JP6969715B2 - 飛翔昆虫捕獲装置 - Google Patents

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本発明は、窓ガラス付近を飛翔する飛翔昆虫を捕獲する、飛翔昆虫捕獲装置及び飛翔昆虫の捕獲方法に関するものである。
屋内に侵入した、あるいは屋内で発生した飛翔昆虫が屋内を飛翔し、その死骸が屋内に散乱すると、人に不快感を与えるとともに、衛生面でも大きな問題となる。そのため、屋内を飛翔する昆虫を効率的に捕獲すること、そして捕獲した飛翔昆虫の死骸が目立たない工夫を施すことは、特に飲食店や食品スーパー、食品工場等の食品を扱う現場において重要な課題となっており、こうした課題に対応した様々な飛翔昆虫捕獲具に関する発明が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、一般に飛翔昆虫は明るいところに向かって飛ぶ習性(正の走光性)があるため、特に日中は窓ガラス付近に集まることが多い。窓ガラスに向かって飛翔した昆虫がサッシの溝の部分に入り込むと、通常のハエ叩きでは捕獲が困難になるため、こうした場所に侵入した害虫を捕獲する害虫捕獲具も提案されている(特許文献3参照)。
特開2018−110552号公報 特開2015−198589号公報 特開2013−94143号公報
飛翔昆虫は窓から差し込む太陽光に対する正の走光性を有しているため、前述のとおり日中は窓ガラス付近に集まりやすい。窓ガラス付近を昆虫が飛翔する様子は人に不快感を与えやすく、さらに窓ガラスへの衝突や落下を繰り返しながら衰弱して死亡した飛翔昆虫の死骸は窓枠の底面付近に落下するため(図1の例参照)、手間のかかる窓枠のレールの溝等にも入り込んだ死骸の掃除が頻繁に必要となる。さらに、それが飲食店や食品スーパー、食品工場等の食品を扱う場所であれば、不快感だけでなく、衛生面の問題や食品への異物混入の原因となる場合もあり、死骸を餌として新たな害虫が発生するおそれもあるため、窓の屋内側に落下する飛翔昆虫の対策が求められるところである。
こうした課題に対して、特許文献1及び2に開示された飛翔昆虫の捕獲具は、いずれも死骸を目立たせずに飛翔昆虫を捕獲することは可能だが、窓ガラスに向かって飛翔して落下する飛翔昆虫を効率的に捕獲できる構造を有するものではない。
また、特許文献3に開示された害虫捕獲具は、窓のサッシの溝の部分に入り込んだ害虫の捕獲が考慮されているものの(特許文献3の段落0043、図9参照)、ハエ叩きのように都度害虫を捕獲する作業を要するものであり、飛翔昆虫が多く発生する環境下での使用に適したものではない。
その他に、現在使用されている捕獲具を想定すると、殺虫剤の使用は、屋内の空間に蒸散する薬剤の安全性が問題になるとともに、窓枠のレールの溝等を含めて落下した死骸の処理が必要になる。紫外線ライト等の誘引灯を用いて殺虫する方法もあるが、日中に明るくなる窓ガラス付近で誘引灯が誘引効果を発揮することは難しい。ハエ取り紙等の粘着紙を窓ガラスの表面に貼り付ける、あるいは窓ガラスの前にぶら下げることも考えられるが、粘着紙に付着した死骸が丸見えとなってしまうため、実用に耐えられるものではない。
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、屋内で窓ガラス付近に集まる飛翔昆虫を効率的に捕獲し、捕獲された飛翔昆虫の死骸を目立たない状態で収納しておくことが可能な、飛翔昆虫捕獲装置及び飛翔昆虫の捕獲方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決する本発明は、屋内側の窓枠底面上に窓ガラスに沿って設置され、窓ガラス面から落下した飛翔昆虫を装置本体内部に収納して捕獲する飛翔昆虫捕獲装置であって、装置本体の上面側には、装置本体内部に落下する飛翔昆虫が通過する開口部が設けられ、一辺が屋内側の窓ガラス面に接し、対辺が前記開口部に向けて下向きに傾斜した落下支持面を有することを特徴とする飛翔昆虫捕獲装置である。
本発明によると、窓ガラスに向かって飛翔する飛翔昆虫が窓ガラス面に衝突して落下すると、落下支持面を滑落して開口部から装置本体内部に落下し、装置本体内部に収納されることによって捕獲される。捕獲された飛翔昆虫は装置本体内部に溜まるので死骸が目立つことはなく、落下支持面は窓ガラス面に接して設置されるため、飛翔昆虫の死骸が窓枠のレールの溝に入り込んでしまうことも防止され、窓ガラス付近に集まる飛翔昆虫を効率的に捕獲することが可能になる。
