPを検出する。これにより、第2ピークPを確実に検出し、バッテリBの状態診断の精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、電圧移動平均値AV(移動平均値、A)それぞれに対する上下の判定結果として、上昇「1」が連続する回数が10(M、自然数)回以上か否かを逐次判定し、連続する回数が10回以上であると判定している場合において、その上下の判定結果が、下降「0」に転じる時点を、変化時点Tcとして検出し、この変化時点Tcから第2ピークPを検出し始めるので、クランキング時直後の突入電流による急峻な変動値を第2ピークPとして誤検出することを抑制して、第2ピークPをより精度良く検出することができる。
(第2実施形態)
次に、図7及び図8を参照して、本発明に係るバッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法の第2実施形態について説明する。
なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一或いは同等符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
<マイコンの構成>
まず図7を参照して、本実施形態のマイコン(制御部)40の構成について説明する。図7は、実施形態のマイコン40のソフトウェア構成を機能的に説明する機能ブロック図である。
図7に示すように、本実施形態では電圧センサ11の電圧値Vや電圧計測値PVを用いず、電流センサ12の電流値Iや電流計測値PIのみを用いて第2ピークPを検出する。このため、本実施形態のマイコン40のサンプル取込部41は、所定のサンプリング周期で電流センサ12の電流値Iのみを電流計測値PIとして時系列順tで取り込む。また、サンプル取込部41は、その取り込んだ電流計測値PIをメモリ20に出力し、メモリ20の計測データ格納領域21内に記憶保持させる。
移動平均算出部42は、メモリ20に格納された電流計測値PIを読み込み、この電流計測値PIそれぞれに対し、直近のN(本実施形態でも同様に「16」の値)個の電流計測値PI,PIt-1,PIt-2,…,PIt-15の電流移動平均値を時系列順tでそれぞれ算出する。
上下判定部43は、移動平均算出部42の電流移動平均値AIを読み込み、直前の電流移動平均値AIt-1と比較して上昇又は下降なのかを時系列順tでそれぞれ選択的に判定して、変化方向CDとして数値化する。
連続判定部44は、上下判定部43の変化方向CDを読み込み、この変化方向CDにおいて下降「0」の連続回数を時系列順tで逐次カウントする。連続判定部34は、カウントした下降「0」の連続回数がM(本実施形態でも同様に「10」の値)回以上か否かを判定する。連続判定部は、その下降「0」の連続回数が10回以上である判定している場合には、電流移動平均値AIが下降し続けている状況(下降状況)にあると確定して、確定フラグFに「1」の値を代入する。
変化検出部45は、確定フラグFが「1」になった時点からその変化方向CDが下降「0」から上昇「1」に転じる瞬間である変化時点Tcを時系列順tで検出する。
ピーク検出部46は、変化時点Tcからクランキングの終了時間Teまでの電流移動平均値AITc,…,AITeにおいて、最大となる時点の電流移動平均値AIを検出して、このときの電流移動平均値AIを第2ピークPとして設定する。
その他の構成については、上記第1実施形態と同様である。
<マイコンの処理の手順、バッテリ状態診断方法>
次に、このように構成されたマイコン40の処理の手順について説明する。図8は、本実施形態のマイコン40が行う処理を説明するフローチャートである。
なお、上記第1実施形態のフローチャート(図3参照)と主に異なる点を中心に説明する。
図8に示すように、ステップS31では、電流値Iがマイコン40のサンプル取込部41に入力され、所定のサンプリング周期で電流計測値PIとして取り込まれる。そして、ステップS32では、サンプル取込部41により周期的に取り込まれた電流計測値PIは、時系列順tにメモリ20の計測データ格納領域21に記憶保持される。
ステップS33では、移動平均算出部42は、メモリ20から電流計測値PIを読み込み、この電流計測値PIそれぞれに対し直近の16個の電流計測値PI,PIt-1,PIt-2,…,PIt-15の電流移動平均値AIを時系列順tでそれぞれ算出する。
ステップS34では、上下判定部43は、ステップS33で算出した電流移動平均値AIに対し、直前の電流移動平均値AIt-1と比較して上昇「1」又は下降「0」なのかを時系列順tでそれぞれ選択的に判定して、この判定結果を変化方向CDとして数値化する。
ステップS35では、連続判定部44は、ステップS34での変化方向CDにおいて下降「0」の連続回数を時系列順tで逐次カウントする。そして、ステップS36では、連続判定部44は、カウントした下降「0」の連続回数が10回以上か否かを判定する。
