JP6968409B2 - 工作機械のベッド構造 - Google Patents

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Description

本発明は旋盤、複合加工機等の工作機械の構造物であるベッドの構造に関する。
工作機械のベッド構造としては、特許文献1に示すようなフラット構造のものと、図2に示すようなオペレーター側である前面側の方が後面側よりも低くなるように、上面を傾斜させたスラント構造のものがある。
旋盤、複合加工機等の工作機械にあっては、切粉の排出性が良いことも重要な要素であり、図2に示したスラント構造型のベッドを採用することも多い。
ベッドを鋳造にて製作する場合には、鋳抜きを考慮してリブ構造にする。
しかし、図2に示した従来のベッド構造にあっては、刃物台、主軸台等が左右方向(Z軸方向)にスライドする摺動レール115a,115b,115c等の部分以外は均一な肉厚のリブで形成されていた。
このようなリブ構造にあっては、前面のリブ111よりも後面のリブ112の方が高く、これらと底面リブ113及び摺動面115とを、複数の他のリブ部114にて連結した場合に摺動面を支持する剛性が不足になりがちであり、工作機械の連続稼働により熱変位が生じると摺動面に撓み変形が発現しやすい課題があった。
特開2004−136395号公報
本発明は、剛性を確保しやすく、熱変位の低減を図るのに有効な工作機械のベッド構造の提供を目的とする。
本発明は、スラント構造型のベッドであって、水平方向に摺動レールを配置した摺動面部と、前記摺動面部の下側に当該摺動面部と略平行な板状部を有することを特徴とする。
ここでスラント構造型のベッドとは、主軸台や刃物台等を配置したベッド上面が全体として、又は部分的に手前側(オペレータ側)が低くなるように傾斜面を設けてあることをいう。
本発明者が検討した結果、主軸台や刃物台を水平方向(Z軸方向)にスライド制御可能に配置するために設けた摺動レールを支持する摺動面部の剛性が熱変形に大きな影響を与えることが明らかになった。
そこで本発明は摺動面部の下側に、この摺動面部と略平行になるように板状部を設けて、前記摺動面部と連結したものである。
ここで、前記摺動面部と板状部とは、前面、後面及び底面と複数のリブ部で格子状に連結してあるのが好ましい。
このようにすると、ベッドを鋳造にて製作できる。
また、前記板状部の肉厚が他のリブ部の肉厚よりも厚く設定してあると、ベッドの熱変形を抑えるのにより効果的である。
本発明に係る工作機械のベッド構造は、主軸台や刃物台等がスライドする摺動レールを配置した摺動面部の下側にこの摺動面部と略平行な板状部を設けたことにより、摺動面部の剛性をアップするとともに熱変形を低く抑えることができる。
ここで摺動面部と板状部とを複数のリブで格子状に連結すると、さらに熱変形を抑える効果がアップする。
本発明に係る構造を適用した工作機械のベッドの構造例を示し、(a)は外観図、(b)はA−A線断面端面図を示す。 従来のベッド構造を示し、(b)が外観図、(a)がB−B線断面を示す。 熱変形量の解析結果を示す。 Z軸方向ストロークと刃先位置の移動解析結果を示す。
本発明に係る工作機械のベッド構造例を以下、図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1に示した工作機械のベッド10は、例えば特開2005−138218号公報等に開示する2主軸対向旋盤のベッドに本発明を適用した例を示す。
図示を省略したが、例えば1対の摺動レール15a,15aに2つの主軸を対向配置し、その内R主軸をZ軸方向にスライド可能に取り付ける。
また、一対の摺動レール15b,15bにタレット等の刃物台をスライド可能に取り付ける。
本発明に係るベッド構造は、オペレータ側の手前が低く傾斜したスラント型構造を有するものであれば、各種工作機械に適用できる。
図1(a)のA−A線断面端面図を図1(b)に示す。
摺動レール15a,15bを支持する摺動面部14がスラントになっている。
ベッドは鋳造で製造された鋳物の例であり、複数のリブからなる格子構造になっている。
全体としては、前面11と後面12を底面13でつなぎ前面11の上端部と後面12の上端部とを傾斜した摺動面部14でつないだ構造になっている。
内部構造は摺動面部14の内側に、この摺動面部14と略平行に配置した板状部16を配置し、この板状部16より内側にも略平行に配置した平行リブ部17を有する例になっている。
ベッドの底部は底面13の上方に、この底面13と平行な水平方向の水平リブ部18を前面11と後面12とをつなぐように配置した例になっている。
底面13と水平リブ部18とは適宜、複数の補助リブ18aにてつないである。
摺動面部14の内側にそれぞれ平行に配置した板状部16及び平行リブ部17は、底部側と水平リブ部18に連結し、上方側を後面12に連結してある。
摺動面部14,板状部16及び平行リブ部17との、それぞれの間は複数の補助リブ16aと補助リブ17aにてつないだ格子構造になっている、
本発明において特徴的なのは、摺動面部14の内側に、この摺動面部14と平行に板状部16を配置した点にある。
これにより、主軸台や刃物台がスライドする摺動レール15a,15bを支持する摺動面部14の剛性がアップする。
ここで板状部16の肉厚は、摺動面部14,平行リブ部17,補助リブ16a,17a,18a等の肉厚より厚い方が好ましく、例えば2倍以上に厚くするのが良い。
図1に示した本実施例のベッドは、主軸台の図示を省略したが右主軸台が移動する摺動レール15a,15aの部分を左側に延長して左主軸台を取り付ける載置部L,Lを設けることで、摺動レール15b,15bに沿ってタレット等の刃物台が左右方向に往復移動する移動エリアTと連続的に連なっている。
これに対して従来の図2に示したベッドは左主軸台の載置部L,Lと刃物台が移動する摺動レール115b,115bとがSの部分で分断されていた。
よって、本実施例にかかるベッド構造は左主軸台の載置部L,Lと刃物台の移動する部分とが一体的に連なっているので左右方向の剛性も高く、反りの発生を抑える。
図3は、図1に示した本発明に係るベッド構造と、図2に示した従来のベッド構造とを連続的に稼働させた際の加工寸法の経時変化量を解析比較した結果を示す。
本発明に係るベッド構造の方が、熱変形が少なくなることが明らかになった。
図4は、刃物台を摺動レールに沿ってZ軸方向にストロークさせた際の刃先の傾き変化量の調査結果を示す。
本発明に係るベッド構造を用いると、図2に示した従来よりも明らかに刃先の位置が安定している。
10 工作機械のベッド
11 前面
12 後面
13 底面
14 摺動面部
15a 摺動レール
15b 摺動レール
16 板状部
17 平行リブ部
18 水平リブ部

Claims (1)

  1. スラント構造型のベッドであって、
    水平方向に摺動レールを配置した摺動面部と、
    前記摺動面部の下側に当該摺動面部と略平行な板状部を有し、
    記摺動面部と板状部とは、前面、後面及び底面と複数のリブ部で格子状に連結してあ
    記板状部の肉厚が他のリブ部の肉厚よりも厚く設定してあることを特徴とする作機械のベッド構造。
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