また、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置は、装置本体内部の表面の少なくとも一部に粘着面が設けられることを特徴とすることもできる。前記粘着面は、装置本体内部の底面及び側面の少なくとも一部に設けられることを特徴としてもよい。
このように構成すると、装置本体内部に落下した飛翔昆虫が再び飛翔してしまうことを防止して、飛翔昆虫を確実に捕獲することが可能になるとともに、粘着面を剥がせば死骸を簡単に回収できるという効果も生じることになる。開口部を通過した飛翔昆虫は装置本体内部の底面に落下するので、粘着面は底面に設けることとすればよいが、底面の粘着面には開口部から入り込んだ粉塵が付着して積もりやすく、粘着力が低下しやすいので、側面にも粘着面を設けることが好ましい。
さらに、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置は、装置本体の上面側に、装置本体の屋内側側面の上部から前記開口部に向けて下向きに傾斜した防塵面を有することを特徴とすることもできる。前記防塵面は、前記屋内側側面に対して45〜60°の角度で前記開口部に向けて下向きに傾斜していることことを特徴としてもよい。
前述のとおり、装置本体内部の底面には開口部から入り込んだ粉塵が積もりやすいため、装置本体の上面側に粉塵の侵入を妨げる防塵面を設けることが好ましい。但し、落下する飛翔昆虫が防塵面から装置本体の外部に弾き出されてしまうことを防止するために、防塵面を設ける場合は開口部に向けて下向きに傾斜した構造とすることが必要である。
さらに、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置は、前記落下支持面は、装置本体の窓ガラス側側面に対して角度が可変なフラップ構造で、前記窓ガラス側側面に接合されていることを特徴とすることもできる。
このように構成すると、落下支持面の傾斜角が可変となり、装置本体と窓ガラス面との距離を調整しやすくなるので、窓枠底面が狭い場所にも設置しやすくなる。また、窓ガラスの振動や開閉等によって装置本体や窓ガラスの位置にずれが生じても、窓ガラス面と落下支持面の間に隙間が空きにくくなるという効果も生じる。
本発明は、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置を用いた飛翔昆虫の捕獲方法として特定することもできる。
本発明に係る飛翔昆虫の捕獲方法は、装置本体の上面側には、装置本体内部に落下する飛翔昆虫が通過する開口部が設けられ、一辺が屋内側の窓ガラス面に接し、対辺が前記開口部に向けて下向きに傾斜した落下支持面を有する飛翔昆虫捕獲装置を、屋内側の窓枠底面上に窓ガラスに沿って設置し、窓ガラス面から落下し、前記落下支持面の上を滑落して前記開口部から装置本体内部に落下した飛翔昆虫を、装置本体内部に収納して捕獲することを特徴とする飛翔昆虫の捕獲方法である。
また、本発明に係る飛翔昆虫の捕獲方法は、先に説明した本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の各々の構成に対応する飛翔昆虫の捕獲方法として特定することもできる。
本発明によると、屋内で窓ガラス付近に集まる飛翔昆虫を効率的に捕獲し、捕獲された飛翔昆虫の死骸を目立たない状態で収納しておくことが可能になる。本発明は、特に飲食店や食品スーパー、食品工場等の食品を扱う場所に好適であり、こうした場所に設置すると、不快感の軽減や衛生面の向上、食品への異物混入の防止に効果的である。
窓枠の底面に落下した飛翔昆虫の死骸の様子を撮影した写真である。 本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の斜視図である。 本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の使用形態を示す図である。 本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の構造を示す断面図である。 本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の本体内部に飛翔昆虫が落下する様子を示す図である。 