JP6968174B2 - エアロゾル粒子の化学組成を分析するための装置および方法 - Google Patents

エアロゾル粒子の化学組成を分析するための装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、エアロゾル粒子の化学組成を分析するための装置および方法に関する。
背景技術
エアロゾルは、エアロゾル粒子と呼ばれる微小な固体または液体粒子のガス状浮遊物である。そのような浮遊物においては、ガス状物質がエアロゾル粒子の表面上で凝縮することができ、一方でそれと同時に、液体または固体物質がエアロゾル粒子表面から蒸発して気相となり得るという意味において、ガスとエアロゾル粒子とが相互作用する。気相と粒子相との間の平衡は、個々の化合物の飽和蒸気圧によって大きく左右される。
エアロゾル粒子は通常、10nm〜10μmの範囲のサイズを有する。10nmより小さいエアロゾル粒子はサイズに対する表面積の比が大きく、したがってより大きなエアロゾル粒子へと急速に成長する。一方で、10μmを超えるエアロゾル粒子は非常に重くなり、長期間浮遊できずに最終的には地面に落下する。このため、大気エアロゾル粒子の通常のサイズ範囲は、それぞれ50nm〜2000nm、つまり2μmである。
エアロゾル粒子の化学組成を調べるための機器は、大気科学では広く使われている。しかし、それらは健康科学においても汚染物質が人間の健康に及ぼす影響を調査するために使用されている。汚染物質は、直接粒子またはガス状化合物として放出されることが多く、これらは、放出時または酸化による化学的変換後にエアロゾル粒子上で凝縮し得る。多くの爆発物は蒸気圧が低く、したがって環境温度では気相にはほとんど存在せずにエアロゾル粒子の形態で存在するため、エアロゾル粒子の化学分析もまた微量の爆発物を検出するための効率的な方法である。同時に、爆発物のエアロゾル粒子は粘着性であり、爆発物を取り扱う人々の皮膚、衣服および物体を汚染する場合があるため、爆発物は特有のサンプリング問題を提起する。
エアロゾル粒子のサンプリングは、伝統的にはフィルタまたは綿棒を使用して行われてきた。このアプローチでは、エアロゾル粒子がフィルタまたは綿棒に捕集され、その後でオフライン手段で分析される。しかしここ30年間で、エアロゾル粒子の化学組成をオンラインでリアルタイムに分析するための多くの機器が開発されてきた。これらの機器の大部分は、空気を質量分析計に直接サンプリングし、その後、異なる様式で送り込まれるいくつかの段階で気相を粒子相から分離することに依存するものであり、その際、エアロゾル粒子を大気圧(1000mbar)から約10−7mbarの圧力の真空にすることにより、気相はおよそ10の10乗倍希釈される。
そのような装置および方法の一例は、Jayne、WorsnopおよびKolbによる米国特許第6,040,574号明細書(US 6,040,574)に記載されている。この装置および方法では、例えばMcMurry et al.による米国特許第5,270,542号明細書(US 5,270,542)に記載されているように、ガスを随伴エアロゾル粒子とともに粒子レンズに通すことによってエアロゾル粒子ビームが形成される。続いて、エアロゾル粒子を高温面上でフラッシュ蒸発させ、エレクトロンイオン化または他の形態のイオン化(例えば、真空紫外線イオン化)によってイオン化し、その後、飛行時間型質量分析器で分析する。
米国特許第5,681,752号明細書(US 5,681,752)(Kimberley)、米国特許第8,648,294号明細書(US 8,648,294 B2)(Kimberley et al.)
Kimberleyによる米国特許第5,681,752号明細書(US 5,681,752)またはKimberley et al.による米国特許第8,648,294号明細書(US 8,648,294 B2)に教示されているように、類似の機器の複数のバージョンでは、エアロゾル粒子を気化させるため、および高真空下で気化物質をイオン化するための1つまたは複数のレーザが使用されている。
これらの機器および方法はいずれも、それらが高真空を必要とし、したがって大規模かつ複雑な機器を必要とするという欠点を有する。
エアロゾル粒子の化学組成を分析するための代替的な方法は、例えばプラズマ中で、エアロゾル粒子を高圧で脱着することである。このアプローチでは、ガス夾雑物からのバックグラウンドを回避するために、エアロゾル粒子の元のガス状浮遊物の気相を清浄ガスと交換する必要がある。このアプローチは、例えば、Bazargan et al.による米国特許出願公開第2015/0235833号明細書(US 2015/0235833 A1)に教示されているように、単一粒子誘導結合プラズマ質量分析法(single particle inductively coupled plasma mass spectrometry(SI−ICP−MS))と呼ばれる技術で採用されている。その場合、エアロゾル粒子が元の気相から液体または清浄ガスのいずれかに移される。後者は、J.Anal.At.Spectrom.,2013,28,831−842;DOI:10.1039/C3JA50044FまたはJ−SCIENCE LAB,Kyoto,Japan.に記載されているように「ガス交換デバイス」を用いて行われる。しかし、誘導結合プラズマを使用しているため、この方法では有機物質に関する情報は得られず、元素の情報しか得られない。さらにこのアプローチは、エアロゾル粒子の元のガス状浮遊物の気相を清浄ガスと交換するための大規模な設備を必要とするという欠点を有する。
エアロゾル粒子の有機化合物の分析のために、FIAGEROと呼ばれる技術が開発されている。この技術では、エアロゾル粒子を表面上で捕集する。捕集後に表面を加熱して有機化合物を加熱脱着させ、その後、該有機化合物を、例えばLopez−Hilfiker et al, in Atmos.Meas.Tech.,7,983−1001,2014.に記載されているような化学イオン化質量分析計(chemical ionization mass spectrometer(CI−MS))で測定する。この技術はオンラインではあるが、捕集−脱着サイクルには約30分かかることから、正確にはリアルタイムではない。
エアロゾル粒子の化学組成を分析するための既知の装置および方法は、それらが化学組成のオンラインおよびリアルタイム分析を可能にするものではないという欠点や、大規模な装置を必要とするという欠点を有する。したがって、それらをエアロゾル粒子の化学組成の様々な種類の分析に柔軟に使用することはできない。
発明の概要
本発明の目的は、エアロゾル粒子の化学組成を分析するための柔軟な使用を可能にする、冒頭に述べた技術分野に関連する装置および方法を創出することである。
本発明の解決策は、請求項1の特徴によって特定される。本発明によれば、前記装置は、エアロゾル粒子から成分、特に有機化合物を抽出し、かつ前記成分をイオン化してイオンを生成させるための抽出エレクトロンスプレーイオン化源と、前記イオンを分析するための質量分析器、特に飛行時間型質量分析器であって、前記抽出エレクトロンスプレーイオン化源に流体的に結合されている質量分析器と、を含む。
本発明による方法は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源を用いてエアロゾル粒子から成分、特に有機化合物を抽出し、かつ抽出エレクトロンスプレーイオン化源を用いて前記成分をイオン化してイオンを生成させるステップと、前記イオンを質量分析器、特に飛行時間型質量分析器に移動させ、ここで、前記質量分析器は、前記抽出エレクトロンスプレーイオン化源に流体的に結合されているものとするステップと、前記質量分析器を用いて前記イオンを分析するステップと、を含む。
本明細書では、抽出エレクトロンスプレーイオン化源という用語が使用され、これは、抽出エレクトロスプレーイオン化源という用語と同一の意味を有する。本明細書では、その略語EESI(extractive electronspray ionisation source)が使用される場合もある。同一の意味で、本明細書では、エレクトロンスプレーという用語が使用され、これはエレクトロスプレーという用語と同一の意味を有する。
この解決策は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源を用いて、エアロゾル粒子の成分の抽出およびイオン化、ならびにガスを含むサンプルのイオン化が可能になるという利点を有する。さらに、エアロゾル粒子が有機化合物を含む場合には、該有機化合物を損傷することなく該有機化合物を抽出およびイオン化することができる。加えて、周囲圧力および減圧でのエアロゾル粒子の溶解およびイオン化が可能になり、一方でそれと同時に、エアロゾル粒子の化学組成のオンラインおよびリアルタイムでの分析が可能になる。その結果、本発明による装置および方法によって、エアロゾル粒子の化学組成を分析するための柔軟な使用が可能となる。
