JP6969138B2 - 成型炭の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉投入用石炭原料として配合される成型炭の製造方法に関するものである。
良く知られているように、高炉操業において使用されるコークスの製造過程においては、コークス炉に投入される石炭原料として、予め成型した成型炭を配合する技術がある。このような成型炭の製造方法としては、原料炭を粉砕して、バインダとともに混練機により混練し、成型機によって成型することによって製造するのが通常である。すなわち、原料炭を粉砕して得られた粉炭、例えば3mmアンダーの石炭粒子が全石炭粒子に対して90%程度を占める微粉炭を混練機に装入して、タールなどのバインダとともに混練し、得られた混練物を、双ロール成型機等によって、1個あたり20〜70cc程度の塊状に成型するのが一般的である。なお混練機による混練開始後の初期段階では、微粉状の石炭粒子同士がバインダを介して凝集して、ある程度の大きさの石炭粒子凝集体(疑似粒子)となり、引き続き、混練機内でのせん断作用により疑似粒子が分離されながら、バインダとの均一混合が進む(混練が進む)ことになる。
前述のようにして製造された成型炭の強度が低ければ、成型炭をコークス炉に投入してコークス化するにあたり、成型炭のハンドリング時やコークス炉への投入時に成型炭が破壊されて、コークス炉によりコークス化されたコークスの強度も低下する傾向を示す。また成型炭の強度が低くて、上述のように成型炭のハンドリング時やコークス炉への投入時に破壊してしまえば、得られるコークスの塊歩留(ある一定以上の大きさの塊コークスが得られる歩留)も低下してしまう。さらに、成型炭の破壊により生じた微粉炭がコークス炉に多量に装入されれば、コークス炉の炭化室の内壁面に厚いカーボン層が生成されてしまい、コークス炉操業に悪影響を及ぼすという問題も生じる。そこで成型炭の製造過程では、高い強度を有する成型炭を得ることが強く望まれる。
従来、高強度を有する成型炭を製造する技術としては、例えば特許文献1、あるいは特許文献2に記載されている方法が提案されている。
特許文献1の提案は、1.5mm以下の石炭粒子が90質量%以上となるように粉砕した微粉炭を用い、成型前の混練工程において、バインダを5〜10質量部添加して、0.2mm以上の石炭粉末粒子が6質量%以下となるまで混練することを特徴とするものである。そして特許文献1では、上記のように、混練前の微粉炭の粒度を調整するとともに、混練後の粒度を指標とする混練度を調整することによって、高強度の成型炭が得られるとされている。
また特許文献2の提案は、加熱した微粉炭にバインダを添加し混練した後、加圧成型して成型炭を製造する方法において、135℃〜170℃に加熱した微粉炭にバインダを添加し混練した後、加圧成型して成型炭を製造する方法において、微粉炭とバインダの混練後の粒度分布を、600μm以上:35mass%〜50mass%、且つ、75μm以下:5mass%〜15mass%とすることを特徴とするものである。そして特許文献2では、微粉炭とバインダの混練後の粒度分布を上記のように調整することによって、高強度の成型炭が得られるとされている。
しかしながら、本発明者等の実験によれば、特許文献1に示されるような混練前の微粉炭の粒度の調整、及び混練後の粒度を指標としての混練度の調整だけ、あるいは特許文献2に示されるような混練後の粒度分布の調整だけでは、確実かつ安定して高強度の成型炭が得ることが困難であることが判明している。
特開平6−330049号公報 特開2007−23170号公報
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、確実かつ安定して高い強度を有する成型炭が得られるようにし、またそれに伴って成型炭の製造歩留まりも安定して向上させ得るようにした成型炭の製造方法を提供することを課題としている。
上述の課題を解決するために本発明者等が種々実験・検討を重ねたところ、次のような新規な知見を得た。
すなわち、本発明者等の実験によれば、混練・成型後の成型炭の強度には、混練を開始する前の、粉砕後の原料の段階での石炭粒子の球状化の程度が大きく影響を与え、混練に供される石炭粒子の球状化が過度に進行していれば、成型炭の強度が急激に低下することを新規に見出した。
そしてさらに実験・検討を重ねた結果、混練前の段階での石炭の球状化の程度を、粒子の円形度で評価して、その円形度が平均で0.73未満であれば、混練・成型後の成型炭強度として、充分な強度を確保し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
具体的には、本発明の基本的な態様(第1の態様)の成型炭の製造方法は、