本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の好適な構成に想到するまでの構造のバリエーションの断面を示す図である。 本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の好適な構成例のサイズや角度を示す図である。 屋内側に近いレール上に窓ガラスが引かれた状態で、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置を設置する2つの形態を示す図である。 本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置のフラップ構造を有さない構成例とその設置形態の例を示す図である。 本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の本体内部に設ける粘着面の形状のバリエーションを示す図である。
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下に示す実施形態は、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の構成の一例を示したものであって、本発明はここに示した実施形態に限定されるものではない。
本発明の前提として、屋内に侵入した、あるいは屋内で発生して屋内を飛翔する飛翔昆虫の一般的な性質について説明する。本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置が解決する課題について検討するにあたり、屋内の窓ガラスの周辺を飛翔するハエ類の行動を目視観察したところ、以下の事実が明らかになった。
ハエ類は、日中には屋内から見て明るい方向にある窓ガラスに向かって飛翔し、屋内側の窓ガラス面に到達する。イエバエ科やクロバエ科、ヒメイエバエ科といった比較的大型のハエ類は、窓ガラス面への衝突をきっかけにバランスを崩して落下、その後バランスを回復して再度飛翔、再びガラスに衝突する行動を繰り返す。比較的小型のハエ類のうち、クロバネキノコバエ科等の飛翔力と歩行能力の低いハエ類は、窓ガラス面に到達すると、そこにとどまることができずに落下する頻度が高くなる。また比較的小型のハエ類のうち、ショウジョウバエ科やノミバエ科といった飛翔力と歩行能力の高いハエ類は、窓ガラス面に沿って飛翔したり這いまわったりする傾向がみられるものの、時間の経過とともに衰弱し、やがては死亡して窓の下に死骸が散らばる傾向にある。
こうした飛翔昆虫が明るい窓ガラスに向かって飛翔して窓ガラス面に集まる習性は、コンパス理論や真の走光性理論で説明することができる。これらの観察結果は、正の走光性を有するハチ目やチョウ目などの他の飛翔虫についても同様に適用できる。
以上のように、飛翔昆虫が日中は窓ガラス周辺に集まりやすく、さらに窓ガラス面に沿って落下することが多いために、飛翔昆虫が窓のサッシの底辺に沿った窓枠のレールの溝や窓枠底面上に溜まりやすい傾向(図1の例参照)を観察して想到したのが、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置である。
本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置は、図2の斜視図に示したように、装置本体の内部が空洞となった細長い形状で、上面側の一部が開口しており、この開口部を通過して落下した飛翔昆虫を装置本体内部に収納して捕獲する構造となっている。図3の例に示したように、こうした形状の本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置を、屋内側の窓枠底面上に窓ガラスに沿って設置することによって、窓ガラス面に沿って落下した飛翔昆虫の死骸を装置本体内部に収納して捕獲することが可能となる。
図4は、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の構造を示す断面図である。本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の装置本体10の上面側には、装置本体内部に落下する飛翔昆虫が通過する開口部11が設けられている。さらに装置本体10の上面側に、装置本体10の屋内側側面12の上部から開口部11に向けて下向きに傾斜した防塵面13と、一辺が窓ガラス20の屋内側のガラス面に接し、対辺が開口部11に向けて下向きに傾斜した落下支持面14を有しており、防塵面13と落下支持面14の両端の間に開口部11が形成されている。