有利には、抽出エレクトロンスプレーイオン化源(抽出エレクトロスプレーイオン化源とも呼ばれる)は、エレクトロンスプレー(エレクトロスプレーとも呼ばれる)を含み、これによって、帯電液滴が生成されてエアロゾル粒子が溶解される。好ましくは、この帯電液滴の液体は、水混合溶媒である。また、帯電液滴の液体を、水混合溶媒とは異なるものとすることもできる。いずれの場合も、本発明による方法では、抽出エレクトロンスプレーイオン化源(または抽出エレクトロスプレーイオン化源)のエレクトロンスプレー(またはエレクトロスプレー)によって、エアロゾル粒子が溶解している帯電液滴が生成される。
好ましくは、抽出電子イオン化源は、蒸発ユニットを含む。この蒸発ユニットは、溶解したエアロゾル粒子の成分を維持しつつ、帯電液滴の液体を蒸発させるためのものである。この場合、本発明による方法では、帯電液滴の液体は好ましくは、溶解したエアロゾル粒子の成分が維持されたまま抽出電子イオン化源の蒸発ユニットによって蒸発し、その結果、帯電した小滴の電荷が、溶解したエアロゾル粒子の維持された成分へと移動し、それによって該成分がイオン化されてイオンが生成される。
有利には、蒸発ユニットは加熱ユニットである。有利には、加熱ユニットは加熱蒸発領域であり、該領域内で、帯電した小滴の液体が蒸発するように帯電液滴を導くことができ、その結果、溶解したエアロゾル粒子の成分が残る。しかしまた、加熱ユニットを、帯電液滴の液体が蒸発するように帯電液滴を導く加熱要素とすることもできる。その構造とは無関係に、加熱ユニットには、帯電液滴の電荷が残りの成分に移動し、それによって該成分がイオン化されてイオンが生成されるという利点がある。
加熱ユニットの代替物として、蒸発ユニットは、溶解したエアロゾル粒子の成分を維持しつつ帯電液滴の液体を蒸発させるための別のユニットであってもよい。例えば、そのような他のユニットは、溶解したエアロゾル粒子の成分が残るように帯電液滴を蒸発させるためのレーザまたはマイクロ波エミッタを有する蒸発領域であってもよい。
好ましくは、質量分析器は、イオンの分析時に該イオンのマススペクトルが提供されるように構成されている。この場合、本発明による方法では、質量分析器を用いてイオンを分析する場合、好ましくはイオンのマススペクトルが生成される。これは、イオンの分析が簡便になるという利点を有する。あるいは質量分析器は、イオンの分析時にイオンのマススペクトルが提供されるようには構成されていない場合がある。
有利には、装置は単一粒子エアロゾル質量分析計である。この場合、本発明による方法では、抽出エレクトロンスプレーイオン化源を用いて各エアロゾル粒子の成分を個別に抽出してイオン化し、続いて各エアロゾル粒子について個別に、得られたイオンを質量分析器に移動させ、かつ得られたイオンを質量分析器を用いて分析することによって、エアロゾル粒子は好ましくはそれぞれ個別に分析される。したがって、装置は、有利には制御ユニットを含む。前記制御ユニットは、個々のエアロゾル粒子が抽出エレクトロンスプレーイオン化源に到達するたびに、質量分析器に対して、個々のエアロゾル粒子に由来するイオンを分析するトリガを与えるためのものである。1つの個別のエアロゾル粒子に由来するイオンをこうして分析するために、抽出エレクトロンスプレーイオン化源によって生成されたイオンは、好ましくは分析のためのイオン抽出のバーストにおいて質量分析器内に抽出される。
装置が単一粒子エアロゾル質量分析計であるか否かとは無関係に、装置は好ましくは、質量分析器によって提供されたシグナルを処理するための電子データ取得システムをさらに含む。この電子データ取得システムは、好ましくは質量分析器から得られたシグナルからデジタル化データを生成する少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器(analog−to−digital converter(ADC))と、前記アナログ−デジタル変換器からデジタル化データを受信する高速処理ユニットと、を含み、前記高速処理ユニットは、質量分析器によって測定された対象イベントについてのデジタル化データをリアルタイムで連続的に検査できるようにプログラムされており、前記電子データ取得システムは、さらなる分析のために対象イベントに関連するマススペクトルを表すデジタル化データを転送でき、かつ対象イベントに関連しないマススペクトルを表すデジタル化データを拒否できるようにプログラムされている。
これは、高いデータ取得速度を達成できるという利点を有する。
特に、デジタル化データは、簡便にするためにマススペクトルによって構成され(またはこれを含み)、以下、この用語を、m/Q(質量/電荷)の値のスペクトルに用いる。高速処理ユニットは、特にデジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor(DSP))、最も好ましくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array(FPGA))を含むことができる。
連続的なリアルタイム処理とは、データの転送または拒否について決定する前に、ADCから取得された実質的にすべての受信データを対象イベントについて容易に検査できることを意味し、その際、データのある部分の検査に用いられる時間は、質量分析器によってそのデータ部分により表されるシグナルを取得するのに用いられる時間と等しいかまたはそれよりも短い。質量分析器が飛行時間型質量分析器である場合には、質量分析器は、飛行時間型(time−of−flight(TOF))抽出を連続的に取得できるように構成されていてよい。この場合、TOF抽出の連続的な取得と同時に、高速処理ユニットを好ましくはデータのリアルタイム分析に使用して、対象イベントを含むTOF抽出の連続ストリーム内の領域を特定する。これは、エアロゾル粒子が抽出エレクトロンスプレーイオン化源によってイオン化されるたびに、その各時間を、高速処理ユニットによってイオン化エアロゾル粒子のサインの形態で対象イベントを含むTOF抽出の連続ストリーム内の領域を特定することによって検出し得る単一粒子エアロゾル質量分析計にとって、特に重要である。
本発明者らは、対象サンプルがイベントまたは対象イベントとして存在する場合の事例を参照する。本発明者らは、「イベントトリガ付与」としての本発明の方法を参照する。
対象イベントに関連しないデジタル化データの拒否とは、このデータが通常のさらなる分析に転送されないことを意味する。該データを、完全に廃棄してもよいし、電子データ取得システムをさらなる分析を実行するハードウェアへとリンクさせる通信チャネルの実質容量を使用しないように処理することもできる。対応する処理には、重いデータ圧縮、特にさらなる処理によって達成されるような損失の大きい圧縮、とりわけ高速処理ユニットに搭載されたものが含まれ得る。
既存の技術の最大連続保存レート(maximum continuous save rate(MCSR))はオーバーヘッドプロセスによって制限されるため、急速に起きるイベントのデータレートは今日のデータシステムにとって扱うには過大な水準まで増加し、そのボトルネックは特にDAQからPCへのダウンロード速度、PCにおけるデータ処理、または大容量記憶デバイスへのデータの書き込みによって与えられる。また、MCSRは、イベントが起こり得、かつイベントが依然として個別に高い効率で保存され得る最大レートを制限する。
イベントトリガ付与は、対象イベント(events of interest(EOI))に対応する選択TOF抽出のみを転送および保存することによって、これらのオーバーヘッドボトルネックを回避する。つまり、TOFデータは連続的に取得されるが、すべてのデータが転送および保存されるわけではない。
イベントトリガ付与は、イベントに関する情報を含まないデータセグメントのすべての処理時間(取得におけるアイドル時間)を排除することによって、高速での効率を維持することが可能となる。デッドタイムを減少させ、PCデータの負荷を減少させ、かつ高レートで記録され得るイベントの割合を増やすことで、デバイスは、サンプルの定常状態での特性決定と時間により変化する特性決定との双方を目的とした実験でTOF性能を改善させることが可能となる。
特に、イベントトリガ付与によるデータ取得によって、連続した複数のサンプルを測定する(非連続的な)実験において、つまり対象シグナルがオン状態(サンプルあり)とオフ状態(サンプル間の時間)との間で振れ動いている場合に、MCSRより速いレートで高効率でのデータ取得が可能となる。これによって基本的に、迅速に連続する多くのイベントの完全な化学組成をTOFMSを用いて測定することが可能となる。したがって、装置が単一粒子エアロゾル質量分析計である場合に特に有利である。