石炭原料を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程によって得られた石炭粉末をバインダとともに混練する混練工程と、得られた混練物を塊状に成型する成型工程とを有し、
前記混練工程においては、平均円形度が0.73未満の石炭粒子を用いて混練を行い、得られた石炭粒子とバインダとからなる混練物を、次の成型工程に供することを特徴とするものである。
このような基本的な態様の成型炭の製造方法では、混練工程に供される石炭粒子の平均円形度を0.73未満としておくことによって、高い強度を有する成型炭を確実かつ安定して得ることができる。なおここで、混練工程に供される石炭粒子とは、微細粒子が凝集した凝集体(疑似粒子)と、凝集した疑似粒子が分離した凝集後分離粒子を主体とし、一部の、当初から凝集していない微細粒子を含むことがあるものであり、したがって上記の混練工程に供される石炭粒子の平均円形度も、これらのすべての粒子を含む全体の平均としての円形度を意味する。但し、後述するように、混練工程に供される全石炭粒子としては、粒径が0.1mm〜1.0mmの範囲内の石炭粒子が、全石炭粒子の60質量%以上を占めるのが通常であるから、0.1mm〜1.0mmの範囲内の石炭粒子の円形度の平均値で代表させ、その0.1mm〜1.0mmの範囲内の石炭粒子の円形度の平均値をもって、平均円形度とすればよい。
また本発明の第2の態様の成型炭の製造方法は、前記第1の態様において、
前記混練工程では、得られる混練物中の篩目0.3mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して質量%で25%以下となるように混練することを特徴とするものである。
ここでは、混練物中の篩目0.3mmアンダーの石炭粒子の質量割合を、混練工程における混練度の指標としている。そして、篩目0.3mmアンダーの石炭粒子が全石炭粒子に対して質量%で25%以下となるように混練することによって、混練度をも確保して、成型炭の強度を、より確実かつ安定して高めることができる。すなわち、第1の態様に記載した、混練工程に供される石炭粒子の平均円形度の規制と、混練物中における篩目0.3mmアンダーの石炭粒子の質量割合の規制とが相俟って、成型炭の強度を、より確実かつ安定して高めることができるのである。
なおここでは、疑似粒子や混練中にその疑似粒子が分離した粒子を含む石炭の粒子全体を、単純に石炭粒子と称することとしている。したがって例えば「混練中の石炭粒子」とは、微粉炭の凝集が進行した段階では、疑似粒子およびその分離粒子を主体とする石炭粒子(一部には凝集していない微細な粒子も含む)を意味する。
さらに本発明の第3の態様の成型炭の製造方法は、前記第1もしくは第2の態様において、
前記粉砕工程を経て前記混練工程に供される石炭粉末が、篩目mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して質量%で80%以上を占めるものであることを特徴とするものである。
本発明の成型炭の製造方法によれば、高強度を有する成型炭を確実かつ安定して得ることができ、また成型炭の歩留まりを向上させて、コスト低減を図ることができる。
本発明の成型炭の製造方法を実施するための設備の全体的な構成の一例を示す略解図である。 本発明の基礎となる実験1の結果を示す図で、混練工程での混練時間と混練物成型後の成型炭の成型歩留及び落下歩留との関係を示すグラフである。 本発明の基礎となる実験2の結果を示す図で、混練工程での混練羽根の回転数と混練物成型後の成型炭の総合歩留(成型歩留×落下歩留)との関係を示すグラフである。 本発明の基礎となる実験3の結果を示す図で、混練物中における0.3mmアンダーの石炭粒子が全石炭粒子に対して占める質量割合と、混練物成型後の成型炭の成型歩留及び落下歩留との関係を示すグラフである。 本発明の実施例の結果を示す図で、混練に供される粉砕後の石炭粒子の平均円形度と、混練物成型後の成型炭の落下歩留との関係を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の成型炭の製造方法は、基本的には、石炭原料を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程によって得られた石炭粉末をバインダとともに混練する混練工程と、得られた混練物を塊状に成型する成型工程とを有することを前提としている。
このような各工程を有する成型炭製造方法を実施するための設備構成の一例を図1に示す。