装置本体10は、底面15が窓枠底面24に接する状態で設置される。底面24の底側には窓枠底面24に固定するための面ファスナーや両面テープ等を設けることとしてもよいが、こうした加工は特に施さず、単に装置本体10を窓枠底面24に置いて使用することとしてもよい。装置本体10の窓ガラス側側面16と落下支持面14は、角度が可変なフラップ構造で蝶番17によって接合されている。装置本体10の内部の側面には、粘着紙18が置かれて粘着面を形成している。
窓枠底面24を含む窓枠内には、サッシ21と窓ガラス20からなる窓が嵌め込まれ、底面部に車輪を有するサッシ21が窓枠に設けられたレール22の上を走行することによって、窓の開閉が可能となっている。ここでは2本のレール22を有しており、窓枠内には開閉可能な2枚の窓が設けられた例を示しているが、レール22の数は特に限定されるものではない。サッシ21が走行する部分の周囲には、窓枠の段差やレールに挟まれたレール溝23が形成されている。
図5は、図4に示した本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の装置本体10の内部に、飛翔昆虫が落下する様子を示している。前述のとおり、日中に明るくなるとハエ類等の飛翔昆虫は窓ガラス20に向かって飛翔する習性があり、窓ガラス20の屋内側のガラス面に沿って落下しやすい傾向があるため、落下する飛翔昆虫を落下支持面14に沿って滑落させ、開口部11を通過した飛翔昆虫を装置本体10に収納して捕獲する。飛翔昆虫は粘着紙18の表面に粘着して固定されるので、落下した飛翔昆虫が蘇生しても再び飛翔することはできず、飛翔昆虫の死骸が装置本体10の内部に蓄積される。装置本体10の内部は屋内側側面12によって隠されているので、屋内側からは死骸が目につかず、人に不快感を与えることもない。こうした構造だと装置本体10の内部が周囲より暗くなるため、暗部に隠れようとする習性をもつ昆虫、例えばゴキブリ類などを誘い込むことも可能となる。
以上に説明した本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の好適な構成について、こうした構成に想到するまでの装置本体の構造のバリエーションを断面図で示したのが、図6である。図6に示した本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の断面は、いずれも左側が窓ガラス側、右側が屋内側となることを前提としている。
装置本体の構造を考える上で重要となるのは、飛翔昆虫を効率よく捕獲できることに加えて、美観を考慮して人に不快感を与えないことである。人に不快感を与えないためには、捕獲した飛翔害虫の死骸が人の目につきにくい構造であることが重要であるが、さらに防虫対策を講じていることを連想させにくい形状であることが好ましく、できるだけコンパクトなサイズで、窓との関係で違和感のない外観であることが要求される。
まず、窓枠底面に落下した飛翔昆虫を捕獲する単純な方法として、図6の(1)に示したように、窓枠底面上に粘着紙を置く構造が考えられる。しかし、こうした構造では、捕獲された飛翔昆虫の死骸が丸見えとなってしまい、美観を著しく損ねることに加えて、設置された環境によっては粉塵(例えば食品関連であれば、小麦粉等の食材類の粉や埃等)が粘着紙の上に積もりやすく、粘着力の低下によって捕獲機能の持続性が乏しくなるという機能的な問題も生じてしまう。
美観に関する問題に対処するためには、(2−1)〜(2−3)に示したように、その表面が粘着紙である底面を屋内側から見えにくくするために、屋内側に一定の高さを有する側面を設ける構造が考えられる。しかし、この構造でも開口した上面側から入り込む粉塵が粘着紙の上に積もりやすく、捕獲機能の持続性が乏しくなる機能面の問題を解消することはできない。