さらにイベントトリガ付与は、迅速かつ非周期的または予測不可能な方法で、すなわち、連続イベントの発生が時間的に厳密に周期的ではなく、かつTOFの外部トリガ付与が不可能および/または実用的ではない方法で質量分析計に導入される連続的サンプルを測定するためのシステムにおいて特に好ましい。これらの場合や他の場合には、データの平均化が困難でありかつ/または意味をなさない場合がある。非周期的で不均一なイベントに密接な関連性のある例は、個々の小粒子、例えばナノ粒子、エアロゾル粒子、細胞または他の生物学的実体、クラスターおよび1nm以上の範囲内に入る寸法を有する他の実体の化学組成の測定である。そのような場合、粒子は、散発的に連続して質量分析計に迅速にサンプリングされる。
イベントトリガ付与についてのさらなる詳細は、Tofwerk AGによる国際公開第2016/004542号(WO 2016/004542 A1)に記載されている。
好ましくは、装置は、イオン移動度分光計を含む。このイオン移動度分光計は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源と質量分析器との間に配置されており、かつ抽出エレクトロンスプレーイオン化源および質量分析器に流体的に結合されている。これは、イオンを質量分析器に移動させる前に、イオンをその移動度にしたがって分離できるという利点を有する。したがって、多数の異なる物質を含むエアロゾル粒子のサンプルの分析が簡便になる。特に、イオン移動度分光計により、異なる移動度を有する物質のイオンは異なる時間で質量分析器に到達する。この結果、質量分析器を用いて得られる1つのマススペクトルが、より少数の異なる物質のイオンのシグナルを含むことになる。したがって、特定のマススペクトルにおける異なる物質の同定が簡便になる。それにもかかわらず、異なる移動度を有する物質のイオンが質量分析器に到達する時間の間に得られる異なるマススペクトルは、サンプル中の物質の全情報を提供する。
また、装置はイオン移動度分光計を含まなくてもよい。
有利には、装置は、エアロゾル粒子の化学組成を分析するためにエアロゾル粒子のガス状浮遊物を装置の外側から装置に取り込むための注入口を含み、この注入口は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源に流体的に結合されている。これは、エアロゾル粒子のガス状浮遊物からなるサンプルを分析できるという利点を有する。したがって、エアロゾル粒子の化学組成のオンライン分析が可能となる。
好ましい一変形例においては、注入口は周囲空気用の注入口であり、したがってエアロゾル粒子の化学組成を分析するためにエアロゾル粒子を含有する周囲空気を装置の外側から装置に取り込むための注入口である。この変形例は、周囲空気中に分散したエアロゾル粒子の化学組成を分析できるという利点を有する。この場合、エアロゾル粒子は、例えば汚染物質であってもよいし汚染物質を含んでもよく、また爆発物であってもよいし爆発物を含んでもよい。しかし、別の変形例では、注入口は、エアロゾル粒子の化学組成を分析するためにエアロゾル粒子を含有する周囲空気とは異なるエアロゾル粒子のガス状浮遊物を装置の外側から装置に取り込むための注入口であってよい。
また、装置はそのような注入口を含まなくてもよい。そのような代替形として、エアロゾル粒子を別の方法で抽出電子イオン化源に通すことができる。
好ましくは、装置は、注入口を抽出エレクトロンスプレーイオン化源に流体的に結合するデニューダラインを含み、該デニューダラインは、注入口から抽出エレクトロンスプレーイオン化源への通過時にガス状浮遊物の気相からエアロゾル粒子を分離するためのデニューダを含む。これには、エアロゾル粒子のみが抽出エレクトロンスプレーイオン化源に到達して抽出エレクトロンスプレーイオン化源によってイオン化され、その結果、質量分析器を用いて得られたマススペクトルが、エアロゾル粒子に由来するイオンのシグナルのみを含む、という利点がある。ガスは抽出エレクトロンスプレーイオン化源に到達しないため、マススペクトルはガスに由来するイオンのシグナルを含まない。この結果、デニューダを適所に用いて得られたマススペクトルは、より少数の異なる物質のイオンのシグナルを含む。したがって、マススペクトルにおける異なる物質の同定が簡便になる。
代替形として、装置はそのようなデニューダラインを含まない場合がある。
有利には、装置は、装置の外側を抽出エレクトロンスプレーイオン化源と流体的に結合するフィルタラインを含む。該フィルタラインはフィルタを含み、該フィルタは、装置の外側から抽出エレクトロンスプレーイオン化源への通過時にろ過によりガス状浮遊物からエアロゾル粒子を除去し、それによりエアロゾル粒子から気相を分離するためのものである。フィルタと直列に切り替えられるデニューダがある場合、すなわちデニューダがフィルタの上流または下流に切り替えられる場合、フィルタを有するフィルタラインには、エアロゾル粒子から得られたスペクトルから差し引くことができるバックグラウンドスペクトルの迅速な測定が可能になり、それにより検出限界が低下するという利点がある。フィルタと直列に切り替えられるデニューダがない場合、すなわちフィルタの上流または下流に切り替えられるデニューダがない場合、フィルタを有するフィルタラインには、ガスのみが抽出エレクトロンスプレーイオン化源に到達してイオン化され、その結果、質量分析器で得られたマススペクトルが、ガスに由来するイオンのシグナルのみを含むという利点がある。エアロゾル粒子は抽出エレクトロンスプレーイオン化源に到達しないため、マススペクトルは、エアロゾル粒子に由来するイオンのシグナルを含まない。その結果、フィルタを適所に用いて得られたマススペクトルは、より少数の異なる物質のイオンのシグナルを含む。したがって、マススペクトルにおける異なる物質の同定が簡便になる。
一変形例では、フィルタラインは、注入口を抽出エレクトロンスプレーイオン化源と流体的に接続する。別の変形例では、装置は、エアロゾル粒子の化学組成を分析するためにエアロゾル粒子のガス状浮遊物を装置に取り込むための第2の注入口を含み、フィルタラインは、この第2の注入口を抽出エレクトロンスプレーイオン化源と流体的に接続する。この場合、好ましい一変形例では、第2の注入口は周囲空気用の注入口であり、エアロゾル粒子の化学組成を分析するためにエアロゾル粒子を含有する空気を装置の外側から装置に取り込むための注入口である。この変形例は、周囲空気の気相の化学組成を分析できるという利点を有する。しかし、別の変形例では、第2の注入口は、エアロゾル粒子の化学組成を分析するために周囲空気とは異なるエアロゾル粒子のガス状浮遊物を装置の外側から装置に取り込むための注入口であってよい。
装置がデニューダラインおよびフィルタラインを含む場合、デニューダラインによって、好ましくはエアロゾル粒子がフィルタを迂回することが可能となり、一方で、フィルタラインによって、好ましくはガス状浮遊物の気相がデニューダを迂回することが可能となる。したがって、デニューダラインおよびフィルタラインは、好ましくは並列に切り替えられる。例えば、デニューダラインおよびフィルタラインを、1つまたは複数の切替え可能なバルブによって流体的に接続することができる。これらの1つまたは複数の切替え可能なバルブを制御することによって、エアロゾル粒子のガス状浮遊物を、装置の外側からデニューダラインを介してまたはフィルタラインを介して抽出エレクトロンスプレーイオン化源に導くことができる。したがって、イオン化およびその後の質量分析器を用いた分析のために、エアロゾル粒子または気相のいずれかを、装置の外側から抽出エレクトロンスプレーイオン化源に移動させることができる。イオン化のために気相を抽出エレクトロンスプレーイオン化源に移動させる場合、抽出エレクトロンスプレーイオン化源は、二次エレクトロスプレーイオン化源と呼ばれる場合がある。
デニューダラインおよびフィルタラインを含む装置であって、デニューダラインによって、エアロゾル粒子がフィルタを迂回することが可能となり、一方で、フィルタラインによって、ガス状浮遊物の気相がデニューダを迂回することが可能となる装置には、エアロゾル粒子のイオンから得られたマススペクトルおよびガスのイオンから得られたマススペクトルの全体にわたってサンプル中の物質の全情報を収集することができるにもかかわらず、マススペクトルにおける異なる物質の同定が簡便になるという利点がある。エアロゾル粒子中の物質およびガス中の物質を分析しなければならない場合、ならびにサンプルが多数の異なる物質を含む場合に、この利点が顕著に現れる。なぜならば、抽出エレクトロンスプレーイオン化源にエアロゾル粒子のみまたはガスのみのいずれかを供給することができ、したがってエアロゾル粒子に由来するイオンのみまたはガスに由来するイオンのみを質量分析器に提供することができるので、1つのマススペクトルでシグナルを提供する物質の数を減少させることができるためである。1つのマススペクトルでシグナルを提供する物質の数がこうして減少することは、非常に多様な物質をサンプル中で検出すべき場合に特に有利である。これは例えば、装置が爆発物の検出に使用される場合に該当する。なぜならば、爆発物のいくつかの成分は主に気相中に存在し、一方で、他のものは主にエアロゾル粒子の形態かまたは他のいくつかのエアロゾル粒子上での凝縮形態で存在するためである。したがって、爆発物を含むサンプル中の爆発物の検出に本発明による方法を使用する場合には、デニューダラインおよびフィルタラインを採用し、その際、デニューダラインによってエアロゾル粒子がフィルタを迂回することが可能となり、一方でフィルタラインによってガス状浮遊物の気相がデニューダを迂回することが可能となることが有利な実施形態である。
サンプルが非常に多数の異なる物質を含む場合、装置は、好ましくはさらにイオン移動度分光計を含む。このイオン移動度分光計は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源と質量分析器との間に配置されており、かつ抽出エレクトロンスプレーイオン化源および質量分析器に流体的に結合されている。イオン移動度分光計とデニューダラインとフィルタラインとを組み合わせ、その際、デニューダラインによってエアロゾル粒子がフィルタを迂回することが可能となり、一方でフィルタラインによってガス状浮遊物の気相がデニューダを迂回することが可能となることには、マススペクトルに全体にわたってサンプル中の物質の全情報を収集することができるにもかかわらず、特定のマススペクトルにおける異なる物質の同定がさらに簡便になるという利点がある。この場合もやはり、これは、装置が爆発物の検出に使用される場合に該当する。それにもかかわらず、イオン移動度分光計を有していない装置を爆発物の検出に使用することもでき、また並列切替えデニューダラインおよびフィルタラインを有していない装置を爆発物の検出に使用することもできる。
しかし、一変形例では、デニューダラインおよびフィルタラインを直列に切り替える場合がある。
また、装置はそのようなフィルタラインを含まなくてもよい。
好ましくは、装置は、デニューダを介して清浄ガス供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源と流体的に結合するための清浄ガスラインを含む。清浄ガスは、好ましくは純ガスである。純ガスは、好ましくは炭化水素の夾雑物を有しない。例えば、清浄ガスは、アルゴンまたは窒素であってよい。
清浄ガスラインは、清浄ガス供給源をデニューダから分離するための、または清浄ガス供給源をデニューダに流体的に結合するための切替え可能なバルブを含むことができる。清浄ガスラインがそのような切替え可能なバルブを含むか否かとは無関係に、清浄ガスラインには、清浄ガスがデニューダを通って抽出エレクトロンスプレーイオン化源に、したがって質量分析器に達することができ、これによりデニューダの清浄度および完全性をチェックすることができるという利点がある。
また、装置はそのような清浄ガスラインを含まなくてもよい。
有利には、装置は、デニューダを介して試験ガス供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源と流体的に結合するための試験ガスラインを含む。試験ガスは、好ましくは10ppmのベンゼン、トルエンおよびキシレン(BTXと呼ばれる場合もある)をそれぞれ含有する純窒素である。しかし、一変形例では、試験ガスは、異なるガスとなる場合がある。
試験ガスラインは、試験ガス供給源をデニューダから分離するための、または試験ガス供給源をデニューダに流体的に結合するための切替え可能なバルブを含むことができる。試験ガスラインがそのような切替え可能なバルブを含むか否かとは無関係に、試験ガスラインは、試験ガスがデニューダを通って抽出エレクトロンスプレーイオン化源に、したがって質量分析器に達することができるという利点を有し、これにより、デニューダの再生を、デニューダの性能が低下し、この装置がバックグラウンドを高度に含むデータを、したがって低感度のデータを生成する前に、行うことが可能となる。
また、装置はそのような試験ガスラインを含まなくてもよい。
好ましくは、装置は、空気供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源と流体的に接続するための空気ラインを含む。この空気供給源は、大気圧以上の空気の容器であってもよいし、装置の外側の空気であってもよい。装置がデニューダを含む場合、この空気ラインは、好ましくはデニューダを迂回する。装置がフィルタラインを含む場合、空気ラインは、好ましくはフィルタを迂回する。空気ラインは、空気供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源から分離するための、または空気供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源に流体的に結合するための切替え可能なバルブを含むことができる。
空気ラインには、微量ガス成分が測定されるモードで装置を運転することが可能になるという利点がある。さらに空気ラインには、ガス測定モード、すなわちエアロゾル粒子のガス状浮遊物がフィルタラインを介して装置の外側から抽出エレクトロンスプレーイオン化源へ導かれるモードの完全性をチェックするために、空気を抽出電子イオン化源に直接供給することができるという利点がある。
また、装置はそのような空気ラインを含まなくてもよい。
好ましくは、装置は、較正ガス供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源と流体的に接続するための較正ガスラインを含む。較正ガスは、好ましくは、測定予定のガスを既知量含有する窒素である。しかし、較正ガスは、正確に既知量であるベンゼン、トルエンおよびキシレン(BTXと呼ばれる場合もある)を含有する純窒素であってもよい。しかし、ベンゼン、トルエンおよびキシレンの量は、試験ガスとして使用される可能性のある量とは異なる場合がある。
装置がデニューダを含む場合、この較正ガスラインは、好ましくはデニューダを迂回する。装置がフィルタラインを含む場合、較正ガスラインは好ましくはフィルタを迂回する。較正ガスラインは、較正ガス供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源から分離するための、または較正ガス供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源に流体的に結合するための切替え可能なバルブを含むことができる。較正ガスラインがそのような切替え可能なバルブを含むか否かとは無関係に、較正ガスラインには、例えば定量的な空気サンプル測定のような定量測定が可能となるよう装置を較正するために、較正ガスを抽出エレクトロンスプレーイオン化源に、それにより質量分析器に通すことができるという利点がある。
好ましくは、装置は、第2のイオン化源、特にスパーク放電イオン化源を含み、第2のイオン化源は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源に並列に接続されている。これには、第2のイオン化源を用いることで、抽出エレクトロンスプレーイオン化源を用いる場合とは異なる種類のイオンを発生させることができるという利点がある。その結果、エアロゾル粒子の化学組成の元素分析が可能となる。
装置が第2のイオン化源を含む場合、装置は、有利には、抽出エレクトロンスプレーイオン化源および第2のイオン化源に流体的に接続されている切替え可能なバルブを含み、この切替え可能なバルブは、エアロゾル粒子がイオン化のために抽出エレクトロンスプレーイオン化源に通される第1の位置と、エアロゾル粒子がイオン化のために第2のイオン化源に通される第2の位置との間で切替え可能である。有利には、質量分析器は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源および第2のイオン化源に流体的に結合されている。これには、抽出エレクトロンスプレーイオン化源によって生成されたイオンおよび第2のイオン化源によって生成されたイオンを質量分析器で分析することができるという利点がある。しかし、一変形例では、装置は、第2のイオン化源に流体的に結合されている第2の質量分析器を含む。この変形例では、抽出エレクトロンスプレーイオン化源によって生成されたイオンを質量分析器によって分析することができ、一方で、第2のイオン化源によって生成されたイオンを第2の質量分析器によって分析することができる。
スパーク放電イオン化源である第2のイオン化源は、エアロゾル粒子を霧化およびイオン化することができるという利点を有する。したがって、エアロゾル粒子の金属含有量を最適に特定することができる。
第2のイオン化源がスパーク放電イオン化源であり、かつ装置がデニューダラインを含む場合、装置は有利には、デニューダライン内のデニューダを迂回するためのバイパスラインを含む。これには、エアロゾル粒子のガス状浮遊物をイオン化のために第2のイオン化源に直接移動させることができ、それによりエアロゾル粒子の金属含有量のより良好な特定が可能となるという利点がある。
第2のイオン化源がスパーク放電イオン化源である場合、第2のイオン化源は好ましくは、エアロゾル粒子を捕集するための電極と、エアロゾル粒子からプラズマを発生させるためのプラズマ源とを含む。プラズマ源は、例えばパルスマイクロ波を発生させるためのマイクロ波源であってもよい。一例では、パルスマイクロ波は、2.45GHzの周波数および3kWのピーク電力を有することができる。そのようなスパーク放電イオン化源のさらなる詳細は、Kulkarni et al.による米国特許第9,091,597号明細書(US 9,091,597 B2)に開示されている。
また、装置は第2のイオン化源を含まなくてもよい。
装置が第2のイオン化源を含む場合、装置は、好ましくは第2の較正ガス供給源を第2のイオン化源と流体的に接続するための第2の較正ガスラインを含む。第2の較正ガスは、好ましくは金属ナノ粒子を含有する。
また、装置はそのような第2の較正ガスラインを含まなくてもよい。
有利には、装置は、エアロゾルの粒度分布を測定するための装置であり、かつエアロゾル粒子ゲートおよびドリフト領域を含み、ここで、ドリフト領域は、エアロゾル粒子ゲートに流体的に結合されており、エアロゾル粒子ゲートは、エアロゾル粒子のバッチまたは個々のエアロゾル粒子をドリフト領域に挿入してエアロゾル粒子がドリフト領域を通過できるように構成されており、質量分析器は、ドリフト領域に流体的に結合されており、かつエアロゾル粒子がドリフト領域を通過するのに必要なドリフト時間を測定できるように構成されている。これには、エアロゾル粒子のより完全な分析が可能になるという利点がある。好ましい一変形例では、ドリフト領域は、デニューダと抽出エレクトロンスプレーイオン化源との間のデニューダライン内に配置される。
また、装置はエアロゾル粒度分布を測定するための装置でなくてもよい。
装置がエアロゾル粒度分布を測定するための装置である場合、装置および方法は、Tofwerk AGによる国際公開第2014/026298号(WO 2014/026298 A1)に記載されているように、エアロゾル粒度分布を測定するための多重化装置を採用することができる。
好ましくは、本発明による方法は、エアロゾル粒子を含有するサンプル中の爆発物を検出するための方法において使用される。この場合、エアロゾル粒子を含有するサンプル中の爆発物を検出するための方法は、本発明による方法を用いてサンプルを分析するステップと、本発明による方法を用いた分析によって得られた結果が爆発物の存在を示唆しているか否かを調べるステップとを含む。
他の有利な実施形態および特徴の組合せは、以下の詳細な説明および特許請求の範囲の全体から明らかになる。
実施形態を説明するために使用される図面は、以下のものを示す。
エアロゾル粒子の化学組成を分析するための本発明による装置の概略図であり、本発明による方法を説明するためにも使用される。
図中、同一の構成要素には同一の参照記号を付している。
好ましい実施形態
図1は、エアロゾル粒子の化学組成を分析するための本発明による装置1の概略図を示す。エアロゾル粒子の化学組成を分析するための本発明による方法を、同図に沿って説明する。
装置1は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源2および飛行時間型(TOF)質量分析器の形態の質量分析器3を含む。装置1は、スパーク放電イオン化源の形態の第2のイオン化源5をさらに含む。この第2のイオン化源5は、EESI源2に並列に接続されている。質量分析器3は、EESI源2によって生成されたイオンおよび第2のイオン化源5によって生成されたイオンを分析するために、インタフェース4を介してEESI源2および第2のイオン化源5に流体的に結合されている。
装置1は、EESI源2および第2のイオン化源5に流体的に接続されている切替え可能なバルブを含み、この切替え可能なバルブは、エアロゾル粒子がイオン化のためにEESI源2に通される第1の位置と、エアロゾル粒子がイオン化のために第2のイオン化源5に通される第2の位置との間で切替え可能である。この切替え可能なバルブは、後述する第2のバルブ32であってもよい。しかし該バルブは、第2のバルブ32の下流に配置された異なるバルブであってもよい。
EESI源2は、帯電液滴を生成させてエアロゾル粒子を溶解させるエレクトロンスプレーを含み、帯電液滴の液体は、水混合溶媒である。さらにEESI源2は、蒸発ユニットを含む。この蒸発ユニットは、溶解したエアロゾル粒子の成分を維持しつつ、帯電液滴の液体を蒸発させるためのものである。本実施形態では、蒸発ユニットは、加熱キャピラリまたはイオンガイドの形態の加熱蒸発領域を含む加熱ユニットであり、該領域内で、帯電した小滴の液体が蒸発するように帯電液滴を導くことができ、その結果、溶解したエアロゾル粒子の成分が残る。
質量分析器3は、イオンの分析時に該イオンのマススペクトルが提供されるように構成されている。
本発明による方法を採用した場合、エアロゾルは、EESI源2に通される。このEESI源2は、エアロゾル粒子から成分、特に有機化合物を抽出し、かつ該成分をイオン化してイオンを生成させるためのものである。さらに、イオンは質量分析器3に移動させられ、質量分析器3を用いて分析される。本発明による方法は、エアロゾル粒子を含有するサンプル中の爆発物を検出するための方法において使用可能である。この場合、エアロゾル粒子を含有するサンプル中の爆発物を検出するための方法は、本発明による方法を用いてサンプルを分析するステップと、本発明による方法を用いた分析によって得られた結果が爆発物の存在を示唆しているか否かを調べるステップとを含む。
装置1は、エアロゾル粒子の化学組成を分析するためにエアロゾル粒子のガス状浮遊物を装置1の外側から装置に取り込むための注入口6を含む。本実施形態では、注入口6は周囲空気用の注入口であり、したがって、エアロゾル粒子の化学組成を分析するためにエアロゾル粒子を含有する周囲空気を装置1の外側から装置1に取り込むための注入口である。本発明者らは、エアロゾル粒子を含有する周囲空気を、サンプルガスとも呼ぶ。
さらに装置1は、注入口6をEESI源2に流体的に結合するデニューダライン11を含み、デニューダライン11は、注入口6からEESI源2への通過時にガス状浮遊物の気相からエアロゾル粒子を分離するためのデニューダ21を含む。
周囲空気は、デニューダ21を通過することによってガス状微量ガスが洗浄除去される。これによって、さもなくばそのようなガス夾雑物によって引き起こされるバックグラウンドが、大幅に減少する。そこからエアロゾル粒子はEESI源2へと進み続け、そこで気流中にエレクトロスプレーを導くことによってエアロゾル粒子の有機化合物が液相に抽出される。その後、小滴は、加熱キャピラリまたはイオンガイドの通過中に蒸発する。それによって溶媒は急速に除去され、一方で小滴の電荷は小滴中に残る。液滴は、最終的にはクーロン爆発機構によって爆発してより小さな液滴になり、最後に目的の有機分子を帯電させる。イオンはインタフェース4を通って進み、このインタフェース4は、異なる様式で質量分析器3に送り込まれる。質量分析器3は、質量分析器に結合されたイオン移動度分光計であってもよい。インタフェース4は、親イオン選択およびフラグメンテーションのためのイオン光学系を含んでもよいことに留意されたい。質量分析器内のイオン検出器によって電気シグナルが生成され、このシグナルはデータ取得電子機器(図示せず)によって記録される。このデータ取得電子機器によってデータがデジタル化され、それがコンピュータ(図示せず)に送られる。