図1において、原料の石炭は、インペラーブレーカ等の粉砕機10によって粉砕され、粉砕後の原料炭は、適宜の搬送機12によって搬送されて、例えば3基の原料炭ホッパー14A、14B、14Cに順次投入される。原料炭ホッパー14A、14B、14Cから切出し機15A、15B,15Cによって切出された原料炭(微粉炭)は、秤量コンベヤ16A、16B、16Cを経て、混練機18A、18B、18Cに投入される。また成型のためのバインダとしてタール(例えばロードタール)が、タール槽20から各混練機18A、18B、18Cに供給される。
各混練機18A、18B、18Cでは、初期段階では、投入された微粉状の石炭粒子とバインダとが混合されて、微粉状の石炭粒子が凝集し、ある程度の大きさの凝集体(疑似粒子)の状態となる。さらに混練の進行に伴って、疑似粒子の状態の石炭粒子が分離しながら、タールと均一に混合されて、全体として石炭粒子とタールとが均一に混ざり合った混練物となる。このような石炭粒子とバインダとの混練物は、ダブルロール成型機等の成型機22A、22B、22Cに投入されて、1個あたり20〜70cc程度の寸法の塊状に成型され、成型炭として排出コンベヤ24により図示しない成型炭ヤードに搬出され、その後、適宜コークス炉に装入される。
混練機としては、連続方式でもバッチ方式でもよく、また縦型もしくは横型のいずれでもよく、さらに混練羽根の本数として1軸方式、2軸方式のいずれも使用できるが、いずれの混練機を用いても、混練後の石炭粒子の球状化の程度は、混練機に装入される段階の石炭粒子、すなわち粉砕後・混練開始前の石炭粒子の球状化の程度とほとんど変わらないことが判明している。
一方、本発明者等の実験・検討によれば、成型炭の強度には、混練前(粉砕後)の石炭粒子の球状化の程度が影響を与えることを見い出した。具体的には、混練に供される、粉砕後の石炭粒子の球状化の程度を、その石炭粒子の断面形状(平行光線により粒子を平行光線に対して直角な投影面に投影したときの投影像の形状)についての円形度が、平均で0.73以上に大きくなれば、急激に成型炭強度が低下することを見い出した。
粉砕後、混練前の石炭粒子の平均円形度と、成型炭強度の指標としての落下歩留との関係を、後述する実施例の結果として図5に示している。ここで、落下歩留は、後に詳細に説明するように、全成型炭のうち、100mmオーバーの成型炭について落下試験に供して、100mmアンダーまで破壊されなかった成型炭の、全成型炭に対する質量割合を意味しており、したがって落下試験による破壊されにくさ、すなわち成型炭の強度に対応する値である。なお落下歩留は、目標値として80%程度以上であれば、成型炭強度が高いと判断することができる。
図5から、平均円形度が0.71付近から大きくなるにしたがって成型炭強度の指標としての落下歩留が低下する傾向を示し、特に平均円形度が0.73以上となれば、急激に落下歩留が低下し、目標の80%を下回ってしまうことが明らかである。このような関係から、本発明では、混練に供される石炭粒子の平均円形度を0.73未満とすること、言い換えれば、混練前の粉砕工程で、石炭粒子の平均円形度が0.73未満の段階で粉砕を終了させることとしている。
なお、上記のところでは平均円形度が0.73未満の段階で粉砕を終了させるとしたが、図5から、平均円形度が0.71未満であれば、落下歩留90%以上と、より高い成型炭強度を確保することができ、したがって平均円形度が0.71未満の段階で粉砕を終了させて、平均円形度が0.71未満である石炭粒子を次の混練工程に供すれば、より確実かつ安定して強度が高い成型炭を得ることが可能となる。
ここで、上記の円形度は、例えば粉砕機10の直後でサンプリングした石炭粒子の撮影画像(二次元画像)を画像処理して算出することができ、二次元画像における粒子の面積Sと、同じく二次元画像における粒子の輪郭線長さ(周囲長)Lとの関係から、次の(1)式によって算出される値である。
円形度R=4πS/L・・・(1)
なお、本発明の実験例、実施例において、実際の平均円形度の測定は、次のようにして行った。
すなわち粒径が0.1mm〜1.0mmの範囲内の石炭粉を測定対象とし、その二次元画像を撮影し、得られた撮影画像を、粒子形状測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製、モロフォギ(登録商標)G3−ID)によって画像解析を行って円形度Rを算出した。ここで、測定サンプル数(測定粒子数)は、各水準で30000個以上となるように測定を実施し、その算術平均値をもって平均円形度とした。なおこの測定に当たって、粒径が0.1mm〜1.0mmの範囲内の石炭粉を測定対象としたのは、当該粒径の粒子が、対象サンプルの60%以上の質量割合を占めるためである。
