JP6967437B2 - アルミニウムダイカスト合金、アルミニウムダイカスト合金用いた自動車用部材、及びアルミニウムダイカスト合金の製造方法。 - Google Patents
アルミニウムダイカスト合金、アルミニウムダイカスト合金用いた自動車用部材、及びアルミニウムダイカスト合金の製造方法。 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6967437B2 JP6967437B2 JP2017237006A JP2017237006A JP6967437B2 JP 6967437 B2 JP6967437 B2 JP 6967437B2 JP 2017237006 A JP2017237006 A JP 2017237006A JP 2017237006 A JP2017237006 A JP 2017237006A JP 6967437 B2 JP6967437 B2 JP 6967437B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum
- aluminum die
- cast alloy
- cast
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Description
すなわち、通常の溶体化処理よりも低くかつ時効処理よりも高い温度で熱処理を行うことで、母相中の固溶原子により固溶強化され、Siを含む硬い粒子が球状化して切欠き効果が緩和されて、強度と延性とを両立させることができ、本発明を完成するに至った。
ケイ素(Si)を9〜11.5質量%、
マンガン(Mn)を0.4〜0.8質量%、
マグネシウム(Mg)を0.1〜0.5質量%の割合で含み、
残部がアルミニウム(Al)と、0.25質量%以下の鉄(Fe)と、0.1質量%以下の亜鉛(Zn)と不可避不純物からなる化学組成を有し、
アルミニウムを含む母相と、アスペクト比が1.0〜2.5のケイ素を含む粒子を有する金属組織を有し、
導電率が、37%IACS以下であることを特徴とする。
上記アルミニウムダイカスト合金は、
ケイ素(Si)を9〜11.5質量%、マンガン(Mn)を0.4〜0.8質量%、マグネシウム(Mg)を0.1〜0.5質量%の割合で含み、残部がアルミニウム(Al)と、0.25質量%以下の鉄(Fe)と、0.1質量%以下の亜鉛(Zn)と不可避不純物からなる化学組成を有し、アルミニウムを含む母相と、アスペクト比が1.0〜2.5のケイ素を含む粒子を有する金属組織を有し、導電率が、37%IACS以下である。
上記アルミニウムダイカスト合金は、Alを主成分とする母相(α―Al相)と、晶出したSiを含む粒子と、を有し、上記Siを含む粒子が母相の周囲に分散している。
そして、上記Siを含む粒子(以下、強化粒子ということがある。)のアスペクト比が1.0〜2.5であり、母相のAlには、Mg、Mn、Fe、Znなどの異種元素が多く固溶した導電率が37%IACS以下である金属組織を有する。
導電率(%IACS)は、国際標準軟銅(International Annealed Copper Standerd)の電気抵抗値、1.7241×10−8Ω・mを100とし、合金板の導電率を相対比(%)で表示したものであり、導電率は固溶している異種元素の量に影響を受ける。
これに対し、アルミニウムに異種元素が固溶せずに、晶出物、析出物として存在する場合は、アルミニウムダイカスト合金の金属組織中に、異種元素が偏析して導電経路を寸断しないため、アルミニウム合金中の導電経路が確立され、異種元素の導電率への影響が小さくなり、純アルミニウムの導電率に近づく。
したがって、導電率は、固溶している異種元素の量の代用評価とすることができる。
また、長径の平均を強化粒子の平均径とした。
上記アルミニウムダイカスト合金は、ケイ素(Si)を9〜11.5質量%、マンガン(Mn)を0.4〜0.8質量%、マグネシウム(Mg)を0.1〜0.5質量%の割合で含み、残部がアルミニウム(Al)と、0.25質量%以下の鉄(Fe)と、0.1質量%以下の亜鉛(Zn)と不可避不純物からなり、高強度、高延性を有する。
また、マンガンは鋳造塊の金型への焼付き防止に有効な元素であり、特に、鉄の含有量が低い場合、例えば、鉄の含有量が0.2質量%以下の焼き付きが生じ易い場合であってもマンガンを0.4質量%以上含有することで焼き付きを防止できる。
また、マグネシウムの含有量が0.6質量%を超えると鋳造塊の成形時に溶湯の流動性が低下して、欠肉や引け巣などの鋳造欠陥が生じ易くなりって強度が低下することがある。
0.003質量%未満では、期待する強化粒子の球状化効果が得られないことがあり、0.02質量%を超えるとAl−Sr系の粗大な金属間化合物が晶出し易くなって延性が低下することがある。
本発明のアルミニウムダイカスト合金は、アルミニウム合金の鋳造塊を所定の条件で熱処理することで製造できる。
上記温度範囲の加熱を行うことで、鋳造塊の母相のアルミニウム中に固溶した異種元素が析出せず又は異種元素がアルミニウム固溶し、かつ強化粒子が球状化するため、強度と延性とを両立できる。また、設備投資、使用エネルギー、工数を削減することができ、安価なアルミニウムダイカスト合金を得ることができる。
本発明のアルミニウムダイカスト合金の製造方法は、上記化学組成の金属溶湯を高圧で金型に注入して凝固させ、金型から取り出して冷却する成形工程を有する。
<成形工程>
ケイ素を10.5質量%、マンガンを0.45質量%、マグネシウムを0.35質量%、鉄を0.1質量%、亜鉛を0.01質量%含み、残部がアルミニウムの鋳物用アルミニウム合金を融解して溶湯を調製した後、金型温度を調節したJIS4号試験片作製用の金型に約60MPaで注湯し凝固させて金型から取り出し、大気中で放冷してアルミニウム合金の鋳造塊を得た。
また、約500×400×200cmかつ板厚約3mmの自動車用フレーム部材の鋳造塊を成形した。
上記アルミニウム合金の鋳造塊を加熱し、395℃で1時間保持したのち室温まで放冷してアルミニウムダイカスト合金を得た。
加熱温度を380℃にする他は実施例1と同様にしてアルミニウムダイカスト合金を得た。
加熱温度を365℃にする他は実施例1と同様にしてアルミニウムダイカスト合金を得た。
加熱温度を350℃にする他は実施例1と同様にしてアルミニウムダイカスト合金を得た。
