JP6969199B2 - 受光素子 - Google Patents

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Description

本発明は受光素子に関するものである。
赤外光を受光して例えば画像情報などを生成する受光素子が知られている(例えば特許文献1および非特許文献1)。GaSb基板上に成長されたInAs/Ga1−xInSb超格子を受光層材料に使用する。素子全体をpinもしくはpn構造とし、受光層は赤外光などの光を受光することでフォトキャリア(電子および正孔)を発生させる。フォトキャリアのうち電子がn型領域、正孔がp型領域に流入し、電極を介して受光素子のn型領域およびp型領域と電気的に接続された読み出し回路が検知することで、光は電気信号に変換される。受光素子は、読み出し回路との整合性によりp−on−n構造とすることがある。すなわち、受光素子は、基板の上にn型層、受光層、p型層の順番に積層された構造を有する。
米国特許第6603184号明細書
M.ワルザー(M. Walther)、外7名、「Growth of InAs/GaSb short-period superlattices for high-resolution mid-wavelength infrared focal plane array detectors」、ジャーナル・オブ・クリスタル・グロース(Journal of Crystal Growth) vol.278、2005年、p.156−161
読み出し回路と接続するためのn型領域の電極をn型GaSb上に形成すると、GaSbとInAs/Ga1−xInSb超格子の界面では、電子親和力の違いに応じて、層の界面に大きなスパイクが発生する。電子はトンネリングによりスパイクを透過することができる。しかしスパイクが高くなると電子が透過しにくくなる。すなわち電子の電極への移動がスパイクにより阻害され、受光層から電極まで到達する電子が少なくなる。この結果、受光素子の感度が低下する。
そこで、スパイクの影響による感度低下を抑制したp−on−n構造の受光素子を提供することを目的とする。
本発明に係る受光素子は、半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられたバッファ層と、前記バッファ層の上に積層された複数のn型超格子層と、前記n型超格子層の上に設けられた受光層と、前記受光素子の上に設けられたp型超格子層と、前記バッファ層に電気的に接続されたn型電極と、前記p型超格子層に電気的に接続されたp型電極と、を具備し、前記複数のn型超格子層のうち隣り合う層の間における電子親和力の差は、前記n型超格子層の伝導帯を基準とするフェルミ準位の高さより小さいものである。
上記発明によれば、スパイクの影響による感度低下を抑制したp−on−n構造の受光素子の提供が可能である。
図1は実施形態に係る受光素子を例示する断面図である。 図2は比較例に係る受光素子を例示する断面図である。 図3(a)から図3(c)はヘテロ接合におけるエネルギー準位の例を示す模式図である。 図4は実施形態におけるエネルギー準位を例示する模式図である。 図5は受光素子の電流密度を示す図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本願発明の一形態は、(1)半導体基板と、前記半導体基板の上に設けられたバッファ層と、前記バッファ層の上に積層された複数のn型超格子層と、前記n型超格子層の上に設けられた受光層と、前記受光素子の上に設けられたp型超格子層と、前記バッファ層に電気的に接続されたn型電極と、前記p型超格子層に電気的に接続されたp型電極と、を具備し、前記複数のn型超格子層のうち隣り合う層の間における電子親和力の差は、前記n型超格子層の伝導帯を基準とするフェルミ準位の高さより小さい受光素子である。n型超格子層間の界面に形成されるスパイクの高さは、いずれもフェルミ準位の高さよりも小さくなる。このため、スパイクにより電子の移動は阻害されにくく、電子はトンネリングせずにスパイクを通過し、n型超格子層間を移動することができる。これにより受光素子の感度が向上する。
(2)前記複数のn型超格子層のバンドギャップは、前記受光層に近づくにつれ小さくなってもよい。
(3)前記受光層は赤外光を受光し、光電変換を行ってもよい。複数のn型超格子層を設けることで、半導体基板と受光層との間において大きなスパイクの発生を抑制することができる。
(4)前記複数のn型超格子層のそれぞれは、GaSb/InAs超格子、GaSb/InAs/InSb超格子、GaSb/InAsSb超格子、GaInSb/InAs超格子、およびGaInSb/InAsSb超格子のいずれかで形成されてもよい。複数のn型超格子層が互いに格子整合し、結晶欠陥および暗電流が抑制される。
(5)前記半導体基板および前記バッファ層はn型GaSbで形成されてもよい。これにより、n型超格子層が半導体基板およびバッファ層に格子整合する。
(6)前記受光層はGaSb/InAs超格子、GaSb/InAsSb超格子、GaInSb/InAs超格子、およびGaInSb/InAsSb超格子のいずれかで形成されてもよい。これにより、受光層とn型超格子層とが格子整合し、受光層の結晶性が向上する。
(7)前記複数のn型超格子層の電子親和力は、前記バッファ層に近づくにつれ小さくなってもよい。層を接合することで形成されるスパイクが小さいため、受光素子の感度が向上する。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る受光素子および受光装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(実施形態)
図1は実施形態に係る受光素子100を例示する断面図である。
(受光素子100)
図1に示すように、受光素子100は、半導体基板10、バッファ層12、n型超格子層14、受光層16、p型超格子層18、p+型キャップ層19、および絶縁膜20を備える。バッファ層12、n型超格子層14、受光層16、p型超格子層18、p+型キャップ層19は、順に半導体基板10の上に積層され、メサ13を形成する。1つのメサ13が図示されているが、例えば複数のメサ13が2次元アレイ状に形成されてもよい。メサ13の数を増やすことで、例えば640×512以上など、受光素子100の高画素化が可能である。受光素子100はp−on−n構造を有する。
n型超格子層14は23の層(n型超格子層14a〜14w)を積層したものである。バッファ層12は半導体基板10に接触する。n型超格子層14aはバッファ層12に接触する。n型超格子層14のうち隣り合う層は互いに接触する。受光層16はn型超格子層14wに接触する。p型超格子層18は受光層16に接触し、p+型キャップ層19はp型超格子層18に接触する。n型超格子層14、受光層16およびp型超格子層18は超格子構造を有する化合物半導体層である。半導体基板10およびp+型キャップ層19は例えば化合物半導体で形成されている。組成については後述する。
絶縁膜20は例えば酸化シリコン(SiO)または窒化シリコン(SiN)などの絶縁体で形成され、メサ13の表面および半導体基板10の上面を覆う。絶縁膜20には開口部20aおよび20bが設けられている。開口部20aはバッファ層12の上に位置し、開口部20bはメサ13の上に位置する。
電極22は開口部20aに設けられ、バッファ層12に接触する。半導体基板10、バッファ層12、n型超格子層14および電極22は電気的に接続され、電極22は基準電位(例えばグランド電位)を有するn型電極として機能する。電極24は開口部20bに設けられ、p+型キャップ層19に接触する。p型超格子層18、p+型キャップ層19および電極24は電気的に接続され、電極24はp型電極として機能する。電極22および24は、例えばチタン、白金および金を順に積層した積層体(Ti/Pt/Au)などの金属で形成されている。電極22および24の上にバンプを形成してもよい。
半導体基板10、バッファ層12、n型超格子層14、p型超格子層18、p+型キャップ層19は赤外光に対して高い透過率(例えば90%以上)を有し、赤外光を透過させる。受光層16は、例えば波長3〜15μmの赤外光を吸収し、フォトキャリア(電子および正孔)を発生させる。すなわち受光素子100はフォトダイオードとして機能する。電子はn型超格子層14およびバッファ層12を通じて電極22に流れ、正孔はp型超格子層18およびp+型キャップ層19を通じて電極24に流れる。
受光素子100の層の構造を表1に示す。
Figure 0006969199
GaSbはガリウムアンチモン、InAsはインジウム砒素、InSbはインジウムアンチモンを表す。表1の組成中のMLは単原子層(monolayer、各材料の格子定数の半分に相当する層)を表す。また、「×10」などは括弧内の層が積層される数を表す。例えばn型超格子層14aの組成である(GaSb(28ML)/InAs(1ML))×10とは、28単原子層のGaSbと1単原子層のInAsとを積層し、そのGaSb/InAs超格子層を10層重ねたことを意味する。
表1に示すように、半導体基板10は例えば厚さ100μmのGaSbで形成されている。バッファ層12は例えば厚さ1.5μmのGaSbで形成されている。半導体基板10およびバッファ層12のカットオフ波長は例えば6μmであり、表面は(100)面である。