装置1は、装置1の外側をEESI源2と流体的に結合するフィルタライン12をさらに含む。フィルタライン12はフィルタ22を含み、フィルタ22は、装置1の外側からEESI源2への通過時にろ過によりガス状浮遊物からエアロゾル粒子を除去し、それによりエアロゾル粒子から気相を分離するためのものである。より正確には、フィルタライン12は、注入口6をEESI源2と流体的に接続する。したがって、いかなるエアロゾル粒子も有することなくガスのマススペクトルを得ることが可能になる。したがって、フィルタ22を有するフィルタライン12およびデニューダ21を有する並列切替えデニューダライン11により、エアロゾル粒子のイオンから得られたマススペクトルおよびガスのイオンから得られたマススペクトルの全体にわたってサンプル中の物質の全情報を収集することができるにもかかわらず、ガスまたはエアロゾル粒子のいずれかのイオンのマススペクトルを得ることができるため、マススペクトルにおける異なる物質の同定が簡便になる。エアロゾル粒子中の物質およびガス中の物質を分析しなければならない場合、ならびにサンプルが多数の異なる物質を含む場合に、この利点が顕著に現れる。なぜならば、EESI源2にエアロゾル粒子のみまたはガスのみのいずれかを供給することができ、したがってエアロゾル粒子に由来するイオンのみまたはガスに由来するイオンのみを質量分析器3に提供することができるので、1つのマススペクトルでシグナルを提供する物質の数を減少させることができるためである。1つのマススペクトルでシグナルを提供する物質の数がこうして減少することは、非常に多様な物質をサンプル中で検出すべき場合に特に有利である。これは例えば、装置1が爆発物の検出に使用される場合に該当する。なぜならば、爆発物のいくつかの成分は主に気相中に存在し、一方で、他のものは主にエアロゾル粒子の形態かまたは他のいくつかのエアロゾル粒子上での凝縮形態で存在するためである。したがって、爆発物を含むサンプル中の爆発物の検出に本発明による方法を使用する場合には、デニューダライン11およびフィルタライン12を採用し、その際、デニューダライン11によってエアロゾル粒子がフィルタ22を迂回することが可能となり、一方でフィルタライン12によってガス状浮遊物の気相がデニューダ21を迂回することが可能となることが有利な実施形態である。さらに装置は、デニューダ21の上流のデニューダライン11にバルブ31を含む。このバルブ31は、サンプルガスをフィルタライン12からフィルタ22内に取り込んで、フィルタ22によりエアロゾル粒子を除去することができるように切り替えることができる。これによって粒子を含有しない空気が得られ、この空気もやはり、その後でデニューダ21およびEESI源2に通される。これによって、粒子スペクトルから差し引くことができるバックグラウンドスペクトルの迅速な測定が可能になり、さらに本方法および装置1の検出限界が低下する。
装置1は、デニューダ21を介して清浄ガス供給源をEESI源2と流体的に結合するための清浄ガスライン13を含む。清浄ガスは、好ましくは炭化水素の夾雑物を含有しない純ガスである。例えば、清浄ガスはアルゴンまたは窒素である。これによって、システムのバックグラウンドおよび清浄度を容易に評価することが可能となり、かつ問題を迅速に特定することが可能となる。さらに装置1は、デニューダ21を介して試験ガス供給源をEESI源2と流体的に結合するための試験ガスライン14を含む。試験ガスは、好ましくは10ppmのベンゼン、トルエンおよびキシレン(BTXと呼ばれる場合もある)をそれぞれ含有する純窒素である。しかし、一変形例では、試験ガスは、異なるガスとなる場合がある。しかし、BTXは高濃度の有機ガス夾雑物を含有するため、試験ガスとしてBTXを使用することによって、デニューダ気相除去効率のルーチン評価が可能となる。気相除去効率が99%超ではない場合には、デニューダを好ましくは再生させるべきである。
清浄ガスライン13および試験ガスライン14は双方とも、バルブ31を介してデニューダライン11およびデニューダ21に流体的に結合されている。ここで、バルブ31は、流入ラインのデニューダライン11、フィルタライン12、清浄ガスライン13および試験ガスライン14のうちの1つのラインのみを随時デニューダ21に接続できるようにするバルブまたはバルブの組合せを表すことに言及されるべきである。
装置1はさらに、デニューダ21の下流のデニューダライン11に第2のバルブ32を含む。第2のバルブ32は、デニューダ21から来るサンプルガスもしくはエアロゾル粒子がEESI源2に到達できるように、または他のガスラインからのガスがデニューダ2を通過することなくEESI源2に到達できるように切り替えることができる。本実施形態では、清浄ガスライン13の分岐と試験ガスライン14の分岐の双方が、第2のバルブ32と流体的に接続されている。したがって、デニューダ21を迂回しつつ清浄ガスおよび試験ガスをEESI源2に通すことができる。例えば、デニューダ21を迂回しつつ清浄ガスをEESI源2に通すことによって、ガスモードでシステムの清浄度をチェックし、かつEESI源2における一次噴霧流体が汚染されていないか検証することが可能となる。
さらに装置1は、デニューダライン11内のデニューダ21を迂回するためのバイパスライン15を含む。このバイパスライン15は、デニューダ21の上流でデニューダライン11と流体的に接続されており、かつ第2のバルブ32と流体的に接続されている。したがって、エアロゾル粒子を有するサンプルガスを、デニューダ21およびフィルタ22を迂回しつつEESI源2に通すことができる。このバイパスライン15は、空気供給源を抽出エレクトロンスプレーイオン化源に流体的に接続するための空気ラインとも呼ぶことができる。したがって、装置1は、第2のバルブ32を切り替えることによって、ガスサンプリングモードおよび粒子サンプリングモードで作動可能である。
装置1はさらに、較正ガス供給源をEESI源2と流体的に接続するための較正ガスライン16を含む。この較正ガスライン16は、較正ガスがEESI源2に導かれるモードと較正ガスがEESI源2に導かれないモードとの間で切替え可能な第2のバルブ32に流体的に接続されている。較正ガスは、好ましくは、測定予定のガスを既知量含有する窒素である。しかし、較正ガスは、正確に既知量であるベンゼン、トルエンおよびキシレン(BTXと呼ばれる場合もある)を含有する純窒素であってもよい。しかし、ベンゼン、トルエンおよびキシレンの量は試験ガスとして使用される可能性のある量とは異なる場合がある。較正ガスが既知量の有機微量成分を含む場合、空気がバイパスライン15を通れる場合には、測定値の較正がガスモードで行われ、エアロゾル粒子を含有する空気サンプルがデニューダライン11およびデニューダ21を通れる場合には、測定値の較正はある程度までは粒子モードで行われる。
ここで、第2のバルブ32は、流入清浄ガスライン13、較正ガスライン16、バイパスライン15、およびデニューダ21を有するデニューダライン11のうちの1つのラインのみを随時EESI源2に接続できるようにするバルブまたはバルブの組合せを表すことに言及されるべきである。
バルブ31と第2のバルブ32はいずれも、壁衝突時のエアロゾル粒子の損失が防止されるように設計されるべきである。これは好ましくは、エアロゾル測定分野の専門家のノウハウの一部であるガスの層流の維持によって行われる。
第2のバルブ32は、壁上での有機ガスの凝縮が防止されるように設計される必要がある。これは、ラインおよびバルブ32に適切な材料を使用することによって、ならびにガスの層流の維持によって行われ、これらはいずれもエアロゾル測定分野の専門家のノウハウの一部である。一変形例では、壁上での有機ガスの凝縮を防止するために、ラインおよび第2のバルブ32を加熱することも可能である。
装置1は、第2の較正ガス供給源を第2のイオン化源5と流体的に接続するための第2の較正ガスライン17を含む。第2の較正ガスは、好ましくは金属ナノ粒子を含有する。図1に示される実施形態では、第2の較正ガスライン17は、第2のイオン化源5への第2の較正ガスの流れを制御することを可能にする第3のバルブ33を含む。しかし、この第3のバルブ33の機能を、第2のバルブ32に統合することができる。この場合、第2の較正ガスライン17は、第2のバルブ32に接続されている。
本実施形態では、第2の較正ガスライン17が第3のバルブ33を介して第2のイオン化源5に流体的に接続されている場合、装置1は、注入口6を第3のバルブ33に直接接続する第2のバイパスライン18をさらに含む。この第2のバイパスライン18によって、エアロゾル粒子を含有するサンプルガスを第2のイオン化源5に直接通すことができる。第3のバルブ33によって、エアロゾル粒子を含有するサンプルガスの第2のイオン化源5への直接流を制御することができる。
装置1は、質量分析器3によって提供されたシグナルを処理するための電子データ取得システム41を含む。この電子データ取得システム41は、質量分析器3から得られたシグナルからデジタル化データを生成する少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器(ADC)と、このアナログ−デジタル変換器からデジタル化データを受信する高速処理ユニットとを含み、高速処理ユニットは、質量分析器によって測定された対象イベントについてのデジタル化データをリアルタイムで連続的に検査できるようにプログラムされており、電子データ取得システム41は、さらなる分析のために対象イベントに関連するマススペクトルを表すデジタル化データを転送でき、かつ対象イベントに関連しないマススペクトルを表すデジタル化データを拒否できるようにプログラムされている。このモードは「イベントトリガモード」と呼ばれ、Tofwerk AGによる国際公開第2016/004542号(WO 2016/004542 A1)に記載されている。
さらに装置1は、制御ユニット42を含む。この制御ユニット42は、個々のエアロゾル粒子が抽出エレクトロンスプレーイオン化源2に到達するたびに、質量分析器3に対して、個々のエアロゾル粒子に由来するイオンを分析するトリガを与えるためのものである。したがって、装置1は、単一粒子エアロゾル質量分析計である。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、装置は単一粒子エアロゾル質量分析計である必要はない。例えば、装置は、抽出エレクトロンスプレーイオン化源と質量分析器との間に配置され、かつ抽出エレクトロンスプレーイオン化源および質量分析器に流体的に結合されているイオン移動度分光計を含むことができる。図1に示す実施形態では、インタフェース4は、例えばイオン移動度分光計を含んでもよいし、イオン移動度分光計によって形成されていてもよい。
例えば、本発明は、較正ガスライン、第2の較正ガスライン、バイパスライン、第2のバイパスライン、試験ガスライン、清浄ガスライン、フィルタを有するフィルタライン、デニューダを有するデニューダライン、バルブ31および第2のバルブ32および第3のバルブ33のうちの1つまたは複数を用いずに採用されてもよい。さらに本発明は、第2のイオン化源を用いずに採用されてもよい。
要約すると、エアロゾル粒子の化学組成を分析するための柔軟な使用を可能にする、エアロゾル粒子の化学組成を分析するための装置および方法が提供されることに留意されたい。

Claims (20)

  1. エアロゾル粒子の化学組成を分析するための装置(1)であって、
    a)前記エアロゾル粒子から成分、特に有機化合物を抽出し、かつ前記成分をイオン化してイオンを生成させるための抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と、
    b)前記イオンを分析するための質量分析器(3)、特に飛行時間型質量分析器であって、前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に流体的に結合されている質量分析器(3)と、
    c)前記エアロゾル粒子の前記化学組成を分析するために前記エアロゾル粒子のガス状浮遊物を前記装置(1)の外側から前記装置(1)に取り込むための注入口(6)であって、前記注入口(6)は、前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に流体的に結合されているものとする注入口(6)と、
    d)前記注入口(6)を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に流体的に結合するデニューダライン(11)であって、前記デニューダライン(11)は、前記注入口(6)から前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)への通過時に前記ガス状浮遊物の気相から前記エアロゾル粒子を分離するためのデニューダ(21)を含むものとするデニューダライン(11)と、
    e)前記装置(1)の前記外側を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と流体的に結合するフィルタライン(12)であって、前記フィルタライン(12)はフィルタ(22)を含み、前記フィルタ(22)は、前記装置(1)の前記外側から前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)への通過時に前記エアロゾル粒子を前記ガス状浮遊物からろ過により除去し、それにより前記エアロゾル粒子から前記気相を分離するためのものであるフィルタライン(12)と
    を含む装置(1)において、
    前記デニューダライン(11)によって、前記エアロゾル粒子が前記フィルタ(22)を迂回することが可能となり、一方で前記フィルタライン(12)によって、前記ガス状浮遊物の気相が前記デニューダ(21)を迂回することが可能となる、装置(1)。
  2. 前記質量分析器(3)は、前記イオンの分析時に前記イオンのマススペクトルが提供されるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  3. 前記装置(1)は、前記質量分析器(3)によって提供されたシグナルを処理するための電子データ取得システム(41)をさらに含み、前記電子データ取得システム(41)は、
    a)前記質量分析器(3)から得られた前記シグナルからデジタル化データを生成する少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器と、
    b)前記アナログ−デジタル変換器から前記デジタル化データを受信する高速処理ユニットと
    を含み、
    c)前記高速処理ユニットは、前記質量分析器(3)によって測定された対象イベントについての前記デジタル化データをリアルタイムで連続的に検査できるようにプログラムされており、かつ
    d)前記電子データ取得システム(41)は、さらなる分析のために対象イベントに関連するマススペクトルを表す前記デジタル化データを転送でき、かつ対象イベントに関連しないマススペクトルを表す前記デジタル化データを拒否できるようにプログラムされていることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  4. 前記装置(1)は、イオン移動度分光計を含み、前記イオン移動度分光計は、前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と前記質量分析器(3)との間に配置されており、かつ前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)および前記質量分析器(3)に流体的に結合されていることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  5. 前記装置(1)は、前記デニューダ(21)を介して清浄ガス供給源を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と流体的に結合するための清浄ガスライン(13)を含むことを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  6. 前記装置(1)は、前記デニューダ(21)を介して試験ガス供給源を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と流体的に結合するための試験ガスライン(14)を含むことを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  7. 前記装置(1)は、空気供給源を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と流体的に接続するための空気ラインを含むことを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  8. 前記装置(1)は、較正ガス供給源を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と流体的に接続するための較正ガスライン(16)を含むことを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  9. 前記装置(1)は、第2のイオン化源(5)、特にスパーク放電イオン化源を含み、前記第2のイオン化源(5)は、前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に並列に接続されていることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  10. 前記装置(1)は、エアロゾルの粒度分布を測定するための装置であり、かつエアロゾル粒子ゲートおよびドリフト領域を含み、ここで、前記ドリフト領域は、前記エアロゾル粒子ゲートに流体的に結合されており、前記エアロゾル粒子ゲートは、エアロゾル粒子のバッチまたは個々のエアロゾル粒子を前記ドリフト領域に挿入して前記エアロゾル粒子が前記ドリフト領域を通過できるように構成されており、前記質量分析器(3)は、前記ドリフト領域に流体的に結合されており、かつ前記エアロゾル粒子が前記ドリフト領域を通過するのに必要なドリフト時間を測定できるように構成されていることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  11. 前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)は、帯電液滴を生成させて前記エアロゾル粒子を溶解させるエレクトロスプレーを含むことを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  12. 前記装置(1)は、単一粒子エアロゾル質量分析計であり、かつ制御ユニットを含み、前記制御ユニットは、個々のエアロゾル粒子が前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に到達するたびに、前記質量分析器(3)に対して、前記個々のエアロゾル粒子に由来するイオンを分析するトリガを与えるためのものであることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  13. 前記デニューダライン(11)および前記フィルタライン(12)は、並列に切替えられることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  14. 前記デニューダライン(11)および前記フィルタライン(12)は、1つまたは複数の切替え可能なバルブによって流体的に接続されており、前記1つまたは複数の切替え可能なバルブを制御することによって、前記エアロゾル粒子の前記ガス状浮遊物を、前記装置(1)の前記外側から前記デニューダライン(11)を介してまたは前記フィルタライン(12)を介して前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に導くことができ、したがって、イオン化およびその後の前記質量分析器(3)を用いた分析のために、前記エアロゾル粒子または前記気相のいずれかを、前記装置(1)の前記外側から前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に移動させることができることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  15. 前記注入口(6)は、周囲空気用の注入口であり、したがって、前記エアロゾル粒子の化学組成を分析するために前記エアロゾル粒子を含有する周囲空気を前記装置(1)の前記外側から前記装置(1)に取り込むための注入口であることを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  16. 前記フィルタライン(12)は、前記注入口(6)を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と流体的に接続することを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  17. 前記装置(1)は、前記エアロゾル粒子の化学組成を分析するために前記エアロゾル粒子の前記ガス状浮遊物を前記装置(1)に取り込むための第2の注入口を含み、前記フィルタライン(12)は、前記第2の注入口を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と流体的に接続することを特徴とする、請求項1記載の装置(1)。
  18. エアロゾル粒子の化学組成を分析するための装置(1)を用いて、エアロゾル粒子の化学組成を分析するための方法であって、
    前記装置(1)が、
    a)前記エアロゾル粒子から成分、特に有機化合物を抽出し、かつ前記成分をイオン化してイオンを生成させるための抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と、
    b)前記イオンを分析するための質量分析器(3)、特に飛行時間型質量分析器であって、前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に流体的に結合されている質量分析器(3)と、
    c)前記エアロゾル粒子の前記化学組成を分析するために前記エアロゾル粒子のガス状浮遊物を前記装置(1)の外側から前記装置(1)に取り込むための注入口(6)であって、前記注入口(6)は、前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に流体的に結合されているものとする注入口(6)と、
    d)前記注入口(6)を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に流体的に結合するデニューダライン(11)であって、前記デニューダライン(11)は、前記注入口(6)から前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)への通過時に前記ガス状浮遊物の気相から前記エアロゾル粒子を分離するためのデニューダ(21)を含むものとするデニューダライン(11)と、
    e)前記装置(1)の前記外側を前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)と流体的に結合するフィルタライン(12)であって、前記フィルタライン(12)はフィルタ(22)を含み、前記フィルタ(22)は、前記装置(1)の前記外側から前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)への通過時に前記エアロゾル粒子を前記ガス状浮遊物からろ過により除去し、それにより前記エアロゾル粒子から前記気相を分離するためのものであるフィルタライン(12)と
    を含み、前記デニューダライン(11)によって、前記エアロゾル粒子が前記フィルタ(22)を迂回することが可能となり、一方で前記フィルタライン(12)によって、前記ガス状浮遊物の気相が前記デニューダ(21)を迂回することが可能となるものであって、
    前記方法が、
    a)前記装置(1)の前記外側から前記装置(1)の前記注入口(6)を通じて前記エアロゾル粒子のガス状浮遊物を前記装置(1)に取り込み、前記装置(1)の前記デニューダライン(11)の前記デニューダ(21)を用いて前記ガス状浮遊物の気相から前記エアロゾル粒子を分離し、そして前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)を用いて前記エアロゾル粒子から成分、特に有機化合物を抽出し、かつ前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)を用いて前記成分をイオン化してイオンを生成させるか、または、
    前記エアロゾル粒子のガス状浮遊物を前記装置(1)の前記外側から前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)に通し、前記装置(1)の前記フィルタライン(12)の前記フィルタ(22)を用いてろ過により前記ガス状浮遊物から前記エアロゾル粒子を除去し、それにより前記エアロゾル粒子から前記気相を分離し、そして前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)を用いて前記気相をイオン化する
    ステップと、
    b)前記イオンを、前記装置(1)の前記質量分析器(3)、特に飛行時間型質量分析器に移動させるステップと、
    c)前記質量分析器(3)を用いて前記イオンを分析するステップと
    を含む方法。
  19. 前記抽出エレクトロスプレーイオン化源(2)を用いて各エアロゾル粒子の成分を個別に抽出してイオン化し、続いて各エアロゾル粒子について個別に、得られたイオンを前記質量分析器(3)に移動させ、かつ前記得られたイオンを前記質量分析器(3)で分析することにより、前記エアロゾル粒子をそれぞれ個別に分析することを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. エアロゾル粒子を含有するサンプル中の爆発物を検出するための方法であって、請求項18または19記載の方法を用いて前記サンプルを分析するステップと、請求項18または19記載の方法を用いた前記分析によって得られた結果が爆発物の存在を示唆しているか否かを調べるステップと、を特徴とする方法。
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