加熱温度を320℃にする他は実施例1と同様にしてアルミニウムダイカスト合金を得た。
加熱温度を305℃にする他は実施例1と同様にしてアルミニウムダイカスト合金を得た。
上記アルミニウム合金の鋳造塊を加熱し、485℃で1時間保持したのち放冷し、さらに220℃で2時間保持した後、室温まで急冷してアルミニウムダイカスト合金(T6)を得た。
上記アルミニウム合金の鋳造塊を加熱し、525℃で1時間保持したのち放冷し、さらに200℃で2時間保持した後、室温まで急冷してアルミニウムダイカスト合金(T7)を得た。
上記アルミニウム合金の鋳造塊を加熱し、535℃で1時間保持したのち放冷し、さらに200℃で2時間保持した後、室温まで急冷してアルミニウムダイカスト合金(T7)を得た。
上記アルミニウム合金の鋳造塊を加熱し、485℃で1時間保持したのち放冷し、さらに230℃で2時間保持した後、室温まで急冷してアルミニウムダイカスト合金(T6)を得た。
上記アルミニウム合金の鋳造塊を加熱し、465℃で1時間保持したのち放冷し、さらに200℃で2時間保持した後、室温まで急冷してアルミニウムダイカスト合金(T6)を得た。
上記アルミニウム合金の鋳造塊を加熱し、230℃で3時間保持したのち室温まで放冷してアルミニウムダイカスト合金(T5)を得た。
加熱温度を290℃にする他は実施例1と同様にしてアルミニウムダイカスト合金を得た。
熱処理を行わない他は実施例1と同様にしてアルミニウムダイカスト合金を得た。
実施例及び比較例のアルミニウムダイカスト合金を以下の方法で評価した。
評価結果を表1に示す。
また、実施例1〜4、比較例1、比較例8の金属組織の画像を図1に示す。
0.2%耐力及び破断伸びは、金属材料引張試験方法 JIS Z 2241(2011)に準拠して、汎用の引張試験機を用いて測定した。
導電率をJIS H0505に準拠して測定した。
自動車用フレーム部材についてブリスター及び変形の有無を目視により確認した。
さらに、SPR締結に必要とされる10以上の伸びを確保しつつ、80MPa以上の耐力を有することが確認された。
Claims (6)
- ケイ素(Si)を9〜11.5質量%、
マンガン(Mn)を0.4〜0.8質量%、
マグネシウム(Mg)を0.15〜0.50質量%の割合で含み、
残部がアルミニウム(Al)と、0.25質量%以下の鉄(Fe)と、0.1質量%以下の亜鉛(Zn)と不可避不純物からなる化学組成を有し、
アルミニウムを含む母相と、アスペクト比が1.0〜2.5のケイ素を含む粒子を有する金属組織を有し、
導電率が、37%IACS以下であることを特徴とするアルミニウムダイカスト合金。 - さらに、ストロンチウム(Sr)を0.003〜0.02質量%含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウムダイカスト合金。
- 耐力が100MPa以上であり、伸びが10%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウムダイカスト合金。
- 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のアルミニウムダイカスト合金を用いた自動車用部材。
- 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載のアルミニウムダイカスト合金を製造するアルミニウムダイカスト合金の製造方法であって、
アルミニウム合金の鋳造塊をダイカスト法で成形する成形工程と、
上記アルミニウム合金の鋳造塊に対し、加熱した後に冷却する熱処理工程とを有し、
上記熱処理工程が、300〜420℃に加熱して30分間〜2.0時間保持し、その後冷却する処理であることを特徴とするアルミニウムダイカスト合金の製造方法。 - 上記成形工程が、金型から取り出したアルミニウム合金の鋳造塊を急冷する処理を含むことを特徴とする請求項5に記載のアルミニウムダイカスト合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017237006A JP6967437B2 (ja) | 2017-12-11 | 2017-12-11 | アルミニウムダイカスト合金、アルミニウムダイカスト合金用いた自動車用部材、及びアルミニウムダイカスト合金の製造方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017237006A JP6967437B2 (ja) | 2017-12-11 | 2017-12-11 | アルミニウムダイカスト合金、アルミニウムダイカスト合金用いた自動車用部材、及びアルミニウムダイカスト合金の製造方法。 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019104953A JP2019104953A (ja) | 2019-06-27 |
JP6967437B2 true JP6967437B2 (ja) | 2021-11-17 |
Family
ID=67061106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017237006A Active JP6967437B2 (ja) | 2017-12-11 | 2017-12-11 | アルミニウムダイカスト合金、アルミニウムダイカスト合金用いた自動車用部材、及びアルミニウムダイカスト合金の製造方法。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6967437B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022216083A1 (ko) * | 2021-04-09 | 2022-10-13 | 삼성전자 주식회사 | 박육 제품 다이캐스팅용 알루미늄 합금 및 전자 장치 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006183122A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Denso Corp | ダイカスト用アルミニウム合金およびアルミニウム合金鋳物の製造方法 |