上記の円形度Rが、R=1である場合は、粒子の二次元画像の形状が真円である場合、したがって三次元的には、粒子がほぼ真球体である場合に相当する。そして円形度Rの値が1より小さくなればなるほど、粒子の二次元画像の形状が真円から離れて、輪郭線の凹凸が大きくなること、すなわち三次元的には、粒子表面の凹凸が大きくなることを意味する。したがって、平均円形度が0.73未満であるとは、平均的に見て、表面の凹凸がある程度以上大きい石炭粒子が多数を占めていることを意味する。
前述のように混練に供される石炭粒子が球体に近くなれば、混練及び成形後の成型炭の強度が低下する理由、言い換えれば混練に供される石炭粒子の円形度が1に近い大きな値となれば成型炭の強度が低下する理由は、必ずしも明確ではないが、次のように推測される。すなわち、混練に供される石炭粒子の円形度が大きいほど(1に近いほど)、混練機による混練中における石炭粒子表面とバインダとの接触面積が少なくなり、結果的に混練物成型後の強度が低くなるためと考えられる。また同時に、石炭粒子の円形度が大きいほど(1に近いほど)、混練中において、混練羽根や混練機内周面に対する石炭粒子の摩擦、また石炭粒子相互の間の摩擦が少なくなり、そのため同じ時間だけ混練しても、混練度が低くなってしまうことも、混練物成型後の強度低下を招くものと推測される。
前述のような知見に基づき、本発明の成型炭製造方法では、粉砕工程において、石炭粉末粒子の平均円形度が0.73未満の段階で粉砕を終了させ、その平均円形度が0.73未満の石炭粒子を、バインダとともに混練工程に供し、混練後の混練物(平均円形度が0.73未満の石炭粒子とバインダとの混練物)を、その後の成型工程に供し、成型炭とすることとしている。このようにすることによって、最終的に高強度を有する成型炭を確実かつ安定して製造することが可能となる。
ここで、粉砕工程では、粉砕が進行するに伴って、石炭粒子(疑似粒子やその分散粒子)が次第に球状化して平均円形度が大きくなる(平均円形度の値が1に近づく)が、粉砕機の形式・構造などによって、球状化の進行度合(平均円形度が大きくなる度合)は異なる。そこで、実際に上記のように石炭粉末粒子の平均円形度が0.73未満(好ましくは0.71未満)の段階で粉砕を終了させるためには、予めある粉砕条件下での粉砕実験を繰り返すか、あるいは過去の実績から、平均円形度が0.73もしくは0,71となるタイミングを予測し、そのタイミングに至る以前の段階で粉砕を終了させるように、粉砕条件を調整すれば良い。
なお粉砕工程で使用する粉砕機の種類は特に限定されるものではなく、従来一般の粉砕機を用いることができ、要は前述のように粉砕後の石炭粒子の平均円形度が0.73未満(好ましくは0.71未満)となるように粉砕できればよい。
また混練工程で使用する混練機の種類や混練条件は特に限定されるものではなく、従来一般の混練機を用いて、適切な条件で混練すればよい。
また本発明の方法では、基本的には、粉砕を開始した後、石炭の円形度が0.73(望ましくは0.71)となる以前の段階で粉砕を終了させればよいが、篩目0.3mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して質量%で25%以下となった時点以降であって、しかも平均円形度が0.73(好ましくは0.71)となる以前の段階で粉砕を終了させることが望ましい。
また混練工程に供される粉砕後の石炭粉末の大きさあるいは粒度分布は、基本的には限定しないが、一般には、篩目mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して質量%で80%以上を占めることが多く、本発明の場合も、篩目mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して質量%で80%以上を占めるような石炭粉末を混練工程に供することが好ましい。なお、破砕工程で破砕した後の粉末は、適宜の篩によって篩い分けし、篩い分け後の石炭粒子粉末を混練工程に供してもよいことはもちろんである。
以下に、本発明をなすに至る基礎となった各実験1〜3について説明する。
先ず、石炭粉末粒子の平均円形度が0.73未満の段階で混練を終了させることによって、高強度の成型炭が得られるとの知見を得るに至る基礎となった実験1について、説明する。
〔実験1〕
バッチ式の縦型混練機によって、混練時間が、成型歩留及び落下歩留に及ぼす影響、ひいては混練後の石炭粒子の平均円形度が成型炭強度に及ぼす影響を、次のようにして調査した。
粉砕機によりアンダー3mmの粉末が80質量%以上を占めるように粉砕した石炭粉末を、バッチ式の縦型混練機に投入し、混練羽根の回転数を120rpmとして、バインダとしてロードタールを、原料粉炭に対して質量比で6〜9%添加して、混練した。その際、混練時間を3〜30分の範囲内で種々変化させた。各混練時間での混練後の混練物を、成型機によって成型し、得られた成型炭について、成型歩留、及び落下歩留を調べた。
ここで、成型歩留とは、コークス炉に成型炭として配合装入するに望ましい大きさの塊状成型炭が得られる歩留を意味し、ここでは、成型機通過後の成型炭のうち、10mm以上の成型炭が占める質量割合を成型歩留としている。具体的には、成型機通過後の成型炭を篩目10mmの篩によって分級して、篩上の成型炭質量をW1とし、成型機を通過した成型炭の全質量をW0として、
成型歩留P1=W1/W0
によって求めた。
また落下歩留は、コークス炉に成型炭として配合装入するに望ましい大きさの塊状成型炭のうち、落下試験により上記の大きさより小さく破壊されなかった成型炭が得られる歩留を意味する。したがってこの落下歩留まりは、コークス炉に成型炭として配合装入するに望ましい大きさの塊状成型炭についての、平均的な強度(成型体強度)の指標に相当し、落下歩留が大きいほど、成型炭強度が平均して大きいことを意味する。具体的な落下歩留測定手法としては、前述の成型歩留測定において、成型機通過後の成型炭を篩目10mmの篩によって分級して得られた篩上の成型炭(質量W1)を、2.5mの高さから10回自由落下させる落下試験を行い、その落下試験後の成型炭を、再び篩目10mmの篩によって分級し、その篩上成型炭質量をW2として、成型機を通過した成型炭の全質量W0に対する比を、次式の落下歩留P2とした。
落下歩留P2=W2/W0
上記の実験1による調査結果を、混練時間を横軸に取り、成型歩留及び落下歩留を縦軸に取って、図2に示す。
図2に示しているように、混練時間が長時間化するに伴って、成型歩留及び落下歩留が低下する傾向を示し、特に落下歩留は、混練時間が10分を超えた付近から、急激に低下する傾向が認められた。
また混練羽根の回転速度が、成型歩留及び落下歩留に及ぼす影響について、次の実験2によって調査した。
〔実験2〕
粉砕機によりアンダー3mmの粉末が80質量%以上を占めるように粉砕した石炭粉末を、連続式の横型2軸混練機に連続的に投入し、バインダとしてロードタールを、石炭粉末に対して質量比で7%添加しながら混練した。この際、混練羽根の回転数を30〜48rpmの範囲内で変化させた。なお混練機の排出側の堰高さを2段階に変更して混練機内滞留時間を2段階に調整することによって、混練時間を2水準(2.1分、3.2分)に調整した。
各混練羽根回転数、各混練時間での混練後の混練物を成型機によって成型し、得られた成型炭について、成型歩留及び落下歩留を調べ、総合歩留を、次式によって評価した。
総合歩留=[成型歩留]×[落下歩留]
上記の実験2による調査結果を、混練羽根の回転数を横軸に取り、総合歩留を縦軸に取って、図3に示す。
図3に示しているように、混練時間が2.1分、3.2分の場合のいずれにおいても、混練羽根の回転数が30rpmから高くなるに従って総合歩留が上昇して、混練羽根の回転数が40rpm付近で総合歩留はピークとなり、40rpm付近を超えた回転数では、逆に総合歩留が低下することが判明した。
なお、上記の実験結果においては、同じ混練時間で比較すれば、総合歩留は、混練時間が2.1分の場合よりも3.2分の場合の方が全般的に高くなっている。これは、混練羽根の回転数を一定としておけば、混練時間の調整により混練度を調整し得ることを意味している。
一方、既に述べたように、混練工程において、混練の進行度合い(混練度)を、混練物中の篩目0.3mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して占める質量割合で評価し、篩目0.3mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して質量%で25%以下となった時点以降に混練を終了させることが望ましいとの知見を得る基礎となった実験3について説明する。
〔実験3〕
混練後の混練物中における石炭粒子の大きさが、成型歩留及び落下歩留に及ぼす影響を、次のようにして調査した。
粉砕機によりアンダー3mmの粉末が80質量%を占めるように粉砕した石炭粉末を、バッチ式の縦型混練機に投入し、バインダとしてロードタールを石炭粉末に対して質量比で7%添加して混練した。混練後の混練物中における石炭粒子の粒度を測定し、0.3mm未満の石炭粒粒子が全石炭粒子に占める質量割合を算出した。なおこの実験では、混練時間及び混練羽根の回転数を種々変化させることによって、0.3mm未満の石炭粒子が全石炭粒子に占める質量割合を変化させた。
さらに混練後の混練物を、成型機によって成型し、得られた成型炭について、成型歩留、及び落下歩留を調べた。
上記の実験3による調査結果を、混練物中の0.3mm未満の石炭粒子が全石炭粒子に占める質量割合を横軸に取り、成型歩留、落下歩留を縦軸に取って、図4に示す。
図4に示しているように、混練物中の0.3mm未満の石炭粒子の質量割合が25%程度を超えれば、成型歩留及び落下歩留が低下する傾向を示し、特に落下歩留は、前記割合が25%程度を超えた付近から、急激に低下する傾向が認められた。これは、混練物中の0.3mm未満の石炭粒子の質量割合が25%を超えるのは、混練度が不足しているケースであり、混練機に投入した石炭粒子の凝集が充分に進行していないためと推測される。
したがってこのような実験3による結果から、混練物中の0.3mm未満の石炭粒子の質量割合が25%以下であれば、成型炭強度を確保し得ることが判明した。すなわち、混練を開始してから、少なくとも、0.3mm未満の石炭粒子の質量割合が25%以下となる時点以降まで混練を継続させれば、前述のように平均円形度が0.73未満(好ましくは0.71未満)の石炭粒子を混練に供することと相俟って、充分な成型炭強度を確保し得るのである。
本発明の作用・効果を検証するために行った実施例を以下に示す。
粉砕機としてインペラーブレーカを用いて、原料石炭を、アンダー3mmの粉末が80質量%以上を占めるように粉砕した。なお、粉砕に当たっては、粉砕時間を調整することによって、球状化の程度(平均円形度)を種々変化させた。粉砕後の石炭粉末を、連続式2軸横型混練機を用い、石炭粉末に対して質量割合で7%のロードタールを添加しながら、混練羽根の回転数を40rpmとして、種々の時間だけ混練した。各時間の混練で得られた混練物について、一部は円形度の測定のためのサンプルとし、残りはダブルロール型成型機によって、目標サイズ40〜50ccとして成型炭に成型した。
混練に供された粉砕後の石炭粒子の平均円形度を、粒径が0.1mm〜1.0mmの範囲内の石炭粒子について、既に述べた方法、装置によって測定して、30000個以上(実際には30000〜35000個)の円形度の平均値をもって、平均円形度とした。
また、最終的に得られた成型炭について、その強度の指標として、既に述べたような落下試験を行い、落下歩留を調べた。
その結果を、図5に示す。
図5から、混練に供される粉砕後の石炭粒子の平均円形度が0.71付近から大きくなるにしたがって成型炭強度の指標としての落下歩留が低下する傾向を示し、特に平均円形度が0.73以上となれば、急激に落下歩留が低下し、目標の80%を下回ってしまうことが明らかである。さらに、図5から、平均円形度が0,71未満であれば、落下歩留90%以上と、より高い成型炭強度を確保し得ることが明らかである。
なお図5にプロットしたいずれの条件の場合も、混練物中における0.3mm未満の石炭粒子が全石炭粒子に占める質量割合は、25%以下となっていることが確認された。すなわち、上記の図5に示す結果は、いずれの条件下でも、混練度は確保されている、と言うことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態、実験および実施例について説明したが、これらの実施形態、実験、実施例は、あくまで本発明の要旨の範囲内の一つの例に過ぎず、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。すなわち本発明は、前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲内で適宜変更可能であることはもちろんである。
10 粉砕機
18A、18B,18C 混練機
22A、22B,22C 成型機

Claims (3)

  1. 石炭原料を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程によって得られた石炭粉末をバインダとともに混練する混練工程と、得られた混練物を塊状に成型する成型工程とを有し、
    前記混練工程においては、平均円形度が0.73未満の石炭粒子を用いて混練を行い、得られた混練物を、次の成型工程に供することを特徴とする成型炭の製造方法。
  2. 請求項1に記載の成型炭の製造方法において、
    前記混練工程では、得られる混練物中の篩目0.3mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して質量%で25%以下となるように混練することを特徴とする成型炭の製造方法。
  3. 請求項1、請求項2のいずれかの請求項に記載の成型炭の製造方法において、
    前記粉砕工程を経て前記混練工程に供される石炭粉末は、篩目mmアンダーの石炭粒子が、全石炭粒子に対して質量%で80%以上を占めるものであることを特徴とする成型炭の製造方法。
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