そこで、(3−1)〜(3−3)に示したように、上面側に屋根状の面を付加する構造が考えられるが、(3−1)は粉塵の侵入を防ぎやすくなるものの、窓ガラスに衝突して装置本体に向かって落下した飛翔昆虫が、装置本体の外に弾き出されてしまいやすくなる。そこで(3−2)のように外側に開いた面を付加する構造にすると、窓ガラスに衝突して装置本体に向かって落下した飛翔昆虫を装置本体内部に取り込みやすくなるものの、粉塵の侵入を防ぐというそもそもの問題に対処できなくなってしまう。そこで、上面側に設けられる防塵面は、(3−3)のように内側に折れ曲がる構造にすることが必要である。
ここで内側に折れ曲がる防塵面の傾斜角、これを図4を前提にした図7の好適な構成例で説明すると、防塵面13が屋内側側面12に対して開口部11に向けて下向きに傾斜するbの角度を45〜60°とすることが好ましい。これよりも鋭角にすると(2−2)や(2−3)に近い形状となり、粉塵が上から進入して底面に積もることを防止できないし、60〜90°にすると、落下した飛翔昆虫が防塵面の上に積もって装置本体内部に収納されなくなってしまうためである。
尚、図7にaで示した屋内側側面12(装置本体10)の高さは、装置本体10の内部が十分に隠される高さが必要になる一方で、防虫対策を講じていることを連想させにくくするためには過度に目立たないことも求められ、具体的にはサッシ21の一般的な高さを大きく超えることがない、4〜6cm程度の高さにすることが好ましい。図7にcで示した底面15の長さ、すなわち装置本体10の奥行きは、窓枠底面に落下する飛翔昆虫を十分に捕獲しながら、その存在を目立ちにくくするためには、できるだけ短くすることが好ましく、一般的な窓枠底面の幅の1/4程度となる3〜5cm程度とすることが好適である。
装置本体10は窓枠底面24の上に配置されるが、レール22やレール溝23の上に重なると、サッシ21がレール22の上を走行できなくなってしまうため、レール22やレール溝23より屋内側の段差の上に設置することが必要である。そうすると、窓ガラス20やサッシ21と装置本体10の間に、レール22やレール溝23を含む隙間が生じることになるため、窓ガラス20に沿って落下した飛翔昆虫の死骸の多くがその隙間に溜まって、装置本体10には収納されないことになってしまう。そこで本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置は、(4−1)や(4−2)のように窓ガラス側の側面を傾斜させ、上部の辺が窓ガラス21の屋内側のガラス面に接する構造とすることによって、この面に沿って飛翔昆虫が滑落して、装置本体10の内部に落下する構成としている。
窓ガラス側の側面は、(4−1)のように角度が固定された斜面として形成されることとしてもよいが、(4−2)に示したように、図4にも例示した形状、すなわち、装置本体10の窓ガラス側側面16と落下支持面14が、角度が可変なフラップ構造で蝶番17によって接合された構成とすることが好ましい。
なぜならば、窓ガラス20やサッシ21と装置本体10の位置関係は、レール22とレール溝23からなる段差の下部分の幅によって変化するが、落下支持面14と装置本体10の窓ガラス側側面16を蝶番17で接合してフラップ構造とすることによって、窓ガラス20やサッシ21と装置本体10の距離に応じて落下支持面14の傾きを調整することが可能になるからである。これによって、窓ガラス20の屋内側のガラス面と落下支持面14を密着させることができるので、両者には隙間がなくなり、窓ガラス20に到達した飛翔昆虫は、落下支持面14に沿って滑落して、レール22やレール溝23の部分に落下することなく、装置本体10の内部にスムーズに収納されるからである。
また、落下支持面14が装置本体10に対して可動性のあるフラップ構造であると、窓ガラス20の振動や開閉等によって装置本体10や窓ガラス20の位置にずれが生じても、落下支持面14の傾斜角が自動的に調整されて、窓ガラス20の屋内側のガラス面との間に隙間が生じにくくなるというメリットも生じる。
落下支持面14の大きさは、横幅を装置本体10と同じ長さとし、縦幅は8〜10cm程度とすれば、サッシ21に干渉することなくレール溝23との段差を避けて、滑落する飛翔昆虫が落下支持面14で停止することのない傾斜角に保って、落下支持面14を窓ガラス20の屋内側のガラス面に密着した状態に維持することがでる。図7のeに示した角度は160−170°となるのが好適であり、こうした構造であれば窓ガラス20に沿って落下する飛翔昆虫をスムーズに装置本体10の内部に導いて収納することが可能になる。
尚、窓ガラス20の屋内側の表面と接する落下支持面14の素材は、強度が強すぎたり、端部の形状が尖りすぎていたりすると、窓ガラス20を損傷する原因となる可能性を否定できないが、例えば、プラスチックのような素材を使用すれば、端部に特段の加工を施さなくても、そうしたリスクを回避することが可能となる。装置本体10のその他の部分の素材も特に限定されるものではなく、例えば、プラスチックや金属、撥水加工を施すなどした丈夫な厚紙を用いることとすればよいし、設置場所の内装との調和を考慮して、表面に装飾が施されたカッティングシート(例えば、木造建築であれば木目調のカッティングシート)を貼り付けることとしてもよい。但し、その場合に飛翔昆虫の滑落を妨げることがないように、落下支持面14や防塵面13の上面は平滑な状態にする必要がある。
以上のように構成される防塵面13と落下支持面14の間に開口部11が形成されるが、図7のfに示される開口部11の幅は1〜2cm程度を確保すれば、通常屋内で問題になる飛翔昆虫の通過を妨げることはないと考えられる。
図4等の例に示した設置状態において、図8の例に示したように、窓ガラス20とサッシ21が最も屋内側に近いレール上に引かれた状態に変化すると、どのようにして落下支持面14の傾斜を適切な角度に維持するかが問題となる。窓枠底面24に十分な幅があれば、落下支持面14の傾斜角をそのまま維持しながら、(1)のように装置本体10を屋内側にスライドさせればよいが、窓枠底面24の幅が足りない場合は、(2)のように装置本体10の位置はそのままで、落下支持面14の傾斜角を変化させることによって、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の機能を確保するために必要な構造を維持することが可能になる。但し、装置本体10が窓ガラス20に近づき過ぎると、図8に示しているように、窓ガラス20に衝突した勢いで斜め方向に落下する飛翔昆虫が装置本体10の屋内側の外部に落下して、装置本体10の内部に収納できなくなる確率が上昇してしまうため、(1)のように落下支持面14の傾斜角を維持し、適切な距離を保ったまま装置本体10をスライドさせる方式がより有効であると言える。
図9は、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置のフラップ構造を有さない構成例と、その設置形態の例を示したものであるが、落下支持面14がフラップ構造を有さないとその傾斜角を変化させることができないので、窓ガラス21の位置が屋内側に移ると、それに合わせて装置本体も屋内側に移動させることが必要になる。
続いて、装置本体10の内部に粘着面を形成する粘着紙18の形状等について説明する。装置本体10の内部の側面には、先に説明したように、粘着紙18によって捕獲した飛翔昆虫を固定するための粘着面が形成される。装置本体10の内部に落下した飛翔昆虫は、粘着紙18に粘着させることによって確実に捕獲することができるが、捕獲された飛翔昆虫で粘着紙18の表面が埋め尽くされる、あるいは前述のように粉塵が付着することによって、粘着紙18の粘着力が低下すると、捕獲効率も低下してしまうため、粘着力が低下した粘着紙18を交換可能な構成とすることが好ましい。
尚、粘着紙18等による粘着面を設けない構成も可能であるが、落下した飛翔昆虫が蘇生して再び飛翔し、装置本体10の外に出てしまうことや、空調の風などによって装置本体10の内部に収納された飛翔昆虫の死骸が飛ばされて散乱することを防止するためには、粘着紙18等による粘着面を設ける構成とすることが好ましい。
粘着紙18は、例えば、装置本体10の端部から挿入及び排出して交換することが可能な仕組みにすればよいが、その形状のバリエーションを示したのが図9である。粘着紙18の形状は、図9の例に示したように、(1)底面のみに配置される平板型、(2)底面と一方の側面に配置されるL字型、(3)底面と両方の側面に配置されるコの字型の3パターンが想定される。
(1)の平板型は、構造が最もシンプルではあるものの、粉塵が底面にある粘着紙18の表面に積もりやすく、設置場所の環境によっては粘着力の低下が生じやすい。そうした問題を回避するためには、装置本体10の底面から内側の側面に沿うように粘着紙18を上へ立ち上げた(2)のL字型や(3)のコの字型とすることが好ましい。粉塵は上から降ってくるので側面には付着しにくく、(1)の平板型に比べて粘着力を持続しやすいためである。
装置本体10の内部に落下した飛翔昆虫は、まず底面に接触し、底面の粘着力が維持されていれば底面で捕獲される。粉塵や捕獲済みの飛翔昆虫の影響で底面の粘着力が低下している場合に、装置本体10の内部に落下した飛翔昆虫がまだ生きていれば、底面への最初の接触では捕獲されずに装置本体10の内部を飛翔して暴れ回ってしまうが、その際には粉塵の影響を受けにくい側面の粘着紙18と接触して捕獲されることになる。
以上に説明した本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の装置本体10の長さ(横幅)は、死骸散乱防止の効果を最大にするためには、図3の使用形態の例に示されるように、窓ガラス20を囲うサッシ21の底辺の長さと同じにすることが好まく、サッシ21のサイズに合わせて製作することが推奨される。しかしながら、個別の製作が難しく、汎用性のある装置本体10を製作することが必要な場合には、次のように考えるとよい。
出願人の実験結果によると、窓枠底面で飛翔昆虫の死骸が溜まりやすい場所を中心に、サッシ21の底辺の1/3の長さとなる部分には概ね40〜50%、2/3の長さとなる部分には概ね60〜80%の死骸が集中することが確認された。そのため、装置本体10の長さ(横幅)をサッシ21の底辺の1/3〜2/3とすれば、窓枠底面に散乱する飛翔昆虫の死骸を40〜80%程度削減できて、一定の効果を期待できることになる。
一般的な窓ガラスの横幅は90cm程度であることが多いので、装置本体10の長さ(横幅)がその1/3の30cm程度、あるいは1/2の45cm程度となる汎用型の装置を製造すれば、これを並べて設置することで、様々な環境に応じて一定の効果を期待することができる装置の提供が可能になると考えられる。
図4、図7等に示した好適な構成の本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置を、縦2.0m×横2.0m×高さ2.0mの小部屋の縦2.0m×横0.45mの窓の下に設置し、大型のハエ類(クロバエ科キンバエ類)を50匹放したところ、窓に飛来したハエ類は窓ガラス伝いに下へ移動、あるいはガラスに衝突して落下し、落下支持面14に沿って装置本体10の内部に落下した。通常であれば窓枠底面に多くの死骸が散乱する状況となるが、1時間後には50%(25匹)が捕獲され、翌日には90%(45匹)が装置本体10の内部に捕獲され、本発明に係る飛翔昆虫捕獲装置の有効性が確認された。
10 装置本体
11 開口部
12 屋内側側面
13 防塵面
14 落下支持面
15 底面
16 窓ガラス側側面
17 蝶番
18 粘着紙
20 窓ガラス
21 サッシ
22 レール
23 レール溝
24 窓枠底面

Claims (6)

  1. 屋内側の窓枠底面上に窓ガラスに沿って設置され、窓ガラス面から落下した飛翔昆虫を装置本体内部に収納して捕獲する飛翔昆虫捕獲装置であって、
    装置本体の上面側には、装置本体内部に落下する飛翔昆虫が通過する開口部が設けられ、
    一辺が屋内側の窓ガラス面に接し、対辺が前記開口部に向けて下向きに傾斜した落下支持面を有すること
    を特徴とする飛翔昆虫捕獲装置。
  2. 装置本体内部の表面の少なくとも一部に粘着面が設けられること
    を特徴とする請求項1記載の飛翔昆虫捕獲装置。
  3. 前記粘着面は、装置本体内部の底面及び側面の少なくとも一部に設けられること
    を特徴とする請求項2記載の飛翔昆虫捕獲装置。
  4. 装置本体の上面側に、装置本体の屋内側側面の上部から前記開口部に向けて下向きに傾斜した防塵面を有すること
    を特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の飛翔昆虫捕獲装置。
  5. 前記防塵面は、前記屋内側側面に対して45〜60°の角度で前記開口部に向けて下向きに傾斜していること
    を特徴とする請求項4記載の飛翔昆虫捕獲装置。
  6. 前記落下支持面は、装置本体の窓ガラス側側面に対して角度が可変なフラップ構造で、前記窓ガラス側側面に接合されていること
    を特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の飛翔昆虫捕獲装置。
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