以下、本発明に係る携帯用情報機器及びカバー装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る携帯用情報機器10を閉じて積層形態とした状態を示す斜視図である。図2Aは、図1に示す携帯用情報機器10を開いて平板形態とした状態を模式的に示す側面図である。図2Bは、図2Aに示す携帯用情報機器10をノート形態とした状態での側面図である。図2Cは、図2Bに示す携帯用情報機器10を閉じて積層形態として状態での側面図である。
図1〜図2Cに示すように、携帯用情報機器10は、第1筐体12Aと、第2筐体12Bと、カバー装置14と、を備える。本実施形態の携帯用情報機器10は、折り畳み可能なタブレット型PC或いはノート型PCである。カバー装置14は、筐体12A,12Bの外面を覆うことでこれを保護する保護機能と、外面を装飾して外観意匠を高める装飾機能とを有する。カバー装置14の装着対象となる携帯用情報機器は、当該携帯用情報機器10の他、一般的なクラムシェル型のノート型PC、一枚板状のタブレット型PC、スマートフォン、又は携帯用ゲーム機等でもよい。
先ず、携帯用情報機器10の構成を説明する。携帯用情報機器10は、筐体12A,12Bと、ディスプレイ16と、を備える。
筐体12A,12Bは、互いに隣接して配置されている。筐体12A,12Bの隣接端部12Aa,12Baは、背表紙部材18で内側から覆われている。筐体12A,12Bは、それぞれ隣接端部12Aa,12Ba以外の3辺に側壁が起立した矩形の板状部材で形成されている。筐体12A,12Bは、例えばステンレス、マグネシウム、若しくはアルミニウム等の金属板、又は、炭素繊維等の強化繊維を含む繊維強化樹脂板等で構成される。
以下、図1及び図2に示すように、携帯用情報機器10について、筐体12A,12Bの並び方向をX方向、これと直交する隣接端部12Aa,12Baに沿った方向をY方向、と呼んで説明する。
筐体12A,12Bは、互いの隣接端部12Aa,12Baが一対のヒンジ19,19を介して連結されている。筐体12A,12B間は、ヒンジ19により、図2Aに示す平板形態と図2Cに示す積層形態との間で相対的に回動可能に連結されている。平板形態において、筐体12A,12Bは、互いに面方向に垂直な方向(X方向)に並んで配置され、一枚板状になる。積層形態において、筐体12A,12Bは、互いに重ねて積層される。ヒンジ19は、所定の回転トルクを発生可能である。このため、筐体12A,12B間は、互いの角度を90度〜140度程度としたノート形態(図2B参照)でも安定する。ヒンジ19は、例えば筐体12A,12Bの隣接端部12Aa,12BaのY方向両端部にそれぞれ配置され、ディスプレイ16の外周縁部の外側に位置している。本実施形態の携帯用情報機器10は、ヒンジ19による筐体12A,12B間の回動中心がディスプレイ16の表面と一致するように設定されている。
各筐体12A,12Bの内部には、マザーボード及びこれに実装されたCPU等の各種半導体チップ、通信モジュール、バッテリ装置、冷却装置等の各種電子部品等が搭載されている。図2A〜図2C中の参照符号17は、第1筐体12Aの表面でディスプレイ16を囲むベゼルに形成された開口から臨む撮像用等のカメラである。
ディスプレイ16は、例えばタッチパネル式の液晶ディスプレイである。ディスプレイ16は、隣接端部12Aa,12Baを跨いでY方向に延在する帯状の範囲が折曲領域となる。これによりディスプレイ16は、筐体12A,12Bを折り畳んだ際に一緒に折り畳み可能であり、筐体12A,12Bの開閉動作に伴って開閉する。ディスプレイ16は、例えば柔軟性の高いペーパー構造を持った有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイである。
次に、カバー装置14の全体構成を説明する。図3は、携帯用情報機器10をカバー装置14側から見た平面図である。
図1〜図3に示すように、カバー装置14は、筐体12A,12Bの背面12Ab,12Bbを覆うように設けられている。カバー装置14は、使用形態(図2A参照)では背面12Ab,12Bbの全面を覆う。カバー装置14は、ノート形態及び収納形態(図2B及び図2B参照)では背面12Abの大部分と背面12Bbの全面とを覆う。
カバー装置14は、ベースカバー部20と、スタンドカバー部22と、ヒンジ装置24と、を備える。カバー部20,22は、ヒンジ装置24を挟んでX方向に延在している。カバー部20,22は、使用形態時には、全体として背面12Ab,12Bbの全面、つまり第1筐体12Aの開放端部12Acから第2筐体12Bの開放端部12Bcまでを覆う。開放端部12Ac,12Bcは、それぞれX方向で隣接端部12Aa,12Baとは逆側に位置し、Y方向に延びた端部である。