下降「0」の連続回数のカウントが10回以上である場合には、ステップS36のYESでステップS37に進む。ステップS37では、連続判定部44は、電流移動平均値AIが下降し続けている状況であるとして下降状況を確定して、確定フラグFに「1」を代入する。
ステップS38では、変化検出部45は、確定フラグFが「1」になった時点から、ステップS34での変化方向CDがその下降状況において下降「0」から上昇「1」に転じる変化時点Tcを時系列順tで検出する。
ステップS39〜ステップS41の一連のステップでは、ピーク検出部46は、変化時点Tcからクランキングの終了時点Teまでの間の電流移動平均値AITc,…,AITeにおいて、最大となる時点の電流移動平均値AIを検出する。ピーク検出部36は、このように検出された電流移動平均値AIを第2ピークPに設定する。
その他のステップについては、上記第1実施形態と同様である。
<バッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法の利点>
以上説明したように本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、環境ノイズの影響による第2ピークPの誤検出の発生を抑制するとともに第2ピークPを精度良く検出することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
例えば、上記第1及び第2実施形態では、ピーク検出部36,46は、電流計測値PIが電流閾値TH以下であるか否かを逐次判定して、電流計測値PIが電流閾値TH以下になった瞬間をクランキングの終了時点Teとして検出するように構成したが、これに限定されない。例えば、クランキングの終了時点Teがメモリ20のパラメータ格納領域22内に事前に設定され、ピーク検出部36,46がこの値を適宜読み込むように構成しても良い。
ここで、上述した本発明に係るバッテリ状態診断装置、及びバッテリ状態診断方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
車両に搭載されたエンジン(E)をクランキングさせたときにバッテリ(B)の状態を診断するバッテリ状態診断装置(10)であって、
所定のサンプリング周期で前記バッテリ(B)の電圧値(V)又は電流値(I)を計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)として時系列順t(t=1,2,…,T)に記憶保持する記憶部(メモリ、20)と、
前記記憶部(20)に記憶保持された前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)それぞれに対し、直近のN(Nは2以上の自然数)個の前記計測値(P,Pt-1,Pt-2,…,Pt-N+1){電圧計測値:(PV,PVt-1,PVt-2,…,PVt-N+1)、電流計測値:(PI,PIt-1,PIt-2,…,PIt-N+1)}の移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)を算出し、前記移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)それぞれに対して、直前の前記移動平均値At-1(電圧移動平均値:AVt-1、電流移動平均値:AIt-1)と比較して上昇又は下降なのかを逐次判定し、その判定結果が、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電圧値(V)の場合には上昇から下降、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電流値(I)の場合には下降から上昇に転じる変化時点Tcを検出し、前記変化時点Tcからクランキングの終了時点Teまでの間の前記移動平均値(ATc,…,ATe){電圧移動平均値:(AVTc,…,AVTe、)、電流移動平均値:(AITc,…,AITe)}において、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電圧値(V)の場合には最小、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電流値(I)の場合には最大となる時点の前記移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)を第2ピーク(P)とし、前記第2ピーク(P)における前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)又は前記移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)に基づいて前記バッテリ(B)の状態を診断する制御部(マイコン、30)と、
を備える
ことを特徴とするバッテリ状態診断装置(10)。
[2]
前記制御部(マイコン、30)は、前記移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)それぞれに対する前記判定結果として、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電圧値(V)の場合には上昇が、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電流値(I)の場合には下降が、連続する回数がM(Mは2以上の自然数)回以上か否かを逐次判定し、前記連続する回数が前記M回以上であると判定している場合において、前記判定結果が、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電圧値(V)の場合には下降、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電流値(I)の場合には上昇に転じる時点を、前記変化時点Tcとして検出する
ことを特徴とする上記[1]に記載のバッテリ状態診断装置(10)。
[3]
前記N及び前記Mの値は、前記変化時点Tcから前記クランキングの終了時点Teまでの前記移動平均値(ATc,…,ATe){電圧移動平均値:(AVTc,…,AVTe、)、電流移動平均値:(AITc,…,AITe)}の波形の変動周期に基づいてそれぞれ設定される
ことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のバッテリ状態診断装置(10)。
[4]
車両に搭載されたエンジン(E)をクランキングさせたときにバッテリ(B)の状態を診断するバッテリ状態診断方法であって、
所定のサンプリング周期で前記バッテリ(B)の電圧値(V)又は電流値(I)を計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)として時系列順t(t=1,2,…,T)に記憶保持し、
記憶保持された前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)それぞれに対し、直近のN(Nは2以上の自然数)個の前記計測値(P,Pt-1,Pt-2,…,Pt-N+1){電圧計測値:(PV,PVt-1,PVt-2,…,PVt-N+1)、電流計測値:(PI,PIt-1,PIt-2,…,PIt-N+1)}の移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)を算出し、
前記移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)それぞれに対して、直前の前記移動平均値At-1(電圧移動平均値:AVt-1、電流移動平均値:AIt-1)と比較して上昇又は下降なのかを逐次判定し、
その判定結果が、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電圧値(V)の場合には上昇から下降、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電流値(I)の場合には下降から上昇に転じる変化時点Tcを検出し、
前記変化時点Tcからクランキングの終了時点Teまでの間の前記移動平均値(ATc,…,ATe){電圧移動平均値:(AVTc,…,AVTe、)、電流移動平均値:(AITc,…,AITe)}において、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電圧値(V)の場合には最小、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電流値(I)の場合には最大となる時点の前記移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)を第2ピーク(P)とし、
前記第2ピーク(P)における前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)又は前記移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)に基づいて前記バッテリ(B)の状態を診断する
ことを特徴とするバッテリ状態診断方法。
[5]
前記移動平均値A(電圧移動平均値:AV、電流移動平均値:AI)それぞれに対する前記判定結果として、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電圧値(V)の場合には上昇が、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電流値(I)の場合には下降が、連続する回数がM(Mは2以上の自然数)回以上か否かを逐次判定し、
前記連続する回数が前記M回以上であると判定している場合において、前記判定結果が、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電圧値(V)の場合には下降、前記計測値P(電圧計測値:PV、電流計測値:PI)が電流値(I)の場合には上昇に転じる時点を、前記変化時点Tcとして検出する
ことを特徴とする上記[4]に記載バッテリ状態診断方法。
[6]
前記N及び前記Mの値は、前記変化時点Tcから前記クランキングの終了時点Teまでの前記移動平均値(ATc,…,ATe){電圧移動平均値:(AVTc,…,AVTe、)、電流移動平均値:(AITc,…,AITe)}の波形の変動周期に基づいてそれぞれ設定される
ことを特徴とする上記[4]又は[5]に記載のバッテリ状態診断方法。
10 バッテリ状態診断装置
11 電圧センサ
12 電流センサ
13 アラーム
20 メモリ(記憶部)
21 計測データ格納領域
22 パラメータ格納領域
30,40 マイコン(制御部)
31,41 サンプル取込部
32,42 移動平均算出部
33,43 上下判定部
34,44 連続判定部
35,45 変化検出部
36,46 ピーク検出部
37,47 状態診断部
B バッテリ
S スタータモータ
E エンジン
V 電圧値
I 電流値
P 計測値
PV 電圧計測値(計測値)
PI 電流計測値(計測値)
A 移動平均値
AV 電圧移動平均値(移動平均値)
AI 電流移動平均値(移動平均値)
CD 変化方向
F 確定フラグ
Tc 変化時点
Te クランキングの終了時間
TH 電流閾値

Claims (4)

  1. 車両に搭載されたエンジンをクランキングさせたときにバッテリの状態を診断するバッテリ状態診断装置であって、
    所定のサンプリング周期で前記バッテリの電圧値又は電流値を計測値Pとして時系列順t(t=1,2,…,T)に記憶保持する記憶部と、
    前記記憶部に記憶保持された前記計測値Ptそれぞれに対し、直近のN(Nは2以上の自然数)個の前記計測値(Pt,Pt-1,Pt-2,…,Pt-N+1)の移動平均値Atを算出し、前記移動平均値Atそれぞれに対して、直前の前記移動平均値At-1と比較して上昇又は下降なのかを逐次判定し、その判定結果が、前記計測値Ptが電圧値の場合には上昇から下降、前記計測値Ptが電流値の場合には下降から上昇に転じる変化時点Tcを検出し、前記変化時点Tcからクランキングの終了時点Teまでの間の前記移動平均値(ATc,…,ATe)において、前記計測値Ptが電圧値の場合には最小、前記計測値Ptが電流値の場合には最大となる時点の前記移動平均値Atを第2ピークとし、前記第2ピークにおける前記計測値Pt又は前記移動平均値Atと所定値との比較結果に基づいて前記バッテリが劣化しているか否かを判定する制御部と、
    を備える
    ことを特徴とするバッテリ状態診断装置。
  2. 前記制御部は、前記移動平均値Atそれぞれに対する前記判定結果として、前記計測値Ptが電圧値の場合には上昇が、前記計測値Ptが電流値の場合には下降が、連続する回数がM(Mは2以上の自然数)回以上か否かを逐次判定し、前記連続する回数が前記M回以上であると判定している場合において、前記判定結果が、前記計測値Ptが電圧値の場合には下降、前記計測値Ptが電流値の場合には上昇に転じる時点を、前記変化時点Tcとして検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ状態診断装置。
  3. 前記N及び前記Mの値は、前記サンプリング周期に前記Nの値を乗じて得られる時間、及び、前記サンプリング周期に前記Mの値を乗じて得られる時間がそれぞれ、前記変化時点Tcから前記クランキングの終了時点Teまでの前記移動平均値(ATc,…,ATe)の波形の変動周期内に収まるように、それぞれ設定される
    ことを特徴とする請求項に記載のバッテリ状態診断装置。
  4. 車両に搭載されたエンジンをクランキングさせたときにバッテリの状態を診断するバッテリ状態診断方法であって、
    所定のサンプリング周期で前記バッテリの電圧値又は電流値を計測値Pとして時系列順t(t=1,2,…,T)に記憶保持し、
    記憶保持された前記計測値Ptそれぞれに対し、直近のN(Nは2以上の自然数)個の前記計測値(Pt,Pt-1,Pt-2,…,Pt-N+1)の移動平均値Atを算出し、
    前記移動平均値Atそれぞれに対して、直前の前記移動平均値At-1と比較して上昇又は下降なのかを逐次判定し、
    その判定結果が、前記計測値Ptが電圧値の場合には上昇から下降、前記計測値Ptが電流値の場合には下降から上昇に転じる変化時点Tcを検出し、
    前記変化時点Tcからクランキングの終了時点Teまでの間の前記移動平均値(ATc,…,ATe)において、前記計測値Ptが電圧値の場合には最小、前記計測値Ptが電流値の場合には最大となる時点の前記移動平均値Atを第2ピークとし、
    前記第2ピークにおける前記計測値Pt又は前記移動平均値Atと所定値との比較結果に基づいて前記バッテリが劣化しているか否かを判定する
    ことを特徴とするバッテリ状態診断方法。
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