n型超格子層14a〜14mはGaSb/InAs超格子構造を有する。n型超格子層14n〜14wはGaSb/InAs/InSb超格子構造を有する。受光層16はGaSb/InAs/InSb超格子構造を有する。p型超格子層18はGaSb/InAs/InSb超格子構造を有する。バッファ層12、n型超格子層14a〜14wにはテルル(Te)がドープされている。ドーピング濃度は例えば3e18cm−3(3×1018cm−3)であり、層が縮退する程度に高いことが好ましい。受光層16、p型超格子層18およびp+型キャップ層19にはベリリウム(Be)がドープされている。受光層16のドーピング濃度は1e15cm−3である。p型超格子層18のドーピング濃度は1e17cm−3である。p+型キャップ層19のドーピング濃度は1e18cm−3である。n型超格子層14、p型超格子層18および受光層16はタイプIIのバンド構造を有する。p+型キャップ層19は例えば厚さ200nmのp+型GaSbで形成されている。
(受光素子100の製造方法)
受光素子100の製造方法を説明する。ウェハ状態の半導体基板10の上に、例えば分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法により、半導体層(バッファ層12、n型超格子層14、受光層16、p型超格子層18およびp+型キャップ層19)をエピタキシャル成長する。例えば、ヨウ化水素および塩化シリコンガスを用いたドライエッチング、またはリン酸、過酸化水素水および水の溶液を用いたウェットエッチングなどにより、メサ13を形成する。例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより、絶縁膜20を形成する。エッチングにより、絶縁膜20に開口部20aおよび20bを形成する。真空蒸着法およびリフトオフ法により、電極22および24を形成する。ウェハをダイシングすることで受光素子100を形成する。
(比較例)
図2は比較例に係る受光素子100Rを例示する断面図である。受光素子100と同じ構成については説明を省略する。受光素子100Rは1つのn型超格子層14xを有する。n型超格子層14xは例えば(GaSb(7ML)/InAs(9ML)/InSb(1ML))×10で形成され、Teのドーピング濃度は3e18cm−3である。つまりn型超格子層14xは、表1に示した実施形態のn型超格子層14wと同じ組成を有する。
(エネルギー準位)
次にエネルギー準位について説明する。図3(a)から図3(c)はヘテロ接合におけるエネルギー準位の例を示す模式図である。Eは価電子帯のエネルギー、Eは伝導帯のエネルギー、Eはフェルミエネルギーである。真空準位と伝導帯の底とのエネルギーの差が電子親和力である。伝導帯を基準としたフェルミ準位の高さE−Eは次の数1で算出される。
Figure 0006969199
はバンドギャップ、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、nは真性キャリア濃度、Nはドナー密度、Nは正孔の有効状態密度を表す。実施形態におけるn型超格子層14のフェルミエネルギーEは例えば34meVである。
図3(a)に示すように、半導体層L1の価電子帯のエネルギーEは半導体層L2より低く、半導体層L1のフェルミエネルギーEは半導体層L2のEより高い。半導体層L1の伝導帯のエネルギーEは半導体層L2のEより高い。半導体層L1の電子親和力EA1は半導体層L2の電子親和力EA2よりも小さい。
図3(b)に示すように、半導体層L1およびL2を接合すると、フェルミエネルギーEの高い半導体層L1から半導体層L2へと電子が移動する。フェルミエネルギーEは等しくなり、伝導帯のエネルギー準位が半導体層L1およびL2の界面において曲がる。この結果、界面にスパイクS(エネルギー障壁)が発生する。電子はトンネリングによりスパイクSを透過し、n型電極に到達する。
半導体層L1のEが半導体層L2のEよりも大幅に高い場合、図3(c)のように大きなスパイクSが形成される。電子は、トンネリングによる大きなスパイクSの透過をしにくくなる。つまり、電子のn型電極への移動がスパイクSによって阻害され、受光素子の感度が低下する。
比較例において、バッファ層12とn型超格子層14xとの電子親和力の差は615meVであり、伝導帯の底を基準とするフェルミ準位の高さE−E(例えば34meV)よりもはるかに大きい。このため、バッファ層12とn型超格子層14との間に形成されるスパイクの高さは、600meV程度になり、フェルミ準位の高さE−Eを大幅に上回る(図3(c)参照)。この結果、電子の電極22への移動がスパイクSによって阻害され、受光素子100Rの感度が低下する。例えば、温度が77K、バイアス電圧が−20mV、入射光の波長が4.1μmの条件において、受光素子100Rの感度は0.0013A/Wである。バッファ層12を例えばn型InAsSb層などとすることもできる。しかしInAsSbは、GaSbの半導体基板10上で格子緩和が発生しない範囲内の組成で、かつ電極の作成に十分な厚みで結晶成長させることが難しく、結晶欠陥および暗電流が増大してしまう。
これに対し、実施形態ではスパイクを小さくすることができる。実施形態におけるn型超格子層14a〜14wの電子親和力、および下の層との電子親和力の差を表2に示す。n型超格子層14aの、下の層との電子親和力との差とは、n型超格子層14aとバッファ層12との電子親和力の差である。
Figure 0006969199
表2に示すように、n型超格子層14のうち、バッファ層12に近い層ほど電子親和力が小さい。n型超格子層14a〜14wのうち隣接する層間の電子親和力の差は18〜33meV程度であり、数1により算出したフェルミ準位の高さE−E(34meV)よりも小さい。n型超格子層14aとバッファ層12との電子親和力の差は67.9meVである。
図4は実施形態におけるエネルギー準位を例示する模式図であり、バッファ層12からp型超格子層18までのエネルギー準位を図示している。層を接合することでフェルミエネルギーEは等しくなる。また真空準位はフェルミ準位より上に位置し、電子親和力はEAである。
層の界面には、電子親和力の差に応じたスパイクS1〜S23が形成される。例えば、バッファ層12とn型超格子層14aとの界面にスパイクS1が形成され、n型超格子層14aとn型超格子層14bとの界面にスパイクS2が形成され、n型超格子層14bとn型超格子層14cとの界面にスパイクS3が形成される。n型超格子層14uとn型超格子層14vとの界面にスパイクS22が形成され、n型超格子層14vとn型超格子層14wとの界面にスパイクS23が形成される。n型超格子層14c〜14uの各層の界面にもスパイクが形成される。
n型超格子層14a〜14wのうち隣接する層間の電子親和力の差は、伝導帯の底を基準としたフェルミ準位の高さE−Eよりも小さい。n型超格子層間の界面に形成されるスパイクS2〜S23の高さは、層間の電子親和力の差よりも小さいため、フェルミ準位の高さE−Eよりも小さくなる。このため、電子の移動は、スパイクS2〜S23に阻害されにくい。すなわち、電子はトンネリングせずにスパイクS2〜S23を通過し、複数のn型超格子層14a〜14w間を移動することができる。したがって電極22に到達する電子の数が増加し、受光素子100の感度が向上する。例えば、温度が77K、バイアス電圧が−20mV、入射光の波長が4.1μmの条件において、受光素子100の感度は1.1A/Wであり、比較例の約100倍である。
バッファ層12とn型超格子層14aとの界面のスパイクS1は67.9meVであり、フェルミ準位の高さE−E(34meV)より大きいが、比較例におけるスパイクS(約600meV)より大幅に小さい。したがって電子はスパイクS1をトンネリングしやすく、容易に電極22に到達することができる。スパイクS1の高さは、例えば100meV以下が好ましい。受光素子100には例えば100meV以下のバイアス電圧を印加するため、実用的な感度を得るためにはスパイクの高さの上限はバイアス電圧と同程度であることが好ましい。スパイクS1の高さはフェルミ準位の高さE−Eの2倍以下が好ましく、E−Eより小さくてもよい。
図5は受光素子の電流密度を示す図である。横軸はバイアス電圧、縦軸は電極間の電流密度である。破線で示す比較例と、実線で示す実施形態とを比べると、実施形態の電流密度は1000倍〜1e8倍程度大きい。実施形態の高い電流密度は、前述のように電子の移動がスパイクにより阻害されにくいことに起因する。このように実施形態によれば、受光素子の感度が大きく上昇する。
図4に示すように、バッファ層12のバンドギャップは受光層16よりも大きい。比較例のように、(GaSb(7ML)/InAs(9ML)/InSb(1ML))×10の組成を有し、バンドギャップの小さなn型超格子層14wをバッファ層12および受光層16に接合すると、バッファ層12とn型超格子層14wとの界面に約600meVの大きなスパイクが形成される。実施形態において、n型超格子層14のバンドギャップは、受光層16に近づくほど小さくなる。このため、バンドギャップの異なるバッファ層12と受光層16とを、n型超格子層14を介して接合することができる。
受光層16は、例えば波長3〜15μmの赤外光を吸収し、フォトキャリアを発生させる。赤外光を吸収して光電変換を行う受光層16のバンドギャップは小さい。一方、バッファ層12のバンドギャップは大きい。バンドギャップの異なるバッファ層12と受光層16とを、n型超格子層14を介して接合することができる。
n型超格子層14、p型超格子層18およびp+型キャップ層19は、赤外光に対して透明であり、赤外光を透過させる。透過率は例えば90%以上である。受光層16は赤外光帯域とは異なる波長の光を吸収し、バッファ層12、n型超格子層14、p型超格子層18およびp+型キャップ層19が当該波長の光に対して高い透過率(例えば90%以上)を有してもよい。
複数のn型超格子層14のうち、最も下のn型超格子層14aはバッファ層12に接触し、かつ隣り合う層は互いに接触する。図4に示したようにエネルギー準位が曲がり、スパイクS1〜S23が発生する。スパイクの高さを小さくすることで、前述のように電子の電極22への移動が容易になる。また、n型超格子層14とバッファ層12とが格子整合し、n型超格子層同士が格子整合する。この結果、n型超格子層14に結晶欠陥が発生しにくく、暗電流が抑制される。
n型超格子層14はGaSb/InAs超格子層およびGaSb/InAs/InSb超格子層で形成されている。複数のn型超格子層14a〜14wは、GaSb/InAs超格子、GaSb/InAs/InSb超格子、GaSb/InAsSb超格子、GaInSb/InAs超格子、およびGaInSb/InAsSb超格子のいずれかで形成されてもよい。層間の界面に形成されるスパイクがフェルミ準位の高さE−Eより小さくなる。また、n型超格子層同士が格子整合し、結晶欠陥および暗電流が抑制される。
本実施形態のn型超格子層14は23の層を含むが、層の数は変更してもよい。積層するn型超格子層の数は22以下でもよいし、24以上でもよい。層の数が少ないと、電子親和力の差が大きくなる恐れがある。また、層の数が多いと結晶欠陥が生じる恐れがある。このため、電子親和力の差がフェルミ準位の高さE−Eより小さく、かつ結晶欠陥が生じないように、n型超格子層14に含まれる層の数を定めればよい。
受光層16は、GaSb/InAs超格子、GaSb/InAsSb超格子、GaInSb/InAs超格子、およびGaInSb/InAsSb超格子のいずれかで形成されてもよい。受光層16は例えば赤外光など一定の範囲の波長の光を受光してフォトキャリアを発生させる。受光層16とn型超格子層14とが格子整合し、受光層16の結晶性が向上する。
p型超格子層18は、GaSb/InAs超格子、GaSb/InAs/InSb超格子、GaSb/InAsSb超格子、GaInSb/InAs超格子およびGaInSb/InAsSb超格子のいずれかで形成されてもよい。受光層16とp型超格子層18とが格子整合し、p型超格子層18の結晶性が向上する。
表2に示すように、複数のn型超格子層14a〜14wの電子親和力はバッファ層12に近づくにつれ小さくなる。層を接合することで伝導帯の準位が曲がり、界面にスパイクが形成されるが、前述のようにスパイクの高さはE−Eより小さい。これにより受光素子100の感度が向上する。
絶縁膜20は、メサ13の上面および側面を覆う。これにより受光素子100を異物および水分などから保護することができる。絶縁膜20の開口部20aにおいて、電極22とp型超格子層18とが接触し、開口部20bにおいて電極24とバッファ層12とが接触する。電極22はp型電極、電極24はn型電極として機能する。
10 半導体基板
12 バッファ層
13 メサ
14、14a〜14w n型超格子層
16 受光層
18 p型超格子層
19 p+型キャップ層
20 絶縁膜
20a、20b 開口部
22、24 電極
100 受光素子
S1〜S23 スパイク

Claims (6)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板の上に設けられたバッファ層と、
    前記バッファ層の上に積層された複数のn型超格子層と、
    前記n型超格子層の上に設けられた受光層と、
    前記受光層の上に設けられたp型超格子層と、
    前記バッファ層に電気的に接続されたn型電極と、
    前記p型超格子層に電気的に接続されたp型電極と、を具備し、
    前記複数のn型超格子層のうち隣り合う層の間における電子親和力の差は、前記n型超格子層の伝導帯を基準とするフェルミ準位の高さより小さく、
    前記複数のn型超格子層のバンドギャップは、前記受光層に近づくにつれ小さくなる受光素子。
  2. 前記受光層は赤外光を受光し、光電変換を行う請求項に記載の受光素子。
  3. 前記複数のn型超格子層のそれぞれは、GaSb/InAs超格子、GaSb/InAs/InSb超格子、GaSb/InAsSb超格子、GaInSb/InAs超格子、およびGaInSb/InAsSb超格子のいずれかで形成されている請求項1または2に記載の受光素子。
  4. 前記半導体基板および前記バッファ層はn型GaSbで形成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受光素子。
  5. 前記受光層はGaSb/InAs超格子、GaSb/InAsSb超格子、GaInSb/InAs超格子、およびGaInSb/InAsSb超格子のいずれかで形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受光素子。
  6. 前記複数のn型超格子層の電子親和力は、前記バッファ層に近づくにつれ小さくなる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受光素子。
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