JP6968301B2 - 排気処理装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排気処理装置の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、筒状部材の内部に緩衝マットを介して柱体を保持する排気処理装置の製造方法に関する。
ガソリンエンジン及びディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気には、例えば煤等からなる粒子状物質(PM)、一酸化炭素(CO)、未燃焼炭化水素(HC:HydroCarbon)及び窒素酸化物(NOx)等の物質が含まれる。そこで、地球環境保護等の観点から、例えばPMを捕集するガソリンパティキュレートフィルタ(GPF:Gasoline Particulate Filter)及びディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)等のフィルタ並びに酸化触媒(OC:Oxidation Catalyst)及び選択触媒還元脱硝装置(SCR:Selective Catalytic Reduction)等の排気浄化触媒等の排気処理ユニットを含む排気処理装置を内燃機関の排気流路に介装して、これらの物質を除去することが広く行われている。
上記のような排気処理ユニットは、例えば触媒金属が担持されたセラミック製又は金属製の担体及びハニカム構造を有するセラミック製又は金属製のフィルタによって構成されており、例えば金属製のケーシングの内部に緩衝マットを介して保持されることが一般的である。ケーシングは一般的には筒状の形状を有するので、このようなケーシングの内部に保持される排気処理ユニットは一般的には柱状の形状を有する。そこで、本明細書においては、排気処理装置のケーシングは以降「筒状部材」と称呼され、筒状部材の内部に保持される柱状の排気処理ユニットは以降「柱体」と総称される。
上記のような構造を有する排気処理装置の製造方法(筒状部材の内部への柱体の保持方法)としては、緩衝及び密封を目的とする(例えば無機繊維等を含む)シート状又はテープ状の部材である緩衝マットを柱体の外周(側面)に巻回して柱体ユニットを形成し、この柱体ユニットを筒状部材の内部へと圧入する、所謂「圧入(スタッフィング)工法」が一般的である。圧入に際しては、例えば図14に示すように、筒状部材10の一端(一方の開口)に案内治具(図示せず)を嵌合し、柱体21の筒状部材10とは反対側の端面を押圧しながら案内治具の漏斗状のテーパ面に対して緩衝マット22を摺動させて圧縮し、柱体ユニット20を筒状部材10の内部の所定位置まで圧入する。圧縮された緩衝マット22は復元力によって所期の面圧(マット面圧、保持面圧)を発生し、排気処理装置の使用時における振動及び/又は排気の圧力に抗して筒状部材10の内部の所定位置に柱体21を保持し続ける。
圧入工法においては、図14において斜線部によって示すように、緩衝マット22の柱体21の側面への巻回方向において互いに対向する2つの端縁の突き合わせ部及び/又はこれら2つの端縁にそれぞれ形成された凹部と凸部との嵌合部に粘着テープ23を貼って固定(仮止め)することが一般的である(例えば、特許文献1を参照。)。これにより、筒状部材10の内部への柱体ユニット20の圧入が開始されるまで緩衝マット22が柱体21に巻回された状態(巻回状態)を維持することができる。
上記「仮止め」は、実際の製造ラインにおいて圧入工程に至る前の搬送時に巻回状態を維持する観点からも有用である。粘着テープとしては可燃性のものが使用される。これにより、排気処理装置の使用初期に排気の熱によって焼失されるので、粘着テープは緩衝マットの復元力ひいては柱体の保持力には影響しない。尚、緩衝マットの復元力によって発生するマット面圧(保持面圧)に起因して筒状部材の内壁からの垂直抗力と当該内壁と緩衝マットとの摩擦係数との積によって得られる摩擦力が柱体の保持力となる。摩擦係数は既定であるので、マット面圧によって柱体の保持力が実質的に定まる。
尚、例えば柱体を形成する材料の機械的強度及び/又は柱体の構造等、柱体の構成によっては、筒状部材の内部への圧入時に作用する応力に耐えきれず、例えば柱体の座屈等の問題を招く場合がある。このような場合、所謂「サイジング工法」を上述した圧入工法に代えて採用することができる。サイジング工法とは、緩衝マットの圧縮を実質的に伴わずに柱体ユニットを筒状部材の内部に挿入した後に筒状部材の側壁の緩衝マットに対向する領域の少なくとも一部を所定の径まで縮径させる縮径加工により柱体の保持力を発生させる工法である(例えば、特許文献2を参照。)。サイジング工法においては、柱体ユニットの挿入時に柱体にストレスがかからないように柱体ユニット及び筒状部材の寸法が設計することができるので、上述したような柱体の破損に繋がる虞が低く、また縮径加工によって圧入工法よりも高い精度にて保持面圧を調整することができる。
但し、圧入工法及びサイジング工法の何れにおいても、例えば案内治具のテーパ面及び/又は筒状部材の内壁と緩衝マットとの摺動時等に、上述した緩衝マットの突き合わせ部及び/又は嵌合部が相互にずれたり緩衝マットの端部等がめくれたりする虞がある。従って、圧入工法及びサイジング工法の何れにおいても、上述したように緩衝マットの突き合わせ部及び/又は嵌合部に粘着テープを貼って固定(仮止め)することは必要である。
ところで、昨今では、排気処理性能の更なる向上を目的として、排気浄化触媒の活性温度への到達を早めること(触媒床温の早期上昇)が求められている。斯かる要請に応えることを目的として、柱体の断面積を増大させることにより排気流路における圧力損失を低減して排気流量の増大を容易化すると共に、柱体の厚みを薄くして(排気の流れ方向における柱体の寸法を小さくして)柱体の熱容量(ヒートマス)を低減することが提案されている。このような柱体の場合、柱体の軸方向における緩衝マットの寸法(幅)が従前よりも短くなり、緩衝マットと筒状部材との接触面積が小さくなるため、十分な保持力を維持するためには、緩衝マットの復元力によって発生するマット面圧(保持面圧)を増大させる必要がある。
上記のようにマット面圧(保持面圧)を増大させるためには、圧入工法における圧入時又はサイジング工法における筒状部材の縮径時の緩衝マットの圧縮代(圧縮比)を大きくして筒状部材の内部における緩衝マットの嵩密度を高める必要がある。このように圧縮比を大きくするということは、筒状部材への圧入又は挿入の前の時点における緩衝マットの厚み(柱体の径方向における寸法)を大きくすることに繋がる。即ち、筒状部材への圧入又は挿入の前の時点において柱体の側面に巻回されている緩衝マットの外径が従前よりも大きくなる。その結果、筒状部材への圧入時又は挿入時等に緩衝マットの突き合わせ部及び/又は嵌合部が相互にずれたり緩衝マットの端部等がめくれたりする可能性が高くなり、筒状部材への圧入又は挿入がより困難となる。例えば、図15は、粘着テープ23による仮止めがなされているにも拘わらず筒状部材の内部への柱体ユニット20の圧入に伴って緩衝マット22の突き合わせ部の端部がめくれ上がった状態を示す模式図である(破線の円によって囲まれた領域を参照。)。
そこで、当該技術分野においては、上記のような問題を解決するための方法として、以下のような方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。例えば、図16の(a)に示すように緩衝マット22の凹凸嵌合部に柱体21の軸方向に延在するように第1の粘着テープ23aを貼り渡す。更に、(b)に示すように複数の第2の粘着テープ23bを互いに部分的に重なり合って柱体21の先端側(圧入又は挿入の開始時における筒状部材側)の端面の全面を覆うように放射状に貼り渡し、且つ(a)に示すように個々の第2の粘着テープ23bの両端を柱体21の側面に巻回されている緩衝マット22の外周面に及ぶように折り返す。第1の粘着テープ21aと一部の第2の粘着テープ23bとは互いに部分的に重なり合っている。
上記によれば、筒状部材への圧入時又は挿入時等に緩衝マットの突き合わせ部及び/又は嵌合部が相互にずれたり緩衝マットの端部等がめくれたりする可能性を低減することができる。しかしながら、上記のように第1の粘着テープと一部の第2の粘着テープとが重なり合っている部分は他の部分よりも粘着テープの厚みが大きくなるため、筒状部材への圧入又は挿入の妨げとなったり、緩衝マットのずれ及び/又はめくれを惹起する原因となったりする。
また、前述したように、粘着テープとしては可燃性のものが使用され、排気処理装置の使用初期(大抵の場合、内燃機関を初めて起動する際)に排気の熱によって完全に焼失されることが企図されているので、粘着テープの使用量は最小限に留めることが望ましい。しかしながら、上記のように柱体の端面の全面を覆うように複数の粘着テープを貼り渡す場合、排気処理装置の使用初期に粘着テープが完全には焼失されずに残存し、柱体を通過する排気の流れを阻害する等の問題に繋がる虞がある。
特開2002−349255号公報 特開2007−260656号公報 特許第3318822号公報
本発明は、上述した課題に対処すべく想到されたものである。即ち、本発明は、粘着テープの使用量を過度に増大させること無く筒状部材の内部への柱体ユニットの圧入時又は挿入時における緩衝マットのずれ、めくれ及び/又は変形を低減することができる、排気処理装置の製造方法を提供することを1つの目的とする。
上記に鑑みて、本発明に係る排気処理装置の製造方法(以降、「本発明方法」と称呼される場合がある。)は、筒状部材と、柱体と、緩衝マットと、を含む排気処理装置の製造方法である。筒状部材は、筒状の形状を有するケーシングである。柱体は、柱状の形状を有する排気処理ユニットである。緩衝マットは、筒状部材と柱体との間に介在して筒状部材の内部の所定の位置に復元力によって柱体を保持する。
本発明方法は、以下に示す第1工程乃至第3工程を含む。
第1工程:柱体の側面の柱体の軸方向における両端に露出部をそれぞれ露出させるように緩衝マットを柱体の側面に巻回し、緩衝マットの巻回方向における2つの端縁を互いに対向させ且つ2つの端縁にそれぞれ形成された凹部と凸部とを互いに嵌合させて嵌合部を形成する。
第2工程:嵌合部の少なくとも一部から露出部において柱体の2つの端面のうちの一方の端面である第1端面と嵌合部との間に挟まれている領域を経て第1端面の一部へと及ぶ領域である貼付領域にのみ粘着テープを貼り付けて柱体ユニットを得る。
第3工程:第1端面を先頭として柱体ユニットを筒状部材の内部へと圧入或いは挿入する。
第3工程において、排気処理装置の稼働状態における排気の流れの下流側に第1端面が位置するように筒状部材の内部へと柱体ユニットを圧入或いは挿入してもよい。また、第2工程において、粘着テープを柱体の軸方向に対して垂直な方向に繰り出して貼付領域に貼り付けてもよい。更に、第2工程において貼付領域に貼り付けられた粘着テープは、単一の平面に展開された場合、柱体の軸方向における寸法よりも柱体の軸方向に対して垂直な方向における寸法の方がより大きい形状を有することができる。
本発明方法は、第3工程の後に、以下に示す第4工程を更に含むことができる。
第4工程:筒状部材の側壁の緩衝マットに対向する領域の少なくとも一部に縮径加工を施す。
本発明方法によれば、粘着テープの使用量を過度に増大させること無く、筒状部材の内部への柱体ユニットの圧入時又は挿入時における緩衝マットのずれ、めくれ及び/又は変形を低減することができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
緩衝マットの構成の一例を示す模式的な正面図(a)及び右側面図(b)である。 柱体ユニットにおける粘着テープの貼付方法として本発明者が検討した貼付方法のうちの1つの代表例を示す模式図である。 柱体ユニットにおける粘着テープの貼付方法として本発明者が検討した貼付方法のうちのもう1つの代表例を示す模式図である。 柱体ユニットにおける粘着テープの貼付方法として本発明者が検討した貼付方法のうちの更にもう1つの代表例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る排気処理装置の製造方法(第1方法)に含まれる各工程の流れを示すフローチャートである。 第1方法に含まれる第1工程において緩衝マットが柱体の側面に巻回され且つ緩衝マットの巻回方向における2つの端縁にそれぞれ形成された凹部と凸部とが互いに嵌合されて嵌合部が形成されている状態を示す模式的な斜視図である。 第1方法に含まれる第2工程において粘着テープが貼付領域に貼り付けられて柱体ユニットが得られた状態を示す模式的な斜視図である。 第1方法に含まれる第3工程において柱体ユニットが第1端面を先頭として筒状部材の内部へと圧入或いは挿入される様子を示す模式的な斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る排気処理装置の製造方法(第2方法)によって製造される排気処理装置の構成の一例を示す模式図である。 ロール状の粘着テープを柱体の軸方向に対して平行な方向に繰り出して当該繰り出された粘着テープの先端部分を柱体ユニットの貼付領域に貼り付ける様子を示す模式図である。 ロール状の粘着テープを柱体の軸方向に対して垂直な方向に繰り出して当該繰り出された粘着テープの先端部分を柱体ユニットの貼付領域に貼り付ける様子を示す模式図である。 本発明の第4実施形態に係る排気処理装置の製造方法(第4方法)に含まれる第2工程において得られる柱体ユニットの模式的な斜視図(a)及び当該柱体ユニットの貼付領域に貼り付けられる粘着テープを単一の平面に展開した場合の模式的な平面図(b)である。 本発明の第5実施形態に係る排気処理装置の製造方法(第5方法)に含まれる各工程の流れを示すフローチャートである。 一般的な排気処理装置の製造方法を示す模式図である。 粘着テープによる仮止めがなされているにも拘わらず筒状部材の内部への柱体ユニットの圧入に伴って緩衝マットの突き合わせ部の端部がめくれ上がった状態を示す模式図である。 従来技術に係る柱体ユニットの構成の一例を示す模式的な正面図(a)及び底面図(b)である。
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る排気処理装置の製造方法(以降、「第1方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
〈構成〉
第1方法は、筒状部材と、柱体と、緩衝マットと、を含む排気処理装置の製造方法である。筒状部材は、筒状の形状を有するケーシングである。筒状部材を形成する材料及び筒状部材の形状は、筒状の形状を有し且つ排気処理装置としての使用環境及び使用条件に耐え得る限り、特に限定されない。例えば、筒状部材を形成する材料はステンレス鋼を始めとする金属であり、筒状部材の形状は円筒形である。また、筒状部材は、例えば鋼管等によって一体物として形成されていてもよく、或いは複数の構成部材を集成することによって形成されていてもよい。
柱体は、柱状の形状を有する排気処理ユニットである。排気処理ユニットの具体例としては、例えば、前述したような、ガソリンパティキュレートフィルタ(GPF)及びディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)等のフィルタ並びに酸化触媒(OC)及び選択触媒還元脱硝装置(SCR)等の排気浄化触媒等を挙げることができる。排気処理ユニットを形成する材料及び排気処理ユニットの形状は、柱状の形状を有し、排気処理装置としての使用環境及び使用条件に耐え且つ排気に含まれる特定の成分を処理することができる限り、特に限定されない。排気処理ユニットの具体例としては、例えば、触媒金属が担持されたセラミック製又は金属製の担体及びハニカム構造を有するセラミック製又は金属製のフィルタ等を挙げることができる。
緩衝マットは、筒状部材と柱体との間に介在して筒状部材の内部の所定の位置に復元力によって柱体を保持する。緩衝マットは、前述したように、緩衝及び密封を目的として柱体の側面に巻回され、筒状部材と柱体との間に介在して筒状部材の内部の所定の位置に復元力によって柱体を保持する。従って、緩衝マットの形状は、柱体の側面に巻回することができる限り、特に限定されないが、典型的にはシート状又はテープ状の形状である。
例えば、図1は、緩衝マットの構成の一例を示す模式図である。図1の(a)は、緩衝マット22が柱体に巻回される前の状態を表す模式的な正面図であり、(b)は(a)に示す矢印αの方向から観察される緩衝マット22の模式的な右側面図である。(a)に示すように、緩衝マット22は細長いテープ状の形状を有し、柱体の側面への巻回方向において互いに対向する2つの端縁(即ち、長手方向における両端部)には、凹部22a及び凸部22bがそれぞれ形成されている。これら凹部22a及び凸部22bは、緩衝マット22が柱体の側面に巻回された状態において、互いに嵌合した状態となる。
緩衝マットを形成する材料は、排気処理装置としての使用環境及び使用条件に耐え且つ筒状部材と柱体との間に介在して筒状部材の内部の所定の位置に復元力によって柱体を保持することが可能である限り、特に限定されない。緩衝マットを形成する材料の具体例としては、例えば、アルミナ−シリカ系繊維等の無機繊維及びこのような無機繊維にバインダとしての樹脂を加えたものを挙げることができる。バインダとして使用される樹脂の具体例としては、例えば、アクリルゴム、ニトリルゴム、ポリビニルアルコール及びアクリル樹脂等を挙げることができる。
無機繊維の太さ及び繊維長並びに無機繊維とバインダとの配合比等、緩衝マットを構成する材料の組成については、例えば緩衝マットの柱体の側面への巻回に耐え得る可撓性及び筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持するために必要とされる復元力の大きさ等、緩衝マットとして要求される機能に応じて適宜調整することができる。更に、圧入又は挿入の前の緩衝マットの厚み及び嵩密度もまた、例えば、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持するために必要とされる復元力の大きさ等、緩衝マットとして要求される機能に応じて適宜調整することができる。
第1方法は、上述したような構成を有する排気処理装置の製造方法である。第1方法が前述した圧入工法又はサイジング工法の何れに該当する場合であっても、緩衝マットの柱体の側面への巻回方向において互いに対向する2つの端縁の突き合わせ部及び/又はこれら2つの端縁にそれぞれ形成された凹部と凸部との嵌合部に粘着テープが貼付されて固定(仮止め)される。これにより、筒状部材の内部への柱体ユニットの圧入又は挿入が開始されるまで緩衝マットが柱体に巻回された状態(巻回状態)を維持することができる。
また、前述したように、粘着テープとしては可燃性のものが使用され、排気処理装置の使用初期(大抵の場合、内燃機関を初めて起動する際)に排気の熱によって完全に焼失されることが企図されているので、粘着テープの使用量は最小限に留めることが望ましい。尚、粘着テープは、片面のみに接着剤が塗布された薄いものが好ましい。具体的には、例えば、市販のマスキングテープ(例えば、約0.1mmの厚み及び約150℃の耐熱温度を有するもの)を粘着テープとして使用することができる。
尚、詳しくは後述するように、第1方法に含まれる第2工程においては、嵌合部の少なくとも一部から露出部において柱体の2つの端面のうちの一方の端面である第1端面と嵌合部との間に挟まれている領域を経て第1端面の一部へと及ぶ領域である貼付領域にのみ粘着テープが貼り付けられて柱体ユニットが得られる。緩衝マットの嵌合部の外周面及び露出部の表面(即ち、柱体の側面の一部)は曲面であり、柱体の第1端面は平面である。即ち、貼付領域は曲面部分及び平面部分の両方を含む。従って、少なくとも皺の発生等を伴わずに粘着テープを貼付領域に貼り付けることができる程度には粘着テープが伸縮性を備えていることが望ましい。
ところで、本発明者は、粘着テープの使用量を過度に増大させること無く筒状部材の内部への柱体ユニットの圧入時又は挿入時における緩衝マットのずれ、めくれ及び/又は変形を低減することができる粘着テープの貼付方法を見出すべく、鋭意研究を重ねてきた。
図2乃至図4は、柱体ユニットにおける粘着テープの貼付方法として本発明者が検討した種々の貼付方法のうちの代表例を示す模式図である。何れの図においても、(a)は柱体の第2端面側から、(b)は柱体の側面側から、(c)は柱体の第1端面側から、それぞれ観察した柱体ユニットの外観を示す。
例えば、図2に示す例においては、緩衝マット22の外周面のみに粘着テープ23が貼り付けられている。この場合、粘着テープ23は、緩衝マット22の柱体21の側面への巻回方向において互いに対向する2つの端縁にそれぞれ形成された凹部と凸部との嵌合部(破線によって示す)を覆うように貼り付けられている。しかしながら、粘着テープ23は、柱体21の何れの端面にも側面にも貼り付けられていない。従って、この場合は、筒状部材(図示せず)の内部への柱体ユニット20の圧入又は挿入が開始されるまでの期間においては巻回状態を維持することができるものの、筒状部材の内部への柱体ユニット20の圧入時又は挿入時における緩衝マット22のずれ、めくれ及び/又は変形を低減することは困難である。特に、図15に例示したように、筒状部材の内部への柱体ユニット20の圧入又は挿入に伴って緩衝マット22の突き合わせ部の端部がめくれ上がり易い。
そこで、図3に示す例においては、緩衝マット22の外周面における嵌合部(破線によって示す)から柱体21の側面の露出部を経て柱体21の2つの端面に及ぶ範囲に粘着テープ23が貼り付けられている。従って、この場合は、筒状部材(図示せず)の内部への柱体ユニット20の圧入又は挿入が開始されるまでの期間における巻回状態の維持のみならず、筒状部材の内部への柱体ユニット20の圧入時又は挿入時における緩衝マット22のずれ、めくれ及び/又は変形の低減もまた可能である。しかしながら、前述したように、排気処理装置の使用初期に排気の熱によって粘着テープ23が完全に焼失されることが企図されているので、粘着テープ23の使用量は最小限に留めることが望ましい。
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、緩衝マット22の外周面における嵌合部の少なくとも一部から柱体21の側面の露出部において柱体21の2つの端面のうちの一方の端面である第1端面21aと嵌合部との間に挟まれている領域を経て第1端面21aの一部へと及ぶ領域である貼付領域にのみ粘着テープ23を貼り付けることにより、粘着テープ23の使用量の増大を低減しつつ、筒状部材の内部への柱体ユニット20の圧入又は挿入が開始されるまでの期間における巻回状態の維持のみならず、筒状部材の内部への柱体ユニット20の圧入時又は挿入時における緩衝マット22のずれ、めくれ及び/又は変形の低減もまた可能とすることができることを見出した。
例えば、図4に示す例においては、緩衝マット22の外周面における嵌合部(破線によって示す)から柱体21の側面の露出部を経て柱体21の2つの端面のうちの一方の端面である第1端面21aに及ぶ範囲にのみ粘着テープ23が貼り付けられている。このように、図4に示す例においては、柱体21の2つの端面のうちの他方の端面である第2端面21bには粘着テープ23が貼り付けられていない。しかしながら、この場合もまた、筒状部材(図示せず)の内部への柱体ユニット20の圧入又は挿入が開始されるまでの期間における巻回状態の維持のみならず、筒状部材の内部への柱体ユニット20の圧入時又は挿入時における緩衝マット22のずれ、めくれ及び/又は変形の低減もまた可能である。即ち、この場合は、粘着テープ23の使用量が最小限に留められているので、図3に示した例に比べて、排気処理装置の使用初期に排気の熱によって粘着テープ23が完全に焼失されることがより容易となる。
〈手順〉
以上のようにして得られた知見に基づいて想到された第1方法は、以下に示す第1工程乃至第3工程を含む。図5は、第1方法に含まれる各工程の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、第1方法においては、第1工程が実行されるステップS10、第2工程が実行されるステップS20及び第3工程が実行されるステップS30が、この順番にて実行される。以下の説明においては、各工程の内容を示す図6乃至図8を参照しながら第1方法について詳しく述べる。
第1工程(ステップS10):柱体の側面の柱体の軸方向における両端に露出部をそれぞれ露出させるように緩衝マットを柱体の側面に巻回し、緩衝マットの巻回方向における2つの端縁を互いに対向させ且つ2つの端縁にそれぞれ形成された凹部と凸部とを互いに嵌合させて嵌合部を形成する。
図6は、第1工程において緩衝マット22が柱体21の側面に巻回され且つ緩衝マット22の巻回方向における2つの端縁にそれぞれ形成された凹部と凸部とが互いに嵌合されて嵌合部22c(破線によって囲まれた部分)が形成されている状態を示す模式的な斜視図である。上記のように、柱体21の側面の柱体の軸方向における両端に露出部をそれぞれ露出させるように緩衝マット22が柱体21の側面に巻回される。このように露出部を設けることにより、例えば、柱体ユニットの筒状部材の内部への圧入時又は挿入時に緩衝マット22が僅かにずれた場合においても、緩衝マット22の端部が柱体21の端面から軸方向へ突出して、他の柱体ユニットとの積層の妨げとなる可能性等を低減することができる。
また、緩衝マット22の嵌合部22cを構成する凹部及び凸部の形状は、図6に示したものに限定されず、例えば、緩衝マット22の巻回方向における2つの端縁の突き合わせ部における排気の漏れ等の問題が生じない限りにおいて、当該技術分野において広く採用されている種々の形状から適宜選択することができる。
第2工程(ステップS20):嵌合部の少なくとも一部から露出部において柱体の2つの端面のうちの一方の端面である第1端面と嵌合部との間に挟まれている領域を経て第1端面の一部へと及ぶ領域である貼付領域にのみ粘着テープを貼り付けて柱体ユニットを得る。
図7は、第2工程において粘着テープ23(斜線部)が貼付領域に貼り付けられて柱体ユニット20が得られた状態を示す模式的な斜視図である。図7に示す例においては、緩衝マット22の嵌合部22cの大部分を覆う領域から柱体21の側面の露出部を経て柱体21の第1端面21aの一部にまで及ぶ領域(即ち、貼付領域)に単一の(一片の)粘着テープ23が貼り付けられている。これにより、粘着テープ23の使用量を抑えつつ、筒状部材(図示せず)の内部への柱体ユニット20の圧入又は挿入が開始されるまでの期間における巻回状態の維持のみならず、筒状部材の内部への柱体ユニット20の圧入時又は挿入時における緩衝マット22のずれ、めくれ及び/又は変形の低減をも達成することができる。
第3工程(ステップS30):第1端面を先頭として柱体ユニットを筒状部材の内部へと圧入或いは挿入する。
上述したサイジング工法を第1方法において採用する場合は、柱体21の第1端面21aを先頭として筒状部材10の内部へと柱体ユニット20が挿入される。圧入に際しては、柱体21の筒状部材10とは反対側の端面(即ち、第2端面21b)を押圧しながら、柱体ユニット20を筒状部材10の内部の所定位置まで圧入する。圧縮された緩衝マット22は復元力によって所期の面圧(マット面圧、保持面圧)を発生し、排気処理装置の使用時における振動及び/又は排気の圧力に抗して筒状部材10の内部の所定位置に柱体21を保持し続ける。尚、前述したように、筒状部材10の一端(柱体ユニット20側の開口)に図示しない案内治具を嵌合し、案内治具の漏斗状のテーパ面に対して緩衝マット22を摺動させて圧縮しながら、柱体ユニット20を筒状部材10へと圧入してもよい。
一方、上述したサイジング工法を第1方法において採用する場合は、柱体21の第1端面21aを先頭として筒状部材10の内部へと柱体ユニット20が挿入される。この際、前述したように、柱体ユニット20の挿入時に柱体21にストレスがかからないように柱体ユニット20及び筒状部材の寸法を設計することにより、緩衝マット22の圧縮を実質的に伴わずに、筒状部材10の内部へと柱体ユニット20を挿入することができる。その結果、前述したような柱体21の破損の可能性を低減することができる。また、挿入後に行われる縮径加工により、筒状部材10の内部の所定の位置における緩衝マット22による柱体21の保持面圧を高い精度にて調整することができる。尚、このようにサイジング工法を第1方法において採用する場合においても、上述したように案内治具を用いて柱体ユニット20を筒状部材10へと圧入してもよい。
図8は、第2工程において粘着テープ23(斜線部)が貼付領域に貼り付けられた柱体ユニット20が、第1端面21aを先頭として、筒状部材10の内部へと圧入或いは挿入される様子を示す模式的な斜視図である。図7に示したように、緩衝マット22の嵌合部22cの大部分を覆う領域から柱体21の側面の露出部を経て柱体21の第1端面21aの一部にまで及ぶ領域(貼付領域)に粘着テープ23が貼り付けられている。従って、粘着テープ23の使用量を抑えつつ、筒状部材10の内部への柱体ユニット20の圧入又は挿入が開始されるまでの期間において巻回状態を維持することができる。更に、第1端面21aを先頭として柱体ユニット20が筒状部材10の内部へと圧入或いは挿入されるので、圧入時又は挿入時における緩衝マット22のずれ、めくれ及び/又は変形を有効に低減することができる。
〈効果〉
以上のように、第1方法によれば、粘着テープの使用量を過度に増大させること無く、筒状部材の内部への柱体ユニットの圧入時又は挿入時における緩衝マットのずれ、めくれ及び/又は変形を低減することができる。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る排気処理装置の製造方法(以降、「第2方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
上述したように、第1方法に含まれる第2工程においては、緩衝マットの外周面における嵌合部の少なくとも一部から柱体の側面の露出部において柱体の2つの端面のうちの一方の端面である第1端面と嵌合部との間に挟まれている領域を経て第1端面の一部へと及ぶ領域である貼付領域にのみ粘着テープが貼り付けられる。即ち、柱体の2つの端面のうちの一方の端面である第1端面の一部には粘着テープが貼り付けられているものの、他方の端面である第2端面には粘着テープが貼り付けられていない。
排気処理装置の稼働状態において排気の流れの上流側に柱体の第1端面が位置する場合、排気処理装置の使用初期に排気の熱によって焼けた粘着テープの燃え滓等が柱体の内部に流れ込み、フィルタの目詰まり又は排気浄化触媒の活性表面の減少等の問題に繋がる虞がある。
〈構成〉
そこで、第2方法は、上述した第1方法であって、第3工程において、排気処理装置の稼働状態における排気の流れの下流側に第1端面が位置するように筒状部材の内部へと柱体ユニットを圧入或いは挿入する、排気処理装置の製造方法である。
「排気処理装置の稼働状態」とは、第2方法によって製造される排気処理装置が備える柱体を構成するフィルタ及び/又は排気浄化触媒等の排気処理ユニットへと内燃機関から排出される排気が導かれるように当該内燃機関の排気流路に当該排気処理装置が組み込まれている状態を指す。このような状態の具体例としては、例えば車両に搭載された内燃機関の排気流路に排気処理装置が介装されている状態等を挙げることができる。
図9は、第2方法によって製造される排気処理装置の構成の一例を示す模式図である。筒状部材10の内部の所定の位置に保持されている柱体ユニットの構成及び向きを判り易くすることを目的として、図9においては筒状部材10が破線によって描かれている。また、図中に示す白抜きの矢印は排気処理装置の稼働状態における排気の流れ方向を表している。排気処理装置100においては、柱体21の2つの端面のうち粘着テープ23が貼り付けられている方の端面である第1端面21aが排気の流れの下流側に位置している。
尚、図9に示した例においては、筒状部材10の上流側(排気の流入口側)の端部及び下流側(排気の流出口側)の端部の小径部10a及び10bがそれぞれ形成されており、これらの小径部と柱体ユニットが保持されている中央部分との間にテーパ部(コーン部)10c及び10dがそれぞれ形成されている。このような筒状部材の構造は、例えばスピニング加工等を始めとする塑性加工によって形成することができる。或いは、個別に形成された小径部、コーン部及び中央部分を溶接等の接合方法によって集成してもよい。但し、筒状部材の構造は、必ずしも上記のような小径部を有する必要は無く、排気処理装置が組み込まれる設備又は装置(例えば、車両等)における排気流路の構成等に応じて適宜設計することができる。
〈効果〉
以上のように、第2方法に含まれる第3工程においては、排気処理装置の稼働状態における排気の流れの下流側に第1端面が位置するように筒状部材の内部へと柱体ユニットが圧入或いは挿入される。その結果、排気処理装置の稼働状態において排気の流れの上流側には、柱体の2つの端面のうちの粘着テープが貼り付けられていない方の端面である第2端面が位置することとなる。従って、排気処理装置の使用初期に排気の熱によって焼けた粘着テープの燃え滓等が柱体の内部に流れ込んでフィルタの目詰まり又は排気浄化触媒の活性表面の減少等の問題に繋がる可能性を低減することができる。
《第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係る排気処理装置の製造方法(以降、「第3方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
上述したように、第2工程においては、柱体の第1端面の一部と、緩衝マットの嵌合部の少なくとも一部と、柱体の側面の露出部の第1端面と嵌合部との間に挟まれている領域と、からなる領域である貼付領域に粘着テープが貼り付けられて、柱体ユニットが得られる。この際、緩衝マットが柱体の側面に巻回された状態(巻回状態)が確実に保持されると共に緩衝マットと柱体との位置関係が確実に固定される限り、粘着テープを貼付領域に貼り付ける方法は特に限定されない。
例えば、図10に示すように、ロール状の粘着テープ23を柱体21の軸方向AXに対して平行な方向に繰り出し、当該繰り出された粘着テープ23の先端部分を柱体ユニット20の貼付領域に貼り付け、適切な箇所において粘着テープ23を切断してもよい。或いは、図11に示すように、ロール状の粘着テープ23を柱体21の軸方向AXに対して垂直な方向に繰り出し、当該繰り出された粘着テープ23の先端部分を柱体ユニット20の貼付領域に貼り付け、適切な箇所において粘着テープ23を切断してもよい。
但し、粘着テープ23を貼付領域に貼り付ける際には緩衝マット22の巻回方向に張力を作用させて緩衝マット22を柱体21の側面にしっかりと巻回させることが望ましい。このような観点からは、図11に示したように、粘着テープ23を柱体21の軸方向AXに対して垂直な方向に繰り出して当該繰り出された粘着テープ23の先端部分を柱体ユニット20の貼付領域に貼り付けることが望ましい。図10に示したように粘着テープ23を柱体21の軸方向AXに対して平行な方向に繰り出して当該繰り出された粘着テープ23の先端部分を柱体ユニット20の貼付領域に貼り付ける場合、緩衝マット22の巻回方向に張力を作用させつつ粘着テープ23を貼付領域に貼り付けるのは困難であり作業性に問題がある。
〈構成〉
そこで、第3方法は、上述した第1方法又は第2方法であって、第2工程において、粘着テープが柱体の軸方向に対して垂直な方向に繰り出されて貼付領域に貼り付けられる、排気処理装置の製造方法である。尚、粘着テープが繰り出される方向と柱体の軸とは必ずしも直交する必要は無く、粘着テープが繰り出される方向(に平行な方向)と柱体の軸方向(に平行な方向)とが互いに垂直であればよい。具体的には、例えば、粘着テープが繰り出される方向と柱体の軸とがねじれの関係にあってもよい。
〈効果〉
上記のように、第3方法に含まれる第2工程においては、粘着テープが柱体の軸方向に対して垂直な方向に繰り出されて貼付領域に貼り付けられる。その結果、緩衝マットの巻回方向に張力を作用させつつ粘着テープを貼付領域に貼り付けることが容易となる。従って、粘着テープを貼付領域に貼り付ける際に、高い作業性にて、緩衝マットの巻回方向に張力を作用させて緩衝マットを柱体の側面にしっかりと巻回させることができる。
《第4実施形態》
以下、本発明の第4実施形態に係る排気処理装置の製造方法(以降、「第4方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
ところで、緩衝マットの巻回方向に張力を作用させて緩衝マットが柱体の側面に巻回された状態(巻回状態)を保持するためには、貼付領域に貼り付けられる粘着テープが緩衝マットの長手方向(即ち、巻回方向)において、ある程度以上の長さを有することが望ましい。具体的には、貼付領域に貼り付けられた粘着テープは、単一の平面に展開された場合に、柱体の軸方向における寸法よりも柱体の軸方向に対して垂直な方向(即ち、緩衝マットの巻回方向)における寸法の方がより大きい形状を有することが望ましい。
〈構成〉
そこで、第4方法は、上述した第1方法乃至第3方法の何れかであって、第2工程において貼付領域に貼り付けられた粘着テープは、単一の平面に展開された場合に、柱体の軸方向における寸法よりも柱体の軸方向に対して垂直な方向における寸法の方がより大きい形状を有する、排気処理装置の製造方法である。
図12は、第4方法に含まれる第2工程において得られる柱体ユニットの模式的な斜視図(a)及び当該柱体ユニットの貼付領域に貼り付けられる粘着テープを単一の平面に展開した場合の模式的な平面図(b)である。(a)に示すように、緩衝マット22の外周面における嵌合部22cを含む巻回方向に長い範囲に粘着テープ23が貼り付けられている。この粘着テープ23を貼付領域から剥がして平面に展開すると、(b)に示したような形状を呈する。具体的には、第4方法に含まれる第2工程において貼付領域に貼り付けられた粘着テープ23は、単一の平面に展開された場合、柱体21の軸方向における寸法Wよりも柱体21の軸方向に対して垂直な方向における寸法Lの方がより大きい。
〈効果〉
上記のように、第4方法に含まれる第2工程においては、単一の平面に展開された場合に柱体の軸方向における寸法よりも柱体の軸方向に対して垂直な方向における寸法の方がより大きい形状を有する粘着テープが貼付領域に貼り付けられる。これにより、緩衝マットの巻回方向に張力を作用させて緩衝マットが柱体の側面に巻回された状態(巻回状態)を確実に保持することが容易となる。
《第5実施形態》
以下、本発明の第5実施形態に係る排気処理装置の製造方法(以降、「第5方法」と称呼される場合がある。)について説明する。
前述したように、本発明方法においてサイジング工法を採用する場合は、筒状部材の内部への柱体ユニットの挿入後に、筒状部材に縮径加工を施すことにより、筒状部材の内部の所定の位置における緩衝マットによる柱体の保持面圧を高い精度にて調整することができる。このような縮径加工は、本発明方法においてサイジング工法を採用する場合のみならず、本発明方法において圧入工法を採用する場合においても適用することができる。例えば、前述したような筒状部材の内部への柱体ユニットの圧入に伴う柱体の破損を伴わない程度の圧縮比にて筒状部材の内部へと柱体ユニットを圧入した後に更に筒状部材に縮径加工を施すことにより緩衝マットの嵩密度を更に高めて必要とされる保持面圧を達成してもよい。
〈構成〉
そこで、第5方法は、上述した第1方法乃至第4方法の何れかであって、第3工程の後に、筒状部材の側壁の緩衝マットに対向する領域の少なくとも一部に縮径加工を施す第4工程を更に含む、排気処理装置の製造方法である。図13は、第5方法に含まれる各工程の流れを示すフローチャートである。図13に示すように、第5方法における各工程の流れも、第1工程から第3工程までは第1方法と同様である。第1工程から第3工程まで(ステップS10からステップS30まで)は図5乃至図8を参照しながら既に説明したので、ここでの説明は割愛する。第5方法は、第3工程が実行されるステップS30の後に、筒状部材の側壁の緩衝マットに対向する領域の少なくとも一部に縮径加工を施す第4工程が実行されるステップS40を更に含む。縮径加工は、例えばスピニング加工等を始めとする塑性加工によって形成することができる。
縮径加工が施される領域は、筒状部材の側壁の緩衝マットに対向する領域の少なくとも一部である。従って、当該領域の全てに対して縮径加工を施してもよく、或いは、例えば柱体の局所的な機械的強度等を考慮して、当該領域の一部に対してのみ縮径加工を施してもよい。
〈効果〉
上記のように、第5方法においては、第3工程の後に実行される第4工程において、筒状部材の側壁の緩衝マットに対向する領域の少なくとも一部に縮径加工が施される。これにより、第5方法においてサイジング工法を採用する場合においても、筒状部材の内部の所定の位置に柱体を保持するために必要とされる保持面圧を高い精度にて達成することができる。また、第5方法において圧入工法を採用する場合においても、筒状部材の内部へと柱体ユニットを圧入した後に更に筒状部材に縮径加工を施すことにより、緩衝マットの嵩密度を更に高め、更に高い保持面圧を達成することができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及び変形例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態及び変形例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
10…筒状部材、20…柱体ユニット、21…柱体、21a…第1端面、21b…第2端面、22…緩衝マット、22a…凹部、22b…凸部、22c…嵌合部、23…粘着テープ、及び100…排気処理装置。

Claims (5)

  1. 筒状の形状を有するケーシングである筒状部材と、
    柱状の形状を有する排気処理ユニットである柱体と、
    前記筒状部材と前記柱体との間に介在して前記筒状部材の内部の所定の位置に復元力によって前記柱体を保持する緩衝マットと、
    を含む排気処理装置の製造方法であって、
    前記柱体の側面の前記柱体の軸方向における両端に露出部をそれぞれ露出させるように前記緩衝マットを前記柱体の前記側面に巻回し、前記緩衝マットの巻回方向における2つの端縁を互いに対向させ且つ前記2つの端縁にそれぞれ形成された凹部と凸部とを互いに嵌合させて嵌合部を形成する、第1工程と、
    前記嵌合部の少なくとも一部から前記露出部において前記柱体の2つの端面のうちの一方の端面である第1端面と前記嵌合部との間に挟まれている領域を経て前記第1端面の一部へと及ぶ領域である貼付領域にのみ粘着テープを貼り付けて柱体ユニットを得る、第2工程と、
    前記第1端面を先頭として前記柱体ユニットを前記筒状部材の内部へと圧入或いは挿入する、第3工程と、
    を含む、排気処理装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載された排気処理装置の製造方法であって、
    前記第3工程において、前記排気処理装置の稼働状態における排気の流れの下流側に前記第1端面が位置するように前記筒状部材の内部へと前記柱体ユニットを圧入或いは挿入する、
    排気処理装置の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された排気処理装置の製造方法であって、
    前記第2工程において、前記粘着テープは前記柱体の軸方向に対して垂直な方向に繰り出され前記貼付領域に貼り付けられる、
    排気処理装置の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載された排気処理装置の製造方法であって、
    前記第2工程において前記貼付領域に貼り付けられた前記粘着テープは、単一の平面に展開された場合、前記柱体の軸方向における寸法よりも前記柱体の軸方向に対して垂直な方向における寸法の方がより大きい形状を有する、
    排気処理装置の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された排気処理装置の製造方法であって、
    前記第3工程の後に、前記筒状部材の側壁の前記緩衝マットに対向する領域の少なくとも一部に縮径加工を施す、第4工程、
    を更に含む、排気処理装置の製造方法。
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