ベースカバー部20は、第1筐体12A側から第2筐体12B側に向かって順に、スライドカバー部26と、折曲カバー部27と、固定カバー部28と、を有する。
スライドカバー部26は、第1筐体12Aの背面12Abに対してX方向に相対移動可能に設けられた薄いプレート状部材である。図2A及び図3に示す平板形態時、スライドカバー部26は、先端部26aが第1筐体12Aの開放端部12Acと一致する。先端部26aは、X方向で折曲カバー部27との境界線B1とは逆側に位置し、Y方向に延びた端部である。図2B及び図2Cに示すノート形態時及び平板形態時、スライドカバー部26は、それぞれ先端部26aが開放端部12Acから隣接端部12Aa側に後退した位置までスライドする。
折曲カバー部27は、筐体12A,12B間の隣接端部12Aa,12Baを跨ぐ位置に設けられ、X方向に幅狭でY方向に延びた帯状領域である。折曲カバー部27は、第1筐体12A側でY方向に沿った境界線B1でスライドカバー部26と折曲可能に接続されている。折曲カバー部27は、第2筐体12B側でY方向に沿った境界線B2で固定カバー部28と折曲可能に接続されている。折曲カバー部27は、全体として可撓性を有し、スライドカバー部26と固定カバー部28との間を相対的に回動可能に接続している。折曲カバー部27は、筐体12A,12B間の回動動作にカバー装置14を追従して回動させるためのフレキシブルヒンジである。折曲カバー部27は、少なくとも図2Cに示す積層形態時に筐体12A,12Bの隣接端部12Aa,12Ba間を覆うことができるX方向の幅寸法を持った折曲領域である。
固定カバー部28は、折曲カバー部27の一部とスタンドカバー部22と共に第2筐体12Bの背面12Abを覆う薄いプレート状部材である。固定カバー部28は、スタンドカバー部22と略線対称形状を成しており、本実施形態では平面視略台形状である。固定カバー部28は、第2筐体12Bの背面12Abと相対的に固定されている。本実施形態の固定カバー部28は、背面12Abに直接固定されている。固定カバー部28は、X方向で境界線B2側とは逆側の縁部28aが、ヒンジ装置24を介してスタンドカバー部22と隣接している。縁部28aは、Y方向に向かって次第にX方向に傾斜している。
図4は、スタンドカバー部22を起立位置として携帯用情報機器10を立てた状態での模式的な斜視図である。図4に示すように、スタンドカバー部22は、ベースカバー部20の固定カバー部28及び第2筐体12の背面12Bbに対して相対的に回動可能に設けられている。本実施形態のスタンドカバー部22は、ヒンジ装置24を介して第2筐体12Bの背面12Abに連結されている。
図2A〜図4に示すように、スタンドカバー部22は、固定カバー部28と略線対称形状を成しており、本実施形態では平面視略台形状である。スタンドカバー部22は、固定カバー部28の縁部28aとヒンジ装置24を挟んで隣接する縁部22aがヒンジ装置24と連結される。スタンドカバー部22は、縁部22a側と逆側の先端部22bが第2筐体12Bの開放端部12Bcと一致する。
スタンドカバー部22は、ヒンジ装置24の回転動作により、先端部22bが背面12Bbに当接した収納位置(0度)から、背面12Bbから次第に離間する方向に移動可能である。先端部22bは、最大でベースカバー部20の表面20aに当接してそれ以上の移動が規制される位置(180度)まで移動可能である。これによりスタンドカバー部22は、背面12Bbに沿って設けられる収納位置(図2A及び図3参照)と、背面12Abから突出した起立位置(例えば図4参照)との間で移動可能である。
図4に示すように、スタンドカバー部22は、固定カバー部28に対して適度な角度(起立位置)に設定することで、平板形態とした携帯用情報機器10を起立姿勢に維持するスタンドとして機能する。起立位置において、スタンドカバー部22は、台形の下底となる底縁部22cが机面上等に当接し、携帯用情報機器10を背面12Ab,12Bb側に少し倒れた所定の起立姿勢に維持することができる。
ヒンジ装置24は、スタンドカバー部22をベースカバー部20及び第2筐体12Bに対して相対的に回動可能に連結する。図3に示すように、ヒンジ装置24は、ヒンジ軸30と、第1ブラケット31A,31Bと、第2ブラケット32A,32Bと、を備える。
ヒンジ軸30は、スタンドカバー部22の縁部22aと固定カバー部28の縁部28aとの間に介在し、これら縁部22a,28aに沿って延在した金属製の棒状部材である。第1ブラケット31A,31Aは、第2筐体12Bにねじ止めされている。第2ブラケット32A,32Bは、スタンドカバー部22と固定されている。ヒンジ装置24は、第1ブラケット31A,31B又は第2ブラケット32A,32Bがヒンジ軸30に対して所定の回転トルクを介して回転可能に支持されることで、第1ブラケット31A,31Aと第2ブラケット32A,32Bとが相対的に回動する。これによりヒンジ装置24は、第2筐体12B及び固定カバー部28に対してスタンドカバー部22を相対的に回動可能に支持している。その結果、スタンドカバー部22は、所望の角度の起立位置に保持することができ、携帯用情報機器10のキックスタンドとして機能する(図4参照)。
次に、カバー装置14の具体的な構造を説明する。図5は、ベースカバー部20の模式的な分解斜視図である。図6は、スタンドカバー部22の模式的な分解斜視図である。図7は、カバー装置14を筐体12A,12Bに対する装着面である裏面側から見た平面図である。
図5及び図7に示すように、ベースカバー部20において、スライドカバー部26は、第1筐体12Aの背面12Ab側から順に、芯材34Aと、グラファイトシート35と、補助シート36と、表面材37と、が積層された構造である。固定カバー部28は、第2筐体12Bの背面12Bb側から順に、芯材34Bと、グラファイトシート35と、補助シート36と、表面材37と、が積層された構造である。折曲カバー部27は、筐体12A,12Bの背面12Ab,12Bb側から順に、保護カバー38と、グラファイトシート35と、補助シート36と、表面材37と、が積層された構造である。図5中の参照符号39は、両面テープ、粘着剤、或いは接着剤等の固定部材である。ベースカバー部20や後述するスタンドカバー部22の積層構造は、適宜変更可能であり、その積層数や積層順も適宜変更可能である。
芯材34Aは、スライドカバー部26のベースとなる硬質の部材である。芯材34Aは、スライドカバー部26の略全面に亘って延在しており、各所に部品配置や軽量化等のための凹部や切抜き部が形成されている。芯材34Aは、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維強化樹脂(GFRP)やポリカーボネート(PC)等の樹脂で成形されたプレート状部材である。芯材34Aは、例えば1〜2mm程度の板厚を有する。
芯材34Bは、固定カバー部28のベースとなる硬質の部材である。芯材34Bは、固定カバー部28の略全面に亘って延在しており、各所に軽量化等のための切欠き加工や切抜き加工が形成されている。図6は、図面の見易さを確保するため、図7と比べて芯材34Bの切欠き加工や切抜き加工の形状を簡素化して図示している。芯材34Bは、スライドカバー部26の芯材34Aと形状が異なる以外は同一の材質及び板厚でよい。
スライドカバー部26は、Y方向に間隔を介して並んだ一対のスライド機構40により、第1筐体12Aに対してX方向に相対移動可能に連結されている。各スライド機構40は、芯材34Aの裏面に形成された大型の凹部34aにそれぞれ配設されている。スライド機構40の具体的な構成は後述する。
固定カバー部28は、複数枚(図5では4枚)の両面粘着テープ44を用いて芯材34Bが第2筐体12Bの背面12Abに固定される。各両面粘着テープ44は、引張剥離可能な特性を有する。両面粘着テープ44は、ストレッチリリーステープ、ストレッチ両面テープ、或いはストレッチャブルテープとも呼ばれる部品である。各両面粘着テープ44は、引張剥離操作用のタブ44aを一端部に有する。各両面粘着テープ44は、タブ44aを引っ張ることで両粘着面が容易に剥離される。
グラファイトシート35は、芯材34A,34Bの表面に固定部材39で固定され、積層されている。グラファイトシート35は、ベースカバー部20の略全面に亘って延在している。グラファイトシート35は、例えば0.05〜0.15mm程度の厚みを有する。グラファイトシート35は、携帯用情報機器10内で発生した熱を吸熱し、拡散する熱拡散シートである。グラファイトシート35を有することにより、ベースカバー部20は、その表面20aでの局所的な高温部(ホットスポット)の形成が抑制される。
補助シート36は、グラファイトシート35の表面に固定部材39で固定され、積層されている。補助シート36は、グラファイトシート35の表面の全面を覆うように設けられ、グラファイトシート35が持つ気泡やしわ等による凹凸形状が表面材37に転写されることを防止する。補助シート36は、芯材34A,34Bよりも柔軟で、且つ表面材37よりも硬質である。補助シート36は、例えばポリカーボネート(PC)等の樹脂で成形されたシート状部材である。補助シート36は、例えば0.1〜0.5mm程度の厚みを有する。
表面材37は、ベースカバー部20の外観意匠や触感を高めるための表皮材である。表面材37は、補助シート36の表面に固定部材39で固定され、積層されている。表面材37は、ベースカバー部20の表面20aを形成するように補助シート36の全面を覆っている。表面材37は、人工皮革、天然皮革、或いは樹脂等で形成され、補助シート36や芯材34A,34Bよりも柔軟なシート状部材である。表面材37は、例えば0.5〜1mm程度の厚みを有する。
折曲カバー部27は、芯材34A,34Bを持たず、芯材34A,34B間の隙間と重なる領域に設けられている。折曲カバー部27は、柔軟な保護カバー38、グラファイトシート35、補助シート36、及び表面材37のみで形成されている。折曲カバー部27は、芯材を持たないため、フレキシブルヒンジとしての柔軟性を有する。つまりグラファイトシート35、補助シート36、及び表面材37の折曲領域が折曲カバー部27を構成している。
折曲カバー部27は、グラファイトシート35の裏面に芯材34A,34B間の隙間を覆う保護カバー38が貼り付けられている。保護カバー38は、グラファイトの粉こぼれ等を防止するためのシート状部材である。保護カバー38は省略してもよい。この場合、例えばグラファイトシート35は、その裏面を樹脂等のコーティングによって覆うとよい。
図6及び図7に示すように、スタンドカバー部22は、第2筐体12Bの背面12Ab側から順に、裏面材46と、補助シート47と、芯材48と、表面材49と、が積層された構造である。図5中の参照符号50は、ベースカバー部20の固定部材39と同様な固定部材である。
裏面材46は、起立位置で外観上に現れるスタンドカバー部22の裏面の外観意匠や触感を高めるための表皮材である。裏面材46は、芯材48の裏面に固定部材50で固定され、積層されている。裏面材46は、人工皮革、天然皮革、或いは樹脂等で形成された柔軟なシート状部材である。裏面材46は、例えば0.5〜1mm程度の厚みを有する。
補助シート47は、芯材48と裏面材46の間に積層されている。芯材48は、スタンドカバー部22のベースとなる硬質の部材である。表面材49は、スタンドカバー部22の外観意匠や触感を高めるための表皮材である。補助シート47、芯材48、及び表面材49は、上記したベースカバー部20の補助シート36、芯材34A,34B、及び表面材37と形状等が異なる以外は、同一又は同様な構成でよいため、詳細な説明は省略する。スタンドカバー部22にもグラファイトシート35を設けてもよい。
次に、スライド機構40の具体的な構成を説明する。図5及び図7に示すように、各スライド機構40は、レール41と、スライダ42と、ばね43と、を有する。図8Aは、レール41の平面図である。図8Bは、スライダ42の平面図である。図7及び図8A等に示すように、以下では、X方向について、第2筐体12Bから第1筐体12Aに向かう方向をX1方向、第1筐体12Aから第2筐体12Bに向かう方向をX2方向と呼ぶこともある。
図7及び図8Aに示すように、レール41は、X方向に延在した金属薄板であり、一部に折曲加工や孔あけ加工が施されている。レール41は、長手方向の端部にそれぞれY方向に延びた取付板41a,41bが設けられ、全体として平面視略H字形状を成している。レール41は、各取付板41a,41bが芯材34Aに対してねじ或いは粘着剤等を用いて固定される。X1側の取付板41bは、レール41を跨ぐ一対の支持部41c,41cを有する。支持部41cは、取付板41bのX1側端面に設けられ、ばね43のX2側端部が支持される。
図7及び図8Bに示すように、スライダ42は、レール41に対してX方向に摺動可能に連結されている。スライダ42は、X方向に延在した金属薄板であり、一部に折曲加工や孔あけ加工が施されている。スライダ42は、X2側端部にY方向に延びたスライダ羽根42aが設けられ、全体として平面視略T字形状を成している。スライダ42は、X2側端部にY方向に並んだ一対の取付孔42b,42bを有する。スライダ42のX2側端部は、折曲カバー部27と重なる位置まで延びている。各取付孔42bは、折曲カバー部27と重なる位置に配置され、第1筐体12Aにねじ止めされる。
スライダ羽根42aは、スライダ42を跨ぐ一対の支持部42c,42cと及び一対の係止部42d,42dを有する。各支持部42cは、スライダ羽根42aのX2側端面に設けられ、ばね43のX1側端部が支持される。各係止部42dは、スライダ羽根42aのX2側端面に設けられ、支持部42cの外側に位置している。各係止部42dは、第2筐体12Bの背面12Bbから突出したフック52に係止される。これによりスライダ42は、フック52による係止部42dの係止作用下に、X2方向への移動が規制される。
ばね43は、引張コイルばねである。ばね43は、レール41の支持部41cとスライダ42の支持部42cとの間に掛け渡される。ばね43は、レール41に対してスライダ42がX2方向に相対移動する方向に常時付勢している。換言すれば、レール41は、第1筐体12Aに固定されたスライダ42に対して、X1方向に相対移動する方向に常時付勢されている。これによりスライド機構40は、スライドカバー部26を先端部26aが第1筐体12Aの開放端部12Acに向かうスライド方向(X1方向)に常時付勢している。従って、スライドカバー部26は、X2方向への引寄せ力を受けない平板形態時(図2A及び図7参照)、ばね43の付勢力により、先端部26aが第1筐体12Aの開放端部12Acと確実に一致する。
図9は、図8A中のIX−IX線に沿う模式的な断面図であり、レール41とスライダ42との間の摺動部の状態を模式的に示している。図9に示すように、レール41とスライダ42との摺動部は、スライダ42が円滑に移動するために必要な嵌め合い公差tを有する。
ここで、スライドカバー部26について、X方向に沿って延びた一対の縁部のうち、図7中で上側の縁部を第1縁部26bと呼び、下側の縁部を第2縁部26cと呼ぶ。そうすると、図7中で上側のスライド機構40(以下、「第1スライド機構40」とも呼ぶ)は、第2縁部26cよりも第1縁部26bに近い位置にあり、その中心が第1縁部26bから距離L1の位置にある。一方、図7中で下側のスライド機構40(以下、「第2スライド機構40」とも呼ぶ)は、第1縁部26bよりも第2縁部26cに近い位置にあり、その中心が第2縁部26cから距離L2の位置にある。なお、距離L2は、距離L1よりも大きい。
このような構成において、スライドカバー部26の第1筐体12Aに対するがたつきを低減するためには、第1及び第2スライド機構40の各嵌め合い公差tは、いずれも可能な限り小さくする必要がある。ところが、各嵌め合い公差tがいずれも小さ過ぎると、嵌め合い公差tのばらつきやスライド機構40の取付誤差等により、2本のスライド機構40のレール41同士が平行せず、正常なスライドができなくなる恐れがある。
そこで、本実施形態のカバー装置14は、第1スライド機構40の摺動部でのがたつき(嵌め合い公差t)が、第2スライド機構40の摺動部でのがたつき(嵌め合い公差t)よりも大きく設定されている。なお、嵌め合い公差tの違い、例えば第1スライド機構40のレール41のY方向幅を第2スライド機構40のレール41のY方向幅よりも小さくすることで形成した。これにより、嵌め合い公差tが小さい第1スライド機構40でスライドカバー部26のがたつきを抑え、同時に嵌め合い公差tが大きい第2スライド機構40で正常なスライド動作を確保することができる。
しかも嵌め合い公差tが大きい第1スライド機構40の第1縁部26bまでの距離L1は、嵌め合い公差tが小さい第2スライド機構40の第2縁部26cよりも小さい。これにより例えばユーザが第1縁部26bを掴んで持ち上げた場合、距離L1が小さいことで、がたつきの大きな第1スライド機構40でスライダ42がレール41から脱落し、或いはこのがたつきの大きさに起因して第1縁部26bが大きく捲れ上がることを抑制できる。第1縁部26bから第1スライド機構40までの距離L1が短いと、そこに作用するモーメント力も小さいからである。
一方、第2縁部26cに対して、比較的大きな距離L2を介して配置された第2スライド機構40は、嵌め合い公差tが微小である。このため、第2スライド機構40では、スライダ42のレール41からの脱落や、第2縁部26cが大きく捲れ上がることが構造的に抑制されている。
図10は、スライダ42の係止部42dとフック52との係止状態を模式的に示す側面断面図である。図10に示すように、係止部42dは、樹脂で形成され、フック52に係止される端面にY方向に延びたひも状の突起42eを有する。係止部42dは、突起42eがフック52に押し付けられて潰れ、これにより強固にがたつきなく係止される。係止部42dとフック52との係止構造は変更可能である。
次に、カバー装置14の筐体12A,12Bに対する取付方法を説明する。以下では、ヒンジ装置24の取付方法を説明し、併せてカバー装置14の取付方法を説明する。
図7に示すように、ヒンジ装置24は、先ず、第2ブラケット32A,32Bがスタンドカバー部22に固定される。図6に示すように、スタンドカバー部22の芯材48には、第2ブラケット32A,32Bを位置決め可能な孔部(ブラケット配置部48a)が一対形成されている。第2ブラケット32A,32Bは、それぞれブラケット配置部48aに配設されることで、芯材48に位置決めされる。次いで、裏面材46、補助シート47、及び表面材49を芯材48の両面に適宜積層し、それぞれ固定部材50で固定する。これによりスタンドカバー部22の製造が完了する。このスタンドカバー部22は、積層体の途中に第2ブラケット32A,32Bが挿入固定され、ヒンジ軸30が縁部22aに沿って近接配置され、第1ブラケット31A,31Bがフリーの状態にある。
図5に示すように、ベースカバー部20は、予め芯材34A,34Bの表面にグラファイトシート35、補助シート36、表面材37、及び保護カバー38を積層して互いに固定部材39で固定した積層体を形成しておく。この際、スライドカバー部26の芯材34Aの裏面(凹部34a)に、スライド機構40のレール41をねじや接着剤等で固定しておく。これによりベースカバー部20の製造が完了する。