JP2009203516A (ja) * | 2008-02-27 | 2009-09-10 | Aisin Seiki Co Ltd | アルミニウム合金 |
JP2010090459A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Nissan Motor Co Ltd | アルミニウム合金ダイカスト及びその製造方法 |
JP5304808B2 (ja) * | 2011-01-31 | 2013-10-02 | 株式会社デンソー | アルミニウム合金鋳物およびその製造方法 |
CN102676887B (zh) * | 2012-06-11 | 2014-04-16 | 东莞市闻誉实业有限公司 | 加压铸造用铝合金及该铝合金的铸件 |
US9677158B2 (en) * | 2013-03-15 | 2017-06-13 | GM Global Technology Operations LLC | Aluminum alloy suitable for high pressure die casting |
US20170107599A1 (en) * | 2015-10-19 | 2017-04-20 | GM Global Technology Operations LLC | New high pressure die casting aluminum alloy for high temperature and corrosive applications |
JP6860768B2 (ja) * | 2016-02-05 | 2021-04-21 | 学校法人 芝浦工業大学 | 鋳造用アルミニウム合金、アルミニウム合金部材、及びアルミニウム合金部材の製造方法 |
-
2017
- 2017-12-11 JP JP2017237006A patent/JP6967437B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019104953A (ja) | 2019-06-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6376665B2 (ja) | アルミニウム合金 | |
CN109072356B (zh) | 压铸合金 | |
WO2005098065A1 (ja) | 熱伝導性に優れた熱処理用アルミニウム合金鋳造材及びその製造方法 | |
CN109811206B (zh) | 铸造铝合金 | |
WO2010055897A1 (ja) | マグネシウム合金およびマグネシウム合金鋳物 | |
KR20180132140A (ko) | 다이 캐스팅 합금 | |
JP2010018875A (ja) | 高強度アルミニウム合金、高強度アルミニウム合金鋳物の製造方法および高強度アルミニウム合金部材の製造方法 | |
JP6229130B2 (ja) | 鋳造用アルミニウム合金及びそれを用いた鋳物 | |
CN110983131A (zh) | 一种7系铝合金型材及其制造方法 | |
JP7467633B2 (ja) | 粉末アルミニウム材料 | |
CN109136681B (zh) | 一种6061铝铸棒材及其铸造工艺 | |
KR20200014831A (ko) | 고강도 알루미늄 합금 | |
JP6594663B2 (ja) | 耐熱性マグネシウム鋳造合金とその製造方法 | |
JP4145242B2 (ja) | 鋳物用アルミニウム合金、アルミニウム合金製鋳物およびアルミニウム合金製鋳物の製造方法 | |
JP6967437B2 (ja) | アルミニウムダイカスト合金、アルミニウムダイカスト合金用いた自動車用部材、及びアルミニウムダイカスト合金の製造方法。 | |
EP2692883A2 (en) | Mg-al-ca-based master alloy for mg alloys, and a production method therefor | |
JP2010106336A (ja) | マグネシウム合金の鍛造方法 | |
JP5575028B2 (ja) | 高強度アルミニウム合金、高強度アルミニウム合金鋳物の製造方法および高強度アルミニウム合金部材の製造方法 | |
JPH11246925A (ja) | 高靱性アルミニウム合金鋳物およびその製造方法 | |
JP7459496B2 (ja) | アルミニウム合金鍛造材の製造方法 | |
JP6726058B2 (ja) | Al合金鋳造物の製造方法 | |
KR100904503B1 (ko) | 가공용 고강도 알루미늄 합금 | |
JP2006161103A (ja) | アルミニウム合金部材およびその製造方法 | |
JP3687505B2 (ja) | 鋳造鍛造用アルミニウム合金及び鋳造鍛造材の製造方法 | |
US20210332462A1 (en) | Aluminum alloy and manufacturing method thereof |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20180518 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180518 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200804 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210421 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210510 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210726 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211001 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211025 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6967437 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |