以下、図面を参照しながら、検査装置及び検査方法、露光装置及び露光方法、並びに、デバイス製造方法の実施形態について説明する。但し、本発明が以下に説明する実施形態に限定されることはない。
以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、露光装置及び検査装置の夫々を構成する各種構成要素の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、X軸方向及びY軸方向のそれぞれが水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向)であるものとする。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向(言い換えれば、傾斜方向)を、それぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。
(1)第1実施形態の露光装置1
図1から図8を参照しながら、第1実施形態の露光装置1について説明する。
(1−1)第1実施形態の露光装置1の構造
(1−1−1)第1実施形態の露光装置1の全体の構造
初めに、図1を参照しながら、第1実施形態の露光装置1の構造について説明する。図1は、第1実施形態の露光装置1の構造の一例を示す側面図である。
図1に示すように、露光装置1は、光源11と、照明光学系12と、ミラー13と、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)14と、投影光学系15と、ステージ16と、コントローラ17と、検査装置18と、移動装置19とを備えている。
光源11は、コントローラ17によって制御され、露光光EL1を射出する。光源11は、露光光EL1として、所定の周波数で明滅を繰り返すパルス光を射出する。つまり、光源11は、所定の発光時間(以下、当該発光時間を“パルス幅”と称する)で発光するパルス光を所定の周波数で射出する。例えば、光源11は、パルス幅が50nsとなるパルス光を4kHzから6kHzの周波数で射出してもよい。光源11からパルス発光される露光光EL1は、波長が193nmとなるArFエキシマレーザ光であってもよい。
照明光学系12は、例えば米国特許第8,792,081号公報などに開示されるように、フライアイレンズやロッド型インテグレータ等のオプティカルインテグレータを有する照度均一化光学系、及び照野絞り(いずれも不図示)を有していてもよい。照明光学系12は、光源11からの露光光EL1の光量を均一化して露光光EL2として射出する。この露光光EL2によって空間光変調器14の光変調面14aが照明される。尚、空間光変調器の光変調面14a上には、照明光学系12の照野絞り(マスキングシステム)で規定された矩形状の照明領域が形成される。尚、照明光学系12は、光変調面14a上での露光光EL2の強度分布を変更するビーム強度分布変更部等を含んでいてもよい。
ミラー13は、照明光学系12から出力される露光光EL2を偏向して、空間光変調器14の光変調面14aに導く。
空間光変調器14は、後述するように、2次元的に配列された複数のミラー要素141を備える。複数のミラー要素141が配列されている面を、光変調面14aと称する。光変調面14aには、照明光学系12からミラー13を介して伝搬してくる露光光EL2が入射する。光変調面14aは、XY平面に平行な平面であって、露光光EL2の進行方向に交わる面である。光変調面14aは、矩形の形状を有している。露光光EL2は、光変調面14aをほぼ均一な照度分布で照明する。
空間光変調器14は、当該空間光変調器14の光変調面14aに照射された露光光EL2を、投影光学系15に向けて反射する。空間光変調器14は、露光光EL2を反射する際に、当該露光光EL2を、ウェハ161に転写するべきデバイスパターンに応じて空間変調する。ここで、「光を空間変調する」とは、当該光の進行方向を横切る断面における当該光の振幅(強度)、光の位相、光の偏光状態、光の波長及び光の進行方向(言い換えれば、偏向状態)のうちの少なくとも1つである光特性の分布を変化させることを意味していてもよい。本実施形態では、空間光変調器14は、反射型の空間光変調器である。
次に、図2(a)から図2(d)を参照しながら、空間光変調器14について更に説明を加える。図2(a)及び図2(b)に示すように、空間光変調器14は、複数のミラー要素141を備えている。尚、図2(b)は、図面の見易さを考慮して、図2(a)に示す複数のミラー要素141の一部を抜粋した図面である。
複数のミラー要素141は、光変調面14aに平行な面であるXY平面上において、二次元のアレイ状に(言い換えれば、マトリクス状に)配列されている。例えば、複数のミラー要素141のY軸方向に沿った配列数は、数百から数千である。例えば、複数のミラー要素141のX軸方向に沿った配列数は、複数のミラー要素141のY軸方向に沿った配列数の数倍から数十倍である。複数のミラー要素141のX軸方向に沿った配列数の一例は、数百から数万である。複数のミラー要素141は、X軸方向に沿って所定の配置間隔pxの間隔を隔て且つY軸方向に沿って所定の配置間隔pyの間隔を隔てるように、配列されている。配置間隔pxは、配置間隔pyと同じであるが、異なっていてもよい。配置間隔px及びpyの夫々の一例は、例えば、10マイクロメートルから1マイクロメートルである。
各ミラー要素141は、正方形の形状(或いは、その他任意の板状の形状)を有している。各ミラー要素141の位置及び/又は姿勢が変更されるため、各ミラー要素141のサイズLは、配置間隔px及びpyよりも小さくなる。つまり、X軸方向に沿って隣接する2つのミラー要素141の間及びY軸方向に沿って隣接する2つのミラー要素141の間には、ミラー要素141を構成しない隙間142が存在する。但し、サイズLに対して隙間142のサイズが十分に小さいため、第1実施形態では、説明の簡略化のために、各ミラー要素141のX軸方向及びY軸方向の夫々のサイズLは、上述した配置間隔px及びpyと同じであるものとする。
各ミラー要素141のうち露光光EL2が照射される面は、露光光EL2を反射する反射面141aとなっている。各ミラー要素141のXY平面に平行な2つの表面のうち−Z側に位置する表面は、反射面141aとなっている。反射面141aには、例えば反射膜が形成されている。反射面141aの反射膜としては、例えば金属膜や誘電体多層膜を用いてもよい。複数のミラー要素の141の反射面141aの集合が、実質的には、露光光EL2が照射される光変調面14aとなる。
図2(c)に示すように、空間光変調器14の各ミラー要素141は、第1接続部材143によってヒンジ部144と接続されている。ヒンジ部144は、弾性変形を利用してZ軸方向に撓むことが可能な可撓性を有している。このヒンジ部144は、支持基板149上に設けられた一対のポスト部145によって支持されている。また、ヒンジ部144には、後述する電極148によって静電力(引力又は斥力)の作用を受けるアンカー部146とヒンジ部144とを接続する第2接続部材147が設けられている。このように、アンカー部146とミラー要素141とは、第1接続部材143及び第2接続部材147並びにヒンジ部144を介して機械的に接続されている。そして、支持基板149の表面には電極148が形成されている。なお、ポスト部145は一対には限定されず、2以上の数であってもよい。
電極148に所定の電圧が印加されると、アンカー部146の裏面と電極148との間に静電力が作用する。上述の通り、アンカー部146の裏面と電極148との間に静電力を作用させると、アンカー部146が支持基板149側に移動し、この移動に伴ってミラー要素141も支持基板149側に移動する。
各ミラー要素141の状態は、アンカー部146と電極148との間に作用する静電力及びヒンジ部144の弾性力に起因して、反射面141aに直交する方向(つまり、Z軸方向)に沿った位置が異なる2つの状態の間で切り替わる。例えば、図2(d)の左側に示すように、アンカー部146と電極148との間に静電力が作用していない場合(つまり、ヒンジ部144が撓んでいない場合)には、各ミラー要素141は、各ミラー要素141の反射面141aが基準平面A1に一致する第1状態となる。例えば、図2(d)の右側に示すように、アンカー部146と電極148との間に静電力が作用している場合(つまり、ヒンジ部144が撓んでいる場合)には、各ミラー要素141は、各ミラー要素141の反射面141aが基準平面A1から+Z方向側に向かって距離d1だけシフトした変位平面A2に一致する第2状態となる。
第2状態にあるミラー要素141の反射面141aは、第1状態にあるミラー要素141の反射面141aから+Z側に向かって距離d1だけシフトした位置にある。このため、第2状態にあるミラー要素141が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3の波面の位相と、第1状態にあるミラー要素141が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3の波面の位相とは異なる。この位相差は、距離d1の倍の長さに相当する。第1実施形態では、距離d1は、露光光EL1の波長の1/4と一致する。この場合、第2状態にあるミラー要素141が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3の波面の位相は、第1状態にあるミラー要素141が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3の波面の位相と比較して、180度(πラジアン)だけ異なる。尚、以下では、説明の便宜上、第1状態を「0状態」と称し、第2状態を「π状態」と称する。
空間光変調器14は、コントローラ17の制御下で、ウェハ161に転写するべきデバイスパターンに応じて、複数のミラー要素141の状態を制御する。具体的には、不図示のパターン設計装置は、ウェハ161に転写するべきデバイスパターンに応じて、複数のミラー要素141の状態の分布(言い換えれば、配列)を決定する。例えば、パターン設計装置は、複数のミラー要素141のそれぞれが0状態となるべきか又はπ状態となるべきかを決定することで、複数のミラー要素141の状態の分布を決定する。これにより、複数のミラー要素141で反射される露光光EL3の、当該露光光EL3の進行方向に直交する(或いは、交わる)面における位相分布が決定される。コントローラ17は、パターン設計装置から、複数のミラー要素141の状態の分布を規定する変調パターンデータを取得する。コントローラ17は、変調パターンデータを用いて、複数のミラー要素141の状態を制御する。
尚、このような空間光変調器14の一例は、例えば、米国特許出願公開第2013/0222781号明細書に記載されている。
再び図1において、投影光学系15は、空間光変調器14によって空間変調された露光光EL3でウェハ161に明暗パターンを投影する。投影光学系15は、露光光EL3でウェハ161の表面(具体的には、ウェハ161に塗布されているレジスト膜の表面)に、空間光変調器14による空間変調に応じた明暗パターンを投影する。
投影光学系15は、露光光EL3を、ウェハ161の表面に設定される面状の露光領域ELAに投影する。つまり、投影光学系15は、ウェハ161の表面に設定される面状の露光領域ELAが露光光EL3によって露光されるように、露光領域ELAに露光光EL3を投影する。投影光学系15の光軸AXは、面状の露光領域ELAに直交する。面状の露光領域ELAは投影光学系15の光軸AXから外れた位置に形成される。ウェハ161の表面と投影光学系15の光軸AXとが一致する部分から外れた所定領域が、面状の露光領域ELAとなる。
投影光学系15は、デバイスパターンに基づく位相分布を有する露光光EL3を、位相分布に応じた強度分布を持つ空間像としてウェハ161の表面に投影する。
投影光学系15は、縮小系である。第1実施形態では、投影光学系15の投影倍率は、一例として1/200である。第1実施形態における投影光学系15の解像度は、空間光変調器14の各ミラー要素141のサイズLに投影倍率を乗じた値よりも大きくなるように設定されている。従って、単一のミラー要素141によって反射された露光光EL3は、露光領域ELA上では解像されることはない。尚、投影光学系15の投影倍率は、1/200の縮小倍率には限定されず、例えば1/400の縮小倍率であってもよく、等倍や拡大倍率であってもよい。
ステージ16は、ウェハ161を保持可能であり、保持したウェハ161をリリース可能である。ステージ16は、コントローラ17の制御下で、ウェハ161を保持した状態で、露光領域ELAを含む平面(例えば、XY平面)に沿って移動可能である。ステージ16は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動可能である。例えば、ステージ16は、平面モータを含むステージ駆動系162の動作により移動してもよい。尚、平面モータを含むステージ駆動系162の一例は、例えば、米国特許第6,452,292号に開示されている。但し、ステージ駆動系162は、平面モータに加えて又は代えて、他のモータ(例えば、リニアモータ)を含んでいてもよい。
ステージ16のXY平面内での位置(但し、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿った回転角度を含んでいてもよい)は、レーザ干渉計163によって、例えば0.25nm程度の分解能で常時計測されている。レーザ干渉計163の計測結果は、コントローラ17に出力される。但し、露光装置1は、レーザ干渉計163に加えて又は代えて、ステージ16のXY平面内での位置を計測可能なその他の計測装置(例えば、エンコーダ)を備えていてもよい。
コントローラ17は、露光装置1の動作を制御する。コントローラ17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、メモリを含んでいてもよい。例えば、コントローラ17は、光源11による露光光EL1の射出動作を制御する。具体的には、コントローラ17は、所定のパルス幅を有すると共に所定の周波数でパルス発光するパルス光を露光光EL1として適切なタイミングで射出するように光源11を制御する。更に、コントローラ17は、空間光変調器14による露光光EL2の空間変調動作を制御する。具体的には、コントローラ17は、パターン設計装置から取得した変調パターンデータを用いて、複数のミラー要素141の状態を制御する。更に、コントローラ17は、ステージ16の移動を制御する。具体的には、コントローラ17は、露光領域ELAがウェハ161の表面上を所望の移動経路を通って相対的に移動していくように、ステージ駆動系162を制御する。
検査装置18は、空間光変調器14を検査する。検査装置18は、空間光変調器14が備える各ミラー要素141を検査する。具体的には、検査装置18は、各ミラー要素141に欠陥が生じているか否かを判定する。言い換えれば、検査装置18は、空間光変調器14を検査することで、欠陥が生じているミラー要素141を特定する。検査装置18の検査結果は、コントローラ17に対して出力される。コントローラ17は、検査装置18の検査結果を用いて、所望のデバイスパターンがウェハ161に適切に転写されるように、露光装置1の動作を制御する。
検査装置18は、コントローラ17の制御下で、移動可能である。検査装置18は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動可能である。例えば、検査装置18は、平面モータを含む移動装置19の動作により移動してもよい。但し、移動装置19は、平面モータに加えて又は代えて、他のモータ(例えば、リニアモータ)を含んでいてもよい。
尚、照明光学系12は、露光光EL2が光変調面14aの一部に照射されるように露光光EL1を調整してもよい。照明光学系12は、光変調面14a上での露光光EL2が照射される照射領域が光変調面14aよりも小さくなるように、露光光EL1を調整してもよい。照明光学系12は、光変調面14a上での露光光EL1が照射される照射領域の形状が光変調面14aの形状と一致しないように、露光光EL1を調整してもよい。また、照明光学系12は、露光光EL2のビーム断面内での強度分布を変更して、光変調面14aに達する露光光EL2の照度分布をほぼ均一にしてもよい。この場合、照明光学系12は、照明光学系12が備えるオプティカルインテグレータの射出側の光路に配置されるビーム強度分布変更部を備えていてもよい。
空間光変調器14は、露光光EL3の位相分布を制御することに加えて又は代えて、露光光EL3の強度分布(つまり、露光光EL3の進行方向に直交する(或いは、交わる)方向に沿った面上における強度分布)を制御してもよい。空間光変調器14は、複数のミラー要素141に代えて、露光光EL2を空間変調することが可能な任意の装置(例えば、液晶パネル等)を備えていてもよい。
上述の例における空間光変調器14は、それぞれの上下方向(つまり、露光光EL2の進行方向)に沿った位置が可変である複数のミラー要素141を備える位相型(ピストン型)の空間光変調器である。しかしながら、空間光変調器14は、それぞれが傾斜可能な(例えば、X軸又はY軸に対して傾斜可能な)複数のミラー要素を備える傾斜型の空間光変調器であってもよい。また、空間光変調器14は、傾斜型の空間光変調器が備える複数のミラー要素の反射面に段差を設けた位相段差傾斜ミラー型の空間光変調器であってもよい。位相段差傾斜ミラー型の空間光変調器は、光変調面14aに平行な反射面141aが反射する光と光変調面14aに対して傾斜している反射面141aが反射する光との間の位相差を、露光光EL1の波長の半分(180度(πラジアン))に設定する空間光変調器である。また、国際公開第2005/059596号パンプレットに開示されている、それぞれの上下方向の位置が可変である複数のミラー要素と、当該複数のミラー要素の間に位置する固定反射面とを備え、ミラーの上下方向の移動によって光強度を空間変調する空間光変調器が用いられてもよい。また、上述の例における空間光変調器は、2次元的に配置されている複数のミラー要素141を備えたものである。しかしながら、空間光変調器は、移動可能或いは傾斜可能な複数のミラー要素141を1次元方向に配置した空間光変調器であってもよい。このような空間光変調器は、例えば米国特許第9,395,531号公報や米国特許第7,903,337号公報に開示されている。
(1−1−2)検査装置18の構造
続いて、図3(a)から図3(c)を参照しながら、検査装置18の構造について説明する。図3(a)は、検査装置18の断面(具体的には、YZ平面に沿った断面)を、空間光変調器14の断面と共に示す断面図である。図3(b)及び図3(c)の夫々は、検査装置18が備える瞳絞り185の一例を示す平面図である。
図3(a)に示すように、検査装置18は、照明光学系IL1と、結像光学系IM1と、検出器187と、コントローラ188とを備える。照明光学系IL1は、光源181と、導光光学系182と、ビームスプリッタ183と、レンズ184とを含む。結像光学系IM1は、レンズ184と、瞳絞り185と、ビームスプリッタ183と、レンズ186とを含む。つまり、レンズ184及びビームスプリッタ183の夫々は、照明光学系IL1及び結像光学系IM1によって共用される。
光源181は、コントローラ188の制御下で、空間光変調器14を検査するための検査光DL1を射出する。検査光DL1は、複数のミラー要素141が反射可能な光である限りは、どのような光であってもよい。検査光DL1の波長λは、複数のミラー要素141が反射可能な光である限りは、どのような波長λであってもよい。例えば、検査光DL1は、可視光であってもよいし、紫外光であってもよい。
光源181が出射した検査光DL1は、レンズ182a及び182bを含む導光光学系182に入射する。導光光学系182は、検査光DL1の光量を均一化して収束光として射出する。導光光学系182から射出した検査光DL1は、ビームスプリッタ183に入射する。ビームスプリッタ183は、検査光DL1を、ビームスプリッタ183と空間光変調器14(特に、光変調面14a)との間に配置されているレンズ184に向けて反射する。レンズ184は、ビームスプリッタ183によって反射されて発散光となった検査光DL1を、平行光に変換する。レンズ184を通過して平行光になった検査光DL1は、空間光変調器14の光変調面14aの少なくとも一部に相当する検査領域14bに垂直入射する。従って、照明光学系IL1は、平行光である検査光DL1を検査領域14bに照射する。
検査領域14bは、光変調面14aのうち少なくとも一部の領域である。検査領域14bは、少なくとも1つのミラー要素141(特に、その反射面141a)を包含する領域である。本実施形態では、検査領域14bは、隣接する2つ以上のミラー要素141を包含する領域であるものとする。具体的には、検査領域14bは、X軸方向に沿って隣接する(言い換えれば、配列される)少なくとも2つのミラー要素141を包含する領域であってもよい。検査領域14bは、Y軸方向に沿って隣接する(言い換えれば、配列される)少なくとも2つのミラー要素141を包含する領域であってもよい。検査領域14bは、X軸方向に沿って隣接する少なくとも2つのミラー要素141と、Y軸方向に沿って隣接する少なくとも2つのミラー要素141を包含する領域であってもよい。また、検査領域14bは、空間光変調器14が備える全てのミラー要素141を包含する領域であってもよいし、空間光変調器14が備える全てのミラー要素141のうちの一部を包含する領域であってもよい。
検査光DL1が照射された検査領域14bからは、検査光DL1の照射に起因して発生する出射光DL2が出射する。出射光DL2は、レンズ184、ビームスプリッタ183、瞳絞り185及びレンズ186を含む結像光学系IM1を介して、結像光学系IM1の像面に配置される検出器187の検出面187aに入射する。つまり、出射光DL2は、結像光学系IM1を介して、検出器187の検出面187aにおいて結像する。検出器187は、検出面187aに入射した出射光DL2を検出することで、検出面187a上における出射光DL2の強度分布に関する情報を取得する。このため、検出器187は、撮像面が検出面187aに一致するように規則的に配列された複数の撮像素子を含む。複数の撮像素子の配列ピッチは、複数のミラー要素141の配列ピッチに、出射光DL2を空間光変調器14から検出器18へと導く結像光学系IM1の結像倍率を掛け合わせて得られる配列ピッチと同じであってもよいし、小さくてもよいし、大きくてもよい。複数の撮像素子の配列ピッチが小さくなればなるほど、検出器187の解像度が高くなる。
第1実施形態では特に、瞳絞り185は、出射光DL2の一部を遮光して検出器187に導かない一方で、出射光DL2の他の一部を通過させて検出器187に導くように構成されている。具体的には、出射光DL2は、検査光DL1の正反射光DL2(0)を含んでいる。瞳絞り185は、少なくとも正反射光DL2(0)を遮光して検出器187に導かないように構成されている。このため、瞳絞り185は、図3(b)に示すように、正反射光DL2(0)の光路上に配置される遮光素子185cを含んでいる。一方で、瞳絞り185は、出射光DL2のうち正反射光DL2(0)以外の他の光成分の少なくとも一部を通過させて検出器187に導くように構成されている。このため、瞳絞り185は、図3(b)に示すように、出射光DL2のうち正反射光DL2(0)以外の他の光成分(以降、適宜“非正反射光DL2(NR)”と称する)の少なくとも一部が通過可能な開口185bを規定する絞り部材185aを含んでいる。
出射光DL2は、非正反射光DL2(NR)として、ミラー要素141の欠陥による散乱光DL2(S)の少なくとも一部を含む。従って、瞳絞り185は、ミラー要素141の欠陥による散乱光DL2(S)の少なくとも一部を通過させて検出器187に導くように構成されている。ここで、欠陥による散乱光DL2(S)は、高次の回折光を含まなくてもよい。開口185bの形状や配置位置によっては、図3(c)に示すように、遮光素子185cが絞り部材185aと一体化されることがある尚、図3(c)は、開口185bが光軸に関して偏心している瞳絞り185の一例を示す。
検出器187には、出射光DL2のうち瞳絞り185を通過した光成分(つまり、瞳絞り185によって遮光されなかった光成分)が入射する。従って、検出器187は、出射光DL2のうち正反射光DL2(0)以外の他の光成分(つまり、非正反射光DL2(NR))の少なくとも一部を、検出光DL3として検出する。その結果、検出器187は、検出面187a上における検出光DL3の強度分布に関する情報を取得する。尚、検出面187aは、光変調面14aと光学的に共役な位置に配置される。
ここで、上述したように、検出面187aに入射する出射光DL2(つまり、検出光DL3)には、欠陥による散乱光DL2(S)の少なくとも一部が含まれる。従って、検出器187は、例えば、散乱光DL2(S)の少なくとも一部の強度分布に関する情報を取得可能である。
コントローラ188は、検出器187の検出結果(つまり、検出光DL3の強度分布に関する情報)を用いて、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141の状態を推定する。具体的には、コントローラ188は、検出器187の検出結果を用いて、各ミラー要素141に欠陥が生じているか否かを判定する。言い換えれば、コントローラ188は、欠陥が生じているミラー要素141を特定する。尚、コントローラ188が複数のミラー要素141に欠陥が生じているか否かを判定する動作については、後に詳述するため(図4等参照)、ここでの説明を省略する。
(1−2)第1実施形態の露光装置1の動作
続いて、図4を参照しながら、第1実施形態の露光装置1の動作について説明する。図4は、第1実施形態の露光装置1の動作の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、レジストが塗布された未露光のウェハ161が露光装置1にローディングされる(ステップS11)。つまり、ステージ16上にウェハ161が搭載される。その後、コントローラ17は、ウェハ161を露光するように露光装置1を制御する(ステップS12)。
ここで、図5(a)から図5(c)を参照しながら、ウェハ161を露光する動作について更に詳細に説明する。図5(a)は、ウェハ161の表面上における露光領域ELAの移動経路の一例を示す平面図である。図5(b)及び図5(c)は、それぞれ、複数のミラー要素141の状態分布の一例を示す平面図である。
図5(a)に示すように、露光光EL3は、ウェハ161の表面に設定される面状の露光領域ELAに照射される。露光光EL3は、露光領域ELAを露光する。露光領域ELAは、露光光EL3であるパルス光のうちの1回又は複数回のパルス発光によって露光される。その結果、露光光EL3は、ウェハ161の表面のうち露光領域ELAと重なる少なくとも一部の面部分である露光対象面110に照射される。
露光領域ELAがウェハ161の表面上を所望の移動経路を通って相対的に移動していくようにステージ16が移動する。図5(a)中に示す矢印は、露光領域ELAの移動経路の一例を示している。図5(a)に示す例では、ステージ16は、あるタイミングで露光領域ELAが+Y方向に向かって移動するように、−Y方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが−X方向に向かって移動するように、+X方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが−Y方向に向かって移動するように、+Y方向に向かって移動する。その後、ステージ16は、露光領域ELAが−X方向に向かって移動するように、+X方向に向かって移動する。以降、ステージ16は、−Y方向に向かう移動、+X方向に向かう移動、+Y方向に向かう移動及び+X方向に向かう移動を繰り返す。その結果、露光領域ELAは、ウェハ161の表面を図5(a)中の矢印が示す経路を通って相対的に移動する。
ウェハ161の表面は、複数の露光対象面110に区分可能である。この場合、ステージ16は、露光領域ELAが複数の露光対象面110に順次重なるように移動する。ステージ16は、露光領域ELAが複数の露光対象面110を順次トレースするように移動する。図5(a)に示す例では、ステージ16は、露光領域ELAが露光対象面110−1に重なるように−Y方向に向かって移動する。露光領域ELAが露光対象面110−1に重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、露光対象面110−1)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。つまり、光源11は、露光領域ELAが露光対象面110−1に重なるタイミングと光源11が射出するパルス光のうちの1回のパルス発光のタイミングとが一致するように、露光光EL3を射出する。その後、ステージ16は、Y軸方向に沿って露光対象面110−1に隣接する露光対象面110−2aに露光領域ELAが重なるように−Y方向に向かって移動する。露光領域ELAが露光対象面110−1から露光対象面110−2に向かって移動している間は、光源11は、露光光EL1を射出しない。つまり、露光領域ELAが露光対象面110−1から露光対象面110−2に向かって移動している間は、パルス発光が行われることはない。露光領域ELAが露光対象面110−2に重なるタイミングで露光光EL3が露光領域ELA(つまり、露光対象面110−2)を露光するように、光源11は、露光光EL1を射出する。以降、Y軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対しても同様の動作が繰り返される。その後、Y軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対する露光が終了する(つまり、露光対象面110−3に対する露光が終了する)と、ステージ16は、露光対象面110−3にX軸方向に沿って隣接する露光対象面110−4に露光領域ELAが重なるように−X方向に向かって移動する。以降、露光対象面110−4を起点として、Y軸に沿って並ぶ一連の露光対象面110に対しても同様の動作が繰り返される。以降は、図5(a)に示す移動経路を通って露光対象面ELAが移動するように、上述した動作が繰り返される。
空間光変調器14が備える複数のミラー要素141は、1回の露光(つまり、1回のパルス発光)毎に、1回のパルス発光による露光によってウェハ161に転写されるべきデバイスパターンに基づく状態に遷移する。つまり、複数のミラー要素141は、変調パターンデータが規定する、1回のパルス発光による露光を行う際の複数のミラー要素141の状態に遷移する。
図5(a)に示す例では、露光対象面110−1が露光される場合には、複数のミラー要素141は、露光対象面110−1に対する1回の露光によってウェハ161に転写されるべきデバイスパターン(つまり、露光対象面110−1の下部に位置するウェハ161に転写されるべきデバイスパターン)に基づく状態に遷移する。その後、露光対象面110−1に続いて露光対象面110−2が露光される場合には、複数のミラー要素141は、露光対象面110−2に対する1回の露光によってウェハ161に転写されるべきデバイスパターン(つまり、露光対象面110−2の下部に位置するウェハ161に転写されるべきデバイスパターン)に基づく状態に遷移する。例えば、図5(b)は、露光対象面110−1を露光するための複数のミラー要素141の状態の一例を示す。例えば、図5(c)は、露光対象面110−2を露光するための複数のミラー要素141の状態の一例を示す。
尚、図5(b)及び図5(c)中の白抜き領域で示すミラー要素141は、0状態にあるミラー要素141を示している。一方で、図5(b)及び図5(c)中の網掛け領域で示すミラー要素141は、π状態にあるミラー要素141を示している。
再び図4において、その後、コントローラ17は、ウェハ161の露光が完了したか否かを判定する(ステップS13)。つまり、コントローラ17は、ウェハ161上の全ての露光対象面110の露光が完了したか否かを判定する。ステップS13の判定の結果、ウェハ161の露光が完了していないと判定される場合には(ステップS13:No)、コントローラ17は、ウェハ161の露光を継続するように露光装置1を制御する(ステップS12)。他方で、ステップS13の判定の結果、ウェハ161の露光が完了したと判定される場合には(ステップS13:Yes)、露光済みのウェハ161が露光装置1からアンローディングされる(ステップS14)。アンローディングされたウェハ161は、不図示のデベロッパーによって現像される。その後、ウェハ161は、不図示のエッチング装置によってエッチングされる。その結果、ウェハ161上に、デバイスパターンが転写(言い換えれば、形成)される。
ウェハ161がアンローディングされた後又はウェハ161のアンローディングと並行して、検査装置18は、空間光変調器14を検査する(ステップS21からステップS27)。つまり、検査装置18は、露光光EL3によるウェハ161の露光が行われていない(言い換えれば、ステージ16がウェハ161を保持していない)非露光期間中に、空間光変調器14を検査する。
第1実施形態では、検査装置18は、空間光変調器14を検査する動作として、各ミラー要素141に欠陥が生じているか否かを判定する。特に、検査装置18は、各ミラー要素141に、各ミラー要素141が固着する欠陥が生じているか否かを判定する。ミラー要素141が固着する欠陥は、ミラー要素141の反射面141aの位置(つまり、Z軸方向の位置であり、実質的には高さに相当)を変更することができなくなる欠陥である。つまり、ミラー要素141が固着する欠陥は、ミラー要素141の反射面141aの位置を制御又は調整することができなくなる欠陥である。以下、ミラー要素141が固着する欠陥の一例について説明する。
例えば、図6(a)は、全てのミラー要素141が0状態にある空間光変調器14を示す。全てのミラー要素141に欠陥が生じていない場合には、全てのミラー要素141の状態を0状態からπ状態に遷移させるための制御信号をコントローラ17が空間光変調器14に出力すると、空間光変調器14の状態は、図6(a)に示す状態から、図6(b)に示す状態へと遷移する。つまり、全てのミラー要素141の状態が0状態からπ状態へと遷移する。一方で、あるミラー要素141に欠陥(特に、反射面141aの位置が基準平面A1で固着する欠陥)が生じている場合には、全てのミラー要素141の状態を0状態からπ状態に遷移させるための制御信号をコントローラ17が空間光変調器14に出力すると、空間光変調器14の状態は、図6(a)に示す状態から、図6(c)に示す状態へと遷移する。つまり、あるミラー要素141の状態が0状態からπ状態へと遷移しない。
同様に、例えば、図6(d)は、全てのミラー要素141がπ状態にある空間光変調器14を示す。全てのミラー要素141に欠陥が生じていない場合には、全てのミラー要素141の状態をπ状態から0状態に遷移させるための制御信号をコントローラ17が空間光変調器14に出力すると、空間光変調器14の状態は、図6(d)に示す状態から、図6(e)に示す状態へと遷移する。つまり、全てのミラー要素141の状態がπ状態から0状態へと遷移する。一方で、あるミラー要素141に欠陥(特に、反射面141aの位置が変位平面A2で固着する欠陥)が生じている場合には、全てのミラー要素141の状態をπ状態から0状態に遷移させるための制御信号をコントローラ17が空間光変調器14に出力すると、空間光変調器14の状態は、図6(d)に示す状態から、図6(f)に示す状態へと遷移する。つまり、あるミラー要素141の状態がπ状態から0状態へと遷移しない。
或いは、あるミラー要素141に、反射面141aの位置が基準平面A1と変位平面A2との間の中間位置A3で固着する欠陥が生じている場合には、全てのミラー要素141の状態を0状態又はπ状態にするための制御信号をコントローラ17が空間光変調器14に出力したとしても、あるミラー要素141の状態が0状態にもならず且つπ状態にもならない。
再び図4において、このような欠陥が生じているミラー要素141を特定するために、コントローラ17は、まず、空間光変調器14(特に、その検査領域14b)に対して検査装置18が検査光DL1を照射することが可能な検査位置に位置するようになるまで検査装置18が移動するように、移動装置19を制御する(ステップS21)。その結果、検査装置18は、検査位置に位置することになる。
ここで、図7(a)及び図7(b)を参照しながら、検査装置18の移動について更に説明する。
図7(a)は、露光光EL3によるウェハ161の露光が行われている(言い換えれば、ステージ16がウェハ161を保持している)露光期間中の検査装置18の位置を示す。図7(a)に示すように、露光期間中は、空間光変調器14の光変調面14aには、露光光EL2が照射される。更に、空間光変調器14が空間変調した露光光EL3は、投影光学系15を介してウェハ161に照射される。一方で、露光期間中は、検査装置18は、検査領域14bに対して検査光DL1を照射しなくてもよい。このため、図7(a)に示すように、露光期間中は、検査装置18は、ウェハ161への露光光EL3の照射を検査装置18が妨げることがない非検査位置に位置する。具体的には、検査装置18は、露光光EL1、EL2及びEL3の光路に重ならない非検査位置に位置する。
一方で、図7(b)は、検査装置18が空間光変調器14を検査する検査期間中の検査装置18の位置を示す。尚、検査期間は、露光光EL3によるウェハ161の露光が行われていない非露光期間の少なくとも一部である。図7(b)に示すように、検査期間中は、ウェハ161に露光光EL3が照射されない。このため、検査期間中は、検査装置18は、ウェハ161への露光光EL3の照射を妨げることがない非検査位置に位置していなくてもよい。従って、露光期間中は非検査位置に位置していた検査装置18は、移動装置19の動作により、空間光変調器14(特に、その検査領域14b)に対して検査光DL1を照射することが可能な検査位置に位置するようになるまで移動する。
再び図4において、その後、コントローラ188は、検査光DL1を検査領域14bに照射するように、光源181を制御する。その結果、光源181は、検査領域14bに対して検査光DL1が照射されるように、検査光DL1を射出する(ステップS22)。その結果、検査光DL1の照射に起因して、検査領域14bからは、出射光DL2が出射する。検出器187は、出射光DL2を検出する(ステップS23)。特に、検出器187は、出射光DL2のうち正反射光DL2(0)以外の他の光成分(つまり、非正反射光DL2(NR))の少なくとも一部を、検出光DL3として検出する。その結果、検出器187は、検出光DL3の強度分布に関する情報を取得する。
検査領域14bが、空間光変調器14が備える全てのミラー要素141の一部を包含する領域である場合には、ステップS22及びステップS23の処理が、空間光変調器14に対する検査装置18の相対位置を変えながら繰り返される。具体的には、光変調面14a上の第1位置に設定される検査領域14aに対して検査光DL1が照射され且つ当該第1位置に設定される検査領域14aからの出射光DL2が検出される。その後、移動装置19は、コントローラ188の制御下で、光変調面14a上の第1位置とは異なる第2位置に設定される検査領域14aに対して検査光DL1が照射され且つ当該第2位置に設定される検査領域14aからの出射光DL2が検出されるように、空間光変調器14に対して検査装置18を移動させる。その結果、光変調面14a上の第2位置に設定される検査領域14aに対して検査光DL1が照射され且つ当該第2位置に設定される検査領域14aからの出射光DL2が検出される。以降、同様の動作が、光変調面14a上の全ての位置に検査領域14bが設定されるまで繰り返される。つまり、検査装置18は、光変調面14aの全体に渡って検査領域14bが順次設定されるように、空間光変調器14に対する検査装置18の相対位置を変えながら検査光DL1を検査領域14bに照射する。その結果、検査装置18は、光変調面14aの各部分に検査光DL1を順次照射することで、光変調面14aの全体に検査光DL1を照射することができる。従って、検出器187は、光変調面14aの各部分からの出射光DL2を順次検出することで、光変調面14aの全体からの出射光DL2を検出することができる。
一方で、検査領域14bが、空間光変調器14が備える全てのミラー要素141を包含する領域である場合には、ステップS22及びステップS23の処理は、空間光変調器14に対する検査装置18の相対位置を固定したまま少なくとも1回行われればよい。つまり、検査装置18は、空間光変調器14に対する検査装置18の相対位置を固定したまま、検査光DL1を検査領域14b(つまり、光変調面14aの全体)に照射すればよい。その結果、検出器187は、光変調面14aの全体からの出射光DL2をまとめて検出することができる。
ステップS22及びステップS23の処理が行われている間は、コントローラ17は、コントローラ188の制御下で、検査領域14bに含まれるミラー要素141の全て(或いは、空間光変調器14が備える複数のミラー要素141の全て、以下この段落において同じ)を同じ状態にするための制御信号を空間光変調器14に出力する。つまり、コントローラ17は、コントローラ188の制御下で、検査領域14bに含まれるミラー要素141の全てが0状態及びπ状態のいずれかになるように、空間光変調器14を制御する。この場合、検査領域14bに含まれるミラー要素141の全てを0状態にするための制御信号がコントローラ17から空間光変調器14に出力されている状態でステップS22及びステップS23の処理が行われ、その後、検査領域14bに含まれるミラー要素141の全てをπ状態にするための制御信号がコントローラ17から空間光変調器14に出力されている状態でステップS22及びステップS23の処理が行われてもよい。その結果、コントローラ188は、固着する欠陥が生じているミラー要素141を特定することに加えて、生じている欠陥が、反射面141aの位置が基準平面A1で固着する欠陥であるのか、反射面141aの位置が変位平面A2で固着する欠陥であるのか、又は、反射面141aの位置が基準平面A1と変位平面A2との間の中間位置A3で固着する欠陥であるのかをも特定することができる。
その後、コントローラ188は、ステップS23で取得される検出光DL3の強度分布(つまり、検出光DL3の検出強度)を用いて、各ミラー要素141に、各ミラー要素141が固着する欠陥が生じているか否かを判定する(ステップS24からステップS25)。
ここで、検出面187a上のある撮像位置(x,y)において検出される検出光DL3の検出強度I(x,y)は、当該撮像位置(x,y)に対応する検査領域14b中のある検査位置(X,Y)に位置するミラー要素141(X,Y)の反射面141aの高さ(より具体的には、反射面141aの基準位置からのZ軸方向の変位量)dと、検査光DL1の周波数νに依存して変動する。具体的には、検出強度I(x,y)は、I(x,y)=I0(x,y,ν,d0)×(1−cos(4πdν/c))という数式で近似可能である。尚、I0(x,y,ν,d0)は、ミラー要素141(X,Y)の反射面141aの高さdが所定の高さd0である場合に撮像位置(x,y)において検出される検出光DL3の検出強度(以降、“基準強度”と称する)を示す。cは、光速を示す。ここで、検査光DL1の周波数ν及び光速cは、コントローラ188にとって既知のパラメータである。このため、基準強度I0(x,y,ν,d0)がコントローラ188にとって既知のパラメータとなれば、検出強度I(x,y)は、ミラー要素141(X,Y)の反射面141aの高さdに依存して変動することになる。従って、ある検査位置(X1、Y1)のミラー要素141(X1,Y1)に欠陥が生じている場合に検査位置(X1、Y1)に対応する撮像位置(x1、y1)で検出される検出強度I(x1,y1)は、ミラー要素141(X1,Y1)に欠陥が生じていない場合に検出される検出強度I(x1,y1)とは異なる。例えば、ミラー要素141(X1,Y1)に欠陥が生じている場合に検出される検出強度I(x1,y1)は、ミラー要素141(X1,Y1)に欠陥が生じていない場合に検出される検出強度I(x1,y1)よりも大きくなる(或いは、場合によっては小さくなる)。このため、ミラー要素141(X1,Y1)に欠陥が生じている一方でミラー要素141(X1,Y1)以外の他のミラー要素141に欠陥が生じていない場合には、図8に示すように、検出光DL3の強度分布は、検出強度I(x1,y1)が極大値(或いは、場合によっては極小値)となる強度分布となる。更に、検出強度I(x1,y1)の大きさは、ミラー要素141(X1,Y1)の高さdに依存して変動する。例えば、検出強度I(x1,y1)は、ミラー要素141(X1,Y1)の高さdが高くなるほど(或いは、場合によって低くなるほど)大きくなる。
このため、コントローラ188は、ステップS23で取得された検出強度(以降、実際に取得した検出強度を、“検出強度Idetect(x,y)”と称する)から、ミラー要素141(X,Y)の反射面141aの高さdが、欠陥が生じている高さとなっているのか又は正常な高さであるのかを特定することができる。例えば、コントローラ188は、検査領域14bに含まれるミラー要素141の全てを0状態にするための制御信号がコントローラ17から空間光変調器14に出力されている状態で取得された検出強度Idetect(x,y)から、ミラー要素141(X,Y)の反射面141aの高さdが、正常な高さ(つまり、基準平面A1に相当する高さ)であるのか又は欠陥が生じている高さ(例えば、変位平面A2又は中間位置A3に相当する高さ)であるのかを特定することができる。例えば、コントローラ188は、検査領域14bに含まれるミラー要素141の全てをπ状態にするための制御信号がコントローラ17から空間光変調器14に出力されている状態で取得された検出強度Idetect(x,y)から、ミラー要素141(X,Y)の反射面141aの高さdが、正常な高さ(つまり、変位平面A2に相当する高さ)であるのか又は欠陥が生じている高さ(例えば、基準平面A1又は中間位置A3に相当する高さ)であるのかを特定することができる。
コントローラ188は、このような方法で各ミラー要素141に、各ミラー要素141が固着する欠陥が生じているか否かを判定する。このため、コントローラ188は、まず、上述した基準強度I0(x,y,ν,d0)を取得する(ステップS24)。基準強度I0(x,y,ν,d0)は、全てのミラー要素141の高さdが既知の空間光変調器14に対して検査装置18が行うテスト検査動作によって取得されてもよい。テスト検査動作は、全てのミラー要素141の高さdが所定の高さd0であって且つ全てのミラー要素141に欠陥が生じていない空間光変調器140に対して検査光DL1を照射し、当該空間光変調器140からの出射光DL2を検出することで検出光DL3の強度分布を取得する動作である。テスト検査動作は、図4に示す露光動作が行われる前に露光装置1外で予め行われる。但し、テスト検査動作は、図4に示す露光動作中に行われてもよいし、露光装置1内で行われてもよい。この場合には、露光装置1が、基準となる空間光変調器140を備えている。或いは、基準強度I0(x,y,ν,d0)は、全てのミラー要素141の高さdが所定の高さd0となる空間光変調器140を模擬するシミュレーションモデルを用いてテスト検査動作をシミュレートすることで取得されてもよい。
その後、コントローラ188は、ステップS23で取得した検出光DL3の検出強度Idetect(x,y)及びステップS24で取得した基準強度I0(x,y,ν,d0)を用いて、各ミラー要素141に、各ミラー要素141が固着する欠陥が生じているか否かを判定する(ステップS25)。具体的には、コントローラ188は、上述した検出強度I(x,y)の数式に対して、ステップS23で実際に取得した検出強度Idetect(x,y)及びステップS24で取得した基準強度I0(x,y,ν,d0)を代入することで、各ミラー要素141の高さdを特定することができる。その後、コントローラ188は、特定した各ミラー要素141の高さdが正常な高さであるのか又は欠陥が生じている高さであるのかを特定する。その結果、コントローラ188は、各ミラー要素141が固着する欠陥が生じているか否かを判定することができると共に、欠陥が生じているミラー要素141における欠陥の程度(例えば、反射面141aの固着位置等)を特定することができる
或いは、コントローラ188は、ステップS23で取得した検出強度Idetect(x,y)からステップS24で取得した基準強度I0(x,y,ν,d0)に応じた変動成分を排除する補正を行ってもよい。その結果、コントローラ188は、補正後の検出強度Iamd(x,y)として、各ミラー要素141の高さdに依存して変動する検出強度を取得できる。その後、コントローラ188は、補正後の検出強度Iamd(x,y)の分布中に、ある一定強度以上の極大値が存在しなければ、全てのミラー要素141に欠陥が生じていない(つまり、正常である)と判定してもよい。例えば、コントローラ188は、補正後の検出強度Iamd(x,y)の分布中に、ある一定強度以上の極大値が存在していれば、当該極大値が存在する撮像位置(x2,y2)に対応する検査位置(X2,Y2)のミラー要素141(X2,Y2)に欠陥が生じていると判定してもよい。更に、この場合には、コントローラ188は、極大値の大きさから、ミラー要素141(X2,Y2)に生じている欠陥の程度を特定してもよい。
検出器187が備える複数の撮像素子の配列ピッチが、複数のミラー要素141の配列ピッチ(但し、出射光DL2を空間光変調器14から検出器18へと導く結像光学系IM1の結像倍率を考慮した配列ピッチ)と同じである場合には、複数の撮像素子の数は、複数のミラー要素141の数に一致する。つまり、複数の撮像素子と複数のミラー要素141とは、1対1で対応する。具体的には、検出面187a上のある1つの撮像位置(x3,y3)に位置する1つの撮像素子は、当該1つの撮像位置(x3,y3)に対応する1つの検査位置(X3,Y3)に位置する1つのミラー要素141(X3,Y3)に対応する。この場合には、コントローラ188は、ある1つの撮像位置(x3,y3)における検出強度Idetect(x3,y3)に基づいて、ある1つのミラー要素141(X3,Y3)に欠陥が生じているか否かを判定することができる。
複数の撮像素子の配列ピッチが、複数のミラー要素141の配列ピッチ(但し、結像光学系IM1の結像倍率を考慮した配列ピッチ)よりも小さい場合には、複数の撮像素子の数は、複数のミラー要素141の数よりも多い。つまり、複数の撮像素子と複数のミラー要素141とは、n対1(但し、nは1以上の実数)で対応する。具体的には、検出面187a上のある複数の撮像位置(x4,y4)に夫々位置する複数の撮像素子は、当該複数の撮像位置(x4,y4)に共通して対応する1つの検査位置(X4,Y4)に位置する1つのミラー要素141(X4,Y4)に対応する。この場合には、コントローラ188は、複数の撮像位置(x4,y4)における複数の検出強度Idetect(x4,y4)に基づいて、ある1つのミラー要素141(X4,Y4)に欠陥が生じているか否かを判定することができる。例えば、コントローラ188は、複数の撮像位置(x4,y4)における複数の検出強度Idetect(x4,y4)の平均値を算出し、当該検出強度Idetect(x4,y4)の平均値に基づいて、ある1つのミラー要素141(X4,Y4)に欠陥が生じているか否かを判定することができる。
複数の撮像素子の配列ピッチが、複数のミラー要素141の配列ピッチ(但し、結像光学系IM1の結像倍率を考慮した配列ピッチ)よりも大きい場合には、複数の撮像素子の数は、複数のミラー要素141の数よりも少ない。つまり、複数の撮像素子と複数のミラー要素141とは、1:m(但し、mは1以上の実数)で対応する。具体的には、検出面187a上のある1つの撮像位置(x5,y5)に位置する1つの撮像素子は、当該1つの撮像位置(x5,y5)に共通して対応する複数の検査位置(X5,Y5)に位置する複数のミラー要素141(X5,Y5)に対応する。この場合には、コントローラ188は、撮像位置(x5,y5)の周辺位置における検出光DL3の強度を、検出強度Idetect(x,y)を補間することで推定すると共に、当該推定した検出光DL3の強度に基づいて、当該1つの撮像位置(x5,y5)に共通して対応する複数の検査位置(X5,Y5)に位置する複数のミラー要素141(X5,Y5)に欠陥が生じているか否かを判定することができる。この場合には、複数の撮像素子の配列ピッチが複数のミラー要素141の配列ピッチよりも大きいままでよい(つまり、結像光学系186の開口数が相対的に小さくてもよい)ため、結像光学系IM1の負荷が相対的に緩和されるというメリットもある。但し、コントローラ188は、1つの撮像位置(x5,y5)における1つの検出強度Idetect(x5,y5)に基づいて、複数のミラー要素141(X5,Y5)に欠陥が生じているか否かを判定してもよい。
ミラー要素141に欠陥が生じているか否かが判定された後には、コントローラ17は、検査装置18がウェハ161への露光光EL3の照射を妨げない非検査位置に位置するまで検査装置18が移動するように、移動装置19を制御する(ステップS26)。その結果、検査装置18は、非検査位置に位置することになる。
その後、コントローラ17は、露光装置1が新たなウェハ161を露光するか否かを判定する(ステップS27)。ステップS27の判定の結果、露光装置1が新たなウェハ161を露光しないと判定される場合には(ステップS27:No)、図4に示す動作が終了する。
他方で、ステップS27の判定の結果、露光装置1が新たなウェハ161を露光すると判定される場合には(ステップS27:Yes)、ステップS11以降の動作が繰り返される。つまり、露光装置1は、新たなウェハ161に対して露光光EL3を照射することで、新たなウェハ161を露光する。このとき、コントローラ17は、検査装置18の検査結果(つまり、複数のミラー要素141の欠陥の有無の判定結果)を用いて、露光光EL3でウェハ161を露光する動作を制御してもよい。具体的には、コントローラ17は、所望のデバイスパターンをウェハ161に適切に転写可能な適切な露光光EL3がウェハ161に照射されるように、光源11、照明光学系12、空間光変調器14、投影光学系15及びステージ16の少なくとも一つを制御してもよい。例えば、少なくとも1つのミラー要素141に欠陥が生じている場合には、全てのミラー要素141に欠陥が生じていない場合と比較して、ウェハ161上の各領域部分に対する露光光EL3の露光量が変わる可能性がある。このため、コントローラ17は、複数のミラー要素141の欠陥の有無に依存することなく、ウェハ161上の各領域部分に対する露光光EL3の露光量が適切な露光量となるように、光源11、照明光学系12、空間光変調器14、投影光学系15及びステージ16の少なくとも一つを制御してもよい。
以上説明したように、第1実施形態の露光装置1は、空間光変調器14に対して検査光DL1を照射すると共に、当該検査光DL1の照射に起因して発生する出射光DL2を検出することで、空間光変調器14を検査することができる。このため、露光装置1は、空間光変調器14を比較的容易に検査することができる。加えて、第1実施形態の露光装置1は、出射光DL2のうち正反射光DL2(0)以外の他の光成分の少なくとも一部を検出光DL3として検出することで、空間光変調器14を検査することができる。このため、検出光DL3の強度分布において、欠陥が発生しているミラー要素141に起因する強度と欠陥が発生していないミラー要素141に起因する強度が明確に分離可能となる。このため、空間光変調器14の検査精度が相対的に向上する。つまり、検査装置18のSN比が相対的に向上する。
尚、出射光DL2には、複数のミラー要素141の間の隙間142を介したノイズ光が含まれる可能性がある。例えば、出射光DL2には、ノイズ光として、複数の隙間142を介して反射面141a以外の部材に照射された検査光DL1の当該部材から反射光が含まれている可能性がある。例えば、出射光DL2には、ノイズ光として、複数の隙間142の周期的な配列に起因して発生する回折光が含まれている可能性がある。このノイズ光は、複数のミラー要素141の反射面141aに関係なく発生する光である。このため、検出器187がこのノイズ光を検出すると、検査装置18の検査精度が悪化する可能性がある。このため、瞳絞り185は、出射光DL2のうち隙間142を介したノイズ光を遮光して検出器187に導かないように構成されていてもよい。例えば、瞳絞り185が備える遮光素子185cが、ノイズ光の少なくとも一部を遮光してもよい。例えば、瞳絞り185の絞り部材185aが、ノイズ光の少なくとも一部を遮光してもよい。その結果、空間光変調器14の検査精度が相対的に向上する。尚、光変調面14aに対するノイズ光の出射角度は、相対的に大きくなる可能性が高い。このため、出射光DL2のうち2次以上の高次の回折光DL2(±2、±3、・・・)を遮光して検出器187に導かないように構成されている瞳絞り185は、実質的には、出射光DL2のうちノイズ光を遮光して検出器187に導かないように構成されている可能性が相対的に高い。つまり、瞳絞り185を含む結像光学系IM1の開口数が相対的に小さい場合には、結像光学系186は、出射光DL2のうちノイズ光を検出器187に導かないように構成されている可能性が相対的に高い。
上述した説明では、検査装置18は、露光光EL3によって露光されたウェハ161がアンロードされた後に又は露光光EL3によって露光されたウェハ161のアンロードと並行して、空間光変調器14を検査している。しかしながら、検査装置18は、露光光EL3がウェハ161に照射されていない任意の期間中に、空間光変調器14を検査してもよい。例えば、検査装置18は、ウェハ161がローディングされる前に、空間光変調器14を検査してもよい。例えば、検査装置18は、ウェハ161がローディングされてからウェハ161の露光を開始するまでの期間の少なくとも一部において、空間光変調器14を検査してもよい。例えば、検査装置18は、ウェハ161の露光が完了してからウェハ161がアンローディングされるまでの期間の少なくとも一部において、空間光変調器14を検査してもよい。例えば、ウェハ161が露光される露光期間中であっても、ステージ16がX軸方向に沿って移動している期間(つまり、ステップ移動期間、図3(a)参照))中は、ウェハ161に対する露光光EL3の照射が一時的に中断される。このため、検査装置18は、ステップ移動期間の少なくとも一部において、空間光変調器14を検査してもよい。
上述した説明では、検査装置18は、1枚のウェハ161の露光が完了する都度、空間光変調器14を検査している。しかしながら、検査装置18は、2枚以上の(或いは、所定枚数の)ウェハ161の露光が完了する都度、空間光変調器14を検査してもよい。
上述した説明では、コントローラ17は、検査装置18の出力を用いて、ウェハ161上の各領域部分に対する露光光EL3の露光量が適切な露光量となるように、光源11、照明光学系12、空間光変調器14、投影光学系15及びステージ16の少なくとも一つを制御している。しかしながら、コントローラ17は、検査装置18の出力に基づいて、空間光変調器14の交換を促す警告を不図示の表示装置に出力させてもよい。また、コントローラ17は、検査装置18の出力に基づいて、空間光変調器14の交換時期を推測してもよい。
上述した説明では、露光装置1が検査装置18を備えている。しかしながら、露光装置1は、検査装置18を備えていなくてもよい。この場合には、空間光変調器14を検査するタイミングで、露光装置1の外部から検査装置18が露光装置1の内部(特に、検査位置)に搬送されてもよい。
(2)第2実施形態の露光装置2
続いて、第2実施形態の露光装置2について説明する。
(2−1)第2実施形態の露光装置2の構造
はじめに、図9を参照しながら、第2実施形態の露光装置2の構造について説明する。第2実施形態の露光装置2は、第1実施形態の露光装置1と比較して、検査装置18に代えて検査装置28を備えているという点で異なっている。図9に示すように、検査装置28は、検査装置18と比較して、照明光学系IL1、結像光学系IM1及びコントローラ188に代えて、照明光学系IL2、結像光学系IM2及びコントローラ288を備えているという点で異なっている。照明光学系IL2は、照明光学系IL1と比較して、光源181に代えて光源281を備えているという点で異なっている。結像光学系IM2は、結像光学系IM1と比較して、瞳絞り185に代えて瞳絞り285を備えているという点で異なっている。第2実施形態の露光装置2のその他の構成要件は、第1実施形態の露光装置1のその他の構成要件と同一であってもよい。このため、第1実施形態の露光装置1の構成要件と同一の構成要件については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明を省略する。
光源281は、光源181と比較して、複数の異なる波長λの検査光DL1を出射可能であるという点で異なる。光源281のその他の機能は、光源181のその他の機能と同一であってもよい。瞳絞り285は、瞳絞り185と比較して、絞り部材185aに代えて、開口185bの形状や配置位置を変更するように動作可能な可変絞り部材285aを含むという点で異なる。瞳絞り285のその他の構成要件は、瞳絞り185のその他の構成要件と同一であってもよい。コントローラ288は、コントローラ188と比較して、複数の異なる波長λの検査光DL1を順次出射するように光源281を制御するという点で異なる。更に、コントローラ288は、コントローラ188と比較して、基準強度I0(x,y,ν,d0)(図4のステップS24)を取得することなく、各ミラー要素141に、各ミラー要素141が固着する欠陥が生じているか否かを判定するという点で異なる。コントローラ288のその他の構成要件は、コントローラ188のその他の構成要件と同一であってもよい。
(2−2)第2実施形態の露光装置2の動作
続いて、図10を参照しながら、第2実施形態の露光装置2の動作について説明する。尚、第1実施形態の露光装置1が行う処理と同一の処理については、同一のステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
図10に示すように、第2実施形態の露光装置2は、第1実施形態の露光装置1と同様に、ステップ11からステップS21までの動作を行う。つまり、未露光のウェハ161が露光装置2にローディングされ(ステップS11)、ウェハ161が露光され(ステップS12)、露光されたウェハ161がアンローディングされ(ステップS14)、検査装置28が検査位置に位置するようになるまで検査装置28が移動する(ステップS21)。
その後、第2実施形態においても、コントローラ288は、検査光DL1を検査領域14bに照射するように、光源281を制御する(ステップS22)。その結果、検出器187は、出射光DL2を検出する(ステップS23)。
第2実施形態では、ステップS22及びS23の処理は、光源281が出射する検査光DL1の波長λを変更しながら繰り返される(ステップS31)。具体的には、光源281は、第1の波長λ1の検査光DL1を出射し、検出器187は、第1の波長λ1の検査光DL1が照射された検査領域14bからの出射光DL2を検出する。その後、光源281は、第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2の検査光DL1を出射し、検出器187は、第2の波長λ2の検査光DL1が照射された検査領域14bからの出射光DL2を検出する。以降、同様の動作が、検査光DL1の波長λの変更が不要であると判定されるまで繰り返される。
検査光DL1の波長λの切替と並行して、コントローラ288は、波長λの切替前後において結像光学系IM2の開口数NAを検査光DL1の波長λで除算することで得られるパラメータ(つまり、NA/λ)が一定になるように、結像光学系IM2の開口数NAを調整する。例えば、コントローラ288は、検査光DL1の波長λが第1の波長λ1に設定されている場合には、結像光学系IM2の開口数NAが第1の開口数NA1に設定され、検査光DL1の波長λが第2の波長λ2に設定されている場合には、結像光学系IM2の開口数NAが第2の開口数NA2(但し、NA2は、NA2/λ2=NA1/λ1を満たす)に設定されるように、結像光学系IM2の開口数NAを調整する。コントローラ288は、結像光学系IMの開口数NAを調整するために、瞳絞り285の可変絞り部材285aを制御する。但し、コントローラ288は、その他の方法で、結像光学系IM2の開口数NAを調整してもよい。
その後、コントローラ288は、ステップS23で取得される検出光DL3の強度分布(つまり、検出光DL3の検出強度Idetect(x,y))を用いて、各ミラー要素141に、各ミラー要素141が固着する欠陥が生じているか否かを判定する(ステップS31)。具体的には、上述したように、検出強度I(x,y)は、ミラー要素141(X,Y)の反射面141aの高さdを用いた「I(x,y)=I0(x,y,ν,d0)×(1−cos(4πdν/c))」という数式で近似可能である。上述した第1実施形態では、コントローラ188は、基準強度I0(x,y,ν,d0)を既知のパラメータとして取得している。一方で、第2実施形態では、コントローラ288は、基準強度I0(x,y,ν,d0)を既知のパラメータとして取得することなく、異なる複数の波長の検査光DL1を照射することで取得される複数の検出強度Idetect(x,y)を用いて、各ミラー要素141の高さdを特定する。具体的には、上述したように、検出強度I(x,y)は、基準強度I0(x,y,ν,d0)及びミラー要素141の高さdという2つの変数を含む数式(つまり、方程式)によって特定される。第2実施形態では、コントローラ288は、2つの変数を含む数式に、ステップS23で取得した複数の検出強度Idetect(x,y)を代入することで得られる連立方程式を解くことで、各ミラー要素141の高さdを特定する。
或いは、結像光学系IM2の開口数NAを検査光DL1の波長λで除算することで得られるパラメータ(つまり、NA/λ)が一定に維持されると、検査光DL1の周波数νに対する基準強度I0(x,y,ν,d0)の依存性がなくなる。つまり、周波数νの変動(つまり、波長λの変動)に対して基準強度I0(x,y,ν,d0)が固定される。その結果、「I(x,y)=I0(x,y,ν,d0)×(1−cos(4πdν/c))」という数式に従えば、ある撮像位置(x6,y6)で検出される検出強度I(x6,y6)は、検査光DL1の周波数ν(=1/λ)に対して、撮像位置(x6,y6)に対応する検査位置(X6、y6)に位置するミラー要素141(X6,Y6)の高さdに応じた周期で正弦波状に変化することになる。つまり、検出強度I(x6,y6)は、検出強度I(x6,y6)を縦軸とし且つ検査光DL1の周波数νを横軸とする座標平面上において、ミラー要素141(X6,Y6)の高さdに応じた周期で変化するコサインカーブの曲線となる。このため、コントローラ288は、異なる複数の波長の検査光DL1を照射することで撮像位置(x6,y6)において夫々検出される複数の検出強度Idetect(x6,y6)をこの座標平面上でフィッティング(つまり、プロット)し、その結果得られるコサインカーブの曲線の周期を特定することで、ミラー要素141(X6,Y6)の高さdを特定してもよい。コントローラ288は、この動作を、全ての撮像位置(x,y)において繰り返すことで、複数のミラー要素141の高さdを特定可能である。
このように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、コントローラ288は、各ミラー要素141に各ミラー要素141が固着する欠陥が生じているか否かを判定することができる。このため、第2実施形態の露光装置2もまた、第1実施形態の露光装置1が享受可能な効果と同様の効果を享受可能である。
(3)第3実施形態の露光装置3
続いて、図11を参照しながら、第3実施形態の露光装置3について説明する。図11に示すように、第3実施形態の露光装置3は、第1実施形態の露光装置1と比較して、検査装置18を移動するための移動装置19に代えて、空間光変調器14を移動するための移動装置39を備えているという点で異なっている。第3実施形態の露光装置3のその他の構成要件は、第1実施形態の露光装置1のその他の構成要件と同一であってもよい。このため、第1実施形態の露光装置1の構成要件と同一の構成要件については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明を省略する。
空間光変調器14は、コントローラ17の制御下で、移動可能である。空間光変調器14は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向のうちの少なくとも一つに沿って移動可能である。例えば、空間光変調器14は、平面モータを含む移動装置39の動作により移動してもよい。但し、移動装置39は、平面モータに加えて又は代えて、他のモータ(例えば、リニアモータ)を含んでいてもよい。
空間光変調器14は、露光光EL3によるウェハ161の露光が行われている露光期間中は、図12(a)に示すように、照明光学系12からの露光光EL2が照射され且つ投影光学系15を介してウェハ161に露光光EL3を照射可能な露光位置に位置する。一方で、空間光変調器14は、検査装置18が空間光変調器14を検査する検査期間中は、図12(b)に示すように、検査装置18からの検査光DL1が照射され且つ出射光DL2を検査装置18に向けて出射可能な被検査位置に位置する。つまり、検査期間の開始に伴い、露光期間中は露光位置に位置していた空間光変調器14は、移動装置39の動作により被検査位置に位置するようになるまで移動する。同様に、露光期間の開始に伴い、検査期間中は被検査位置に位置していた空間光変調器14は、移動装置39の動作により露光位置に位置するようになるまで移動する。
このような第3実施形態の露光装置3もまた、第1実施形態の露光装置1が享受可能な効果と同様の効果を享受可能である。
尚、第3実施形態では、検査装置18は、移動可能ではないが、移動可能であってもよい。つまり、露光装置3は、移動装置39に加えて、第1実施形態で説明した移動装置19も備えていてもよい。
(4)第4実施形態の露光装置4
続いて、第4実施形態の露光装置4について説明する。第4実施形態の露光装置4は、第1実施形態の露光装置1と比較して、検査装置18に代えて検査装置48を備えているという点で異なる。従って、以下では、図13を参照しながら、検査装置48について説明を進める。尚、第4実施形態の露光装置4のその他の構成要件は、第1実施形態の露光装置1のその他の構成要件と同一であってもよい。このため、第1実施形態の露光装置1の構成要件と同一の構成要件については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明を省略する。
図13に示すように、検査装置48は、検査装置18と比較して、照明光学系IL1及び結像光学系IM1に代えて、照明光学系IL4及び結像光学系IM4を備えているという点で異なっている。照明光学系IL4は、検査領域14bに対して検査光DL1が斜入射するように検査領域14bに検査光DL1を照射するという点で、検査領域14bに対して検査光DL1が垂直入射するように検査領域14bに検査光DL1を照射する照明光学系IL1と異なっている。図13に示す例では、照明光学系IL4は、照明光学系IL1と比較して、レンズ182b、ビームスプリッタ183及びレンズ184を含んでいなくてもよいという点で異なっている。但し、照明光学系IL4は、検査領域14bに対して検査光DL1が斜入射するように検査領域14bに検査光DL1を照射することができる限りは、どのような構造を有していてもよい。結像光学系IM4は、検査光DL1が斜入射した検査領域14bからの出射光DL2の一部を検出器187に導くという点で、検査光DL1が垂直入射した検査領域14bからの出射光DL2の一部を検出器187に導く結像光学系IM1と異なっている。図13に示す例では、結像光学系IM4は、結像光学系IM1と比較して、ビームスプリッタ183を含んでいなくてもよいという点で異なっている。但し、結像光学系IL4は、検査光DL1が斜入射した検査領域14bからの出射光DL2の一部を検出器187に導くことができる限りは、どのような構造を有していてもよい。第4実施形態の検査装置48のその他の構成要件は、第1実施形態の検査装置18のその他の構成要件と同一であってもよい。
このような第4実施形態の露光装置4もまた、第1実施形態の露光装置1が享受可能な効果と同様の効果を享受可能である。
加えて、斜入射に起因して、照明光学系IL4、結像光学系IM4及び検出器187を、空間光変調器14に入射する露光光EL2及び空間光変調器14から出者する露光光EL3の光路に重ならないように配置することも可能である。この場合には、露光光EL3によるウェハ161の露光が行われる露光期間中の検査装置48の位置と、検査装置48が空間光変調器14を検査する検査期間中の検査装置48の位置とが同じであっても、露光光EL3によるウェハ161の露光が検査装置48によって妨げられることはない。つまり、検査装置48が移動しない場合であっても、露光光EL3によるウェハ161の露光が検査装置48によって妨げられることはない。このため、この場合には、露光装置4は、移動装置19を備えていなくてもよい。その結果、露光装置4の構造が相対的に簡易になる。
(5)第5実施形態の露光装置5
続いて、図14を参照しながら、第5実施形態の露光装置5について説明する。図14に示すように、第5実施形態の露光装置5は、第4実施形態の露光装置4と比較して、光変調面14aがカバーガラス51によって保護されているという点で異なっている。第5実施形態の露光装置5のその他の構成要件は、第4実施形態の露光装置4のその他の構成要件と同一であってもよい。このため、第4実施形態の露光装置4の構成要件と同一の構成要件については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明を省略する。
光変調面14aがカバーガラス51によって保護されている場合は、露光光EL2は、カバーガラス51を介して光変調面14aに照射される。更に、光変調面14aによって空間変調された露光光EL3は、カバーガラス51を介して投影光学系15に入射する。更に、検査光DL1は、カバーガラス51を介して検査領域14bに照射される。
このようなカバーガラス51を露光装置5が備えている場合には、露光装置5は、検査装置48に代えて、検査装置58を備える。図15に示すように、検査装置58は、検査装置48と比較して、照明光学系IL4に代えて、照明光学系IL5を備えているという点で異なっている。照明光学系IL5は、照明光学系IL4と比較して、偏光板589を更に備えているという点で異なっている。偏光板589は、光源181とカバーガラス51との間における検査光DL1の光路上に配置される。偏光板589は、検査光DL1をp偏光に変換する。第5実施形態では更に、カバーガラス51に対する検査光DL1(つまり、p偏光に変換された検査光DL1)の入射角θiが、ブルースター角(言い換えれば、偏光角)となるように、カバーガラス51に対して照明光学系IL5が位置合わせされている。その結果、第5実施形態では、検査光DL1がカバーガラス51の表面で殆ど反射しなくなる。このため、検査光DL1のカバーガラス51での反射に起因したノイズが、出射光DL2に重畳されることがない。従って、検査光DL1のカバーガラス51での反射に起因した検査精度の悪化が適切に防止される。
(6)その他の変形例
尚、図1から図15を用いて説明した露光装置1及び検査装置18の構造及び動作は一例である。従って、露光装置1及び検査装置18の構造及び動作の少なくとも一部が適宜改変されてもよい。以下、露光装置1及び検査装置18の構造及び動作の少なくとも一部の改変の例について説明する。
上述の説明では、露光装置1は、液体を介することなくウェハ161を露光するドライタイプの露光装置である。しかしながら、露光装置1は、露光光EL3の光路を含む液浸空間を投影光学系15とウェハ161との間に形成すると共に、投影光学系15及び液浸空間を介してウェハ161を露光する液浸露光装置であってもよい。尚、液浸露光装置の一例は、例えば、欧州特許出願公開第1,420,298号明細書、国際公開第2004/055803号及び米国特許第6,952,253号明細書等に開示されている。
露光装置1は、複数のステージ16を備えるツインステージ型又はマルチステージ型の露光装置であってもよい。露光装置1は、複数のステージ16及び計測ステージを備えるツインステージ型又はマルチステージ型の露光装置であってもよい。ツインステージ型の露光装置の一例は、例えば、援用によって本願明細書に取り込まれる米国特許第6,341,007号、米国特許第6,208,407号及び米国特許第6,262,796号に開示されている。
光源11は、露光光EL1として、波長が193nmであるArFエキシマレーザ光とは異なる任意の光を射出してもよい。例えば、光源11は、波長が248nmであるKrFエキシマレーザ光等の遠紫外光(DUV光:Deep Ultra Violet光)を射出してもよい。光源11は、F2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光:Vacuum Ultra Violet光)を射出してもよい。光源11は、所望の波長を有する任意のレーザ光又はその他任意の光(例えば、水銀ランプから射出される輝線であり、例えば、g線、h線若しくはi線等)を射出してもよい。光源11は、米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(或いは、エルビウムとイットリウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅すると共に非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換することで得られる高調波を射出してもよい。光源11は、波長が100nm以上の光に限らず、波長が100nm未満の光を射出してもよい。例えば、光源11は、軟X線領域(例えば、5から15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultra Violet)光を射出してもよい。露光装置1は、光源11に加えて又は代えて、露光光EL1として用いることが可能な電子線ビームを射出する電子線ビーム源を備えていてもよい。露光装置1は、光源11に加えて又は代えて、YAGレーザ若しくは固体レーザ(半導体レーザ等)から出力されるレーザ光の高調波を生成する固体パルスレーザ光源を備えていてもよい。固体パルスレーザ光源は、露光光EL1として用いることが可能な波長が193nm(これ以外の種々の波長、例えば213nm、266nm、355nm等の波長が可能)でパルス幅1ns程度のパルスレーザ光を1〜2MHz程度の周波数で射出可能である。露光装置1は、光源11に加えて又は代えて、露光光EL1として用いることが可能な任意のエネルギビームを射出するビーム源を備えていてもよい。
デバイスパターンが転写される物体は、ウェハ161に限らず、ガラス板や、セラミック基板や、フィルム部材や、マスクブランクス等の任意の物体であってもよい。露光装置1は、ウェハ161に半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置であってもよい。露光装置1は、液晶表示素子製造用の又はディスプレイ製造用の露光装置であってもよい。露光装置1は、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(例えば、CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ及びフォトリソグラフィーに用いられるマスク若しくはレチクルのうちの少なくとも一つを製造するための露光装置であってもよい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図16に示す各ステップを経て製造されてもよい。マイクロデバイスを製造するためのステップは、マイクロデバイスの機能及び性能設計を行うステップS201、機能及び性能設計を用いて空間光変調器14を制御するための制御データ(つまり、複数のミラー要素141の状態の分布を規定する変調パターンデータ)を生成するステップS202、デバイスの基材であるウェハ161を製造するステップS203、空間光変調器14が露光光EL2を反射することで得られる露光光EL3を用いてウェハ161を露光し且つ露光されたウェハ161を現像するステップS204、デバイス組み立て処理(ダイシング処理、ボンディング処理、パッケージ処理等の加工処理)を含むステップS205及びデバイスの検査を行うステップS206を含んでいてもよい。
上述の各実施形態の構成要件の少なくとも一部は、上述の各実施形態の構成要件の少なくとも他の一部と適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う検査装置及び検査方法、露光装置及び露光方法、並びに、デバイス製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。