次に、スタンドカバー部22及びベースカバー部20を筐体12A,12Bに取り付ける。先ず、スタンドカバー部22を第2筐体12Bに固定する。スタンドカバー部22は、一体化されたヒンジ装置24の第1ブラケット31A,31Bを第2筐体12Bの背面12Bbに固定する。第1ブラケット31A,31Bは、ねじ54(図11B参照)を用いて背面12Bbに形成されたねじ穴55(図11C参照)にねじ止めされる。これによりスタンドカバー部22が第2筐体12Bに対してヒンジ装置24を介して回動可能な状態で固定される。
続いて、ベースカバー部20を筐体12A,12Bに固定する。ベースカバー部20は、筐体12A,12Bの背面12Ab,12Bb上に載置しつつ、先ず、スライドカバー部26を固定する。すなわち、スライドカバー部26に固定されたスライド機構40のスライダ42を第1筐体12Aの背面12Abに固定する。スライダ42の固定は、第1に、第1筐体12A側のフック52に係止部42dを係止させる。第2に、図11Bに示す状態と同様に、固定カバー部28から折曲カバー部27までを捲り上げてスライダ42の取付孔42bを露出させる。第3に、取付孔42bを通したねじ56(図11B参照)を第1筐体12Aの図示しないねじ穴に固定する。これによりスライドカバー部26が第1筐体12Aに対してスライド機構40を介して相対移動可能に取り付けられる。
続いて、固定カバー部28及び折曲カバー部27を背面12Bb,12Abを覆うように下ろす。固定カバー部28は、両面粘着テープ44を用いて第2筐体12Bの背面12Bbに固定する。折曲カバー部27は、特に固定等をする必要はない。これにより固定カバー部28が第2筐体12Bと固定される。この際、折曲カバー部27は、スライダ42の取付孔42b及びねじ56と、両面粘着テープ44のタブ44aとを覆った状態となる。その結果、カバー装置14の筐体12A,12Bに対する取付作業が完了する。
次に、カバー装置14の筐体12A,12Bからの取外方法を説明する。図11A〜図11Cは、カバー装置14の筐体12A,12Bからの取外作業の各工程を模式的に示す説明図である。図12は、平板形態の筐体12A,12Bから折曲カバー部27を浮かせた状態を模式的に示す側面図である。
図11Aに示すように、カバー装置14は、筐体12A,12Bの背面12Ab,12Bbに取り付けられた状態では、折曲カバー部27の裏側に両面粘着テープ44のタブ44aが配置されている(図7も参照)。そこで、当該取外方法では、先ず、筐体12A,12B間を積層形態から平板形態に開く。この際、スライドカバー部26は、先端部26aを指先等で押さえておき、そのスライドを阻止する。そうすると、スライドカバー部26は、第1筐体12Aに対してX2側に相対移動する。これによりベースカバー部20は、図12に示すように、スライドカバー部26の先端部26aの位置が積層形態時と同位置に維持され、折曲カバー部27が側面視略ドーム状に膨らんで背面12Ab,12Bbから離間する。
その結果、図12示すように、折曲カバー部27と背面12Ab,12Bbとの間に隙間Gが形成され、この隙間Gに両面粘着テープ44のタブ44aが露呈する。この隙間Gに指先やピンセットのような工具を差し込み、全てのタブ44aを引っ張り、全ての両面粘着テープ44を剥離し、除去する。これにより固定カバー部28が第2筐体12Bから外れる。両面粘着テープ44の除去後は、スライドカバー部26の押さえ付けを止める。そうすると、スライドカバー部26は、ばね43の付勢力で先端部26aが開放端部12Acに一致する位置までスライドする。
続いて、図11Bに示すように、固定カバー部28及び折曲カバー部27を背面12Ab,12Bbから持ち上げて捲り上げる。固定カバー部28は、折曲カバー部27を折り曲げつつ、縁部28aがスライドカバー部26の先端部26aを越える位置まで引っ張る。これによりスライダ42のX2側端部及びここに形成された取付孔42b(ねじ56)が露呈する。そこで、図11Cに示すように、ねじ56を取り外した後、スライドカバー部26をX1側に移動させる。これによりフック52から係止部42dが外れるため、スライド機構40が第1筐体12Aから完全に外れる。その結果、ベースカバー部20が筐体12A,12Bから取り外される。
一方、図11Bに示すように、スタンドカバー部22は、固定カバー部28が持ち上げられたことで、第1ブラケット31A,31B(ねじ54)が露呈する。そこで、ねじ54を取り外す。これにより、スタンドカバー部22が第2筐体12Bから取り外される(図11C参照)。その結果、カバー装置14の筐体12A,12Bからの取外作業が完了する。
以上のように、当該携帯用情報機器10は、互いに相対的に回動可能に連結された筐体12A,12Bの背面12Ab,12Bbを覆うカバー装置14を備える。カバー装置14は、第1筐体12Aに対してスライド機構40を介して支持されるスライドカバー部26と、第2筐体12Bに対して固定される固定カバー部28と、スライドカバー部26と折曲カバー部27の間を接続する折曲カバー部27と、を有する。そして、スライドカバー部26を第1筐体12Aに対して連結するスライド機構40は、スライドカバー部26に固定されるレール41と、レール41とX方向に沿って互いに摺動可能に連結され、第1筐体12Aに固定されるスライダ42と、を有する。スライダ42には、第1筐体12Aに対するねじ止め用の取付孔42bが設けられている。この取付孔42bは、折曲カバー部27と重なる位置に配置されている(図7参照)。
従って、当該携帯用情報機器10は、カバー装置14を取り外す際、先ず、固定カバー部28を第2筐体12Bから取り外した後、折曲カバー部27を曲げて固定カバー部28及び折曲カバー部27を捲り上げる。これにより、カバー装置14は、折曲カバー部27の下に隠されていたスライダ42の取付孔42bが露呈する。そこで、取付孔42bに通されたねじ56を取り外すことで、スライドカバー部26が第1筐体12Aから取り外され、カバー装置14の取外作業が完了する。すなわち、カバー装置14は、折り畳み可能な筐体12A,12Bを覆うために必要な折曲カバー部27を利用して、固定カバー部28の取り外し後にその下に隠されていた取付孔42bを露呈させることで、スライドカバー部26を容易に取り外すことができる。このため、携帯用情報機器10は、ディスプレイ16及びバッテリ装置等の各種電子部品並びにカバー装置14の交換やメンテナンスが容易である。
なお、スライド機構40は、2つのスライダ部品であるレール及びスライダを備えていればよく、レール及びスライダの呼び方は、いずれを固定側、スライド側と捉えるかで変わる概念である。つまりスライドカバー部26に固定されるレール41をスライダと呼んでもよいし、第1筐体12Aに固定されるスライダ42をレールと呼んでもよい。
当該カバー装置14は、固定カバー部28が引張剥離可能な両面粘着テープ44を用いて第2筐体12Bに固定されている。この際、両面粘着テープ44のタブ44aは、折曲カバー部27と重なる位置にある。このため、カバー装置14は、固定カバー部28を取り外す際には、折曲カバー部27を撓ませて筐体12A,12Bとの間に隙間Gを形成するだけで、隙間Gからタブ44aを引っ張ることができる。その結果、当該カバー装置14は、固定カバー部28の取外作業も容易である。また、両面粘着テープ44が、容易に剥離可能であるため、固定カバー部28を第2筐体12Bから剥がす際にいずれか一方が破損することも防止できる。なお、固定カバー部28の破損を問題としない場合等では、両面粘着テープ44に代えて一般的な両面テープを用いてもよい。なお、本実施形態の取付孔42bやタブ44aは、折曲カバー部27に重なる位置にあるが、取付孔42bやタブ44aは、左右の芯材34A,34B間の隙間にあると言い換えることもできる。
当該カバー装置14は、固定カバー部28と共に第2筐体12Bの背面12Bbを覆うスタンドカバー部22を備える。このスタンドカバー部22は、第2筐体12Bに対してヒンジ装置24を介して回動可能に連結されている。この際、ヒンジ装置24は、第2筐体12Bに固定される第1ブラケット31A,31Bが固定カバー部28で覆われている。このため、スタンドカバー部22は、ヒンジ装置24がカバー装置14の外観上で目立つことがない。また、スタンドカバー部22の取外作業では、固定カバー部28を第2筐体12Bから持ち上げた後、容易に第1ブラケット31A,31Bを第2筐体12Bから取り外すことができる。このため、当該カバー装置14は、スタンドカバー部22を備えた構成でありながらも、外観品質や取外作業の容易性の低下が抑制されている。
図13は、変形例に係るスタンドカバー部60を有するカバー装置14が装着された携帯用情報機器10を見たカバー装置14側から見た平面図である。図14は、スタンドカバー部60を用いて携帯用情報機器10を横置きで立てた状態での模式的な斜視図である。図15は、スタンドカバー部60を用いて携帯用情報機器10を縦置きで立てた状態での模式的な斜視図である。図13〜図15において、図1〜図12に示される参照符号と同一の参照符号は同一又は同様な構成を示し、このため同一又は同様な機能及び効果を奏するものとして詳細な説明を省略する。
図13に示すように、スタンドカバー部60は、図3に示すスタンドカバー部22と形状等が異なる。このため、図13に示すベースカバー部20は、図3に示す固定カバー部28と形状が異なる固定カバー部62を有する。固定カバー部62及びスタンドカバー部60の内部構造は、上記した固定カバー部28及びスタンドカバー部22と同一でよい。
固定カバー部62及びスタンドカバー部60は、全体として略長方形の外形を形成している点は、図3に示す固定カバー部28及びスタンドカバー部22と同様である。ここで、固定カバー部62及びスタンドカバー部60で形成される略長方形の外形の部分、つまりカバー装置14が第2筐体12Bの背面12Bbを覆う部分について、X方向に沿った短い縁部をそれぞれ第1短辺S1、第2短辺S2と呼び、Y方向に沿った長い縁部をそれぞれ第1長辺S3、第2長辺S4と呼ぶ。第1長辺S3は、第2筐体12Bの開放端部12Bcと一致する。第2長辺S4は、固定カバー部62と折曲カバー部27との境界線B2と一致する。
図13に示すように、スタンドカバー部60は、平面視略台形状に形成されている。スタンドカバー部60は、ヒンジ取付縁部60aと、自由縁部60bと、第1底縁部60cと、第2底縁部60dと、を有する。
ヒンジ取付縁部60aは、第1長辺S3の中央よりも第1短辺S1に寄った位置にある第1端部P1から第2長辺S4に向かって次第に第1短辺S1から離間する方向に傾斜しながら延在し、第2長辺S4よりも手前の位置に第2端部P3が設けられている。ヒンジ取付縁部60aは、台形の脚となる辺である。ヒンジ取付縁部60aは、ヒンジ装置24の取付縁部である。ヒンジ装置24は、ヒンジ軸30がヒンジ取付縁部60aに沿って配置され、第2ブラケット32A,32Bがヒンジ取付縁部60aを介してスタンドカバー部60に固定される。
自由縁部60bは、第2長辺S4と平行してヒンジ取付縁部60aの第2端部P2から第2短辺S2まで延在している。自由縁部60bは、台形の上底となる辺である。自由縁部60bは、第2筐体12B及び固定カバー部62に対して相対移動可能である。つまり自由縁部60bは、固定カバー部28とスタンドカバー部60とを分断した分割線である。
第1底縁部60cは、第2短辺S2に沿った縁部である。第1底縁部60cは、台形の脚となる辺であり、上底となる自由縁部60b及び下底となる第2底縁部60dと直交している。第2底縁部60dは、第1長辺S3に沿った縁部である。第2底縁部60dは、台形の下底となる辺である。
固定カバー部62は、長方形から台形のスタンドカバー部60を切り抜いた形状である。固定カバー部62は、ヒンジ取付縁部60aと対向する縁部62aと、自由縁部60bと対向する縁部62bとで、スタンドカバー部60と隣接している。
このようなスタンドカバー部60を備えたカバー装置14は、固定カバー部62に対して適度な角度(起立位置)に設定することで、平板形態とした携帯用情報機器10を起立姿勢に維持するスタンドとして機能する。具体的には、携帯用情報機器10を横置きとする場合、スタンドカバー部60は、図14に示すように、第1底縁部60cが机面上等に当接し、携帯用情報機器10を背面12Ab,12Bb側に少し倒れた所定の横置きの起立姿勢に維持することができる。一方、携帯用情報機器10を縦置きとする場合、スタンドカバー部60は、図15に示すように、第2底縁部60dが机面上等に当接し、携帯用情報機器10を背面12Ab,12Bb側に少し倒れた所定の縦置きの起立姿勢に維持することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
上記では、スタンドカバー部22を備えたカバー装置14を例示した。しかしながら、カバー装置14は、スタンド機能が不要である場合は、スタンドカバー部22を省略すればよい。
上記では、スタンドカバー部22は、その底縁部22cが第2筐体12BのX方向に延びた下端面と一致する構成であるため、ヒンジ軸30をXY方向に対して傾斜した姿勢で配置し、図4に示す起立位置で携帯用情報機器10が多少後倒しの起立姿勢となるようにしていた。しかしながら、スタンドカバー部22の設置位置等によっては、ヒンジ軸30は、X方向又はY方向に平行に設置されてもよい。
上記では、カバー装置14は、筐体12A,12Bに一体的に固定される構成を例示した。しかしながら、カバー装置14は、携帯用情報機器10とは完全に別体の単独部品でもよく、この場合、カバー装置14は、例えば磁石やフックを用いて筐体12A,12Bに着脱可能に装着される構成でもよい。このような単独部品のカバー装置14では、スタンドカバー部22,60は、第1ブラケット31A,31Bがベースカバー部20に固定されればよい。
上記では、本のように二つ折りに折り畳み可能な携帯用情報機器10を例示したが、折り畳み型の携帯用情報機器としては、同形の筐体同士を二つ折りに折り畳む構成以外、例えば大形の筐体の左右縁部にそれぞれ小形の筐体を折り畳み可能に連結した観音開きの構成、1つの筐体の左右縁部にそれぞれ折り畳み方向の異なる筐体を連結したS型の折り畳み構成、大形の筐体の左右一方の縁部に小形の筐体を折り畳み可能に連結したJ型の折り畳み構成等、各種構成を例示でき、筐体の連結数は4以上としてもよい。この場合、カバー装置14は、各筐体の全部又は一部の背面を覆う構成とすればよく、2以上が同時に利用されてもよい。